- 1二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:12:33
- 2125/11/01(土) 15:16:55
ーーー
俺が生まれたのは明治時代、そこそこ裕福な家だった。
ただ、俺の家は側から見れば大分異常だった。「万世極楽教」なんて大層な名ばかりのくだらない宗教を営んでいた。
俺の親の頭の鈍さは絶望的だった。そうでなければ極楽教などというつまらない宗教、作れないけど。
可哀想だったのでいつも話を合わせてあげていたなぁ、頭が可哀想な大人ばかりで。俺は辟易とした思いと哀れみばかりを抱いて生きていた。 - 3125/11/01(土) 15:24:57
ある、寒い寒い冬の日だった。
ずっと室内にいる俺ですら末端から凍てつくような空気。訪れる大人も皆白帽子ばかり被り、身の上話と雪を散らして帰っていく。
いつも通りの合わせ話を終え、いざ寝ようとした時だった。
表から悲鳴が聞こえた。
出てみれば、大きくて醜い、母が語る「地獄」「奈落」にいるような化け物がそこにいた。
両親は化け物に襲われ、ぐにゃりと曲がった体のありとあらゆる部位から血を流して倒れていた。
極楽を謳う人間たちのさいごが、こんなに惨たらしいものだなんて。
ああ、可哀想だ、と呑気に思う俺の背に迫る鬼の爪。
ただ、それが届くことは無かった
鬼の腕、胴体、首はすっぱりと斬られていた。 - 4二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:26:02
童磨鬼殺隊if?
隊服コラ違和感なくていいね - 5125/11/01(土) 15:32:28
- 6二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:33:33
?!
- 7二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:35:07
歴史改変さらに起きてて草
- 8二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:43:34
この月柱多分弟いるだろ!?
月の派生ですか… - 9二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:44:51
長編の気配を察知
支援 - 10二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:46:03
月から氷はまあまあ理にかなっていそう
- 11まさかの選択肢直撃で困惑の125/11/01(土) 15:53:39
ーーー
俺を助けた鬼狩り、彼は継国巌勝と名乗った。
曰く、鬼とは人を喰らう生き物であること。
鬼狩りはその鬼を狩り、人を守る仕事であること。
鬼狩りは組織であり、鬼狩りたるために所属する必要があること。
鬼は非常に頑強であり、対峙するためには鬼狩りも強くあらねばならぬこと。
そのためには非常に辛く厳しい修行を乗り越えねばならないと。
できるか?と問われ、すぐさま頷く。
言われたことを熟すことは得意だから。
ーー
厳かな表情や雰囲気とは裏腹に、巌勝殿の訓練は無理な訓練を積ませることはなく、非常に合理的だった。
まるで俺の体が見えてるんじゃないか、って思うくらいに。
ずっと室内に幽閉されていたも同然であったから貧弱だった俺の体は、3月もしないうちにどんどん健康になり、年相応の体躯も得た。
巌勝殿が「お前…実際の歳はいくつだ…?勝手に8つほどだと思っていたが…」なんて言い出したらときは流石の俺も面食らった、12歳だよ!巌勝殿と2歳しか違わないよ!
それを告げればあちらも驚いたようで、目を瞬かせていた。そんな動作は年相応なんだな、って思わせられた。だってすっごく強いんだもの、たったの14歳で鬼狩りの組織…鬼殺隊の最高位に君臨するくらいに。
でもそれを告げれば、「お前もいずれ私に並ぶだろう…その為にも、励むことだ…」とはぐらかす。全く困ったお師匠さんだ。 - 12二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 15:55:28
ダイスと地の文は疲れるぞよ…(経験者)
応援してます - 13二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 16:06:40
これ上弦はどうなるんだ?
むざりん大ピンチで草 - 14でも鬼推しだから結局嬉しい125/11/01(土) 16:20:01
さらに時が流れ、俺と巌勝殿が出会ってから 1年ほどが経った。
そろそろ頃合いだろう、と巌勝殿が呟く。何を?と思い庭に出れば、木刀を手渡された。
「良いか、今からお前には私の【呼吸】を見せる。何れお前にも…いや、まずは観察しておけ」
ホオォォォ、と梟を思わせるような音が響く。呼吸の音なのだろう。
それを呼水に始まった巌勝殿の動きは、技であり、舞であり。月光の反射した湖面のような、静粛なうつくしさがあった。
ひぃ、ふぅ、みぃ……じゅうろく。永劫にして一瞬のような時間だった。終えた巌勝殿はくるり、と俺に向き直り、衝撃的なことを告げる。
「お前も…この【呼吸】を身につけろ…形になったのならば、最終選別に送り出そう…」
え? - 15125/11/01(土) 17:08:51
「待ってくれ巌勝殿!俺にもその呼吸?とやらをしろって言うのかい?!」
「嗚呼…見たところ、お前にはそこそこ私の…月の呼吸の才覚があるように思う…」ホワホワ
「しかしだよ!剣を握って俺は 1年も経ってないにに、それは酷じゃないか」
「それでもお前は下級の鬼殺隊士よりは…よく剣を振れている…」
更に衝撃の事実だ。
どういうことだ、鬼殺隊ってそんなに(人材不足的な面で)やばい職場なのかい…?
「お前は元々舞踊をやらされていたのだろう、剣舞に生きている。それをうまく応用すれば立派に呼吸の形になるだろう…ああ、呼吸はお前が確立すれば良いか……」
巌勝殿が心なしか生き生きとしている。冷や汗が伝う。
そこからは怒涛の日々だった。全集中の呼吸、常中の訓練。呼吸の吸い、吐き、血の巡らせ方。体の血管の一筋一筋に、酸素が行き渡る感覚。
手に豆もできた。一度も日焼けすることのなかった俺の肌が、剣の打撲で紫に染まった。辛く苦しい、訓練や稽古と聞いて思い浮かべられるような言葉がようやくわかった。
井戸にも数寸の氷が張る、寒い寒い冬の日だった。今日も俺は巌勝殿の稽古に打ち込んでいた。いなされ続ける剣を握り直し、あの手この手で襲いかかる。
急に、巌勝殿に僅かな隙ができた。足元の雪に掬われたのだろう、すぐに立て直すがその刹那は最大の好機であった。
____の呼吸、
氷の礫のような効果とともに、俺の剣は巌勝殿の剣を捉えて打ち落とす。
一本。
取れた、漸く取れた。動いたことによるだけじゃない、何か別の作用による心拍、血圧の増加を感じた。これが高揚感、喜びというものなのだろうか。
「よくやった、約束通りお前を最終選別に送り出そう。…しかし、結局その呼吸は…」
月の呼吸を模倣して動いていたから、同様のものかと思った。しかし、俺が出したのは三日月型の剣跡ではなく、氷の礫。もはや新たな呼吸だろう。
名付けて、【氷の呼吸】。生まれた日は奇しくも、この使い手と師が出会った日からちょうど一年が経った日であった。
これは、万世で一番慈しい鬼退治のはじまり。 - 16125/11/01(土) 17:11:11
- 17二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 17:28:06
- 18二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 17:36:31
万世童磨
- 19二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 17:37:23
氷室童磨
- 20二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 17:40:31
源乃崎童磨
- 21二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 17:41:30
- 22二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 17:41:30
万世院童磨
- 23125/11/01(土) 17:44:34
- 24二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 18:04:08
- 25二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 18:14:18
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 18:16:56
このレスは削除されています
- 27125/11/01(土) 18:18:43
- 28125/11/01(土) 18:20:55
(>>26さん申し訳ない〜!折角関連してレスもらってましたが…
そちらはおいおいお楽しみください…♠︎)
- 29二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 18:22:55
- 30二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 18:35:16
うわぁ、やばい人が鬼になっちゃったなあ
- 31125/11/01(土) 19:04:35
本編再開
ーーー
その後、次の最終選別の開催までは二ヶ月ほどあるらしく、俺は呼吸の組み立てに臨み続ける日々だ。
これが難しいのなんの!技として確立した後も、名前をつけなければいけないから難しい。
ちょうど任務から帰ってきた巌勝殿に尋ねる。
「ねー巌勝殿ぉ、巌勝殿の呼吸って元からあるもの?それとも自己流?技名が思いつかなくて」
「私の技は………
……、書物で学んだものだ、遠い先祖が書き残していた手記に記されていた」
「へぇ」
随分と溜めがあった。訳ありなのだろう、啄きたい気持ちはあれど一応抑える。今は関係ない話だろうし。
「技名、か…月にしろ他の呼吸にしろ、自然現象から名が取られたものは見かける気がする…」
「成程なぁ…巌勝殿、辞書を貸してくれまいか」
「書庫の手前右側から1列目だ…2つ下の段にある歳時記も持っていくと良い」 - 32125/11/01(土) 19:14:47
ーー
時は最終選別一日前。
「童磨…傷薬と兵糧丸、干し飯は持ったか…」
「勿論だよ、しかし随分と古めかしい戦のような取り合わせだ、こんなに必要なのかい?」
「山で7日間過ごすのだ、備えあれば憂いなしだろう」
「7日?!聞いてないよ巌勝殿!!先に言っておくれ!!」
「はて…そうであったか?…なに、お前ならば問題ないだろう、童磨」
イイ表情で言うけれど巌勝殿!言動がボケ老人のそれなのだよ!15歳?いやいや51歳、それ以上の間違いだろう、話し方も選択も諸々が!
「お前の氷の呼吸も5つ、技ができたのだろう。腕の振るい時だ、武運を祈るぞ」
なんやかんや言いくるめられ、そのまま蹴り出されるように月柱邸を後にする。地図を頼りに言われた方角に進むこと数刻、言われた通りの山へついた。
お前は朝が弱いだろう、ということで野宿を提案されたが…成程、鬼のいない麓の藤の牢獄であれば安全性は高い。
ボケてるくせにちゃんと理知的なんだよなぁ、と少し呆れつつ息を吐いた。
…いいや、明日に向けてとりあえず寝てしまおう。 - 33二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 19:19:00
この童磨はツッコミの呼吸の使い手だな
- 34夜は規制多ゆえ保守が嬉しい125/11/01(土) 19:36:50
昼。
ハッと目を覚ませば、周囲には俺と同じく隊士を志す人々が続々と集まってきていた。
数にして十を満たすかどうか、これから何人集い、そして何人残るのだろうか。
数刻ほど待てば、白い髪の女性が現れて選別の流れを説き、開始を告げる。
いよいよだ。
藤の暖簾を潜り、誰も彼もが山へと向かった。
1日目 dice1d10=6 (6)
2日目 dice1d10=2 (2)
3日目 dice1d10=1 (1)
4日目 dice1d10=6 (6)
5日目 dice1d10=5 (5)
6日目 dice1d10=4 (4)
7日目 dice1d10=3 (3)
1〜4 鬼とエンカウントなし
5 1体倒したよ!
