神輿は軽くてバカが良い編 第十六章 そして百花は開花する編

  • 1◆VLlUGaOg9c25/10/25(土) 22:39:16

    ようやく退院を果たしたカナは、初めての外交として百鬼夜行連合学院へとやって来た。
    そこでカナは陰陽部のニヤから依頼を受け、百花繚乱紛争調停員会の復活に協力することになる。

    百花繚乱の参謀にして、ウトナピシュティムに乗り込んだ戦友でもあるキキョウと合流したカナたちは、
    新生百花繚乱として存在を示すために旗を掲げるのだった。

  • 2二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 22:40:16

    たておつ

  • 3◆VLlUGaOg9c25/10/25(土) 22:44:36

    「百花繚乱だって・・・?」「おでれぇた、ユカリちゃんじゃねぇか!?」「生きていたのか?自力で復活をっ!?」

    ナレーション
     穏やかな湖に石を投げ込んだように、百鬼夜行に轟いたキキョウの言葉は波紋となって広がっていく。
     百鬼夜行連合学院の自治区にある程度長く親しんだ者なら、誰もが知る名で、誰もが知る羽織。
     ・・・しかし、委員長の不在によって長らく姿を消していた。もう終ったのだと、多くの人が思っていた。
     そんな美しくも気高い百花の花が、自分たちはここに居るのだと目新しい旗を掲げている。
     
    店員の少女「なん、で・・・」

    ナレーション
     それは誰にとっても、何よりも、かつての百花繚乱を良く知る人々にとって大きな衝撃だった。
     かつて何よりも強く、何よりも頼もしかった、百鬼夜行の守護者たち。気丈に咲き誇った百花の華。
     輝かしい大輪の菖蒲が消え去って、白い名草はそれを追い、残された花たちも一輪また一輪と消えていった。
     どうしようもない無力感に、どうしようもない失意を前にして、枯れて落ちて終った筈の百花の物語。なのに・・・・・・
     
    魑魅一座「・・・おもしれぇ」
    魑魅一座たち「リーダー、無事だったんですか!?」「あ、でも、ちょっと泣いてる!」「我慢出来て偉いね」
    魑魅一座「う、うるせぇ!!それより・・・・・・百花繚乱紛争調停員会、ねぇ?委員長抜きじゃあ何も出来――」

    はぁぁぁぁーーーーっ!!
    ガァァンッ!!(旗で殴る音)
    魑魅一座「るう゛ぇぇぇぇーーーっ!!?」
    魑魅一座たち「「「リーダァァァァーーーっ!!?」」」

    ナレーション
     ・・・魑魅一座のリーダーの煽りを無視して、戦っていた。
     周囲が唖然とし、仲間の魑魅一座が絶叫を上げる中も百花繚乱は止まらない。
     リーダーを旗で殴ったお嬢様なんか「アーツッ!クイックッ!バスターッ!!」と叫び、旗で殴り続けている。
     かつて百花繚乱の姿とは大きく違う。違うはずなのに・・・・・・串焼き屋の少女はかつての自分たちを幻視した。

  • 4二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 22:45:27
  • 5二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:00:20

    たておつ
    旗を振れー!

  • 6二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:02:48

    >>3

    fgoかな???

  • 7二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:07:12

    旗殴りはジッサイ強い
    なんかいろんな所でそう言われてる

  • 8◆VLlUGaOg9c25/10/25(土) 23:17:52

    >>3

    ズダァンッ!ズダァンッ!(銃撃音)

    魑魅一座たち「いたたっ!」「くそっ、彼奴ら卑怯な真似を・・・・!」「なんとか、弾幕から、自力で脱出を・・・!」


    キキョウ「一気に攻めなさい!形成を立て直させないように!」

    ユカリ「ちょ、ちょっと、可哀想な気がしてきましたわ・・・」


    ナレーション

     百花繚乱は止まらない。カナという目立つ前衛が作り上げた隙を狙い、魑魅一座へと銃撃の雨を見舞う。

     魑魅一座が体勢を立て直すべく動いても、キキョウという参謀役の指示で的確に追い立てられて行動を潰され、

     数の利を生かしきれないまま追い詰められ、百花繚乱の射線から逃れることが出来ない。


    魑魅一座「ひ、人の話を何度も・・・!お前等、人の心はな――」

    ガァァンッ!!(打撃音)

    魑魅一座「い゛ぃぃーーーっ!?」

    すまない!そういうのは殴ってからだ!


    ナレーション

     纏め役のリーダーもカナに殴り続けられており、碌な統率が取れていない。

     というか、そもそも百鬼夜行の自治区内で許可も取らず暴れ、治安を乱したのは魑魅一座の方だ。

     長く活動休止していたとはいえ、百花繚乱紛争調停委員会は百鬼夜行の治安維持組織。殴る理由と正当性がある。


    それに――いや、これは私じゃない方が良いな。キキョウ!


    ナレーション

     任せた!とでも言うように、自分の名前を叫んだカナに「殴ってからじゃなかったの?」とキキョウは微笑む。

     意図は分かった。キキョウはライフルに新しい弾を込め、派手に銃声を鳴らして叫んだ。


    キキョウ「痛くても、辛くても、苦しくても…・・・何があろうと、私たちは戦う!絶対に諦めない!

         それが後に残された私たちの、託された私たちの役目!私たちは・・・百花繚乱紛争調停委員会だから!」

  • 9二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:28:53

    決まった…

  • 10二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:30:04

    おお…!

  • 11◆VLlUGaOg9c25/10/25(土) 23:40:34

    >>8

    ナレーション

     はっ!とした。キキョウの・・・かつての仲間の言葉に、串焼き屋の少女はとうとう認めなくてはならなかった。

     ・・・羨ましいのだ。段々と寂しくなっていく百花繚乱に居るのが苦しくて、逃げた自分を悔いているのだ。

     たった4人・・・それも内2人は恐らく外部生だけになっても、あの羽織を着続けている彼女たちが羨ましい。

     その強さが、気高さが、眩しくて、羨ましくて仕方が無い。――未練が、少女の心を再び燃やし始めた。


    串焼き屋の少女「・・・母さん」


    串焼き屋店主「構わん、行け。それがお前の望みなら」


    串焼き屋の少女「ありがとう・・・行ってきます!」


    ナレーション

     串焼きから目を逸らさないまま、しかし、優しい声色で背を押してくれた母に感謝しながら少女は飛び出した。

     着慣れた羽織も使い慣れたライフルも返してしまったけれど、心に再び信念を咲かせた少女に迷いは無い。

     百花繚乱を辞めてから、押し入れから引っ張り出した古いリボルバー。

     まだ1度も撃ったことの無いそれを素早く引き抜いて、弾倉に弾を込めて叫んだ。


    串焼き屋の少女→百花繚乱の少女「私も戦います!だから、もう一度・・・私を百花繚乱に入れて下さい!」

  • 12二次元好きの匿名さん25/10/25(土) 23:47:29

    百鬼夜行が日本モチーフで古いリバルバーってなると…二十六年式拳銃辺り?それかニューナンブか

  • 13二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 07:10:20

    やったぜ

  • 14二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 11:45:00

    熱意が伝染していく

  • 15二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 19:57:40

    >>14

    おお…!

