- 1スレ主25/11/08(土) 12:10:32
学園生活部…それは雄英高校の設備を使って学校内で寝泊まりしよう、という部活。寮とはまた違った生活が楽しめる。
これは、そんな学園生活部の部員が活動を楽しみながら最高のヒーローを目指す物語だ。
↓前スレ
【パロ・閲覧注意】ゆうえいぐらし! 2|あにまん掲示板学園生活部…それは雄英高校の設備を使って学校内で寝泊まりしよう、という部活。寮とはまた違った生活が楽しめる。これは、そんな学園生活部の部員が活動を楽しみながら最高のヒーローを目指す物語だ。↓前スレht…bbs.animanch.com↓初代スレ
【パロ・閲覧注意】ゆうえいぐらし!|あにまん掲示板学園生活部…それは雄英高校の設備を使って学校内で寝泊まりしよう、という部活。寮とはまた違った生活が楽しめる。これは、そんな学園生活部の部員が活動を楽しみながらヒーローを目指す物語だ。パロディ元『がっこ…bbs.animanch.comパロディ元
『がっこうぐらし!』
houbunsha.co.jp
※時系列は文化祭の準備期間中。
※原作のストーリーからは乖離した展開になるかもしれませんが、ネタバレ等は無しでお願いします。
※見切り発車スレです。今後の展開も何も決めていません。最悪ダイスで全部決めます。
※閲覧注意スレです。
- 2スレ主25/11/08(土) 12:15:09
- 3スレ主25/11/08(土) 12:16:10
- 4スレ主25/11/08(土) 12:47:01
(あ、注意文変え忘れてた。今後の展開全部決めてあります。ダイスはむしろ少なめです。)
- 5二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 12:48:04
あぁ集合写真が……
- 6二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 12:58:28
たのしみ
- 7スレ主25/11/08(土) 13:01:12
第8章 始まり
「…はぁー…っ、はーっ…っ。ゲホッ…」
―…どうして、どうして今になって。
いや、違う。ただの風邪だ。…そうに、違いない。
…本当に?
あいつだって最初はただの風邪のような症状から始まった。
どうして、これがそうじゃないと言える?
…薬。麗日が打った薬。…あれが、まだ一人分…
あれを打てば、助かる?
…でも、もし風邪だったら…
「…おい。てめぇこんなところで何してやがる。」
「!」
「……ばく、ごう。」
「随分とまぁ咳きこんでるみてぇじゃねぇか。…なぁ。」
「瀬呂。」 - 8スレ主25/11/08(土) 13:13:01
瀬呂「…ぁ、はは……ちょっと、風邪気味みてぇでさ…」
爆豪「へぇ、んで?そんな体で寝ようともせずにどこ行こうってんだ。」
瀬呂「それ、は…」
瀬呂は答えられなかった。
…答えようがなかったのだ。目的地だなんて、無かった。
ただ、部屋に居ると自分の現状と向き合う他なくて、だからあてもなく部屋を飛び出してきたのだ。
爆豪「…良いことを教えてやろうか。今までは仮説の段階だったが、てめぇらを見て確信した。…なりそこないかどうかを確認する方法だ。」
瀬呂「確認…!?できるのか、そんなことが…」
爆豪「風邪じゃねぇって俺が証明してやる。…丁度いい。お前が実験体になれ。」
一気に瀬呂との距離を縮めた爆豪は、瀬呂が反応するよりも早くにその瞼に指を添え、黒い眼を覗き込む。
瀬呂「うわっ!?急に目に指近づけんなよ!危ねぇだ…ゲホッ…!」
爆豪「……確定だ。リカバリーガールのとこに行け。他の奴らには説明しといてやる。」
瀬呂「っ、はぁ!?今お前何を見て…」
爆豪「瞳孔だ。感染した奴らは瞳孔ガン開きにしてんだよ。…それこそ、死体のようにな。」
瀬呂「どう、こう…」
爆豪「光を見ていつもより眩しいと思うかどうか…自分でも確かめてみろ。」
瀬呂「…」
風邪ではなかった。…風邪で、瞳孔は開かない。
…薬が、効くのかもしれない。それで…それで、治療法が確定すれば。
瀬呂は、頷いた。 - 9スレ主25/11/08(土) 13:23:59
-保健室-
リカバリーガール「はい、これで薬は打ったからね。後は安静にしてることさね。」
瀬呂「…ありがとう、ございます。」
八百万「瀬呂さん…どうか気を強く持ってください。」
麗日「大丈夫だよ、私も救かったんだから!」
瀬呂「…そうだな。」
希望が無いわけではなかった。
皮膚感染という空気感染よりも速やかに重症化していく感染経路で感染したにも関わらず回復した例が目の前にいるのだ。
