- 1二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 22:17:04
このスレは、ぐだの苦行じみた現状を憐れみ、ETD特異点を作り上げたインドラ神のスレから派生した、架空のインぐだエロ同人ゲームをプレイしてみた!というスタンスの偽感想スレの11スレ目です。
帝釈天の目的は人類最後のマスターをカルデアから攫うこと、つまり世界規模の神隠しであった。ついに帝釈天のもとへと辿り着いたインドラ一行は帝釈天と対峙する。一方でぐだは平和で穏やかな幻の中で奈落の蟲の激励を受けるとともに一連の騒動に黒幕がいることを知る。いよいよ佳境に入る快楽迷宮の最深部にて神と人が出す答えとは──
合言葉は「Let's 集団幻覚!」。
全ての発端であるスレ~2スレ目↓
【CP&閲覧注意】大変だ!|あにまん掲示板これまでの人理修復や異聞帯の記録を見たインドラが、あまりのマスターの苦行っぷりに堪忍袋の緒が切れて、マスターを自分の魔力で創り出した異空間に閉じ込めちゃった!味方がいない中、どうにか脱出を目指すマスタ…bbs.animanch.com【CP&閲覧注意】大変だ!2|あにまん掲示板ぐだの現状を憐れみ、エロトラップダンジョンを作り上げたインドラ神。安価もしっかりドスケベだったのに、何故かシリアス先輩が墓から蘇り、意味わからんほど熱い展開になってきた2スレ目です前スレhttps:/…bbs.animanch.com長くなったので過去スレはもひとつ前の10スレから遡ってください↓
【CP・閲覧注意】ファンメイドゲーム『法悦天賜済度迷宮-マイトリーカルナー・マガヴァーン-』について語るスレ10|あにまん掲示板このスレは、ぐだの苦行じみた現状を憐れみ、ETD特異点を作り上げたインドラ神のスレから派生した、架空のインぐだエロ同人ゲームをプレイしてみた!というスタンスの偽感想スレの10スレ目です。遂に姿を現した…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 22:21:04
おつおつ
ついにスレも2桁超えか~~~ - 3二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 22:22:05
スレ画も枯渇してきて祭装ドラ様つれてきちゃった
本編ドシリアスなのにここだけホストみたいになってるの草ァ! - 4二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 22:27:45
うぽつ
前スレ終盤でとんでもない事実発覚したがどうしようこれ
インドラ様と帝釈天がガチバトルやってるけどこれすら黒幕の掌の上だったりしない?
どっちか敗けた方が黒幕に吸収されるとかないよね??? - 5二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 22:34:51
スレ立て乙です
- 6二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 22:37:16
たておつ
- 7二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 22:47:58
立て乙です
- 8二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 23:24:13
スレ画考えてたのもうサクカかフェスドラ様だったな俺もたておつー
- 9二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 23:37:11
とりあえず10まで保守
- 10二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 23:41:23
立て乙です
- 11二次元好きの匿名さん25/10/26(日) 23:48:16
オベロンとぐだの掛け合い好きだった
インドラ様と相性悪いって言い張るオベロン草 - 12二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 00:39:20
どっちも苦行(消費)嫌いなのに絶対反り合わないって確信できるのなんでだろね
- 13二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 04:00:43
クラス相性はオベロンが優位だけど特攻がね……
- 14二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 05:43:37
こっからどうなる~!?
- 15二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 06:42:35
カーリーの登場は予想外だったなぁ~…
- 16二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 10:39:53
言われてみればカーリーもインド鯖なんだし納得の鯖選なんだよね
しかもインドラにも関係があるという
あまりにも強力すぎてメンバーから外してた - 17二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 12:20:58
「「マスター/マスターさん!!」
急浮上した意識の中、2人の呼び声が聞こえる。
目を開けると薄ぼんやりとした暗さの木目の天井を背景に、アルジュナとカーマが心配そうにこちらを見ていた。
「ぁ、2人とも……、ごめん。大丈夫だった?」
「私たちは問題ありません、それよりマスター。怪我は?」
「ないよ、大丈夫。助けに来てくれてありがとう」
アルジュナに支えられて彼/彼女はゆっくりと体を起こす。随分と丁寧に扱われていたのか、身体には痛みどころか疲労感すら消え去っていた。
近くにいたカーマが「そんな薄着では身体を壊しちゃいますよ」とどこから取り出したのか白い上着を肩にかけてくれた。
「カーマもありがとう・・・・・・・・、2人ともインドラ様は?」
「インドラ神は今……」
そう言ってアルジュナは奥座敷の外に顔を向ける。
ここで眠る「子」を起こさぬためか、外の音はここには届かないようになってる様で気づかなかった。
マスターの目に飛び込んだのは、神話そのものとしか言いようのない光景だった。 - 18二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 13:57:13
「ダディーチャの骨よ、奔れ!!」
「我が金剛よ、切り裂け!!」
神域に二つの雷霆が激突する。黒雲は激しいまでに大雨を降り注ぎ、雷鳴が轟き、稲光が絶えず空間中を奔り、その地表を切り裂きながら、ぶつかり合い、消失する。
ここが、たとえばいつもの特異点であるのならば地形が変わり果てていただろう破壊力。彼らの神域だからこそこの程度の損傷で保てている。
すでに何度、何合、何時間ほど切り結んだかわからない。両者の刃/雷は拮抗し、互いを傷つける。
刹那、二柱の動きが止まる。この神域においても最も堅牢で大事な聖域。そこで眠っていた、星の目覚めを感じ取ったが故に。
「ああ、ようやく目を覚ましたか、あの寝坊助め」
大事な宝物の無事を認めて、インドラは独りごつ。
対する帝釈天は、目の前の存在への怒りと憎しみを再び発露させた。
「貴様は、貴様は!!諦めただけでは飽き足らず、再びあの者をあの様な苦行に連れ戻そうとするのか!!!!この枝はすでに終わっている!!それがわかっていながら!貴様が現界したからこそ、オレは全てを委ねたというのに!!あの苦行を貴様認めるというのか!!!」
羨望、関心・・・・・・・・わずかばかりあった敬意。それら全てが反転して激昂し鋭い雷撃の様にインドラを問い糺す。
その慟哭は、あまりにも正しい。そればかりはインドラも認めざるを得ない。この行動はインドラ本来の理念からは、外れている故。
「はっ、神があの苦行を認めただと?馬鹿を抜かすんじゃねえ!!!あんなモン誰が納得するものか!!!!」
だからこそ、インドラも応える義務がある。
それは、自身が気づくよりずっと以前から、「マスター」を気にかけていた「自分」への誠意でもある。 - 19二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 14:23:24
「いいか、オレはあの苦行に納得などしていない!テメェの様に今すぐにでも我が天界へ連れて行くことができるならしている!!!」
これは本心だ、あの特異点での激突後。納得できないながらも息子とマスターの決定を優先させて潜めていたインドラの本当の願い。
「だが、───それでもアイツは止まらない。記憶を消そうが、幸せな夢に堕とそうが、快楽の海に溺れさせようが、・・・・・・・・その手足を手折ろうが、アレは止まることなく進もうとする」
おまえの願いを知った。「失くしたくないからこそ、皆と生きたいから」そう笑ったおまえを知った。
おまえ1人を、カルデアの連中をまとめて連れ出して庇護するだけでは足りないのだと。そう思い知った。
「アレの願いはシンプルだが、同時に途方もなく強欲だ。しかも神を使ってでも自身の労力を惜しまないときた。全く極下が過ぎる……ならばこそ、側でアイツを導く威光は必要だろ?」
右手で印を結び天に突きつける。曼荼羅模様の巨大な方陣が展開し、大気が震え、周囲の雷が集う。
「それにオレは」
「美しいからと花を手折り散らせるのも、閉じ込めて星の翳りを見続けるのも趣味じゃないからな」 - 20二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 14:24:51
(続き、誰かお願いします!!!!)
- 21二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 16:18:36
インドラ様……!!(あまりの尊さに語彙力消失)
- 22二次元好きの匿名さん25/10/27(月) 19:51:21
- 23二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 00:20:22
三臨だからか普段より飾りっ気少なめでストレートな言葉いいぞー
- 24二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 08:06:19
「っ貴様がそれを言うか・・・・・・!」
インドラの構えを見て、帝釈天も印を結び、魔力を回す。黒雲が神域内の光を奪っていき、轟々と響く雷鳴が激しくなり一帯に重苦しい空気が蔓延る。
二つの雷霆の宝具が放たれる。
その場にいたサーヴァントたちにも緊張が走り、それぞれ巻き込まれぬように距離を取り防御姿勢に入る。
そうして、詠唱が始まる
「ナウマク・サンマンダ・ボダナン・インドラヤ・ソワカ、我は武の化身にして雷。この天を総べる者なり、故に──」
「我はインドラ、天地両界の恐るる者なり。我はヴリトラハン、悪き蛇を殺す者なり、そして──」
雷鳴が激しさを増し、纏う魔力をそれぞれ限界まで引き上がる。
「天帝が施しを以て、かの者を救い上げる者なり!!」
「我はマガヴァーン、我が天賜を与えしマスターの道行を雷霆を以て切り開く者なり!!」
「「神の雷!!!」」
解き放たれた黒き神雷が、互いを喰らわんとぶつかり合う。 - 25二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 10:51:17
割と早々に幼児化ルート通ったから仕方ないんだけど
エロゲってなんだっけ???????? - 26二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 18:01:58
エロゲの概念崩壊してるんよね
…エロゲの概念てなんぞ?
ごめん自分でも混乱してるわ - 27二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 20:16:25
落ち着け。原作もエロゲだけどエロゲ以上にバトルが熱いぞ
- 28二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 22:48:57
SNもバトルだったもんなほぼ
- 29二次元好きの匿名さん25/10/28(火) 23:00:30
刑部姫「うえええ!!!頑張って縮小版で宝具展開してるけどこの威力やばいー!!!」
アルジュナオルタ「刑部姫、私に捕まっていてください、離れたら巻き込まれます」
刑部姫「わかってるよ!!言われなくても離さないー!!」
ヴリトラ「キヒヒ。やはり、やはり!!その姿のお前はいいなあインドラぁ!!!!」
刑部姫「こんな時まで推し活しないでよぉ!!!!」
カーリー「インドラの宝具か、流石我らの王と言える威力であるな!!!だがしかし」
玉兎「ケホッ・・・・・・ええ、そうね。少しまだ足りないようね?」 - 30二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 04:40:59
それぞれの神雷は拮抗している。ほんの少しバランスが傾けば、すぐに雌雄が決するほどに。
インドラはその事実に歯噛みした。
拮抗しているのならばここからさらに出力を上げねばならないが現状がこの霊基で行える最高出力だ。
対する向こうはこの神域の真の主であり、聖杯のバッグアップも働いているだろう。長期戦になればなるほどインドラは疲弊し、逆に向こう側の有利となる。
(危機千万/とてもまずいですね)
(やばばー!!インドラ様ぁ如何/どーしよ!!)
本来の姿に戻っている従神が念話で語りかけてくる。
これ以上の出力を上げるならばカルデアからの完全退去を視野に霊核を砕く必要がある。否、だ。息子たちと別れることになるしアイツとの誓いを果たせなくなる。しかしこのままでは負けるどころか今度こそアイツは連れて行かれるだろう。
それはダメだ。それだけは嫌だ。
そんな事になるくらいならば、神はここ迄で良い。
そう腹を括ろうとした時。
「令呪を持ってあなたに捧げる」
凛とした、小さな、しかし芯の強い声が聞こえた。
「勝って、インドラ様!!!!!」
視界の端に、一等輝く星の姿を捉えた。 - 31二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 12:26:57
- 32二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 12:33:11
多分だけど神秘の強度の違いもある
ここが帝釈天の神域になってるから宝具が上手く展開できないのと帝釈天とインドラの神霊組と比べるとおっきーはまだ流石に若い方なので.....
