- 1二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:38:58
- 2二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:39:46
半田「退場ッ」
- 3二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:40:04
円堂を引っ込めるわけには行かないから補欠決定ェ
- 4>>125/11/03(月) 16:40:05
その巨体をベットから起こした男は、日課に基づき部屋のカーテンを開いた。まぶしさで一瞬瞼を閉じる。まだ太陽は登ったばかりのようで、夜の闇に沈んだままの家と、朝の光に照らされた家の二種類の屋根屋根が見えた。
一日が始まったことを実感し、同時に昨日で春休みが終わってしまったことを思い出した彼は、その強面を無表情から苦面に変化させていく。
気持ちを切り替える為に洗面台に向かい、顔を洗う。くよくよしてはいられない。今日は入学式。とうとう自分も中学生になるのだ。
とてもじゃないが中学生には見えない大男。彼は自分を「シマキン」と名乗っている。 - 5二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:40:45
ポジションはなんとなくイメージに合っててリラックスできますね
- 6>>125/11/03(月) 16:41:25
新入生に飢えた二、三年生の群れ…入学式を終えた新入生…草食獣…彼らを喰らわんとする肉食獣の群れッ
自身の所属する部活動のメンバー…血肉を増す為蠢く獣たちッ
そこにあるのは抜け駆けに横取り…バーリ・トゥード(なんでもあり)の世界ッ
か弱い新入生…何も知らぬ弱者…草食獣…彼らは獲物…狩られる側…
ただ、一人を除いて…
ズシン…ズシン…怪獣映画さながらの大きな足音が聞こえた。幻聴…そのはず…が…音は無くならず…それどころか近づいてくる…一人がふと、目を音のする先へと向けてみた…そこに居たのは!
島
木
‼︎‼︎
中学一年生にしてその身長210cm…小便器はしゃがまなければ器に標準が収まらず…大便器は座れば軋むッ
彼が被捕食者…?NO…強食者!生態系ピラミッドの頂点…百獣の王ッ
その迫力に押され…一年生はおろか…二、三年生…教員ですら一歩たりとも動けない…
「とっとと帰ってゲームでもするかの…」
周りの思いもつゆ知らず。中学時代、シマキンはかなり呑気な性格だった。 - 7二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:44:31
恐らくFF編のかませGK枠だ
- 8>>125/11/03(月) 16:51:33
「何ちゅうことや…」
三週間後。ベンチに座るシマキンが落ち込んでいることは、誰が見ても明らかだった。
小学時代、あらゆる人間から拒絶され続けたシマキンは、自分が馴染める部活を見つけようという目標を持って中学生になる。入学当初は「おっしゃあっ!とうとうワシの居場所を探せるで!」なんてやる気に満ちたことを言っていたが、いざ体験入部を始めてみると、結果は散々なものだった。
先ず相撲部。トレーニング器具を壊しまくって追い出された。
次にラグビー部。またもやトレーニング器具を壊しまくって追い出された。
続いてバスケ部。器具を壊す、追い出される。
最後に陸上部。
こわ
でる
「ワシ…もう帰宅部になろうかの…」
昔からいつもこうだった。毎日いろんなところに体をぶつけたり力が強すぎて物を壊したりして、いつも迷惑がられて最後には追い出される。
小学、中学と人から拒絶され続けた彼は、いずれ自分が人の輪に入れない人種と悟って不良となり、後に尼崎へと引越して暴力を用いて暴走族を率いることとなる。
この一言が、無かったら。
「なあ、サッカーやろうぜ!」
顔を上げた先には、やる気と希望に満ちた顔のサッカーバカが居た。 - 9二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:53:04
なにっSSっ
- 10二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 16:55:32
よかったのぉダークエンペラーズ
変なトゲトゲを他所から借りて来ずに済むで - 11>>125/11/03(月) 17:28:13
「なあ。お前の体格なら、ゴール前に立ってるだけでシュートは全部弾けるんじゃないか?」
「ち…ちょう待ってや!何の話をしとんねん!?」
混乱した頭がなんとか言葉を思いつき、少しどもったが会話が成立した。
「あ…悪い。ちょっといろいろすっ飛ばして話しちゃってたか…?」
サッカーバカとて、流石に気遣いはできる。シマキンが落ち着くのを待つことも。
「お…おう。なんとか落ち着いてきたで。ほいで、何の話をしとったんや?」
「ああ!サッカー部だよ!サッカー部!オレが作ったんだ!入部してくれないか?」
シマキンは少し悩み、困ったような悲しげな顔をして答えを返した。
「…悪いの、ワシ、いろいろ物を壊してまうんや。部活のトレーニング器具とかも…だから、ワシを部員にしたら迷惑が…」
「やりたいのか?」
「へ?」
「サッカー、やりたいのか?」
…さっきよりも長く黙るシマキン。彼は考える時、あれこれ動かず、じっとするタイプだ。結論が出たらしい。まだ歯が生えそろっている口を開いた。
「やりたい。」
「マジか!?じゃ、ぜひうちに入ってくれ!」
「え!?いや、だからワシは…」
「サッカーがやりたいなら、やればいいだろ!やりたいんだから!」
「………」
心が救われた。自分を受け入れてくれた。仲間だと認めてくれた。
「…ん!?どうした!?ごめん!?泣かせちまったか!?なんか悪いこと…」
「てめえが雷門中学サッカー部か。」
笑顔をこぼして、意を伝える。
「入部したらあっ!」 - 12>>125/11/03(月) 17:32:04
季節は巡り、時は廻る。シマキンがサッカー部に入部してしてから一年と三ヶ月が経過した頃。
成長期を経たシマキンはさらに背が伸び、身長255cm。巨大を超えた巨体となった。
「ババタレがーっ!」
部室にシマキンの怒鳴り声が響く。
そりゃ、彼の立場ならこの現状を見て怒鳴りたくもなる。ゲームで遊ぶ部員、漫画を読む部員、トランプで遊ぶ部員…彼らを初見でサッカー部だと見抜ける人間は多くないだろう。
「円堂はもうグラウンドに向かっとるんやぞ!おどれらピコピコペラペラしとらんでとっとと練習せえや!」
「また島木さんの癇癪でやんす…」
「十一人部員が揃ってもいないのにグラウンドを使わせてもらえるわけないじゃないスか…」
「もうすぐこの部も廃部されるってウワサもあるしな…」
「ガタガタ抜かすなや!そんなウワサが出とるのも部員が揃わんのもおどれらのやる気がないせいやないケ!不眠不休で練習せえや!」
「先にグラウンドに向かってるでェ!」そう言うと、シマキンは部室を飛び出して行った。部員を信じて放っといておくらしい。
「ンな無茶な…」
誰が言ったのか。そう一言ぼやくとサッカー部員たちは最初からシマキンなどいなかったかのように再び遊び出した。 - 13二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:33:49
この巨人に怒鳴られて怯えない以上サッカー部員は?
- 14二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:35:29
- 15二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:35:56
このGKしかやる気のないサッカー部は…?
- 16>>125/11/03(月) 17:47:10
- 17二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:52:27
- 18二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:54:02
これ今のサッカー部は初期7人+島木なんスか?
まさか誰か猿空間送りって訳じゃないでしょ? - 19二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:55:42
- 20二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 17:58:11
世界編って…ま…まさか
GK3人体制…? - 21>>125/11/03(月) 18:03:08
「ふーん…サッカーね…」
「風丸!お前一流プレイヤーと競ってみたいって言ってただろ?もしやる気になったらいつでも来てくれよ!放課後は鉄塔広場で練習してるから…」
「サッカー部?僕が入るわけないだろ?せめてあと1人足りないって時にもう一度きたら?」
「む?あと1人?」
「この目金が弱小サッカー部を救ったときたらかっこいいじゃないか…ククク…」
「えらそうなモヤシやのう…」
「サッカーなんて軟弱の極み…」
「なんか言うたか?」
「…どすこい!(知らんぷり)」
なかなか部員は集まらない。が、諦めたらそこで終わりだ。学校中を駆けずり回る二人。 - 22二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:05:06
- 23二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:07:20
- 24二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:08:33
お前の使い手はFF最弱のGK(ゴールキーパー)!
- 25二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:09:59
シマキンの属性はやっぱ山なんスか?
- 26二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:11:04
- 27二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:12:25
このゲーム林属性多くないすか?
