- 1◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:34:17
保守をし損ねてしまったので改めて。
1スレ目
🎲【閲覧注意】学P「初星バトルロワイアル……?」|あにまん掲示板あさり「はい、通称H.B.R……。アイドルの皆さんに dice1d3=@3 (3)@ を賭けて戦ってもらいます。」1 冬のH.I.Fの出場権2 プロデュース契約の続投3 命bbs.animanch.com2スレ目
🎲【閲覧注意】学P「初星バトルロワイアル……?」2|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5494952/落ちてしまったので新スレです。星南・燐羽の話の途中で終わってしまったのでその話の最初から投稿し直します。bbs.animanch.com3スレ目
🎲【閲覧注意】学P「初星バトルロワイアル……?」3|あにまん掲示板1スレ目https://bbs.animanch.com/board/5494952/2スレ目https://bbs.animanch.com/board/5585231/bbs.animanch.com - 2◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:35:33
【まとめ】
・基本ルール
小説『バトル・ロワイアル』内の架空の法律『バトル・ロワイアル法(BR法)』が存在する現代日本が舞台。
武器・防具・道具・ドリンクなど、ランダムに支給されたアイテム3つを用いて"命"を賭けて戦う。
優勝者には国家によって何でもひとつ願いが叶えられる特権が与えられる。
最先端医療技術によって死亡した参加者の蘇生措置を願うことも可能(ただし、肉体の損傷が少ない場合に限る)。
・学Pのプロデュースしているアイドル
ことね、麻央、星南
・生存アイドルの現在位置と最終時刻
16:30 教室棟~野外ステージ間 → 撫子、四音
16:34 体育館倉庫 → 麻央、リーリヤ、広
16:00 校舎付近 → 手毬、清夏、莉波、佑芽、
16:00 アイドル科教室 1年2組 → ことね、美鈴
16:00 野外ステージ → 星南 - 3◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:37:01
【Side:月村手毬】
――青天の霹靂、という言葉がある。
晴れ渡った空の下、唐突に雷鳴が轟くように、予想外の出来事が突然に起こることをいう。
手毬の心は、決して穏やかではなかった。
プログラムに参加させられ、佑芽との邂逅で一度は死を覚悟したものだ。
佑芽の提案したボイコットに乗った後も、今度は国の方針に逆らっている現状への恐怖や不安は常に差し込んで止まない。
間違っても晴天なんかじゃない。
先行きの見えない薄暗さに塗れた曇天。
悪天候もいいところだ。
それでも、それくらいの天気のときに、ちょっとだけレッスンにやる気を出してくれる仲間がいた。
あの雲の先に太陽があるってわかるなら、曇り空も悪くないねなんて、取り留めのない天気の話に少しだけ花が咲くことだってある。
私の心にたなびく雲の先には、常に太陽があった。 - 4◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:38:23
――ここには燐羽が、いるから。
憧れのアイドルで、SyngUp!のリーダーで、このプログラムに一緒に参加している相手だ。
燐羽がいるからこそ、国を相手取ったボイコットなんて無茶な挑戦にも、勝機があるような気がしてくる。
燐羽がいるだけで、泣きたいくらいの恐怖も不安も、ほとんど吹き飛んでしまう。
どんなに高い壁がそこにあったって、燐羽は絶対、何とかしてくれる。
『賀陽燐羽』
手毬「えっ……?」
青天の霹靂。雲の奥に感じていた太陽が、雷へと反転する。
この音をとめて――なんて願っても、縋る相手はもう、どこにもいなくて。
とうに沈んだ太陽は二度と昇ることはなく、明けない夜の始まりは無情にも告げられた。 - 5◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:39:50
【Side:花海佑芽】
その背中を追いかけて、いつも全力で走ってきた。
あたしはのろまだから、追いつくまでに、たくさん時間がかかっちゃう。
うさぎとかめの童話みたいに、なまけて休んでいるなら、追い越せるかもって思うけど。
常に全力のうさぎさんを追い越すのなんて、とにかく無謀で、途方もない挑戦だ。
だけど、ようやく感じられた手ごたえ。
今なら、追いつけるかもしれない。
限りなく遠かった背中が、ようやく見えてきたその時。
咲季『――わたし、■■の競技を始めるわ。』
お姉ちゃんはいつも、またどこか遠くへと去ってしまう。
あたしが見ている背中のずっと先を見ているお姉ちゃんの背中を、あたしは追いかけることしかできない。
今度こそ、最後かもしれないんだ。
だから、今度こそ見失わないようにしないと。
今度こそ……勝たないと! - 6二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 23:40:11