  • 16◆VLlUGaOg9c25/10/26(日) 21:05:29

    >>12

    代理モブ「多分、本編で公表する機会は多分無いので、好きに想像するしてくれて構いません。

         1の想像では、桑原製軽便拳銃・・・・・・日清戦争時に将校向けとして発売された銃ですね」

    >>11

    《キキョウの家 大広間》


    ナレーション

     結論から言おう。百花繚乱紛争調停委員会復帰初日の活動は成功を超えた大成功だった。

     キキョウが考案した新戦術は上手くいき、数で勝る不良相手でも快勝を重ね、

     また新しく作られた旗が良い宣材となって百花繚乱の完全復活を広く喧伝してくれた。

     勝って兜の緒を締めよとは言うが、勝利の味は甘いもの。ユカリの提案もあって、すぐに祝勝会の開催が決まった。


    キキョウ「本当に私が言うの…?」

    外部生の私が言うのは違う。こういうのは、百鬼夜行の生徒で元々百花繚乱だった人がやるべきだ。


    ナレーション

     祝勝会の会場である自分の家の大広間で、キキョウは乾杯用のジュースを手に表情を歪めていた。

     百花繚乱を守っていたもう1人であるユカリが1年生である以上、先輩であるキキョウが音頭を取る役になる。

     その理屈自体はキキョウも理解していても、こういうリーダーとして先頭に立つ経験は少なくて、慣れていない。

     早い話が、緊張しているのである。


    百花繚乱の少女「私も・・・今の百花繚乱を背負えるのはキキョウさんだと思います」


    ナレーション

     今日の活動の中、戻ってきてくれた同僚にも後押しされて「仕方が無い」とキキョウは観念した。

     顔を上げて改めて周囲を見渡せば、百夜堂の持ち帰りメニューや串焼きが並んだ机を囲みながら、

     仲間たちは自分の言葉を静かに待っている。自分の指示を、待っているのだ。


    キキョウ「・・・それじゃあ、百花繚乱の復帰と再出発の成功を祝して・・・・乾杯!」

    一同「「「「乾杯!」」」」

  • 17二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 23:24:11

    復活した百花繚乱は大活躍だったからしっかりお祝いしないとね

  • 18二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 07:07:38

    かんぱーい
    しっかり食え

  • 19二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 12:27:27

    よく動いた高校生だ
    華の女子とはいえさぞ腹が減っただろう

  • 20二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 20:37:32

    たんとお食べ

  • 21◆VLlUGaOg9c25/10/27(月) 21:41:04

    >>16

    ナレーション

     カチンッ!と勢いよくグラスが鳴って、宴が始まる。

     友人や後輩たちが楽しそうに笑いながら、グラスをあおって料理を突いているのを眺めながら・・・・・・

     ・・・しかし、その音頭を取ったキキョウは心に薄暗いモノを宿していた。


    キキョウ(アヤメ委員長は・・・何時もこんなものを背負っていたのね)


    ナレーション

     自分の指示と判断で仲間を動かした緊張に・・・キキョウは今更ながら冷汗をかいた。

     さっきのは、たかが宴会の音頭だったが、昼間には自分の作戦と指示でみんなを動かしていた。

     結果的には上手くいったが、そうならなかったら・・・・・・自分の浅慮のために仲間たちを傷つけていたかもしれない。

     参謀として策を提案することはあれど、判断・・・責任を負うは初めてのキキョウにとって、初めて感じる恐ろしさ。

     改めて、ずっとこんな大きなモノを背負い続けていた委員長の偉大さを思い出す。と、同時に・・・・・・


    キキョウ(アヤメ委員長は何時も明るい人だったけれど・・・・・・本当にそれだけだったの?)


    ナレーション

     その偉大な委員長が、自分たちが憧れて背を追っていた人が、どうして居なくなってしまったのか?考えてしまう。

     今回、初めてキキョウはリーダーという荷を背負った。たった4、5人を背負うだけでどれだけ重いのか知った。

     知ってしまったからこそ、考えずにはいられない。

     

    キキョウ(もしかしたら、私たちは・・・アヤメ委員長を1人で戦わせてしまったのかもしれない)


    ナレーション

     自分たちの・・・数多くの百花繚乱の生徒たちの前で、百鬼夜行の人々の前で、委員長であり続けた彼女の苦悩に、

     想いを馳せずにはいられなかっった。

  • 22二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 23:15:43

    気づいたか…

  • 23二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 07:30:57

    同じ立場、目線にならないとわからないことってあるよね。
    でも、そこに気づけたのは大きい一歩だ。

  • 24二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 12:30:10

    重い思い
    なんちゃって

  • 25二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 17:09:19

    >>24

    は?

  • 26二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 17:11:41

    >>24

    山田君



    座布団全部取り上げて

  • 27◆VLlUGaOg9c25/10/28(火) 18:34:31

    >>21

    キョウ…キキョウ!


    ナレーション

     考えに沈んでいた思考が、カナの声に呼び起こされる。

     覗き込んでくる心配そうな顔を前にして、キキョウは自身の失態を悟った。


    大丈夫か?なんか、こう…問題が起きた時のナギサみたいだった。


    キキョウ「…別に何でもない。ちょっと…これからどうしようか、考えてただけ。大したことじゃない」

     

    ナレーション

     素直に言ってしまえば、この友人は自分のことのように苦しんでくれる。

     そう思うからこそ、キキョウは何でもない風を装いながら、誤魔化すようにジュースを飲む。

     アヤメ委員長が失踪してから、ずっと百花繚乱には暗い影があったのだ。楽しい祝勝会の邪魔は出来ない。


    あー……お祭り近いし、私たちもずっとは手伝えないからな。


    キキョウ「それは・・・・そうね」


    ナレーション

     そんなキキョウの内心とは裏腹に、カナはちょっと真面目な顔になって隣に座ってきた。

     今は何故か手伝ってくれているが、カナはティーパーティー…生徒会の首脳陣の1人だ。

     カナたちにはカナたちの役割があり、仕事があり、日常がある。何時迄も百鬼夜行には居られない。

     初めから分かりきってはいたことだが、いざ別れの時の存在を突きつけられると・・・やはり寂しくなった。


    でも、大丈夫だ!