- 28二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:15:50
フェンスオブガイアとかを使うのかもしれないね
- 29二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:16:07
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:17:39
- 31二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:19:05
- 32二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:20:23
- 33二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:23:41
- 34二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 18:29:22
- 35>>125/11/03(月) 19:40:59
ちなみに属性はdice1d4=4 (4)
1.風
2.林
3.火
4.山
らしいよ
ファーン!という電車の警笛が聞こえた。
広場までの急な階段を登る円堂とシマキン。階段の上から沈みかけの太陽を反射した鉄塔の光が目に差してくる。
いつもの練習場に着いた。そういえば、サッカー部に入ってから一年が経ったことを思い出したシマキン。最初はみんなやる気があった。それから落ちぶれて行ったのはいつからだったか…どうも具体的に思い出すことができない。
「豪炎寺!」
円堂の声で沈んでいた意識が現実へと引っ張られていく。
「…ん?ちょう待ってやおどれは一体何モンや?うちの制服着とるけど…」
シマキンたちから離れていく豪炎寺。
「無視すんなや!」
「お前も聞いてるだろ?帝国学園との練習試合!」
「円堂お前も無視すんなや!」
「でも…メンバー足りなくてさ…ずっと声かけまくってんだけど…だれもやってくれないんだ…なあ、考え直してくれないかな…?」
目は口ほどに物を言うとはよく言ったものだ。この場合、豪炎寺の硬く結んだ口と目から「話す気はない。」と言われているが。
「なんで…なんでやめちゃったんだ?よかったら話してくれないか?」
険しい顔を円堂から背ける豪炎寺。
「もったいないじゃないか!あれだけのキック、最初に見たとき、俺、鳥肌立ったんだぜ!やめたのには、理由があるんだろうけど…サッカー、嫌いになった…わけないよな!好きじゃなきゃあんなキック、できないもんな!」
「お前、よく喋るな。」
「俺さ、お前とサッカーやりたいんだよ!俺たちが組んだら最強のチームができるぞ!」
人が物を言うのは口と目だけじゃないらしい。豪炎寺は練習場の段差を飛び降りる行動と、「もう話しかけるな。」という言葉で話を聞く気がないことを示した。
同時に口でも。
「じゃあ何で昨日!ボールを蹴った!」
ギロ!漫画ならそんな音が描かれていただろうか。円堂を睨むと、豪炎寺はそれっきり、背を向けて家へ帰っていく。
振り返ることは、なかった。
- 36二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:19:29
山属性GKとか円堂と丸被りを超えた丸被り
- 37二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:49:14
GK二人とかどうするやろなぁ…
- 38二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:50:16
このレスは削除されています
- 39二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:53:09
恐らく主人公とポジションを交代する予備要員と思われるが……
いやでもメインポジ被ってるの邪魔じゃないのん? - 40二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:54:47
さしもの彼といえども、ここまでキッパリとサッカーを断られてしまえば、すぐには立ち直れないだろう。豪炎寺の勧誘に失敗した円堂を労ってやろうと声をかけるシマキン。
「円堂…」
「よおぉオーし!特訓だー!」
円堂の大声が広場に響いた。シマキンにもその熱が伝播していく。それと同時に、サッカーバカのハートが折れないことをシマキンは思い出した。
「ワシも付き合うで円堂!」
「ああ!ありがとなシマキン!一緒に特訓しよう!」
「本番までにワシ以外の人数で十一人集まりきるかわからん!ワシはフィールド・プレイヤーになってもいいようにダッシュ特訓やっ!」
「気合いたっぷりだな、円堂、島木。」
声の方へ顔を向けると、シマキンと同じように、円堂の熱に当てられた顔の風丸がいた。
「俺もサッカー部に入るぜ!」
「風丸!来てくれたんだな!お前がいたら百人力だ!」
「ああ!それと…」
風丸が指を茂みの方へ向けた。と、同時に誰かがその陰から飛び出してくる。いや、飛び出すというよりはみ出すという感じだ。
出てきたのは…
「栗松!」
「円堂さんの気合いに当てられて…」
「少林!」
「オレたちもやる気ですよ!」
「宍戸!」
「特訓!やらせてください!」
「染岡!」
「火がついちまったぜ…」
「半田!」
「久々に本気出すかな!」
「壁山!」
「忌憚のない意見ってヤツっス」 - 41二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:55:31
別に円堂は本来GK専門じゃないんだよねすごくない?
おそらくMFになると思われるが… - 42二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:56:29
まさかのSS編に感動しておりますズズッ
- 43二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:57:50
これが普通のサッカーなら3m近い化物が突進してくるだけで中坊はちびるんじゃないスか?
- 44二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:58:12
恵体を超えた恵体だしどこへポジション滑りしてもやっていけそうではあるよね
離脱展開回避できるなら薄すぎるFWとかになるんスかね - 45二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:59:17
- 46二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:01:09
豪炎寺と壁山とシマキンで二段イナズマ落としが出来るものと思われるが…
- 47二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:05:53
それは脅威の侵略者編で浦部リカを使っていたワシのことを…
- 48二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:09:36
円堂の熱に折れた感じで誰もシマキンの説得は響いてなさそうなの悲しーよ
- 49二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:14:35
恐らくこの積み重ねでダークエンペラーズ入りするものだと思われるが…
- 50>>125/11/03(月) 21:16:15
「よーし!雷門中学サッカー部集結だー!みんなれ明日の試合に向けてもう特訓するぞ!」
「「「「「「「「おおっ」」」」」」」」
強敵を前に一致団結した雷門イレブン。気合い全開のテストステロン大爆発。十一人がそれぞれのポジションのグループに分かれて猛練習が始まる。
「ナイスオフェンスだな島木!」「くらえっシュート!」「そう!その蹴り方だ風丸!」「今のキャプテン、なんか光ってたでませんでした?」「忌憚のない意見ってヤツっス」
忙しなく走ったり、蹴ったり、汗を流して特訓し続ける彼らの姿は、暗い夜空を切り裂く稲妻のように輝いていた。
夜もすっかり更けた頃。ひんやりとした夜に身体中を巡る熱気が心地良い。ふと、シマキンが言った。
「ワシの新しいポジション決めへんか?キーパーもええけど、そっちとは別で副ポジションってことでのう!」
「分かった!じゃあ、シマキンの新しいポジションは、dice1d3=1 (1)
1.FW
2.MF
3.DF
でどうだ?」
- 51二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:18:32
山属性FW=神
- 52>>125/11/03(月) 21:24:51
- 53二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:25:13
おそらくブロック技持ちで前線でボールをとるタイプのFWだと思われるが…
- 54二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:27:03
- 55二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:28:03
大変だあっ
影野さんが…影野さんが猿空間に消えたあっ - 56二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:29:00
- 57二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:29:57
おいおいそこはシマキンの熱意で壁山を成長させる展開でしょうが
- 58二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:32:00
なんか鯱山インストールされてるし最初からメンタルはそこそこあるものと考えられる
オラッ栗松も右近パッチで強化しろよっ - 59二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:34:31
- 60二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:43:09
おもしれーよ
- 61二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:55:19
- 62>>125/11/03(月) 21:55:22
「みんな!今日から入部してくれるマックスと影野だ!」
「ボク松野空介。マックスって呼んでよね。」
「オレ…影野。目立つためにサッカー部入ったんだ…よろしく。」
「頼りにしてるぜ二人とも!」
二人が一致団結したサッカー部に加わって、チームの絆の輪がさらに広がった。強敵撃破のため、さらに練習を積むぞ!
「…誰か忘れとるような…」
「ちょっとー!ボクのこと誘ってくださいよ!」
部室の扉の外を見ると、目をカッ開いて大口で叫ぶ眼鏡をかけた生徒がいた。
「あーっメガネ!」
「あんまりにもサッカー部に誘ってこないもんでこっちから来ちゃいました!」
「ってことはもしかしてサッカー部に入部したいのか!?」
「ククク…背番号はエース・ナンバーでお願いしますよ」
「よっしゃあこれで部員数十二人だあっ」
夏の暑さも歓喜の熱で吹き飛ばす勢い!雷門イレブンは特訓に更なる磨きをかけていったのだった!
そして…運命の帝国学園との練習試合の日… - 63二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:55:55
ふうん野生との空中戦を制すためにシマキンが思いつくも肉のヨロイで成功せず頓挫した所をそれを聞いていた壁山が成功させるということか
- 64二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:57:22
何らかのアクシデントで壁山がいなくてもロックウォールダムが出来そうでリラックスできますね
- 65二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:03:21
OMFくらいの動きができないと世界編で置いていかれそうな気がするんですけど…
ま、まさかRHプログラム - 66>>125/11/03(月) 22:10:17
「みんな!今日は決戦の日!帝国学園との練習試合の日だ!」
「朝メシは食ってきたかー!?」
「「「「「「「「「「「「しゃあっ」」」」」」」」」」」」
「たっぷり寝てきたかー!?」
「「「「「「「「「「「「しゃあっ」」」」」」」」」」」」
「活気と勝つ気満々かー!?」
「「「「「「「「「「「「しゃあっ」」」」」」」」」」」」
「行くぞー!」
「「「「「「「「「「「「う お お お お お」」」」」」」」」」」」
全員が全員、この数日間で十倍パワー・アップした気がする。やる気と元気は百倍だ。グラウンドへと歩いていく十二人。
「シマキン!似合ってるぞそのユニフォーム!」
「おうっこれ着てると元気が湧いてくるでっ」
「キック・オフはワシがやらせてもらうわ!」 - 67二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:29:23
- 68二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:29:55
このあとあががってなるのがほぼ確定なんだよね 酷くない?
- 69二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:32:03
雷門中学サッカー部、聞いています成人男性をチームに入れた異常者集団スよね……
えっ、本当に中学生なんスか - 70>>125/11/03(月) 22:33:01
グラウンドで待っていると、対戦相手が来た…
『乗り込んできた』
『乗り込んで』来た
「四十年無敗は伊達やないっちゅうことかい…」
武者震いするシマキン。他のみんなもとても興奮している。
帝国学園サッカー部は巨大なバスに『乗り込んで来た』。バスが雷門中学の前に停車すると、ドア・ハッチが開かれ、中から出てきた…『最強』の群ッ…バラバラの見た目…ヘッド・フォンをツンツン・ヘアー…ロン毛のたらこ唇…メットを被った大男…薄笑いを浮かべる眼鏡…ゴーグルとマントを装備したドレッド・ヘアー…
彼らに共通していることは三つ…帝国学園生であること…同じユニフォームを着ていること…トップクラスのサッカー・プレイヤーだということッ - 71>>125/11/03(月) 22:47:15
怯え…勇み…驚き…各々抱える感情は違えど、結果として全員が緊張していた。一人を除いて。
「今日は練習試合を組んでくれてありがとうございます!オレ、キャプテンの円堂守です!」
楽しむ心。この場では一番の緊張に対する対策。
「せいぜい…楽しませてくれよ。」
円堂が差し伸べた右手を無視して、帝国の軍団は戦場(グラウンド)へと足を運んでいく。眼中に無いのだ。所詮は弱小…雑魚…愚図…塵芥…『真の目的』以外の存在など…気にしない姿勢…傲慢…?否…余裕ッ - 72二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:48:59
巨漢を超えた化物を見て冷静でいられる中学生達はTOUGHやのぉ
ですねぇ - 73>>125/11/03(月) 22:51:45
あっ今日はここまでにするでヤンス…
ウス!"ご鑑賞"ありがとうございます - 74二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:54:38
- 75二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 22:56:09
- 76二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 23:07:09
- 77二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 00:01:41
山属性FWは貴重を超えた貴重なんだよね
何を覚えるか楽しみにしてるのん - 78二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 00:09:30
同じ属性のシュートだもリフレクトバスターとかはともかくターザンキックとかシマキンの体格でやってるの想像したらめちゃくちゃ面白いんだよね凄くない?
