- 1◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 19:49:28
- 2二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 19:59:15
あ、コレ他のレス無いから見えてないな?もう5溜まったぜぃ
- 3◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:17:52
- 4◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:20:31
* * *
昔々、中東の広大な砂漠の中に、『アグラバー』という国があった。
スパイスの香りに満ちた王都は、昼も夜も音楽と歓声にあふれ、貧しい者でさえ色鮮やかな衣をまとう。
この国を治めるのは、現国王アラジンと王妃ジャスミン。
ふたりが奇跡のような運命で結ばれたことは、アグラバーでは誰もが知るところとなっている。
アラジンはもとより、家も名も持たないストリートチルドレンだった。
親友のカシーム、バブカック、オマールとともに、街角でパンを盗んで生きていた。
一方、王女ジャスミンは、父王に課せられた「高貴な王子との政略結婚」という鎖にうんざりし、宮殿の外の世界を夢見ていた。
ある日、身分を隠し市井に出たジャスミンは、偶然アラジンと出会う。
互いの瞳に映ったのは、同じ“自由”への憧れ。
だが、身分の違いがふたりをすぐに引き裂いてしまう。 - 5◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:21:18
やがて、アラジンの運命を変えたのは、一つの“奇跡”だった。
彼が手にした『魔法のランプ』――その中に眠っていた魔神ジーニーが、三つの願いを叶える力を持っていたのだ。
アラジンは一つ目の願いで王子の姿となり、再びジャスミンと出会い、心を重ねる。
だがその影に、王位簒奪を狙う大臣ジャファーと、その手下イアーゴの野望が潜んでいた。
ジャファーはイアーゴにランプを盗ませ、ジーニーを従えて、一つ目の願いでジャスミンを人質に、二つ目の願いで自らを王とした。
絶体絶命の中で、アラジンは賭けに出る。
彼はジャファーを挑発し、こう囁いた。
「あんたは僕と同じで、ランプがなければ何もできない。悔しければジーニーと同じになってみろ。」
その言葉に乗ったジャファーは三つ目の願いで自らを魔神へと変貌させ、その代償としてランプの中に封じられることとなった。 - 6◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:21:44
アラジンは最後の願いを使う時、ジーニーに告げる。「君を自由に」と。
こうしてジーニーは永い束縛から解き放たれた。
王はアラジンの勇気と真心に打たれ、“王女は愛した者と結婚できる”よう法を改めた。
そして、アラジンとジャスミンは正式に結ばれたのだった。
バブカック、オマール、カシームは宮廷の顧問として仕え、イアーゴは地下牢に囚われた。
ジーニーは「休暇」と称して、アグラバーを後にした。 - 7◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:22:20
* * *
――それから十三年。
アラジンとジャスミンは、かつての自分たちのように貧困や抑圧に苦しむ者をなくすため、国の改革に力を尽くした。
今やアグラバーは、誰もが自由と平等を享受できる理想の国として、いっそう繁栄している。
けれど、人の心に潜む悪意や野望は消え去らない。
そしてこの地には、古くから“魔法”という目に見えぬ力が脈々と息づいている。
――魔神が再び帰還する時、“ダイヤの原石”と“強く美しき王女”の血を継ぐ一人の少女が、数奇な運命に導かれ、壮大な冒険へと身を投じてゆく……。
-Beyond The Whole New World- - 8◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:24:07
~登場人物~
◇シェーラ(シェーラザード)
アラジンとジャスミンの娘。12歳。
父の勇気と母の美しさを受け継ぎ、快活で芯の強いプリンセスへと育っている。
物語の主人公。
(容姿や性格の詳細は、安価とダイスで決定) - 9◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:24:42
◇ジーニー
かつてランプに封じられていた魔神。
長い間「自由」を夢見ており、アラジンの願いによってついに解放されると、喜び勇んで世界中を旅に出た。
それから十三年、久々にアグラバーへ帰還する。
