- 1二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:13:04
トリニティ付近に捨てられて衰弱していた赤ん坊を拾ってしまったセリナ
周辺状況のきな臭さから救護騎士団で世話をすることを決める団長
以降救護騎士団の出動時、背中に赤ん坊がおんぶされている姿が目撃されるように
――――――――――――――――――
という概念をSSにするスレ。51スレ目。
マジでいつ終わるのこれ。
本編(1連の話)は5スレ目で終わっている
既に番外編(他校生徒とのスピンオフや、本編の幕間のお話)
もはや物語の整合とかキャラの成長とか気にせず書きたいものを書いている。
見たい概念や概要を書いてくれたら俺がSSにしていく。
狙い目は話と話の合間の何かこっかなーと言ってる時。
お前らが考えて、俺が書く。そういうスレ。
書きたい人、書ける人は供給してくれると俺が喜ぶ。
俺は反応しないけど確実に喜んでいる。
スレが続く限り、半分くらいSS生成妖怪と化してきた俺が
可能な限り毎日、救護騎士団とトリニティの子守りのお話や
子供と接するブルアカキャラのお話を書いていく。
(お話の途中でスレが落ちたらまとめ読みの所に行くと、その終わりまで読めると思う。)
最近なぜかC&Cの子守り(別世界線)の話も始まった
本当になぜだか分からないが、こっちを楽しみにしている人もいるらしい。
こっちはスレ末尾にごくまれに更新される。 - 2二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:14:15
前スレ
【SSスレ】ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記 Part50|あにまん掲示板トリニティ付近に捨てられて衰弱していた赤ん坊を拾ってしまったセリナ周辺状況のきな臭さから救護騎士団で世話をすることを決める団長以降救護騎士団の出動時、背中に赤ん坊がおんぶされている姿が目撃されるように…bbs.animanch.com今までのスレをまとめてくれてる所
なんとスレを跨ぐ続きものもここからまとめて飛べる。
ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記過去スレまとめ | Writening初代 https://bbs.animanch.com/board/3194432/ 2 https://bbs.animanch.com/board/3248666/ 3 https://bbs.animanch.com/board/3298055/ 4 https://bbs.animanch.com/board/3347275/ 5 https://bbs.animanch.…writening.netまとめつくってくれた人のレスと、まとめスレの編集の仕方
https://bbs.animanch.com/board/3626523/?res=18
まとめるつもりだけど遅々として進まないまとめ読みできるところ
やらなきゃとは思うけど、遅々として進まない。
ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記(本編/子育て日記) - ハーメルンあにまんに投稿したSS ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記 トリニティ付近に捨てられて衰弱していた赤ん坊を拾ってしまったセリナ 周辺状況のきな臭さから救護騎士団で…syosetu.org【このスレでしか出てこない固有名詞について】
スズラン:>>1のセリナが拾って来て救護騎士団で育てることになった子供の名前。
盾ちゃん:5スレ目のおつかいの時に出てきたスズランから盾を貰った子。固有名詞は決めてない。
シズク :13スレ目からの続きもの「家族」に出て来た子の名前。
人形ちゃん:11スレ目、夏祭り編で貰った呪いのお人形。固有名詞があった。そういえばあった。
亜麻羽根部(作中):10スレ目、シスターフッドの記録で出て来た秘密倶楽部。スズランファンクラブ。
亜麻羽根部(現実):謎の連携を見せるスレ民たち。なぜか無言で連携する。すごくてこわい。
アザミ :別件C&C編の赤ちゃんの名前。名前を直後に原作キャラに名前が被った。やらかした。
カトレア:別件C&C編のお嬢様の名前。お話を引っ張る人としてレギュラー化予定。
【どんなお話なの?】
救護騎士団が子育てをしたり、トリニティ生がそれに巻き込まれたり
キヴォトスの色々な所に行ってキヴォトスの生徒と親交を深めたりする話。
特に山も谷もオチもない。ひたすらにぬるま湯のような世界。
【長いのにもう追いつけるわけねえだろ】
1スレ~5スレ目が本編。ここまででトリニティの関係性は分かると思う。
あとは各自好きなキャラが出そうなとこを読めばたいだい分かる。