それでも耐えてるからすごいと思う
- 33二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 15:41:26
前回のインドラ様相手のときは刑部姫の存在がイレギュラーだったから意表を突けたんだろうけど
今回の帝釈天は刑部姫の存在も出会いの時点から知ってるから調整されてそう
主神とその派生神なんて存在規模としてはもうビーストみたいなもんでしょ - 34二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 18:13:17
____________________数刻前。
「アルジュナ、カーマ、オレ/わたしをできるだけインドラ様のそばに連れて行って」
目覚めたばかりのマスターは最も頼りにしている弓兵と暗殺者クラスの2人にそう告げる。
「ダメですよマスターさん、今外は神霊同士の本気の殺し合いが起きてます。私たち2人が付き添ってもインドラのところへ行くなど自殺行為です・・・・・・少なくとも令呪で支援するだけなら此処からでも出来るじゃないですか」
「ならここから、声がどうにか届く場所まででいい。お願い、これは自分が出なきゃだめだから」
カーマが嗜めてもマスターは代替案を出してでも外に出ることを譲らない。その真意をなんとなく察したアルジュナはマスターに問いかける。
「・・・・・・どうしても、行きたいのですねマスター?」
「うん、あの2人が戦ってる理由を知ってるから。ならオレ/わたしだって、言いたいことも話したいこともいっぱいある。だから」
たとえ彼/彼女が望まなかったとしても、どちらも「人類最後のマスター」である自分をどこまでも案じてくれていることだけはわかる。ならば自分は少しでもそれに報いるためにも、自分の答えを示すためにも、此処から立ち上がらなければ。
その意図を確認するかのようにじっとマスターの目を見つめていたアルジュナは目を瞑り、一度頷く。
「わかりました。この座敷を出てすぐの地点ならなら安全でしょうし、声も届くでしょう。いざとなればまたマスターと共に逃げ込むこともできます」
「ちょっとアルジュナ!!」
「カーマ、貴女もよく分かっているでしょう。こうなった時のマスターは本当に意固地ですし、自分を曲げません。ならば我々はそれを叶えるために動くべきだ」
アルジュナのその言葉に、勿論沢山の判例の覚えがあるカーマは唸ることしかできず、
「〜〜〜ああー!!本当にしょうがないですね!危なくなったらすぐに此処に戻しますからね」
元ビーストだった愛の神はマスターの意向を汲むことに決めた。
「ありがとう2人とも、行こう!!!」
_________________________ - 35二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 18:48:19
視線が交わったのはほんの瞬き。
それでも目に灼きついて離れない輝きがそこに在った。
令呪を掲げ、蒼天色/黄昏色の瞳が星のような強かな光を湛えて己のサーヴァントを見つめていた。
見つめていたいと願った星がそこに。
「ふ、ククク。あはははははははははは!!!!」
インドラは笑い出した。それはもう愉快とばかりに、依代の胸の裡から湧き上がってくるこの得難い歓喜を発露するように。声高に笑う。
「『命ずる』ではなく『捧げる』と言ったか!極上であるマスター!!ならばこそ、その信仰に神は応えるしかあるまい!!!!」
令呪で上乗せされた魔力、マスターの祈りを乗せて、神雷の威力がさらに上がり、拮抗していたバランスが崩れる。
「っクソ!!!」
帝釈天とてそれをただ見ているだけで終わらせる気はない。神域中の魔力をさらに限界まで集め、目の前の仇敵に対抗しようとして、
「ええ、帝釈天様の懸念はその通り。しかし、苦も楽も同じこと。命の色でございましょう?」
いつのまにか迫っていた一撃を避けきれなかった。
「っ!!ビースト・・・・・・!!!!」
「あら、やはりご存じだったのですね?けれど今はこれこのように、マスター様のサーヴァントでございますので。私の五停心観、この場においてあまり効果はないかも知れませんが、あなたの一瞬を頂くには十分でございましょう?」
魔性菩薩は、ただ慈悲を込めた優しい顔で微笑んだ。
そうしてインドラの神雷が神域の主を呑み込んだ。 - 36二次元好きの匿名さん25/10/29(水) 22:12:01
- 37二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 05:11:56
【断章】月虹/ある神の独白
神/オレがお前を見つけたのは偶然だった。
魔術王により人類史が焼き尽くされた世界、正直あまり興味はなかった。
人間たちにとって苦行かも知れぬが、魔術王が目指す理論は「善」だと感じたので、静観しようと思っていたのだ。
だから本当にたまさかに、人理焼却が成された世界で月見をしている物好きたちが目についてしまったのだ。月見のための供の団子が盗まれたと、仲間と共に必死ながらあどけない表情で楽しそうに駆け巡ってるお前を見つけた。
お前たちにとってはただの気晴らし、苦しい旅路の慰め程度だっただろうその行為はそれでも神や玉兎とっては自分たちを忘れずに見つめているという信仰そのものだった。
最も、捧げ物は外つ国の女神に持って行かれてしまったが。
それからずっと見ていた。
最果ての海を征くお前を。
霧の都で魔術王と初めて対峙したお前を。
神話の戦いを行う新大陸を横断して駆け巡ったお前を。
女神と化した最果ての塔の担い手の主張を真っ向から否定したお前を。
女神達を下し回帰の人類悪との決別を見届けたお前を。
時間神殿で、サーヴァント達と共に、あの「善」に打ち克ったお前を。 - 38二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 05:13:04
お前ときたら、特異点に行くたびに傷を負って、無茶をして、一緒に見ていた玉兎などその度に酷く狼狽えていた。
カルデアで仲間と一緒にいる時、本当に屈託なく楽しそうに笑っているお前を知っている。
仲間内には明るい自分を見せていたが1人で自室で泣いていた夜があるのも知っている。
お前は知らないだろうが、霊基を幻霊レベルまで縮小した玉兎はカルデアによく訪れていたのだ。その度に眠ってるお前を心配そうに見つめていた。神は、現界するには世界に影響を及ぼしかねないから、本当に見ていることしかできなかったが。
だから、人理焼却事件が終わった時。本当に安堵した。これ以上お前は傷つかないで済むのだと。お前は日常に戻ることができるのだと。
だが、あの世界はお前に牙を剥いた。 - 39二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 05:14:15
カルデアは凍結し、お前が大事にしていた仲間は殺され、挙げ句の果てに世界を救ったお前に今度は世界を滅ぼして回れと言う。神殺しの弾丸などにされ、運命力は底を尽き始め、お前は何度も死にそうになって。そして七度、世界を看取った先ですら、まだ苦しめとばかりに世界がお前を責め立てる。
巫山戯るな。
ただ平凡だったお前から全てを奪って、そんな馬鹿げた話があるものか。
本当はすぐにでもお前の元へ駆けつけたかった。お前の手を取りたかった。だが神の規格に合う依代を用意しようにも、世界はすぐに拒絶する。
そんな時だ、アレがお前たちの前に現れたのは。
依代を作って、霊基を切り分けて顕現したアレは、そのままお前たちのカルデアに居座った。大元が同じだからな、いずれお前の道行に不快感を示すのはわかっていたから。アレに任せようと思っていた。だが、あの特異点でアレは諦めた。お前を快楽に沈めようとしたくせに、アレは息子や他の者たちとの激突した後に、簡単に諦めた。
許せなかった。我が大元がであるアレが、苦行からの救済を諦めたくせにその後もお前の側にいるのも、お前を抱き寄せるのも。
お前を、何れ天領へ連れ去るなど。
だから外法の聖杯を利用してでも、オレはお前を連れ去ることにした。アレの「記憶」と「霊基」の一部を奪い、自分の霊基とすることでようやく初めて顕現することができた。
アレが作った特異点の残滓をもう一度象り、オレのものにして、お前を迎えるための園にした。迷宮に関してはアレが作った残滓なので、オレに咎はない。お前がオレに頼るよう仕向けるために一部を利用したが。
なあ、立香。
ただ一度だけでいい、頷いてくれ。
然すれば、オレはお前に応えるから。
ただ一度だけ、その手を伸ばしてくれ。
然すれば、オレがその手を掴みお前を何者からも守り抜くから。
オレはお前に、お前がただ幸せに笑える世界を。
そのために、何もかも置いていこうと思ったのだから。 - 40二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 05:16:25
何者にも優しいけれど、特別は作らなかったはずの月明かりはそうしてただ1人の人間を愛そうとしたのでした。
- 41二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 11:21:39
- 42二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 20:27:05
保守
こっからどうなるんだろうな - 43二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 21:06:02
インドラ神は「人類最後のマスター」を知ってからその中身の「藤丸立香(外つ國の子ども)」を視た一方で、帝釈天は「藤丸立香(日本の子ども)」を知ってから「人類最後のマスター」を視たんだな
見ているだけで何もできなかった歯がゆさはつらいだろうな… - 44二次元好きの匿名さん25/10/30(木) 22:52:29
卵か先か鶏が先かみたいな問題だな
- 45二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 07:36:58
保守
- 46二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 11:26:57
これマジでロストルームの邂逅なかったらどうなってたんだろうな。前作のインドラ様と今作の帝釈天が起点は違うけど同じような思いでマスターを連れ出そうとしてたからロストルームなしのルートだとインドラ様がぽっきり折れるエンドもあるんだろうなこれ
- 47二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 18:26:12
神雷の光が神域全体を包む。
そうして閃光が落ち着き黒煙と砂塵の燻りが晴れて、静寂中でインドラは立っていた。呼吸は浅く、早く、不規則。神々の王としての風体自体はすでにかなぐり捨てていたとはいえここまで無茶をしたのは特異点で息子のオルタと戦った時以来だろう。
令呪でブーストされて限界に近い魔力放出を持って放った一撃、それは確かに目の前の「自分」を捉えて、呑み込んだ。「自分」は、神域の庭の壁に凭れ掛かり、その霊基を大きく損傷させて項垂れている。
神の宝具の一撃を喰らっても蒸発しなかったのはこの神域の主であるからか、はたまたギリギリまで諦めず目の前の仇敵を凌駕しようと足掻いたからか。
どちらでもいい。少なくとも問題はそこではなく、いまだ霊核が砕けずアレが消滅しない方が問題だ。
アイツにもう手を出せぬように、この場でしっかりと仕留めなければ。重い身体に鞭を打って、「自分」にトドメを刺すために歩もうとした。
その背に、強く、しかし柔らかくて心地の良い衝撃を受けた。
なんだろう?と己でもあまりに幼すぎる疑問と共に振り返りその姿を見た。
薄い肌着に白い羽織を纏った彼/彼女が己に抱きついていた。顔をうずくめていて視線は合わない。ただ小さく、か細い声で「インドラ様」と己の名を呼んだ。 - 48二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 21:32:49
親殺しだけじゃなくて自分殺しすら果たそうとしてたら止めるよなあ…
- 49二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 01:38:41
このレスは削除されています
- 50二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 07:29:45
「立香」
名を呼ぶ。そうすると後ろから抱きついている彼/彼女はゆっくりと身じろぐ。顔が見たいと思ったが、体格差のせいで精々がそのつむじを見るしかできない。
「インドラ様、もう大丈夫。大丈夫だから」
止まって。とそう言いながら縋るように抱きつく手が強く握り込まれる。
「ああ、止まる。・・・・・・・・顔が見たい、立香」
立香の手に己の手を添えてゆっくりその存在を確認するようになぞる。そう伝えると彼/彼女の手がゆっくりと己から離れていき、インドラは振り返って彼/彼女と対面する。俯いたままだったその顔がゆっくり上がり、視線が交わる。蒼天色/黄昏色の目が、不安そうに潤んで揺れている。
その手を取り、己の方へと抱き寄せる。
そんな顔にさせる気など、微塵もなかったのに。
「インドラ様、傷だらけで魔力も少なくなってて心配に、なって」
「なに、多少疲れはあるがこの程度、ものの数ではない。・・・・・・おまえは、痛むところはないか?」
「大丈夫、なんともないよ」
立香の手が己の背中に回り、抱き締め返してくる。
互いの呼吸と鼓動が感じ取られる。2人にとってのひと時の安息。インドラは己が召喚者の頭を優しく漉くように撫でる。
「迎えが遅くなった。・・・・・・よく、戻った」
「うん、ただいま。インドラ様」 - 51二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 07:39:35
エンダアアアア(…?)
