[パラレルワールド・閲覧注意]神様の子供の障子くん

  • 1125/11/06(木) 20:09:58

    このスレは以下の要素を含みます。
    ・パラレルワールド
    ・精神的な虐待表現
    ・暴力表現

  • 2125/11/06(木) 20:11:36

    世界観・設定:
    ・障子くんが地元の村で神様の子供として崇められる
    ・AFOがすでにOFAに勝利、社会を牛耳っている
    ・酷い目に遭っているA組の子達がいる

  • 3125/11/06(木) 20:14:03

    登場人物(メイン):
    ・障子目蔵…腕をたくさん持って生まれた子供。村で「神様の子供」として崇められている。
    ・AFO…社会を牛耳るヴィラン。OFAは殲滅済み。
    ・抵抗軍(レジスタンス)…AFOに対抗する人々の集まり。規模は地域によってまちまち。抗争が度々起こり、治安悪化につながっている。

  • 4125/11/06(木) 20:15:01

    ワクワク

  • 5125/11/06(木) 20:17:56

    ○○村

    「ほにゃぁ!ほにゃぁ、ほにゃぁ…」
    「おめでとうございます!元気な男の子…えっ?」
    「…う、腕が…」



    誰かが言っていた。
    俺は神様の子供なんだって。
    神様から村の人への贈り物なんだって。
    たくさんある俺の腕は、神様の子供である証なんだって。


    「まぁ、なんて綺麗な髪ねぇ!」
    「この子はお天道様の子供だ、そうに違いねぇ!」
    「ありがたや、ありがたや…」


    俺は、神様の子供なんだって。
    神様の子供は、大事にされないといけないんだって。
    神様の子供は、外に出歩いたりしないんだって。

  • 6二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:18:30

    SSスレ!

  • 7125/11/06(木) 20:21:19

    「目蔵ちゃん!ダメじゃないの、勝手にお外に出たりして…怪我したらどうするの!」
    「お前の居場所はここなんだよ、外になんか行かなくていい。」


    月に一回、この村ではお祈りをする。
    お米や野菜が取れたこと、怪我をせずに過ごせたこと、雨が降ったこと…
    いろんなことをお祝いして、神様に、俺にお礼を言う。


    「お天道様、今度も無事に過ごせました…」
    「子供をもたらしてくれてありがとう」
    「雨を降らせてくれてありがとう」
    「きっとこの子の力だ」
    「そうだ、この子が奇跡をもたらしてくれたんだ」

  • 8125/11/06(木) 20:24:14

    俺が生まれるまでは、この村は貧しかったらしい。
    子供は病弱で、食べ物も満足に取れなくて、みんな貧乏だったんだって。
    でも俺が生まれてから野菜が取れ、稼ぎが増え、人々は豊かになり、子供は元気になったそうだ。



    父さんも母さんも、村の人はみんな言う。
    いいことが起こるのは、俺の力なんだって。
    神様のご機嫌がいいと、俺が力を使えるようになるんだって。
    だからみんな、神様の祭壇と俺にお供物をする。
    次の月も、いいことが起こりますように、って。

  • 9二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:24:23

    崇拝と言う形で消費される障子くん⁉︎(癖×推し)
    つ、続きが気になる…!

  • 10125/11/06(木) 20:26:53

    「神様、次の月もどうか無事に過ごせますように」
    「稼ぎが増えますように」
    「子供が元気に過ごせますように」
    「野菜がたくさん取れますように」


    俺には、不思議な力などない。
    俺はそう思っている。
    でも村の人たちはみんな、俺が不思議な力を使っていると信じ込んでいる。
    信じ込んで、俺を崇めて、神様のように扱う。


    俺はお祈りが嫌いだ。
    お祈りは痛くて怖いから。
    お祈りは不気味だから。

  • 11二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:28:06

    お祈り()、何やるんですかねえ…

  • 12二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:30:44

    楽しみ

  • 13125/11/06(木) 20:32:49

    「…いやだっ、いやだよお母さん…痛いよ…」
    「お願いよ目蔵ちゃん、我慢してちょうだい。これも私たちのためなんだから。」
    「そうですよ日子様。終わったらお菓子をあげましょうね。」


    お祈りでは、俺の腕を斬る。
    本当の腕じゃなくて、怪我してもすぐに治る方。
    腕を斬って神様に捧げて、お祈りするんだ。


    「すぐに終わりますからね、日子様。」
    「…っ」


    器が血でいっぱいになって、俺の着物も血だらけになって、みんな喜ぶ。
    綺麗な血だ、肉だってみんな笑う。
    俺は痛くて痛くてたまらないのに。


    「ああ、なんて神々しい…」
    「さすがは神様の子だ、我々のものとは違う…」
    「綺麗だわぁ…」

  • 14二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:34:40

    村人全員ムーンフィッシュか??