10までksk保守
- 7◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:42:00
『オーディションを通過したのは……花海佑芽!』
審査員の言葉が祝福を告げた。
――勝ったよ。お姉ちゃん。
ようやく、言える。
15年間もずっと、追いかけて。
掴み損ねては、また挑んで。
その背中に手が届いた今だからこそ、届けられる。
もうお姉ちゃんを待たせたりしないから。
大好きなアイドルで、これからも勝負していきたいから。
『花海咲季』
――もう……あたしを置いていかないで、って。 - 8◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:43:40
やっと、伝えられると思った。
ようやく、一緒に走ることができるんだって、思ったのに。
お姉ちゃんはまた遠くに行ってしまった。
気持ちをぶつける機会は、ずっとずっと、失われてしまった。
残ったのは、N.I.Aで四音ちゃんが教えてくれた、あの言葉だけ。
四音『――どうやらあなたに負けてしまったせいで、プライドの高いお姉さんはアイドル活動を続けられなくなったみたいですよ?』
嫌がらせのための言葉だって、頭では分かってる。
だけど、その言葉には妙なリアリティがあった。
もうすぐで勝てるって、直感が告げるたびに、いなくなってしまったお姉ちゃんと、重なった。
どうしても、ちらついてしまう。
あたしがいなかったら、お姉ちゃんはまだ、走っていられたのかな――って。 - 9◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:45:33
【Side:紫雲清夏】
清夏「……咲季っち。」
思わず漏れた声は、意外にも本心だった。
運動ができて、プログラムのボイコットに走るであろう性分で――あたしの嘘にも敏感。
咲季っちは間違いなく強敵になるはずだった。
だから、人知れず死んでいたことは間違いなく喜ぶべきこと、なのだけれど。
零れた感情は、そこまで合理的ではあれなかったようで。
数か月間、同じクラスで学園生活を共にしてきた仲間を失ったこと。
心を掻き乱すには充分だ。
もうあの日々は戻ってこないのだと、想像するだけで足の震えが、止まらない。
けれど――咲季っちの死を伝えられたのが、放送という、言葉の上のものでしかなかったこと。
向かう先の日々は想像でしかなくて、実感に至らない。 - 10◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:47:07
仮にあたしの名前が読み上げられたとしても、関係のない相手からすると"こう"なるのだろう。
"死んでしまって悲しい"のその裏に――どこかちらつく、"大切な人じゃなくてよかった"。
そんな淡泊な感覚に付随する罪悪感が、胸の奥をざわつかせた。
少し周りに目を向けてみれば、その感覚はいっそう強くなる。
昔のユニット仲間を失った手毬っちに、最愛の姉を無くした佑芽っち。
二人の瞳からは、光が失われていた。
どちらも俯いたまま言葉も発せず、沈黙ばかりがその場を支配している。
あたしが咲季っちに対して抱いた、安堵混じりの悲しみなんて、二人の想いと比べることすらおこがましいものなのだろう。
清夏(……この雰囲気に飲まれちゃだめだ。)
清夏(これを"怖い"と感じちゃ……だめだ。)
清夏(だってあたしは……皆を殺す。こんな雰囲気を、生み出す側なんだ。)
清夏「……ボイコット組の雰囲気が最悪でーす。」
二人に聞こえないように、小さく呟いた。
こんな状況は、何でもないことだと思い込めるように。
仮面を顔になじませるように――この罪悪感すらも、日常の言葉の中に掻き混ぜて、溶かしてしまえばいい。 - 11◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:48:07
【Side:姫崎莉波】
野望のため。
友達を連れて帰るため。
親友との日々を守るため。
"アイドル"のため。
このプログラムに乗った者たちの動機のどれもが、姫崎莉波の乗った理由とは異なっていた。
人が人を殺すのに大層な理由なんて必要ない。
――自身の命が脅かされつつある確信と、それを回避したいというごく自然な衝動。
ただそれだけで、ひとりの少女を凶行に走らせるには充分だった。
莉波(燐羽ちゃんとは、ほとんど話したこともなかった。)
莉波(咲季ちゃんも千奈ちゃんも、元々知ってた。)
莉波(特に千奈ちゃんは、私が……。)
莉波(うん……大丈夫。動揺は思ったよりもしていない。) - 12◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:49:19
放送中に、前方に見えた背の高い3人の人影。
大まかなシルエットだけではあるが、その内訳は何となく想像がつく。
仮にその通りであるならば、放送の直後である現状、この上ないチャンスだ。
莉波(殺し合いに限った話じゃない。)
莉波(どんな時でも笑顔を絶やさないのがアイドル、だけれど――)
莉波(――大切な人の不幸がちらつく中で、平静なんて保てるはずがない。)
莉波(襲撃への反応は……きっと遅れるはず!)