- 52二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 08:17:11
前作で実質告白も何もかも終わらせてるからなんか、こう....(※仮想ファンメイドゲームです)
- 53二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 14:35:02
なんか満身創痍の帝釈天が何も言わないの怖いな
- 54二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 19:40:22
「・・・・・・インドラ様、話をしてきてもいいですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
長い沈黙、眉を顰めてインドラは本気で厭そうな顔をする。が、その後深いため息を吐き、目の前のマスターの頭を撫でる。
「嫌だね。と言いたいところだが、おまえは止めても聞かんだろう?」
「うん、どうしても話したいです。嘘だと思われるかもしれないけど、良くしてもらったから」
「お人好しが」と愚痴るように呟きながらもインドラは彼/彼女の意思を尊重することにした。こう言い出したときの立香の意固地さは息子同様インドラ自身もよく思い知っているので。
「アレが何かするなら即座に我が金剛にて霊核を砕く。・・・・・・神が行けばろくな話が出来ぬだろうから距離を取るが、文句だろうが拒絶の言葉だろうが叩きつけてこい」
「はい、ありがとうございますインドラ様。伝えたい言葉ちゃんと伝えてきます」
立香はほんの少し名残惜しさを感じながらもインドラから離れ、神域の端で項垂れている「彼」の元へと向かった。 - 55二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 22:37:08
インドラ自身がぐだの頑固さちゃんと知ってるのカルデアで結構な時間過ごしてきたんだろうな
- 56二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 07:22:37
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 08:45:18
ホスト規制くらってたから保守たすかった
大元たるインドラ神が「諦めた」ことにめちゃくちゃ憤ってたから手を掴んで引きずり込むかもしれないが慈悲深いことには変わりないからぐだの決意を認めてくれるかな… - 58二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 10:13:50
人類最後のマスターは己を拐かした帝釈天の前に立つ。
目の前のその神は、右肩からバッサリと袈裟斬りされたような傷を負い、先ほど喰らったインドラの神雷が帯電し、チリチリと身体に纏わりついている。
俯いたまま壁に背を預けている神に声をかける。
「帝釈天様」
呼びかけると徐に帝釈天は顔をあげ、何よりも救いたい人の子の顔を憐憫と慈悲と愛情と執着が織り混ざったような目で見上げる。
「立香、オレはお前を救いたい。お前が傷付かず笑える世界を贈りたい。お前が童のままでも過ごせる世界を・・・・・・」
目の前の彼/彼女に手を伸ばして、力無く空を切る。この神域いるからこそ未だ霊基は保てているし傷も徐々に回復しているがそれでも傷が深すぎてうまく動けない。おそらく、「神域」から出たら帝釈天という存在はもう天に帰るしかない。
あの旅館で安心するような優しい大きな手で撫でて、話しかけてくれたひとは、酷く何かを恐れている。
だからこそ立香は自ら告げなければならない。
「帝釈天様、貴方がオレ/わたしを思ってくれてるのはすごくわかるし嬉しい。とても安心できるひと時でした。でも、ごめんなさい。どうしても自分で進みたいんです」
「・・・・・・、お前がこの先罰を受けるつもりなのを知っているのに、お前はオレに諦めろというのか?」
ああ、そこまで知っているのか。
インドラ様で慣れてきてはいたけどつくづく神霊というのはすごいな。などと感想を抱きながら、彼の前で膝をつき、その手を両手で取って優しく握りしめる。 - 59二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 10:34:10
「確かに罰を受ける、受けなければならないかもしれないけれど。自分は後悔だけはしたくないんです。ここで貴方の手を取って。貴方の庇護に入っても多分きっと、いつか後悔と罪悪感で押し潰されると思う。・・・・・・何度か記憶を消されたこともあるけど毎回思い出しちゃいますしね」
「それでも、この苦行からは抜け出せる。多少、苦しみは残ってもお前はお前の愛する者たちに囲まれて生きられるのだぞ?」
縋り付くような、切望を顔に浮かべて問いかける。
本当に、優しい人だと思う。インドラの側面の一つである事がとてもストンと腑に落ちて、このひとも大事にしたいと思える。けれど。
「うん、それはとても素敵な事だと思う。けどね帝釈天様。オレ/わたしは自分が生きてる世界が、どうしようもない世界だとしても好きなんです。自分と一緒に生きる仲間たちが、共に背負ってくれると約束してくれて、見届けてくれると言ったあのヒトが大好きなんです。だから、ここまで進んだという結果を、自分のゲームセットを、迎えたいんです」
それは人類最後のマスターとしての顔ではなく、藤丸立香としての、穏やかで、けれど意志の強さと何者にも曇らせられない光を感じるさせる暖かな笑顔だった。 - 60二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 19:36:54
───その顔を知っている。アレの記憶を除いた時にみた。カルデアに来たお前の出発点。瓦礫に潰され、炎に飲み込まれようとしている無垢な後輩の手を握った時の顔と同じそれだ。
人類最後のマスターなどという肩書きとは関係ない、藤丸立香自身が最初から持っていた「善性」故の笑顔。
その顔を目の前で見てしまったから「ああ、これはもう自分が納得するまで止まらないのだろうな」とそんな気持ちが湧き上がってくる。そして何より───。
帝釈天は立香の手を強く握り返し、固く目を閉じる。
大凡1分ほどの、されどそれ以上にすら感じる長い静寂が2人の間に流れて、そうして最後は深いため息で終わりを告げた。
「よろしい。お前がどうしようもなく頑迷なことはよくわかった。全く、我が恩寵をここまでしても拒むとはな」
やんちゃな子供を諭すような口調で、困ったように、しかし慈しみを込めた目をしながら笑って沙汰を告げる。
何より、先ほどあの「自分」と目の前の彼/彼女のやりとりを見てしまったから、あまりにも隣にいる立香が幸せそうだったから。だから、本当に不快極まりないが、納得してしまっているのだ。 - 61二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 20:42:11
パパじゃん……
- 62二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 22:17:49
生きすぎない過保護は良い愛情だしな
- 63二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 07:20:08
こう見るとやっぱり庇護欲が強いんだな帝釈天
儀式の内容見るにそれだけじゃないんだろうけど「保護者」みが強い - 64二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 10:56:24
- 65二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 12:45:21
「だが、お前が本当にもう無理だと思ったら。あの男がお前の元を去ったら。お前がもっと危うくなったら、オレはお前をまた迎えに来るぞ」
「はい、そうならないように気をつけるし、貴方にもみんなにも安心して見ていてもらえるように真っ直ぐ走っていきますから。これからも見ていて下さい!」
人類最後のマスターはそうしてずっと自身を見守っていた月明かりに向かってあどけないな笑顔で答えた。
「・・・・・・ああ、その顔は、失われてなかったのだな」
帝釈天はようやく、悲しみしか見られなくなっていた自らを自覚し、目の前の彼/彼女の笑顔を眩しそうに見つめた。 - 66二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 12:46:48
ちょっとゲーくんみたいになってたのかな。辛いところばかり見てたみたいな
- 67二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:54:10
……さて。ここで皆さん、伊吹姉さんの発言を思い出してみましょう。
- 68二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:20:13
「どうやら、話は上手くまとまったみたいですね」
奥座敷の入り口付近、神雷同士の衝突の決着がついてすぐ、土煙の中1人走り出して行ったマスター。その安否と傷だらけながらも五体満足の己が父、破れ去り穏やかな雰囲気を纏っている帝釈天の姿を認めたアルジュナが胸を撫で下ろしていた。
「ほんっと、こんなにこっちに苦労させておいて砂糖水みたいな甘々な展開になるなんて。・・・・・・マスターさんもそんな男やめておけばいいのに」
宝具のぶつかり合いの最中、マスターだけではなくアルジュナも守護していた愛の女神はむーっと膨れっ面をしながら愚痴る。
偉大なる実父への不敬な言葉ではあるが先立ってと今回の特異点を思い返すとアルジュナとしては苦笑を返す他なかった。
そして遠くからこちらに駆けてくる影が見える。
「もう1人の私(アルジュナ)!」
「ひえー・・・・・・怖かった!!!頑張ったよ姫!!!」
「キ、ヒ、ヒ、インドラめ。とんでもなく良い顔をしおって・・・・・・・堪らん!!!わえがもう1ラウンド回したい気分じゃ!!!」
「・・・・・・・アスラの王よ、此処で滅されたいか?」
神雷が吹き荒ぶ中、戦いを見届け、玉兎の相手をしていた仲間たちと合流する。 - 69二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:44:08
「皆無事で何よりです」
「ええ、刑部姫が本当によく頑張ってくれました。この空間では縮小しながらも宝具を展開するのは辛いものでしょうに」
「えへへ、ハロウィンの時はずっとイロモノになっちゃうからさ。こういう時に『うちの城はきれいなんだぞー!!』ってアピールしたいっていうかぁ」
アルジュナオルタの労いの言葉に刑部姫が照れくさそうに言葉を紡ぐ。
「ええ全く、本当に美しい白亜の城でございました。天竺にある数々の寺院にも引けを取らぬほどの」
「て、うぁわキアラさん?!!いつのまに??」
スルリと会話に入り込んできたキアラの姿に刑部姫が猫のように跳ねて驚き、アルジュナオルタの裏にさっと隠れた。
「キアラ、いつからここに?」
「帝釈天様達がぶつかり合っている最中にはこちらに。うさぎ達との戯れが終わり皆様がどこに行ったかと思案してた時に声をかけて頂いて・・・・・・・」
「それで私が連れてきたのよねー、やっほーみんな」
キアラのそばに伊吹童子が近寄って気さくに挨拶をする。
「伊吹童子、貴方は今回も中立でこちらには肩入れしないのでは?」
「んー、もちろん私個人は帝釈天寄りだし中立よ。でもまあ、そろそろ私の出番が必要になるかな?って思って」
そう話ながら伊吹童子は持っている酒瓶を煽りぷはー!!と満面の笑みを浮かべる。
「それは、どういう?」
アルジュナが疑問を抱き伊吹童子に問い糺そうとすると。「おーい!!」と闊達ながらも優美な声がこだました。戦闘の最中、姿が見えなくなったニキチッチが愛馬ととものこちらに駆け寄ってくる。 - 70二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 19:11:26
「あー!ニキチ!!いつの間にかいなくなっててびっくりしたんだよ?!!」
「いや、すまん。あの雷雨の中ではオレと愛馬ではろくに動けないと判断して。ひと足先に聖杯を探しに行ったんだ。ここの核を確保した方が動きやすいと思ってな。こちらは・・・・・・・上手く行ったみたいだな」
マスター達の姿を遠目で視認したニキチッチは安堵したように顔を緩める。父性の強いニキチッチは帝釈天の在り方にもマスターの行く末もどちらも気がかりなのだろう。
「・・・・・・・ニキチッチ、それで聖杯は」
アルジュナが話を促す。
「うむ、単刀直入にいうと見つからなかった。この神域の奥までみて、念の為に先程までいた旅館も見て回ったが、あの目のついた不気味な聖杯がない」
ニキチッチが眉を顰めて、あまりにも不可解であるというようにそう告げた。
少し離れた場所で、不穏な言葉を呟いたアスラの王を鏖殺しようとするカーリーとそれを愉快そうに笑いながら避けるヴリトラの姿があった。
「キヒヒ、カーリーよ。貴様気付いておらんのだなぁ?」
「何を言っているアスラの王」
「貴様、子うさぎを1匹仕留め損なっておるぞ?」 - 71二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:08:08
- 72二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:27:35
でも帝釈天様が「迷宮に関してはアレが作った残滓なのでオレに咎はない」って.....言われてますよインドラ様
- 73二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 06:07:34
「・・・・・・・諦めてしまうの?帝釈天」
突然聞こえた声に、立香と帝釈天は顔を向ける。
そこには未だカルデアの玉兎輝夜の姿を取っているが、美しい純白の羽織が見るも無惨なほど切り刻まれ、カーリーとの戦いで身体中傷だらけになった玉兎が、いまにも泣き出しそうな顔をしていた。
「玉兎、諦めた訳ではない。この者は、まだ幸せを自分で見つけられる。・・・・・・・オレたちが思っていたよりもずっと強く、あまりにも頑固だ。だからもう少しだけ信じることにしたのだ」
帝釈天は大事な従神を諭すように、宥めるようにそう告げる。
それでも玉兎はかぶりを振る。
「ダメ、ダメだよ帝釈天。だってもうほんとに限界だ。大丈夫だって言ってても、心にはとてつも無い大きな傷ができてる。その子にはもう、なにも失ってほしくないのに・・・・・・・!!!」
玉兎の慟哭が神域に響く。あまりにも悲痛、あまりにも切実で親愛の情に満ちた叫びだった。
「玉兎、気持ちは嬉しい。けど自分はまだ」
立香がそう言葉を伝えようとするが玉兎はさらに激しくかぶりを振るって拒絶する。
「きみはもう、どうあっても進もうとするから。それが嫌なのに!!ねえ、一緒に月に行こう?そしたらもう傷つかないで済むから。きみの好きな人たちも一緒に居られるようにするから」
「玉兎・・・・・・・」
「聖杯にそう願えば、きっと!!・・・・・・・っあ」
そう言葉を続けた玉兎の顔がサァっと青ざめる。まるで何か言ってはいけないことを口にしたように。
同様にそれを聞いていた帝釈天の顔もまた強張った。
「そうだよナー?いくら説得しても聞かないならそんな苦しいことをするんなら、聖杯に願って無理矢理にでも叶えるしかないない!」
奥座敷の方から、あまりにも場違いな軽薄な女の声が聞こえてきた。 - 74二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 11:10:57
こっちも内ゲバしとる⁈
- 75二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 17:47:39
「いやあ、帝釈天のせいで『このまま儀式成立しちゃうかな?』って心配だったけどそこのウサギちゃんがもう一度願ってくれたならどうにかなりそうだナー。よかったよかった」
コツコツと靴音を鳴らしながら女は建物の奥からこちらに向かいながら愉快そうに話す。そうして女の姿が顕になる。
学生制服を思わせるブレザーにミニスカート姿、金色の長い直毛に大きな金眼。猫のような黒い耳と尻尾。そして所々エジプトを想起させるアイテムを身につけている。
藤丸立香はその姿に覚えがある。たった一度、真名不明だが確かに、あのクリスマスの日々で立ちはだかり、そして逃亡して行ったサーヴァント。
「ポポヨラにいたサーヴァント・・・・・・・!!!!」
魔女ロウヒが1年間過ごした特異点。ラップランドに伝わる伝説の土地『ポポヨラ』そこで遭遇したサーヴァントは猫のような顔をして嗤う。
「やっほ、カルデアのマスター。と、そこのライダーも久しぶりだナー。今回は仕事とは別の『お願い』が入ったからちょっと介入したんだぜ?」 - 76二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 22:03:55
保守
- 77二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 02:30:51
その言葉の直後に、黒雷が謎のサーヴァント目掛けて奔る。「わったた!」と声を出してどうにか避けながら女は膨れっ面をする。
「あっぶないナー。人が話してる時に邪魔するのは悪いことだって教わらなかったのかー?」
「貴様の話は神が聞くに値すると思わなかった故な。まあ、つまらぬ道化であろうが貴様が知っていることを全て聞く必要があるようだが」
インドラが、いつの間にか立香を庇うように目の前に立っていた。言葉の尊大さに反して警戒を緩めず目の前の存在を注視している。