    ナレーション

     それでも友は、満面の笑みでキキョウを励ました。

  • 28二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 22:07:49

    つよい

  • 29二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 00:02:39

    問題起きた時のナギちゃんでちょっとクスってなった
    けど、それだけ今抱えてる問題が大変な事でもあるんだよな

  • 30二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 06:34:53

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 12:28:05

    昼保守

  • 32二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 21:40:35

    夜保守です

  • 33◆VLlUGaOg9c25/10/29(水) 23:23:11

    >>27

    キキョウ「・・・どうして?」


    ナレーション

     何の根拠も無い。と、笑い飛ばすことは出来なかった。

     全く論理的ではない励ましだし、アリウスの全てを見てきた訳では無いが・・・キキョウは知っている。

     カナがアリウスを背負う生徒会長なのも、人を良く見ているのも、強い意志と覚悟を秘めた少女なのを知っている。

     だから、目の前の偉大なリーダーの言葉を軽んじることは出来なかった。

     

    だって、キキョウたちがここに居るからな。


    ナレーション

     言葉というのは不思議なモノで、良く意味が分からないままでも言う人によっては説得力が出てくる。

     カナとの付き合いの浅いユカリや元串焼き屋の少女は訳が分からず首を傾げていても、

     キキョウからしてみれば、揺らぎのない自信に満ちた態度も相まってカナの言葉に重みを見出すのは容易いこと。

     意味を察するには・・・・・・ちょっと、まだ理解度が足りなかったが。


    そりゃあ、難しいことはいっぱいある。

    百鬼夜行は広いし、百花繚乱はまだ人数が少ないし、ほんとの委員長も居ないままだ。


    ナレーション

     とはいえ、何が言いたいのか?カナはちゃんと説明してくれるので何の問題も無い。

     信じられる相手の言葉を、信じて待つことを・・・・・・人は「信用」と呼ぶのだ。

     

    でも、それでも、キキョウたちがここに居る。

    ここで理念を、理想を、夢を、正義を・・・・・・百花繚乱を守ろうとしてる。だから、大丈夫だ!

  • 34二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 06:24:16

    それがキキョウ達が積み重ねていた信用だものね

  • 35二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 12:27:05

    言葉にして伝える強さよ

  • 36二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 21:08:13

    保守

  • 37◆VLlUGaOg9c25/10/30(木) 23:45:15

    >>33

    キキョウ「・・・アヤメ委員長は、自分から居なくなったのに?」


    ナレーション

     キキョウは、本当はこんなことを言うつもりは無かったのに、勝手に口から言葉が出てしまった。

     楽しい祝勝会だから真面目な話は後回しにしよう。なんて考えは何時の間にか何処かへ消えていて、

     キキョウの意識はカナとの会話・・・・・・自身の悩みへと向いていたのだ。


    ・・・だとしても、死に別れた訳じゃない。


    ナレーション

     流石にカナも色々と思い出してしまって、悲痛な色を隠しきれなかった。

     既に、ユカリも元串焼き屋の少女も・・・スバルも宴の手を止めて、カナとキキョウの会話に聞き入っている。

     特に、かつてのアリウスを知っているスバルは、カナに「死」という言葉に赤くなった唇を噛んでいた。


    時間は戻らない。喧嘩をしたことも、傷ついたことも、失ったことも・・・・・・嘘にはなってくれない。


    ナレーション

     1つ、また1つ・・・・・・取りこぼしてきたモノを数えるように、カナはゆっくりと言葉を紡ぐ。

     たかが言葉、だが、事情を知らないユカリや元串焼き屋の少女でさえ、その重みを容易く感じられる。

     積み上げられた過去の中にある怒りが、痛みが、嘆きが、そのまま聞こえてくるような声だった。


    でも、嬉しいことも嘘にはならない。


    ナレーション

     声色が変わった。今度は優しくて、暖かい・・・まるで春の陽だまりのような穏やかな声。

     色んな人から、色んな出来事から、沢山受け取ってきた宝物の輝きにがそこにはある。

     vanitas vanitatum, et omnia vanitas。全ては虚しい。だとしても・・・・・・


    受け取ってきたモノも、積み上げてきたモノも・・・・・・ちゃんと、ここにある。・・・と思う!

  • 38二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 00:04:05

    失くして亡くして…それでも前を向いて歩いてきたからこその今があるからな

  • 39二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 07:06:04

    アズサもだけど
    これぞ真のバニタスだよな

  • 40二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 12:12:47

    真っ直ぐだ
    眩しい…

  • 41二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 21:02:44

    元串焼き屋の少女が戻って来てくれたのも百花繚乱が積み上げてきたものがあるからだよね

  • 42◆VLlUGaOg9c25/11/01(土) 00:17:03

    >>37

    キキョウ「そう・・・ね。本当に、その通りかもしれない」


    ナレーション

     もしかしたら、キキョウは・・・・・・百花繚乱はアヤメ委員長の苦しみに寄り添えなかったのかもしれない。

     ・・・いや、きっと、寄り添えなかったのだろう。御伽噺に縋り、姿を消してしまう理由なんて他に思いつかない。


    キキョウ「時間は戻らない。辞めていったみんなが戻ってきても、どんなに百花繚乱が活躍しても、

         活動休止で失った時間は返ってこないし、アヤメ委員長やナグサ先輩だって・・・帰って来るか分からない」


    ナレーション

     傷つけてしまった過去は変わらない。その想像・・・いや、憶測を、キキョウは後少しのところで呑み込んだ。

     キキョウ自身、殆ど当たりだとは思っているが・・・・・・まだ予想の範疇でしかなく、断言するには少し早い。

     それに優しい仲間たちのことだ。この予想を聞けば責任を感じて苦しむだろうから・・・余り話したくも無かった。

     探偵では無いが、「今はまだ語るべき時ではない」というヤツだ。


    キキョウ「でも、それでも、私たちの青春は本物だった。・・・そうでしょう?」


    ナレーション

     キキョウが笑ってくれたことで、周りで聞いていたユカリたちにも喜びが戻ってきた。

     百鬼夜行の人たちが百花繚乱を覚えていたように、少女が実家の串焼き屋の手伝いを辞めて戻って来たように・・・・・・

     ・・・鮮明に懐かしい記憶を思い出せるように。一緒に歩いた時間は、積み上げてきたモノは、無くなることはない。


    ユカリ・元串焼き屋の少女「「はいっ!」」

  • 43二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 07:40:04

    朝保守

  • 44二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 09:09:42

    後悔はしすぎても良くないからね

  • 45二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 13:07:50

    やさしいせかい

  • 46二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 19:14:29

    良い返事だ

  • 47二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 22:07:55

    このレスは削除されています

  • 48◆VLlUGaOg9c25/11/01(土) 23:17:07

    >>42

    ナレーション

     キキョウは答えを得て、百花繚乱紛争調停委員会は決意を新たに過去を受け入れた。

     真の意味での再出発を祝して、改めて祝宴を・・・・・・と、いきたいところだったのだが、それは叶わなかった。


    ニヤ「いやぁ、いい話ですね、感動しちゃいましたよ」


    ナレーション

     何時もの白々しい笑顔を浮かべて、パチパチパチ・・・と拍手の音を鳴らしながらニヤが現われた。

     何時の間に来たのか?何処から聞いていたのか?色々と言いたいところのある登場を前にして、

     ニヤを怪しんだキキョウは表情を強ばらせる。


    ニヤ!今日は仕事じゃないのか!?

    ニヤ「にゃはは、陰陽部は優秀な部員が多いですからね。ちょっと予定を調整して休みを作るぐらい簡単です」


    ナレーション

     一方、カナは仲の良い友だちを相手にするような人懐っこい雰囲気で近寄って行く。

     まるで純真無垢な子どものような、あるいは犬のような、表裏を感じさせない可愛らしい姿にニヤはにっこり。

     警戒する周囲を他所に、楽しい世間話を興じ始めた。


    本当かっ!?凄い!