  • 15125/11/06(木) 20:35:43

    「う…っ、うぅっ…」
    「日子様、あなたへの捧げ物ですよ。ほら、皆喜んでおります。」
    「そうよ目蔵ちゃん、あなたは神様の子供なのよ。」
    「俺の子供が神様の子供とは…俺はお前が誇らしいぞ目蔵」


    俺って、なんなんだろう。
    俺って、誰なんだろう。
    父さんは言う。「障子目蔵」って言うのは役所に出すための名前なんだって。
    皆、俺を日子様って呼ぶ。


    俺は目蔵?
    俺は日子?


    分からないよ。

  • 16二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 20:38:23

    まあ人より多い腕はぱっと見で“特別”な感じするし切っても再生することにある種の神秘を見出したくなるのは分からんでもない
    だからって泣いて痛がる子の腕を切るなよ…

  • 17二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 21:19:17

    崇められていても幸せとは言えない環境だな…
    こっからどうなるやら

  • 18125/11/06(木) 22:22:07

    日子:9歳
    「おはよう目蔵ちゃん。ご飯、ここに置いておくわね?」
    「ありがとうお母さん…」

    今日もいつも通り、ご飯を食べて、朝のお祈りをする。
    冷たくてべったりしたご飯を無理やり口に押し込んで、身支度をして朝のお祈りまでぼーっと待つ。

    「ねえ!お兄ちゃん!」

    …誰だ?お祈りに来た子供かな?なら入り口を間違えてる。教えてあげないと。

    「…お堂の入り口はあっちだよ。」
    「ううん、違うの。お兄ちゃんとおしゃべりしたいの!」
    「…俺と?」
    「うんっ!」

  • 19125/11/06(木) 22:29:10

    「…なんで?」
    「だってお兄ちゃんとはいっしょにおしゃべりしたことないもん!」
    「…ダメだよ。」
    「なんでぇ?」
    「…俺は神様の子供だから。勝手に誰かと口をきくのはは許されていない。」
    「ちょっとだけ!ちょっとだけおしゃべりしよ!」
    「…ちょっとだけなら。」
    「やったぁ!わたし、○○っていうの!お兄ちゃんは?」
    「…日子。」
    「ちがうよぉ、それはパパたちがきめたなまえでしょ?お兄ちゃんのほんとのなまえは?」

    俺の名前。前になんかに書いてあった名前。なんだっけ、なんだっけ…ああ。

    「…目蔵。障子、目蔵。」
    「めぞうお兄ちゃん!よろしくね!」
    「…うんっ」

  • 20二次元好きの匿名さん25/11/06(木) 22:45:45

    ひょっとして正史で助けた子か⋯?

  • 21125/11/06(木) 22:50:02

    それから俺と○○は、大人の目を盗んでは2人で話をした。
    話と言っても大したものではない。好きな食べ物とか、色とか、子供じみた話だ。
    でも部屋から一歩も出たことのなかった俺は、○○の話に惹かれた。いつの間にか○○と話をすることが楽しみになっていた。

    「ねえ、めぞうお兄ちゃんはたこ焼きって知ってる?」
    「たこ焼き?なんだそれ?」
    「タネの中にタコを入れたやつだよ!ほかほかでおいしいんだ。」
    「…ふーん?」
    「前おまつりに行ったときおとうさんにかってもらったんだ!」
    「…そうか。○○が言うんだから美味しいんだろうな。」
    「おいしいよ!ねえ、こんどいっしょにおまつり行こうよ!楽しいよ!」
    「…無理だ。俺はここから勝手に出ることは許されてない。」

  • 22二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 07:57:13

    保守

  • 23125/11/07(金) 10:49:31

    「そうなのー?変なの!」
    「俺は神様の子供だから…」
    「ふーん…」

    そう、俺は神様の子供だから。
    勝手に出歩いてはいけないし、ものを食べてはいけない。
    母さんが言ってた、外の食べ物は汚れているから、お祓いで清めたものしか食べたらだめだって。