「ああ、そっか。そういえばあの聖杯を最初に置いたのはオマエの部屋だったナー。いやー、あれは困ったんだよナー。リソースとして聖杯を使ってくれたのは良かったけど存在を認識してないどころか結局「願い」を叶えることなく特異点が壊れて放置されるなんてさー」
うんうん、と女は腕を組んで頷く。女が話してる間にも他のサーヴァントたちは臨戦体制に入っていく。
いまだに玉兎は震えてるいて、帝釈天は先ほどよりも容態が悪くなっていそうなことに、立香は気がついた。
「帝釈天サマが見つけてくれたからまあよかったんだけど、こっちもこっちで儀式を行うことで「願い」の結果だけ掠め取っていく気っぽそうだったからまあ諦めモードだったんだけど、ウサギちゃんがやる気あるなら、まだチャンスあるみたいだナー?」
そういうと、女はすっと手のひらを開き前に出す。すると魔力がその手のひらで集まり、凝縮し、形をなす。
インドラたちがこの特異点の謎解き中にみた、立香がインドラが作った特異点で見た、血の滴る眼、それがついた聖杯だった。
「この聖杯、実はとある封印されてる外の神様の力が宿っててねー、願いを叶える事でその行為を代償にして復活しようとしてるんだナー。ねえ、カルデアのマスター?オマエを捕まえてウサギちゃんの願いを叶えたらそれができそうなんだ」
その言葉と共に、聖杯から血が流れ始め、触手がカルデアのマスターに向かって襲うように伸びていく! - 78二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 10:55:57
やっぱ神って全面に信頼しちゃダメ
- 79二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 11:48:41
「ヴァジュラ!!!」
インドラの言葉と共に人間形態になったふたりの金剛が触手に向かって雷霆を放つ。インドラは己がマスターを抱え隣で起き上がることができなくなっている帝釈天の襟首を掴み、跳躍し、カルデアのサーヴァントたちがいる地点に降り立つ。
「インドラ様ありがとう!!反応遅くなってごめん!!」
「良い、許す。だが気を抜くなマスター」
「・・・・・・・何故オレまで助けた?」
「勘違いするなよ。貴様を捨て置いたらコイツが気に病むからな。それに、アレの説明を貴様の口からも聞く必要がありそうだと思ったからだ」
ヴァジュラが牽制し、カルデアのサーヴァントたちが攻撃を繰り出す先にある血の滴る眼の聖杯。そこからは黒く粘着質の無数の触手がうねりを上げていた。
「お前はここで叩く!!!!」
ニキチッチと愛馬が不敵に笑っている女へと攻撃を繰り出す。女はまたするりと攻撃を避け、嗤う。
「そんなヘッタクソな攻撃に当たるか!まあもうここでの急なお仕事はこれで終了でも良さそうだからそろそろお暇しようかナー」
そう言って女は以前のように再びどこかへ転移しようとして、完全に姿が消える前にその身に痛みが走る。
「痛った?!!!なんだコレ?!矢?」
アルジュナの一撃が女の腹に刺さっていた。
「・・・・・・・今はそちらに構う暇がなさそうなので見逃すが、我がマスターと我が父を弄した罪、いずれ代償を支払ってもらうぞ」
黒曜の瞳に炎のような怒りを宿らせて、冷静な口調でのままアルジュナが宣誓する。
「うげえ、面倒なことになったナー。まあそれはここから無事でられたらの話だろー?じゃな、ばいばーい」
女は傷を受けた腹を庇いながらも、軽快さを失わずこの特異点からその姿を完全に消した。 - 80二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 19:34:30
ホンマあの猫耳女ろくなことしない…
復活しようとしてる邪神、玉兎の願いを叶えてカルデアを月に行かせたら、地球を飲み干して月に進撃する事くらいやりそうだ - 81二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 22:48:00
ちょこちょこでるインドラ様の「マスターのお人よし感理解してる度」が好き
- 82二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 01:23:07
ほしゅ
- 83二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 07:23:43
「くそ!すまんマスター!また逃してしまった!!」
ニキチッチが口惜しそうにその顔を歪める。2度目の邂逅で倒すべき敵を取り逃がした事がこの英雄としては屈辱なのだろう。
「今回は仕方ないニキチッチ!!ありがとう!そのままあの聖杯との戦闘に移行して!!!」
マスターとして彼女に労いの言葉を掛けつつ次の動きを促す。
「マスター!!私もこのままあの聖杯に攻撃を続けます!!その間に帝釈天と話をしてください!解決の糸口が何や掴めるかも知れません!!」
「了解!アルジュナも無理せず!!インドラ様と刑部姫は無理せず下がって!いざとなったら宝具の展開をお願い!!キアラさんも消耗が激しそうだから後方で支援を!他のみんなは遊撃と迎撃をお願い!!少しの間話す時間を作ってほしい!!」
カルデアのマスターとしてサーヴァントたちに指示をする。サーヴァントたちはマスターからの言葉にそれぞれ応えて、各々の役割を以て目の前の敵に集中する。
本当はこのまま戦闘に集中したいとことではあるが、この聖杯の正体について、あの聖杯についた邪神が何を成そうとしているのか帝釈天からも話を聞かねばならない。
「教えて下さい、帝釈天様。あの聖杯がなんなのか」 - 84二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 12:05:17
お目目ついた聖杯はロクなことにならない()
- 85二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 17:45:55
ねえこれってエロゲだよね???
- 86二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 19:59:45
- 87二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:39:45
「・・・・・・・あれは、外なる宇宙にいる、領域外の生命体であり邪神。お前たちカルデアに登録されてるフォーリナーなるクラスに干渉してる邪神共と同じ場所にいるものだ」
帝釈天が重い口を開く。
「オレがアレを見つけたのは、インドラ/そこの神が作った特異点の残滓を見に来た時だ。お前たちが訪れた時は巧妙に隠れていたが使用者が不在になったせいかオレたちの前にあの聖杯は現れた」
「最初は何かわからなかったがカルデアを見ていた故に、すぐに正体には思い至った。アレはフォーリナーのクラスように聖杯にとりつく事でこちらに干渉しようとしている神だとな」
フォーリナー/降臨者。外宇宙の本来はこちらと繋がり得ないはずの存在が英霊の座を経由してサーヴァントとして現界する。カルデアのフォーリナーたちは協力的だが、どのサーヴァントも規格外の力をもち、狂気による一種の危うさを抱えている。
もちろん、外宇宙の神と関係のないフォーリナーもいるが、今回は割愛する。
「なぜアレが英霊ではなく聖杯を核にできたのかは知らん。だがあの聖杯をリソースにするのはともかく、アレを使って願いを叶えるのは悪手であるとすぐわかった。あの神は、おそらく人間に対して酷く攻撃的で悪辣だ」
「そんな、そんな危険な聖杯を使おうとしたの?!!」
立香たちと共に、戦場を俯瞰し控えに回っている刑部姫が悲鳴をあげる。帝釈天という存在は温厚な仏門の存在として知られている。その一柱が、その危険を冒してまで願いを叶えようと───マスターを救い出そうとしていた事に、咎めるではなく素直に驚いたのだ。 - 88二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 21:12:50
「オレも玉兎も、それだけ己すら追い詰めていたのだろうな。本当に、お前の願いを踏み躙ってでも連れ去る気だった」
弱々しく笑いながら帝釈天は立香を見る。申し訳なさそうにもけれどその想いだけは否定させないような、そんな複雑な笑顔だった。
「何もオレもそのまま聖杯使おうと思ってはいなかった。あの神は、シアエガなる邪神は生贄の儀式を行う事で再び封印が強固になされ、その力のみ使えると言う調べもついたからな」
「・・・・・・・ああ、だからこそこの神域であり黄泉戸喫か」
戦場に目を向けヴァジュラを奔らせつつ、話を聞いていたインドラが口を挟む。
「この神域を儀式の場所として、黄泉戸喫をコイツにさせる事で「現世の存在では亡くす」即ち「死んで生贄の儀を完遂した」と無理矢理こじつける気だったんだろう?そうする事で聖杯の力を使いつつ、邪神の封印は継続できる。全く厚顔なやり方だな」
「フン、あの聖杯の存在すら知覚していなかった貴様に言われるのは癪だな。・・・・・・しかし、その通りだ。その方法なら、カルデアからお前を攫えると確信していたからな」
相変わらず二柱の雷霆のやりとりには棘があるが、先ほどよりは気安くなってるようにも感じる。
「仮に失敗しても、オレの力が健在なら聖杯を隠し通せる予定だったが、思いの外、神域ごと削がれ過ぎた上に玉兎が願い、それに反応した隠した聖杯をあの女が嗅ぎ付けて持ち運んできてしまった、全く上手くいかんな・・・・・・・ぐっぁ!!」
「帝釈天様?!!」
話し終えた帝釈天が突如苦しみ始めた。立香がどうにか治癒魔術を使おうとするが、礼装がなく普段よりも回復が乏しい上に傷が深い。
「っ、オレの神域があの聖杯の邪神に飲み込まれようとしている、おそらく、向こうに玉兎がいるからだ。オレとアイツは此度は同一の霊基として存在してるからなっ・・・・・・・!」 - 89二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 21:18:05
- 90二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 21:44:57
- 91二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 02:43:40
「玉兎が聖杯に呑まれそうになってるから、玉兎の霊基を通して神域を汚染してる?」
途方もない方法で空間を飲み込もうとしている聖杯に立香の背筋に冷たいものが走る。けれど話を聞いて、どうにか解決の糸口は掴めそうだ。そしてオベロンの助言や言動から自分が何をするべきかはもうわかっている。
だがしかし、
「玉兎も助けたいのに。まだ、もうひと押し足りない・・・・・・!!」
サーヴァントたちはよく戦っているが聖杯の元まで踏み込む事はできずにいる。ここに来るまでで消耗しているのに加えて、帝釈天の神域を汚染してる邪神の魔力があまりにも濃度が濃くなり始めていずれ戦ってるみんなを苛むだろう。
このままではジリ貧だ。
思考を回してどうにか解決策を模索している時に。呑気な声が聞こえてきた。
「あーあ、やっぱりこんな状況でもどうにかしようとするのよねマスターは。じゃあお姉さん手伝っちゃう♡」
ここまで傍観者でいた伊吹童子がそう茶目っ気たっぷりに言い放った。
「伊吹童子、何か手段があるの?」
「んー、少なくとも邪神の影響の緩和させるのは出来るわよ。ちょうど必要なものも揃ってるみたいだし?」
そう言いながら伊吹童子は近くにいた刑部姫に抱きつき、まさぐり始めた。
「ひゃ、ひゃあああああ?!!なになに?!?」
「アナタが一つは持ってるのはわかってるからちょっと待ってねー。あ、これこれ」
そう言いながら伊吹童子は刑部姫の服の中からとあるものを取り出す。
それは宝物庫に置かれていた三種の神器のレプリカの『鏡』だった。 - 92二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 10:32:38
伊吹姉さん、化け物すぎてこれほど頼もしいこともそうそうない
- 93二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 19:34:52
>>92基本価値観ずれまくってる上に自由本坊なだけで強さは本物だし面倒見もいいから…
- 94二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 22:33:28
インドでは常識だぜ!
- 95二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 23:32:17
「あ、それは!宝物庫で見つけた三種の神器のレプリカっぽいの!!!」
「おっきーせいかーい♡まあ前の特異点の時から保険で私が作ったものを紛れ込ませてたのよね」
刑部姫の言葉に満足そうに伊吹童子が答える。
「これとあと二つあればどうにかなるから持ってる子にこっちに持ってきて貰ってくれない?」
「・・・・・・刑部姫、誰が持ってるか教えろ。ヴァジュラに取りに行かせる」
「は、はいいぃ?!!!」
前まで散々『怪異』だの『城化身』など呼んでたインドラに突然正式な名前を呼ばれ、刑部姫は声が裏返りながら返事をする。そしてアルジュナオルタとニキチッチが『剣』と『勾玉』を持っていることを伝える。
インドラはヴァジュラを呼び寄せて用件を伝えると二対の金剛はすぐに赴き、神器を手に戻ってくる。
「インドラ様、これ確保/ゲットしたよー」
「このまま伊吹童子にお渡ししますね」
「wow!仕事がはやーい♡ありがとう雷くんたち!」
ヴァジュラから神器のレプリカを受け取ると伊吹童子は三すくみを描くように三つの神器を配置し、真ん中に自らが持っている、本物の『草薙剣』を床に突き立てる。
「ここに神器が揃い、八岐大蛇が化身の私がいる。
───ならばこそ、この地は我が領域に他ならなぬ」
その言葉と共に、伊吹童子の魔力が膨れ上がり、この神域に広がる。三種の神器のレプリカ、そして伊吹童子の『草薙剣』を核にしてこの神域全体の神気を塗り替えようとしているのだ。
「うん、これでヨシ!とりあえず概念的にだけどこれで聖杯側にこれ以上塗り替えられないように拮抗出来るわぁ〜。まあこれやってる間私はあまり動けないからごめんなさいね?」
日本書記に語られる大蛇、その化身たる神霊は屈託のない笑顔を人の子に向ける。
「ありがとう伊吹童子!!」
「いえいえ〜♡もしよかったらまた美味しいお酒でも頂戴マスター♡」
「ああ、あと。神話系体?って言うのかしら?それが違うにしても同じ国で信仰を集めてる者同士だもの。貴方もさっきよりは動けるんじゃないかしら帝釈天?」 - 96二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 04:52:39
「・・・・・・ああ、先ほどよりかなり動けるようになった。感謝する伊吹童子」
先ほどまで苦しんでた帝釈天がゆっくりと立ち上がる。傷が完全に塞がっては居ないが、それでも雷を走らせるには十分にはなった。
「動くようになったのならマスター、そいつと仮契約でも結んでしまえ」
インドラの一言に帝釈天が瞳孔を開いて驚く。立香自身はじっとインドラの顔を見つめてそして問い返す。
「いいんですか?」
「構わん。というより此度の騒動の元凶はそいつだ。神が働いてるのにそいつだけ傷を負ってる故に夢うつつなどとは許さん。オレ/帝釈天であるのならば、自分責任ぐらい自分で取れ」
インドラの意思を確認すると立香は頷き。そうして帝釈天にも意思を問う。
「と言うことなのですけど、仮契約結んでくれますか?」
「・・・・・・お前はいいのか?お前を拐かした当事者だぞ」
「うん、貴方がただ悪戯にオレ/わたし連れてきたわけじゃないのはもう分かったから。それに、玉兎とまだ話せてないから、連れ戻したいんです。そのためにもお願いします」
凛とした、カルデアのマスターとしての顔で帝釈天に語りかける。帝釈天は立香の瞳と令呪を一瞥した後に、
「よろしい。身から出た錆とはよく言ったものだ。この雷霆、ひと時お前に預けよう」
仮契約がなされ、帝釈天にパスが通る。今まで見守っていた「子供」をマスターとして戴く、その不可思議さにほんの少しだけ笑えてくる。
「神も出るぞ。ある程度魔力も回復した、このまま叩くぞマスター」
「わかりました、作戦があるからまずは攻撃を続けて玉兎を助けてほしい!!!お願いします!!!」
その言葉を聞き受け、二柱の雷霆は奔り出した。 - 97二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 09:41:01
- 98二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 11:35:46
ここもハピエン分岐点の一つなんだよね
もし探索パートでレプリカを放置してたら伊吹童子の概念置換が成立せずに神格そのもので拮抗することになっちゃうから伊吹童子はここで退場
伊吹童子からのバフ(大蛇の加護)もないし帝釈天もシアエガに侵食されちゃって刑部姫と(強がってるけど)満身創痍なインドラとでバトルになっちゃうんよな - 99二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 11:43:27
- 100二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 16:40:18
このエンド退廃的でいいよね
つ【月の都で力無く横たわるぐだに寄り添うように倒れてるひび割れた帝釈天の依代が周りに無数のウサギたちが取り囲まれてるスチル】
でもモノローグの玉兎がどう足掻いても後悔の念が払拭できてないのがお労しい......恩人たる帝釈天が自分のせいでああなってしまったもんね.....