一人分は分析に回した。もう一人分を持っていた八百万と付き添いの麗日が駆け付けたのは瀬呂がリカバリーガールの元を訪れてからすぐのことであった。
芦戸「っ瀬呂ぉぉぉぉぉ!!」
薬の投与が終わって、少し。
扉を勢いよく開けて数人が保健室になだれ込む。
峰田「うおぉぉぉ瀬呂、瀬呂死ぬなぁぁぁ!!」
切島「薬っ、薬は!?効くんだよな、麗日が効いたんだから!!」
相澤「…お前ら、相手は病人だぞ。」
飯田「3人とも瀬呂くんから離れたまえ!彼はこれから安静にしていなくてはならないのだぞ!?」
一気ににぎやかになった室内に、瀬呂は思わず笑みを零す。
瀬呂「っはは、うるせぇってお前ら。…っけほっ…」
「「「瀬呂ぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」
爆豪「るせぇ!!!」
咳をしても、もう一人ではない。
…大丈夫、状況はあの時と違う。
瀬呂はまた、笑った。 - 10スレ主25/11/08(土) 13:36:39
-保健室前-
未だがやがやと騒がしい保健室内を後ろに、爆豪は八百万と麗日の両名を呼び出していた。
爆豪「麗日がやっていたことは全て試しておきてぇ。…詳細に話せ。」
八百万「…なるほど。確かにやれることは全て試すべきですものね。…とはいえ…」
麗日「うん…特に特別なことはなにもやっとらんから…」
爆豪「…それでも、だ。」
麗日「うーーん…でも、本当に何も思いつかんよ?雄英は結構設備が整ってたから…水道も、電気も…食料だってちゃんとあったし…」
八百万「寮の方で過ごしてらした瀬呂さんも、同じような生活を送っていたと思いますわ。」
爆豪「…そうかよ。」
麗日「とりあえず後で向こうでの一日、どんな感じに過ごしてたか書いてみるけど…あんまり期待しない方がいいかも…」
八百万「轟さんにも聞いておきますわ。他にもなにかありましたら、全面的に協力しますので…」
感染者を前に絶望に浸る段階は、とうに過ぎた。
今度は、こちらが抗い、打ち勝つ番だ。
二人はそう思い、握った拳に力を込めた。 - 11スレ主25/11/08(土) 13:52:05
-数日後 会議室-
芦戸「えー……遠征準備が無事完了したということで…」
「「「おつかれさまー!」」」
紙コップに入ったジュースを手に、乾杯の音頭を交わすヒーロー科一同。
ここ数日はまさに忙しい、なんてものではなかった。
感染対策、そして瀬呂のお見舞いとその他実験に一人残らず奔走していたのである。
その隙間時間に遠征の準備を進めること数日。ようやくそれが終わったので、それを祝い短い時間ながらも会議兼お祝い会を彼らは開いていたのである。
回原「…で?結局誰が行くことになったんだっけ。」
芦戸「学園生活部の7人は遠出慣れしてるから確定!自堕落サークルからも一人出そうかって話にはなってるよ。」
泡瀬「自堕落サークルという名の大学内A組グループね。そしたらB組からも一人出す?」
黒色「…俺はパス。…色々と、ここでしか調べられないことを調べたいから。」
そう言う彼の手の中には、小森の考察ノートが変わらず抱えられていた。
大学というだけあってその設備は充実している。
それで、感染者から細菌を採取し実験ができないかという動きがここ数日で起きた。
真っ先に志願した黒色は、小森の考察を生かすべく邁進しているところだったのだ。
鱗「まぁ黒色は分かってたけど…正直あんまり人数ばかり多くてもな…」
蛙吹「そうね。ここも人手が十分足りているとはいいがたいもの。」
轟「無理強いはしねぇ。…なんなら7人でも十分だろ。」 - 12スレ主25/11/08(土) 14:03:38
相澤「生徒だけで行く気か?…俺はお前らについて行く。こんな時だが…こんな時こそ、生徒を守るのが教師ってものだろ。」
八百万「まぁ…いいんですか?」
相澤「…あいつが必死に守り切ったのが『学園生活部』なんだろう。…なら猶更だ。」
青山「…じゃあ…先生は副顧問になりたい、ってことかな…☆?」
相澤「副…そうだな。顧問はマイクなんだろ。」
飯田「先生が来てくださるとは、心強い!」
峰田「ああ!百人力だぜ!」
切島「こっちは少し寂しくなりそうだなー…」
芦戸「ねーっ!」
爆豪「じゃあてめぇらも行けばいいじゃねぇか。」
切島「いやいや、そういう訳にもいかねぇよ。」
芦戸「そうそう!自堕落サークル代表がいなくなったら誰がこのサークルを回していくの!?」
尾白「サークルを解体するって選択肢は…?」
芦戸「ないね!私達が居なくなったらすぐ雰囲気暗くなりそうだもん!やっぱりヒーローは明るくなくっちゃ!」