前後や世界に繋がりはあるけど、繋がってるからどうということはない。
- 3二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:15:15
前回までのあらすじ
過去スレまとめが30行に収まるわけがない量である。
というかもう既に書いている奴がここまでに何があったか全部を把握してはいない。
しかし、なんとずっとまとめを更新してくれてる人がいる。ありがたい。
1~5スレ目:子育て奮闘記(日記形式)本編
出来る限りちゃんと続き物意識してるのはここまで。
6スレ目以降: ぜ ん ぶ 番 外 編(まとめをご参照)
救護騎士団の【思い出】
→短編やスレ冒頭のスレ落ち対策のお話
よく失敗して中編くらいになることもある。
救護騎士団の【アルバム】
→中編~長編。他校の子達とのお話はだいたいこれ。
特に物語上のつながりや時系列はない
(季節でスズランの成長具合が変わるくらい。)
前スレ:百花繚乱編…というか実質シュロ編。あとノリで先生編が始まった。
今回のスレ落ち対策は「ナギちゃん、スズランがいない世界のナギちゃんと会う。」
何気に、今回スレ落ち対策のお話最長記録更新。やらかした。 - 4二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:16:17
救護騎士団の思い出:ナギちゃんとナギサ様。
桐藤ナギサ
―――――――――――――――――――――
今日は仕事を調整して、スズランさんとお散歩の日。
調整に調整を重ねてようやく実現できるのだから
生徒会長という仕事も楽ではない。
スズランさんも楽しみにして下さっているようで
昨日、すれ違った時にはニコニコと
「どこいく?」なんて聞いてくれた。
校内だけの約束とはいえ
ずっとしてみたかったスズランさんとのお散歩に
私は胸を躍らせながら、生徒会室で到着を待つ。
「……君はいつからそうなったんだい。」
「何のことでしょう。」
「君がそうも子供好きだとは思っても居なかったよ。
というか、疎ましく思うタイプだと思っていたのだけどね。」
せっかくの楽しい気分に水を差して
詰まれた書類の山にサインをしていくセイアさん。
確かに、少々仕事を多くお願いをしてはいるものの
それはセイアさんが自ら引き受けてくれたことで
私が無理にお願いをしたことではないはずだ。
「どういう意味でしょう?」 - 5二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:17:20
「いや、そっちの方が君らしいと思ってね。」
仕事量への嫌味かと思っていたのだが
どうやらそうではないようで、頬杖をついて
こちらを楽しそうに見ながらクスクスと笑うセイアさん。
書庫から資料を持ち出してきたミカさんも
困ったような顔でセイアさんと一緒にくすくすと。
「まあ、ナギちゃんが楽しそうだしいいんじゃない?」
「そうだね、仕事は私達に任せて
一人の桐藤ナギサとして、ゆっくりとしてくるといい。」
「ええ、そうさせて頂くつもりですが。」
相変わらずよく分からない二人の心の中に
私が疑問符を浮かべていると
コンコン、と生徒会の扉を鳴らす小さなノックの音。
すっかりと礼儀作法もしっかり覚えたのだが
待ちきれずにひょこりと扉から覗いた顔に
私はランチバスケットを片手に席を立ちあがる。
「スズランさん、ようこそいらっしゃいました。」
「なぎちゃー、おしゃんぽー!」
スズランさんの姿は動きやすい服装にいつものポーチといつもの水筒。
大きな翼も綺麗に梳かされて、お出かけの準備は万端だ。 - 6二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:18:21
「はい、ではお散歩に参りましょうか。」
あとは任せます、とミカさんとセイアさんの方を見ると
小さく手を振り送り出してくれる二人。
今日の計画は色々と考えてみてはいる。
ティーパーティーの庭園でお茶をしたり
スズランさんと一緒に鳥の羽を集めて回ったり。
まだ少し暑いようなら、水辺を沿って歩いたり
どれも校内で実現できるということは
三大校であるトリニティという学園の広さ
普段は管理の手間に悩まされるそれに感謝する。
スズランさんと手を繋ぐと
スズランさんを連れて来てくれたミネ団長が
私の方へと心配そうな目線を送る。
「本当にお任せしても大丈夫ですか?」
「あら、ミネ団長は私の事が信用なりませんか。」
「いえ、そうではなく
スズランは最近、少し元気が過ぎるので。」
だいぶ大きくなって、元気いっぱいのスズランさん。
脱走報告もよく聞くようになったし
預かっていて一瞬目を離したら消えてしまった、という事もよく聞く話。
しかし、今日はそんな備えも万全に
校内の出入口にはぐるりと正義実現委員会を配置した。 - 7二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:19:23
