- 1二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:00:47
- 2二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:07:13
「さて、早速仕事に取り掛かりましょうか…コノミ」
「はい、先生。何用でしょうか」
「先ずはキヴォトスの情報を出来る限り集めてくれる?いきなり『私の知っている』キヴォトスとはまるで違っていたから、他にも違いは無いのか、知っておきたいから」
「了解しました。では、行って参ります」
「行ってらっしゃい。それじゃ…アロナ、これからよろしくね」
『了解しました、先生!』
『どうやら、『彼女』が行動を開始したみたいだ。これから面白くなりそうだねぇ』
『そうね…どのみち、私たちが相対する事となるけれどね』 - 3二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:13:34
コデックスが変更された……?(地下生活者並感)
- 4二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:22:51
【シャーレの先生と砂漠の守り神】
広大な砂漠の上を、二人の人影が歩く。
「はぁ…はぁ…暑いわね…まさかここまで暑いなんて…」
「流石に侮りすぎましたね…水もそろそろ残り少ないかと…」
ザッザッと砂を踏み締めながら歩き、そしてビルの廃虚の影のところで腰を降ろす。スカートとストッキングが砂で汚れるのも構わずに座り込んだ先生を、コノミは見下ろす。
「これからどうするのですか、先生」
「そうね…助けを呼ぼうにも、ここは余りにも人がいなさ過ぎるから…」
そう呟いたその時だった。自転車のブレーキ音が聞こえ、続いて足音が聞こえてくる。そしてコノミの隣に新たな人影が浮かんできた。
「ん、どうしましたか?」 - 5二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:29:03
果たしてこの先生はネームドだったのかそれともただのモブだったのか...
ネームドだとしたら誰だろうなぁ - 6二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:33:00
少し経って、先生とコノミは、砂漠の真ん中にある校舎の一室にいた。
「助けていただき、感謝します。危うく脱水症状になって砂漠の中に埋もれてしまうところでした」
「本当にありがとうね。初めて来るところだったから、本当に危ないところだったわ」
コノミが感謝を述べ、先生も続く中、銀色の犬耳がついた少女と金髪の少女、猫耳に眼鏡をかけた少女と黒髪の少女はそれぞれ視線を交わす。
「まさか、本当に来てくれるなんて…未だに信じられないわ…」
「シロコが珍しく何か拾ってきたなと思えば、あのシャーレの先生を拾ってくるなんて…」
「わ、私、先輩を呼んできます!」
猫耳の少女がそう言いながら部屋を出ていく中、先生はシロコと呼ばれた犬耳の少女へ顔を向ける。
「貴方たちが、アビドス高校廃校対策委員会で合っているのよね?私は連邦生徒会特別捜査部『シャーレ』の先生よ。こちらは助手のコノミ。改めてよろしくね」
- 7二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:34:22
コノミ is 誰
- 8二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:39:02
先生が名乗ったところで、今度は相手の名乗る番だった。
「ん、では改めまして…アビドス高校二年の砂狼シロコです。対策委員会では副委員長を務めています。こちらは同級生の…」
「十六夜ノノミ。趣味はサイクリング。よろしく」
「対策委員会の書記を務めている奥空アヤネよ。で、さっき出ていったのは同級生で会計担当の黒見セリカ。まさか、本当に私たちからの手紙を受け取ってくれるなんて…」
「こういう事こそ、私の様な大人の出番だからね。連邦生徒会も今ゴタゴタを抱えているところだけど、今貴方たちが必要としているものは何とかしていくわ」
「はい。先生は事務仕事が苦手ではありますが、一先ずは皆様の使用している武器の弾薬の確保をしてくれています。その他の手続きに関しても、先生か私に一声お願いします」
- 9二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:41:11