6 2体倒したよ!
7 3体倒したよ!
8 4体倒したよ!
9 5体倒したよ!
10 怪我したよ!帰ったら治療しようね!
- 35二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 19:56:31
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 20:50:36
最終選別に原作キャラはいないのか
そもそも最終選別がどのくらいの頻度で開催されてるかがわからんけど…教えてくれワニ先生上 - 371にも教えてくれワニ上先生25/11/01(土) 21:15:26
1日目。
日が暮れ、山奥に入れば血生臭い香りが立ち込めてきた。
さっそく誰かやられてしまったのだろうか、可哀想に。なんて思っていれば眼前、開けた場所には早速鬼が佇んでいた。先ほどの麓で見覚えのある羽織を食い破って。
__氷の呼吸、壱ノ型 蓮葉氷
刀を一閃に振り抜き、首を的確に削ぎ落とす。
剣から舞う氷の礫の幻影が集い合い、水面に浮かぶ円形の氷塊のようになる。
首は呆気なくころりと落ちた。
強い敵だったようには思えない。俺が強くなっていたのか、はたまた。
倒れ伏す亡骸の彼の匂いに釣られたのか、後ろからまたもや獣のような唸りが聞こえる。
__参ノ型 枯園垂り
刀を通し、更に返す刀で振り抜き二閃。先ほどよりも硬い鬼であったが、こちらも拍子抜けなほどだ。
亡骸を整えて、土を軽く掘って埋め掛けておく。
可哀想に、志半ばでこんなつまらない場所で行き倒れてしまって。
さらさらと粉塵となり消えゆく鬼に手を合わせる。
可哀想に、醜く疎まれ最期は存在の証すら残さず無へ帰り散ってしまって。
世は悲しい物語で満ちている。
感情の強いものはそれに苛まれ、縛られ、堕ちていく。そんな可哀想な皆を助けるため、優しい慈しい俺が鬼を狩ってあげようじゃないか。
常藤の世界、その時心凪き童に意志が宿ったのだった。 - 38二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 21:20:41
イッチのコテハン草
すごく好き、支援 - 39コテハン気付いてくれて幸な125/11/01(土) 22:27:48
- 401恥25/11/01(土) 22:36:35
- 41125/11/01(土) 23:20:29
瞬く間に時は去りて、それもそうだ。鬼とは以降3回しか出会えず、いずれも即斬れてしまった。
どちらかといえば食料が底をつき飢えている人を助けたり、無残に転がった屍体を弔ったりしたほうが断然多い。
そのおかげもあり人脈はそれなりに築くことはできた。…いつまで生きる脈かはわからないけれど。
定刻に山を降りれば、そこにはこの一週間で見知った顔が5つだけ。他にも色々な人が居たはずだが…みな死んでしまったのだろう。
案内の白髪の女性に促されて、鋼を選ぶ場所へと行く。
その時、白髪の女性がちょいちょい、と俺を手招く。
一体何であろうか、と思えば巌勝殿の進言により、是非この鋼を使えと言伝があった、との言と共に手渡された。
は、柱の権力はこんなところにまで及ぶのかい…?
施された「癸」の手の甲に浮き上がる文字を見ながら、漠然と思う。恐ろしい人に拾われてしまった。俺も柱へと早く来い、と言われるが…まぁ精進あるのみだろう。
「ということで俺たちは一蓮托生だぜ!共に頑張ろうなカラス殿?」
「柱ニソンナニ気安イ時点デ化物ミタイナ平隊士ダゾ、オマエモ十分…」
「そうかい、ところでお前の名前は何にしようか。狛治とかどうだろう」
「ナンカ身内ヲ毒殺サレソウデ嫌ダ!錦トデモ呼べ?以前ノ隊士ガツケタモノダガ」
「ちぇー、わかったよ錦殿ぉ」 - 42二次元好きの匿名さん25/11/01(土) 23:32:48
- 43二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 07:40:08
この世界線の上弦の弐って誰になってんだろ
- 44二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 08:00:36
絵うめえな!?そしてかわいい
- 45二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 08:30:39
- 46絵褒められ調子に乗ってる125/11/02(日) 10:24:45
ーーー
「…帰ったか。無事なようで何よりだ」
「当たり前のように言うけど大変だったんだぜ巌勝殿!5体も鬼を倒したし。まぁ人助けの方が多かったんだが」
「5体か。なら呼吸の技も全て試せたろうし丁度良かろう…まずは、ゆっくり休め…風呂も布団も用意してある…」
「えっ有難う巌勝殿、結婚する?」
「今ここで舌を噛み切っても良いぞ」
冗談なのにそんなに嫌がらないでおくれよ!俺だって傷つくんだぜ、ぴえんぴえん。なんてね。
のんびり湯船に浸かりながら微睡む。うわー幸せ。お風呂ってあったかいんだねぇ、人の厚意が底にあれば尚更だ。なんならここで死ぬのも良いや、って思うくらいに…心地が良い、のかな。
…ここで寝るのは流石に良くないね、溺死しちゃう。まだまだ俺には未来がある。
疲れがだいぶ取れたらまた、巌勝殿に稽古でもお願いしようかな。
ーー
二週間後
「童磨…お前の刀が届いたぞ…」
「有難う巌勝殿!あれ、鍛治の方は来ないのかい?」
「お前の刀を担当したのは鍛治の里の長でな…高齢かつ無闇に出歩けないため、私が取りに行き言伝を預かってきたのだ…」
はえー、すっごい人に打ってもらったみたいだ。しかし刀?一般的に思い浮かべるものよりもだいぶ短い。包まれている状態を見ても、短刀より一回り大きいくらいのものが2振り?だろうか。
壊さぬよう丁重に包みをひらけば、地金のうつくしい薄い刀が幾重にも折り重なる、扇子状の刀…刀?鉄扇?が出てきた。 - 47二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 10:47:35
童磨くんの情緒が少しずつ育ってくるのいいね
情操教育… - 48二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 19:19:48
- 49二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 23:56:07
鉄扇で戦うのか!リーチ短いけど大丈夫かな
- 50ホスト規制解けて安心な125/11/03(月) 07:52:19
(保守有難う〜!感想もめちゃめちゃ嬉しい、励みになってます!)
ーーー
困惑と共にぐ、と握り込めば刀の色が変わったからさらに驚いた。
巌勝殿の刀の二藍色とはまた少し違った、青みかかった月と太陽の移る空のような色。光にかざせば紅や梔子のような彩りがちらり、と覗く美しい色合いだ。
「ふむ、紅掛空色か…なるほど月の派生の氷の呼吸に相応しい色合いだ、まこと麗しき…」
巌勝殿も心なしか上機嫌そうだ。俺としても無論、この綺麗な色合いは気に入ったぜ。
「この刀の鍛治…鉄珍殿によると、この扇の鋒は一枚が毀れてしまえば、芋蔓式に駄目になるらしい。くれぐれも歯の多さにかまけて雑に扱うなよ、と釘を刺された…」
おっと先に心を読まれたかな?実は選別中に巌勝殿に借りた刀の先がちょっと欠けてしまったんだ。恐ろしくて言えていないが。
丁度巌勝殿は俺が選別に行っている間に刀を打ち直してもらう予定だったらしく、そのまま譲り受けた形だったのだが…まぁ言わぬが花、聞かれるまで黙っておこうか!
「ところで童磨、選別の間…あの刀は上手く扱えたか?」
あ、やべ。目力が常人の3倍くらいありそうなすっごい圧を感じるぜ。 - 51あと縁1も兄上に会いたい25/11/03(月) 08:15:06
「…童磨…」
「ごっごめんよ巌勝殿ぉ!!わざとじゃないんだ、決してわざとじゃないんだ!ただ鋒と刃の部分が合わせて5箇所ぐらい欠けちゃっただけで!」
「大ッ分欠けてるではないか?!おまけに5戦で5箇所、すなわち戦うたびに欠けてることになるだろう!…童磨、竹刀を持て」
「は、はい」
「……晴れてお前も鬼殺隊士になったのだ…私の継子として最高の稽古をつけてやろう…」
ーー
「そのときの巌勝殿は鬼よりも鬼めいた気迫だった。多分よほどの鬼じゃないと怖気づいて裸足で逃げ出すだろう。俺、頑張ったんだぜ、褒めておくれよ狛治殿」
「カァー!ダカラオレハ狛治ジャナイ、錦ダ!!愚痴ヲコボス間ガアルナラ足ヲ動カセ、任務地マデマダマダアルゾ」
「烏も師も俺の周りって厳しすぎない?はぁ〜癒しになるような可愛い女の子でもいないかなぁ」
「マセガキガ、早ク行ケ」
「いっっった!!もー、顔を引っ掻くことは無いだろう!」 - 52二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 15:29:45
烏との会話可愛い
それにしてもこの世界に縁壱っているのかな? - 53二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:13:34
トップ2がいるんだから猗窩座も居たら面白そう(このままでも面白い)
- 54二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:55:01
童磨の代わりに鬼化してるのは誰なんだ?
- 55謎の規制でまたあまり書けずの125/11/03(月) 23:00:09
ーーー
それから日々、しごかれては鬼を狩り、鬼を狩ってはしごかれ…某月柱の継子として研鑽する日々が続いた。
その甲斐あって鬼の討伐数は40を超え、無論血鬼術を使う厄介なやつも撃破してきた。階級は乙、そして丁度現在、甲への昇格が伝えられた。
そろそろ十二鬼月…下弦の奴にも会えるかもな、とは巌勝殿の言だ。よしてくれよフラグになるだろう。
…あっけなく回収された。今相対している鬼の右目には文字と数が刻まれている。
「あらあら、鬼殺隊の子かしら?それも一人だけなのね」
癖のない豊かな黒髪に、紅藤色の無邪気な瞳。ゆったりと打掛を羽織り、血鬼術からなるものだろう、花や蝶と戯れている姿は宗教画めいたものを感じる。そう、体を伝う紋様、鋭い爪、牙に瞳孔、口から滴る血さえなければ。うつくしい姫のような、鬼であった。
女鬼に抱えられている男が蠢く、僕と女神の睦みを邪魔するなと。
睨め付ける彼の顔は女鬼の掻い撫でにより恍惚な表情へと変わる。外で慇懃を通じないでくれ、鬼に常識は通用しないとは言えせめて人間側が止めておくれよ、雰囲気も相俟って非常に頸を斬りづらいだろう!