    ニヤ「でしょう?百鬼夜行の誇りですからね」

    スバル「・・・いや、何を楽しく雑談し始めてるの?」


    ナレーション

     「またか・・・」と若干呆れた様子で、スバルはカナの直ぐ近くへと近寄っていった。

  • 49二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 06:15:38

    ニヤから何を言われるかな?

  • 50二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 08:27:31

    登場が黒幕なんよ

  • 51二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 14:59:58

    まあスバルからしたら警戒しちゃうわな

  • 52二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 21:48:20

    登場のムーブメントが怪し過ぎる

  • 53◆VLlUGaOg9c25/11/03(月) 00:09:13

    >>48

    何で?・・・ニヤが来たから?

    スバル「そんな友だちみたいな・・・・・・いや、別に友だちでもいいけど、動くなら一言言ってからにしてくれない?

        一応、私はアリウスのみんなからカナのこと任されてる立場なんだから・・・・・・」

    あっ、あー・・・・・・すまない。


    ナレーション

     万が一、ニヤがいきなり襲ってきたとしてもカナは即座に応戦出来るだろう。

     とはいえ、油断は良くない。ニヤが実は隠れた実力者かもしれない。

     もっとも、ニヤの目的が何であれ、襲撃にしては非合理に過ぎる登場だが・・・・・・


    スバル「本当に気をつけて。カナに何かあったら、私は不甲斐なくてアリウス分派に帰れなくなる。

        ニヤ様に何の悪意が無くても、知らずに利用されている可能性もあるんだから・・・・・・」

    ・・そうだな。私が悪かった、気をつける。


    ナレーション

     ニヤ自身に悪意が無くとも、知らずに利用されている可能性もある。

     実際、カナもスバルも内戦時代に前例を見たことがある。それも1度や2度では無く、何度もだ。

     そういった悪意からカナを護ることも、今回唯一のお供であるスバルの使命なのだ。


    ニヤ「厳しいですねぇ。私は1人ですし、ちょっとお話ししただけですから、そう堅いことを言わずに・・・」

    いや、これは本当に私が悪い。ニヤが食べものだと騙されて、時限爆弾を運ばされていた可能性がある。

    ニヤ「いや、流石にそんな騙され方する人は居ないと思いますよ?」


    ナレーション

     ニヤはそう言うが、カナはそれが本当にあり得ることだとよく知っていた。

     今のアリウス分派は大体みんな知っていること。教訓から学ぶ、諺のようなモノだ。


    スバル「・・・爆弾じゃなかったとしても、本当に安全か分からないのは事実なんだ。

        前から思っていたけど、カナは自分のことに無頓着過ぎる。無警戒だし、よく怪我するし・・・・・・」

  • 54二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 07:00:16

    人間関係って難しいね

  • 55二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 15:10:33

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 15:13:00

    >>53


    >食べものだと騙されて、時限爆弾を運ばされていた可能性がある


    エアロビを踊るニヤの姿が見えてしまった俺は疲れてるのだろうか・・・

  • 57二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:32:22

    確かにもうちょっと怪我しない方向で頑張ってほしい

  • 58◆VLlUGaOg9c25/11/03(月) 22:05:51

    >>53

    キキョウ「1回、1回落ち着きましょう?」

    スバル「私は落ち着いています。それより、カナには自分の大切さをちゃんと教えないと・・・っ!」

    百花繚乱の少女「今はニヤ様が来てますから!お客さんの前でお説教は対外的にも良くありませんから、ね?

            カナ様とスバルさんはずっと一緒に居るんですから、それに機会は幾らでもあるじゃないですか!」


    ナレーション

     なんて風に、大人しく正座するカナ以外の全員が「今はニヤの話を聞こう?」と説得すること暫く、

     説教に熱中したスバルは落ち着きを取り戻す頃には、周囲は少し疲れた顔になっていた。

     それだけスバルのカナへの不満は大きく、そしてカナという家族を深く愛しているのだ。


    スバル「・・・分かりました。ですが、カナ・・・」

    ああ、分かってる。本当に心配かけた私が悪いからな。


    ニヤ「お話は纏まったということで・・・そろそろいいですかね?」


    ナレーション

     周囲の説得とカナの殊勝な態度に、スバルがようやく溜飲を呑み込んだのを見計らってニヤは声をかける。

     一同はようやく要件を聞き出すべくニヤの方を向こうとして・・・・・・バタンッ!という衝撃に再び振り返る。


    あ、あし、しびれた・・・。スバル、助けて。


    ナレーション

     カナが不格好な形で畳にダイブしていた。

  • 59二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 00:03:25

    正座のしびれは想定外だったか…

  • 60二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 08:04:19

    草 

  • 61二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 12:31:10

    ある程度慣れてないと足がしびれてるって感覚もなくなるからな…

  • 62二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 21:40:13

    お付きがアツコじゃなくてよかったね
    彼女ならきっとつついてた

  • 63◆VLlUGaOg9c25/11/04(火) 22:44:17

    >>58

    ナレーション

     お行儀が悪いのは分かっていたが、無理をしないと言ったそばから脚のピリピリを無理に我慢するのは何か違う。

     なのでカナはスバルに助けて貰って楽な姿勢に・・・・・・

     ・・・具体的には脚を伸ばしたまま、スバルに後ろに座って貰って、上半身を預ける形で座り込む。

     ユカリからは「お二人とも、本当に可愛いですの!」と高評価の座り方だった。


    キキョウ「・・・それで、結局何しに来たの?」


    ニヤ「にゃはは、そんなに怖い顔しないで下さいよ。今日は百花繚乱にとって良い話を2つも持ってきたんですから」


    ナレーション

     余りにも怪しすぎる登場にキキョウは警戒心を強め、睨み付けられたニヤは笑いながら受け流す。

     分かってはいたことだが、和気藹々とはいかない剣呑な空気が立ちこめる話し合いになりそうだった。


    キキョウ「良い話・・・ねぇ?」


    ニヤ「あ、これ普通に信用されてませんね?まぁ、いいですけど・・・・・・」


    ナレーション

     ニヤはいじけたように少し口を尖らせる。それが演技なのか?本心なのか?悟らせないようにわざとらしく・・・・・・


    でも、嘘じゃないと思う。ニヤは百鬼夜行のことが大好きだからな!


    ナレーション

     していたのだが、カナには通用しなかった。

  • 64二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 23:35:11

    カナちゃんはタイトル通りの(賢い)バカだからな
    こういう駆け引きの天敵だ!

  • 65二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 07:03:32

    まっすぐなだけのおバカだからな

  • 66二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 12:42:04

    相性が悪い…いや逆に良いのか?

  • 67二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 20:08:14

    さて、良い話とはなんじゃろな?