なんか色々変わってんな
- 10二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 19:47:52
コノミが余計な一言を言ったその時、部屋のドアが開けられ、セリカと一人の少女が入ってくる。それを見た先生は一瞬目を細める。
「皆、連れてきました!」
「お待たせ、皆…そして、貴方が例のシャーレの先生ね?」
青い髪をショートヘアにまとめ、黒い防弾ベストを羽織った少女はそう言いながら先生を見つめる。そして彼女は名乗り始めた。
「対策委員会委員長兼、アビドス生徒会生徒会長の梔子ユメです。概ねはセリカから伺っています」
「そうですか。では改めて、よろしくお願いします」
先生は椅子から立ち上がり、そしてユメに手を伸ばす。ユメは目を細めつつも、無言で握手に応じた。
そして握手を解いたそのタイミングで、シロコが話しかけてくる。
「ん、先生。校舎を案内しますね」
- 11二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 20:29:11
砂まみれの校舎を歩く中、シロコは先生に尋ねる。
「先生って、元キヴォトスの生徒だったんですよね?昔のアビドスがどんなところだったか知ってますか?」
「昔の?いえ…私がいたのはアビドスとは別のところだったから…」
「少し前、ユメ先輩から聞いたことなんですけど、昔アビドスには大きなオアシスがあって、そこを中心に砂祭りが行われていたそうなんです。私、その砂祭りをいつか復活させたいなと思っているんです」
「そう…羨ましいわね、明確な目標を持っているのは」
先生はそう語り、窓の外へ視線を向ける。広大な砂漠の向こうにはビルがぽつぽつと建っているのが見え、アビドスの広大さがこの光景そのものに集約されている様に思えた。
そうして校舎内を歩き、三人は一つの部屋の前に辿り着く。
「先生、この部屋はちょうど空き部屋になっているので、自由にお使い下さい。それでは」
シロコはそう言ってその場を離れていき、先生は小さく息を吐く。そしてコノミと顔を向き合う。
「…対策委員会が何から何まで変わっていたわね。どうやら本当に、『これまでの知識』だけでは厳しいみたいね」
「そうですね。ともあれ先ずは、対策委員会の目下の課題を解決していきましょう」
- 12二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 20:59:50
その夜、アビドス校舎の一室にて声が響く。
『無事にアビドスに着いたみたいで何よりですね。私たちももう間もなくそちらに着きます』
「そう…『落第生』の動きはどうなの?」
『すでに何人かがそちらに降り立ち、拠点を設けている模様です。SRTの事も含め、やるべきことはまだまだありますからお気をつけて』
「分かっているわよ。『同窓会』の皆も、十分に気をつけて頂戴」
『ええ。いい夜を』
通話を終え、先生は深く息を吐く。そして天井を見つめながら呟く。
「…すでに、『捻れて歪んだ終着点』の影響が出ている。さっさとやるべきことをしていかないと厳しいわね」
- 13二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 21:26:20
対策委員会はアビドススワップしているのか?
- 14二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 07:26:50
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- 15二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 10:40:38
【砂漠の中の日常】
シャーレの先生がアビドス高校に来て数日。先生とコノミは対策委員会と共に、アビドス高校を狙って襲撃してくる不良集団の対応を行っていた。
『こちらコノミ、カタカタヘルメット団の奇襲部隊を確認。シロコさんと対処します』
『ん、遊撃なら任せて下さい』
無線で連絡を貰い、先生は小さく頷く。そして空中に浮かべた複数のドローンで撮影した映像を見つつ、新たな指示を出す。
「ノノミ、相手は数で押そうとしてくるから弾幕で牽制。セリカは狙撃で一人ずつ撃破して」
『了解』
『分かりました』
指示を送り、先生は隣に立つアヤネへ視線を向ける。
「アヤネ、弾切れを起こした人にはドローンで補給をお願い」