ふと最近鴉から聞いた報告を思い出す。どうやら最近出没が確認されるようになった強い鬼、通称「桃の鬼」。花の血気術を使い、人を籠絡し、幸せな状態の人を喰らうタチの悪い鬼___うーん、眼前のこの鬼で間違いがなさそうだ!下弦の参、柱でもない隊士が相手取るには分不相応って奴じゃないかい?
「錦殿!駆けつけられる程度の周囲に隊士は?」
「戊ガ一人、其レ未満ガ四人!呼バヌホウガイイ!」
「俺一人かい…!!嘘だろう…」 - 56二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 06:09:36
下弦ならまだなんとかなる…かもしれない
がんばれ‼︎ - 57二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 09:47:42
これカナヲさんじゃね?
と言う事は胡蝶姉妹が鬼の可能性 - 58125/11/04(火) 11:36:02
女鬼は緩慢な動作で抱えた男を食い続ける。もっ、もっ、と頬張る音にメキ、グシャアと骨が潰れる音が混じっていた。
__氷の呼吸 壱ノ型 蓮葉氷
扇は空を切る。
「あらぁ、危ないじゃない。まだお食事中よ?鬼狩りさん」
「それはごめんよ!俺は極楽童磨。鬼のお嬢さん、君のお名前は何だい?」
「私は婀娜桃。極楽なんて大仰なお名前ね」
「女神を騙って人を跪かせる婀娜桃ちゃんも大概じゃないかなぁ」
_氷の呼吸 弐ノ型
_血鬼術
『凍て曇』『折花攀柳』
技が交錯する。鬼の技によるものか、甘ったるい芳香が鼻腔を擽る。
吸ったら不味いことになる、と本能的に理解した。これは人並み以上の隊士でもやられるわけだ、目に見えぬ影響などほぼ不可避なのだから。
でも残念。 - 59視点変更して書いてみたかった125/11/04(火) 11:37:40
ー
「…随分平静を保ってるみたい、どうして?」
「まさか、俺は君の御姿と美技の虜さ」
「ふふ、歯の浮くような台詞がお上手ね…貴方、一体何をしたの」
…おかしいの。この鬼狩りには血鬼術が通用していない。
婀娜桃は若干の焦りを覚えていた。血鬼術、折花攀柳は四季折の花の薫香を用い、人を惑わせる。婀娜桃へ抱いた美しい、などといった好意的な感情を煽動し、崇拝や狂信めいたものまで引き上げ虜にする。桃の名を冠しておきながら、実際は蠅地獄めいた鬼であるのに。
「簡単なことさ。香りを思いっきり霧散させただけ。少し嗅いじゃったけどね」
「なら尚更、微量でもかげば何かの影響がある筈…あっ」
「おや、やっぱり悪いものだったのかい。嗚呼よかった!」
「…ええ、そうよ。なのに何故、貴方は平生なのかしら」
鬼狩りはにや、と厭らしく目を細める。
「やだなぁ、神のなり損ないが教祖様に、信心で勝てるわけがないだろうに!」
_氷の呼吸 陸ノ型
『冬ざれ氷柱』
ー - 60二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:40:56
い、意外とさっくり行くんだ…
この後原作通りならしのぶさんが来るけど朝まで何時間あるんだろうな - 61二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 23:59:17
保守
- 62二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 07:55:32
- 63二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 12:30:01
このスレの兄上は鬼殺隊最強なのかしら、それとも他に最強がいるのかしら
- 64二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 20:53:50
保守
- 65二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 22:00:11
- 66二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 00:07:09
どうしたどうした 俺は優しいから面白そうなスレを放っておけないぜ
- 67二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 01:18:20
スレ主の描写力凄っ、めっちゃ綺麗
- 68二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 07:34:03
居るとしたら縁壱辺り?悲鳴嶼さん鬼化してるっぽいし
- 69縁1くん、とっても人気だねぇ〜25/11/06(木) 07:58:16
高く跳躍し、勢いを殺さぬまま重力を味方につけて深く切り込む。
手応えあり。首の一番太い骨までしっかりと刃は届き、地面にごろり、と女鬼の頭部が転がった。
傍に体を寝そべらせ、首を持ち上げて覗き込む。
「せっかくだしちょっとお話ししようよ、婀娜桃ちゃん」
「…すぐ私は絶えるというのに、 …いいえ、何故体が崩壊しないの…!形は違えどあなたの得物も日輪刀でしょう」
「気になるよねぇ、そうだよねぇ、俺の呼吸の特性さ!触れたものの温度を下げてしまう。だから君の芳香も、切断面も。ぜぇんぶ凍ってしまった訳だ」
「…そんなことが、ありえるの…?人間でありながら…」
「俺も詳しい原理はわかんないや!まぁ少し待てばちゃんと君も融けて死んじゃうし、たいした問題はないんだよ」
「…!」
「どうしたんだい可哀想に、いきなり震え出し、」
刹那、前方から弾丸のような速度で小柄な鬼が駆けてくる。
「姉さんっ!!!!」
どうやら女鬼を姉と呼んでいる、姉妹なのだろうか。
サラサラと砂になっていく姉の姿を見、少女の鬼は血色のない肌をさらに青ざめさせていった。
「姉さん!!どうしてやられちゃったの!ねぇ!!…おまえ、姉さんに何をしたの!!」
「やめて…早く、逃げなさい、…姉さんは、もう…」
消えゆく姉の言を耳にした少女の鬼は、すぐさまこちらに向かい来、
…早い、目で追えなかった。異端な速度でまだ残っていた半身を持って行かれた。
すれ違いざまに彼女は俺を、
「…必ず、私がお前を葬ってやる」
とぎらりと光る目で睨み、去っていった。 - 70125/11/06(木) 08:00:04
^^
- 71二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 08:00:18
カナエだったかー
- 72125/11/06(木) 11:28:27
ーーー
「カァー!!甲ノ極楽童磨!!単独ニテ下弦ノ参、撃破ァ!嗅覚ニ若干ノ後遺症アリ!!カァー!」
「…オイ、オマエ」
「オイ」
「オイ、極楽童磨ァ!」
「うわぁ吃驚したぁ錦殿、一体何なんだいいきなり」
「ナンダトハ此方ノ台詞ダ、ズット上ノ空ダゾ」
「ああ…それはね、俺は考えてたんだよ」
「この今の気持ち、これはきっと恋なのだと!!」
「ハァ???」
「あの憎悪に満ちた射刺すような眼差し!一心に俺を見つめる目にはありったけの彼女の激情が込められていたんだぜ!心臓が大鼓のように高鳴るんだ、こんな」
「マサカオマエ、アノ鬼ニ対シテ」
「大正解!恋、しちゃったかもね!あの子も強くなって俺を探しにくるだろう、どう迎え撃ってあげよう、思い描くだけでわくわくするぜ」
「酔狂ナヤツ…兎ニ角帰レ、少シスレバオ館様ニモオ呼バレスルダロウ」
座り込んだままであった足を漸くあげ、烏を肩に呼び寄せる。
日輪扇を布で拭いながら、同じ色の空を徐に眺めて歩く。もうじき夜が明ける。
東の空の端は血色よく真っ赤に染まっている。今日は雨かな、早く帰ろう。
師であり友のような彼に並びたつ門出の日は、鮮やかに鮮やかに彩られているのだった。
ーー
「…ああ…、…姉さん」
「姉さん…、カナエ、姉さん……」 - 73二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 11:54:39
思った以上に朝方だった
最後ォ - 74夜明け前が原作みあると思った125/11/06(木) 16:45:43
正気のない姉の体を抱え、陽の差さない山奥で啜り泣くひとりの妹鬼がいた。
崩壊の始まった姉の、姉の細胞であったはずの塵芥。ほろりほろりと指の隙間から零れて落ちる。
このままでは、ただ崩れ死んでいく。何も残らずに。
しゃくりあげる喉を無理矢理平静へと戻す。深呼吸、吸って、吐いて。
口と食道を介して、ふたりの姉妹は一つとなった。
どくん、と血が大きく脈打つ。当たり前だ。己より強かった姉の大半を吸収したのだ。普通の鬼同士であれば弱い側の私まで壊れる。
ただ、元々私には姉の血が多く巡っていた。…数日前、回復が間に合わないほどのお怪我を負った私に、姉は自らの血肉を分け与えたのだ。だから、今の姉は弱っていた。私のせいで。…そう、そのせいで。そのおかげで。私は生きて、姉を吸収した。
『ほう、面白いことをしているな』
突如頭蓋の内側から響く声がある。鬼の始祖の声なのだろう。
『また下弦が殺された、お前もすぐにやられるのだろうと見限りかけたが…面白い、残った姉を取り込み、己が糧としたのか』
べん
琵琶の音と共に、紅梅色の瞳を持つ美男が妹鬼の眼前に姿を現した。 - 75二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:08:02
胡蝶姉妹と悲鳴嶼さんは鬼化確定…ほかの柱も反転してそうで続き楽しみ。そしてしのぶに恋する童磨も変わらず…w
婀娜桃はあくまでも無惨から与えられた名前だからしのぶさんはカナエ姉さんって呼んでるのかな? - 76二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 23:31:29
- 771区切り!25/11/07(金) 07:43:38
「貴方は…鬼の、始祖、…様」
「ほぉ。初めて私を見ただろうに、察しも悪くないようだ」
「…ねぇ、教えてくださいよ始祖様。姉さんを、姉を殺したあの隊士が憎い。殺してやりたい。そのために、もっともっと強く強くなりたいの、その方法を!」
「随分とまぁ身勝手な娘だな。……良いだろう。向上心のある奴は嫌いじゃない」
鬼の始祖の両手が伸びてくる。
ずぷり、と両側から頭蓋を貫かれ、脳髄の先端まで彼の血が注ぎ込まれる。
「さぁ、お前はこの血の量に耐えられるか。耐えられたのならばお前が望む様、さぞかし強い鬼となるだろうよ」
ー
「…南無…、姉のほうがやられてしまったか」
「?どうしたの、お坊さん!」
「いや、唯の独り言だ、気にしなくていい。それより聞きたいこととは何だろう」
「あのね!小堂の近くの茂みに、すっごい血だまりがあったの…!昨日の夜、お坊さんはお出かけになってたでしょ?…何か、知ってる?」
「…嗚呼、黙っていれば良かったものを…それを広められては都合が悪いんだ」
幼い少年の身体は巨躯の坊により潰され、そのまま丸ごと胃へと納められたのだった。
「嗚呼、哀れなる少年少女たちであった…南無、阿弥陀…」
じゃり、と数珠を鳴らしながら、左目に『上弦』と刻まれた坊の恰好の男鬼は、なんてこともなかったかのように今日とて人の日常へ紛れるのだ。
ー - 78125/11/07(金) 08:07:14
幕間の自我
ーーーーーー
野生の童磨…
嬉しいことを仰る!よせやい照れるじゃないか^^
おっと、言い当てられてしまった
妓夫太郎が堕姫を梅と呼ぶようなものです
可愛い絵だ〜〜!!有難うございます!サヴァランいいね、お酒好きな童磨の好みに合いそう
サヴァランの伝来は明治時代だから、帝都の良い喫茶店では食べられるかもしれませんね
おまけ
婀娜桃さんや関連する鬼たちの現時点情報+拙絵
原作鬼殺隊キャラの鬼化ゆえワンクッション置きました。↓からどうぞ
ファイルなう - アップロードされたファイル1762470138036.jpg (277 KB)d.kuku.luーーーー
次から本編戻ります
- 79二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 12:46:40
絵がうまい!うまい!!!