自由を得た代償として、かつての万能の力は大きく弱まっている。「殺生」「死者の蘇生」「恋愛成就」の三つは今も不可能なまま。
⸻
◇アラジン/ジャスミン
ランプをめぐる大冒険の末に結ばれた二人。
アグラバーの王と王妃として、民を導き、国を治める傍ら、一人娘のシェーラに愛情を注ぎながら良き親であろうと努めている。
互いの信頼は年月を経ても揺らぐことがない。 - 10◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:25:04
◇ジャファー
かつてアグラバーの国務大臣だった男。
邪悪な性格で、腹心のイアーゴと共に王位簒奪を企てていた。
ついには王の座を目前にするが、アラジンの機転によって自らランプの魔人にさせられ、そのまま封印された。
今、そのランプは宮殿奥深くの金庫に封じられ、鍵は既に処分されている。
⸻
◇イアーゴ
ジャファーの忠実な参謀だった男。
主よりも短絡的で過激な性格をしており、何かあればすぐに「殺しちゃえばいいじゃないですか」と口にしていた。
主ジャファーの封印と同時に反逆の罪を問われ、現在は地下牢に投獄されている。 - 11◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:25:44
◇カシーム/オマール/バブカック
アラジンの幼馴染である三人組。
・カシーム:親分肌で威勢がいい。現在はアラジンの特別顧問。
・オマール:少し臆病であざとい。現在は王室専属の振付師。
・バブカック:食べることが何より好き。現在は王室専属の試食係。
かつてアラジンが正体を偽ってジャスミンに近づいた際には、呆れて離れていったものの、彼がジャファーの謀略で捕らわれたと知ると命懸けで救出に向かうなど、深い友情と絆で結ばれている。 - 12◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:26:01
◇前王(サルタン)
ジャスミンの父であり、アグラバーの前国王。
伝統を重んじる頑固な性格だが、娘と孫の前ではどうしても甘くなってしまう。
シェーラの教育方針についてアラジンとジャスミンに口を出したがる。
⸻
◇ラズール
アグラバーの衛兵隊長。
かつては泥棒だったアラジンたち四人組を追い回していた宿敵。
今では彼らが王とその側近として自分の上に立つ立場となり、その現実を苦々しく思っている。 - 13◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:40:39
* * *
高い城壁に囲まれた、金と宝石のように輝く宮殿。
陽光が白い大理石の廊下を照らし、香の甘い匂いが漂う中、ひとりの老人が落ち着かぬ様子で歩き回っていた。
白絹に銀糸をあしらった立派なローブ、頭には重々しいターバン。
その姿はまさしく、かつてアグラバーを治めた前国王――ジャスミンの父である。
「……シェーラ! シェーラ!」
前王は声を張り上げ、柱の陰や飾り壺の後ろまで覗き込んでいる。
どうやら探しているのは“子ども”らしい。
しかし、広い宮殿のどこにも見当たらず、彼はついに踵を返して階段を上り始めた。 - 14◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:41:13
向かったのは、娘ジャスミンの私室。
扉の前で深呼吸し、勢いよく開け放つ。
「ジャスミン!」
部屋の中では、柔らかな日差しを背に、王妃ジャスミンが書簡に目を通していた。
時を経ても衰えぬ美貌に、王妃としての威厳が加わっている。
彼女は微笑みながら顔を上げた。
「どうしたの、お父様?」
「シェーラはここにおるか!?」
「いいえ、いませんけれど?」
「馬鹿な!宮殿中を探してもおらんのだぞ!」
ジャスミンは肩をすくめ、くすりと笑った。
「宮殿にいるわけがないわ。……市場に行ってるんですもの。」
「な、なんじゃと!?」
前王の顔が見る間に真っ赤になる。
杖を突いて前のめりになりながら、まくし立てた。 - 15◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:41:53
「また!護衛もつけずに!? 民の格好で!?
王女に市場へ行かせるなど、何を考えておるのだジャスミン!
一国の姫に何かあったらどうするつもりじゃ!」
「心配しすぎよ、お父様。」
ジャスミンは机の上の書簡を整えながら、静かに言った。
「自分の国を知らずに、どうして“正しい姫”になれるの?宮殿の中に閉じこもっていたら、外の人たちの暮らしも、心も、わからなくなってしまうわ。
お姫様だからって“リンゴがタダで貰える”と思う子になったら困るでしょ?」
「う、うぬぬ……!」
前王は口をもごもごさせながら、納得しきれない顔をする。
「そのために召使がおるのじゃ……!