そんな計画を連絡してあるはずなのだが
スズランさんの目の前に屈みこんでお約束をするミネ団長。
「いいですか、今日はナギサさんと一緒なのですから
あまり無理をしないように。救護の心を忘れないように、ですよ。」
「あい、なぎちゃきゅーご!」
そんな言葉に、部屋の中でミカさんとセイアさんがクスクスと笑う。
ほんの少し不愉快ではあるのだが
今はそれよりも私はスズランさんの手を握り
スズランさんは私の手を握り返して、こちらをちらりと歩き出す。
「おしゃんぽー!」
「はい、学園の中をたくさん探検致しましょう。」
「たんけん!」
スズランさんに合わせて歩き出した私の歩幅。
とてとて、ちてちて、そんな音が聞こえそうな
スズランさんの足を追いかけて私は校舎の中を歩いて行く。
聞こえてきそうな擬音よりも早い足取りに
ミネ団長が「救護ですよ!」と最後に一言声をかけると
スズランさんは大きく手を振り返して
ぎゅっと私の手を強く握った。
「なぎー、きゅうごー!」 - 8二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:20:24
―――――――――――――――――――
しばらくと、学園の中を歩いていると
いろんな人に手を振って、手を振り返して
すっかりと私よりも知り合いが多くなった学校の中を歩くスズランさん。
案内をしようと思っていたのに
私よりも学園の細部には詳しいかのように
私も知らなかった学園の細かい所を教えてくれる。
「なぎ、はねのいし!」
「あら本当ですね、こんなところに顕彰碑があったなんて。」
きっと昔のトリニティを支えた名だたる生徒の顕彰碑。
それが今では忘れ去られて、こうやって落ち葉を被っている。
たくさんある記念碑のリストの中にも出てこない
誰のものなのか、もう文字も読めないそれを二人で眺め
見つけ出したスズランさんをほめそやす。
「スズランさんは私も知らないトリニティをたくさん知っているんですね。」
「えへー。おしえあげる!」
褒められたことに気分をよくしたのか
照れ照れとした笑顔で私の手を引くスズランさん。
私は計画していたリストをそっとポケットに仕舞い込み
今日はスズランさんの案内に任せてみよう
そんな気分で手を引かれるままあるいてゆく。 - 9二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:21:30
スズランさんについてまたしばらく歩くと
またも見たことのないモニュメント。
管理があまり行き届いていない区画がある
というのは生徒会長の身としては少し恥ずかしいものがあるが
雑草の生い茂った中に迷いもなく踏み込んで
ほら、これは知っている?とスズランさんは指をさす。
「なぎー、こえー。」
「これは……碑文でしょうか。
古代語で書かれているようですね。」
「えとね、これねー……んしょー、んしょ。」
ぐい、ぐい、と力いっぱい碑文が刻まれた石を押すスズランさん。
普通は動くわけもないのだが
どういうわけだか、ずるりずるりとスズランさんの力でも
動いてしまったその碑文の下にあったのは地下通路。
「ね!」
「……スズランさんはこれをどうやって見つけたのでしょう。」
「えとねーあのねぇ……こっち!」
説明を聞いてみたかったのだが、迷いもなく
その地下通路に向かって歩いて行くスズランさん。
風は通り抜けているし、きっとそんなに深い物でもないのだろう。 - 10二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:22:31
ほんの少し歩けば、見えてきた外の光に
ちょっと安心しながらも、私は外の光景に胸を躍らせる。
知らない庭園でもあるのだろうか
それとも校舎に繋がる秘密通路でも、と光に目を細めると
そこにあったのは、いつもと変わりのない校舎。
「あら、普通に学園の中に出てしまいましたね。
ここは……戻ってきてしまったのでしょうか。」
周りを見てみればいつもの校舎が目の前で
もしかして、ただのショートカットだったのだろうか。
ちょっと残念な気持ちと、そんなに歩いただろうかという疑念。
まあ、変な所に通じていなかっただけいいとしよう。
スズランさんと手を繋ぎ直した私だったのだが
私の背中から、私を呼ぶ声がする。
「あれ?ナギちゃんこんなところで何してるの?」
「ミカさん。」
「ねえねえ、私に雑用圧しつけといてさ
自分はこんな所でピクニックなんてひどくない?」
つんつん、と指さす先には腕に掛けたランチバスケット。
スズランさんと一緒に食べようと思っていたもので
ミカさんは作るところも見ていたどころか
つまみ食いさえしていたはずなのだが、と私は眉を顰める。 - 11二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:23:31
「ミカさんは今朝も食べていたでしょう?
