【CP・SS注意】「ん? 何やこの動画……」

  • 1二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:46:46

    『セイカ、Vランク昇格おめでとうー!!』

    『そのままメガシンカして苦しんでたポケモンも倒しちゃうなんてすごいよねぇ』

    『とはいえまだ道半ばですよね。普通にやっていればランクAまではまだまだかかりますし、そもそも次のランクアップ戦の対策もまだ……』

    『今日はセイカのランクアップを祝してのパーティーなんだから、細かいことはいいだろ! オレも負けてられないな!』

    『今日のガイはいつにも増してノリノリだねー』

    『徹夜になりそうですね……山盛りのクロワッサンカレーが目の前になければボクも素直にはしゃげたんですが』

    『まぁいいじゃん、今夜は無礼講ってことで! 動画をご覧の皆さん! 我々エムゼット団はいつでもホテルZへのお越しをお待ちしております! なっ、セイカ!』

    『(笑顔で頷く)』

    「Vランクやから……まだオレらと出会う前の動画やな。初々しいようなあんま変わらんような……素敵な友情ってやつやな。羨ましい限りやでほんま」

    「にしたって、何で今更この動画が流れてきたんや? ガイのチャンネルは登録してないし……」

    「コメントもあるわ。こんな素人さんの動画にコメントするヤツなんかおるんやなぁ」

    「……いや、こいつだけやない……コメントはセイカのことばっかりや。よぉ見たら再生回数も悪い冗談みたいになっとるやないか」

    「……どういうことや?」

    同時刻 早朝のホテルZにて
    ワイワイ ガヤガヤ セイカチャンハ? チャンピオンヲダセー バトルシヨウゼ! ポケモンバトル!

    「……?」

  • 2二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:48:21

    エンドロールまで見たら手が滑ってこんな感じの文章を書いていました。SSは初投稿なので至らない部分はご容赦ください。なお、カラセイですがヤクザの次の出番はもうしばらく後です。



    「あ、おはようセイカ!」

    「随分騒々しい朝になりましたね……まぁ、何が原因かはあらかた検討がついてますけど」

    「あぁ……多分オレの動画のせいだ、皆ごめん!」

    「?」

    「えっとね、今のセイカはロワイヤルのランクが一番高いでしょ?」

    「セイカだけじゃないですよ。高ランカー二人が揃ったホテルの名前を堂々と出した動画がどういう訳か今更発掘されて……」

    「バトルに飢えた猛者たちが夜でもないのにホテルの周りに大量発生してるってワケだな」

    「あのねぇ……そもそもこの動画って、メガアブソルを倒したくらいの打ち上げの時のでしょ? その場のノリでガイのスマホロトムが撮ってたやつ!」

    「そこが謎なんだよ。あの日は朝まで騒いでたから、楽しすぎて記憶が……多分いつの間にか投稿してたんだろうな」

    「いつもなら安定の再生回数一桁で済むところでしたが……どうして今になってバズってるんですか?」

    「謝りたいのも謎を解きたいのもやまやまだけど、今はそっちの心配をしてる場合じゃないみたいだぜ」

  • 3二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:49:38

    支援
    楽しみ

  • 4二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:51:33

    (支援感謝……頑張ります)
    (台詞と台詞の間を開けてると行が足りなさすぎるな……)

    ドカッ ドアアカナイ…… マダアカナイノカー チョット!? アブナイダロ!!

    「わ、ホテルの前の道まで行列ができちゃってる!」

    「押し合いへし合い……マダツボミの根を洗うような行列ですね。今はクローズの札をかけて鍵も閉めてはいますが、早く止めないと危険です」

    オチツイテ! オチツイテクダサイ!

    「あっ、あれはホテルの前のボール回収屋さん!」

    「あの絶妙に裏路地でちょっと分かりづらいホテルZへの道を教えてくれる人!?」

    ナンダオマエ! ウワ‐ッ!?