- 79二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 02:26:35
そういや無印はステとポジションがガバを超えたガバだから覚えるワザ如何によっては活躍できそうッスね忌憚ない意見ってやつッス たまごろうのように…
- 80>>125/11/04(火) 08:13:52
ウォーミング・アップを始める二つのチーム。それを校舎の窓から眺める人物がいた。
「うーむ一向に始まりませんねえ」
「帝国のデモンストレーションに怖気付いたのかしらね。」
「帝国は試合に負けたチームの校舎を破壊すると聞いています。試合に負けるならまだしも、もし危険などしてしまえば…」
最悪を想像し、その身を震えさせる理事長。
「私も気になっているんですよ。帝国が何を求めてうちの弱小サッカー部に試合を申し込んで来たのかね。」
理事長から視線を外し、双眼鏡と窓越しに再びグラウンドを眺める夏未。これから起こる試合を観戦するつもりのようだ。
「この試合の中で、彼らの狙いが分かるといいのですが…」
決戦の火蓋が、切って落とされようとしていた。 - 81>>125/11/04(火) 08:28:05
- 82二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 08:31:35
シマキンがどういうポジションになるのかが楽しみですね……本気でね
- 83>>125/11/04(火) 08:55:02
「さあっ本日この雷門中学グラウンドで行われる帝国学園と雷門イレブンの練習試合!四十年間無敗を誇る帝国に対してついこの間十一人揃ったばかりの雷門イレブン!実力差は圧倒的!ジャイアント・キリングなるか!実況は私、角馬圭太がお送りします!」
「ほな、宣言通りにキック・オフはワシがやらせてもらうでえ」
「待ってください!コイン・トスでどちらのチームのキック・オフで始めるかを決めてもらわないといけませんよ。」
シマキンの宣言に対して、審判が駆け寄り、ルールの説明をする。試合が久しぶりすぎてルールを忘れていたシマキンがポリポリと頭を掻いた後、審判がコインを取り出そうとして…
「必要ない。好きに始めろ。」
舐められている。全力など出さなくともいい。本気で戦うのは…敬意を払うのは…積み重ねてきた…強豪ッ…相手は毎日を自堕落に過ごしてきた…練習を一ヶ月も重ねていない…弱小…練習試合を申し込んでからいくら必死に努力しようとしても…ダメ…愚者は勝負の"瞬間"だけ努力する…なぜ勝負の"前"に積み重ねようとしていない…だから負ける…勝負の"前"に積み重ねてきた強者に… - 84二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 08:57:50
久々に見たぜシマキンスレの"名作"
- 85二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 09:00:35
おもしれーよ
- 86二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 09:13:07
壁山が鯱山と化してて笑ってしまう
- 87二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 13:06:41
善玉シマキンは麻薬ですね…もう笑っちゃって
- 88二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 13:14:20
えっFWも兼ねるんですか、おそらく技は
グレネードショット
カウンターストライク
スーパーアルマジロ
リフレクトバスター
になると思われるが... - 89二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 13:57:23
このレスは削除されています
- 90二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 13:58:36
第3の可能性…?
- 91>>1振り直しやっ25/11/04(火) 13:59:34
いざ、勝負の時…審判がホイッスルを咥える。逃げ出したりはしたくない。この数日間の必死の努力…無駄にはしたくない…ウォーミング・アップは済ませておいた。いざ…出陣…開戦の時。
ホイッスルが鳴る。
キック・オフは宣言通りにシマキンが担当。フィールドの二十二人の全員が一斉に動き出した。
「オラーッどかんかいっ」
シマキンのスーパー・ドリブル。数日間の練習で成長がさらに加速し、シマキンの身長は四メートル近くとなっていた。一挙手一投足に迫力がある。ただドリブルするだけで並の選手は逃げ出していく。しかし相手は並の選手じゃない。四十年間無敗を誇る帝国の最強軍団ッ
背が高く体がでかいが故に、シマキンの体は現状小回りが効かない。小柄ですばしっこい帝国MFの洞面は、シマキンの天敵だ。しかしシマキンも自分の弱点を分かっていないわけじゃ無い。
洞面がディフェンスに来ると同時に、
「風丸!」
「島木、風丸にパスだー!風丸がぐんぐん上がっていくー!」
「キヒぃ!」
流石は元陸上部といったところか。風丸のスピードは五条のディフェンスをものともしない。そのままボールを染岡に繋げた。
「しゃあっ」
「染岡からの連続パス!ボールが繋がった先にいたのは…半田だ!そのままボレー・シュート!」
「そんな単純な動きのシュートが入ると…」
「しゃあっ」
「なにっ」
ボレー・シュートの軌道上にシマキンがヘディングで割り込んだ。パンダから撃たれたボレー・シュートをキャッチするため、源田は予想したシュート・コースの先にいる。いくら帝国といえども、この距離からシマキンの巨体から繰り出されるシュートは止められないだろう。
「先制点はもらったで!」
dice1d2=2 (2)
1.入る
2.入らない
- 92二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 14:02:01
◇この突然現れた大熊猫は…!?
- 93二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 14:03:34
えっ、数日の訓練で更に身長伸びたんスか?
おそらく怪獣の類いかと思われるが...... - 94二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 14:41:06
この身長以外超次元でない選手は一体…?
- 95半田をパンダと書き間違えたアホ25/11/04(火) 16:29:00
雷門の生徒全員が雷門イレブンの先制点を確信したその時だった。
「な…なんだ!?ボールが風に巻き上げられていくぞ!?」
驚愕の声を上げた風丸も含め、雷門の十二人が驚きのあまり全員動けない。ボールは風に運ばれ、相手のDFの足元に収まっていった。
「助かったぜ。万丈。」
「油断してんじゃねえよ。いつもならあの程度のフェイント対応できたろうが。このザマでもうお前だけ先にあがれるんだからラクなもんだよな…。」
役目を終えた仲間に愚痴る万丈。そう。『役目を終えた』のだ。もうゴールまでボールが行くことはないのだ。
「オラ、鬼道。お前の脳みそで後はできるだけラクなゲームにしてくれ。」
「任せろ。」
そう呟くと同時に、FWにボールを渡す。
「寺門!やれ。」 - 96二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 16:32:35
ちゃんと五条さんの奇声とか小ネタを拾っていく姿勢には好感が持てる
- 97二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 16:38:20
あぁアニメと違うCV、登場しないクラスメイトetc初代は違和感がカーニバルだぜ
- 98>>125/11/04(火) 17:25:59
思い返すと、蹂躙が始まったのはその一言からだったかしら…負傷者だらけのフィールドを見て、そう思う夏未。
審判もこのあまりに一方的な展開に動揺しているからか、ゴールを告げるホイッスルの音も震えている気がした。
「…ら…雷門イレブンなす術なし…今のゴールで得点は…雷門0点に対し…帝国…19点…」
満身創痍の雷門イレブン。ボールは彼らの血を吸い真っ赤になっている。立ち上がっているのは円堂だけ。控えのベンチを見ると、メガネは居なくなっていた。
「いやだ…もうこんなのいやだ!」
弱音を吐き、ユニフォームを草むらに脱ぎ捨て、逃げ出したメガネ。幸い選手は十一人揃ってはいるが…雷門イレブンにはもはや、戦う力など残っていなかった…
「まだだ!」
しかし、立ち上がる意思はあった。
「終わってねえ…終わってねえぞ…!」
太陽のように輝く闘志。稲妻のようなショックが周囲に広がる。
「まだやるっていうのか!?」
寺門からの嬲るようなシュートの連続。体を張って受け止める円堂。
「夕香…」
木の影から試合を見ていた豪炎寺。『あの日』の記憶がフラッシュ・バックする。するが、しかし。
彼の魂にも、熱血が伝播していた。
「今回だけ…お兄ちゃん…」
ユニフォームを拾う。
「許してくれないか。」
豪炎寺の苦悩の表で、円堂の奮闘も虚しく、帝国のゴールが決まってしまった。点差はこれで20点となる。
「円堂くん…」
木野の心配も虚しく試合は続く。
「もう…見る価値もありませんね。」
校舎から冷めた目で試合を眺めていた夏未。敗北を確信し、窓から目を背けた。
「これで雷門サッカー部は…」
「お…おい、誰だあいつ。」
「あんな奴ウチのチームにいたか?」 - 99>>125/11/04(火) 17:47:55
一歩、足を踏み出す度に、地面が揺れたような感覚に陥る。燃え広がる炎のような登場。その迫力が、帝国、雷門、夏美の視線すらを奪った。
「おや…?彼はもしや、昨年のフットボールフロンティアで、一年生ながらその強烈なシュートで一躍ヒーローとなった…
豪
炎
寺
修
也
!