ずっと、停滞していた。
学園生活部の存在は大学内に新たな風を吹き込んだ。
犠牲と引き換えに、彼らは一つの筋道を掴み取ったのだ。
轟「…で、次の目的地だが…」 - 13スレ主25/11/08(土) 14:17:22
八百万「ええ。やはりマニュアルの拠点一覧から選ぶべきだと思いますの。」
相澤「…なら、次はここに行くぞ。」
蛇腔総合病院
相澤が示した、それ。
紙面の一番下に記載されている場所であった。
飯田「じゃくう…と読むのでしょうか。なぜここに…?」
相澤「俺もマニュアルを読んでから拠点となっている箇所は全て軽く調べた。…その中で最も異彩を放っていたのがここだ。」
相澤「個性に根差した地域医療を掲げた病院…全国各地に児童養護施設や介護施設を開設する規模の大きな病院だ。それだけなら災害の避難先として指定されても、おかしくはない…問題は、これがパンデミックを想定したマニュアルであるということだ。」
相澤「感染症を相手取るならそれに対応した設備の整った病院を選ぶだろう、普通。…この蛇腔総合病院…ここに、感染症科は存在していない。セントラル病院と並んでこの病院が何故選ばれたのか…俺たちはそれを知る必要がある。」
八百万「つまり……細菌研究に裏で関わっていた可能性がある、と…?」
鱗「…え、だとしたら…マニュアルの作成者はそれを知ってて…?」
回原「かなりきな臭くなってきたな……」
八百万「…分かりました。次の目的地はここにしましょう。出発日は瀬呂さんが回復されてから決めるとして…それまで各々、悔いのないように。」 - 14スレ主25/11/08(土) 14:27:18
人救けは嫌いじゃない。
むしろ好きな方だ。ありがとうと笑う顔は何よりも大好きだと思う。
でも、雄英に入った動機は……
動機は……
えっと…
何だったっけ? - 15スレ主25/11/08(土) 14:30:55
-???-
屋上。初めて、彼女らがかれらと対峙した日のこと。
ガタガタ…ドンドン!!ドンドンドンドン!!ガリッ…ガリガリガリッ!!!!
勢いよく叩かれる扉を、青山、八百万、プレゼント・マイクの三名が必死で抑えている。
それを見ていた麗日の瞳にゆらりと立ち上がる人の影が差す。
麗日「あれ…ものま、くん?」
―あれ、どうするんだっけ。
八百万「っ、違いますわ!よく見てくださいっ、麗日さん!」
麗日「な、何言っとんの。この人は…」
そう反論を返す麗日に対し、人影は急にその動きのスピードを上げて襲い掛かる。
麗日「うわっ!?」
間一髪で避けた麗日だったがその拍子に尻もちをついてしまい、その隙を逃さんとばかりに影は歩みを進める。
遠距離攻撃が可能な青山も、マイクも扉を抑えるのに精一杯で麗日の方を向く余裕がない。
絶体絶命。追い詰められた麗日の手の先に、固い何かが触れる。
―そうだ、思い出した。
―確か、こう…
咄嗟にシャベルを手にした麗日はそれをかれの喉元に突き刺す。 - 16スレ主25/11/08(土) 14:36:54
突き刺す。突き刺す。突き刺す。突き刺す。
……
つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。
つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。つきさす。
そして、かれの首元に口を近づけて。
―……あれ
―こうだっけ
―なんか ちがう
―わたし…
柔らかい肉を噛みきる感覚と、鉄の味が口いっぱいに広がる。
「あ…ぁああ…」
………
「!!!!」
自室のベッドの中で、彼女は飛び起きる。
その手足には、自分でつけた手枷と足枷があった。
いつかの時に、自らに取り付けられた、それを。
麗日が身じろぐのに併せて。金属音が、鳴った。 - 17スレ主25/11/08(土) 14:41:39
1.青山 2.麗日 3.八百万 4.飯田 5.峰田 6.轟 7.芦戸 8.蛙吹 9.尾白 10.切島 11.爆豪 12.相澤
dice2d12=10 4 (14)
- 18スレ主25/11/08(土) 14:53:08
-保健室-
切島「瀬呂!!!見舞いに来たぜ!!」
瀬呂「おー…毎度毎度ありがとね。」
飯田「あれから調子はどうだ、瀬呂くん。」
感染が発覚してからというもの毎日瀬呂の元には欠かさずに誰かしらが見舞いに来ていた。
ただし、一度に大勢押し掛けるのは迷惑だという理由からくじ引きで二人一組を作り、定期的に保健室を訪れていた。