- 101二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:35:08
「しっっつ!こいですね!!このキモい触腕!!!」
カーマが迫り来る触手に弓を構えて応戦する。まだ対応可能な範囲とはいえ流石にこれ以上増えていくと難しいくなるのが容易に想像ができた。そう考えた矢先に目の前に黒雷が一閃し迫り来ていた触手を消し炭にした
「マスターからの伝令だ!攻撃を続けつつ玉兎の保護を最優先にしろ!!」
「ってインドラ?!バカなんですか貴方、そんなズタボロになってるのに前に出てくるなんて・・・・・・!!」
「うるせえよ。己の限界ぐらいは見極めて動いている。それより、余力があるなら今のうちに出しておけ。後々『見せ場が無かった】と後悔しても知らんぞ?」
煽るようなインドラの言葉に、幼い姿のカーマはわかりやすく不快な表情を作る。
「ほんっとに、いちいち勘に触る男ですね。我らの王でなければ今すぐ殺したいくらい。・・・・・・でも、まあ?マスターさんにこれで恩を売ったと思えばかなり安いものですねえ?貴方からマスターさんを奪えるかもですし?」
そう言いながらカーマは霊基の出力を変え、幼い少女から優美かつ蠱惑的な女性の姿───、第三再臨になる。
インドラの当てつけにと持ってきたヴァジュラを構え、己を灼いたシヴァの残り火を使うその姿は、今は目の前の恨みの対象よりも己のマスターのために。
「マスターさんがとうとう私に堕落しても、文句は言わないで下さいよ?」
シヴァの蒼炎により、触手が浄化されるが如く消え去っていく。
「はっ、勝手に言ってろ」
───アイツに感化されたのか随分とまぁ積極的になったものだ。
目の前の愛の神の今の在り方にそんな感想を抱きながら、インドラは己がヴァジュラを展開し、黒い触手に向かって雨のように雷撃を撃ち落とした。 - 102二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 18:07:30
「玉兎の保護を優先ですか、マスターのことですから作戦自体は勝算のあるものでしょうけれど・・・・・・・、この数は!!!」
立香の元から離れてその指令を伝えつつ攻撃に加わった帝釈天と会話をしながらアルジュナは歯噛みした。伊吹童子のおかげで聖杯が齎す侵食感は無くなったが、いまだに黒い触手が無限に思えるほど出続け、玉兎の姿すら視認できない。
「同意見だ。アレから触手が出てくる速度を上回る勢いでなければ玉兎を取り戻すのは難しい」
帝釈天も難しい顔をする。回復し立香とパスが繋がったとはいえ流石に宝具を打ち込めるほどではない。否、そもそも宝具を打ち込めば中の玉兎が無事である可能性は極めて低いだろう。だからこそ攻めあぐねている。
だが、ここに1人。
「ああ、なんだ。それならできるぞ」
とそんな声をあげるサーヴァントがいた。
「ニキチッチ?・・・・・・本当に?」
「うん、勿論だぞ。そもそも相性が悪いから選択肢から外していたんだが、助けるだけなら行けるはずだ。ただその後、オレが動けるかはわからないが」
「東方の竜殺し・・・・・・・」
「帝釈天、わかるぞ。やり方は過剰だったがお前は確かにマスターを大事に思い、その身を案じていた。子を思うのは親としては当然のことだ。たとえ血が繋がってなくても、な。そしてあの子うさぎもそうなのだろう?」
魔力が溢れ出し、ニキチッチの霊基が形を変える。再臨ではなく基盤ごとの変更。それは神霊ではないニキチッチには確実に負荷がかかる。だがここで、止まるわけにはいかない。
「オレも親として、『子を救いたい』と言う思いを持つ者に応えなければな!!!」
黒いコートを他靡かせ、槍をその手に持つ。
ランサー霊基のニキチッチがそこにいた。 - 103二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 18:33:12
ニキチッチが槍を片手に、無数の触手が伸びる聖杯に向かって駆け征く。その疾走に、なにか予感があるのか触手はニキチッチ目掛けて伸びていき────、アグニの弓と金剛杵の雷撃の前に撃ち落とされていく。
「「邪魔はさせん!/させません!」」
ニキチッチの活路を、アルジュナと帝釈天が開く。
それを信じているのか、ニキチッチは触手には目もくれず、流星の如く一目散に走っていき、詠唱をする。
「君よ・・・・・・・大河を渡れ。『四つに裂けよ、母なる大地』!!!!!これで!!!!どうだー!!!!!」
ニキチッチの宝具が聖杯を捉え、槍が突き刺さる。
余談ではあるが、このシアエガの力がついている聖杯はフォーリナークラスとなっている。ライダーの霊基ならともかく、ランサー霊基のニキチッチでは威力は望めない。
だが、こと今回において重要なのはそこじゃない。
重要なのはこの宝具の逸話。
三頭竜ゴルィニシチェを倒した後、死骸から無限に湧き続ける竜の血を封じるための槍の絶技。
大地に槍を打ちつけることで、『囚われた40人の皇帝と40人の皇子、40人の王と40人の王子、無数の兵、そしてキエフ大公の姪ザバーヴシカ姫を救出した』逸話
つまり、ニキチッチの絶技により「救出できる」という事実こそが重要なのである。
槍を突かれた聖杯は悶えるようにうねり上げ、そうして中から玉兎の姿が顕になる。
「よし!引き上げる!!」
ぐったりとした玉兎の手を取り、抱えるとニキチッチは触手が再びこちらを狙う前に離脱した。 - 104二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 22:43:35
かいてる人何か民話関係の仕事やってる?
知識量凄いな - 105二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 00:49:31
そういえばニキチッチの子もうさぎだもんね、そりゃ帝釈天と玉兎助けたくなるよ
- 106二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 09:56:43
「このままオレはマスターの元に戻る!!作戦が始まるまで耐えてくれ!!」
「感謝しますニキチッチ!貴方はそのままマスターの元に居てください!!」
「見事な、見事な槍捌きだった。東方の竜殺しよ。我が従神を助けたことに感謝を。そして、オレもその働きに報いなければな!!」
玉兎を失い、うねり上げてその行方を探す触手を授かりの英雄と仏門の雷霆神が魔力の出力を上げて迎え撃つ。
「マスター!!玉兎を連れてきたぞ!!」
「ありがとうニキチッチ!!霊基変更したの?!!!」
「うむ、この姿なら『救える』と思ったからな!ただ、流石に無理をしすぎた、これ以上は動くのに支障が出る」
抱えた玉兎を丁寧に床へ横たえ、ニキチッチは膝をつく。パスからも、今のニキチッチが限界を迎えているのが伝わってくる。
「わかった!ニキチッチは休んで!!ごめんおっきー、宝具展開して2人を守って!!オレ/わたしは!!!」
「ここで召喚をする・・・・・・・!!!」 - 107二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 10:39:45
「告げる」
身体に備わった魔術回路を回す。ここには召喚の方陣もなければマシュの盾もない。だが、確実に召喚ができる。
「汝の身は我が下に、我が命運は汝が剣に。聖杯の寄る方に従い、この意、この理に従うなら応えよ」
『確かに、魔法陣のない召喚だし博打ではあるだろうね、けどきみと彼女はもう既に『契約をしている』そしてなにより、彼女もきみを探してる。なら後はきみが手を差し伸べてアンカーになって引っ張ればいいだけだ』
オベロンの助言を思い出しつつ詠唱を続ける。確実に、あの手を取るために。
「誓いを此処に。我は常世全ての善となる者。我は常世全ての悪を敷く者。そして」
「狂気の内にありながら輝き続ける汝の手を取る者」
「汝三大の言霊を纏う熾天、抑止の輪より来れ。天秤の守り手よ!!」
「来て、オレ/わたしのフォーリナー!!!!!!!」
立香の中の魔力が収縮し、弾ける。そしてそれに応えるように、燦々としたエーテルの輝きの中から、その姿が現れる。
「サーヴァント、フォーリナー。召喚に応じてあなたを助けに来たわ。お待たせ、マスター!!」
黒い大きなウィッチハットに両手には剣のような大きな二対の鍵、そして額には黒い鍵穴のようなものがあるその少女───、アビゲイルはマスターを見て花のような笑みを浮かべた。 - 108二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 13:10:32
オベロンといいアビゲイルといい他の鯖と違って特異点/異聞帯とはいえ生前からぐだと関わりあるもんな
やっぱ特別だわ - 109二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 20:58:53
「アビー、ありがとう!!」
「事情はわかってるわマスター。あのいけない黒いやつをどうにかすればいいのね?」
アビゲイルはそう言うと英霊たちの攻撃を受けつつも未だに暴れている黒い触手に目を向ける。
「うん、アビーの宝具でお願いできる?」
立香がアビゲイルにそう尋ねると彼女は「もちろん!」と元気に返事を返す。
「マスターのためですもの。わたし頑張るわ!」
にぱっと笑ったアビーはそのまま戦場へ駆けていく。
そうして立香はスゥっと深く息を吸って、神域全体で戦っているサーヴァントたちに伝わるように、大声を出して合図をする。
「みんなぁ!!玉兎は救出できた!!!今から作戦開始!!!!アビーが宝具を撃つから巻き込まれないように!!遠距離攻撃で聖杯が逃げないように牽制して!!!!」
戦場の噪音の最中、それでもマスターの声はサーヴァント達に届き、各々指示の通り聖杯から距離を取る。
そうして、アビゲイルと邪神の宿る聖杯が対峙し、アビゲイルの宝具の詠唱が始まる。 - 110二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 21:17:01
「イグナ。イグナ・トゥフルトゥクンガ」
アビゲイルに宿る邪神の力が呼応する。
「我が手に銀の鍵あり。虚無より顕れ、その指先で触れたもう」
アビゲイルの背後から何処からともなく門が現れ、聖杯の触手よりも大きな、吸盤のついた触手が黒い触手を絡め取っていく。
「我が父なる神よ。我、その真髄を宿す写し身とならん。薔薇の眠りを超え、いざ窮極の門へと至らん!…『光殻湛えし虚樹』」
アビゲイルの宝具。外なる宇宙に通ずる門を開き、対象の肉体、精神に歪みを生じさせる対人宝具。
だが、今回においてはその使い方は異なる。
「アビーの宝具解放中に、あの聖杯を門の中へ引きずり込む...!!!!」
それが今回の作戦、邪神が依代にしているあの聖杯をこの空間、否、宇宙から消し去る。サーヴァント達の宝具によっての聖杯の破壊も考えたが、宿ってる邪神がどうなるのかが未知数なためオベロンにも相談してこの方法にしたのだ。アビーの魔力がいつまで保つか、そもそも門の奥にいる存在がどれだけ力を貸してくれるか、それが懸念ではあるが。
「みんなの攻撃で聖杯を門の方へ押し込んで!!!」 - 111二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 22:46:06
ほし
- 112二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 23:48:58
「なるほど、その方法ならば邪神をどうにかできる!」
「あーもう!見せ場って意味だとこれじゃ既に負けそうじゃないですかー!!もう!仕方ないですねえ!!」
「了解しました、マスター。貴方のオーダー通り、この「悪」を必ずや彼の門の内に」
「キヒヒ、やはり!マスターはいいのぉ。絶望的な状況であろうと常に足掻き、最善を見つける!!よい!好い!!それでこそわえのマスターじゃ!!!」
「む・・・・・・破壊ではないのか。しかし伝達者の作戦立案は的確であるな、であるならば女神/われも力を振るおうぞ!!」
「みんなー!頑張ってー!!いざとなったら姫の城に来たら守れるからー!!」
「オレは、やはり難しいなこれは。あとは頼むぞ、みんな!!!」
「・・・・・・これが、カルデアのマスター、か」
マスターの作戦の意図を理解した一騎当千の英霊達がその絶技を持って邪神の聖杯をを抑え、門の中へと押し込めようとする。負けじとその黒く不愉快な動きをする触手を伸ばして抵抗をしているが、アビゲイルの宝具で拘束されている上に、攻勢に出ている8騎のサーヴァントたちの猛攻には敵わない。
だが、それでも邪神が持つ人間への憎しみと攻撃性が為せる技か、攻撃の合間、僅かな刻にできた隙を見逃さず、触手は迷うことなく、鋭く、驚くべきスピードで司令塔たる立香めがけて伸びていく。それは穂先のように鋭利になっており、どう見ても殺すための一撃だった。
「っ?!!」
サーヴァント達が優勢な中で飛んできた己の命を喰らわんとする一撃。後ろで見ていた刑部姫が悲鳴が酷くゆっくり聞こえた。
反射的に目を瞑り訪れるだろう痛みを待っていたが、来ない。
「一度ならず二度もこいつを狙うか、極下過ぎんぜ外なる宇宙の神が」
目を開けるとヴァジュラを展開し、触手の一撃を防ぎ切ったインドラが目の前にいた。 - 113二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 05:08:42
「っ!!インドラ様、もう、大丈夫!下がって・・・・・!!」
先ほど回復したからと戦場に戻って行った彼は、強がってるけどやっぱり立香から見ても目に見えて限界が近くて、傷だらけだった。
「・・・・・・立香、願え」
立香の心配をよそに、インドラは振り返らずに言葉を紡ぐ。
「おまえが望むなら、神はおまえの敵となるものを我が雷にて切り裂こう。おまえが望むなら、我が慈雨にておまえを隠し守ってやる。だから立香。願え」
その言い方は以前、特異点の閨で聞いた縋るような、少し声が震えていた時のそれとは違う。ただただ、藤丸立香を信じて、安心させるような優しい響きだった。
その言葉に、立香の目頭が熱くなる。もう、ずっと自分は彼に守られている。今すぐ目の前の彼を抱き締めたい。けれど、今の願いはそれではない。ぎゅっと衝動を堪えて、彼/彼女は目の前の神様に願いを伝える。
「令呪を2画持ってあなたに捧げます」
「インドラ様の魔力の回復を。そして」
「あの聖杯を門に送って、オレ/わたしの神様───!!!」
「────ああ、オレが叶えてやる!!」
立香の右手の甲に光る赤い令呪が、インドラに注がれ糧となる。空中に向かって印を結び、空に展開された曼荼羅模様は再び雷を集め、一つに纏める。今回は倒さずとも良い、だが確実にあの邪神の足掻きを止める。
「外なる神よ、我が雷霆を仰ぎみよ。この稲光をしかと刻んで我が視界から去ね。神の雷!!!」
神の黒雷が、閃光し黒い触手を捉えて灼き尽くす。聖杯を壊す威力ではないが、確かに触手はその形を潜めて沈黙した。
「今ね、いけない聖杯さん。我が父の元へ送り届けてあげる」
その隙を見逃さず、アビゲイルの触手が血の滴る目の聖杯を引きずりこみ、そうして外なる宇宙へ通じる異界の門は、厳かに閉じた。 - 114二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 10:52:12
アビーは見た目の可愛いやべー巫女だからね…
- 115二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 18:09:22
保守
- 116二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 22:20:58
インド勢何気にフォーリナーいないんだよなあ
- 117二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 22:28:45
どこで間違えたのだろう?