なんと雷門のユニフォームを着て、我々の前に登場ォ!」
「ま…まさか、帝国の狙いって…彼!?」
豪炎寺を登場に水を刺すように冬海が立ちはだかる
「ち…ちょっと待ってください!彼はうちのサッカー部員じゃ…」
「構いませんよ。オレたちは。」
戸惑っていた審判が、帝国の承認を受け、判断を下した。
「そ…それでは帝国学園が承認したため、選手交代を認める!」
「豪炎寺…やっぱり来てくれたか…」
「大丈夫か?」
倒れかけた円堂を豪炎寺が支えた。
「ははっ…お前、遅すぎるぜ。」
「ま…まだ戦える…!」
「やってやりましょう!」
「ワシも火がついたで…!」
「オレもでやんす…!」
「ボクも気合いマックスだ…!」
「拳法で鍛えた力…見せてやります!」
「偉そうにしやがってよ…!」
「ハンパに終わらせてたまるか!」
「忌憚のない意見ってやつっス」
豪炎寺の燃える闘志が広がり、雷門イレブンが再び立ち上がっていく。
風丸に代わり、豪炎寺がフィールドに入った。 - 100二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 17:54:04
シマキンが紛れても違和感が仕事してないチーム雷門でリラックスできますね…しかも創設メンバーっ
- 101>>125/11/04(火) 17:59:53
「試合再開だあっ!おおっと!雷門イレブン、開始早々にボールを取られてしまった!」
「行け…デスゾーン!」
三人の選手が飛び上がり、死のトライアングルを作り、ボールを射出する必殺技、デスゾーンッ
シュートに構わず走り出す豪炎寺。
(あいつ、信じているんだ…オレが必ずボールを止めるって。)
帝国には一つ、誤算があった。
勝負の瞬間だけしか積み重ねていない愚者は、勝負の前に積み重ねてきた強者には勝てないという当たり前。しかし、ここに一人いたのだ。
勝負の前に積み重ね、勝負の瞬間まで積み重ね続ける、筋金入りのサッカー愚者「バカ」が。
バカだったからこそ。勝負の前から勝負の瞬間、勝負の中でも努力を続けたからこそ、円堂守にはこの技が使えたのだ。
「ゴッドハンド!」 - 102二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 18:17:51
- 103二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 18:36:40
GKの練習をしてきたってことはGKと対峙した時に相手がどう考えるかを考えられるってことやん…
- 104>>125/11/04(火) 18:44:18
- 105二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 18:49:03
立ち上がリーヨして逆転が始まるんや曲が始まるんだテンションが高まるんだ
- 106>>125/11/04(火) 18:59:10
フットボールフロンティア史上トップクラスの選手の足から放たれた炎の竜巻そのあまりの威力に、源田は反応できず、ゴールポストを吹き飛ばす勢いでシュートが決まった。
「ゴオオオール!ついに…ついに!!!雷門イレブン!帝国学園から一点をもぎ取りましたアァァアア!」
「オ オ オ オ オ オ オ オ」
全校生徒が歓声を上げている。音無と木野は手を繋ぎ、喜んでいる。勝利の熱が場を満たしていく。
「ここで終わりだ。データ収集は完了した。スーパー・ストライカー豪炎寺のシュートは少しも錆びついていない。」
「たった今!帝国学園から試合放棄の申し出があり、ゲームはここで終了!」
帝国からの試合放棄の知らせ。実質的な、雷門の勝利。あの帝国に勝った。
「雷門イレブンか…覚えておこう。」
鬼道の敬意は、歓声とバスの発信音にのみ込まれて誰にも聞こえなかった。
「ねえねえ!?これって記事に書いてよね!」
「ええ!」
木野が大声で音無に頼み、音無がそれを了承した。あまりの興奮に少し日本語が崩れていた。
「豪炎寺君の登場が、試合を変えた。」
「いいえ、豪炎寺を呼び込んだ者、流れを変えたのです。
あえて言うなら、あの諦めの悪さでしょうか…!」 - 107>>125/11/04(火) 19:06:13
- 108二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:07:41
- 109二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:12:09
ああ 本編も円堂と豪炎寺以外は最序盤以外カカシだったからどうということはない
- 110二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:12:36
- 111二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:31:47
あの…なんかノベライズとして普通に出来が良い気がするんスけど…いいんスかタフカテでやって?
- 112二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:38:25
- 113二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 20:25:51
- 114二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 20:29:04
- 115二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 20:33:19
元キーパーやから御影専農で豪炎寺とあの技撃てそうですね…代わりにね
- 116>>125/11/04(火) 21:24:52
帝国との練習試合の結果が帝国側の棄権で終わってから、数日が過ぎていた。
相手の棄権といえど勝ちは勝ち。価値のある勝ちだ。「全部豪炎寺のおかげじゃないか」なんて声にはカチンと来たが、結局のところそれは事実なので言い返せない。
だが、あの帝国と試合して勝ったという結果はかなり大きかった。おかげで練習試合の申し込みが止まらない。
「尾ひれの『尾』、刈り取るの『刈』、斗形(とがた)の『斗』で尾刈斗中学校かあ。」
部室で作戦会議する円堂たち。議題は先ほどやってきた夏未が決めておいたという練習試合の相手、尾刈斗中学についてだ。
「勝てばフットボールフロンティアに出れるんだろ?オレ、ワクワクしてきた!」
「負けたら廃部っスけどね…」
「飴と鞭っちゅうことかい…なんやワシらが手玉に取られてるみたいでムカつくのう…」
シマキンが不満を露わにする。一年間サボるサッカー部員を叱り続けたことで、彼は短気な性格になったようだ。
それにしても、自信の持てないサッカー部員たちだ。当たり前だろう。結果的に帝国に勝てはしたが、道中でかなりボコられた。何よりたった一度の勝利では、一年間落ちぶれていた分のプライドは取り返せない。 - 117二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 21:37:46
- 118二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 22:15:26
- 119>>125/11/04(火) 22:25:20
- 120二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 22:30:03
イナイレ初めて岡さん推しになったのが俺…シナリオ重視のメカ円堂よ 雷門の点取り屋は麻薬ですね…
- 121二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 22:34:02
シマキンが円堂よりしつこくて腹筋がバーストしたんだっ
- 122>>125/11/04(火) 22:48:55
雷門イレブンがいつも中学のグラウンドではなく河川敷で練習しているのは、端的に言って弱小だからだ。詳細を知らない外部の人間からは帝国学園に勝ったと思われているが、実際は相手が棄権しただけだということを知っている校内の人間からは、「へっお情けで試合が有耶無耶になっただけで勝ってすらいないのに学校を救ったヒーローのつもりでいるよあのバカども…」と、サッカー部を弱小だと見下す人間も少なくない。
円堂くんたち、みんなから風当たりが強くて辛くないのかな…心の中で木野がそんな心配をしている時、音無春奈がやってきたのだった。
「木野せんぱーい!」
「あら、また新聞部の取材?」
「いえ!私、雷門イレブンのファンになっちゃったんです!もう、みんなが一生懸命戦う姿が好きになっちゃって!」
「本当!?うちのサッカー部を応援してくれる人が増えたのね!」
サッカー部をバカにする人間もいれば、サッカー部を学校を守ってくれたヒーローだと応援してくれる人もいたことを思い出し、少し気が楽になった木野。
「それで、サッカー部の皆さんの調子は今、どうなんでしょうか?」
「調子?うーん…」
雷門イレブンは練習試合の日から日々、練習を重ねている。その努力のせいもあって、実力は順当に上がって行っている様子だ。
ただ一つ、気がかりなことがあるとすれば…
「染岡!今のはファールだろ!」
「うるせえ!」
大会参加の資格が、次の練習試合に賭けられているからだろうか。染岡はピリピリしているようで、そのハードな雰囲気がチームを囲んでいる。
「このままで、いいのかな…」 - 123>>125/11/04(火) 22:50:02
あっ夜も更けてきたから…今日はここまでにするでヤンス…
ご鑑賞ありがとうございました - 124二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 22:51:30
シマキンが秋葉との試合で腹下して「あがが…」ってなってるのが見えるのは俺なんだよね
- 125二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 23:24:40
- 126二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 06:48:17
ワシめっちゃ保守やし
- 127>>125/11/05(水) 08:37:01
基本アニメ準拠だけどところどころでゲームと漫画の要素を入れておくと言っておこう
「次の試合はどことやるんですか?」
「尾刈斗中学校…」
その名前を聞くと、音無はぎょっとした顔をする。
「尾刈斗…あそこは色々と怖い噂がありますよ…!」
「怖い噂…?」
練習していたサッカー部員たちを集めて、音無に集めてくれた尾刈斗の情報を話してもらった。
「彼らと試合した選手は、三日後に高熱を出して倒れ、試合中に勝ちそうになると暴風が吹いて試合が中止されちゃったり、ゴールにシュートしようとすると足が動かなくなったり…」
「と…トイレ行ってくるっス…」
話を聞いていた壁山は、怖くなったり緊張するとすぐにトイレに行く癖がある。河川敷の公衆トイレへ向かったようだ。
「まあ所詮は噂やろ。さあっ!とっとと練習の続きや。」
「あの…やっぱり豪炎寺さん…」
「そうでやんす…」
「豪炎寺豪炎寺ッてうるせえンだよ!!フォワードならオレが居るぜ!!」
「ワシと半田も忘れんたってや…」
「まあとにかく練習だ!!」
集まっていたサッカー部は、バラバラに戻って、それぞれ河川敷で練習を始めた。
「…染岡…何を焦ってる?」
河川敷のグラウンドを眺める豪炎寺。その目には彼の心配する心が宿っていた。
- 128二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 08:57:56
豪
炎
寺
!