    俺と○○との話は、いつの間にか外についての話になった。
    ○○が言うには、外には「ヒーロー」という存在がかつていたらしい。だが悪者によってヒーローは滅ぼされ、今はこの世は悪の魔王に支配されているそうだ。

    「おかあさんがね、この村は小さいからまおうには見つからないって言ってたんだ。」
    「魔王、か…なんだか強そうだな。」
    「すっごく強いんだって!一回パンチしただけで、じめんにおっきな穴をあけれるんだって。」
    「へぇ…」

  • 24125/11/07(金) 10:53:24

    外の世界の「魔王」は、この世の誰よりも強い。そう言われている。
    でも俺には関係ない話だ。
    俺がこの村を出ることはないから。
    俺は…どこにも行けないから。

    「ねえ、めぞうお兄ちゃん!一回お外に行ってみようよ!」
    「え?でも…」
    「きょうはあめふってるから、みんなお家にいるよ!今なら見つからないよ!」
    「…」

    外の世界はどんな感じだろう。どんな景色が見えるんだろう。
    愚かにも俺は夢見てしまった。
    望んではいけなかった、願ってはいけなかった。
    なのに…

    「…わかった。ちょっとだけだぞ。」
    「やったぁ!」

    あの日、俺は。

    俺の本当の立場を、思い知ることになった。

  • 25二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 17:11:37

    この村本編だとどうなってるんだろうな

  • 26125/11/07(金) 19:23:04

    「じゃーん!どう、これがおそとだよ!」
    「あ…冷たい…これが、雨?」
    「そう、これがあめだよ!あれがお山で、これが川!」
    「わぁ…」

    初めての外は、何もかもが綺麗だった。
    冷たくも暖かい雨粒。柔らかく服を揺らす風。空を滑る雲。
    全部全部、初めてで綺麗で…ひとかけら持ち帰って、宝箱にしまいたい。
    そう思っていた。

    …あの時までは。

    「きゃっ!」
    「!○○!」

  • 27125/11/07(金) 19:30:53

    ○○はツルツルした岩に足を滑らせ、茶色い水に飲み込まれた。
    俺は○○の手を掴みたくて、なりふり構わず○○に手を伸ばした。
    刺すような痛みを顔に感じたが、そんなことはどうでも良かった。
    …俺にとっては。

    「日子様!お怪我は…きゃあっ!お、お顔が!」
    「怪我してるぞ!」
    「すぐに手当を!」
    「なんてことをしたの!○○!」
    「ただじゃおかないぞ!こっちに来い!」
    「わぁぁぁ、ごめんなさいっ、ごめんなさい…うぇぇぇぇぇん…」
    「…っ…○○…」

  • 28125/11/07(金) 19:32:49

    俺の顔には傷がついた。
    父さんは酷く怒っていて、母さんはただ泣き狂っていた。
    村の人たちが皆○○に怒っている。怒鳴っている。
    違うんだ、○○のせいじゃないんだって言おうとしたけど無駄だった。

    俺の声は、誰にも届かなかった。

  • 29125/11/07(金) 19:44:21

    「申し訳ありません…うちの○○が…!なんとお詫びをすれば良いか…」
    「俺の息子が許したからいいものの…取り返しのつかないことになったかもしれないんだぞ。もしそうなったらどうしてくれるつもりだったんだ?」
    「申し訳ありません、本当に…!」
    「全く、一体どういう教育をされてるの!?他の家の子供を巻き込むなんて!」

    ○○は家族と共に他の場所に引っ越した。
    父さんがそう言っていた。
    もう二度と外に出てはいけない。
    母さんがそう言った。

    俺は部屋を移された。
    窓がついていた部屋じゃなくて、地下にあるお座敷。
    扉には鍵がついていて、父さんが持ってる鍵じゃないと開かない。
    ご飯はいつも通り母さんが持ってきてくれるけど、穢れに触れされるわけにはいかないからと言って、ご飯の量が減った。
    できることは、天井からぶら下がった電球を眺めることだけ。

    俺は、小さなかけら一つを持ち帰ることすらも許されなかった。

  • 30125/11/07(金) 19:55:02

    日子:13歳

    「目蔵ちゃんおはよう。よく寝れた?」
    「…うん…」
    「よかったわ、これご飯ね。あ、アメの分はここに置いておくわね。」
    「ありがとう…」
    「今日はお祈りをするからしっかり食べておくのよ?分かった?」
    「…食べる…」
    「うん、また下げに来るわね。」

