いただいたこの

  • 1二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:31:46

    刀を兄上だと思い、どれだけ離れていても挫けず日々精進致します

  • 2二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:33:07

    👺>(鬼になる)判断が早い!

  • 3二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:35:07

    わざわざ縁壱用の小さいサイズで刀を作ってあげる兄上優しいなぁ(白目)

  • 4二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:37:39

    まあ実質兄上だし…

  • 5二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:42:07

    兄上の血肉から作られた刀だから兄上なのは間違いない

  • 6二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:45:22

    ばっちいからそれ!
    ぽいッてしなさいッ!

  • 7二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:46:24

    この刀で無惨と戦うのか…

  • 8二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:46:50

    目が6個あるの誰もおかしいと思わなかったのかよ

  • 9二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:48:32

    もう黒死牟になってるのか…

  • 10二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:48:41

    このレスは削除されています

  • 11二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:50:45

    生まれつき痣があった縁壱
    生まれつき目が6つあった巌勝

  • 12二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:51:51

    生まれつきなんか気持ち悪い刀を体中から生やせるし気合を入れると斬撃が発生する兄上

  • 13二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:53:06

    縁壱の兄だしそのくらいは出来るでしょ(暴論)

  • 14二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 08:57:58

    >>1

    兄上たぶんこうなってる

  • 15二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 09:18:51

    兄上成長早くない?

  • 16二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 09:33:57

    このときの縁壱ならさすがに成長して鬼になった兄上なら勝てるだろうしね
    勝てるよね?

  • 17二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 10:24:38

    何で父上は6つ目の兄を跡継ぎにしたんだ?

  • 18二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 10:26:16

    >>17

    異形を祀ることで福をもたらす、と考えたのかも

    異形の神が祀られている地域あるし現人神てきな

  • 19二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 10:38:35

    何で双子はNGで六つの目の子供は崇拝されるんや
    歪まなかった縁壱の心が清らかすぎる

  • 20二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 10:41:04

    縁壱からすれば大好きな兄から貰える物は何でも嬉しいのは間違いない

  • 21二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 13:40:10

    >>1

    幼子に何つーもんを渡してるんですか、兄上

  • 22二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 13:56:20

    助けて欲しいと…思ったら…それを振れ……
    すぐに……兄さんが……助けに来る…………

  • 23二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 13:58:03

    >>7

    この刀、広範囲に斬撃飛ばせるから縁壱もポップコーン全部斬れるかもしれない

    良い贈り物じゃないか

  • 24二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 13:58:50

    >>22

    兄さんが駆けつけた時には全て終わってそうなんですが…

  • 25二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 14:10:33

    >>24

    助けてほしい瞬間は何も鬼に襲われた時ばかりではない

    生活するうえで困った時とかに振ればよいのだ、産婆呼びに行く間うたの事みていてほしいとかさ!

  • 26二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 14:12:03

    >>25

    家が壊れる……

  • 27二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 14:12:42

    空に向かっていく月のエフェクトで駆け付ける兄上

  • 28二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 14:29:13

    >>27

    BGM:ム●ンラ●ト伝説

  • 29二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 14:32:05

    (なんか)伸びる!
    (目玉が)光る!
    (兄上の声で)喋る!
    DXミチカツ刀!!

  • 30二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 15:08:23

    縁壱「妻のうたです。産気づいたので産婆を連れてこようと思います」
    巌勝「分かった。お初にお目にかかります縁壱の兄の巌勝と申します。不安かと思いますが縁壱が戻るまで私と妻がお傍にいますのでご安心ください」
    うた「はい…ありがとうございますお義兄さん……」

    襲来する鬼「ひい‼鬼‼」
    巌勝   「何‼鬼だと⁉」

  • 31二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 15:25:01

    ん?これ日光克服してないか?
    流石に日に当たって塵になるやつ後継には据えないだろうし、縁壱に呼ばれてうたと出会ったのどう見ても昼間だし

  • 32二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 15:37:14

    >>30

    うたもうたで6つも目のあるやつ見て驚かないのすごくないか

  • 33二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 15:46:29

    >>31

    生まれた時から痣のある縁壱が透き通る世界があったり25を超えても死ななかったように、生まれた時から鬼である兄上は普通にご飯喰えるし日光も平気なんじゃろ(天下無双)

  • 34二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 17:13:25

    戦国時代だから刀を贈る事自体は違和感無いな(刀から目を逸らしながら)