あの子に傷ついてほしくなかっただけなのに。
ずっと見守ってた。あのお月見の日から南極のカルデアで過ごしているあの子をずっと。
きみはいつも仲間の前では楽しそうに笑ってて、けど1人になると不安と恐怖で枕を濡らしてて。
『なんでこの子が世界を救う役目なんて背負わなきゃいけないんだ』って、本当に悲しかった。
何度も出会って何度も別れて、傷だらけのきみがどんどん自分の心を殺していくのを見るのが嫌だった。
もう戻れないくらい、きみは傷ついてるのに、それなのに進もうとするのが怖かった。きみが、いつか不幸になるのが怖かった。
だから帝釈天と一緒にきみを迎えにきたんだ。けど、それでも君はまだ進もうとしてて・・・・・・。
ごめんなさい、帝釈天。
貴方を傷つけるつもりはなかったんです。ただあの子と貴方が一緒にいてくれたらいいなと。そう思っただけなのに。
ごめんね、立香。きみに怖い思いをさせて・・・・・・。
悔恨に襲われている心中と裏腹に、身体が温かく包まれていることに気がついた。
目を開けると、立香がボク/私を抱きしめていた。
「玉兎、ありがとう。もう、いいんだ」
優しくて温かい、いつか、ちゃんと触れたいなと思ってたあの子の腕の中にいた。 - 118二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 22:45:15
「ずっと、オレ/わたしを心配してくれてたんだよね?大丈夫なんて、自信を持って言えないけど。それでもまだ止まリたくないんだ。自分で歩きたいんだ」
そう言って立香はウサギの姿に戻っている玉兎をぎゅっと抱きしめ、その背中を撫でる。その温かさに、玉兎は震えながらも声を出す。
「ダメ、ダメだよ。傷だらけなのに、それでも進むなんて、ほんとは怖くて堪らないのに、どこまでも辛いのに」
「うん、きっと辛さは消えないと思う。でも、自分は答えが欲しいから、多分止まるのだけは死んでもしたくない。だからね玉兎、カルデアに遊びにきてよ。自分が本当に傷ついてたら慰めに来てよ。気分転換に一緒にお団子食べたりしよう?オレ/わたし、まだ玉兎や帝釈天様ともいっぱい話がしたいからさ」
優しい、穏やかな声音で立香は玉兎に語りかける。立香の意思の固さをいやでも理解し、生まれ持った立香の根の優しさが玉兎の心に染み込んでいく。
「もう、だから無理にでも一緒に月に行きたかったのにぃ〜」
ずっと、藤丸立香/きみと話したかった白うさぎはそうやって泣き出した。
「あはは、遊びに来てくれたら今度はオレ/わたしがストームボーダーを案内するね」
立香はそう、小さな友人に笑いかけた。 - 119二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 04:33:11
一方、邪神のついた聖杯を外宇宙の門へ送るために死力を尽くしたサーヴァントたちは集合し、互いの健闘を讃え、そうして各々限界まで働いた疲労感を滲ませていた。
「ああー、もう働きました。本当に働きました!!見せ場を作れた気は全くしないですケド!!!」
「うむ、我が夫の炎を使ってるのは本当に気に食わぬが、魔王とは思えぬ働きぶりだったな」
「貴方に褒められても嬉しくないどころか気味が悪いですね・・・・・・はあ、この疲れは帰ってからマスターさんを揶揄って発散しましょうか」
カーリーとカーマは普段からは想像のつかない比較的穏やかに会話をする。
「あの邪神を倒しきれなかったのは残念ですが、しかしマスターの判断は間違っていないのでしょうね」
「そうね、あそこで聖杯を壊していたらどうなっていたか。私にも分からないわ。さて、私はお先に帰ります」
「アビゲイル?マスターの元に行かなくていいのですか?」
「ええ、今回は私はちょっとしたゲストですもの。またの機会に沢山お話しするわ。それじゃあ、座長さんによろしくお願いします」
そういう時アビゲイルは光り輝き、一足先に退去していった。アルジュナは」普段とは彼女の様子が違うことに首を傾げながら、「まあ、なにか事情があるのでしょうね」と結論付けた。
「キヒヒヒ・・・・・・、わえは、満足じゃあ」
「本当に満足気な顔をしていますねヴリトラ」
本気のインドラの姿とマスターが苦難に立ち向かう姿をテンション爆上がりで眺めながらも、自身もガンガンに魔力を回して触手の足止めをしていたヴリトラは、もはや一歩も立ち上がれないという様に仰向けに寝ながらも最高に幸せそうな顔をしていた。 - 120二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 04:46:31
「さて、帝釈天。貴方とマスターの話し合いも済んでいる様ですし、我々はそろそろカルデアに先に戻ります」
アルジュナオルタは、父親に似た、異なる神にそう告げる。
「・・・・・・いいのか?お前達が帰った後に、またオレはあの者を拐おうとするかもしれんぞ?」
「いえ、貴方に残った残りの魔力では難しいと思いますし、ここに『邪悪』の気配はもうないので。それに・・・・・・、ここで私達が先に去ろうと思うのは情け。いや、親孝行というべきなのでしょうか?」
「?」
「生前はできなかったことですから。こういう時くらい少しは気持ちというものを考えてみようかと。もう1人の私、それで宜しいですね?」
「そうだな・・・・・・、こちらも消耗が激しい仲間が多い。あとはマスターとインドラ神に任せて私たちは戻るとしよう。ああ、帝釈天殿」
「なんだ」
「此度は敵ではありましたが、マスターを案じていてくれた事と、その意を汲んでくれたことには感謝を。いずれ貴方ともどこかで語らう機会があれば是非」
「・・・・・・ああ、その時まで壮健になアルジュナ」
その言葉を別れの挨拶に、アルジュナは他の仲間達と共にカルデアに帰還していった。 - 121二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 05:06:41
「あー、遊んだ遊んだ!マスターったらほんとにやり切っちゃうんだもの。いいものが見られたわ」
「うふふ、ソワカソワカ。此度もよい結末を迎えられた様で?」
「本当に、その道行は徒労の連続で報われるとも思えないけれど。でもやっぱり応援したくなっちゃうのよねえ」
伊吹童子は目を細めながらマスター達がいる方向をみる。それは頼れるお姉さん風を吹かせている時の目ではなく。神霊としての慈しみだった。
「ええ、本当に・・・・・・では私は帝釈天様に貸した分を返してもらいに行ってきま」
「こーら、キアラちゃん。それはまた今度にしなさい。ほら帰るわよー!!!」
「ああ・・・・・・、そんな。ご無体な」
そんなやりとりをしながら2人の女性もカルデアに戻って行った。
────
「まーちゃん、みんな帰ってるみたいだし姫たちも帰ろうか!」
「そうだね。おっきーとニキチッチとインドラ様はちょっと早めに医務室行った方がいいかも」
「うむ、もう一歩も動けないゾ。今のオレは」
宝具の展開時間が随一で長かった刑部姫と霊基変更という無茶をしたニキチッチに労いの言葉をかけながら立香はそう言った。しかし、今回最大に消耗をしまくって無茶をした男は首を横に振っていた。
「いや、神はもう少し残る。やるべき事が残っているからな」
「え、ええー!?・・・・・・インドラ様。必要な事ですか?」
「当たり前であろう?そうでもなければこんな所に残るものか」
「うーん・・・・・・仕方ない。じゃあおっきーとニキチッチ先に帰ってて!オレ/わたしとインドラ様は後で帰るから!!」
そう言って、刑部姫たちの帰還を見届けた。 - 122二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 11:26:34
うさちゃん可愛いねえ
ぎゅってしたいねえ - 123二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 13:47:14
キアラさん、インドラ様への貸しをどうやって返してもらう気なんですか.....?
- 124二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:06:37
玉兎、原典からして自己犠牲精神が強いからこそ他人に降り掛かる理不尽への憤りが強いんだろうな
自分が代わりになれればすぐにでも炎に身を投げて己の肉を捧げたっていいのに手を伸ばせず声も届かないぐだの旅路の炎を憂いてくれたんだね - 125二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:20:09
ちなみに、三種の神器は手に入ってるけど夢の中でオベロンと作戦会議ができずにアビーを呼べない。
その場合は帝釈天と玉兎が宝具として捨身月兎の再現をして玉兎を生贄になる事で邪神を封印、宝具効果で神性が上がった玉兎が聖杯を無力化してカルデアが聖杯を持ち帰れるんだよね
でもここルートだともう玉兎はカルデアに行くことはできないらしいけど - 126二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 23:01:42
踏み倒せる相手ではないしな…
- 127二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 23:03:28
「インドラ様、それで用事って」
「ん、まあ待て。その前にアレの相手をせねばな」
インドラが目線を向けた先では帝釈天がこちらに向かって歩み寄ってきていた。
「玉兎、そろそろ帰るぞ」
立香の腕の中で玉兎は大人しく丸まっている。帝釈天の声を聞くと玉兎は恐る恐ると言った具合に顔を上げた。
「帝釈天、ごめんなさい。ボク/私・・・・・・」
「なに、アレはオレのやり方が甘かっただけだ。お前に咎はない。むしろオレに付き合わせて無理をさせたな玉兎」
そう言いながら帝釈天は立香の腕の中にいる玉兎を優しく撫でる。玉兎はふるふる震えたかと思うと、ぴょんっと飛び上がり帝釈天へと飛び移る。
「うわー!!ほんとごめんなさーい!!!」
「うむ、許す。よく戻った」
自らの元へ戻った玉兎をあやす様に真っ白な背中を撫でながら帝釈天は立香達に向き直る。
「我が従神を助けてくれた礼を言おう。それと、此度の件は後悔はないが立香、お前にはいささか無理をさせたな。済まなかった」
「いえ、温泉も入れたし疲れ自体は本当に取れたんですよ!あ、でもそういえば最初の方にいた魔獣とかってアレは一体・・・・・・」
「アレは聖杯が出した澱みの様な者だ。オレの神気でも完全に消し去る事ができなくてな、だから風天や日天を配置して影響力を弱め、途中で玉兎をお前の供に就かせた」
「貴様、あの魔獣たち神達にはわざと襲いかかるように仕向けていただろう」
「当たり前であろう?こちらの目的を達成するのに貴様らは邪魔だったのだ。アレで消え・・・・・・消耗を狙っていたとも」
インドラと帝釈天は再び見えない雷をぶつけ合うかの様に互いに口撃をする。
やっぱり同一存在って同族嫌悪の感情が生まれやすいのだろうか?