清夏「えっ……りなみん先輩!?」
ただ一人、精神的ダメージが比較的浅いであろう清夏だけが真っ先に接近に気付く。
莉波(大丈夫……清夏ちゃんはきっと、動けない。)
怪我のトラウマ。
アイドルの方向性の相談に乗ってもらった時、かつて抱えていたという悩みを、打ち明けてくれた。
目の前から真っすぐにやって来る危険を前に咄嗟に動けるほどのトラウマ払拭はしていないはずだ。
そして実際にその予想通り、清夏は咄嗟に自分から距離を取った。
直後、清夏の言葉に顔を上げた手毬と佑芽が遅れて気付くも、対処の一手には間に合わない。 - 13◆YYjiOMVygQ25/11/04(火) 23:51:42
莉波(この三人の中で真っ先に潰しておくべきは――)
考えるまでもない。
振り下ろしたメイスの射線の先にいたのは――
佑芽「――っ! ぐわああああぁっ!」
骨が砕ける音が響く。
正面から入ったその一撃は、重く、重く沈んでいく。
佑芽「痛ッ……! はぁ……莉波、先輩……!」
咄嗟に両腕を突き出して防御するも、質量と重量の塊を前には無力。
特に、前方に位置していた左腕は折れてしまい、もはや使い物にならないだろう。
手毬「うっ……うわあああああぁぁ!?」
そしてその続きも予想通り。
その態度に反して内心は臆病な手毬は、そこで起こった光景に対し、即座に反撃に出ることができない。
何もかもが莉波の想定通りに運ばれていく。
千奈を衝動的に殺した時の思考は、決して狂気などではない。
次の獲物へと走る今も、その頭は冴えわたっていた。 - 14二次元好きの匿名さん25/11/04(火) 23:56:20
寝る前保守
- 15二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 07:27:49
ボイコット組殲滅されそう……
- 16二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 12:10:11
保守
- 17二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 19:11:45
予想できてたとはいえ、がっつり曇ってるてまうめ見るの辛いな.....
- 18◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 19:57:05
莉波(あとは、手毬ちゃんや清夏ちゃんの反撃が来る前に離脱すれば――)
想定と違う点があったとするならば――
手毬「もっと……もっと……。」
莉波「えっ……?」
手毬「――私を、見てよっ!」
莉波「うぐっ……!?」
続く攻撃が、想定よりも一手早かったこと。
脈絡のない言葉を叫びながら振るわれた拳が、莉波の頬を撃ち抜いた。
莉波(まずい……姿勢が保てない!)
まともにストレートパンチを受け姿勢を崩した莉波は、逃げる絶好の機会を失ってしまう。
手毬に武器を構える時間なんかなかった。
凶器を振り回す莉波に素手で挑むなど、並の精神力で為せるものではない。
莉波の計算を狂わせたのは、手毬が走ってきた道のりそのものであった。 - 19◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:08:06
■
手毬『美鈴!』
N.I.Aの序盤オーディション。
今しがた下した相手の下へと、喜びのあまりに駆けつけずにはいられなかった。
手毬『勝ったよ、私!』
美鈴『ええ……負けました。』
1組のアイドルたちに色々と協力してもらいながら、ようやく編み出せたコンディションだった。
今なら、好きなだけ歌える。
途中で力尽きることも、自滅することもない。
そんな万能感に満ち溢れながら、ようやく下せたライバル。
これだけやったんだから、悔しがる顔を見てみたいと思うのは仕方のないことだ。
それなのに美鈴は、驚いた顔ひとつ見せやしない。 - 20◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:13:22
手毬『いやに素直だね。もうちょっと悔しがってもいいのに。』
美鈴『N.I.Aには、まりちゃんと戦いに来たわけではありませんから。』
手毬『なにそれ。眼中に無いってこと?』
美鈴『はい。』
手毬『出た、即答~!』
わなわなと拳を震わせるが、分かっている。
アイドルとして勝負しに来たのではなく、友達と話をする口実としてオーディションに出ていたに過ぎない美鈴は、まだ、ちっとも本気を出していなかった。
そうしていると美鈴がそっと近寄ってきて、耳元で小さく、こう言ったのだ。
美鈴『よくがんばりましたね。今夜はとんかつを作りますよ。』
私に負けたことなんて、何でもないとばかりに、話題は日常へと戻っていった。
それに流されてしまうのも、とんかつの名が出たからにはやむを得ないと言えるだろう。