悲鳴鬼さんは上弦の壱やろなぁ...姉さんを取り込み無惨から血を分けてもらった陸がどれぐらい強くなるかも楽しみだ - 80125/11/07(金) 16:42:31
産屋敷本邸へ呼び出され、最高位の剣士たちが集う会議へと招聘された。
「おはよう、私のこどもたち。今日は新しく柱に任命する子が二人が来ていてね。さぁ、おいで」
「水柱の冨岡義勇。そして氷柱の極楽童磨だ。宜しくね、ふたりとも」
「「はい」」
下弦の参の討伐により、いよいよ俺も柱へと任命された。同じく柱へと任ぜられた彼、冨岡義勇とやらは…表情からは何も読み取れないが、何か解せないといった空気が伝わってくる。複雑な事情がありそうだ、と教祖の頃からの勘が告げる。
「冨岡殿〜!折角の共に柱になった仲だ、良ければ今から食事でもどうだい」
会議を終え、颯爽と帰路に向かおうとしている彼を呼び止める。が、振り返ることもなく
「遠慮する。時間の無駄だろう、このまま失礼する」
と素っ気なく断られた。辛辣だねぇ、しかし悪意は感じないから口下手なだけだろうか。
口を尖らせ不服な素振りをしつつ、巌勝殿のもとへと行く。振られてしまったよ慰めておくれ。
若干面倒くささの滲む顔をしつつ、面倒見の良い師は俺を撫でつつ帝都での食事を提案してきた。俺の柱就任祝いも兼ねて奢ってやるとのことだ。
巌勝殿が俺の、弟であるかのような振る舞いに対して快く思っていないことは察している。けれどもこの振る舞いを辞めさせず、寧ろ受け入れ甘やかすのだ。我慢強いのだろうがいつか壊れないだろうか、俺は少しの哀れさすら覚えるのだ。
「まったく、お前はいつになったら師離れをするのだ…」
「…明日から!今日までは弟子であらせておくれ、柱になったからにはこれで区切ろう」
「…そうか、まぁ励むことだ…」 - 81二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 22:04:53
>>80冨岡はそのままなんだ
- 82二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 22:21:16
祝氷柱就任!
なんだかんだで盛大に奢って兄上の財布はすっからかんになりそう - 83二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 22:33:51
柱は高給取りのはずやし空にはならへんならへんw……ならんよな?
- 84二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 07:31:18
皆が心配するのが兄上のお財布事情なの草
- 85二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 11:39:12
血鬼術…じゃなかった、氷の呼吸が氷であるが故に鬼を直ぐに消滅させずに今際の際を与えるという発想が見事すぎる……
それにしても水柱と氷柱が同時に就任する字面が面白い - 86残念ながら元上弦1の財布は無事25/11/08(土) 12:02:20
畦道や獣道から遠ざかり、整備された絢爛な街並みを歩く。見渡せば人は皆一様に、ハイカラに着飾り燥ぐ昼下がり。
「甘露糖にアイスクリン、貯古齢糖に真珠麿…きらきらとしたお菓子ばかりだ、どれも捨て難いねぇ…非常に困ったよ」
「何、すべて買えばよかろう…あいすくりん以外は少しばかり保存が効く…」
「え」
正気かい巌勝殿??どれも高級洋菓子だぜ??
ただでさえ昼餉に西洋料理も食べた後なのに…一食八銭なんて俺たちみたいな青少年が本来食べるようなものじゃないだろうに!
(※初任給を標準に考えると現代の価格に換算しておよそ6500円)
「柱ともなれば望まずとも湯水のように給金が沸くのだ、ならばこちらも経済を回さねば無作法というもの…」
「いやぁしかし!」
「年少が遠慮するものではない、…嗚呼女将さん、少々良いだろうか」
押し付けられる甘味の数々。明確に年下扱いされているな、いや望んだのは俺だったけれど。
店主と話し込む巌勝殿を尻目に町並みを眺めれば、ぱちりと通行人と目と目が合う。
これは失敬、と逸らそうと思えば相手はずんずんと近付き、俺の手を握り心酔した目で叫ぶ。
「教祖様!!」
感情の少ない俺でも思う。公衆の面前だ、切実に辞めてほしい。 - 87二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 15:10:23
この世界の継国家、戦国時代の巌勝が鬼殺隊に入らないでお家存続させた感じ?これなら無一郎達も、家系図で調べて判明した分家の子孫にして親戚として明治から大正の巌勝が保護者やる感じになる?
- 88二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 15:17:43
- 89二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 15:47:44
保守がわりのまとめ
【童磨】
本名 極楽 童磨
巌勝(師匠)に保護され、鬼狩りへ
両親は死亡
氷の呼吸を使う
どうやら触れたものの温度を下げる効果が
鉄扇(?)を武器として使用
【鬼化確定枠】
胡蝶カナエ(下弦の参)
鬼の名前は婀娜桃(あだもも)、童磨の柱就任時に討伐される
胡蝶しのぶ(下弦の陸)
無惨の血を分けられた、伸び代あり
悲鳴嶼行冥(上弦)
子供を食べるよう、普段はお坊さんに化けている?
【味方確定枠】
月柱 継国巌勝
月の呼吸を使う
なんだかポワポワしている可愛い兄上
水柱 冨岡義勇
本編通り
今日も変わらず失礼する - 901「ありがとう」↑25/11/08(土) 16:30:26
――
「で、確か君は…かつて極楽教に来てくれていたような」
「ああ教祖様!覚えてくださっていましたか!そうです、お世話になっておりました」
とりあえず叫んだ彼(と巌勝殿)を回収し、近場の喫茶へと入る。
巌勝殿に注文は適当に任せておき、俺はとりあえずこの人と会話してみることにした。
俺を教祖様と呼ぶから適当に彼を覚えているように振る舞ったが、申し訳ない、記憶にない。
どうやら俺たち家族が鬼に襲われたのち、『万世極楽教は解散した』という簡潔な文書のみが教徒に届いたらしい。
ゆえに一体何が合ったのだろうかと極楽教の教徒同士で集まり、教団跡地へと赴いてみれば伽藍堂の空き地。
皆一様に万世極楽教を、ひいては御子、教祖であった俺を心配していたとのことだ。
「随分な好かれっぷりだな、教祖様…」
「茶化さないでくれよ巌勝殿!こんな時ばかり!」
「教祖様、そちらの方は…。そして今は一体何をなされているのでしょうか」
「失礼、御中の教祖…極楽童磨の現職の同僚、継国巌勝だ。こちらの職については私から説明しよう…」
と言い、ぼかしたり掻い摘んだりしつつ、「教団を襲った賊から俺を助け出し、自分が所属している自警団に俺を入れた」と言った柔らか仕立ての経緯を語った。
そういえば教徒の彼は医師をしていると言っていただろうか。また、教徒の中には他にも薬師や教授などの有能な者が多かった筈。
良いことを思いついたぜ!
「なぁ愛しの我が教徒殿、俺が君の手を借りたいといえば、その手を差し伸べてくれるだろうか?」 - 91二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 16:43:40
保守
- 92二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 16:57:09
- 93二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:06:22
ありそうで怖いな…
- 94二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:14:58
一気に無理ゲー感が凄いことに…
- 95二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:18:30
- 96二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:26:58
義勇さんが鬼になってないだけまだマシだと思う
このカテで散々言われてるけど凪が血鬼術になったら鬼殺隊が詰む - 97125/11/08(土) 17:52:47
ーー
「…童磨、お前は一体何をするつもりなのだ?」
帰路。教徒の彼と別れて少し、巌勝殿に徐に問いかけられた。
「医師や薬師、そのほか医療に長けているものを集め…診療所でも開けそうだ」
「おっ、近いねぇ巌勝殿。惜しい惜しい」
「は…?ではそもそも何故、どこに開くのだ」
「柱の邸さ!俺にも与えられるのだろう、そこでかつての教徒の皆に手伝って貰いつつ、隊士たちを養生させる場所にしようと思ってね」
「慈善事業は結構なことだが…お前は一体、何を考えているのやら」
俺はとっても慈しいからね。かつての教徒の皆の心の拠り所であった教祖から頼られるんだ、優越感による彼らの精神の安定、拠り所の提供。そして鬼殺隊側としても医療知識、医療機器の提供による隊の活動の助力、養生所として安全な場所の確保。福利厚生が手厚くなることでより隊士の消耗も抑えられるだろう。陽陽介護というやつだ。
特に隊士の中には、選抜を生き抜き鬼殺の道へと歩んだものの、様々な事情で任務に行けなくなったものもいる。そんな可哀想な彼らも、屋敷で働けば一つの立派な職務を熟すことになるだろう?
「…ふむ、存外色々考えていたものだ」
「浅慮だろうかと侮っていたのかい?!心外だなぁ」
「そういう訳ではなかったのだが…ああ童磨、もう屋敷を建てる場所は決まっているのか?」
「今は検討中だよ、いくつか目処は立っているけども」
「そうか……ふむ、お前の邸を月柱邸の側に建てないか」
え。
「斯様な邸であればもし、お前が不在の時に襲撃されたら不味いだろう。…柱が複数在れば、より安全にもなる…」
「巌勝殿…!!俺は感激したよ、君という人は剣や修行ばかりの脳筋じゃなかったんだね!」
「それこそ心外だ…お前に情緒や多様な知識を与えたのも私であるのに…」
「あ、確かに。これは失敬」
と喋りつつ、続く道は大きな橋へと差し掛かった。 - 98二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:58:28
梅と妓夫太郎はどうなるのか楽しみ
継子だといいなぁ - 99二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 18:11:55
いつかかまぼこ隊とか琴葉とかも絡んでくるんかな?