  • 68◆VLlUGaOg9c25/11/05(水) 22:09:51

    代理モブ「ユカリは語尾を「~すの」にしたら、何かそれっぽくなってくれるので助かりますね。

         書いてて「あれ、この子のエミュ本当にこれでいいのか?」となることは割とありますので」


    >>63

    ニヤ「・・・さて、本題の良い話ですが」


    百花繚乱の少女(今、露骨に話逸らしましたね・・・)

    ユカリ(ダメですの。それを言ってしまったら、ニヤ様のプライドを傷つけてしまいますの)


    ニヤ「良い話についてですが!」


    ナレーション

     深い追求を避ける為にニヤが話を変えようとするが、どう考えても無理のある話題転換に小声での指摘が入る。

     怪し気で油断のならない、ある種神秘的でさえある独特の雰囲気はもうボロボロに崩れていて、

     キキョウですらニヤがただのツンデレ少女に見えた。


    ニヤ「・・・まぁ、散々引っ張っておいてあれですが、そんなに大したことではないですよ?

       百花繚乱紛争調停委員会として本来のお仕事を依頼しようかと・・・・・・」


    キキョウ「巡回なら今日もやって来たところだけど?」


    ニヤ「にゃはは!それはもう、活躍は聞いています。けど、それは通常業務でしょう?」


    ナレーション

     必死に軌道修正を図った効果が少しはあったのか?表面上は威厳を取り戻すことが出来たニヤ。

     一同の頭には既に「百鬼夜行大好きを否定出来ずに、必死に話題を変えようとするニヤちゃん」が焼きついていた。

  • 69二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 05:09:16

    手遅れだ…

  • 70二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 11:20:46

    ツンツンしちゃってぇ…

  • 71二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 16:33:39

    どんな仕事を持ってきてくれたのかな?

  • 72◆VLlUGaOg9c25/11/06(木) 21:48:32

    >>68

    ニヤ「私が持って来たのは特別なお仕事。要人の護衛と祭りの警備です」


    キキョウ「それは・・・確かにウチの仕事ね」


    ナレーション

     百鬼夜行の治安維持組織である百花繚乱紛争調停委員会が果たすべき仕事に違い無い。

     そう思っていても、キキョウの歯切れが悪くなってしまうのは・・・やはり、今の百鬼夜行の人数の少ない所為だ。

     要人警護だけでも可能なら手練れが数人欲しいのに、加えて祭りの警備となるとどうしても人手が必要になる。

     なのに、今の百花繚乱紛争調停委員会には善意で手伝ってくれている他校の生徒を合わせて5人だけ。

     委員長の代理の代理でしかないキキョウが不安になるのも、仕方の無いことだ。


    ニヤ「でしょう?丁度、先の赤い空の事件からの復興を象徴して、百鬼夜行燈籠祭が20年ぶりに開催されます。

       それで、百鬼夜行の同盟校から訪問された、さる尊いお方が是非見学したいと仰いましてねぇ?」


    キキョウ「だから、万が一が無いように護衛と警備が欲しいということ?」


    ニヤ「百鬼夜行の治安維持を担うのなら、これくらいはやって貰いませんと・・・・・・ね?」


    キキョウ「そうね。その役目を果たせないなら、百花繚乱に治安維持組織を名乗る資格は無い」


    ナレーション

     ニヤの言うことは正しい。百花繚乱が治安維持組織である以上、百鬼夜行の客人やお祭りを護るのは当然の役目だ。

     何度も言うが、キキョウもそんなことは分かっている。分かっているからこそ、受けるしか無い。

     だから、頭の中で護衛と警備の計画の草案を何度も検討するのだが・・・・・・やっぱり、どう考えても人手が足らない。


    キキョウ「・・・レンゲを呼び戻す必要があるわね」

  • 73二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 23:26:50

    重要な仕事だけど人手不足が痛いね

  • 74二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 07:03:48

    赤い竜の出番だ

  • 75二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 14:36:29

    一悶着…ないと良いなぁ

  • 76◆VLlUGaOg9c25/11/07(金) 21:51:36

    >>72

    ユカリ「えへへ~!美味しいですの~!」


    ナレーション

     ニヤとの話も終ったので、取り敢えず、今日のところは祝勝会を再開した。のだが・・・・・・ユカリの様子が可笑しい。

     酒は入っていない。そもそも生徒たちだけの祝勝会なのだから、誰も持ち込んでいないし、持ち込めない。

     にもかかわらず、ユカリは何時も以上に明るく、そしてふにゃふにゃの笑顔を浮かべながらコップを抱えている。

     祝勝会の楽しい空気・・・雰囲気そのものに酔ってしまったのだ。


    百花繚乱の少女「ユカリちゃん、ご機嫌ですね」

    ユカリ「それはもうっ!!百花繚乱としてまた活動出来るだけでも凄く幸せですのに、

        ニヤ様から任された大役に、レンゲ先輩まで復帰してくださるかもしれないんですもの!!」


    ナレーション

     ユカリは百花繚乱が大好きである。大好きだから、憧れだから、夢だから、百花繚の復活が嬉しいのだ。

     百花繚乱の活動が停止して、数多くの生徒が去って行ってもユカリは百花繚乱でありつづけた。

     それだけの想いが報われたのだから、ユカリが嬉しさのあまり浮かれてしまうのは仕方が無いことかもしれない。

     

    ユカリ「尊いお方の護衛に祭りの警備・・・・・・今から緊張と高揚でドッキドキですの!

        ・・・・・・あれ?そういえば、私たちが護衛する尊いお方というのは何処の何方ですの?」

    キキョウ「・・・ユカリ、もしかして気付いてないの?」


    ナレーション

     そういえば聞いていなかった、と。今更ながらにユカリは疑問を口にする。

     こんな重要なことさえ今の今まで忘れていたのだから、ユカリの浮かれっぷりは相当なモノだった。


    キキョウ「そこに居るでしょう?同盟校のトリニティ総合学園の生徒会組織ティーパーティーを率いるホストの1人。

         新興のアリウス分派を導く、キヴォトス最新の生徒会長様。安い串焼き頬張って喜んでる尊いお方が」

  • 77二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 23:24:12

    ナ,ナンダッテー(

  • 78二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 04:21:42

    安くたって美味しいし…

  • 79二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 10:13:19

    そうなんですよユカリちゃん
    この子一応偉い人なんですよ

  • 80二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 16:30:17

    焼き鳥食べてる間はカナちゃんも忘れてそうだからセーフ

  • 81二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 22:33:42

    お?つまり場合によっては、黄門様や上様ムーブが出来てしまうのでは?

  • 82◆VLlUGaOg9c25/11/08(土) 23:32:31

    >>76

    ユカリ「か、カナさん・・・いえ、カナ様が!?そんなに偉い人だったんですの!?」

    キキョウ「そうよ。というか、ユカリは絶対気がついてると思ってたのだけど・・・・・・」


    ナレーション

     衝撃の新事実に愕然とするユカリを前にして、不思議なことにキキョウの方も驚いていた。

     勘解由小路家は百鬼夜行でも有数の大きさを誇り、その家の娘であるユカリもまた尋常ではない程のお嬢様。

     故に、立ち振る舞いや礼儀作法でカナが身につけた教養にも直ぐに気が付くと思っていたのである。


    百花繚乱の少女「そんなことより、キキョウさん。ウチの店の串焼きは安いんじゃなくて、経済的なんです。

            値段以上に美味しいんですよ。ねぇ、カナ様?」

    んぐんぐ・・・ごくんっ!(串焼きを食べる音)・・・・・・あ、すまない。食べてて聞いてなかった。何の話だ?