    アメは、猫だ。
    猫であり、俺の唯一の友達でもある。
    俺が外に出たあと、父さんが誕生日に子猫だったアメを俺にくれた。

  • 31125/11/07(金) 20:31:47

    「生き物を育てさせれば外に出たいと言い出すこともないだろう」
    いつか、父さんが母さんに言っていた。
    確かに、アメがまだ小さいうちは目が離せなかった。
    隙あらば格子の隙間から外に行こうとするし、トイレに入ったらびっくりするくらい大きな鳴き声をあげるし。
    なるほど、生き物は弱いのか。
    餌をあげながらそんなことを思った時もあった。

    俺もアメと同じだ。
    崇められて、餌を与えられて、初めて俺は俺として生きることができる。
    それがなければ俺はただの人だ。いや、人なのか?それもわからない。

  • 32125/11/07(金) 20:59:53

    今日はお祈りの日だ。ご飯を食べないと。でも…

    「…味がしない」

    いつの間にか食べるものの味がわからなくなっていた。
    何を食べても空気を食べてるみたいで、そのあと無性に気持ち悪くなって。
    試しに吐いてみたらすっきりした。
    それからずっと、食事を摂った後はトイレでこっそり吐いている。
    そうしたらお腹がむかむかしないで済むから。

    「アメ…うまいか?」
    「なぁん」
    「…そっか」

    アメは俺と違って餌の味がするのか、それか何も思っていないのか。
    餌を吐き出すことはなかった。

    「…着替えないと」

    真っ白な、紙みたいな着物。お祈りの時はこれを着るんだ。

    「アメ…待っててな」
    「にゃぁん」

  • 33二次元好きの匿名さん25/11/07(金) 21:35:58

    このレスは削除されています

  • 34125/11/07(金) 23:10:52

    時間が経ってもお祈りは苦手だ。
    部屋が血の匂いと村の人の笑い声でいっぱいになる。
    逃げ場が無くなる。

    「目蔵ちゃん、今日は3本お供えするからね。綺麗にしましょうね。」

    そう言って母さんは俺の腕を濡らしたタオルでそっと拭く。
    悪いことがたくさんあった月は、いつもより多めに腕を切ってお供えする。
    供える腕が多ければ多いほど神様が恵みを与えてくれる。
    父さんがそう言っていた。

    俺にできることなんてない。
    されるがままに腕を差し出すだけ。
    いるのかどうか分からない神様のために。

  • 35125/11/07(金) 23:15:45

    「ああ、日子様だ…」
    「今日もお美しい…」
    「しっかり見ておくのよ、あのお方のおかげで私たちは過ごせてるのだから。」
    「…」

    俺は日子様。神様の子供。みんなの神様。
    俺の腕はお供え物。神様へのお供え物。

    「すぐに終わりますからね。」
    「…」

    …いっそのこと、
    こんな腕、全部全部、斬り落としてしまえばいいのに…

  • 36二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 08:25:47

    保守

  • 37125/11/08(土) 08:40:17

    ゴゴゴゴゴ…
    「なっ、なんだ?」
    「何、この音…」

    後になって教えてもらった。
    あれは、地鳴りだって。
    その瞬間、お堂が、まるで上に重しを乗せられたみたいに崩れ落ちた。

    「きゃぁぁぁぁ!」
    「危ない!」
    「まえがっ、見えない…」
    「おとーさーん!おかーさーん!」

    腕を斬られたばかりの俺ができることは、梁や土に押しつぶされる人を見つめることだけだった。
    助けることもせず、ただただペシャンコになった人を眺めていた。

  • 38125/11/08(土) 09:03:38

    でも、押し潰されたのは村の人だけじゃなかった。
    俺もだった。

    「わっ!…っ…」

    土と血の匂いでいっぱいになって、真っ暗になって、何も聞こえなくなって。
    次に目を覚ましたのは…夜だった、と思う。

    「んにゃぁ」
    「…あ…」
    「にゃぁん」
    「…あ、め…?」

    おでこに、フニフニした温かいものが触れる。
    アメの肉球だ。

    「あ…けほ、けほっ…」

    ふわふわした体からは生きているものの温もりが感じられる。
    俺は体を起こし、あたりを見まわした。

  • 39125/11/08(土) 09:05:38

    「え…」

    あの時の光景を、俺は忘れることはないだろう。
    ある人は、お堂の天井の梁に頭を潰されて。
    ある人は、大きな石に胸を潰されて。
    あたり一面、血の匂いでいっぱいだった。

    でも。

    「…わぁ…」

    俺の頭上には、いつしか見た空が広がっていた。

  • 40125/11/08(土) 09:23:04

    「…青い…」

    空は広かった。
    広くて広くて、どこまでも続いていて…
    あの日見た曇り空とは違う、青い空。

    「これが…晴れ?」
    「にゃう」

    アメがそうだって言ってる。
    これが外なんだって。

    「…あ…」

    あの日、俺は。
    神様の子供ではなくなった。

  • 41二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 09:32:43

    ひとまず自由にはなったか…
    ここからA組とも絡んでいくのかな?