    「もみ合いになりそうな勢いの人を止めようとして……」

    「人の波に流されて……」

    「行ってしまい……ましたね……」


    ワタシノコト……タマニハ……オモイダシテクダサイネ……


    「「「「教えてくれる人ー!!」」」」

  • 5二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:53:53

    「どうしよう、このままだとほんとに警察が来ちゃいそう!? そうなった場合って誰か逮捕されちゃうのかな……」

    「落ち着きましょう、こういう時にはまず頼れる人に連絡して……」

    「……」

    「……セイカ? どうした?」

    「わたしが行ってくる、って……」

    「『あの人たちはわたしと戦いたいだけだから、それが終わったら帰ってくれるはず。ZAロワイヤル∞の延長戦だと思ってさくっと戦ってくるね』……!?」

    「いや、確かにそうかもだけど……!」

    「これまでのロワイヤルは一対一でしたが、今はそうとはいかないんですよ!?」

    「……そうだな。セイカだけに、いい恰好はさせられない」

    「!」

    「ガイ……」

    「オレだってあの日ミアレを救った一人なんだ。そう思いたいから……背中、預けてくれよ」

  • 6二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:55:03

    「……全く、分かりましたよ」

    「こうなった二人は止まりませんからね」

    「だねぇ。今日の分の朝練まだだったから、一緒に体動かしちゃってもいい?」

    「……!!!」

    「ボクらだってエムゼット団なんです。それに、AZさんの愛したホテルがいつまでも騒がしいんじゃ……」

    「ああ、あの人だってきっと安らかに眠れないよな!」

    「よーっし、手短に作戦会議! セイカは真ん中に立って、あたしたちが撃ち漏らした相手をお願い!」

    「背中は任せとけ! 誰一人、手は出させないぜ」

    「デウロが右でガイが後ろならボクは左を。ズルズキンもやる気みたいですし」

    「オッケー! セイカ、合図お願いね!」

    「……よし」

    「「「「行くよ、エムゼット団!」」」」



    「……で、結局夜まで相手取ってたんかいな」

  • 7二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:56:37

    「はぁ、はぁ……」

    「そのバトルが死ぬほどお好きな観光客さんたちはロワイヤルの方に行ってくれたみたいやけど……こら組のモン向かわせた方が良かったか」

    「……ご心配なく……あたしたちだけで、なんとか、なりましたから……」

    「威勢がええのは結構やけど嘘はアカンなぁ。朝から夜までほぼ休まずバトルしてポケモンもトレーナーも限界、これのどこがなんとかなったんや? 言うとくけど次はないで」

    「っ……」

    「今度同じことやったらほんまにそこのホテルでポケモンバトル大会やからな。後ろでくたばっとるオトモダチもよぉ覚えとき」

    「……なんか、結構キレてないか……?」

    「トレーナーに心を許してないと……進化しない……ロゼリアが手持ちにいるらしいんですよ……ポケモンには優しいタイプでしょ……」

    「なんや疲れてよぉ耳聴こえんようなったんか? ほなその耳いらんのと違います? ところで人間の体のパーツって結構高く売れるらしいんやけどなぁ……」

    「……」

    「分かった分かった、そんなこわいかおしたらせっかくかわいい顔しとんのが台無しやで。オマエらだけでなんとかしたんは褒めたるわ」

    「せやけどこの後はどないすんねん? 動画非公開にしたって明日も来るヤツはおるやろ、特に今日バトルできんかった連中は尚更や。明日からどうするか、少なくともセイカだけでもどこ行くかくらいは決めとき」

  • 8二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:57:56

    「……?」

    「こんなことはあんま言いとぉないんやけどな? オマエがここにおる限り、あいつら明日も明後日も来るやろ。いや『その時はまた叩きのめせばいい』ちゃうねん」

    「……オマエはええけど後ろの皆はどうや? いつまでもここでオマエを守りますー、なんてセイカ、お前も嫌やろ」

    「……」

    「……ところで、明日から行くアテないんやったら一つ。ええとこ知ってんねんけどなぁ」

    「!」

    「オマエもよぉ知っとるとこやで? ミアレから出る心配もあらへん。金も取らん、半端なモンは近づけへんくろがねのお城や。暇やったらオレとジプソと組のモン総出で、いっくらでも相手したるわ。ペンドラー達もなぁ、オマエに会えるん楽しみなんやって」

    「……」

    「…………」

    「………………」


    「そこまで迷われると、オレも流石に傷つくなぁ」

  • 9二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 20:59:18

    ベルベットブラックの夜に沈んだ、月のような金色が目の前で光る。

    「しゃーないから、分かりやすぅ言うたるわ。あん時とは違って二度はないで」

    緊急事態だというのに、どうしてかその色は愉快で。楽しそうで。さっきの提案だって、冗談を言っているという訳ではなさそうだったのに。

    「オマエらがそこまで無防備なんやったらなぁ……」

    くろいきり、だ、と思った。光を吸った闇夜のコートが目の前ではためいたかと思ったら、いつの間にか地面に座り込んでいるわたしのすぐ後ろに、わたしと背格好こそ変わらないのにどこか重厚ささえ感じさせるその背丈があった。