    百花繚乱の少女「カナ様、ウチの串焼きはどうでした?」

    美味しかった!


    ナレーション

     パァーッ!と輝いたような満点の笑顔のカナを誇るように、それ見てみろと百花繚乱の少女は勝ち誇る。

     彼女は百花繚乱に合流してから、ずっと要人として「様」と敬称をつけて敬意を払い続けていた。


    ユカリ「え、あれ?もしかして、驚いているのは私だけですの?」


    百花繚乱の少女「まぁ、こんなに所作が奇麗な方は珍しいですし・・・・・・仮に私の見立てが間違ってたとしても、

            敬意を払うに相応しい方なのは変わりませんから」


    キキョウ「そもそも、カナたちを何だと思ってたの?百鬼夜行の制服着てないでしょう?」


    ナレーション

     つまるところ、カナが偉い人だと気がついていなかったのはユカリだけである。

  • 83二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 07:25:45

    うーんかわいい

  • 84二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 13:21:50

    焼き鳥屋の子中々聡いな

  • 85◆VLlUGaOg9c25/11/09(日) 20:50:13

    代理モブ「百花繚乱の少女・・・つまり串焼き屋の子視点だと、
         所作が奇麗で、お付きの人も居て、カナは見るからに「偉い人」です。だけど素直で明るくて人懐っこい。
         その上、自分が諦めてしまった百花繚乱のために戦ってくれて、実家の串焼きを美味しいと食べてくれる。
         「こんな人なら慕われますよね」と、納得出来るような人としてうつっています」

    代理モブB「なので子犬みたいに可愛いらしいと感じると同時に、凄い人として尊敬してもいるのです」

    代理モブC「ユカリが気が付かなかったのは何でしょう?百花繚乱復活に浮かれてたのかな?」


         

  • 86◆VLlUGaOg9c25/11/09(日) 23:00:22

    >>82

    《百鬼夜行連合学園 自治区》

    ナレーション

     ニヤの襲来やユカリだけが知らなかった衝撃の真実など、紆余曲折はありながらも楽しい祝勝会が過ぎていった。

     その翌日、キキョウの提案でレンゲを初めとした元百花繚乱の生徒たちを召集するべく動き出した。のだが・・・・・・


    レンゲ「私は戻らないぞ」


    ユカリ「・・・え?」


    ナレーション

     肝心のレンゲに断られてしまい、まるで親や姉妹のようにレンゲのことを慕っていたユカリはショックで絶句。

     百花繚乱の少女も落胆を隠せず、一方でキキョウだけは「だと思った」とでも言うように落ち着いていた。


    キキョウ「一応、理由を聞いても良いかしら?」


    レンゲ「アタシは今、修行部で青春活動しているんだ。暇じゃない。

        ・・・百花繚乱は終ったんだ。そんな当たり前のこと頭の良いキキョウなら分かると思っていたんだがな」


    ナレーション

     委員長が失踪して、後を追うように委員長代理であった副委員長まで居なくなって、百花繚乱は一気に衰退した。

     緩やかに朽ちていくだけだった百花繚乱が「終った」と言われるのも仕方が無いことではある。

     だが、それがレンゲの口から出たということが少女たちには無性に悲しかった。


    キキョウ「青春・・・ね。それが本当にレンゲのやりたいことなら応援するけれど・・・・・・具体的に何をしてるの?」


    レンゲ「え?アタシの青春活動は・・・・・・その・・・・・・じゅ、熟睡レディーファイター・・・」


    ナレーション

     それは、羞恥心に消え入りそうな声だった。

  • 87二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 07:03:57

    熟睡…?

  • 88二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 12:20:49

    本編でも思ったけど熟睡とファイターってほぼ対極に位置すると思うんだ
    一体何をするんだろうな
    睡眠拳法?

  • 89二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 19:38:39

    照れが出るのかわいいね

  • 90二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 20:06:09

    酔拳ならぬ睡拳?

  • 91◆VLlUGaOg9c25/11/10(月) 22:51:17

    代理モブ「熟睡レディーファイターは原作通りという事実。本当に一体何なんでしょう?これ」


    >>86

    キキョウ「熟睡・・・レディーファイター・・・?」


    ナレーション

     百花繚乱の作戦参謀。全く繋がりの見えない単語を3つくっつけた謎の言葉を前に、まさかの思考停止。

     暫く疎遠気味だったとはいえ、親しい付き合いのレンゲの口から出たというのもキキョウの混乱に拍車をかける。

     熟睡・レディー・ファイターの3つの言葉に思考回路を囚われて、キキョウはポカーンと呆けてしまった。

     

    なぁ、熟睡レディーファイターって何だ?

    スバル「いや、私に聞かれても・・・・・・」

    百花繚乱の少女「青春活動の中でファイター・・・・・・スポーツの1種でしょうか?」

    ユカリ「つまり、レンゲ先輩は甲子園を目指しておりますの!?」


    ナレーション

     物知りなキキョウが考え込んでしまうほどの謎の言葉。当然、他の面々も心当たりが無くて憶測を話すしかない。

     熟睡レディーファイターとは何なのか?眠りながら戦うのか?だったら、レディー要素は何だ?

     その疑問に答える者は誰1人として居なかった。


    レンゲ「ああっ、もう!何でも良いだろ!?兎に角、そういう訳だから私は忙しいんだ!悪いが他を当たってくれ!」


    ナレーション

     そんな絶妙な空気に耐えられなくなったのか?もう強引に追い返して話を終らせようとするレンゲ。

     そんな中、カナがスバルと百花繚乱の少女を伴い1歩前に出て言った。


    それで、熟睡レディーファイターって何なんだ?

  • 92二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 04:51:41

    気になるのね
    まぁ気になるよな

  • 93二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 10:40:08

    カナちゃん詰めるね

  • 94二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 16:01:31

    つっけんどん

  • 95◆VLlUGaOg9c25/11/11(火) 22:54:17

    >>91

    レンゲ「じゅ、熟睡レディーファイターってのは、その、あれだ・・・・・・」


    ナレーション

     カナの問いに対して、レンゲは自分で言ったことだというのに要領を得ないまま言い淀んでしまう。

     そして、珍しくポカーンと呆けて少し間抜けた顔を晒してしまっていた親友はレンゲの隙を見逃さなかった。


    キキョウ「なるほど、そういうこと・・・」


    知っているのか!?キキョウ!?


    ナレーション

     いかにもな訳知り顔を披露するキキョウに注目が集まる。

     果たして熟睡レディーファイター一体何なのか?百花繚乱はレンゲを再び仲間にすることが出来るのか・・・?