感染拡大防止のため、瀬呂との間には厚いアクリルの壁が設置されていたが、それでも壁など無いかのように彼らは話を弾ませていた。
瀬呂「良くもなく悪くもなく、って感じだな。未だに咳は出るけど…悪化してる訳じゃないんだよな。」
切島「瞳孔がどうたらこうたらって話だったよな。そっちはどうだ?」
瀬呂「そっちも変わらず。あれから毎日リカバリーガールに見てもらってるけど、あんまり変わってない。」
飯田「薬も打った、リカバリーガールにも診ていただいている…状況は麗日くんの時より遥かにいい。…きっと、すぐにでも良くなるさ。」
瀬呂「…そうだな。麗日の症状を思えば軽いもんだよな。…今すぐにでも外に出られそうなくらいには俺今元気だぜ?」
飯田「それは止めたまえ!万が一ということもあるだろう?」
瀬呂「分かってるって!」
切島「そういや、あの話はもう聞いたか?遠征の話。」
瀬呂「あー。病院に行くんだっけ?相澤先生もついてきてくれるとか。」
飯田「うむ。あとは瀬呂くんの回復を待つのみだ。」
瀬呂「マジ?待たせちゃってんね俺。…早く治さねーとなー…」
切島「焦んなよ、こういうのは根気が大事なんだからな!病は気からって言うだろ?」
瀬呂「分かってるって。他には?なんかあった?」
切島「他?…あ、そういやこないだ俺たちでスマブラ大会したんだけどよー…」
他愛もない話をすれば、あっという間に時間は過ぎていく。
学園生活部が遠征を決行するまで、あと… - 19スレ主25/11/08(土) 14:56:07
1.八百万 2.飯田 3.峰田 4.轟
dice1d4=3 (3)
- 20スレ主25/11/08(土) 15:05:03
-夜-
峰田「青山!おい起きろ青山!」
青山「…もう…なんだいこんな時間に…」
夜。青山の部屋の扉を強く叩く人物がいた。
眠い目を擦りながら扉を開けた青山はあくびを一つ零す。
峰田「それがっ…麗日が居ないみたいなんだよ…!」
青山「トイレじゃないのかい…」
峰田「八百万に行ってもらったけど居なかったって…」
青山「じゃあゲームでも…」
峰田「してなかった…」
青山「じゃあ…また散歩にでも出てるんじゃないかい?」
峰田「…散歩?」
峰田は首を傾げた。
散歩…しかも、また?
青山「キャンプしていた時の癖らしくって…夜になると目が冴えちゃうんだってさ…」
峰田「そ、そうか…あいつ、ここんところずっと様子がおかしかったからオイラ心配になって……あの時だって、オイラが下手なこと言わなかったら…」
青山「……」
峰田「…すまん、変なこと言っちまったな…夜中に悪かった。皆にはオイラから伝えとくから…」
青山「…うん、おやすみ…」
峰田「おう、また明日な。」
青山「…ウィ。」
遠ざかっていく峰田の後ろ姿を、そのままぼんやりと見つめていた青山は、やがてゆっくりと自室の扉を閉めた。 - 21スレ主25/11/08(土) 15:09:27
青山「…」
簡素なベッドの上。
青山は一人、考える。
青山「峰田くんだけじゃない…きっと、皆もう気がついているのかな…」
青山「麗日さん…ずっと夜起きているんだ。今日だけじゃない。…もう眠れていないんだ…」
青山「…彼女、どうなっちゃうのかな…」
『だから遠征に行くんじゃねぇか。』
『もっといい薬だってあるかもな。』
青山「でも…間に合うんでしょうか。」
青山「そう…ですよね、きっと大丈夫ですよね。」
青山「…もう、お別れはなんてない…ですよね。」
青山「ずっと、ずっと一緒に…」
…
青山「こわい…こわいんです……マイク先生。」 - 22スレ主25/11/08(土) 15:11:10
1.青山 2.麗日 3.八百万 4.峰田 5.轟 6.芦戸 7.蛙吹 8.尾白 9.爆豪 10.相澤
dice2d10=4 3 (7)
- 23スレ主25/11/08(土) 15:15:17
-保健室-
峰田「おーい、瀬呂ー?」
八百万「瀬呂さん?お見舞いに参りましたわ。」
保健室の前。
見舞いの品と共に保健室の扉を叩いた二人は揃って首を傾げる。
いつもであればリカバリーガールが扉を開けてしばらく3人だけにしてくれているのだが、今回は一向に扉が開かない。
峰田「…なんだ、どっかに行っちまってるのか?」
八百万「いいえ、そんなはずは…」
互いに顔を見合わせた二人の目の前で、僅かに扉が開く。
中から顔をのぞかせたリカバリーガールの表情は、今までに見たことがないほど険しいものであった。
リカバリーガール「…悪いけど今日は面会謝絶だよ。」
峰田「えっ…瀬呂に、何か…」
リカバリーガール「…あの子の容体が、急変したんだよ。」
第8章 終わり - 24スレ主25/11/08(土) 15:23:52