  • 42二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 19:08:01

    どうするんだろう……

  • 43125/11/08(土) 19:43:07

    障子目蔵:13歳

    「おい待てクソガキ!!」
    「どこ行った!!」
    「探せ!まだ近くにいるはずだ!」

    「はぁっ、はぁっ…」
    「んにゃ…」

    街と村の違い。それは人の性格だ。
    村にいた大抵の人は、みんな俺に優しかった。
    優しかったというより、崇めていた。
    少なくとも俺を罵ったり、悪くいう人は1人もいなかった。
    だがここは、街は違う。
    少しでも弱い素振りを見せたら、あっという間に叩きのめされてしまう。
    もちろんそこに優しさなどない。

    街に来て以来、俺は食べ物を少しずつ盗みながらアメと暮らしている。
    血と火薬の匂いに塗れた、灰色の街で。

  • 44125/11/08(土) 20:02:08

    「はぁっ、けほっ…」
    「んにゃう…」
    「んっ…だい、じょうぶ…ほら、食べろ」
    「にぃ…」

    猫がご飯を食べている絵が描いてある袋を開けて、その一本をアメに与える。
    これが餌かどうかは分からないけど、この絵が描いてあるからそういうことなんだろう。

    「いただきます…」

    みかんの実を一粒、口に放り込む。今日はあんまり食べ物を盗めなかったな。
    食べ物はたくさん盗める時もあれば、何も手に入らない時もある。
    全てはその日の運しだいだ。

  • 45125/11/08(土) 23:50:05

    空を仰げば曇り空。俯けば埃に塗れた道。
    外はこんなにも灰色で、空っぽなのか。
    食べ物が見つからない時は、ぼんやり空を見つめながらアメを撫でることが多い。
    探してもどうせ見つからないし、動けば腹が減るだけだから。

    「…寝ようか」
    「にゃん」
    「うん、そうだな…お腹、すいたな。」

    明日はどこまで探しに行こう。どこなら食べ物が見つかるかな。
    運よく見つけた温かい毛布にくるまって、目を閉じた。

  • 46二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 09:16:02

    保守

  • 47二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 18:41:18

    (´;ω;`)

  • 48二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 20:26:29

    あの女の子がヒーローになって迎えに来てくれる展開は無いんですか?!

  • 49125/11/09(日) 21:51:12

    ないよ
    あの女の子は他の街でひとりぼっちで過ごしてます。

  • 50125/11/09(日) 23:21:13

    ○○:
    目蔵と同じ村に住んでいた女の子。目蔵に外の世界を見せたが、雨の日に足を滑らせて川に落ち、目蔵の顔に傷ができる原因を作った。その後村八分に遭い、家族と共に他の街に移り住むが両親からは忌避され、自責の念も合わさって外に出られなくなる。

  • 51二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 07:55:28

    つらぁ……

  • 52二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 16:50:13

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 02:54:38

    落ちそう
    保守

  • 54二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 11:53:43

    保守

  • 55二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 20:54:04

    ほしゅ

  • 56二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 22:28:18

    どうなるかな

  • 57二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 07:31:30

    保守

  • 58125/11/12(水) 08:50:17

    食べることは、あまり好きじゃない。
    食べてもすぐに吐くし、味がしないから。
    でも食べないと何故か倒れるし、食べても食べなくても結局気持ち悪くなる。
    それに食べない人間なんて人間じゃない。
    だから必要最低限のものを口に運ぶ。人間であれるように。

    「…今日は、どこ行こうか」
    「にゃっ」
    「あの赤い建物の近くにはもう行けない…あそこは危ないけど、うまく隠れたら…」
    「にゃん」
    「よし、決まりだな。おいで。」