ふぅん、豪炎寺って奴は髪型以外真っ当なんだな - 129二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 14:14:59
1年間一緒にいたのにポジションすら間違えられる半田(MF)に悲しき現在…
まっ 風丸達の加入まで真面目に練習してたのは円堂とシマキンだけだしこれはこれで器用貧乏で影が薄い半田っぽいからバランスはとれてるんだけどね - 130二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 15:20:24
海外産半田も(性能)ぱっとしないしのぅ ですねぇ
- 131>>125/11/05(水) 17:54:13
「今日の練習終わり!みんな!明日も十六時から河川敷に集合だ!じゃあ解散!」
円堂の号令で自主練習は終わった。皆、地面に置いていた荷物を肩にかけ、家へ帰っていく。円堂はこのまま練習場所を鉄塔広場に移す気のようだ。
「…ん、染岡?お前帰らないのか?」
「ああ!このまま終われるかよ!」
コンクリートの壁に向かってボールを蹴る特訓を続ける気らしい。
二時間の自主練習が終わったばかりだというのに、染岡の根気もやる気も全く減っていなかった。
「…なあ、お前、焦ってないか?」
「…豪炎寺は」
蹴る足を止め、内心を吐露し始めた染岡。
「豪炎寺は、出てくるだけで、なんかオーラが違ったんだ。一年生がアイツを頼るのも分かる…」
夕日に照らされた横顔は、いつものうるさい染岡を連想させなかった。むしろ静かで、強い感情を持っている。
「あいつがシュートを決めた時、あれがオレだったらって思った…」
染岡から流れた汗が、目の近くを通っていった。悔し涙みたいに見える。
「豪炎寺には負けたくない…オレもあんなシュート、打てるようになりたいんだ!」
地面に落ちているサッカーボールを蹴り飛ばした染岡。バシン!という気持ちのいい音が響く。我に帰った染岡は、蹴ったボールが円堂にキャッチされていることに気づいた。
「豪炎寺になろうとするなよ。お前は染岡竜吾だ。お前にはお前のサッカーがあるだろ。もっと自分に自信を持てよ。」
「円堂…」
「本番じゃ壁じゃなくてゴールポストにシュートするんだ。キーパー役はいた方がいい。お前がやる気なら、いつでも練習を手伝うぞ!染岡!」
「…ああ!」 - 132>>125/11/05(水) 18:11:09
「いいシュートだ!染岡!ゆっくりだけど、確実にシュートが強くなってる!」
「豪炎寺に負けてたまるか!アイツのシュートに勝つためには、まだまだこんなもんじゃダメだ!」
今のが何回目のシュートかも忘れてしまうほど練習にのめり込んでいた。太陽は既に降り、辺りは暗くなり、汗も冷えて寒くなってきたが、そんなもんじゃ彼らの熱血は冷ませない。
「もっと!もっとだ!もっと足を上げろ!もっと速くシュートしろ!もっとゼンブを出し切れ!豪炎寺にだけは…!」
染岡の迫力に、草は揺れ、木の葉はざわめく。
「絶対!勝つ!」
ボールは蒼いオーラを纏い、染岡の背後に龍が浮かび上がった。回転と落下の力を使うファイアトルネードに対し、純粋な選手の力と具現化した龍のパワーで放つ必殺シュート。
ドラゴンクラッシュ。四十年前、この技はそう呼ばれていた。 - 133>>125/11/05(水) 18:43:37
ズギャーン!円堂も反応できず。気づけばドラゴンと一緒に染岡の蹴ったサッカー・ボールがゴール・ポストに突き刺さっていた。
「す…すごいぞ染岡!今、ドラゴンがガーッと出てきて…」
「い…今のがオレの…必殺シュート…!」
「すごいシュートでやんす!」
「「『やんす』?」」
声のする方へ顔を向けてみると、必殺シュートの登場で興奮した栗松を始めとするサッカー部員たちが、茂みから飛び出してきていた。
「この場で一番目立ってるよ…!」
「努力が身を結んだんやっ!」
「忌憚のない意見ってやつっス」
「この必殺技をドラゴンクラッシュと名付けさせてもらいますよククク…」
「すごいな染岡!今のシュートなら豪炎寺にも負けないぜ!」
「誰に負けないって?」
ここが通学等だったのだろうか?豪炎寺本人に聞かれたいたようだ。
「豪炎寺!」
「………」
帝国戦の時と同じだ。記憶に刻まれた『あの日』の光景…そして、さっき聞いた夏未の言葉…
「あなた、このままでいいの?サッカーをやめることが、妹さんへの償いになると思っているの?」
そして、最後に…
『お兄ちゃん、ゼーッタイ勝ってね!かっこいいシュート打たなきゃダメだよ!』
妹の声が、脳裏に浮かんだ。
「オレも…やるよ。」
「豪炎寺…!」
「やったー!!!」
豪炎寺の正式な雷門イレブンへの加入。
希望の光が見えてきたのだった。 - 134二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 19:17:03
待てよ、シマキンスレなのに存在感がないんだぜ…(哀)
- 135二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 21:31:53
存在感がないってことは自然とイレブンに馴染んでるってことやん…
- 136>>125/11/05(水) 21:37:22
後日。再び部室に集まる雷門イレブン。
ホワイト・ボードの前に立つ円堂の手には、豪炎寺からサッカー部への入部届が握られていた。
今の雷門イレブンにとっては、どんな美少女からのラブ・レターよりも喜ばしいものだ。
「これで豪炎寺は、雷門中サッカー部の一員だ。みんな仲良くやろうぜ!」
「豪炎寺修也だ。よろしく。」
「豪炎寺さんがオレたちと一緒に…!」
「これで怖いものなしだね!」
宍戸や少林たちを始めとした一年生たちは、皆、豪炎寺の入部を喜んでいた。
しかし、それに反発する一人の男がいた…
「ちょっと待てよ!雷門にはオレの必殺シュートがあるじゃないか!」
「染岡…」
「お…落ち着けや…」
染岡の怒りを宥める二人。サッカー部の初期部員で付き合いの長い半田とシマキンだからこそ為せる行動だ。しかしそれでも止まらない染岡。
「雷門のエース・ストライカーはオレ一人で十分だってんだよ!」
「結構つまらないことにこだわるんだな。」
「つまらないことだと!?」
火に油を注ぐ豪炎寺。染岡も怒りしんとう。豪炎寺の胸ぐらを掴む。一触即発の雰囲気が広がる寸前という時だった。 - 137>>125/11/05(水) 21:38:37
「みんないる?」
部室のドアーが開き、マネージャー二人が入ってきた。一人は木野。もう一人は…
「コレ、見てください!」
音無だ。帝国との試合から雷門イレブンのファンになった彼女は、試合を見るだけでは満足できなくなり、マネージャーとして部に貢献したいと言い出したのだ。
彼女の情報収集力は本物だ。部の役に立つこと間違いなし。
「これは?」
「尾刈斗中の試合です。」
部室の机に置かれたPCに、音無が持ってきたDVDを読み込ませる。するとみるみるうちに映像が映し出された。
普通、こんな映像はめったに手に入らない。早速、音無の情報収集力が役に立ったわけだ。
「すげえよマネージャー!これで尾刈斗中の研究ができるぞ!…ん?」
映像の中では、尾刈斗中の対戦チームが動けずにいた。
「なあ、なんでこいつら動かないんだ?」
「音無〜ィおどれの持ってきたパソコンが壊れとるんとちゃうのんか〜?」
「待て、尾刈斗の選手は動いてるぞ?」
「じゃ、パソコンの故障じゃないってことっス。シマキンさんの間抜けで見当違いないちゃもんが外れた訳っス。忌憚のない意見ってやつっス。」
シマキンが壁山を追い回し始めた。悲鳴を上げながら部室内を逃げ回る壁山。止めに行く半田。追いかけっこが終わるまで、作戦会議を中断する羽目になってしまった。
「でも、それにしたってなんでコイツら動かないんだ?」
「ああ、それはですね…噂によると…尾刈斗中の呪いだとか…」
「呪い…」 - 138>>125/11/05(水) 23:00:23
「さあっついにやってきました!帝国学園に次ぐ雷門中学サッカー部の練習試合!対戦相手は不吉な噂の絶えない尾刈斗中サッカー部!彼らと対戦した者の中には『悪夢を見た』という報告もあります!雷門、悪夢を乗り越え夢の大会への切符を掴めるか!?実況は私、将棋部の角馬桂太でお送りします。」
試合に向けて、ウォーミング・アップを始める雷門イレブン。そんな彼らを観察する者が二人…
「どうやら豪炎寺は正式に入部したようだな。」
「さあ…優秀な選手を手に入れた雷門がどこまでやれるか見ものだな…」
帝国の参謀、佐久間。帝国の司令塔、鬼道。
視線の先では、円堂と夏未が話していた。
「本当に、この試合に勝ったら、学校でフットボールフロンティアの参加費を払ってくれるんだよな?」
「ええ。しかし、負ければ廃部ということもお忘れ無く…」
そう一言釘を刺すと、夏未は校舎の中へと戻っていった…
「負けるもんか。絶対。」
「来たぞ、円堂!」
品行方正とは無縁のオーラを放ちながら次々とグラウンドに上陸する尾刈斗イレブン。墓場を満たすような霧と曇り空のせいか、戦場にオカルティックな空気が流れている。
相手チームのメンバーは、ホッケーマスクや髪の毛に布など、顔を隠した不気味な選手が多い。
「尾刈斗中サッカー部監督の、地木流灰人です。どうぞよろしく。」
「ど…どうぞ。」
教え子が監督に似ているのか、監督が教え子に似ているのか。一見穏やかそうな顔つきの相手チームの監督すら、どこかゾッとする雰囲気があった。 - 139>>125/11/05(水) 23:01:35
あっ夜も更けてきたから…今日もここまでにするでヤンス…