(展開をカットしたりしまくってる影響で一章一章が短くなってる気が……それより登場人物多すぎやしませんか?最初の3人とか5人とかの頃が懐かしくて仕方がないですよ。)
あ、そういえばゆうえいぐらし!は全14章構成です。5.5章があるので最終章は第13章となりますね。+で後日談もありますが…早くも半分を超えたことになりますね。早いものです。
スレ主は応援していたスレが唐突に更新が途絶えたと思えばそのまま完結することなく過去ログ倉庫行きになるという悲劇を何度も経験しているので自分のスレだけでも完走しようという気で臨んでいます。
ここからがスレ主的に面白くなってくるところだと思っておりますので……その分オリジナル展開や設定も多いのですが…引き続き、お楽しみくださいませ。
第9章 始まり - 25スレ主25/11/08(土) 15:33:59
-保健室前-
峰田「…は……容体が、急変?…そ、それってどういうことなんだよ!薬はっ、効いてたんじゃなかったのかよ…!?」
リカバリーガール「私にも詳しいことは分からないよ。…けど、今日になって急に、ね…とにかく今あの子に会わせることはできない。…今日が峠だろうさね。」
八百万「…瀬呂さんに直接会えないというのなら…せめて、これを。」
そう言って彼女が差し出したのは、携帯電話だった。
リカバリーガール「…今、あの子は意識が無い状態でね。目を覚ますとは保証できないよ。」
八百万「…構いませんわ。…何もできないよりは、ずっと…」
リカバリーガール「分かった。…出来るだけのことはやってみるけども……念のため、全員呼んだ方がいいかもしれないね。」
峰田「っ…オイラ、呼んでくる!」
八百万「わたくしも…!」
慌ただしく廊下を駆けていく二人。
保健室の扉を閉めたリカバリーガールの後ろで、ベッドが大きく揺れた。 - 26スレ主25/11/08(土) 15:46:36
-保健室 隣-
切島「どういうことだよ、瀬呂の容体が急変した、って…!!」
芦戸「麗日は薬が効いたんでしょ!?同じものを打った筈じゃ…!」
峰田「それが分かったら苦労しねぇよ…!」
相澤「…やめろ、お前たち。今騒いで何か変わるか。…そうじゃないだろう。」
保健室の隣の部屋にて。
八百万の携帯と峰田の携帯を使って遠隔でビデオ通話をしていた。
画面の向こうでは今なおリカバリーガールによる治療が続けられている。
尾白「…麗日さんは皮膚感染から回復できたんだよね。…だから、空気感染の瀬呂ならもっと早くによくなると思ってた。…なのに、どうして…」
爆豪「それだけじゃねぇ。今回はリカバリーガールによる治療までセットだ。」
青山「…」
しきりに、ベッドが揺れる。
既に拘束されているのかその動きは麗日ほど大きなものではなかったが…
青山「…がんばれ。」
「「「!」」」
小さくつぶやいたその声。…ほとんど無意識下で零したものであったが…それに触発されるように、部屋中のあちらこちらで声が上がった。
「がんばれ、がんばれ瀬呂!負けんな!」
「また、また皆で授業受けようよっ!ねぇ瀬呂!」
「がんばれよ瀬呂…!お前までいなくなったら、オイラ…」
「お願いっ、がんばって、目を覚まして…!!」
集まった願いは、時に小さな奇跡を起こす。
画面の向こう。
暴れていたその手足の動きが一瞬、鎮まった。 - 27スレ主25/11/08(土) 16:02:17
「…ぅ…」
小さな、小さな。
…蚊の鳴くような声だったが、それは確かに彼らの耳にまで届いた。
峰田「瀬呂!」
峰田が自身の携帯に真っ先に飛びついた。
その液晶の先で、瀬呂が微かに目を開けた。
瀬呂「……あー……そっか、俺……もう…」
轟「…違う。まだ、瀬呂は生きている。…まだ、戦えるだろ…!」
瀬呂「いや…なんかさ…自分でも分かるんだわ…あぁ、俺もうダメだ、って……」
麗日「瀬呂、くん……」
瀬呂「…麗日。気に病むなよ。…俺はお前だけでも救かってよかったって、そう思ってんだから…」
どうして。どうして自分だけ。
そう思う彼女の心中を見抜いたかのように。彼は。
芦戸「…っ、瀬呂…私達、今よりもっと強くなってみせるから……悲劇も、人を強くするんだって、っ…力に、変えてみせるから……」
絞り出すように。もう救からないと思って言っているのではない。内心は、きっとまだ可能性があると、そう信じていた。しかし、もしこれが最期なのだとしたら…彼女の伝えたい言葉が、それだったのだ。 - 28スレ主25/11/08(土) 16:10:30
瀬呂「……どうだろね。」
力の入らなくなった表情筋を、それでも動かして。