  • 59二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 12:53:45

    保守

  • 60二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 21:59:36

    誰かぁ……

  • 61二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 07:03:01

    ほしゅ

  • 62二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 12:59:56

    誰か善人とまで言わんから普通に受け入れてくれる人この子達に手を……

  • 63二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 21:27:08

    保守

  • 64125/11/13(木) 23:32:34

    ??「…この辺に市民はもういねえな…いるのはチンピラどもか。ここにいてももう何も手に入らないな…よしお前ら!引き上げるぞ!」
    ??「はーい!」
    ??「えー?もう?」
    ??「ここには目ぼしいモンはねえ。長居しても時間のムダだ。」
    ??「ちぇっ、材料が手に入ると思ったのに…分かったー!」
    ??「雨が上がったら出発するぞ!準備しとけ!」

  • 65二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 07:58:50

    おっと……?

  • 66二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 15:21:45

    保守

  • 67125/11/14(金) 16:43:47

    「…はぁ…のど、かわいた…」
    「にぃ…」

    「いいパーツ〜いいパーツ〜」
    「なんの歌だよそれ」

    「う…けほっ…」
    「にゃぁ」

    「ちょうど昨日この辺で抗争あったんだよね〜。パーツは…おー!って、壊れてんじゃん!」
    「ほら〜、もうねえって、さっさと戻ろうぜ〜」

  • 68125/11/14(金) 16:49:29

    「う…ぅ…」
    「にゃ…にゃあ、にゃあ!」

    「あれ?なんか聞こえる…」
    「…猫だ!どっかに猫いんぞ!」
    「あ、ちょ待って〜!」

    「にゃあ、にゃあ!!」
    「はぁ…はぁ…う、あつ、い…」

    「…猫!猫いたぞオイ!」
    「ほんとだ、可愛い〜…って…」

    「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

  • 69125/11/14(金) 18:23:53

    あつい

    あつい

    あたまがぼんやりする

    うまくしゃべれない

    ふわふわする



    うでがあかい

    あかい?

    そうか

    きられたのか

    ちがあかい

    あかい

    あつい

    あつい

    あつい

  • 70二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 22:59:05

    。・゚・(*ノД`*)・゚・。

  • 71二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 08:01:30

    ブラックでなくグレーな人達でありますように……

  • 72125/11/15(土) 12:04:58

    「…ぁ…ぅ…」
    「あ!起きた?」
    「…ん…」
    「水飲みな。はい。」
    「う…きゅ…っ、はぁっ…」
    「…まだ熱いね。熱測ろっか。」
    「う…」
    「…うーん、下がらないねぇ…服、濡れて気持ち悪いでしょ?変えよう。」
    「ん…」

  • 73二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 21:07:31

    どきどき

  • 74二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 06:19:57

    ほしゅ

  • 75二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 14:33:21

    ほしゅ

  • 76二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 21:43:20

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 06:27:18

    保守

  • 78二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 06:59:00

    助けて公安

  • 79二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 16:31:35

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 23:07:25

    優しい人達……?

  • 81二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 08:08:20

    ほしゅ

  • 82二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 16:51:01

    保守

  • 83二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 23:56:25

    ほしゅ

  • 84二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 07:56:03

    保守

  • 85二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 16:46:18

    保守

  • 86二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 22:07:31

    まだいい人達っぽいかな……?

  • 87二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 07:03:50

    保守

  • 88二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 14:13:39

    保守

  • 89二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 22:02:26

    保守

  • 90125/11/20(木) 22:34:10

    「よし、終わり。お腹空いた?なんか食べる?」
    「いら、ない…」
    「そっか。えっとね、キミは今酷い熱が出てるの。で、人の体って汗をいっぱいかいて熱を下げようとするのね。でもそうすると体の中の水がどんどん外に出ちゃうの。これ、あんまり良くないんだよね。だから水をいっぱい飲まなきゃいけないんだ。どう?分かる?」
    「…ちょっとだけ…」
    「よかった。じゃ、もうちょっとだけ飲もうか。はい。」
    「ん…きゅっ…」
    「しばらくここで休んでてね。何か欲しいものがあったらあそこにいる金髪のお兄さんか、私に言って。おっけー?」
    「…ん…」
    「…おやすみ。」

  • 91二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 23:24:27

    地獄をみたい

  • 92二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 07:32:22

    地獄もいいが幸せにもなって欲しい

  • 93二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 15:07:30

    ほしゅ

  • 94二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 22:10:40

    保守

  • 95二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 05:12:05

    鯖落ち回避のために保守巡回中わよ〜

  • 96二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 13:28:31

    保守

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