美鈴に勝ったのに、ちっとも達成感は湧いてこなかった。 - 21◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:26:36
■
――私は、流れて消える星にはならない。
美鈴が私抜きで燐羽と仲直りするための算段を立てていたことも。
私も美鈴もうまくオーディションでぶつかることができなかった燐羽を、知らずのうちに佑芽が倒して、ファンを奪っていたことも。
私の関与し得ないどこかで、燐羽が死んでしまったことも。
何もかも、"当事者"になれなかった。
私が不在のままに大切なことが決まっていく。
見向きもされず、ただ忘れられ、消えゆくのみ。
今だってそうだ。
目の前で佑芽が痛い目に遭っているというのに、姫崎先輩の眼中に私はいない。
だからもっと――"私を見て"、って。
目の前の相手にぶつけているようで、様々な相手へとぶつけたい言葉が飛び出した。
恐怖も忘れ、一心で振り抜いた拳は、手毬を傍観者から当事者へと引き上げた。
戦線離脱しかけていた莉波は大地に転がる。
しかし唯一の命綱であるメイスを手放すことはなく、杖代わりにして何とか立ち上がる。
思いの丈を吐き出して、肩で息をする手毬を前に、莉波は冷や汗をかいていた。
莉波(しまった、逃げ損ねた……。)
腕を折ったことで、佑芽は立ち上がるのもままならぬ様子だ。
だが、清夏はそんな佑芽の前に立ってこちらの出方を伺っている。
逃げの一手が遅れたことは明確にピンチを招いていた。 - 22◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:32:56
しかし、そんな時のことだった。
清夏「手毬っち! 佑芽っちを連れて逃げて!」
――戦局を大きく変えるひと言が発せられたのは。
手毬「は? 私が足手まといって言いたいの!?」
清夏「そうじゃなくて! 佑芽っち、大怪我してるんだよ!?」
手毬「――あっ……。」
清夏「生き残れたとしても、ずっと残るかもしれない。アイドルやスポーツはもちろん、日常生活にも支障が残るかもしれない。」
清夏「でも、保健室に行けば応急処置くらいはできるかもじゃん?」 - 23◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:40:12
手毬「じゃあ、清夏が行けばいいでしょ。」
清夏「……あたしは、りなみん先輩にけっこーお世話になってるからさ。ここに残って、今からでも一緒にボイコットしようって説得する。」
清夏「あたしなら、やれるから。」
手毬「……そう。わかった。」
何も言い返せない。
それを言ったのが、大怪我の経験のある清夏だったから。
信念の裏打ちされたその言葉を否定するだけのものを、手毬は持っていない。
佑芽「……ごめんね。足、引っ張って。」
手毬「別に。それよりはやく掴まって。」
佑芽「うん……。」
木製のバットを構えた清夏が睨みを聞かせているため、莉波にはその一連を妨害することはできそうにない。
手毬は佑芽を連れて、保健室のあるアイドル科教室の方向に離れて行った。 - 24◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:44:32
莉波「……みんな、眩しいなぁ。」
こうして清夏とふたりきりになったその時――諦観混じりの言葉が口をついて出てきた。
莉波「私は……抗うのを諦めちゃった。」
莉波「だって……すごく、しっくりきたんだ。」
莉波「他の人を蹴落とすのが苦しいからって……蹴落としてでも勝ちたい理由が分からないからって、遠慮したまま……独り寂しく殺される自分の姿が。」
3年間、アイドル活動を続けてきた。
それでもまだ、その理由は見つかっていない。
頑張れば頑張るほど、もっと勝ちたい理由がある人を蹴落とすばかり。
そんな迷いを投影したかのようにぎこちなさを宿した"妹"は、みんなを笑顔にすることはできなくて。
ユニットを脱退することになった時の、応援してくれていたファンのみんなの顔が、離れない。
莉波「結局……あの時みたいにみんなをがっかりさせたくないから――そんなネガティブな動機で走り続けているだけ。」
莉波「今だって、そうだよ。何も変わっていない。」
"死にたくない"って、嫌なことを回避するための動機で、ひたむきに走っている。
根っこの部分は何も変わっていない。
もしもアイドルを諦められない理由を見つけられていたら、もっと違う走り方ができていたのかな――なんて反実仮想を吐き出せば、涙が溢れそうになる。
私も、手毬ちゃんみたいに、言いたかった。
解散した昔のユニットのファンたちに対して、そう言えるだけの自分を持ちたかった。