    頼もしくて。優しくて、かっこよくて、その背中はわたしが背を預けて戦える人のそれで、そうしてとてもあったかいのを知っている。

    なのに、どうしてか。
    今日は、すこしだけ怖い。

    闇夜を支配する金の月と、ほんの一瞬だけ目と目が合う。ポケモンバトルにはならない。かわりにその月は、いっそう昏く楽しそうに微笑みの形を描いた。

    「今目の前で。このどんかんなお姫様を一生会えへんお城に閉じ込めたってええ、ってな」

    誰も、声を出せない。この人が楽しそうにしているのは冗談じゃないからだと、今、わたしはやっと理解する。

    「オレは悪役なんや。王子様がさらいに来るまでは、どんな手段を使ったって絶対に離さへん」

  • 10二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:00:49

    すらすらと歌うようにその喉笛から言葉が踊る。お互いを蝕む、甘い甘い毒。雲が月を隠すように手を伸ばして、闇の中でいっそうその人が両目に宿すトパーズは火花のように光って見える。

    「せやけど、最近は悪役が報われる話も多いらしいやんか。オレとしては、なんやそれって思うとったけどな」

    カラスバさんは、本気で言っている。

    「……今分かったわ。ええもんやなぁ、悪役にとってのハッピーエンドも」

    本気でわたしを二度と、鉄の鳥籠から出さないつもりだ。

    「お姫様かて、ありがたいことに乗り気らしいしな」

    そう言ってその人はわたしの喉元に手を伸ばして、それから、その場にいるみんなに見せつけるように顎をくっと上げて、白い指に逆らえるはずなんてなくて思惑通り上を向いたわたしの唇に、そっと──

  • 11画像貼れてるといいな25/11/03(月) 21:11:10


    あにまん掲示板をご覧の皆様、こんばんは。MSBCのユカリですわ。

    このスレッドに置いてありましたSS『くろがねの蛇は月に微笑む~ミ〇レを救った勇者の少女の花を散らすは蛇の孤毒~』は、登場人物のモデルとなった皆様方の名誉をひどく傷つけるだけでなく公序良俗に反する内容でしたのでわたくし共の方で処分させていただきました。

    何やらホテルZに訪れた観光客の一人が所持されていたもののようですが……丁度良いので最近増えたバトルをお求めの皆様と一緒に、特別なユカリトーナメントにご招待させていただきましたわ!一生懸命バトルに励んでおられましたから、バトルの楽しさに目覚めてくださったのやもしれませんわね?

    朝のあの人混みだとユカリゾーンを設置しても人が分断されてしまってさらなる危険を招きそうでしたから……これはわたくしのささやかな助力ですわ。

    ユカリトーナメントには皆様のご参加も大歓迎ですから、ぜひ自慢のポケモンたちと一緒に参加してくださいませ。わたくしも楽しみにお待ち申し上げております!



    ……勝ったご褒美はもちろんわたくしとの200連戦で、特に上記の不遜なSSとは関係ないことを申し上げておきますわ♪

  • 12二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:16:28

    あれ!?今まで読んでいたカラセイは!?!?!?

  • 13二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:16:40

    そんな殺生な

  • 14二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:18:09

    なにーっ!?

  • 15二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:23:39

    ふざけるなぁーっ!ふざけるなぁっバカ野郎ーっ!

  • 16二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:28:55

    このレスは削除されています

  • 17二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:29:02

    返して!返して!

  • 18二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:49:11

    おや? かんこうきゃくの おとしものが あるようだ……

    おとしものを うけとりますか?


    ▶はい

     いいえ


    断章 くろがねの蛇は月に微笑む~ミ〇レを救った勇者の少女の花を散らすは蛇の孤毒~「お姫様かて、ありがたいことに乗り気らしいしな」

    そう言ってその人はわたしの喉元に手を伸ばして、それから、その場にいるみんなに見せつけるように顎をくっと上げて、白い指に逆らえるはずなんてなくて思惑通り上を向いたわたしの唇に、そっと────そっと、自らの唇を重ねた。

    「ん、む……っ」

    奪ったというにはあまりにも甘やかで、優しくて、とろけるように熱い口づけ。少しだけかさついて冷たい体温が、触れたところからわたしの熱を奪うように容赦なく、なのに気遣うようにからみついてくる。


    息が苦しい。流し込まれる、薔薇のお香と煙草とチョコレートの苦いところを混ぜたような匂いに頭がくらくらする。酸欠になりかけてもわたしに空気を与えてくれるのは繋がったところから受け取る吐息だけで、手足が心地よさにじんじんと末端から痺れていく。


    カラスバさんの毒は、自分も他人も狂わせてしまう猛毒。だからこの人は、最後の最後までわたしに手を出さない。優しい悪役のくせにわたしをお姫様だの正義の味方だのと勝手に呼んで、大事に大事に見守って。

    きっとこんなことにならなければ、この人はくろがねのお城にわたしを招き入れやしなかった。


    「っ、は……」

    だっ…
    00m.in
  • 19二次元好きの匿名さん25/11/03(月) 21:52:25

    >>18

    えちちちち……ありがとうございます

オススメ

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