    キキョウ「熟睡レディーファイター・・・道理で聞き覚えがない筈だわ。そんなもの、初めから無いんだから」


    ユカリ「そ、そんな筈はありませんわ!確かに、レンゲ先輩は熟睡レディーファイターと・・・・・・」

    百花繚乱の少女「そうです!熟睡レディーファイターが存在しないなら、レンゲさんは一体何になるんですか!?」


    ナレーション

     キキョウの口から告げられた、衝撃の真実に動揺が走る。

     そんな周囲の喧騒を気にも止めることなく、名探偵キキョウは落ち着いて自信の推理を披露し始めた。


    キキョウ「レンゲ、貴女は最初にこう言ったわね?「修行部で青春活動しているんだ」と・・・」


    レンゲ「あ、ああ・・・」


    ナレーション

     元々親しい仲であり、キキョウの明晰な頭脳を良く知るレンゲは冷汗とともに答える。吐いた唾は、飲み込めない。

  • 96二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 06:46:50

    追い詰められてる…

  • 97二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 06:47:13

    なるほどそういう
    鋭いな

  • 98二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 11:34:13

    知って…はなかったかキキョウ

  • 99二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 16:08:59

    名探偵キキョウの推理が

  • 100二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 22:41:54

    レンゲぇ…

  • 101◆VLlUGaOg9c25/11/12(水) 23:19:07

    >>95

    キキョウ「でも、レンゲは百花繚乱を去った後、直ぐに修行部に入ったわけじゃない。

         「クロレラ観察部」「多面指し将棋部」「フィットネス落語部」「かるたバトル部」

          ・・・随分と色んな部活を転々としたみたいね?未来の熟睡レディーファイター?」


    レンゲ「・・・修行部に入って、目指すようになったんだよ」


    キキョウ「認めるのね?百花繚乱を去ったことと熟睡レディーファイターは関係無いと」


    レンゲ「だから、何だよ」


    ナレーション

     ゆっくり淡々と、1つづつ逃げ道を潰すように詰めていく推理にレンゲは碌な反論も思いつかない。

     昔からこうだった。理屈や論理の話になると眼前の友人は滅法強く、直情型の自分が口で勝つことは少なかった。

     そんな他愛のないことを思い出しながら、それでもレンゲは何とか言い逃れの術を探していた。


    キキョウ「つまり、レンゲにとって重要なのは「青春活動」であって「熟睡レディーファイター」じゃない。

         思うところがあって青春活動とやらがしたくなったけど、具体的な内容は思いつかなかったんでしょ?

         だから、青春の中身を求めて他の部活に入ったけど、心から打ち込めない自分が嫌になって辞めた。

         レンゲはクロレラ観察や多面指し将棋、フィットネス落語やかるたバトルにも興味が無いんだものね」


    レンゲ「そんなこと・・・っ!?」


    ナレーション

     無い。と断言出来ない自分がレンゲは嫌だった。

     入った時はこれだと思って、クロレラ観察や多面指し将棋、フィットネス落語にかるたバトルも全力で挑んだ。

     けれど、どんな部活でも最後に行き着く答えは同じ。自分は部の先輩たちほ熱中出来ない。好きになりきれない。

     そうして、そんな自分が部活に残り続けるのが恥ずかしくなって辞めるのだ。毎回そうだった。その通りだった。

  • 102二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 06:41:03

    好きはどうしてもね

  • 103二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 11:25:00

    レンゲって真面目ね

  • 104二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 16:54:48

    参謀の詰めって怖いな…

  • 105◆VLlUGaOg9c25/11/13(木) 23:12:57

    >>103

    代理モブ「真面目なのはその通りですね。周りが真面目に取り組んでるから、自分も真面目に熱中しないといけない。

         そんな風に考えて、それが逆に強迫観念になってレンゲを追い詰めたんだと思います」


    >>101

    キキョウ「修行部でもそれは変わらなかった。修行部は全員が別の目標を掲げて修行しているらしいけど、

         求めている青春の中身が分からない今のレンゲには、何の修行をするべきかも分からない」


    キキョウ「私に何をやっているのか聞かれて、答えないと無理に連れ戻されるとでも思ったんでしょう?

         だから、修行部の先輩たちの夢を借りた。

         ツバキさんの究極の眠りを求める修行、カエデの素敵なレディーを目指す修行・・・それらを組み合わせた」


    百花繚乱の少女「熟睡・・・レディーっ!?」


    ナレーション

     それは言うなれば夢のパッチワーク。誰かが形作った夢を切り貼りして、作り上げたハリボテだ。

     だから誰も聞いたこともないような意味不明の言葉になるし、詳細を聞かれても上手く言語化できない。

     

    ・・・あれ?ファイターは?


    キキョウ「青春といえば真剣勝負とでも思ったんでしょ。レンゲはそういう単純なところあるから」


    レンゲ「単純って、お前なぁ・・・」


    ナレーション

     可愛い後輩の前で「百花繚乱は終った」なんて突き放し方をされた私怨もあって、

     キキョウは少々辛辣な物言いをするが、レンゲ側も友人のことをよく知っているので大して怒りはしない。

     怒りはしないが、諦めはした。目の前の友人にここまで詰められたら、もう逃げ道は無いのを良く知っているから。

  • 106二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 06:50:22

    ある意味で気の置けない仲か

  • 107二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 12:19:26

    ツバキ! カエデ! レンゲ! ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!
    …ってこと?!

  • 108二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 20:59:31

    >>107

    誰にしかけんの!?

  • 109◆VLlUGaOg9c25/11/14(金) 23:29:02

    >>105

    キキョウ「それで、反論はあるかしら?」


    レンゲ「・・・たとえキキョウの推理が正しくても、百花繚乱が終ったのは事実だろ?」


    ナレーション

     まだ諦めてないような頑固者なら、きっとこんな言葉程度では諦めてくれないだろうと想像出来た。

     だけど、無意味に不興を買うだけの結果になるのだとしても、レンゲは覚悟の上で突き放すことを辞めなかった。


    レンゲ「アヤメ委員長もナグサ先輩も居ない、活動自体も長らく休止してて、残った委員もたった数人だけ。

        こんなの、もう組織として終ったも同然だ。いや、終らせてやった方が良いんだよ」


    ナレーション

     だって、そうじゃないか。こんな、ただ緩やかに朽ちていくだけの組織のために青春を浪費する必要は無い。

     青春時代は、生徒でいられる時間は短い。人生でたった一度きりの、眩く輝く黄金時代なのだ。

     なのに崩れた砂の楼閣を一粒づつ組み直すような、途方もない苦難の茨を歩き続けて終るなんて・・・あんまりだ。

     大切な友人に、信頼出来る戦友に、可愛い後輩にそんな苦労はさせたくないから・・・・・・レンゲは冷たく言い放った。


    レンゲ「キキョウ、お前だって分かってるだろ?もう百花繚乱が元通りになることなんてない」


    ナレーション

     レンゲは努めて非情かつ冷徹に、崖を這い上がってきた我が子を真顔で突き落とすような心持ちだった。

     だが、単純と評するだけ合って、長い付き合いの友人なだけあって、キキョウはレンゲの「無理」を読み取れた。

     キキョウだけは、声にならない友の懇願を聞くことが出来たから・・・・・・


    キキョウ「それでも、残された私たちは、私たちの道を歩き続けるしかないのよ」


    ナレーション

     覚悟を示すため、真っ直ぐに見据えた。

  • 110二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 02:40:04

    逞しくなってる

  • 111二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 11:34:20

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 16:44:57

    青春

  • 113二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 23:19:18

    押せ押せな性格のキャラと一歩引いた性格のキャラが立場入れ替わったようなやり取りするの好き

  • 114◆VLlUGaOg9c25/11/15(土) 23:40:56

    >>109

    レンゲ「・・・っ!だからって、何時までも終ったモンにしがみつくことは無いだろ!?」


    キキョウ「かもしれない。けど、私がそうしたいの」


    ナレーション

     分かっていたはずなのに、自分を見据えてくるキキョウは余りにも真っ直ぐで、

     「かっこいい」と見惚れてしまうほどに迷いなく、高校と意思を燃やしてぶつけてくる。

     レンゲは一瞬息を呑み、そして思い出す。そうだった、この親友は1見冷たいが・・・凄く熱いモノを持つ女だった。


    レンゲ「そうしたいって・・・っ!?