それにミカさんの分も作ってあげたはずですが。」
「何それ、知らないんだけど。
……っていうか、その子誰?どこの子?」
訝し気な顔のまま、つんつんと指をさすのは私が繋いだ手の先で
スズランさんが私の顔を見ながらのニコニコ笑顔は
「ね?不思議でしょ」と言わんばかりのスズランさんの顔。
当然、ミカさんがスズランさんを知らない訳もなく
そして私がいまここで、スズランさんといる事を知らない訳もなく。
私の頭が弾き出した答えは、ヘタな事を言わない方がいいと言う事。
「迷子を見つけまして、正義実現委員会に連れて行くところです。」
「その子、前にもどこかで見たような気がするんだけど。
……というか、ナギちゃんが直接連れて行く必要なくない?」
「見つけたのだから仕方がありません。では私は急ぎますので。」
足早にミカさんに背中を向けてこの場を立ち去ろうとする私。
ミカさんはドブ攫いでもしていたのか
シャベルを片手に不機嫌そうな顔で私の背中を睨んでいるが
おそらく、それを指示したのは"私"なのだろう。
「スズランさんここは一体どこなのですか!?」
「ふしぎ!」 - 12二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:24:32
何の説明にもなっていないスズランさんの説明に
私は考えを整理しながら、隠れる先を探して歩く。
この近くには過去に使っていたセーフハウスがあるはずで
いったんそこまで逃げ込めば、人にも会わずに済むはずだ。
そこでスズランさんに帰り方を聞いて
なんとかこの状況を脱しなければ。
私の手を引いていたスズランさんの手を今度は私が引いて
セーフハウスの隠し扉を開けて暗証番号を撃ち込めば
問題なく開いて暗証番号は私が設定したものと同じ。
どうやら、ここはトリニティに変わりはないようだ。
「……ここならば一旦は。
スズランさん、詳しくお話を……」
「いったい誰ですか!」
部屋の奥から、聞き慣れた気のする、聞き慣れない声が聞こえる。
それは演説などの録音でたまに聞く事がある自分の声。
目を部屋の奥に向けてみると、不審に顔を歪ませた
自分自身の顔がそこにはあった。
「なぜこの場所を知って、いえどうやって扉を開けたのですか。」
暗い部屋の中、怯えた様子で私に警戒心を剥き出しにする私。
向こうからはきっと逆光でこちらは見えていないのだろう。
「落ち着いてください。私の声に聞き覚えがあるでしょう?」 - 13二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:25:34
興奮した様子の向こう側の私は、私の言葉に少し考え
愕然としたかのような表情に変わる。
きっと、暗い部屋の中で落ち着こうといていたのだろう。
震える手で部屋の明かりをつけると
信じられないものを見たかのような表情をする。
私だって、さっきの件でなんとなく察していなければ
この顔になっていたであろうこの表情。
「……落ち着いてください。
私達は一旦、隠れる場所を探しているだけです。」
「どう落ち着けというのですか、貴女は……貴女たちは……?