  • 35二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 17:16:57

    >>32

    なんとなく うたなら驚かない気がする

    それより>>30で兄上の嫁さん一緒に連れて来られているみたいだが兄上の嫁さん凄すぎる

  • 36二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 17:36:08

    >>30

    ~回想~

    縁壱に渡した刀の月のエフェクトが空に向かうのを見た兄上


    巌勝「む、縁壱が助けを求めている。そういえば縁壱の奥方が子を身ごもったと手紙にあったな…行かねば…」

    巌妻「貴方 女の出産において殿方は足手まといです。なので私も向かいましょう」

    巌勝「それは…返す…言葉も…ない……、すまないが…付いてきてくれ」

    巌妻「はい」


    ~回想終了~


    鬼 「何だこの六つの目の鬼は‼何で人間の女どもを守ってやがる」

    巌勝「黙れ…ここは弟の帰る場所であり…今は女の戦場だ……邪魔者は退散願おう」


    鬼の首根っこを掴んで外に連れていく兄上

  • 37二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 19:04:42

    縁壱「すみません兄上。産婆を迎えに行く途中に心臓が悪いご老人がおりまして、送っていたため遅れました。……その異形はなんでしょう」
    (兄上の攻撃痕と散らばった肉片と鬼を見ながら)

    産婆「ひいっ鬼だよそいつは‼」
    巌勝「ふむ…鬼か……。斬っても斬っても再生してお前の嫁と私の妻のもとに行けぬ……」
    産婆「そいつは昼間には絶対出てこない。陽の光が苦手なんだよ」
    巌勝「ならばしっかり縛って陽の光に浴びせて見るか。お前と産婆殿は早く嫁のもとに行きなさい」

    産婆「頼もしいお兄さんだねえ」
    縁壱「はい、自慢の兄です」

  • 38二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 19:09:12

    >>37

    産婆さんから鬼認定外されている兄上ww 当然だな!!

  • 39二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 21:00:43

    この刀の名前は 虚哭神去 きょこくかむさりという名前だよ。

  • 40二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 21:02:17

    このレスは削除されています

  • 41二次元好きの匿名さん25/11/09(日) 22:09:24

    もしかしてこの兄上は無惨関係ない天然ものの鬼?
    無惨が天然由来の薬品で鬼になったのであれば天然ものの鬼が自然に生まれることも確かにありえるのか?

  • 42二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 00:48:00

    >>37

    幸せだ…全員幸せだ…!素敵!!

  • 43二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 07:04:18

    >>41

    鬼喰いの体質って産屋敷家にふりかかった呪いと違って、無惨が鬼になったから現れた体質じゃないと思うんスよね。

    アレルギーみたいに無惨が現れるより前から存在するものだと思うんスよ。

    それはすなわち過去には天然の鬼が存在したからなのでは?今いない理由?本来は神代の存在で時代が進むにつれて神秘が薄れて生まれてこなくなったんでしょ(※与太話)

  • 44二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 08:38:15

    鬼の足跡を追ってきた剣士(……何で日中に鬼が洗濯物を干しているのだろう?)

    巌妻「あなた 洗濯物が終わったら薪を割ってくれませんか……あら、どなた?」
    巌勝「む?縁壱に何か御用ですか?育児疲れもあるので…急用でなければ休ませたいのだが……」
    剣士「(え???奥さんは人間?でもあの時見えたど派手な月の波動は血気術…だよな…?)
       あのー…私は鬼狩りをしています……その……鬼を探していまして……」
    縁壱「兄上、うたと子はゆっくり眠っています。…客人ですか?」
    巌勝「あの時の鬼を…追って来たそうだ」

    剣士(…昼間だよな?普通に皆さん陽光に当たって無事なのは人だから?六つの目の人間ってこと???)

  • 45二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 10:20:52

    そら六つ目のやつが昼間に出ていたら、鬼が日光あたっても大丈夫or六つ目の人間がいるって異常事態のどっちかを飲み込まないといけないから混乱するわな

  • 46二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 10:24:42

    七支刀に似てるから巡り巡ってヒノカミ神楽の祈祷で使われるようになりそう

  • 47二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 10:45:40

    >>46

    斬撃が飛ぶ神楽!?!?