カルデアにいる数名のサーヴァント達を思い出しつつ立香は苦笑いを浮かべる。 - 128二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 04:27:43
「立香、オレはお前の行く末が今でも心配だ。お前がこれ以上傷つかないか、失わないかずっと気がかりだ。だが」
帝釈天は目を閉じて一度言葉を切る。手を取って自分に語りかけていたあの立香の笑顔が、瞼の裏で鮮明に思い出せる。
「お前は、どうあっても進むと譲らんしソレの手を取ると決めた。そして、お前がまだ自分の幸せを諦めてないのはよくわかった。だから、オレは神/オレとしてお前をもう少し信じて見ていよう」
月明かりの様な、優しい慈悲のある眼差しで立香を見つめながら帝釈天は空いている左手で立香の頭を撫でる。震えもない、あの旅館で触れられた時の様な、温かな手だった。
「はい、見ていてください。あと、玉兎にも言ったんですけど良かったらカルデアにもいつか来てくださいね」
「ふ、そこの神が頼りない様子だったらすぐにでもお前の元へ馳せ参じよう」
「貴様などいらねえよたわけ」
「それみてみろ、すぐに妬くような男だからな。インドラ/オレを頼むぞ?」
「それは、うん。けどいつもオレ/わたしは守ってもらってるから。大丈夫だよ帝釈天様」
そう語る立香の表情はあどけなくも柔らかく熱を帯びていて、瞳は眩いものを見るようにキラキラとしている。
ああ、全く。召喚に手をこまねいていた自分が本当に口惜しい。
そう本気で思っているのに、帝釈天の口元は無意識に笑みを浮かべていた。 - 129二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 04:51:48
「では、行くとするか。───ああ、そうだ『オレ』よ。貴様の探し物ならば、オレ達が退去した後に出てくるだろうよ。全く、アレには手を焼いた。玉兎が何度も追いかけても捕まらなかったほどには」
「・・・・・・そうか」
「今度はもうあの様な事にならぬ様にしろよ。・・・・・・では、立香。またいずれ会おう。それまでお前達を天から見守っている」
「立香!またね!!会いに行くから!!」
「うん!2人とも、また会おう!!」
帝釈天と玉兎は立香の返答に笑みを浮かべながら、光の中で解ける様にその姿を消していった。
────
特異点の原因たるサーヴァントが消えても崩壊まではまだ幾分ゆとりがある。インドラは帝釈天の退去を確認したのち、神域の庭の一角に目をやり、声をかける。
「そら、おまえを利用した者はもう居なくなった。戻ってこい」
そう告げると、茂みの奥から黒うさぎはぴょこんと姿を現して、インドラの前まで飛んできた。
「あ、あの時の黒うさぎ」
「おまえの元にも現れたのかこいつ。まあ、神の代わりによく働いたというべきか?」
インドラはその場にしゃがみ込むと、黒うさぎに対して手を伸ばす。
「我が裡に戻ってこい。案ずるな、もう切り離したりなどしない。オレが抱えていく」
黒うさぎはヒクヒクと鼻を動かし、インドラの眼差しをじっと見つめたのちにその手の上に乗る。そしてインドラは黒うさぎを自身の胸元まで運ぶと、黒うさぎがぽぅっと光り輝き出し、そのままインドラの裡に戻る様に、光に包まれ、消えていった。 - 130二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 12:08:38
このレスは削除されています
- 131二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 21:09:16
黒うさぎここで回収か
- 132二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 22:53:15
ぴょこんて可愛いな
うさぎに飢えている - 133二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 23:38:50
「インドラ様、さっきの黒い子って・・・・・・」
「・・・・・・」
インドラは答えない。立香に背を向けたまま、逡巡するかの様な沈黙が続いた後、「言わん」と一言発した。
「えー、教えてくださいよ!その子のために残ったんでしょう?!」
「ええい、くどいぞ!!言わんと言って・・・・・・っ」
立香の文句に言い返しながらも立ち上がろうとしていたインドラが、その場で膝を突き、崩れ落ちる。すんでのところで立香がインドラの頭を抱え込み、そのまま頭部を膝枕をする様な形でインドラは床に寝そべる事になった。
「ああー、ダセェ・・・・・・」
左手で額を抑えながら、インドラは呻く様にそう悪態を吐く。
ダンジョン攻略中の戦闘、帝釈天との切り結びと宝具の撃ち合い、仲間内にマスターの指示を伝令して回り、要所要所で邪神の聖杯の牽制を行いつつ、最後は立香を庇いもう一度宝具を放った。令呪を三画捧げてはいるがインドラの魔力消耗は激しく、もう立っているのも本来は辛いはずだ。
「インドラ様」
労る様にインドラの髪に触れ、その頬を挟み込んで立香は顔を覗き込んでくる。「話してくれるまでずっとこのままです」と言った顔をしているので、インドラは観念して話し始めた。 - 134二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 01:42:10
「アレは、神自ら切り分けた霊基と記憶の一部だ」
「インドラ様の・・・・・・?」
「そうだ、最もあの様な姿になったのは『あのオレ』が手を加えたからだろうが」
インドラは自らの手を見つめる。先ほどまで手の上にあった黒い毛玉の生き物はもう存在しない。しかし自身の中で欠けていたものが埋まった様な、そんな充足感と、幾許かの愁傷を自覚する。
「なんで、自分でそんな」
「・・・・・・マスターであるおまえも覚えがあるだろう?パスの繋がりで夢という形でサーヴァントの過去を見る。逆だ、神はおまえの過去を夢に見た」
インドラは目の前の立香を眺めながら、遠くに思い馳せる様な目をする。
「例えおまえが見せたくないものだったとしても、神は夢という形で幾つかおまえの過去をみた。おまえの傷、おまえの恐怖、おまえの別れを」
あの『庭』を夢で見た時が決定的だった。おまえが、それほどまで追いつけられて「戻れない」ことを自覚しているなんて、耐え難かった。
「夢を見るたびにおまえをまた拐いたい衝動に駆られた。夢を見るたびに、おまえに何もかも諦めさせて楽になって貰いたかった。だがおまえやアルジュナとの約束がある。それを反故にするのは嫌だったからな。霊基を切り分け、おまえの夢に関する記憶を全てそちらに移して、神自身は忘れる事にしたのだ」
そうして、立香を大事に愛しながら、『庇護』の感情を暴走させないように切り離して生活していた。 - 135二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 02:10:07
目を閉じて、インドラはため息を吐く。
「それを、帝釈天/あの神は見つけたのだろうな。切り分けてあったそれを己の現界時の霊基の一部にし、神の記憶も見たのだろう。最も、何かしらあったのかウサギの姿になったそれを完全に取り込むことはできなかった様だが。我が霊基の一部ながらよく逃げ切ったものだ」
そこまで話して今の立香の顔をみて────。
「立香」
「うん」
「神は疲れた、故に帰ったら長く休息を取る」
「うん」
「当面絶対に特異点やら素材集めの周回になぞ駆り出すなよ、面倒だからな」
「うん」
「おまえも、神に侍て酌をしつつその身を休ませろ。間違ってもすぐにレイシフトを行うなどするな」
「うん」
「あとアルジュナも、アレは真面目すぎるからな適度に羽を伸ばせるようにおまえも気にかけろ」
「うん」
「・・・・・・立香、おまえのせいではないのだ」
「だから、泣き止んでくれ」
蒼天色/黄昏色の目から流れる、大粒の涙を手を伸ばして拭ってやる。 - 136二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 10:20:01
若干ヤンキーでてますよインドラ様!
- 137二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 11:52:33
「インドラ様、インドラさま、だって・・・・・・っ!」
ずっと、我慢しててくれたのだこの神様は。苦行嫌いなのに、見たくないものまで見てしまったのに、それでも立香とアルジュナの決定を優先して、忌避してる姿を晒してボロボロになってまでずっと守ってくれていた。それが、申し訳なさ罪悪感と嬉しさが混ざり混ざって、自分でも止められないほど溢れだす。
「ああ、だから話したくなかったんだクソッ」
痛む身体に鞭を打ちながら身体を起こし、しゃくりあげる立香を腕の中に閉じ込める。あれだけ涙を我慢して欲しくなかったのに、『あのカルデア』の時の様に、いざ泣かれるとこうも焦燥に駆られる。だが、今回はあの時とは違い、立香の体に触れられ、その体温を感じられる。それにひどく、安堵する。
「立香」
泣いている彼/彼女の頬に手を添えて顔を上げさせる。インドラの空の様な双眸と立香の潤んだ瞳が見つめ合う。 - 138二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 12:04:35
「これはお前の咎ではない。オレがそうしたいからやった事だ。だがもうこの様な事はしない。おまえの苦行も、疵も、慟哭も、オレが共に抱えてやる。おまえがどの様な結末に辿り着こうとも、オレの雷光でお前の道を切り拓いてやる。ずっとオレは共に居るから、だから、もう泣くな」
誓いのような、祈りの様な、そんな言葉をただのインドラとして、穏やかな、少し困った様な顔で立香に語りかける。
立香は未だ涙の止まらぬ瞳のままインドラを見上げながらその言葉をきいて、満ち足りた様な笑みを浮かべる。
「うん、オレ/わたしの旅が終わるまで、ずっとそばにいて下さい。貴方が、大好きです」
どちらからともなく、ふたりの顔が近づき、唇が重なる。
特異点の崩壊が始まるまでのほんの少しの間、そうして2人の影は合わさったまま、互いの温もりを感受していた。 - 139二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 20:38:54
保守
- 140二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 22:51:56
プレイヤーがぐだ子でこのルートの場合はここでシュシュ返すんだよね
「ああ、そうだった。忘れるところだったな」
インドラは立香を抱きしめる右手を離し、指を鳴らすと霊衣と一緒に保管していたそれを取り出す。
「立香、手を出せ」
涙の跡がまだ消えない立香が顔をあげて両手をインドラに差し出すと取り出したモノを立香の掌に置いた。
カルデアに来た当初、よく身につけていたオレンジ色のシュシュだった。
「え、これは・・・・・・なんでインドラ様が?」
「この迷宮で落ちていた、おまえのものなのであろう?・・・・・・もう失くすな、それはきっとおまえにしか似合わない」
そうインドラは告げると立香の夕暮れ色の神を愛おしげに、優しく漉く。
立香は掌に乗ったそれを見つめて、そうして大事に抱え込むように己の胸元へと寄せる。
「はい、ありがとうインドラ様」
この髪留めに詰まった思い出を、目の前の彼の言葉を噛み締める様に、立香は柔らかく笑いながらそうお礼を伝えた。 - 141二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 07:37:01
このレスは削除されています
- 142二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 12:31:43
このレスは削除されています
- 143二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 17:53:42
失意の庭上映会の時は黒うさぎに記憶移してる事ごと忘れてた感じかなこれは。だから映像見てインドラ様あんなに動揺したんだなあ
- 144二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 19:13:21
まさかあの黒うさぎがインドラ様の記憶の一部とは誰が予想できたよ……
- 145二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 19:44:56
黒うさぎがメスだったの設定集でもぼかされてたけどインドラがぐだを守るのに不要だと思った要素を詰め込んで作った霊基だったぽいから例の千眼のアレとか女性になったことがある逸話とかの要素混じってたのかな
- 146二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 22:42:02
ここのスチル笑い方がちょっと初期のころに近くて好きなんだ女主人公
- 147二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 23:15:24
立香とインドラが特異点から帰還すると先に帰った仲間たちから事情を聞き状況を把握されていたのか、2人は即座にメディカルルーム送りになった。
立香自身は魔力消費と多少の精神異常の名残があった程度で軽症で済んだが、問題はインドラだった。
霊基の損傷があやうく霊核に及びかねないほど酷かった。その上魔力消耗も激しいのでヴァジュラを実体化させるのすらできない始末だったのだ。あのインドラ相手に有無を言わさずに回復ポッドに放り込み、集中治療中ずっと睨みを効かせていたナイチンゲールは流石である。
インドラの他は無理に霊基変換を行なったニキチッチ、神域内で宝具をほぼ常時展開してた刑部姫、自らテンションを上げて魔力消費をしまくってたヴリトラも医者陣に大変お世話になっており、アスクレピオスが怒声を上げつつも嬉々としてデータを取っていた。
立香はというと、3日の経過観察だけで通常任務に戻っても良いと言われたほどには元気だったが、「マスターはもっと休むべです」という特異点に同行したサーヴァントたちの嘆願によって10日ほどのオフの期間ができた。
立香としても早期復帰した場合、インドラが「あの約定を忘れたか?」とめちゃくちゃに渋い顔しながら何をしでかす可能性もあったのでありがたい申し出だった。
そうして、インドラの集中治療が終わりあの特異点から戻って5日目に、立香とインドラは再会することになる。 - 148二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 23:40:04
メディカルルームから出てきたインドラの元に立香が駆け寄ろうとすると、インドラに話しかけている女性に気がついた。尼服姿のキアラだった。
「帝釈天様、ご快気おめでとうございます。御身の威光も翳ることなく輝きが増すことと存じ上げますわ」
「フン、賛辞は悪くはない。が、用向きがあるのであれば早く言え。大方この間の貸しについてだろう」
「ええ、不躾ながらその件についてなのです。私、貴方様がマスター様を強く思う気持ちに大変感銘を受けておりますの。貴方様がマスター様に授ける法悦、貴方様が感受している甘露、その全てにとても興味がありまして・・・・・・」
そう言いながらキアラがインドラの胸元に手を伸ばし触れようとした時に、
「キアラさん!!この間のお礼に美味しいおはぎ食べに行きましょう!!!」
立香が大声で提案する。
突然大声を上げて出てきた立香に驚くインドラと目をぱちぱちさせながらも口元に手を当てて「あらあら」と可愛らしい声をあげるキアラの間に立香は間一髪入り込む。
「美味しいおはぎのお店知ってるんですよ!オレ/わたしの地元なんですけど多分シミュレーションルームで遊びに行って食べることできると思うので!インドラ様にはお金を出してもらって3人で行きましょう!!」
我ながら苦しい事を言ってるな、と内心冷や汗をかきながら目の前の魔性の尼僧に提案をする。流石に今回はダメかもしれない。そう思っていたがキアラの反応は予想外のものだった。
「なるほど。ええ、いいですわね。そうであれば、またシミュレーションルームの使用申請をして日取りを決めて一緒に向かうのがよろしいかと」
上品な笑みを浮かべながらキアラは提案を受け入れていた。
「マスター様がそういうのであれば本当に美味しいのでしょうね。ふふ、予想外の可愛らしいものが見られて良き日ですわ。では帝釈天様、また別の日に付き合ってくださいまし?」
そういうと、キアラは2人に約束を取り付けてその場を後にした。 - 149二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 08:44:55
- 150二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 15:18:42
このレスは削除されています
- 151二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 18:00:43
や、ヤキモチぐだ(SSR)だーーー!?