誰ですか、その子供は。」
事態は呑み込めないままに、
私と手を繋いだスズランさんに目を向ける向こうの私。
変なものを見るかのように、
自分が子供と手を繋いでいる姿が想像もできないかのような顔をする。
「確かに、私には違いないようですが、
なぜ子守りなんてしているのですか?」
「色々とありまして。」
「……よほどそちらの私はお暇なようで。」
おそらくは、嫌味でこちらの感情を揺り動かして優位に立とうとしているのだろう - 14二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:26:35
自分の手口なのだから、分からないわけがないのだが
大して上手くもない銃から手を離せていないのが
あちらの私が、いかに余裕がないのかよく分かる。
「なぎちゃ、とね、なぎちゃ!」
「ふふっ、そうですね。
自分の前に自分がいるというのは不思議な感覚です。」
余裕がない時でも、さらに余裕がない人を見ると、なんだか落ち着いて来る
なんて話はあるものではあるが
それが自分ともなれば、効果は絶大なようで
もう少し心の余裕でも持てばいいのに、とでも言いたくなる。
おそらくは、彼女……いや私の言い方を聞くに
こちらの世界にはスズランさんはいないのだろう。
取り乱して、机の下に落ちた書類は
アリウススクワッドへの連絡を取るための極秘に練られた計画書。
まだ草案としてまとめている最中のようだが、私はとっくに実行に進めた計画だ。
「あら、まだ草案段階ですか。
手が遅いと言うか、あまり進捗がよくないようですね。」
「それは……。」
きっと、知られてまた内乱になることを恐れているのだろう。
ミカさんあたりに恨まれるのではないかと考え
適当なドブ攫いでも任せたて距離を置いたに違いない。 - 15二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:27:36
「私から一つアドバイスを。」
「……なんでしょう、子供の世話をする余裕がある私に
ぜひ仕事をサボタージュする秘伝をお聞きしたいところですが。」
「誰かに相談した方が、ずっと早く進みますよ。
そうですね、例えば先生とか。……ミネ団長も協力を拒みはしないのでは?」
自分の口から出た言葉だと言うのに
信じられないと言うかのような表情をする向こうの私。
彼女と私の違いはほんの少し、誰かと手を繋いでいるという違いだけ。
つなぐ手がないだけで、彼女は銃から手を離せずにいる。
「分かったような事を……!」
ホルスターから銃を抜き、構える私。
たぶん、以前の私は過去の自分にかけて悠々と待つ。
パン、パンと乾いた銃声がセーフルームから鳴り響き
私の隣、壁には弾痕を残した。
「ええ、私なら当てられないでしょう。
色々と考えた結果、行動に移せないのが私でしたから。」
なんだかおかしくて、クスクスと笑っていたのだが
部屋の奥では茫然自失の私が達竦み
さて一度、セーフルームの扉を閉めようかなんて思っていると
ドタバタと凄まじい勢いで誰かが駆け寄ってくる。
いや、私はこのドタバタはもう聞き慣れた。 - 16二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:28:40
向こうの私はこの音を聞き慣れてはいないようで
慌てて床に落ちた計画資料をかき集め
隠すようにキャビネットの中に仕舞い込み終えると同時に到着したのはミネ団長。
「銃声が聞こえましたが、怪我人は……救護が必要な方はどこでしょう!」
「いえ、大した事ではありませんよ。」
部屋の中に突入しようとするミネ団長。
さすがに、秘密裏の計画書を無理矢理見せては
こちらの私は計画を進める事すらやめてしまうだろうと
入口でミネ団長を引き留める。
訝し気な顔で部屋の奥を覗き込むミネ団長に
私と手を繋いでいたスズランは元気に挨拶。
「みねまま!」
「あら、スズランさんではないですか。
また遊びに来られたのですか?」
「あら、ミネ団長はご存知なようで。」
「ええ、稀に遊びに来られますから。
それにママと呼ばれてしまっては無下にもできません。」
なんだか帰る目途のついた気のするそんな様子に
私は部屋の中をチラリ、一歩足踏みをする私を振り返る。
そして「頑張ってくださいね」と小さく自分にエールを送った。 - 17二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 03:38:15
原作時空かな?
ナギちゃんはもう少し苦労の時だろうけど人を頼れるようになれば楽になるよ - 18二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 04:01:14
ミネはある程度認識しててくれて良かった
こっちの世界の救護騎士団は娘としてはないだろうけど自分の事を慕ってくれる子としては見てくれそうだね - 19二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 09:07:46
ここのトリニティの不思議がますます増えた話だった
- 20二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 09:36:26
スズランを知らない原作世界と絡むとしたらどうなるか?のリクエストずっとしようと思ってたけど結構きついかな?と思ってた言い出せなかったんだよね
奇しくもこんな形でそれが叶うとは思わなかった話ですわ - 21二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 10:00:04
エデン条約直前のまったく余裕がなかった頃のナギちゃんか
この助言でここの世界も枝分かれになるか?と思ったけど結局話を聞かずにそのままやって原作通りになりそうな予感もある - 22二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 14:20:27
今となってはスズランは生徒の誰よりもトリニティのことに詳しいんじゃないだろうか
- 23二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 18:22:46
セイア→ミネなら分かるけどナギサ→ミネは信じられないだろうな
- 24二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 21:30:24
この反応見るとスズランは単独で何度か原作世界来てる?