  • 48二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 13:21:13

    >>47

    強そう(強い)(小並感)

  • 49二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 15:20:46

    剣士「つ……つまり、生まれたときからお兄さんは六つの目を持っていて、弟さんは痣があったと……(鬼は鬼の始祖の血で増えるという…。例外の可能性…そもそも産婆の証言から、兄の方は自分の妻と臨月の義妹を守って戦っていた……ならば友好な鬼…?でも双子で片方だけ鬼???)」
    巌勝「汗が酷い……鬼を探して疲れも出るものでしょう……」
    巌妻「お茶が入りましたよ。どうか喉を潤してくださいませ」

    剣士「アッハイ(普通のお茶とおにぎりだ…お兄さんも食べてるし)」
    縁壱「義姉上、申し訳ありません」
    巌妻「構いませんよ、うたさんも疲れていますもの。それに赤子であっても父に抱かれる記憶は朧気でも覚えているものです」

    剣士「(普通の家族なんだよな…お兄さんに目が六つあったり禍々しい刀が納戸の傍に置いてあること以外は……。これはお館様に報告して指示を待った方がいいかもしれない……)」

  • 50二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 18:39:14

    略敬 産屋敷■■様

    鬼に襲われた一家を発見しました。
    鬼は一家の奥方の出産に立ち会った 家主の兄が家屋から放り出し、身体から刀を生みだし切り刻むも再生するため産婆の助言にて陽光に当てて消滅させたとのことです。

    兄の名は継国巌勝といい、6.27尺の大男で六つの目を持っています。
    一見鬼のようですが妊婦を鬼から守り陽光の下で平然と生活しており、我々と同じ食事を取っています。

    家主の弟の名は継国縁壱といい、巌勝氏と双子の弟ですが痣がある以外は人間と同じです。
    彼は我々と見えるものが異なるらしく、呼吸法なる手ほどきを受けた結果、私自身の剣の腕は研ぎ澄まされ身体能力も向上しました。

    この兄弟には何かがあると感じお館様に一報入れさせていただきます。
    巌勝氏は奥方に頭が上がらない様子で、赤子に刀を生やすさまを見せた所 奥方に鍋のふたで殴られて落ち込んでいました。

    まことに勝手な申し出ながら、御自愛専一にて精励くださいますようお願い申し上げます。

    煉獄○○○

  • 51二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 21:25:54

    多指症とかの奇形はあるから眼が六つある人間が産まれる可能性もあるかもしれない

    身体から禍々しい刀が生える?やっぱ鬼だわ
    とりあえずお母さんの腹の中で生えなくて良かった

  • 52二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 04:35:30

    >>51

    双子だからお母さんの腹の中で生えてたら縁壱も死んでたな…

    うーんそんなことになって無くて本当に良かった

    言われてみたら子の幸せ時空、兄上と縁壱が 産まれる前 が一番の試練だったというか綱渡りだったんだ

  • 53二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 13:18:19

    半年後、鬼殺隊本部にとある双子がやってきた。
    一人は額に痣のある者。もう一人は六つの目を持つ男だった。
    鬼狩りたちはどよめくものの、人を襲う鬼を見過ごせぬとお館様の意向で鬼狩りに推薦されたとのこと。
    弟の呼吸の方法は剣士たちの力を大いに高め、兄も日輪刀と自身の刀を用いた二刀流で鬼を葬っていく。

    他の剣士が兄から生える刀を使ったこともあるが本来の性能は発揮しなかった。
    なお、兄は小首をかしげ、自身の妻は使えたと言っていたので相性があるのだろう。

    弟の妻は現在兄の奥方の元で乳飲み子と共に、日が暮れる頃には藤の花の香を焚いて暮らしているそうだ。
    兄に藤の花の香を嗅がせたが、良い匂いだと言っていた。

  • 54二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 22:03:06

    SSが…SSが尊い…!

  • 55二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 06:16:21

    仲良し継国兄弟良いぞ〜!ずっと仲良くしていてくれよな!

  • 56二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 13:16:13

    >>52

    逆にお腹の中に縁壱がいたから兄上が傷つけないように細心の注意を払った可能性も…(お腹の中にいた時から意識があるタイプ)

  • 57二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 19:20:23

    >>53

    奥様がこの虚哭神去使えるのヤバくね?

  • 58二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 19:35:27

    うたが臨月の際に起きた鬼襲撃で巌勝が一番怖かったのは
    うたを庇う自身の妻

    巌勝が家から鬼を引きずり出さなければ、義妹を守る為に妻はブチ切れただろうと少し怯えて語る巌勝

  • 59二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 00:38:53

    >>57

    愛じゃよ愛(使える理由)

  • 60二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 06:05:57

    落としたくないので念の為に保守させていただく

  • 61二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 07:57:31

    家族と静かに暮らす そんな些細な夢すら鬼は奪ってしまう。
    あの時 うたの腹の子の傍に巌勝が居なければどうなっていたか。
    鬼が この美しい世界に存在する限り 人が願うささやかな夢すら奪う。