「了解よ、先生。それにしても指揮が上手いわね」
「こう見えて元々、風紀委員会にいたからね。これぐらいは余裕よ」 - 16二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 11:56:43
「それにしても…随分と強いですね」
先生はそう呟きながら、タブレット端末の画面の一つを見つめる。
高校敷地内のグラウンドで一人、盾を巧みに構えながら駆け巡り、一人ずつ倒していく少女の姿。それを見ながら先生はセリカに指示を出す。
「セリカ、ユメに援護射撃。不意打ち狙ってる者がいる」
『りょ、了解!』
果たして死角から攻撃しようとしていた不良へセリカが攻撃を仕掛け、先生はドローンからの空撮映像を全て確認する。不良集団は撤退を開始しており、コノミからも通信が入ってくる。
『敵性勢力、撤退を開始しました。追撃しますか?』
「いえ、これで十分でしょう。皆、お疲れ様」
先生はそう言って、タブレット端末を上着の内ポケットへしまい込んだ。
- 17二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 15:04:41
夕方、先生はコノミを連れてアビドス市街地の一角に来ていた。
「大将、柴関ラーメン二つ」
店の中に入るや否や、先生は丁度調理をしていた大将に注文をする。大将もそれに応じる。
「らっしゃい、先生!アヤネちゃん、いつもの席へ頼むよ」
「はーい、大将!」
この店でアルバイトをしているアヤネは返事をし、二人をテーブル席の方へ案内していく。するとカウンター席で食事をしていた大人が話しかけてくる。
「おお、丁度いいところに来られました。貴方がシャーレの先生ですね?」
「…?貴方は…」
声をかけてきた大人に対し、先生は顔を向ける。その大柄な大人は懐から名刺を取り出しつつ名乗り始める。
「お初にお目にかかります。私は民間警備会社『カイザーセキュリティ』の理事と申します。そしてカイザーグループの理事会に名を連ねる一族、砂狼家の執事もしております」
- 18二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 15:26:30
普通のswapじゃないなコレ。
先生は元風紀委員会か。
だれだろ。ネームドかな - 19二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 16:33:35
「砂狼…もしかして、シロコの?」
「ええ、シロコお嬢様はカイザーグループに出資をなさっている名家の御令嬢でして、カイザーインダストリーもご贔屓にしておられます。ここアビドスに入学したと聞いたときは一同震え上がりましたが、こうしてご学友の方々に優しくしてもらえて安心しております」
「成程…であれば、私も頑張らないといけませんね」
「そうですか…是非とも、お嬢様の事をよろしくお願い致します」
理事は一礼して席へ戻っていき、先生も肩をすくめながらテーブル席へと足を運んだ。
そして椅子に座り、ラーメンを待っていると、コノミが小声で話しかけてくる。
「先生、『同窓会』のネットワークで新たな情報が来ました。どうやらカタカタヘルメット団が別勢力の襲撃を受けて壊滅した模様です。誰の仕業なのかまでは把握できませんでしたが…」
「別勢力…『万屋』からの情報だと便利屋のしわざだそうだけど、対策委員会にカイザーのこともある。注意はしておいて損はないわね」
先生はそう言いながら、長く伸ばした髪をヘアゴムでまとめる。そしてラーメンが目の前に置かれた瞬間に箸の入った箱へと手を伸ばした。
- 20二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 17:17:40
深夜、アビドス市街地の郊外にて銃声が鳴り響く。廃虚の中でヘルメットを叩き割られた少女たちが転がる中、背丈よりも巨大な銃を背負った少女がリーダー格の少女の頭を蹴飛ばす。
「情けない…矯正局の囚人どもに比べたら雑魚にも程があります」
「ぐふっ…!」
そう呟きながら踏みつける中、そこに派手なコートを羽織った少女が現れる。
「『渡鴉』の異名通りね。まさか貴方も雇われていようとは思いもしなかったけれども、これでこの地は貴方たち『アイアンサイド』の新たな領土となったわけね」
「そうですね…ゲヘナの非合法部活と肩を並べるのは正直面白くありませんが、背に腹は代えられないでしょう」
少女の呟きに対し、コートの少女は小さく息をつく。そして言った。