ここまでのご鑑賞感謝しますガシッ - 140二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 23:04:46
このレスは削除されています
- 141二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 23:09:27
なんか…壁山とジキルのキャラ違くない?この分だと"あの男"が気になりますね…本気でね
- 142>>125/11/06(木) 08:40:56
冬海と軽い挨拶を済ませると、地木流は豪炎寺に近づいてきた。
「君が豪炎寺くんですね?帝国戦で君が打ったシュート、見せてもらいましたよ。いやはや、全くもって素晴らしかった。今日はお手柔らかにお願いしますよ。」
「ちょっと待て!」
地木流に突っかかる染岡。
「あんたの相手は豪炎寺だけじゃねえ。俺たち全員だ。
「はは、これは滑稽な話だ。我々は豪炎寺くんと戦ってみたいからこそ試合を申し込んだのです。弱小のサッカー部などもとより眼中にありませんよ。」
「なに!」
言わば模範解答とも呼べる挑発。染岡の神経が逆撫でされていく。
「よせ、染岡。」
言わば模範解答とも呼べる挑発。染岡の神経が逆撫でされていく。しかし、キャプテンの制止で怒りは弱まった。
それでいい。挑発に乗るな。調子に乗らせるのだ。
「せいぜい豪炎寺くんの足を引っ張らないようにしてください。」
好きなだけ言うと、地木流は尾刈斗チームの方へと向かっていった。
「言ってくれるじゃねえか…」
表面上は怒りを抑えたが、染岡の中では、グツグツと怒りが煮えたぎったままだ。
「見せてやろうぜ染岡。俺たちの必殺シュートを。」 - 143二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 08:46:12
このレスは削除されています
- 144二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 11:14:34
このレスは削除されています
- 145二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 11:19:02
久しぶりにシマキンスレの良作でリラックスできますね
- 146二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 14:33:49
キミ今月のグッドスレとして認めるネ
- 147二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 15:27:53
監督が選手を庇わなくてどうするふゆっぺ…あっ、各所で好感度上げてからの蛆虫解雇ムーブされてもより腹立つから…そのままで良いでヤンス
- 148>>125/11/06(木) 20:27:35
「さあ試合開始です!あの豪炎寺修也をメンバーに加え、最高の布陣で挑む雷門イレブン。対する尾刈斗イレブンも、キャプテンの幽谷を筆頭に、11番武羅渡、10番月村など、豊富な攻撃陣が揃っております。さあっまもなくキック・オフ(試合開始)だ!」
「気合い入れて行こうぜ!みんな!」
「おおっ」
審判が笛を構える。嵐の前の静けさ。この試合に部の存続が懸かっている雷門に対し、尾刈斗は負けてもペナルティは何ら無い。心理的アドバンテージは尾刈斗イレブンにある。
だが、そんな逆境でこそ輝くのだ。圧倒的恵体を持つ、雷門のストライカー。兄貴分。その頼もしい背中が。
「ホイッスルがなったあーーーーーっ試合開始だーーGOーーーっ」
キック・オフは尾刈斗イレブンのキャプテン、幽国が担った。開幕と同時に武羅渡にパス。が、シマキンにカットされた。シマキンの巨体から繰り出されるドリブル、その迫力に押されて、尾刈斗メンバーは誰も近づけない。どんどんボールが前へと運ばれていく。そのまま染岡にパス。
「見せてやるぜ!俺の必殺シュート!」
大きく足を振り上げ、オーラで背後にドラゴンを具現化する。
「ドラゴンクラッシュ!」
シュートの破壊力は絶大。相手キーパーの十三、反応できず。先取点を取った雷門。
「決まったァ!染岡のシュート炸裂!」
「いやッたァ!やったな染岡!オレたちが先取点取ったんだぜ!」
「ああ!」
喜び合う雷門イレブン。校舎から双眼鏡で試合を覗いていた夏未、ベンチのマネージャー二人と選手二人も笑顔を浮かべている。
「すごいシュートでしたね!」
「ドラゴンクラッシュって!」
「ククク…やはり素晴らしい…ボクのネーミング・センスは…。」
「いいなあ…目立ってて」
…一人は苦笑していた。 - 149二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:46:32
地木流監督が言うほど穏やかな顔つきじゃなくて笑ってしまう
- 150>>125/11/06(木) 20:47:27
「大したことなさそうな連中でやんす。」
「ビビリ過ぎてたんだよオレたち。」
「よし!ガンガン攻めようぜ!」
先取点で廃部のプレッシャーが薄まった雷門イレブンたち。しかし、同時に慢心し始めていた。
反対に尾刈斗イレブンは先取点を取られたというのに笑みを浮かべ、余裕の姿勢だ。
この時、『何かがある』違和感を感じてプレイしていたのは豪炎寺以外に誰も居なかった…
試合再開のホイッスルが鳴る。
「もーらい!」
器用なプレーが売りのマックス。尾刈斗のパスをラクラクカット。
パス先を探す。豪炎寺は屍と不乱の二人の巨漢DFにしっかりマークされていて、シマキンは後ろに待機している。消去法で染岡にパスした。
「ドラゴンクラーッシュ!」
再び龍が吠えた。シュートが見事に決まり、これで点差は2-0となった。
「やったー!やったぜー!」
「これで二点目やー!」
あまりの調子の良さに飛び跳ねて喜ぶ半田とシマキン。チーム全体に浮かれる気持ちが伝播していく。
「円堂、勝てるんじゃないか?」
普段は冷静な風丸まで。チームの全員が油断していた。ただ一人、豪炎寺以外は。 - 151二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:51:57
第三の人格テコンドーの達人パク・ペクヨン
- 152二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:52:12
◇このFWなのに待機しているシマキンは…!?
- 153二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 22:06:43
- 154>>125/11/06(木) 22:40:15
「まさか豪炎寺くん以外にあんなストライカーがいたとは予想外でしたよ…雷門中の、み、なさ、んンンんン…」
おしゃべりだった地木流が、急に黙る。そして小刻みに揺れ始める。すると、
「うギゃァ!おオォぉォォおぉ…はっうわッあッ」
揺れが小刻みなんてものじゃなくなり、自木流がバネのイカれた人形のように暴れ出し、奇声を上げ始めた。
「な…なんやこれは…ワシらに先取点を二点も取られたせいで相手の監督の気が触れたんか!?」
悲鳴混じりにシマキンが叫んだ。雷門イレブンも、マネージャーも、夏未でさえ困惑を隠せない。
じきに暴走がおさまると、今度は糸の切れた人形のように大人しくなった地木流。三拍ほど経っただろうか。ゼンマイ仕掛けのからくり人形のように、ギギギ…と駆動音が鳴り、地木流…いや、さっきまで地木流だったものはこちらに顔を向け、にっこりと笑い、たった一言、呟いた。
「ぼう」 - 155>>125/11/06(木) 22:43:23
あっ夜も更けてきたから…今日もここまでにするでヤンス…
ここまでのご鑑賞ありがとうございました - 156二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 23:05:50
- 157>>125/11/07(金) 09:03:33
「な…なんだ…!?」
地木流の変貌に混乱する雷門イレブン。
「ビビるなみんな!ただのコケ脅しやっ!」
発破をかけるシマキン。全員が我に帰り、再びプレーに集中し始める。
「ぼうっ!」
そう言って、地木流は自分のチームの選手に命令を出した。圧縮言語というやつだろうか?雷門の選手に意味はまったく分からないが、しかし尾刈斗の選手たちには伝わったようだ。コクリとうなづくと、フォーメーションを変えた。選手がVの字形に並び、次々と動きを変えていく。
地木流はこれまた不気味にブツブツと何かを唱えている。本当に気が違ってしまったのだろうか。
「いくぞ!少林は11番。マックスは10番をマークするんだ!」
「はいっ!」
少林が相手の選手に向かっていく。しかし…
「何やってんだ少林!?」
「あれ!?」
少林はマーク相手を半田と間違えていた。
「な…何が起こってるんだ!?」 - 158二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 17:23:49
シマキンが着々と雷門におけるメンタル面での縁の下の力持ち枠になってる様はリラックスできますね
プレイヤーとしての実力は知ラナイ まだまだ2試合目だからワカラナイ - 159二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 19:07:09
なぁオトン、宇宙人にも本物が居たし幽霊やドラゴンもGOに居るから探せば原理のない超能力もあるんやないかな…?