    ナレーション

     だからこそ、レンゲは認めたくなかった。こんなにも誇らしい友が、眩しい人が、縛られ続けるのが許せない。

     数多くの生徒が去って行き、百花繚乱紛争調停委員会は終った。だから、しょうがない。

     終ってしまったモノに縛られて、今を生きる自分たちが・・・みんなが苦しみ続けるなんて無意味で悲しいだけだ。

     だけど、心の何処かで、今のキキョウなら・・・・・・彼女たちなら成し遂げるのではないか?期待するレンゲも居た。


    キキョウ「・・・百花繚乱は終った。確かに、そうかもしれない。そこは否定しない」


    レンゲ「なら・・・っ!?」


    キキョウ「だけど、去ってしまった人たちと過ごした時間も、受け取ったモノも嘘になる訳じゃない。

         苦しくても、痛くても、泣きたくても、私は・・・私たちの中のみんなに誇れる参謀でありたいの」


    ナレーション

     そんなレンゲの微かな無意識の希望に応えるように、キキョウは自分の答えをぶつける。

     あの日、遙か空の上で見届けた、失って残された少女たちの戦いから受け取ったモノ。

     失った痛みにのたうち回りながら、それでも生きなければならない残された者の在り方・・・・・・その解釈を。

  • 115二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 03:23:07

    これもまた青春

  • 116二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 10:45:27

    熱血だぁ!

  • 117二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 18:03:30

    保守

  • 118◆VLlUGaOg9c25/11/16(日) 22:21:41

    >>114

    レンゲ「キキョウ、お前・・・」


    ナレーション

     鋭く自分を見つめながら語りかけるキキョウの言葉は、まるで「貴女はどうなの?」と問いかけてくるようで・・・

     ・・・・・・レンゲは自分の中の矛盾を突きつけられたような気がして、息を呑んだ。


    キキョウ「熟睡レディーファイターでも、何でもいい。

         それがレンゲが心の底から選んだ道・・・レンゲの言う「青春」なら・・・・・・止める権利はない。

         そう思っていたのだけど・・・・・・その場凌ぎに今思いついただけの目標なら話は別よ」


    ナレーション

     キキョウは・・・百花繚乱紛争調停委員会の作戦参謀 桐生キキョウは自身の銃口をレンゲへと突きつける。

     それは誰の目からも明らかな、無言の宣戦布告だった。


    キキョウ「レンゲ、貴女には百花繚乱に戻ってきて貰う。

         ・・・丁度人手が足りてないの。悩む暇なんて無いくらい、忙しくて充実した青春をしましょう?」


    レンゲ「は、ははっ・・・・・・勝てると思ってるのか?」


    ナレーション

     最後の抵抗か?或いは戻れない者の意地か?渇いた笑いを漏らした次の瞬間、レンゲの眼が変わった。

     竜の如く力強く、烈火の如く煌々と燃える、戦意に満ちた特攻隊長の目。敵を睨む、強者の目だ。

     黒猫と竜、参謀と特攻隊長、桐生キキョウと不破レンゲ。一触即発の空気の中、両者の決闘が始まろうとしていた。


    よし!じゃあ、熟睡レディーファイター3番勝負だ!


    ナレーション

     ・・・・・・始まろうとしていた!

  • 119二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 06:01:00

    熟睡…するのか…?

  • 120二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 12:28:17

    そうはならんやろ

  • 121二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 15:04:51

    なるんやろがい
    知らんけど

  • 122◆VLlUGaOg9c25/11/17(月) 22:25:58

    >>118

    《百鬼夜行連合学院 大広間改め祭り会場》


    ナレーション

     委員長代理の責務から逃げるようにアヤメを追って、ナグサは長らく離れていた百鬼夜行に戻ってきた。

     アヤメも見つけられないまま、百花繚乱に戻る勇気もなく、当てもなく自治区内を彷徨った末に彼女は見つけた。

     「百鬼夜行燈籠祭前夜祭 百花繚乱紛争調停委員会VS修行部!熟睡レディーファイター3番勝負!」の会場を。

     ・・・・・・御陵ナグサは混乱した。


    モブ生徒『さぁ、やってまいりました!百花繚乱紛争調停委員会VS修行部!熟睡レディーファイター3番勝負!

         元百花繚乱紛争調停委員会にして修行部の仮部員、不破レンゲの未来を賭けた前代未聞の戦いです!』

    シズコ『えー・・・事情を飲み込めない皆様の為に解説しますと、

        今回のお祭りは熟睡レディーファイターを目指して修行部に体験入部したレンゲさんに対して、

        「熟睡レディーファイターの修行が出来るなら、百花繚乱でも良いということでは?」と、 

         名誉百花繚乱紛争調停委員会委員の神子柴カナ様が疑問を投げたことから始まりました』

    モブ生徒『つまり、これは百花繚乱紛争調停委員会が不破レンゲさんの仲間に相応しいと証明するための決闘!

         いやぁ、熱くなってきましたね!今からワクワクが止まりませんよ!』


    ナレーション

     ご丁寧に実況と解説までついており、この謎の奇祭について解説してくれているがナグサは理解出来なかった。

     名誉委員のカナ様とは誰なのか?なんでレンゲは熟睡レディーファイター?を目指しているのか?

     自分が離れている間に百鬼夜行に一体何があったのか?疑問が次から次へと湧いてきて訳が分からなかった。


    モブ生徒『実況は私、実況ガーデニング部の熱句カタリ!』

    シズコ『解説はお祭り運営委員会の河和シズコでお送りします』


    ナレーション

     混乱ばかりのナグサを他所に、特設会場では奇祭・・・熟睡レディーファイター3番勝負が始まろうとしていた。

  • 123二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 23:42:00

    ナグサが宇宙猫状態になっちゃったw

スレッドは11/18 09:42頃に落ちます

オススメ

レス投稿

1.アンカーはレス番号をクリックで自動入力できます。
2.誹謗中傷・暴言・煽り・スレッドと無関係な投稿は削除・規制対象です。
 他サイト・特定個人への中傷・暴言は禁止です。
※規約違反は各レスの『報告』からお知らせください。削除依頼は『お問い合わせ』からお願いします。
3.二次創作画像は、作者本人でない場合は必ずURLで貼ってください。サムネとリンク先が表示されます。
4.巻き添え規制を受けている方や荒らしを反省した方はお問い合わせから連絡をください。