まったく、アラジンもアラジンじゃ!せっかく貧しさから抜け出して王になったというのに、わざわざ娘にボロを着せて民の真似をさせるとは……。
親なら“同じ苦労をさせたくない”と思うものじゃろう!」
そのとき――。
「陛下。それでも、悪いことばかりではありませんでしたよ。」 - 16◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:42:21
穏やかな声が、扉の向こうから響いた。
前王とジャスミンが振り向くと、そこには――アラジンが立っていた。
髭を蓄えた顔にかつての気さくさを残しながら、その瞳は静かで、どこまでも優しい。
「私は昔、あの市場で多くを学びました。」
アラジンは一歩ずつ室内へ進み、前王の前で軽く頭を下げた。
「人の笑顔、悲しみ、欲望……。
それを知ったからこそ、今の私があります。
シェーラにも、それを感じ取らせたいんです。」
「じゃがのう……」
前王はため息をつき、椅子にどさりと腰を下ろした。
「そなたまで娘に危険なことをさせて……。まったく、似たもの夫婦じゃのう。」
ジャスミンがくすっと笑い、アラジンは肩をすくめた。
外では、遠くに市場の賑わいを告げる笛の音が響いている。
その音を聴きながら、アラジンはふと窓の外を見上げた。 - 17◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 20:42:56
(アラジンとジャスミンの娘、シェーラザードの容姿を下3レスからダイス)
- 18二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 20:44:35
銀色のロングヘアに緑色の目、褐色肌、
- 19二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 21:56:43
黒髪ロングのハイポニー
褐色肌
琥珀色の目 - 20二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 22:02:06
黒髪ツインテールで褐色肌のロリ爆乳、瞳は青
- 21◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:03:16
- 22◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:03:55
(ロリ爆乳を引いてしまった)
- 23◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:15:30
* * *
市場の喧騒が、砂漠の熱気とともに渦を巻いていた。
アグラバーの大通りは、今日も香辛料の香りと人々の笑い声で満ちている。
露天の一つで、黒髪を両耳の上で束ねた少女が、店主のおばさんに銀貨を手渡した。
「デーツを一袋ちょうだい。いつものやつね。」
おばさんはにっこり笑いながら、包みを手渡す。
「はいはい、いつも来てくれるお嬢ちゃんにサービスだよ。」
少女はニッと笑って受け取った。
袋を抱え、大通りを軽やかに進む少女。――シェーラザード。
すべすべした小麦色の肌に、歳の割によく育った身体。
陽射しに照らされた青い瞳は、どこか冒険心に満ちていた。 - 24◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:16:17
その背後で、二人の男がこそこそと後を追っている。
一人は青い衣をまとった華奢な青年。もう一人は赤い服に筋骨たくましい男。
「おい、本当に見張る必要あるのか?」
「仕方ないだろう?陛下が気づいたら、僕たちだって怒られるんだ。」
「でもよ……散歩くらい、好きにさせてやりゃいいのに。」
二人がそんなことを言い合っていると、シェーラがふと立ち止まった。
そして、何かを察したように振り返り――急に駆け出した。
「わっ!? ちょっと待って!」
「くそっ、逃げた!」
狭い路地に飛び込む少女。その後を慌てて追いかける二人。
だが、角を曲がった先には――誰もいなかった。 - 25◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:16:59
「……あれ?」
華奢な男がきょろきょろと辺りを見回す。
そのとき、頭上から涼やかな声が響いた。
「あたしをお探し?」
「うわっ!!」
男は情けない声を上げて飛び上がる。
見上げると、シェーラが屋根の上から得意げに見下ろしていた。
「降りてきな、お姫様。」
もう一人が腕を組んで言うと、シェーラはくすっと笑って身軽に飛び降りた。
砂埃がふわりと舞い、彼女の長髪が揺れる。 - 26◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:17:41
「お祖父様に命令されたの? あたしを監視しろって。」
「ち、違うんだ。僕たちの独断だよ。」
青い服の男――オマールは慌てて弁解するが、どこか目を逸らす。
「ふーん。」
シェーラは唇を尖らせて、腕を組んだ。
「だから言ったんだ。」
赤い服の男――カシームが呆れ顔で言う。
「コソコソ動いたところで、結局はこうやってバレるってな。」
そう言いながら、シェーラの頭をわしゃわしゃとかき混ぜるように撫でた。 - 27◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:18:16
「ま、こいつもお前のことが心配なんだよ。お姫様としてじゃなく――俺たちの“マブダチの娘”としてな。」