- 160二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 19:34:50
だからサイコショットがあるんだろっ
- 161>>125/11/07(金) 21:08:32
「みんな!落ち着いて相手の動きを見るんだ!」
キャプテンとして、ざわめくチームまとめようとする円堂。結果として、これが裏目に出ることになる。
「無駄だァ!ゴーストロック!」
尾刈斗キャプテンの幽谷がこちらに向かって手を伸ばすポーズを取る。すると、
「な…なんや…足が動かなくなっていく…」
「あわわっこれじゃディフェンスできないっス!」
「これが尾刈斗流奥義ゴーストロックだ。己の無力を嘆くんだなあっファントムシュートを喰らえッ」
彼は慎重な性格らしい。念には念をと言わんばかりに必殺シュートを放ってきた。ゴーストロックの影響で円堂すら動けない。幻影の魔弾がゴールに突き刺さる。
「幽谷のシュート炸裂!2-1!尾刈斗中サッカー部、点を取り返しましたッ」
「…あの動き…まさか…」
「あれが尾刈斗の呪い…」
戦慄する雷門イレブン。しかしそう長く動揺してもいられない。再び雷門側にボールが渡った。 - 162>>125/11/07(金) 21:10:52
「取られたら取り返せばいい!」
シュートを決められ、焦る染岡。いらつきからか、プレーが単調になってしまう。
「待て染岡!まずは奴らの動きをよく見て…」
豪炎寺の言葉も届かない。彼は怒ると周りのことが見えなくなってしまう。しかし、怒りの力はコントロールが効きづらいが、反面強力でもある。DF陣をあっという間に抜き去り、ゴール前まで到達した。
「また突き放してやる…」
シュートの構えに入る。が、染岡は気づかない。敵GK鉈十三の奇妙な動きに。
「ドラゴンクラーッシュ!」
必殺技を放つ染岡。だがゴール前の空間が歪んでいる。その歪みに吸い込まれるようにして、染岡のシュートは鉈の手の中に収まってしまった。
「ば…バカな」
「今の技は一体…」
必殺シュートが難なく止められてしまったことで驚き、足を止めてしまう染岡と豪炎寺。
「これぞ歪む空間…どんなシュートもこの技には無力!」
鉈はボールを大きく蹴った。ボールの着弾地点は敵キャプテン、幽谷の元。
「すでにお前らはオレたちの呪いにかかっているんだよォ!ゴーストロック!」
再び技を決められ、動きの止まる雷門イレブン。恐ろしき尾刈斗の呪い。
「またかよ…くそっ…動け…ッ」
またもや釘を打たれたように足が固定され、動けない円堂。これではノーマル・シュートですら止められない。
「ゴーーール!尾刈斗の二点目!雷門、同点に追いつかれてしまッたァー!」
「…やっぱりだ。あの動きは『アレ』に違いないぞ…!」
雷門イレブンの一人が気づいた。尾刈斗の呪い…その正体に。
尾刈斗のシュートが決まり、時間ができた。ベンチに集まり作戦会議する雷門イレブンたち。
「な…何か分かったんスか?」 - 163>>125/11/07(金) 22:35:58
作戦会議を終えた雷門イレブン。ゲーム再開の時だ。先ほど全員に伝えられた作戦を反芻する。リスクを伴う作戦。しかし現状はこれ以外に思いつかない作戦。
覚悟を決めた十一人。いざ。豪炎寺がボールを蹴った。
「呪いなんてまやかしだ!」
吠える染岡。幽谷、これを強がりだと受け取る。
「どうかな…ゴーストロック!」
必殺技を放った、その瞬間!
「ババタレがーーーーーっ!!!!!」
シマキンの怒号がフィールド全体に響いていった。まるで音響兵器。四メートルの巨体から繰り出されるに相応しい威力。『監督の呟きが聞こえないほど』の圧倒的爆音。雷門イレブンは、それと同時に目を閉じた。
「…!動ける!動けるぞっ!」
「ぼ…ぼうっ!?」
おそらく「ば…バカな、なぜ分かった!?」という意味の奇声を上げた地木流…いやハイド監督。
「催眠術。」
雷門の選手が解説する。
「ゴーストロックの正体だ。Vの字型の陣形と奇妙な動きで視覚にうったえかけ、監督が言葉で聴覚から暗示をかける。つまり、その二つの感覚を断ち切ってしまえば、ゴーストロックは意味をなさない。」
突然自分の身体が動かなくなるなんてことがあれば、人間はあっさりと混乱してしまう。そこに試合の緊張感も加わって、なかなかゴーストロックのトリックには気づけない。試合に参加していない控えの選手でもない限り、催眠術やオカルトに詳しい人間でもない限り、気づけないのだ。
「フフ…やっと目立てた。」
長い髪の毛の間から一瞬だけチラリと見えた影野の目は、得意げに微笑んでいた。
「サンキュー影野!お前のアドバイスのおかげでゴーストロックを破れたぜ!!」
「でも…ゴーストロックの暗示を破るためにシマキンがとっといたオヤツ食ったの話したのはマズかったな…壁山のやつ、後で追いかけ回されるぞ…。」
「とにかくこれで尾刈斗の切り札は潰した。後は…ゴールをぶち抜けばいいわけだ!」 - 164二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 22:37:34
このレスは削除されています
- 165二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 23:04:07
- 166>>125/11/07(金) 23:27:16
- 167>>125/11/07(金) 23:29:02
「ここから反撃だ!FWにボールを回すんだ!!」
「でも、歪む空間は染岡さんじゃ…」
「あいつを信じろ!あの監督の言う通り、オレたちはまだまだ弱小サッカーチームだ…」
グラウンドも使えなかった過去を思い出し、苦心する円堂。
「だから!一人一人の力を合わさなきゃ勝てない!オレたちが守り、おまえたちが繋ぎ、あいつらが決める!オレたちの一点は、オレたち全員で取る一点なんだ!!一人でダメなら二人で戦う!それが雷門中サッカー部だ!!」
円堂の熱い説得。その言葉が、雷門イレブンの魂を奮い立たせてゆく。
(…すげえよ影野は。控えなのに…オレたちの役に立とうと尾刈斗の動きをしっかり見てたんだ…)
DFたちを突破しながら、悩む染岡。
(それに比べてオレは…オレには何ができる?オレは…オレには…)
「ドラゴンクラッシュしかねえ!!」
「ゴーストロックが破られたか…だが尾刈斗にはこの鉈十三の歪む空間がある。ゴールは絶対に破れない!そしてゴールが破れなきゃお前たちは勝てない!」
鉈の必殺技で身体がふらつく染岡。
「やっぱ…オレじゃ…」
「染岡ァーーー!!!」
円堂の目一杯の声援が耳を貫いた。
「一人で悩むなよ!!オレたちは十一人で戦ってるんだ!!オレたちをいつでも頼れ!!」
「円堂…」
「ヤツの手を見るな!あれも催眠術だ!平衡感覚を乱され、シュートが弱くなるぞ!」
「豪炎寺…!」
染岡の目に熱い光が宿る。
「豪炎寺ィ!!!」
染岡は仲間の名前を叫ぶと、全身の力を込めて、ドラゴンクラッシュを空に向かって撃った。
「どこ狙ってるんだ染岡ぁ!」
「違う!シュートじゃない!パスだ!」
DFがボールに気を取られている隙に、既に豪炎寺はドラゴンクラッシュの軌道上に飛んでいた。
「ファイアートルネード!」
ベンチのメガネが口角を上げる。
「空中ならGKの手元を見ないでシュートできる。更にドラゴンクラッシュとファイアトルネード、二つの必殺技が合体したことで威力も倍増。これをドラゴントルネードを呼びましょうか。」
渾身のシュート・チェイン。GKごとボールがゴールに突き刺さった。
「これで3-2!雷門中が尾刈斗中を再びリード!そしてここで前半終了!両チーム休憩だあっ」 - 168二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 23:31:09
- 169二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 23:31:58
あうっま…まだ前半なのかぁ
- 170>>125/11/08(土) 00:19:07
「やったな染岡!!オレたちがリードしてるぞ!!」
大はしゃぎの円堂。染岡も豪炎寺も、みんなみんなが同じ気持ちだ。
「けど、油断は禁物ですよ。まだ前半。このリードを最後まで守りましょう!」
音無が喜ぶ全員を落ち着かせた。もう一試合分戦ったと思ってしまうほど濃い内容の前半だったが、まだ終わってない。まだ前半。ここから逆転される可能性はいくらでもあるのだ。
さて、円堂たちがはしゃいでいた時、一方その頃、尾刈斗のベンチでは。重苦しい雰囲気が流れていた。
雷門が先制で二点取った時と同じ。地木流改めハイド監督が震え出していた。変化の予兆。しかし、その変化がさっきとは比べ物にならないほど劇的なものとなる。
震えが増していく。先ほどの変貌とは逆。静かに変身していく。
髪型と顔面のボディー・ペイントが別のものになるなんていう生やさしいものじゃない。もっと根本的なものの変質。
言い換えるならば、"変形"。
「…ククク…」
不気味な薄笑いを浮かべる監督。その顔つきは東洋人のものだった。おしゃべりだった地木流でも、野獣のようだったハイドでもない、第三の人格。
テコンドーの達人。パク。 - 171>>125/11/08(土) 00:21:12
あっ0時を過ぎてしまったから…
今日はここまでにするでやんす
ご鑑賞されるとなぜかホッとする…ありがとう… - 172二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 01:50:50
あうっ さ…さらに豹変が始まるのかあっ
選手より存在を主張していると言ったんですよ地木流先生
自校どころか雷門の選手も喰う活躍をしたと知った時は驚きましたよ…ひょっとして秋葉にも勝てるんじゃない?伝タフ - 173二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 09:19:05
保守
- 174二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:01:16
>テコンドーの達人。パク。
◇この脚を使うことくらいしか共通点が無い競技の達人がサッカーの監督をしている目的は…?