- 25二次元好きの匿名さん25/11/02(日) 23:15:09
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 01:06:03
祝日の深夜救護
- 27二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 06:49:00
朝きゅーご
- 28二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 08:26:29
シッテムの箱のログ:懐かしのお店(1)
シッテムの箱のログ:懐かしのお店。――――――――――――――――――――「ぱぱー!」
「先生、本当によろしいのでしょうか。」
執務室の入口が開くとともに
一直線に先生のもとに飛び込んできたスズランちゃん。
今日は救護騎士団の皆さんは
当番の日ではなかったのだけれども
パパと遊びたい、というスズランちゃんのリクエストに
ミネさんがスズランちゃんを連れて来てくれたというわけだ。
"うん、もちろんだよ。"
胸に飛び込んできたスズランちゃんを抱き留めて
先生はよしよし、と頭を撫でる。
ミネさんはこの後も予定が詰まっているとのお話で
少し不安そうにしながらも、スズランちゃんとお約束を交わす。
「スズラン、いい子にしているのですよ。
夕方にまたお迎えに来ますからね。」
「あーい!」
元気よく手を挙げて、ミネさんにお返事をするスズランちゃん。
そんなスズランちゃんに一抹の不安を残しながらも
先生にペコリと頭を下げて、執務室を後にする。
見えなくなったお母さんの姿にも
特に不安そうな顔をするわけでもなく
大きく手を振るスズランちゃん。
先生の今日のスケジュールといえば実は珍しくオフの日で、
何をしようかと悩んでいたところにこの話がきた、というわけだ。…tinyurl.com駄菓子屋さんに行ってみた。
さて、何をスズランに食べさせようか、と悩むところである。
>>17:原作だと調整もほとんどせずに自分でため込んじゃってるからねえ…
>>18:たぶん原作ミネも「ママ」と言われるとママする気がするんだよな。
なんならママ経験値が低い分、暴走しかねないというか…
>>19:物語膨らませるために、謎設定がふえてゆくね!!
>>20:読みたいものが提供で来たみたいでよかった
ぱっと思いついたのがこれくらいなので、他だと上手く書けるかは分からないけどね。
>>21:ストーリー的にはアリウス編のちょっと前だよ!
落としているのはアリスクとの会合のための計画の草案だね!
>>22:下手すると、羽根や耳、尻尾のある生徒は全部把握してるくらい詳しい可能性がある。
>>23:原作だとナギちゃん的にはミネ団長って救護暴走特急だからねえ…
>>24:たぶん来ている。おそらく来ている。
>>25:エデン後なのでたぶんちょっとは余裕あるよ!
この後、番外編を前スレにおいておくね。
C&C編はたぶん今日の夜だよ。
- 29二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 09:07:43
パパ先生はまーたスズラン甘やかして。スズランがお菓子食べ過ぎて夕食あまり食べられずにミネに救護!されても知らんぞ。
- 30二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 09:30:13
やはりゲロ甘なパパ
- 31二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 11:14:10
最近は駄菓子も高いからこれくらいなら良いなぁと思う次第
- 32二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 11:56:24
五百円か結構買えるなスーちゃん何が好きだろうか
- 33二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 12:09:11
スズラン酸っぱい系激辛系好みそう
- 34二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 14:26:55
駄菓子持って帰ったらナツが食いつきそうだ
- 35二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 15:27:02
前スレの要素いくつか回収されてた!