瀬呂はおどけたように笑って見せた。
瀬呂「ここ数か月はほんと…起伏に富んだ人生だったけどさ…それでも俺思うんだ。」
瀬呂「悲しいことなんざ…あるよりない方が良いだろ。」
芦戸「!」
瀬呂「これから……それを無くしてくれるんだろ、お前らが。」
瀬呂「だから…後は、任せたぜ、ヒーロー……」
ゆっくりと、ゆっくりと瞳を閉じていく。
人が死ぬとき、最期まで残る感覚は聴覚であるらしい。
機械越しに、彼らは叫び続けた。
その声はずっと、ずっと。
…彼がかれになるまでのその瀬戸際まで、彼の心に届き続けた。 - 29スレ主25/11/08(土) 16:22:00
かれらと化してしまった瀬呂をそのままにしておくわけにはいかない。
数人で彼を『弔った』そののち、保健室隣の部屋でそのまま彼らは…
爆豪「あいつは空気感染で感染した。…それは変えようの無い事実だ。いつの間にかどっかで貰ってきたんだろーよ。マスクだって完璧に感染を防いでくれるワケじゃねぇ。」
蛙吹「問題は…どうして薬が効かなかったのか、ということよね。」
相澤「その事だが……一つ、お前たちに言っておかねばならないことがある。…特に、学園生活部の校舎組。心して聞くように。」
不穏な前置きに、彼らは息を飲む。
相澤「麗日が打ったという薬…それの解析結果は、実はとっくに出ていた。そのことを言わなかったのは…その薬とやらが…」
相澤「ただの栄養剤と抗生物質のみで構成されていたからだ。」 - 30スレ主25/11/08(土) 16:31:41
八百万「ただの、栄養剤と抗生物質…?実験薬は…」
相澤「確認されなかった。全て既知の物質で…目新しい成分は含まれていなかったそうだ。抗生物質が効いていた可能性もあったが…今回の件で、それも消えた。」
麗日「そん、な…」
爆豪「…んじゃあなんで麗日は回復して、瀬呂は死んだ。…その間にある違いはなんだ。」
飯田「違い…違いなど、あっただろうか…?むしろ瀬呂くんの方が好条件だったというのに…」
轟「麗日の打った薬だけ成分が違ったって可能性はねぇのか。」
相澤「生憎…念のため、使用済みの注射器も分析に回していた。…結果は、同じだった。」
室内を、静寂が包む。
唯一の希望が、打ち砕かれたのだ。
爆豪「そーかよ。…まぁ、薄々そうなんじゃねぇかと思ってはいたがな。」
切島「え…爆豪、それってどういう…」
爆豪「麗日、目ぇ出せ。」
麗日「えっ!?!?爆豪くん急に何を…」
爆豪「いいから出せや!!」
数日前、瀬呂にしたように爆豪は麗日の瞳を覗き込み、そして舌打ちを零した。
爆豪「てめぇらが来たあの日だ。お前だけ異様に瞳孔が開いていた。…それからしばらくした後に瀬呂もこうなった。…まだ、感染は完全に治まっていない。…が、どういう訳か発症を抑え込んどる。」
八百万「それが、今の麗日さんの状態…?」
峰田「…それで…?」
麗日「…」 - 31スレ主25/11/08(土) 16:41:52
爆豪「薄々てめぇでも分かってたんだろ。」
麗日「…う、ん……」
八百万「…」
峰田「それで、『散歩』ってのは…」
麗日「…外に行って…かれらを探してた。普通の人間と同じように気がついてもらえるかな、って…でも、ダメだった。全く、気づいてもらえなくって…」
轟「…麗日、体温は。」
麗日「体温…?」
轟「あいつらは温度に反応してるかもしれねぇって…前に話しただろ。」
蛙吹「…ちょっと失礼するわね。……」
麗日の額に手を当てる蛙吹。…その表情は、険しかった。
蛙吹「…冷たい……平熱を下回ってるかもしれないわ…」
尾白「っじゃあ、麗日さんもいつかは…?」
爆豪「それでも、今まで症状を抑え込めていたんには何か理由がある筈だろうが。…何か、抗体みてぇなもんを持っている、だとかな。」
相澤「…と、なれば…一度血液検査をしてみるべきだろうな。麗日。」
麗日「はい。」
相澤「遠征は後回しだ。…いいな。」
皮膚感染でありながら、発症を抑え込めた麗日。
空気感染でありながら、発症してしまった瀬呂。
この両者の違いが治療法に繋げられるのではないか。
彼らは少しも諦めてなどいなかった。
得られたものは最大限まで活用する。そして、いつかは。
悲しいことを、なくすために。 - 32二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 18:35:21
すみません後で加筆修正されるとは思うんですが尾白くんはお茶子のこと麗日と苗字呼び捨てで呼ぶシーンが原作にあったと思います…葉隠さんのことはさん付けしてるから紛らわしいですよね