- 100二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 18:26:04
- 101今日レスいっぱいで嬉しい125/11/08(土) 19:05:52
「…おや」
丁度前を歩いている、禿の男と薄汚れた少女。
少女は縄で捉えられ、男に引かれ連れられている。
「やぁやぁ、ちょっと良いだろうか。その子は何故縛られているんだい?」
「……見てわかるだろ、蚤だらけで汚ぇからだよ」
禿の男が答える。
「それに逃げるかもしれねぇしな」
男はギロリ、と少女を睨みつける。しかし少女は何の反応もせず、ただ心ここに在らずといった体だ。
感情がないのだろうか。…同情だろうか、何か渦巻くような気持ちがあった。
「…どうしたどうした、可哀想に。俺は優しいから放って置けないぜ」
「なんだお前、もういいだろ。離れろや」
男が俺を退けようと手を伸ばす。…隙あり。
男の手を弾き、そのまま縄を奪い取り、少女を抱いて駆け出す。
「童磨…!何をしているのだ…!」
「この子は俺が貰って行こうと思ってね!巌勝殿!お菓子の袋をお願いするぜ」
「おいっ、待ちやがれ!!持っていくなら金を出しやがれ!!!」
「……はぁ、」
珈琲のようなしっぶい顔をしながら、巌勝殿が懐に手をやり…幾枚ものお札をばら撒く。
「いくらか知らぬがどうせ足りるだろう。風が強い、疾くと拾うことだ…」
「恩に着るぜ巌勝殿!」
「全く…。兎角行くぞ童磨、何をしたいかは知らぬがな」 - 102二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 20:27:27
カナヲちゃんここで回収か!感情が無い、というか情緒未発達同士のつながり…イイネ
そんで胡蝶姉妹が鬼化してるから、医療施設(蝶屋敷)無かったのかこの時空の鬼殺隊…柱就任したてでどんどん功績が増えそうだね童磨。がんばれー! - 103二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 22:16:15
- 104二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 22:53:35
文が上手過ぎる!!
明日も楽しみにしております! - 105二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 00:09:42
誰が鬼側に行ってて誰が鬼殺隊側に来てるのか、先の展開が楽しみだ
- 106二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 07:06:30
縁壱が上弦の壱だと兄上の今の前向きなメンタルが不思議やし、義勇さんを守った蔦子姉さんみたいに、幼少期の時に鬼の襲来があって縁壱が兄上を助けるために鬼に立ち向かって鬼を道連れに死んだのかもしれない。流石の縁壱も子供で日輪刀無しなら無事ではすむまいし…
「弟であるかのような振る舞いに対して快く思っていない」は亡くなった弟を思い出すからとかであってくれ。せっかく兄上が味方側にいるのにまた兄弟で敵同士なんて悲しい事にはならないでくれ…
※一スレ民の感想です。スレ主には気にすることなく自由に書いて頂きたい。どんなことになろうとも最後まで見届ける所存です
- 107文柱目指して修行中の125/11/09(日) 08:04:25
- 108二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 14:50:49
童磨体格いいし隊士なったら強そうなんだよな
- 109二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 14:53:31
- 110二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 21:26:23
カナヲちゃんやアオイちゃんたちの髪飾りもここでは蝶から月か氷に変わってそうだな
- 111二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 21:46:27
蓮とか睡蓮の花もアリかもな〜
雪の結晶モチーフは恋雪ちゃんイメージが強いし - 112二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 00:15:06
万が一でも朝目覚めたらこの素晴らしいスレが終わっていたらと思うと眠れない
ただこれ以上起きているのも辛いので、昼前まで保つくらいの保守をして失礼する - 113二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 07:15:53
- 114保守に感謝♡(1)25/11/10(月) 07:34:31
ーーー
少女と共に月柱邸へ行き、とりあえず綺麗にさせ…どうしよう、幾ら幼い子とはいえ男である俺たちが風呂に入れさせるのは不味いよねぇ……そうだ、隠の子に来てもらおうか。
鴉を通じて呼べば、半刻程度で近場にいた子が駆けつけてくれた。感謝するよ、これはお礼のお菓子!賄賂じゃないよ!
さて、無事すすや泥、諸々の汚れや匂いは取れたし。と思ったところで名前を聞いていないことに気がついた。うっかりしていたよ。
「んーと、君を呼ぶために名前を知りたいんだけれど…教えてくれるかい?」
…
沈黙の後、微かにふるふると彼女は首を横に振った。
「もしかして名前がないのかい?…ならば勝手に俺がつけさせてもらうぜ!」
これまた沈黙、そして彼女は僅かに頷いた。
ならばとびっきりのお名前を用意しないとね!…しかし俺は名付心得がないし……
…そういえば昔、教祖をしていた頃なら、
ー
ガサガサッ、と紙がかき回される音。そして大きい箱の中から一枚のみが選び取り出される。四つ折りの中に在るは「を」の文字。
「を。じゃあ今まで出たのを組み合わせて…『かなを』うん、いいじゃないか!可愛らしい!」
「…童磨。名前をつけると勇んでいたが如何…なんだその怪しげな箱は」
「巌勝殿!これは名付けのためのとっておきの手法さ、無作為に選び取った運命の文字たち!それが新たな名前となる。まぁ俺の教団で所謂洗礼名的なものを与えるのに使っていた手段なのだよ」
「で、それに頼り切りほぼ何も考えず名付けを…?…お前に一任した私が阿呆であった…」 - 115二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 07:47:26
有一郎と無一郎はどういうポジションなんだ?
- 116二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 08:35:54
完結するかしら
- 117二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 10:25:52
教祖様の頃からランダム名付けしてたのか...w
まぁ神のお告げっぽくて教団的には良さそうだね
昼は外出するから(なぜか書き込みできなくて)感想垂れ流しも保守も出来なくなるのが惜しい - 1181は規制で夜いなくなりがち25/11/10(月) 13:05:51
「でも本人は気に入ったようだぜ?」
振り返れば少女はほんの少しであるが、目尻を緩ませ機嫌が良さそうな顔をしているのだ。
「ならば良いか…嗚呼そうだ、お前の邸の運用やその他懸案事項があるようでな。突発だが再度柱に召集がかけられている…明日、行くぞ」
「ええ、お館様も存外人使いが荒くグフッ何故はたくんだい巌勝殿!痛いじゃないか!」
「敬意がないぞ…それに、思ったとしても口に出すでない…」
厳しいねえ巌勝殿は!先刻までの甘やかし理想のお兄ちゃん形態は何だったんだい!随分珍しい姿だったのだなぁ、改めて。
ーーー
「お早う、私の子供たち。矢継ぎ早にまた集まってもらってすまないね」
「お館様におかれましても…急務への対応、及び我ら柱の意向を汲みご検討いたいており…誠に感謝申し上げる…」
「ふふ、ありがとう巌勝。さぁ本題に入ろうか。まずは童磨。君は君の柱の邸について面白い展望を持っているようだね。私たちにも聞かせてもらえるかい」
「…はい!」
巌勝殿に共有した、医療施設を兼ねた氷柱邸の運用について上奏する。興味深そうな顔をする者、成る程一理あると頷く者、何も反応を示さぬ者…多種多様だ。
「うん。鬼殺隊の医療に関しては私も少々気掛かりに思っていたんだ。童磨が請け負ってくれるのであれば是非お願いしよう。…皆、異論はあるかい?」
「「「いえ」」」
「大丈夫だね。土地に関しては何代か前の花柱が使っていたところを使って欲しい、今の月柱邸ともそれなりに近いからね」
「かしこまりましたお館様!」
「…ところでお館様、さっきから地味に奥から覗いている子供は一体…」
「ああ天元、それがもう一つのこの会議の案件だ」
白髪の女性、産屋敷の奥方に連れられ、一人の少年が歩み出てくる。
呆けたような表情を彩る、硝子玉のような薄い縹色の目。毛先にかけて淡くなる長い黒髪が印象的な子。彼もまた、かつての俺やカナヲを何だか彷彿とさせる。
「彼は時透無一郎、始まりの呼吸の剣士の子孫と言われていてね…訳あって今は天涯孤独なんだ、鬼殺隊で保護しようと思っているんだ」 - 119二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 14:30:09
おっ無一郎きた
- 120二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 15:18:24
今のところ反転してるのは『岩と月』『花(蟲)と氷』の2つだけか
あと反転しうるのは狛治殿と謝花兄弟くらい?半天狗と玉壺は味方化厳しそうだしな… - 121二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 20:50:01
この展開だと、かなを(カナヲ)が月の呼吸使うのかな
やばい、兄上が○くなってしまう未来が見えたが…
そんなことはない!……よな - 122二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 20:51:14
胡蝶姉妹と悲鳴嶼さんが鬼になってる時点で鬼滅本編通りに進むことは無いだろうけど
なんとなく謝花兄妹は鬼になってそうな気がするんだよな - 123二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 20:55:23
- 124125/11/10(月) 22:17:35
「…お館様」
「おや、どうしたんだい巌勝」
「若し宜しければ…そちらの子供の後見を、私に引き受けさせていただきたい」
えっ、いきなりどうしたんだい巌勝殿!!俺がカナヲを拾ったことについては苦い顔をしていたのに!まさか小児性愛…だからいたいけな頃の俺も拾ったのかい?!…いや流石にないよね、うん。
「…月柱邸は以降、療養施設化する氷柱邸の近隣であり…且つ近頃、ちょうどその少年と近い年頃の子を拾い養って居ります故…良き環境かと」
「そうなんだね。ちなみに拾った子というのは」
「童磨の判断によるものです…彼女は氷柱邸建設後、そちらで過ごすことになるかとは思いますが」
「成る程、それでは無一郎の件についても任せようかな。それでは議題はこれで終了だね。みんな、お疲れ様」
奥方から少年…無一郎くんを巌勝殿が受け取り、手を差し出し…あ、拒否られてる。
何度かその応酬が続き折れたのは巌勝殿、いや違う、手を引っ込めたと思ったらそのまま軽々と片手で無一郎くんを抱き上げている。
抱えられるのが嫌なら手を大人しく繋いでおけ、ということなのだろう。その後すぐさま渋々と手を出してくる無一郎くんの姿があった。
いやぁしかし。
顔立ちというべきか、雰囲気というべきか。
この二人は妙に似ている気がする。はて、一体全体どうしてだろうか。
まぁいいや、
「帰ろうぜ!巌勝殿、そして無一郎くん!」
「…誰」
「これは極楽童磨、居候みたいなものだ…」
「ひどい言い草だなぁ!俺の邸は今建設中だからね、お世話になっているのは否定しないぜ」 - 125125/11/10(月) 22:28:44
ーーーーー
ダイスのお時間ですわよ!