シェーラは少しだけ頬を緩める。
「……ありがと。でも、たまには一人で歩きたいの。」
「そういうとこ、王妃さまにそっくりだな。」
カシームが笑い、オマールもうなずいた。
ふと、シェーラが首を傾げる。
「ところで、バブカックは?」
「ん? あぁ、たぶん――“食い倒れ中”だ。」 - 28◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:18:59
* * *
場所は別の露店。
香ばしい煙が立ち上る中、緑の衣を着たふくよかな男が幸せそうに焼き鳥を頬張っていた。
両手に串を持ち、口いっぱいにほおばるその姿――バブカックである。
「兄ちゃん、お代はちゃんと払えるんだろうね?」
店主がじろりと睨む。
「もちろんさ。ほら、釣りはいらないよ。」
金貨を一枚放り投げると、店主の目がまんまるになる。
「に、兄ちゃん……あんた、どんな仕事してんだい?」
「おいら? そりゃあ――」
「バブカックーッ!!」
朗らかな声が市場に響く。
「うわ!シェーラ!?」
「買い食いもほどほどにしなって! 帰るわよ!」
「ほーい……おっとっと、いけない、忘れ物。」
バブカックは皿の上の串焼きを全部抱え込み、どたどたと駆けていく。
その後ろを追うように、沈みゆく太陽がアグラバーの街を黄金色に染めた。 - 29◆va2KrOhAnM25/10/31(金) 22:20:05
(その夜、宮殿では……下3レスからダイス)
※このタイミングでジーニーが戻ってきます - 30二次元好きの匿名さん25/10/31(金) 22:51:28
ジャスミンとアラジンが激しい行為に耽っていた
- 31二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 05:02:21
シェーラの帰りを待っていた
- 32二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 07:52:15
アラジンが13年前の回想をしていた
- 33◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 08:07:21
- 34◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:37:57
* * *
宮殿の裏口をくぐると、日中の熱気がまだ残る石畳が足の裏に伝わった。
シェーラは軽い足取りで裏庭を抜け、渡り廊下を通って、馴染みの香り漂う家族の部屋へと向かう。
扉の前で待っていた侍女が、すぐに彼女の姿に気づいて微笑んだ。
「おかえりなさいませ、シェーラ様。」
「ただいま!」
勢いよく扉を開けると、柔らかなランプの光の中に両親の姿があった。
アラジンは地図を広げながら椅子に腰かけ、ジャスミンは香油をランプに注いでいる。 - 35◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:38:11
「おかえり、シェーラ。」
アラジンが目を上げて笑う。
「デーツ、買ってこれた?」
「うん! 今日のデザートはデーツのケーキね!」
「ハハ、楽しみだな。」
アラジンは冗談めかしてバブカックの方を振り向く。
「……試食係、よろしく頼むよ。」
「了解であります、陛下!」
バブカックは焼き鳥をまだ握ったまま、胸を張って敬礼した。
シェーラとジャスミンは顔を見合わせて笑い、宮殿の空気は穏やかな夕暮れの色に染まっていった。 - 36◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:38:41
* * *
やがて、夕食を終えると、三人はジャスミンの部屋のバルコニーに出た。
夜風が涼しく、砂漠の向こうから星の光が瞬く。
シェーラは欄干に肘をついて、目を輝かせた。
「……お父様、お母様。次はいつ、魔法の絨毯でお出かけできる?」
アラジンは肩をすくめて笑った。
「そうだなぁ……今、交易場の改築を進めてるから、それが終わったらかな。」
「ふふ、それまでの我慢ね。」とジャスミン。
「約束だからね!」とシェーラは頬をふくらませる。 - 37◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:39:08
そのとき、彼女がふと空を指さした。
「……見て! 流れ星!」
「……それにしては、ずいぶん長く飛んでるわね。」
ジャスミンが首をかしげる。
「それに……あれ、こっちに向かってきてる?」
アラジンは目を細めて空を見つめた。
「待って。……あれ、どこかで見覚えが……」
青い閃光がだんだんと大きくなり、宮殿の屋根をかすめながら――バルコニーの上に、派手な煙とともにドンッ!と着地した。 - 38◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:39:43
「……たーだーいーまーッ!!」
現れたのは、アロハシャツにサングラス、手にはトランク。
明らかにこの時代のものではない格好の“青い男”――ジーニーだった。
「1億2千万のジーニーファンの皆さま! たいへんお待たせしました〜〜!!」
「……ジーニー!? 君なんだね!」
アラジンが目を見開く。
「……アル? アルだよね!?」
ジーニーが両手を広げ、勢いよく抱きつく。
「うわぁ、なんか急に貫禄出たじゃない! その髭、めちゃくちゃセレブ感あるわ〜!」
「当たり前さ。君がバカンスに行ってから、もう十三年経つんだよ?」