- 33スレ主25/11/08(土) 18:38:40
- 34スレ主25/11/08(土) 19:02:49
すみませんスレ主です…
尾白くんの二人称の件とは別に、
重 大 な イ ン シ デ ン トが発生しました。
現在確認中ですがスレの進行及び完走には支障ありませんのでしばらくお待ちください。 - 35スレ主25/11/08(土) 19:22:54
確認してきました。
インシデントというのは、スレ主ががっこうぐらし!第12巻を読了していなかった、ということです。
なんでこんなことが起こったのかというと…
スレ主かなり前にがっこうぐらし!の全巻セットをブックオフで買ったんですけどその時にうっかり全部あるかどうか確認し忘れたんですね。それでここにあるのが全部だと思って読んでたんですけど…今さっき「そういえば12巻って読んでたっけ?」となりまして確認したところ……全巻セットから第12巻だけ抜けてました……
で今さっき電子書籍で内容を確認しました。
スレ進行及びこの先の展開には全く影響がありませんが…ご報告だけ。 - 36スレ主25/11/08(土) 19:25:09
(普通読んでて気がつかない?と思われるかもしれませんが、がっこうぐらし!が打ち切りみたいな終わり方をしたとネットに書かれていて…後日談は普通に入っていたのでそれで語られてたんでまぁ、いいかってなって……いや普通にスレ主がクソボケなのが悪いな。すみませんでした…)
- 37スレ主25/11/08(土) 19:54:36
しかも結構綺麗に終わってるし…
すみません、クソボケスレ主のクソボケミスの話はここら辺にして、ぼちぼち続き進めていきましょう。 - 38スレ主25/11/08(土) 20:07:47
-堀須磨大学内 某所-
蛙吹「……」
尾白「…あ、見つけた。血液検査の結果が出たって…」
蛙吹「…尾白ちゃん。」
麗日の体内に残された抗体に賭けるため行われた血液検査。
堀須磨の設備、その他諸々の技術をもってしても時間がかかるためその間生徒達は好きにそれぞれの時間を過ごしてよいことになった。
蛙吹はぼう、と窓の外を眺めていた。
遠くではかれらが雨に打たれてなおうろうろと辺りをあてもなく彷徨っている。
尾白「わ、すごい雨…」
蛙吹「…私、雨は好きよ。…でも…今日の雨は…なんだか好きになれないの。」
尾白「…そうだね。俺も……今日ばかりは、晴れが良かったかも。」
蛙吹「……お話に聞くのとは違う…お友達の死を目の当たりにすることって…こんなに辛いことだったのね…」
尾白「…」
窓に、蛙吹と尾白の姿が反射する。
その顔に流れる水滴は果たして、雨のせいなのか、それとも…
尾白「もう少し…皆には待っててもらおうか。」
蛙吹「…えぇ…」 - 39スレ主25/11/08(土) 20:24:51
-会議室-
黒色「血液検査の結果が出た。…結論から言うと…麗日の血液から抗体も、それと同等の役割を持つ物質も確認できなかった、って…」
八百万「…麗日さんはここの所急激に調子がおかしくなっていたようですから…抗体があったとしても、もう無くなってしまったのでしょうね。」
爆豪「その様子じゃ…他の学園生活部の奴らの血液を検査しても結果は同じだろうな。」
黒色「でも…収穫はあった。症状を抑え込んでいたのは雄英での習慣だと思う。雄英を出てから症状が出始めたんだよな。」
麗日「うん…だから、違いがあるならその時だとは思う…」
轟「問題は瀬呂も雄英には居た、ってことだよな。瀬呂も雄英で同じように抗体を獲得していて、それが減衰したってことなら麗日の症状は今もっと酷くなってるんじゃねぇのか。」
飯田「つまり…瀬呂くんは抗体を獲得してはいなかったか、その量が少なかった、ということになるのか。」
峰田「えぇっと…抗体ってどんなことをしたら取り込めるもんなんだ?」
八百万「この場合は『抗体のようなもの』の可能性も否定できませんので一概には言えませんが…通常は一度病原体に感染したりワクチンを打つことで獲得できるものですわ。」
峰田「…じゃあ…麗日は感染してる時にたまたま効果的な抗体が作れたってことか?」
八百万「仮にそうだとしても、それだと今になって再び発症してしまったことへの説明がつきませんわ。」
峰田「あーー!分っかんねぇよオイラ!!二人の何が違うってんだ!?」 - 40二次元好きの匿名さん25/11/08(土) 20:31:31
- 41スレ主25/11/08(土) 21:21:02
相澤「…このままだと埒が明かない。二手に分かれるぞ。…といってもやることは変わらん。遠征班と調査班に分かれてアプローチを行う。」