出目次第では面白いことになったり1が悲鳴を上げることになりますね
無一郎の呼吸
dice1d7=4 (4)
1~5 霞の呼吸(原作通り)
6 月の呼吸
7 その他別の呼吸
カナヲの呼吸
dice1d7=3 (3)
1~5 花の呼吸(原作通り)
6 氷の呼吸
7 その他別の呼吸
7が出た場合はさらに振ります
どうなるかな
ーーーーー
- 126二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 00:32:25
2人とも呼吸は原作通りか
カナヲはどっから花の呼吸学んだんだろ - 127二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 06:05:39
無一郎と兄上は互いに認識があるかは分からないけど血縁なんだろな
- 128二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 08:07:05
いつ兄上がダークサイドに堕ちるのかハラハラしながら見守っております
- 129二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 10:15:44
- 130二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 12:55:05
- 131二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 15:15:33
下っ端の鬼程度の知能なので実は日光克服呪縛解除済おいたわしや兄上だと思ってました__。
- 132125/11/11(火) 17:35:14
ーーー
「ふむ…二人とも、筋が良いな」
カナヲに無一郎、二人が俺たちのところに来てから数ヶ月。花曇りの空も天高く泳ぐ鱗状に衣装を変えている。
月柱邸で基礎の鍛錬を積ませていたが、随分体力も刀の扱い方も様になっている。
「これならそろそろ呼吸を教えてあげてもいいんじゃないかい?」
「そうだな…しかし二人とも、私たちの呼吸には適性がないように見える…育手の者に世話になるか…」
「えっ、そんなことがわかるのかい」
「身体中の外や内の動き、そして剣捌きから大雑把にだが察することはできる…カナヲは水、無一郎は風の系統が近そうだ」
「からだ、じゅう、の…?」
巌勝殿はたまに意味のわからないことを言う。まるで体の中が全て見通せているような…。
しかし風と水か。俺たちはそれらとは存外異なる系統だからねぇ。
「じゃあ誰に指示を仰ごうか。系統というからには派生の呼吸でも良いのかい?」
「…すでに何名かに文を送っているが…嗚呼、先代の花柱と霞柱はちょうど手が空いているようだ。彼らにお願いしよう…」
二人にその旨を伝えれば、特に反発もなく頷かれる。じゃあ決定だね。
いやぁ月柱邸も寂しくなるねぇ、俺も氷柱邸ができたから離れるし。と巌勝殿に零せば「このくらい静かな方が好ましい…」なんて返される。つれないお方だ!
ーー
隠しの子に案内され、新築の邸へと通される。
氷柱邸…俺の新天地、そしてこれからの鬼殺隊の医療施設となる場所。
さて。氷柱邸では仰々しいし、隊士の皆が呼びやすいように通称でも用意しようか。
氷屋敷…う〜ん、安直すぎる。雪屋敷、霜屋敷、凍屋敷…うん寒そう。銀華、氷華…ああいいね。花柱邸の跡地でもあることだし。
今日からここは「華屋敷」だ!美しくて我ながら良いじゃないか。 - 133二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 19:52:56
そこのお前!浅草花やしきは嘉永6(1853)年創立だからそっちの方が若干歴史が古いぜ!
ちなみに黒船来航と同じ年だぜ! - 134二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:39:22
これは名作スレになる
絶体に - 135 25/11/11(火) 21:23:22
ほしゅ 柱と十二鬼月のメンバーが知りたい。
今のところ柱は富岡さんと兄上は確定。悲鳴嶼さんは上弦になってる。 - 136二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:39:04
鬼殺隊側 童磨、音柱、兄上、富岡さんが柱確定
時期が本来の童磨とカナエさん遭遇タイミング→カナヲ遭遇あたりなら風柱くらいまでが柱でいたらいる枠かな?
隊士確定が無一郎くんとカナヲちゃん - 137二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 21:39:41
うむ。他スレの名前で申し訳ないが、最初のダイスの出目といい、花子とミチカツスレを覗いた時以来の胸の高鳴りを感じる
- 138125/11/11(火) 23:15:41
あらかじめ声をかけていた隊士の子たちを呼び寄せ、改めて華屋敷の運営指針を共有しておく。彼らにはまずここでの生活に少し慣れてもらって…一ヶ月ぐらいしたら本格的に運用できるよう、教徒たちへの協力を請う算段を立てた。
…あれれぇ…ちょっと待って。そういや柱の邸は基本、鍛錬場をつけるものだと巌勝殿は言っていたような気がする。すっかり忘れていた、華屋敷に鍛錬場を用意しそびれていたよ。まぁ巌勝殿のとこで借りればいっか。近隣だし。
さーて忙しくなるぞ、頑張らなくてはね!と独り言て意気込んだ。
ーーーーーー
「階級甲、粂野匡近隊士、不死川実弥隊士両名ニヨリ、十二鬼月、下弦ノ壱 撃破ァ!不死川隊士ハ重症ニテ、華屋敷へ搬送予定!カァー!」
「下弦、それも壱が倒されたとは!いやぁ実にめでたいじゃないか。有難う錦殿…あれ、粂野隊士のほうは無事なのかい」
「…残念ナガラ」
「ああ、そういうことだったのだね、無粋なことを聞いてごめんよ」
華屋敷を開いて幾許か。重症患者が運び込まれるようだ。これまでにも医療知識をつけさせた華屋敷所属の隊士たちが何件もの治療にあたってきたが…下弦ともなると厄介な血鬼術がかけられている可能性も高い。無事に終わるといいのだけれど。
重体の隊士を運び込んできた隠を診察室に案内し、既にその場所で控えていた華屋敷の隊士に任せる。
この屋敷で働く隊士は現在5人。いずれも医療や薬学、看護の知識を極楽教の教徒から教わり、そこらへんの新米の医者よりもよほど頼りになる腕前を身につけた。ん、俺?俺は屋敷の主人ではあれどあくまでも鬼殺隊の柱だからね!屋敷の皆や起きた事柄の責任は負えど、あまり手出しはしていないのだよ。
ー
縫合が終わり、血鬼術による後遺症もなし。あとは安静にさせておくだけ。
ではこの隊士は身体が回復次第、きっと柱となるのだろう。
揃えば9本になるはずの柱は現在、たったの四人。巌勝殿、天元殿、義勇殿、そして俺。
隊士の質の低下を巌勝殿は嘆いていたが、なるほど言われてみれば柱となりうる人材の少なさを思えば納得だ。
しかし比較対象に据えている彼の中の「鬼狩り」は妙に強すぎる。俺が知る数年前から隊にいるとはいえ、一気に弱体化して現状に至っているとは到底思えない。…いったいいつの何を、彼はみているのだろう。 - 139二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 00:06:38
不死川さん来たぁ...!
そして見据えている者はどこにいるのかね...めっちゃ気になる!やっぱりスレ主さんは文才 - 140二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 06:15:09
「比較対象に据えている鬼狩りが妙に強い」
転生記憶持ちなのか家にある書物を読んだ結果か…先が気になる〜! - 141二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 06:17:18
保守
- 142二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 10:07:26
- 143二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 13:19:00
そう考えると獪岳は鬼にならない可能性もあるのか。じいちゃんと善逸の事を思えば鬼になって欲しくないねぇ…
- 144二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 13:48:43
鬼童磨が本来助けてた人が二組いるけどそっちの安否も不明だから不穏なんだよなあ
- 145二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 17:39:11
それな
- 146二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 19:25:21
しのぶさんがいないからかまぼこを鍛えるのも童磨か
- 147二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 19:31:07
善逸がやる気出さなそう
そもそもかまぼこトリオが揃うのか - 148二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 22:00:24
炎柱はどうなんだろう、この時代だとまだ酒の代だけど童磨が会ったことないからカウントされてないだけなのかそれとも……
個人的には善逸が鬼になってるのが1番怖いかな…鬼の身体能力で強化された霹靂連続でやってくるのも怖いけど、怪我がすぐ治るから神速をバカスカやってきかねないし - 149125/11/12(水) 22:32:38
ー
「実弥殿〜!調子はどうだい?」
「…誰だテメェ、そしていきなり」
「この屋敷の主人、そして君のこれからの同僚。氷柱の極楽童磨さ!体の状態を見る限りはそろそろ復帰できるはずの頃と聞くが」
「そうかよ、…まァお陰様で大分回復はしているぜェ」
「心の傷だろうか、それはあんまり癒えてなさそうに見えるけどねぇ」
「…!」
ありゃ、余計なこと言っちゃったかな、あんま触れない方が良かったかな。
手負の野良猫のように毛を逆立てているような雰囲気、警戒した様子が伝わってくる。
ちょっと話を聞いてあげようと思っていたのだけれど。深入りはよした方がよさそうだ。
「まぁ体調としては悪くないようで何よりだ!柱合会議で相見えることを楽しみにしてるぜ、実弥殿」
ーーーーー
秘匿ダイス
dice1d2=2 (2)
- 150二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 01:27:02
鬼殺隊関わる前に鬼側に拾われてるルートなら呼吸のことを知りようもないし手強い鬼にはならないんじゃない?
- 151二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 06:21:56
炭治郎や善逸が童磨に会ったら、どんな匂いや音がするんだろう
なんの匂いも音もしないのかな? - 152二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 07:10:18
- 153二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 12:59:28
幼少期に一人放り出された玄弥が数年後自力で鬼殺隊にたどり着けた原作が奇跡みたいなもんだから鬼になっている可能性は普通に高いと思う
- 154二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 13:45:57
そういう2次創作みたことがあるような気がするな
- 155二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 19:57:48
早めの保守
- 156二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 20:41:44
1日に一回このスレをみないと、発作がおきます(?)
なので、落ちたら悲しい!!
早いけど、保守保守 - 157二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 20:50:12
今童磨と巌勝何歳なのかな?
ちょっとずつ時間軸進んできてるよね - 158二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 21:16:24
これ鬼に柱が惚れているけどそこはどう決着つけるの?
鬼と恋って成熟できるの? - 159二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 21:17:43
つか鬼側が弱すぎない?