「そうかぁ……人間にとっての十三年って、長いもんなんだねぇ。」 - 39◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:40:12
ジーニーはジャスミンにも深々と一礼し、懐かしそうに目を細めた。
「お久しぶり、美しき王女さま。いやぁ、時の流れってのは恐ろしいわ〜、変わらないのは俺ぐらい?」
ジャスミンは笑って答える。
「ええ、あなたは本当に……変わらないわ。」
そして、ジーニーの視線が、彼女の横に立つ小さな少女に止まった。
「……アル。ジャスミン。もしかしてこの子は……!」
「……僕たちの娘だよ。シェーラザードだ。」 - 40◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:41:03
シェーラは少し緊張した様子で一歩前に出る。
「お父様……この人が、ジーニー?」
「そう。僕たちの恩人だ。」
「おいおい、君だって僕の恩人だろ、アル!」
ジーニーはアラジンの肩を軽く叩いた。
「君が僕を自由にしてくれたおかげで、今はワークライフバランスばっちりの魔神ライフを満喫中なんだぜ!」
聞き馴染みのない横文字に、シェーラは首を傾げる。 - 41◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:41:19
「オホン、はじめまして、プリンセス!」
ジーニーは胸を張って自己紹介した。
「元! ランプの魔神、ジーニーですっ!」
シェーラの瞳が輝く。
「じゃあ……宮殿の宝物庫にある“あのランプ”の中に、本当に住んでたのね!?」
「うんにゃ、わしゃ山口から出てきたほっちゃ。」
「これ、彼の持ちネタ。」
アラジンが苦笑混じりにフォローすると、ジャスミンが吹き出した。
ジーニーは両手を広げて笑いながら言った。
「いや〜〜、懐かしいねぇ! また面白い予感しかしないよ、アル!」
そして、シェーラは胸を高鳴らせながら思った。
――この青い魔神が現れた夜、何かが始まる。
そんな予感が、アグラバーの星空の下で確かに輝いていた。 - 42◆va2KrOhAnM25/11/01(土) 09:42:59
(その頃、砂漠で渦巻く陰謀……)
【誰が】
【どこにいて】
【何をしようと】
下3レスからダイス - 43二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 19:28:50
【誰が】名もなき盗賊が
【どこにいて】砂漠にいて
【何をしようと】アグラバーの宝物庫潜入計画を考えていた - 44二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 05:22:35
魔法使いの青年が
砂漠にいて
宮殿を襲撃する準備をしていた - 45◆va2KrOhAnM25/11/02(日) 14:58:45
- 46◆va2KrOhAnM25/11/02(日) 15:08:24
盗賊の性別
1.男性
2.女性
dice1d2=1 (1)
- 47◆va2KrOhAnM25/11/02(日) 15:21:12
* * *
砂漠の夜は、昼間の熱をすべて吐き出したかのように冷たく、静まり返っていた。
風が砂丘を撫で、細かな粒がさらさらと流れていく。
その頂に、一人の男が立っていた。
月明かりを背にしたその姿は、まるで闇に溶け込む影のようだ。
黒い外套の下に覗く衣は、どこの国のものとも知れない。
顔を覆う布の奥からは、鋭く光る瞳だけが覗いていた。
年のほども、素性もわからない。
ただ、その立ち姿には、荒くれ者たちを黙らせるほどの威圧感があった。
男は、遠くに浮かぶ城を見据えていた。
――アグラバー王宮。
砂漠の王国の心臓部。かつて魔神の奇跡を生んだ地。 - 48◆va2KrOhAnM25/11/02(日) 15:21:50
やがて、背後の闇から三つの影が現れた。
砂を踏む音もほとんど立てずに、三人の男たちが男のもとへと近づく。
「……お頭。あれがアグラバーですな。」
先頭の一人が、口の端を吊り上げる。
「警備は厳重と聞きますが……まさか正面から行くつもりで?」
男は答えない。
月光に照らされたその横顔は、彫像のように動かない。
ただ、風の中で外套の裾がゆっくりと揺れる。
「正面じゃない。」
低く、乾いた声が砂の上を這うように響いた。
「“影”を通る。王たちが知らぬ道をな。」
三人の部下が顔を見合わせる。
「……なるほど。あの“地下道”を。」
男はわずかに顎を動かしてうなずいた。 - 49◆va2KrOhAnM25/11/02(日) 15:22:25
「アグラバーの宝物庫には、古い時代の抜け道が残っている。
王も知らない、かつて“魔法使い”が作った通路だ。
そこを抜ければ、誰にも気づかれずに中へ入れる。」
「ですが……本当に、そんなものがあるんでしょうね?」
部下の一人が訝しげに言う。
「信じろ。」
男の声は冷たく、しかしどこか確信に満ちていた。
男は馬に飛び乗ると、砂丘を下り始めた。
残された三人も慌てて馬に跨がり、彼の背を追う。
月が、雲間から顔を覗かせる。
四つの影が砂煙を上げながら、遠くの王都へと駆けていく。 - 50◆va2KrOhAnM25/11/02(日) 15:23:17
(深夜、宝物庫に入った盗賊たち。そこで……)
22:00まで安価を募集。
複数あればダイスで選びます。 - 51二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 21:50:28
何かの巻き物を見つけた
- 52◆va2KrOhAnM25/11/02(日) 22:29:24
(巻物の内容は……明日8:00まで募集)