"私を見てよ"――って。 - 25◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:46:05
清夏「あたしも、その気持ちはわかります。」
清夏「期待を背負うプレッシャーっていうのかな……やっぱり、今も感じてますし。」
清夏「特にあたしはそれで、一回折れちゃったんで。」
同時に、すごいと思う。
りなみん先輩は、アイドル一年目のあたしよりもたくさんの挫折を味わい続けながらも、"アイドル"であり続けた。
レッスンをサボって、ちょっとつつかれるだけで瓦解するくらいには後の人間関係にも響く不真面目やって――
眩しいのは、どっちだっての――なんて悪態を、飲み込んだ。
清夏「でも、ごめんなさい。」
莉波「っ……!?」
――瞬間、火花が弾ける。
清夏の振るったバットが顔面スレスレでメイスに阻まれ、止まっていた。
理解の追いつかない感情と、一気に現実味を帯びた死への恐怖が湧き上がってくる。
清夏「説得するっていうの……全部、嘘。」
手毬に"莉波を説得する"と言ってのけた清夏の振るった凶器は、一切の迷いなく頭部を狙って振るわれた。
咄嗟にメイスで防御しなければ頭が割れていただろう。
瞬時に高鳴る生存本能が莉波を大きく後退させた。 - 26◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:52:34
清夏「だってあたしが最優先で仕留めなきゃいけないのって、先輩みたいな相手なんですよね。」
リーリヤを殺し得る者こそ、最優先で殺さなければならない。手毬や佑芽のようなスタンスの者であれば、自分はボイコット組だって信用さえ勝ち取れば、いつでも不意をついて殺すことができる。
この戦局が最も理想的に働いている者は、清夏だった。
厄介な佑芽を弱らせることに成功した上、囮役を買って出たことで手毬と佑芽の信用もそれなりに勝ち取れているだろう。そして、ボイコット組を装うには不都合な、マーダーの排除も叶おうとしている。
清夏「だから、遠慮も自虐も、必要ありません。」
生きたいから。護りたいから。
それぞれ理由は違えど、両者の胸にある想いは同じだ。
清夏「あたしも……殺す気でいくので。」
――もう諦めない。
そう決めたからこそ、今ここに、殺し合う因果が生まれた。 - 27◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:57:15
【16:11 校舎付近】
【月村手毬】
状態:無傷
持ち物:メイス、拡声器、設置型地雷
行動方針:佑芽を保健室に連れて行く。
【紫雲清夏】
状態:無傷
持ち物:メイス、バット(木製)、メット
行動方針:他の参加者を殺し、自分かリーリヤが優勝する。
【姫崎莉波】
状態:頬に殴打痕
持ち物:メイス、防刃チョッキ、拡声器、傷薬
行動方針:生き残るため、戦う。
【花海佑芽】
状態:左腕の骨折、右腕の怪我
持ち物:ブーメラン、盾、初星黒酢
行動方針:プログラムのボイコットをする。 - 28◆YYjiOMVygQ25/11/05(水) 20:58:31
次回、ことね美鈴を書きます
- 29二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 21:04:56
主も言ってたけどメイス多っ
- 30二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 21:07:24
このまま動けずに処されるだけなんかなと思ってた手毬が一矢報いてくれてよかった
4人中3人メイス持ってたんかこの組… - 31二次元好きの匿名さん25/11/05(水) 22:04:13
描写を見る限りだと手毬がたった数秒の間に
今の状況に自分のここまでの道のりを重ねて想起→瞬時に集中?熱意?を溜める→莉波に一撃入れる
までやってる…… 👺👍 <判断が早い
やっぱりアイドルとしての成果を一定以上残せている勢はフィジカル面でもメンタル面でも強めですね……
- 32二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 06:34:48
保守
- 33◆YYjiOMVygQ25/11/06(木) 11:56:35
保守
- 34二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 18:49:53
保守
- 35二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 21:07:38
ほしゅ~
- 36◆YYjiOMVygQ25/11/06(木) 23:35:03
hosyu
- 37二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 02:59:46
Ho