- 36二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 15:45:50
- 37二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 15:54:39
「にひゃくみりいっちゃーとー
さんみゃくごじゅーみーっちゃは
よんひゃのごじゅー!」
ここって
「200+350=450」って言ってます? - 38二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:44:14
そういえば駄菓子屋に注射器に入った水飴ぽいお菓子があったな
- 39二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:52:15
駄菓子屋は玩具もあるよね
- 40二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:56:24
駄菓子が食べたくなった
近々探しに行くかな - 41二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 00:17:17
シッテムの箱のログ:懐かしのお店(2)
シッテムの箱のログ:懐かしのお店(2)―――――――――――――――――――ええと、ええとと指折り数えるスズランちゃん。
すぐに指は足りなくなって
先生の指を借りても20が限界点。
まるで計算しやすい配慮かのように
端数の切り揃えられた商品の数々。
1つ桁を切り捨ててもいいのは幸いだが
もし私とアロナ先輩の手を貸せたとしても
足りない指の数に頭を抱えるスズランちゃん。
おかげでなかなか進まないお買い物に
レジに座っていたおじいさんとアロナ先輩は
いつの間にかもう居眠りを始めてしまっていた。
"スズラン。じゃあこれで数えてみよう。"
「?」
"これはなあに?"
「ごひゃくみりっとる!」
まずはスズランちゃんの硬貨の数の数字。
そして次に取り出すのは、100と書いた硬貨を5枚。
"スズラン、これは数えられる?"
「ひゃくみっとる!」
"うん、ひゃくがいくつあるかな?"
「いち、にー、さーん、……しー、ご!」
"そう!スズランは天才だね!"
先生の珍しく先生らしい姿。
普段はあまり授業なんてしないのに
まるで教え方を熟知でもしているかのように
スズランちゃんに数字の数え方を教え込む。
"百が5こあるから?"
「ごこひゃく!」…tinyurl.com懐かしのお店は、プラナちゃんには
もしかするとちょっと寂しい思い出かもしれない。
プラナってこの記載で良いのか……?
>>29:500円だから、せいぜい500円程度だから!!
>>30:今回は節制してる方だから!!
>>31:物価……?(値段の思い出が遥か幼少期)
>>32:今回、情報収集に行きたかった駄菓子屋さんが営業していなかったので
具体的なお菓子が2つしか出て来ていないのである…
>>33:確かに酸っぱい系なんだけど、たぶん見た目的にアレじゃねえかなって!
>>34:ナツは駄菓子屋好きそうよねw
>>35:ええ、可能な限りは回収していきますとも。
>>36:俺も書いてる途中で思い出したよ、戦車走ってるのだいぶ異常だよなって。
>>37:お気づきですか、こだわりポイント、今日への伏線です!
>>38:今回完全にそれオチで狙ってた。
>>39:おもちゃはね……今回は1つだけの登場予定。
>>40:最近はお店の中に作られた駄菓子屋ばっかりなのよね。
地元自生の酒屋兼駄菓子屋とか本当になくなってしまっている……悲しい。
さて、この後C&C編の方を前スレに置いておくね。
- 42二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 06:42:13
やはり親バカ、先生も救護騎士団もC&C+天才二人も、ね
スズランたちが可愛いから仕方ないのさ~ - 43二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 08:14:42
やっぱセナなんだよな
スズラン編、アザミ編ともに縁の下の力持ちとなってるね - 44二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 09:12:25
先生が授業なんて先生らしいことしてる
- 45二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 11:00:54
カトレア宅がミレニアム外の拠点のようになってきたな
周知させたトリニティと違ってミレニアムだとこういうところがないと身動き出来ないのも分かるけど - 46二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 12:30:41
店主さんが猫の立ち絵で脳内再生された
- 47二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 12:57:24
「お金が足りない」→「買うのは我慢」
という考え方ができるスズランはやっぱり天才だよ - 48二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 14:26:54
帰ってママ達に怒られるまでがワンセットだなこれは
- 49二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 15:43:27
ネルを比較に出すのは分かりやすいな
確かに!ってなった - 50二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 20:47:04
親バカばっかw
- 51二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 21:22:54
ここ読んで駄菓子探して買ってきた
すごい高くなっててびっくりした - 52二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 22:36:06
とりあえずあーちゃん元気で良かったそして確かにとも思った
- 53二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 23:34:00
アミが定着してきたな
- 54二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 00:30:34
何だかんだでアザミの体調が大丈夫で良かった
C&Cも気が気じゃなかっただろうに - 55二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 02:09:37
シッテムの箱のログ:ママには秘密
シッテムの箱のログ:ママには秘密――――――――――――――――――――――――スズランちゃんが、追加の袋を大切そうに抱いて
駄菓子屋さんの外に出る。
その中には大量の注射器。
正しく言えばシリンジに入った水あめが
一番小さな袋の中にいっぱいいっぱいに詰め込まれていた。
「先生。」
"……だって、たくさん色があったから。"
「先生。」
"本物の注射器に触っちゃうよりはいいと思って。"
はぁ、と私が大きくついたため息に
先生はほんの少し反省した顔をするが
きっと、これは治る事のない不治の病。
唯一のメリットである
珍しい先生のしょぼくれた顔を見られることも
スズランちゃんの嬉しそうな顔を見て
いつの間にか優しい顔に戻っていて消え去っており
これ以上いった所で無駄だろう。
「救護騎士団の人達に怒られますよ。」
"それは……。"
スズランちゃんを見失わないように
きちんと手を繋ぎ、先生は周囲を見渡す。
住宅街の中にある小さな駄菓子屋。
ここから先生の自宅はそう遠くはない
シャーレの方が遠いその場所の周囲には
寂れた神社と、錆びだらけのバス停。
帰りはバスを使うつもりだったのだろうけれど
スズランちゃんの手を引いて
ただ…tinyurl.comおい、どういう事だ。黒棒が全国区じゃないだと?