- 175二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 17:13:17
この様子だと野生中の監督もマサイの戦士になってそうでリラックス出来ますね
- 176>>125/11/08(土) 23:45:15
悪いねえ今日は忙しくて投稿できそうにないんだよまた明日投稿させてほしいですね…ガチでね
- 177二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 23:56:58
しょうがねぇな…プライベートで保守してる時に…
- 178二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 05:31:50
保守
- 179二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 09:59:14
おいコラッ もしパートスレになるのなら管理はしてくれよ ダイスクロススレ嫌悪者のせいで潰えたスレもあってワシはめちゃくちゃ悲しかったからな
- 180二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 17:22:12
紹介しよう
陸上部の後輩
たまごボーロ
ターミネーターモドキ
そしてダークトルネードだ
クラスメイトといいゲームやっていると印象に残るぞ
ダークトルネードだけ使ったことないのは俺なんだよね - 181>>125/11/09(日) 23:05:39
「前半、尾刈斗の切り札であるゴーストロックを打ち破った雷門イレブン!尾刈斗万事休すか!?それともなにか秘策を隠し持っているのか!?さあ試合再開です!」
後半は雷門のキック・オフから始める。
「ひ…控えの選手が出てきてるっス!」
控えの三人を出してきていた尾刈斗。
「へっ!頼みの催眠術が効かねえのにこれ以上なにかされるわけねえだろうが!シマキン!またお前のドリブルでヤツらを抜いてやれ!」
染岡がシマキンにパス。
「あっ一発でカットされたッ」
ところが敵FWの黒上にボールを取られる。
ボール取り返そうとする風丸。しかしここで黒上の必殺技が発動する。
「な…なんだ!?催眠術はもう通用しないはずなのに…」
「動けないっス!?」
その技は"のろい"
ゴーストロックなどという似非。催眠術とは違う"本物"の黒魔術ッ
その効果でディフェンス陣は全く動けない。
黒上から幽谷にパス。そのまま必殺シュートが放たれる。 - 182>>125/11/09(日) 23:22:19
テコンドー。漢字では跆拳道とも呼ばれる韓国を起源とする格闘技。その技の中での王道にして花形。後ろ蹴りッ
その威力の秘密は三つ。
一つ。踵の骨は日常生活で常に人体を支えているため、非常に硬いものとなっている。後ろ蹴りは蹴撃の際にこの踵の骨を相手にぶつける。威力があって当然ッ
二つ。人体の中で最も大きな筋肉は大腿四頭筋。2番目に大きな筋肉が大臀筋。後ろ蹴りはこの二つの筋肉を同時に使用して放つ技。威力があって当然ッ
三つ。後ろ蹴りは敵に背を向けた状態から振り返る勢いで蹴る技。故に蹴る力に慣性が乗る。威力があって当然ッ
では、仮にこの後ろ蹴りをサッカーに流用すれば、シュートのチカラはいったいどれほどのものとなってしまうのだろうか…
その答えが今、示される!
「テコンドーキック!!」
瞬間、フィールドの全員が感じた!まるで大砲!その圧倒的破壊力!爆発するような音と共にボールは蹴られ、円堂へと向かってゆく! - 183>>125/11/10(月) 00:02:34
「ゴッドハンド…」
が、間に合わない。
「ゴーーール!尾刈斗イレブン、再び同点に並んだァ!」
「い…いきなりワシらの有利がなくなってもうた…」
「あんなシュート…私が集めてきた尾刈斗中のデータにありません…」
先ほどから汗が止まらない。ジリジリと太陽が照り付けている。だというのに、全身が寒気に包まれていく。
先程使ってきたテコンドーキック。音無すら知らないとなると、あの技はおそらく尾刈斗中の虎の子の必殺技。それをただの練習試合相手に、ビデオに残され、研究されるリスクを侵してまで使う理由は、一つ。
自分たちが、リスクを取ってなお、今、ここで潰すべき脅威だと判断される相手になってしまったということ。
新しくベンチから出された選手たちも、控えが故に情報がない。未知数。それは対して雷門の手の内はは全て見せた。もうこれ以上のパワーは出せない。
「…ぎりぎりまで実力を出さなければ、この結果にはならなかったんでやんすかね…」
栗松が搾り出すような声で弱音を吐いた。
全員に伝染するあきらめムード。最悪の雰囲気。敗北へと向かうベント・コンベアー…
「結果やない。"過程"や。」
チームの心が、塗り替えられた。 - 184二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 00:15:25
なぁ春草、黒上は世界編の不動みたく観察してたってことか?
- 185>>125/11/10(月) 00:22:32
シマキンの言葉でハッとしたようになる雷門イレブン。消えかけていた松明が再び勢いを取り戻すような感覚。
「まだ試合は終わってない。こっちの必殺技がなくなったんなら、試合の中で新しく作ればいいんだ。さっきの染岡と豪炎寺みたいにな。」
オレンジ色のヘアバンドの下の闘志の尽きないまっすぐな瞳は、闇を照らす光だった。
シマキンも円堂も、まだ諦めていない。
まだ試合もできなかった頃、部員も集まっていなかった頃、他の部員たちが腐り果て、怠惰を貪り堕落していた頃、二人は練習を続け、重ね、積み上げていた。努力していた。諦めていなかった。
その二人だからこそ言える、語れる勝利への情熱、渇望、気合、根性だった。
「でも、どうするでやんすか?パスでもドリブルでも、あのFWにボールを取られちまうでやんす…」
栗松の一見弱音に見える言葉。しかし先ほどのタラレバとは違う、未来への相談。前への一歩。
「ワシに一つ、考えがある。」
シマキンの山のような体が、いつもの何倍も頼りに見えた。話された作戦に対し、頷く全員。反撃の狼煙が上がる。 - 186二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 00:24:21
スタンダッ スタンダッ タチアガリーヨ (T-pistonz書き文字)
- 187>>125/11/10(月) 00:46:03
「雷門、尾刈斗、作戦会議を終え試合再開の時!キック・オフは再び雷門が!…おや!?先ほどとは選手の配置が違うぞー!?」
円堂とシマキンの位置が入れ替わっている。
慣れないポジションでプレイすれば、プレイは鈍る。それもFWとGKのチェンジ。ある意味真逆とも呼べるポジションの逆転。選手からすればやりにくいなんてもんじゃない。
「勝負を諦めたか…」
軽蔑するような表情を浮かべたパク監督。当然だ。こんな配置、奇策どころか愚策もいいところ。FWとGKの兼任ができる選手なんて滅多に居ない。いや、居たとしてもまず実力は一つのポジションに特化した選手に確実に負けている。
「選手には目を見張ったが…キング(監督)の戦略がこのザマなら話にならない。本当にかわいそうなチームだ。後のゲームはゴミ処理タイムだな。」
ホイッスルが再び鳴る。と、同時に黒上に一瞬でボールを奪われた雷門。そのまま幽谷にボールが渡った。残りの試合時間も少なくなってきた。このままシュートが決まれば尾刈斗の勝利だ。
「テコンドーキック!!」
渾身のテコンドーキック。さっきの展開をリプレイしている気分だ。いや、GKが変わっているんだからさっきよりも無様な結果になるかな。
油断するパク。欠伸をしようと大口を開けた。その瞬間、気づく。 - 188>>125/11/10(月) 01:14:54
「な…なにっ!?テコンドーキックに対して構えもせずに仁王立ちだと!?「ぼうっ!?」「あれをまともに受ける気か!?」
驚きのあまり次々と人格が切り替わってしまう監督。テコンドーキックの球速には、発動に長いタメがいるゴッドハンドでは対応できない。だから他の技を使うなら分かる。しかし仁王立ちだと!?
テコンドーの後ろ蹴りの恐ろしさは、使い手のパクが一番知っている。それどころか、他人格の地木流とハイドも知っている。
パクがテコンドー道場の門を叩いて間もなかった頃に先輩から受けた後ろ蹴りは、クッション越しでも道場の壁まで吹っ飛ばされるような威力だった。
その破壊力はボール越しでも変わらない。それ故に幽谷たちにも決して人に向けて技を打つなと言い聞かせていた。
テコンドー入門当時パクの年齢は二十歳。それに対してシマキンは中学二年生。あれほどの恵体だとしてもまだ子供だ。クッションだって持ってない。
「やめろ!!!避けるんだ!!!」
必死で叫ぶパク。しかし集中しているのかシマキンの耳には届かない。
テコンドーキックが直撃した。だが、 - 189>>125/11/10(月) 01:26:47
倒れない!踏ん張るシマキン!
この時彼は、あの帝国との練習試合が来る前。一年前、円堂からの勧誘を思い出していた。
彼の熱に当てられ、サッカー少年となったシマキン。最初に始めたのは河川敷での走り込みだった。ひたすら走り続けていたところで円堂に話しかけられ、練習もいいがサッカーボールを触っておけと言われた。
練習も良かったが、"サッカー"はもっと楽しかった。
体が大きくてゴールを守りやすいからという理由でGKを志望したが、今思い返してみると、部員が十一人も集まっていない状況でGKが被るのはポジションがかなりアン・バランスだったと思う。
そして帝国との練習試合が決まってからは、皆が張り切って練習した。新入部員の四人かも今では大切な仲間だ。豪炎寺が来てくれて必殺シュートを決めた時は、興奮して何を言っていたか覚えていない。
毎日が楽しくて、楽しくて、忘れられない日々。
この輝きを、ここで終わらせたくはない。
一年間、来る日も来る日も鍛え続けた肉体。四メートルを超える巨体。筋肉の上に脂肪をつけ、その上にまた筋肉をつけた"肉のヨロイ"。その努力の結晶でありシマキンの誇りが、徐々にボールの威力を殺していく。
木戸川清州のキーパーも使っていた技。その身一つ。技のくせに技術を持たずの真っ向勝負をモットーとする、奇妙な必殺技。
「タフネスブロック!!!」
やがて、完全にシマキンはボールをキャッチした。 - 190>>125/11/10(月) 01:28:01
あっ気づけば一時半になってしまっから…ここまでにするでやんす
ご鑑賞ありがとうブル - 191二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 01:28:03
地木流パク監督…凄ぇ…大人として感動するくらい子供の身を案じてるし…2の吉良監督や3の工藤監督みたいてやんした それに引き換え冬海ぶ、無様…子供を平気で事故に合わせようとするし…
- 192二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 01:29:53
このレスは削除されています
- 193二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 01:47:24
肉のヨロイにマッチした絵面、ゴッドハンドとの大きな差異、“タフ”がつく名前がシマキンの初必殺技を支える… まさに“ピッタリ”だ
- 194二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 05:10:58
タフネスブロックには致命的な弱点がある
防げなかった時のモーションがクソダサいことや - 195二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 05:50:25
- 196二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 10:57:55
ほんだらそろそろ次スレかぁん?
- 197>>125/11/10(月) 17:17:05
- 198二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 18:56:00
- 199二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 19:06:06
埋めるーよ
- 200二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 23:36:22
みんな!サッカーやろうぜ!伝タフ