    それから間もなく 鬼の始祖を見つけた。
    出会った瞬間、巌勝と縁壱はわかった 自分たちはこの男を倒すために生まれてきたのだと。

    暴力的な生命力に満ちあふれていた男は巌勝に言った。

    「呼吸を使う剣士に興味は無いが、貴様のような鬼には興味がある。私の下に付け」
    「鬼になどならぬ。仮になったとしても妻が私を一人の侍として介錯するだろう。あれを怒らせてまでなりたくはない」

  • 62二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 08:01:05

    奥さん強いなw

  • 63二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 08:59:23

    太陽の化身の如き縁壱を創る代償か反存在として厳勝が月の如き鬼として産まれてきた世界線か…
    最終的には弟に討たれて終わりそうな…

  • 64二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 13:06:57

    なんでや!ちょっと目が六ツあるだけのお兄ちゃんとちょっと痣があって強いだけの弟の仲良し兄弟なんだから討つ必要ないやろ!
    最後まで仲良しでいて欲しいよ俺は…!

  • 65二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 13:15:45

    >>37

    産婆さんも頼もしや

  • 66二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 13:43:43

    恐るべき速さと間合いの広さの攻撃 巌勝と縁壱が攻撃をよけるとはるか後方まで竹が切り倒される
    巌勝が月の呼吸で無惨の攻撃する触腕を切り刻む中 縁壱は日の呼吸の13の型を完成させる

    鬼の始祖は自らの肉体が再生しないことに困惑していた 縁壱が言葉を投げかけても返答はなかった

    次の瞬間 男の肉体は勢いよくはじけた 千八百に散らばった肉片のうち
    千七百五十と少しを二人で切り刻む
    残りの肉片は小さすぎて逃がしてしまった おそらく人間の親指程の肉片を逃がしてしまった

    鬼の始祖と共にいた娘をなだめると、彼女はあなたたちが死ぬまで鬼舞辻無惨は姿を現さないだろうと言った


    彼女の言葉の通り無惨の影は息をひそめ、痣者でも老齢まで生きた縁壱が亡くなった後――

    暴力的な雰囲気漂わす少年が一人の老婆の床へ現れた。
    「あの鬼の妻とは貴様か 随分醜く老いさらばえたものだ。どうだ?かつての美しい姿を取り戻し、あの鬼と永久に夫婦になってはどうだ?」

    老婆が不遜な態度の少年に向けて、小さく何かを呟く。
    無惨が耳を澄ませると、老婆ははっきりと言った。

    「月の呼吸 壱ノ型――闇月・宵の宮」
    老婆とは思えぬ神速の抜刀が布団ごと無惨の腕を切断した。
    「私の夫を愚弄するなよ、小物」
    ゆらりと立ち上がる老婆のその手には 異形の刀が握られていた。

  • 67二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 14:39:18

    巌勝の妻の家はその洗練された抜刀術を藩に認められ大成した一族であった。
    剣の心得があった妻は縁壱に助けられた一家が日の呼吸を神楽にして後世に伝えたいと願い出た際も 協力を惜しまず自身も夫の作り上げた月の呼吸を後世に残すため尽力した。

    「はるか昔。長い長い歴史の影で鬼が弱きものを踏みにじるならば、あなたと縁壱殿がどれほど強くとも鬼を滅するには時間が掛かるものでしょう。才ある者が産声を上げたとき、彼らの一助となるものを私たちで遺していきましょう、あなた」

    夫のように多くの型は習得できなかったが、巌勝の妻も月の呼吸を一つだけ使えた。

    思わぬ不意打ちに動揺しながらも反撃を繰り出す無惨の元へ、あの時と同じ容貌の忌々しい月の呼吸の使い手が現れた。
    「貴様…私の妻に……手を出すとは……。下郎がぁ‼」

  • 68二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 15:10:53

    おとなしく逃げ隠れてればいいものを舐めプして嫁御に手を出したからこのザマですあーあ

    いや舐めプかなコレいらん事したのは確かだけどコレ舐めプなんかな

  • 69二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 16:27:54

    「遅れて…申し訳ない……」
    「いいえ、ただのかすり傷ですよ」
    そうからりと笑う妻だが、数日で寿命を迎えてもおかしくない程の老齢だ。
    全盛期と同様の力で鬼の始祖に切りつけたのだ。肉体はとうに限界を迎えつつある。

    「私はこの国一番の侍の妻。弱きものを助けることがあなたの責務です。その一助となるならばどうということはありませんよ」
    二度。無惨を逃がしてしまった。
    あの時縁壱と共に戦ったように肉片となりはじけ、千を切り刻んだが傷を負った妻が気掛かりで全てを刻めなかった。