- 160二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 21:19:00
確かに鬼側をもっと強化してほしいな
柱のうちもっと鬼側に行ってもいい
悲鳴嶼くらいしか強敵がいないじゃん - 161二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 23:06:23
流石に竈門兄妹はそのままだよね?
ただしのぶさんの代わりに冨岡さんと任務行くのが
童磨の場合冨岡さん抑えられない気がする
様子見兼話を聞く目的で手を抜いて原作展開になるのかな? - 162二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 23:33:16
鬼が鬼殺隊なら柱は半分以上は鬼に反転させた方が良くね?
- 163二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 01:36:48
一応ほしゅ
- 164昨日も昨日とて規制に泣いた125/11/14(金) 06:05:09
ーーー
風柱、不死川実弥。
炎柱、煉獄杏寿郎。
霞柱、時透無一郎。
数ヶ月の間で立て続けに柱の座が埋まっていった。特に無一郎くん。君この前俺と巌勝殿に拾われたばかりだよね?半年ぐらい前だっけ??
呼吸を身につける速度も、柱に昇格する速度も、えげつないほど早い。
特に年齢、まだたったの12歳らしい。12歳なんて俺が巌勝殿に拾われた頃だろう!巌勝殿はどうだい?!
…え、巌勝殿もそのぐらいで鬼殺隊に入って…13歳で柱……うん、規格外な人々が俺の周りには随分いたようだ。はたから見れば俺も中々の昇進具合だと思っていたのだけれど。なんだかちょっぴり心に靄がかかったような気分になった。これが彼らに対する嫉妬であるのか、俺自身の力に対する諦念なのか。どんな感情であるのかはわからなかったけれど。
「さぁ今日も!悪い鬼をすぱすぱーっと斬ってしまおうね、錦殿。急務はあるかい?」
「某月柱ガゴッソリ持ッテイクカラ…ナイゾ」
「そうかい。じゃあどうしようかな」
「オマエハ存外華屋敷モ含メ働キスギジャナイカ、休メ」
「自分ではそう思わないのだけれど。まぁいいや、偶には旅にでも行こうかな」
俺が遠出中、華屋敷近辺をちゃんと守っておいておくれよ!と巌勝殿にも念を押しておき、華屋敷の運営については複数の隊士たちに少しの間任せておくことを伝えておいた。
しかし旅か、修行目的で連れ出されたことを除けばそれらしいことをした記憶が俺にはないのだ。
一体どこに行こうか、考えあぐねていればふと思い出す近頃の情報。
登山を好む教徒が教えてくれた、樹氷なるもの。どうやら北国で見られる美しい光景のようだ。
綺麗なものは好きだ。まして俺の呼吸が名を冠する氷であるのだ、興味を抱いたことを覚えている。
そうと決まれば単騎遠征だ!しっかり着込んでいざ参ろう。 - 165125/11/14(金) 06:08:35
ーー
樹氷の在処は奥羽の蔵王。羽州街道を歩き、目当ての山からそれなりに近い場所にある宿場町に滞在することにした。
そしたら驚愕、まさか義勇殿とばったり会ってしまったのだよ!
どうやらこの宿場に蔓る「人喰い熊」の噂…これは鬼によるものだとの情報が入り、やってきたようだ。
道理で山に行こうとしたら、危険だからと宿場の人々に止められてしまった訳なのだね。納得。
さて、一人仇討ちをすべく山へ行こうとする少女…八重ちゃん。鬼は彼女の父親だった。
愛犬も仲間も鬼と化した父に喰われ、その父の中身に情などない。ただの理性の飛んだ、ただの鬼。
彼女の白い喉に自身の銃を突きつけようとも、弾は出ぬため死ぬことも叶わず。
鬼がいなければ、壊れなかった誰かの幸せはどれほどあったのだろう。
慰めの言葉を掛けてはおくが、どうせ響かないと思った。結局は虚を飾っただけの俺の言葉は、深い深い絶望に寄り添うことはできないんだ。
義勇殿が言伝を八重殿に告げる。生きろ、と。消えゆく鬼の喉からひり出された言葉。
それが嘘か真か。真であれば鬼の意思か。わからない。
けれども確かであるのは、幾重に重ねた羽衣よりも大事な人から与えられた半纏の方がよほど温いこと。“父”の遺言は彼女に届いたのだろう。心が動いた顔をしていたから。 - 166芋煮は豚味噌派な125/11/14(金) 06:09:49
ー
「お疲れ様、義勇殿」
「ああ」
しかし義勇殿、なんだか以前から少し変わられたのだろうか。
以前に比べて少し、言葉が違うな。内心はともかく、血の通らない言い方をするような御仁だった気がして。
「ふと思ったのだけど。最近心変わりすることでもあったのかい?折角相席したんだ、教えてくれまいか」
「……、たとえ何が起きても、俺の芯は揺らぐことはない。鬼殺隊の柱は忘れてはいけない、己が剣は誰のために振るうのか。誰を護るためにあるのか。支えるものがあってこそ、柱は柱たり得る」
「おや、煙に巻かれてしまったね」
へいお待ち、と昼餉に注文した品が眼前に並ぶ。ほかほかと湯気を立てる煮込み料理。醤油で味付けられた汁を口に含み、きのこや長ネギが織り成し醸す風味に舌鼓を打つ。煮込みの主たる具材であるあつあつの里芋を齧れば素材の仄かな甘みが口内に広がった。
ああ美味。出先で一仕事終えたあとの食事は喜びもひとしおだ。
ふと横を覗けば、鮭大根を目にしてこれまでにないほど破顔した義勇殿。普段との落差が凄まじいね。義勇殿の新たな一面が垣間見られて俺は嬉しいぜ。
ーーーーー - 167二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 06:56:07
展開が最高☆
- 168二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 12:17:12
このスレでは八重ちゃんの山関東じゃなくて蔵王にしたんだ
実際は雲取山のご近所だったよね竈門一家の全滅人食い熊による物だって思われてる噂が話の中であったし - 169二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 15:21:00
- 170125/11/14(金) 16:57:56
ーーーーー
そろそろ原作軸に合流いたしますゆえ小休憩
【幕間 万世コソコソ1の独白】
本編でこれから明かすものについては黙秘権を行使するぜ!
>>110,111
それらのモチーフも素敵だねぇ〜!良きかな
構成は最後までできてるんだけど肉付けがね…なかなか早く進まないのさ…(´・ω・`)
>>不穏ダイス
誰かが人になれば誰かが鬼になります
>>159,160,162
鬼殺隊士やれるほどのスペック持ちは鬼になったら強いと思っているんだよねぇ…
あと童磨。柱になっているけど、今から揃う計9人の柱の中では下の方の強さだと仮定
鬼になれば強いかったけれど、人間時代の体力スペックは高いとは思えないのです
関東だったんだ?!ほなその情報見落としてましたわ
わからなかったので場所捏造したのです、童磨がそこにいく動機付けもしたかったのもあるし
ちなみに樹氷という言葉は明治11年に使われ始め、蔵王での樹氷発見は大正3年なのでギリギリ史実との辻褄も合わせられる…筈!
手描きでスポイト機能を駆使して頑張って寄せましたわ!有難う♡
ーーーーー
- 171二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 17:09:16
流石オリジナルの型が究極の防御技の義勇さんだ…
というか映像まで脳内再生されるような描写だったり、「このキャラの発言カッコいい…!」って感動するような言い回しを全部文字だけで生み出してるスレ主さんはやっぱ創造神か何かだよ - 172二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 23:09:09
朝起きたら落ちてそうなので保守
童磨ぁ~、教祖の仕事どうしてるんですか~?