「それじゃ、暫くはよろしく頼むわね…静山マシロ」
- 21二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 20:44:56
【対策委員会と便利屋】
キヴォトスの何処かにある空間。そこで声が交わされる。
「アビドス自治区にて、便利屋68及びトリニティの非合法集団『アイアンサイド』の活動を確認。間もなく対策委員会と衝突するでしょう」
「便利屋の行動までは、これまでのシナリオ通り。しかしだ、アイアンサイドの動きばかりは気になるところだ。彼女たちはこの世界ではある意味『イレギュラー』だからね」
「そうなる様にシナリオに手を入れたのは、果たして誰なのでしょうね。それに、『同窓会』もすでに対応を始めようとしている…このまま放置しても良いの?」
「便利屋の事なら心配などしてないよ。むしろカイザーの代役が上手く事を運んでくれる様に暴れてくれれば、十分にお釣りが来る。今は彼女たちの『演技』でも見物していようじゃないか」 - 22二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 20:58:08
その昼頃、アビドス高校は戦場と化していた。
『コノミ、傭兵集団は高校敷地を包囲する形で攻めてきている。こちらの用意したドローンで上手く対応して!』
「了解です、先生。それにしても、この数の多さは…」
オートバイやジープに乗って動き回り、機関銃やロケット砲で攻撃してくる不良に対し、コノミは黒い傘を広げて銃弾を弾く。そして傘と一体化した銃で不良の頭を狙い撃ち、傘を閉じた瞬間に手榴弾を投擲。一台ずつ確実に撃破していく。
「今、対策委員会の面々は便利屋68との交戦に集中している…これ以上は時間を掛けられ―」
そう呟いていたその瞬間。コノミは急に立ち止まる。そして黒いコートの内側から盾を取り出して構え、直後に重たい衝撃が叩きつけられる。
「狙撃…!しかも大口径…!」
コノミは踏ん張りつつ銃を持ち替え、サブマシンガンの安全装置を外す。そしてドローンが不良集団へ攻撃を開始したタイミングで駆け出した。
- 23二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 22:14:52
へい主!これアビドススワップでしょ!
所々違うとこあるけど!
#奥空アヤネ アビドススワップまとめ2 - ちゃちゃちゃ🍵のイラスト - pixiv1枚目以外は再掲です後半は初期案的なやつで描いたモノですwww.pixiv.net - 24二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 00:03:07
自身の放った狙撃が防がれた事と、それから位置を逆算して向かってきている事をマシロが把握するのは、引き金を引いて数秒後の事だった。
「流石に察しますか…!アイアンサイド各員、便利屋68及び傭兵たちの支援に徹して下さい!彼女は私が対応します!」
マフラーを引き上げ、得物の20ミリ対物ライフルに次弾を装填。盾を前面に構えながら走ってくる相手をスコープのレティクルへと収める。
発砲。と同時に相手は跳躍し、盾の裏から何かを取り出す。そしてそれが閃光弾だと気付くのにマシロが気付くのは余りにも遅かった。
閃光と爆音が彼女の射撃の機会を十数秒封じ、マシロは即座に立ち上がる。狙撃手は痛烈な一撃を一方的に叩き込むのが役目であり、この時点で彼女の存在価値は無に等しかった。なればこそ場所を変えて再び狙撃手としての存在意義を取り戻す他になかった。
- 25二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 00:16:03
『きゅ、救援を―』
しかし、インカムに飛び込んで来た悲痛な叫びが彼女の挙動に迷いを生じさせた。如何に居場所が相手に知られたとしても、狙撃手は相手に見られている味方を援護する役目も求められている。せめて今出来る事をするべきだろうという考えが脳裏をよぎり、マシロの行動方針に選択肢を生じさせていた。
もしもただの悪党であれば、味方は即座に切り捨てて動けるだろうが、彼女はそこまで冷酷になれなかった。そしてその裏社会に身を置く者としては愚直過ぎる思考と判断が彼女の結末を決定づけた。
「―見つけました」
振り向いた瞬間、ストッキングで覆われた黒く細い脚がマシロの腹を捉える。ビルの窓から蹴落とされ、彼女の全身に大きな衝撃が加えられる。それは彼女の意識を数時間は闇の中へ沈めるには十分なものであった。