話し合いは平行線を辿った。
二人の間にある違い。「"個性"」、「身長・体重」、「性別」。
…いずれも決定打に欠けた。
結果、学園生活部は事前の計画通り蛇腔に向かい、大学に残るメンバーは学園生活部の持ち込んだ資料などをもとに細菌の調査を進める、ということになったのである。
青山「ところで一つ聞きたいんだけど…」
堂々と高く、青山は手を上げた。
青山「…蛇腔病院ってどこにあるんだい☆」
峰田「そういやオイラも知らねぇや…車で行ける距離なのか?」
八百万「マニュアルに書いてありましたわ。確か…」
相澤「蛇腔は…京都にある。」
「「「「…京都!?!?」」」」 - 42スレ主25/11/08(土) 21:34:35
-大学内 某所-
青山「…どこ行くんだい。」
麗日「!」
話し合いが終わって、夜。
大学内をふらふらと歩く麗日を、青山は見つけた。
青山「明日には京都に出発する。…今日のうちに、しっかり寝ておかないと。」
麗日「…もう…時々意識が保てなくなるんだ。皆、当たり前のように私を連れて行ってくれようとしてる。…けど…」
麗日は窓から空を見上げた。
雨はすっかり上がり、丸い月が覗いていた。
遠くに見える、大学の敷地外では濡れ鼠となったかれらが辺りに跋扈している。
麗日「…私は、いつああなっちゃうか分からないんだよ。…大学内に残るわけにもいかない。…だから…これで、いいんだよ。ごめんね…」
青山「ごめんね、じゃないさ!」
珍しく、青山は強く声を荒らげた。
青山「それってつまり…自分が足手まといとか、いないほうがいいとか…そういうことだろう!?…そんなの、許さない…!麗日さんの居ない学園生活部なんて、学園生活部じゃない!」
麗日「そんなのっ、青山くんには分からないよ…!!」
青山「分かるさ…!分かるさ……だって…」
麗日「…だって…?」
青山「…なんでも、ない。…僕は……お別れは、ちゃんとしたいんだ。知らない内にどこかに行かれたら、それすらもできないじゃないか。」
麗日「…」
青山「そんなの…ずるいだろう。」
麗日「…いいの?私…まだ、学園生活部に居て…」
青山「それを決めるのは、僕じゃない。…君自身だよ。」
麗日「っ…」 - 43スレ主25/11/08(土) 21:42:04
麗日「私…私、まだっ、まだ皆と一緒に居たい…!」
青山「…うん。」
麗日「離れ離れになりたくないよ…!」
麗日「まだ、まだ私っ……」
青山「……」
麗日「私……デクくんに、何も言えてない…」
青山「…そうだね。」
麗日「最期まで…諦めたくないっ、無駄かもしれなくても、足掻きたい…!!このままだなんて、やだよっ…!」
青山「うん。…叶えに行こう。全部。」
麗日「うん…うん…!!」
丸い、丸い月が辺りを照らす。
今夜は満月。
昼間の大雨が嘘だったように晴れ渡った空から見えるそれは見事な月で。
地上がこんな状況でも、空だけは変わらない姿で、いつまでもそこにあり続けていた。
いつまでも、いつまでも… - 44スレ主25/11/08(土) 22:02:14
-出発日 裏門前-
蛙吹「こちらは任せて。それと…どうか、気をつけて。」
芦戸「これ!私達自堕落サークルからの餞別!」
切島「俺たちで厳選したおススメの漫画だぜ!」
尾白「最終巻だけ抜いてあるから。結末が気になるなら帰ってきてから、だからね。」
爆豪「戻って来んかったらコロす。」
回原「結局俺らはあんましなんもしてやれなくてごめんな。」
泡瀬「でも…黒色筆頭に調査進めておくからさ、お前らも…頑張ってな。」
小大「……無事で。」
鱗「遠くから応援してるからな。」
黒色「…小森のノート、俺たちに届けてくれてありがとう。絶対に、無駄にはしない。」
A組と、B組。彼らの見送りを受けて、学園生活部6人とその副顧問はキャンピングカーに乗り込んでいく。
背を向けた麗日に、リカバリーガールが声をかけた。
その腕の中には、『エリちゃん』が抱えられている。
リカバリーガール「…ちゃんと、帰ってくるんだよ。この子を悲しませたくなかったらね。」
麗日「…はい!」
一歩進んで、また戻って。
幾度となく絶望を叩きつけられても、学園生活部は、ヒーロー科は立ち続けた。
そして、それはこれからもきっと、ずっと。
これからの事は、何もわからない。けれど、何があっても立ち続けることは、歩み続けることはできる。
諦めない限り、必ず結末にたどり着くだろう。
ヒーローは、今日も進む。
悲しみを、想いを、希望を背負って。今日も、明日も、その先も。
雲一つない青空が、旅立つ彼らを祝福した。
第9章 終わり