chatGPTちゃんに名前を思い出せなくて聞いたら
九州発祥って言われて、これローカルネタか!?となったよ……
スズランが食べたのは黒糖麩菓子なのか黒棒なのかは読者各位にお任せするよ
黒棒ってなんぞ、というと
一番似ている食感はサーターアンダギー。
もうちょっとモソモソしてるよ、味はほぼ黒糖、というか黒糖の味しかしないよ!
正体はカステラを黒糖漬けして焼いたか乾かしたかしたものらしい。
>>42:完璧に親として完成していないのも、またブルアカのキャラの特権よ!
>>43:何より俺の作中の都合を完璧に支えてくれてる最強の子よ。
>>44:ちゃんと原作でもしてたから!!
>>45:ミレニアム学内ってパヴァーヌでも案外描写なくってね。
とりあえず好き勝手にしていい場所を拠点にした方が楽かなと。
>>46:着物着てる猫?だとしたら俺の想像通りだよ!
固定する意味のない所はできるだけ固定描写を書かないようにしてるけど
こういうモブが出てくるときは、一応決めてたりするよ!
>>47:たぶんこの頃のスズランは既に羽根屋さんしてるからね!
小石がないから買えない、と諦めたり小石を探して戻ってくる生徒とか見てるんじゃないかと。
>>48:今日また怒られる項目が追加された。
>>49:というわけでたぶんアザミは小さめの子になるよ!!
>>50:そりゃあまだみんな学生さんだもの。
>>51:正直、作中で500円にしたけど足りねえよなこれ、とは思ってた。
毎回お金の描写のたびに思うけど、確か原作中の通貨単位は円だったよね……?
>>52:しかもなぜか身長ちっちゃい子がやたら強いキヴォトスだからね。
>>53:アザミが原作被りしちゃったから、愛称をスライドしようと試みてる。
>>54:ネルの勢いがないのが何よりの証拠よね。
- 56二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 03:24:32
どんなに内緒にしててもバレるんだよなぁ
- 57二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 03:28:38
神社で駄菓子を食べる情景の田舎での思い出感よ
こういう些細な事ってずっと覚えてるよね - 58二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 09:51:03
パパと秘密の駄菓子良いね
情景も何となく思い浮かぶ - 59二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 10:09:28
ふとアミのことで思い付いたんだけどC&Cがどうしても都合付かなくてカトレアが面倒見る時にはぐれてしまってそこを近くに来てたスズランが助けるとかの邂逅ありかな?って
カトレアだけに会わせる形ならC&C居ないから関係者だと思われることないし、スズランの耳なら探してるカトレアの声も聞こえるんじゃないかなと
ちびっ子だけの遭遇ならトリニティ側もママ達居ないだろうし子どもの頃に公園で会った見知らぬ子みたいな感じになるかな?と思いましたわ - 60二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 12:02:36
駄菓子も地域によって違うのね
てっきり作中だけの物だろうと思ってたけど調べて「まったく知らない駄菓子だ…」ってなりましたわ