放っておいたら(教徒が)大変なことになってそうなのだが
続き楽しみにしております!! - 173二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 23:22:41
本編で明かすものについては黙秘か……
逆説的に言えば今触れられていない考察とかが当たってる可能性あるのね
…玄弥…、鬼サイド…可能性高そう…かも? - 174二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 01:16:50
- 175二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 06:29:45
玄弥を守る為に鬼殺隊に入ったのに玄弥の首を跳ね飛ばさなければならない可能性がある実弥さん…強く生きて欲しい
- 176二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 08:41:45
保守 わくわく
- 177二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 09:13:57
童磨視点で進んでるせいもあるけど、スレ主が継国に関する情報を匂わせるだけでだいぶ避けているのが不穏
初ダイスの「月柱」とか「巌勝と名乗った」とかちょっと気にかかる表現、気のせいかな - 178二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 09:22:12
なるほど秘匿ダイスは杏寿郎鬼殺隊側猗窩座鬼側とかに振ったてことか
悲鳴嶼がいない分鬼殺隊側も弱いから鬼側が弱いとは思わないな - 179二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 09:48:57
なるほど、巌勝ご本人ではなくて、子孫とかで巌勝の真似してるだけ……みたいなこともあり得るのか
- 180125/11/15(土) 13:57:37
ーーーーー
ーーー
ー
「童磨さん!!」
「おや、アオイちゃんか。どうしたんだいそんなに慌てて」
「カナヲが!カナヲがここ数日、見当たらないんです!!」
少し離れた地へと任務に赴いていたため、俺はここ数日華屋敷を離れていた。
その間にどうやらカナヲが失踪したとのことだ。
今まではカナヲは旧花柱の元で呼吸を習得したのち、華屋敷で隊士たちと共にお手伝いをしてもらっていた、それが突然。どうやらいなくなってから今日で一週間が経つらしい。
「かなり大事じゃないか、鴉を飛ばしてくれてもよかったのに」
「流石に任務の邪魔をするわけにはいかない、それにすぐ戻ってくるだろうと皆思っていたので…連絡しないまま時間が経ってしまったんです」
「そうかい…心当たりや失踪前に変わったこととかは無かったのかな」
「…!二週間ほど前に私の日輪刀を貸して欲しい、と頼まれました。あとは最終戦別についても聞かれ…まさか」
「…選別に行った、って考えるのが自然かもね。彼女は強いし大丈夫だと信じているけれど」
門の近くでアオイちゃんと話し込んでいたら、ふと背後から視線を感じた。 - 181125/11/15(土) 13:58:42
「カナヲ!」
汚れは一つもない。数時間おつかいに行ってました、とでも言うようなけろりとした様子だ。
「…アオイ、ただいま。童磨さん、おかえりなさい」
「どこに行ってたのカナヲ?!心配したじゃない!!」
「ああ、カナヲちゃんもおかえり…アオイちゃんの言うとおり、一体どうしていたんだい?」
そう問えば、カナヲちゃんはぐっと拳を握りしめる。
手の甲に文字が浮き上がる。「癸」…鬼殺隊の階級だ。
「…最終戦別に行ってきたの。私はアオイみたいにお世話ができないから、でも、役に立ちたくて」
「カナヲ…!」
感涙し、カナヲちゃんを抱きしめるアオイちゃん。うんうん、微笑ましい美しい友情だね。ここに至るまでの経緯はあまり褒められたものではないけれど。
しかしカナヲちゃん。自分の意思が、自我が少しずつ芽生えてきていそうだ。
いつもなら賽子で行動を決めて動いているのに、此度の件は自分の一存だろう。
良い傾向だ。俺は彼女に嘗ての自分を少し重ねてみている節もあるから、より喜ばしく感じる。
「よし!それじゃあカナヲちゃんの帰還、鬼殺隊入隊を祝ってパーっと宴でもしようじゃないか!」
「何言っているんですか童磨さん!そんなんだからカナヲに悪影響が及んでいるんじゃないですか!」
「心外だなぁアオイちゃん。俺は過ぎ去ったことを大事に捉えない主義なんだ、無事ならばそれでいいじゃない!」
「ーーー!全く、カナヲまで同調して…わかりました、取り敢えず中に入りましょう!みんなにカナヲが帰ってきた、って報告しなきゃ」
今日も華屋敷は賑やかだ。 - 182二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 13:59:50
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- 183二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 14:00:31
ここから原作軸か…
楽しみ - 184二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 17:56:32
改めて、スレ主さんの絵が上手過ぎる……
その才能半分ください(?) - 1851の腕で良ければ齧ってね25/11/15(土) 19:25:32
ーー
「極楽童磨!招集、招集ゥー!産屋敷邸へ向カエ」
「おや、柱合会議はもう少し後のはずなのに。一体何があるんだろうか」
「任務ダ、オ館様直々ニオマエニ下サレル」
「それはそれは。厄介事の匂いがするね」
産屋敷邸に馳せ参じれば、既に義勇殿が内に控えていた。
彼に倣い隣で待機する。程なくして、鴉がお館様の元に舞い降りた。
十二鬼月がいるかもしれない。既に大量の隊士が殺められてしまっている山があるそうだ。
その地を制圧し首謀の鬼を滅すべく、二柱を送り込む。俺と義勇殿だ。
「宜しく頼むよ、義勇。童磨」
「御意」
「御意!久々の合同任務だねぇ義勇殿!就任時期といい俺たちには並々ならぬ縁がありそうだ、そうは思わないかい?」
「…お前に俺との縁などない」
「また寂しいことを言うじゃないか!しかし那谷蜘蛛山か、初めて聞く地名だ」
「…」
急ぎ那谷蜘蛛山へ向かう。しかし義勇殿はなかなかに足が速い、気を散らせていたらあっという間に置いて行かれてしまいそうだ。
先導の鴉を追い続け、走ること一刻。一見普通の山が見えてくる。
しかし近づけば近づくほど異様さが際立つ。麓で倒れ伏す隊士、四方八方に張り巡る蜘蛛の糸。
「ここからは二手にわかれた方が良いだろう、俺は左へ行く」
「同意見だぜ。それじゃあ俺は右へ。武運を祈るよ!」
「…お前も」
!単調とはいえ、義勇殿がそんな返しをしてくれるだなんて…!ちょっぴり彼の中に踏み込めたような気がする。
さて、気を取り直して。 - 186二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 19:38:06
- 187レス195らへんで次スレ行くよ25/11/15(土) 19:44:51
獣道をかき分け小走りで偵察する。
滅の字、隊士か。しかし息はない。誰も彼もとうに絶えてしまって腐敗の始まる血みどろの塊がごろりごろりと転がっている。遅かったのだろう、俺たち柱の派遣が。流石に一人一人を弔ってやること叶わないから手を合わせておくだけに止める。どうか、どうか安らかに。
…おや、遠くから呼吸の音が聞こえる。「い」の口から鋭く息を吐く、雷の呼吸だろうか。
何にせよ生きている隊士がいるのだ。早く向かってあげなければ。
音のする方向を目指し行けば、途中で雀がこちらへ向かってきた。
まるでついてきて欲しいとでも言うように仕切りに啼いては羽をばたつかせている。素直に従えば少し開けた場所へと辿り着いた。
横転した荒屋の上に黄色い隊士が転がっている。呼吸の音の元は彼だろう。
俺は大きく跳躍し、彼の側へと降り立った。
「もしもーし、大丈夫かい?」
彼の目が動き、俺を捉えた。うん、良かった。生きているし意識もある。
後ろからついてきていた錦殿に隠部隊を彼の元へと案内するように伝えておいた。
「よく頑張ったねぇ。もうじき救助が来るから、それまで待っていておくれよ」
それじゃあ俺は鬼を倒しに行くからねぇ〜、と軽く手を振ってその場を後にした。
更に奥に進めば丁度良く、今しがた隊士を捉え油断しきった鬼を見つけた。彼女の血鬼術だろうか、繭玉に包み込んだ隊士に向かって、己の術の効用を嬉々としてひけらかしている。
「散漫だなぁ。しかし良い術だね、手のひらから糸を出しているのかな?」
気配を消した背後に忍び寄り、声をかける。そうして漸く女鬼は俺の存在に気付いたのだろう。驚愕の表情を浮かべている。
「こんばんは。月の綺麗な良い夜だねぇ」 - 188二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 21:11:19
原作でも元々しのぶと童磨は対比して描かれてるからか入れ替えてもあんま違和感ないんだな
でも着地は童磨の場合、ドサッとか音がしそう(偏見) - 189二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 21:15:26
しのぶと対比といっても強さは圧倒的に童磨の方が強いから結末が全然違ってきそう
しのぶが求めていたものを全部持っているのが童磨 - 190二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 21:39:21
- 191二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 21:42:18
元々どこか雅な雰囲気のあるキャラだから、こういう場面での登場が様になるねぇ
- 192125/11/15(土) 21:52:52
女鬼は俺との距離を稼ぎたいのか、太く束にした糸を広げながら飛び退く。
しかし遅いな、手練れの隊士であれば誰でも簡単に避けてしまえる程だ。彼女は十二鬼月ではないのだろう。目に数字の刻印も見当たらないし。焦って更に糸を出そうとしているが力が足りないのか、ただ今ある糸を振り回すだけに留まっているように見える。
「待って!!待ってお願い!!…私は無理矢理従わせられてるの!!助けて!!」
いきなり口を開いたかと思えば命乞いか。余裕綽々にしてみたり、憎々しげに毒付いてくれたらまだ面白かったものの。これではつまらないなぁ。
「逆らったら体に巻きついてる糸でバラバラに刻まれる!」
「そうかい、それはそれは痛ましいね。可哀想に」
「…そうでしょう!ねぇ、見逃して!!お願い!!」
「それよりももっと素晴らしい方法があるよ。現状から君を救い出す方法さ」
__氷の呼吸 伍ノ型 『寒烈の白姫』
「死は救済、って言うだろう?」
「?! …あれ、首を斬ったくせに…私は無事よ!何よあんた、大したことないのね!!」
「君は油断癖があるようだね。ほらご覧よ、君の体のほうは今にもゆっくり融けている」
どうやら日輪刀で首を斬られたのに未だ死んでいない、彼女自身の現状に困惑が強いのだろう。さっぱりわからない、と顔に書いている。頭が弱いのかな。可哀想に、それは辛いよね。
まぁ俺の呼吸は特殊だし、理解が及ばないのもさもありなん、って感じなんだけど。
「俺は優しいからね!君たち鬼が死に至るまで少し猶予を上げているんだよ。残された時間はあと僅かだ。回想なり懺悔なり有意義に使っておくれ!」 - 193125/11/15(土) 22:51:41
もうじき彼女は塵になるだろう、今から最後の力を振り絞れるような子でもなさそうだし。鬼の首は放置して繭玉の解除に取り掛かる。
ほどかなきゃいけないのかなぁ、ちょっと面倒だなぁと思いつつ扇の刃を刺せば、思いの外簡単に繭は壊れた。これは有難い!
どろりとした粘液と共に隊士が出てくる。鬼へとどめを刺さなくて良いのかと聞かれたが問題はないのだよ。それよりも君の格好の方が問題だね、隊服が全て溶かされ生まれたままの姿だ。
…俺の羽織を貸しておいてあげるよ。女性の隠が来るかもしれないのだから、彼だってこんなあられもない姿を見せたくないだろう。多分。
ー
山の中腹に差し掛かったところで、見覚えのある半々の羽織を見つけた。
彼の前に伏しているのは少年の隊士と、…鬼だろうか。
まだ彼らとは若干の距離があるため片方の扇を投げて鬼を狙う。しかし、義勇殿の刀に弾かれた。
義勇殿はそのまま、少年と鬼を庇い立てるようにして俺を見据える。
「どうして邪魔をするんだい義勇殿。鬼殺隊の柱は忘れてはいけない、己が剣は人のために振るうのだろう。人を護るためにあるのだろう。いきなり鬼を庇うとはさぞご高尚なお考えでもあるのかな」
「さぁ義勇殿、退いてくれるかな」
「俺はそう大した思想などない」
「あぁごめんよ…皮肉ってみたつもりだったのだけれど。こうも額面通りに捉えられるとは思わなかったよ」
鬼を庇う少年が気まずそうに俺たちをみている。彼にも注意した方が良いだろう。
「君。君が庇っている娘は鬼だろう。危ないんだよ、早くお離れ」
「ちっ…!違いますいや、違わないけど…あの、妹なんです!俺の妹で!それで、」
「わぁ、そうなのかい。可哀想に。なら」 - 194二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 22:52:41
このレスは削除されています
- 195125/11/15(土) 23:00:11
- 196125/11/15(土) 23:02:26
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【次スレのご案内】
ここまでお付き合いいただき有難うございました!
移行いたしますのでこちらは埋めていただけると助かります
これは、万世で一番慈しい鬼退治 其ノニ|あにまん掲示板「どうしたどうした、可哀想に」「俺は優しいから放っておけないぜ」ーー注意書き・本作は一部の鬼と鬼殺隊員の交換が生じております・原作程度の流血、欠損描写があります・スレ主のコラや絵がたまに投下されます(…bbs.animanch.comーーーーーーーー
- 197二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 23:02:58
コラの出来が凄い
- 198二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 23:08:43
スレ主文才も画才もあって多才だな!
誰が敵で味方なのか楽しみでワクワクしながら見てるよ! - 199125/11/15(土) 23:11:56
- 200二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 23:14:04
まあ体格が恵まれているから修行すれば伸びるし