- 152二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 22:25:51
ぐだが駄々こねたり嫉妬したりするのいいよね
- 153二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 22:55:29
よかった、引き下がってくれた。
そう安堵して胸を撫で下ろしていると。後ろから「立香」と名を呼ばれる。
振り向くと、インドラが立香を見つめていた。
「5日振りか、身体は大事ないか?」
「はい大丈夫です!インドラ様も、もう大丈夫ですか?」
「問題ない。フン、あの程度であれば神だけでも癒せる程度だったがそれでは医者連中の面子が立たんからな」
相変わらず強がりを口にしているが前言通り、もうすっかり回復してるようだった。
「強情/つよがり〜、今回は流石に医者がいてよかったと思うよボクは」
「万全千万/とても良くなりました。しかしインドラ様のお身体を診るなどという栄誉は早々ない事なので感謝して然るべきかと」
「あ、ヴァジュラたち!」
インドラの負傷中、全く表に出ることのなかった従神であるふたりとも、久々の再会である。
挨拶をしてふたりと戯れているとインドラが立香の肩を叩く
「そら、神はそろそろ部屋に戻る。共をしろ」
「あ、はい!」
立香が横に並ぶと、インドラは立香の歩幅に合わせて平時よりもゆっくりと歩く。そうして、少ししてから思い出したように立香に問いかける。
「そう言えばおまえ、先ほどのアレはあの女相手に妬いていたのか?」 - 154二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 22:57:32
「え?いや、そんな・・・・・・ことは・・・・・・」
不意の問いに立香は足を止めて考える。あの時は嫌な本当に咄嗟に前に出て声を荒げてしまったのだが、・・・・・・たしかに、そう、なのだろうか・・・・・・?
「ふ、ククク、全く自覚がないといった言い方にしては顔が随分赤いな?」
「やーい、やきもち焼きー」
「愛玩千万/お可愛い事です」
「ちょっと?!3人してイジるのは酷くないですか?!!」
だって仕方ない。行動の起因を考え始めたら途端に羞恥心が湧き上がって顔が熱くなってしまったのだから。
拗ねるように目線を外した立香の頭を「許せ。ふ
、愛い愛い」と言いながらインドラがまぜっ返すように撫でる。髪はぐちゃぐちゃになってしまうのに確かに撫でる手に優しさを感じてしまうのが本当にずるいと思う。そう思って呻いている立香をよそにインドラは満足したのか撫でていた頭から離して、立香の前にその手を差し出す。
「そら、こんなところで立ち止まってないで行くぞ」
空色の瞳が目の前にいる人間/自分に向かって柔らかい眼差しを向けてくる。
立ち止まってしまったのはインドラのせいなのにそんなことも言う気も失せるほど、その眼差しと差し出された手が嬉しくて、自分の手を重ねる。
インドラは満足するように微笑んで、己よりも小さな手を握り返し、歩き出す。相変わらず歩幅は立香に合わせていてゆっくりだ。
立香は思う。
オレ/わたしがどんな旅を終わりを迎えるのかわからないけれど、それでもその時までこの雷光/神様がそばに居て、道を照らしてくれるのならば、きっとそれはとても素敵なことで、何よりも得難い幸せな事なのだろう。
これは、雷霆がただ1人の星/キミを導く事を決めた物語。
TRUE END 「星/キミに寄り添う雷光/ひかり」 - 155二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 23:00:11
HAPPY ENDは、きっと彼らが世界を取り戻してありふれているけれど困難で難しくでも暖かく輝かしい日常に戻ってから。
- 156二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 08:36:53
(自分が書くのはとりあえずここまで、あとはエロトラップダンジョン内のギミックとかぐだとインドラ神のえっちな話とか色々話してもらったり、気が向けば書ければ。長々とお付き合いありがとうございました!!)
- 157二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 17:47:09
お疲れさまでした!
素敵なものを読ませていただきました! - 158二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 21:39:27
めちゃくちゃよかった……
エロトラダンジョンスレがいつの間にかめちゃくちゃ型月してた…… - 159二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 21:42:11
このスレででてた侵食帝釈天とぐだの大敗/退廃えっち書きたくなってちまちま書いてる
いつになるかわからんが投下したい - 160二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 22:38:25
おまけ(ゲームエンディング全部解放後の後日談)
例のマスター誘拐未遂事件から二週間以上経ち、あのとき作戦参加したメンバーは全員本調子に戻り、それぞれのカルデアでの生活に戻った。立香はというと、オフの残り5日間はほとんどの時間をインドラと過ごしてた。その間、インドラの酌をしたり話したり、甘やかされたり啼かされたり・・・・・・なかなか濃くも充実して穏やか時間を過ごした。
立香本人の休息はそれで終わったがインドラにはさらに数日は休んでもらった。そして、そろそろ周回のお誘いをしても許しを貰えるかな?と思いたち彼の神の私室前に来たのだが、何やら言い争ってる声がする。
声の主はヴァジュラふたりとインドラのものだけだが、どうやらこの3人で誰かに文句を言ってるっぽいのはわかる。
「無礼!/バチボコ失礼!よく顔を出せたね?!」
「貴方とインドラ様の関係については理解してますが事今回におかれましては、拒絶千万/許されるべきではないかと」
「と、我が従神が話す通りだ。さっさと帰れ貴様、アイツが来たらどうする気だ」
「ふふ、それは願ったり叶ったりだ。なんせあの者との約束通り会いに来たのだから」
ん?インドラ様と似たような声?
まさか、と思ってノックもなしに声を出しながらインドラの自室の扉を勢いよく開く。
「インドラ様失礼します!!誰かいらっしゃるのですか?!」
「あ、おい待て馬鹿!!!」
インドラが慌てたように静止の言葉をかけたがもう遅い。扉を開いてすぐに、立香の胸元には見覚えのある白い塊が飛びついてきた。
「立香!!会いにきたよ!!!」
あの特異点で出会った、玉兎がキラキラした目で立香を見上げていた。 - 161二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 23:02:02
「玉兎!会いにきてくれたんだ!!」
再会を約束していた白うさぎをみて立香は驚きながらも嬉しそうな声を出す。飛びついてきた玉兎を優しく抱きしめてその背を撫でていると、
「先日ぶりだな、壮健そうで何より」
と声をかけられる。
「帝釈天様も!」
「ああ、会いにきたぞ立香。お前と仮契約を結んだおかげで、ここに来ることが以前より容易になったよ」
帝釈天はいうとインドラの私室の一角にある椅子に優雅に座りながら立香に手を緩く振っている。
「・・・・・・立香」
インドラがすかさず立香の隣に寄ってきて、帝釈天の視界に立香が入らないように立つ。
「フン、男の嫉妬は醜いぞ『オレ』よ」
「貴様が言うな貴様が、と言うよりカルデア経由の召喚ではないのだから貴様の現界もそれなりに消耗があるであろう本当に帰れ今すぐ」
「まあ確かに魔力消費もあるし、戦闘なしで持って一週間ほどが関の山か?とはいえ今回は立香経っての願いであり約束を果たしに来たのだ。ギリギリまでここの物見遊山でもするとしよう」
そう言うと帝釈天はインドラとその後ろにいる立香に向かって、インドラによく似た顔で、穏やかな笑みを浮かべて話しかける。
「さて、約束通り玉兎とオレにこの舟の中の案内を頼むぞ、立香。ああ安心しろ、そこのインドラ/オレも一緒に連れてきていい。そいつは大人気ないほど嫉妬深いからな」
帝釈天がカルデアにいた数日の間、インドラの飲酒量はさらにヤバくなっていたとか居なくなってたとか。 - 162二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 23:04:23
- 163二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 07:20:31
1臨なのに3臨並みに酒のんでそうで笑う
アルジュナの胃が破裂するでて - 164二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 12:07:55
玉兎さんも実装してほしいな
- 165二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 21:21:34
- 166二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 22:40:31
- 167二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 02:30:32
運営さん、ゲーム内じゃなくてもいいのでインドラ様帝釈天様ぐだの3Pえっっください........
自分で書け?む、無理だっぴ..... - 168二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 08:33:34
何はともあれDLCストーリー完走お疲れ様でしたー!!
いやぁ……DLCとは思えない大ボリュームな内容だったなぁ…… - 169二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 15:01:29
シナリオクリアするとプロフィールに帝釈天と玉兎追加されるのよね
帝釈天の好きなもの「お酒」なのはそりゃそうなんだけど、聖杯へのコメントに「いつか八塩折之酒を干してみたい」ってあって笑った
伊吹ちゃんか酒呑に飲ませてもらえるといいね - 170二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 18:34:06
帝釈天のインドラ様宛セリフ「インドラか、大元は同じであるが......発生時期的に奴はオレから見て兄の様なものではある。まあ、どちらの方が出来がいいかは一目瞭然だろう?」って言ってて笑っちゃった
プロフで自分自身だからという信頼と少なからず敬意があったってちゃんと書かれてたな - 171二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 23:52:50
また落ちる前に保守
- 172二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 08:14:54
結局、帝釈天のr18ルートとPVであった魅了がかかったインドラ様とぐだのr18スチルってどんくらいあったんだろ
シリアスルートばっか走ってたからr18ルート攻略した人がいたら教えてくれ - 173二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 14:00:26
全部回収できてはないけど、自分が通った帝釈天ルートだと幼児化以外だと迷宮探索序盤に快楽値80%、理性30%以下で動けなくなってるところ帝釈天に回収されるんだよね。そこのシーンとその後旅館で本番なしの前戯のスチル2枚、黄泉戸喫の本番で3枚くらいあったはず
- 174二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 18:33:41
序盤で回収された場合は幼児化ルートの時みたいに労られつつもスムーズに儀式が進行できるように徹底的に旅館の一室で身体を帝釈天の手で蕩けさせられるんだよね
でも胎に注ぎ込むのは儀式終盤って決まってるからそれまで愛撫と前戯だけでぐだはずっと奥の切なさを我慢させられる
精神年齢の退行もされてる上に「インドラ様と違うのに」と思いながらも目の前にいる愛おしい人と同じ顔の男を拒めずに受け入れて啼くしかない - 175二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 00:13:53
魅了かかったインドラ様ルート探してるけどどこだあれ.....アレやるにはどっかで一度ぐだと合流しなきゃあかんよなあ
- 176二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 09:57:07
保守
- 177二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 19:34:29
ほしゅ
- 178二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 22:41:09
なんか帝釈天女体化えっちルート入ったっぽいんだが
大広間で帝釈天の裾を離さず寂しがる選択肢ばかり選んでたら父性より母性くすぐられたのか女体化した帝釈天でてきた
長髪だし着物着てるしで見た目そんなに変わってないんだけど雰囲気がめちゃくちゃ丸みを帯びてる……
しかもおはだけシーンがとんでもえっちすぎる - 179二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 07:35:05
インドラ様も前女体化してたけど帝釈天もするのぉ?!やっぱりよく似てますね?すごくスチルが気になる......というか着流しのままだったらそらエッチですわ
- 180二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 15:00:37
ゲーム製作陣性癖クラッシュメーカーすぎるだろ(帝釈天の女体化求めて彷徨うオタク)
- 181二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 23:04:37
インドラ神魅了ルートアレか!!探索中に三手に分散するはずのとこでインドラ神単体で別れる分岐あるのか?!!ここまでの疲労度の蓄積具合でこの分岐現れるっぽい