    「今度は…私の寿命が尽きるまで……出てこぬやもしれぬ」
    「ああいう姑息でわがままな生き物は同じ場所でじっとはしていません。必ず出てきますので その機を逃さぬことです」
    それはどれ程の時だろうか。
    妻も、弟も、子や孫も。人間と同じように年を取っていったのに 自分は若いまま。
    「終わりは 必ず訪れます。あなたは 人より遅いだけ」
    妻ははっきりと言った。

    「とてもゆっくりですが、確かに歳を重ねておいてです」
    「……そう…見えるか……」
    「何年あなたの妻でいたと思っているのですか」

    そう言って笑う妻の顔は、どれだけ年を重ねても美しい。

    「鬼の始祖を倒すことが天が定めた宿命ならば、どれだけ掛かっても果たしてください。私は向こうであなたが武勲を上げて来るのを待っています。人の道を誤りそうになれば、その時は閻魔にお願いしてあなたの頭をしゃもじで叩きに出向きましょう」
    「君は相変わらずだ」
    「ふふ………――」

    室内を静寂が包み込んだ。
    「君を…長く待たせてしまうな……。それでも待っていてくれるなら……君の好きな白梅の花の簪を持って向こうに行こう………。私は…必ず……無惨を倒す……。私だけで力及ばぬならば、同じ志しを持つ者たちと……。
    いつか……君に…会えたら……もう一度笑ってくれ…… しゃもじでも鍋のふたでもいい…遅いと叩いて怒ってくれても構わない…… だから……待っていてくれ………」
    ただ、六つの目の男の嗚咽が小さく響いた。

  • 70二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 16:50:02

    これは泣くわ…(⁠´⁠;⁠ω⁠;⁠`⁠)

  • 71二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 19:24:33

    >>69

    二度もポップコーンして逃走するとは生き恥

  • 72二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 20:39:40

    引きこもる無惨をおびき出せる状況を作るため、巌勝は鬼殺隊からひっそりと消えた。
    お館様と相談し、虚無僧に扮して陰で鬼狩りを続けていった。

    「あなたの目は弱きものを狙う悪意を見定めるためにあります」
    妻の言葉を思い返しながら、ある時は井戸に毒を入れる卑劣漢たちを締め上げ 深編笠を少し上げて六つの目で卑劣漢を睨みつけて奉行所に突き出した。

    ある時は あの時見逃した鬼の珠世の元を訪れて近況を報告し合った。彼女が鬼にした少年はやたらと敵視してきたが、幾度かのうちに態度は軟化した。

    元号が幾重も変わった雪の降る日。
    縁壱と義妹のうたがかつて暮らしていた家に赴いた際、巌勝は異変を察知した。

  • 73二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 03:28:47

    …感動が重なって行く…(⁠´⁠;⁠ω⁠;⁠`⁠)

  • 74二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 09:03:51

    2度も鬼狩りに窮地に追いやられ 細胞分裂して逃亡した無惨。鬼狩りに隠れて密かに強い鬼を作り 自らの足で堂々と活動を開始できたのは明治になった頃だった。
    大正に元号が変わった頃 とある炭焼き小屋に目を付け 戯れに一家を蹂躙しようとした。

    その時怯える子供らを肩を負傷しながらも 身を挺して庇う母親が咄嗟に手にしたものを見たとき。
    無惨を過去の忌まわしい記憶が蘇る。

    六つの目の鬼の妻。老いて死にかけたあの女が持っていた 異形の刀。
    ――何故、こんな小屋にアレがあるのだ。
    思案の合間 母親がそれを振るった刀から あの月の斬撃が無惨を切り裂いた。

    鬼狩りの呼吸法も知らぬ女の斬撃など たちまち回復した。
    だが 過去のあの老婆が見せた化け物のような形相が想起させ 恐怖した無惨は逃走に切り替えた。
    はらわたが煮えくり返る無惨は 弟を庇う長女に自身の血を混ぜた一撃を浴びせた。

    月のエフェクトを見た巌勝が駆けつけたとき、炭焼き小屋の一家の母は肩に怪我を負っていた。
    子供たちも泣きじゃくっていたものの 長女を除いて無事であった。
    微かに息をしている長女に止血をしていると その家の長男らしき子供が慌てて帰ってきた。
    彼も月の斬撃を目撃したのだろう。

    縁壱の耳飾りを付けている彼に 巌勝は酷く狼狽した。

    炭治郎は虚無僧のいで立ちの長身の男に戸惑いつつも、禰豆子を医者の元へ連れて行くと担いでいってしまった。
    母親の怪我も軽いものではないため、止血をしたのち巌勝は炭治郎を追いかけた。

    追いついた巌勝が見たものは 鬼になっても鬼狩りから兄を守る禰豆子の姿だった。

  • 75二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 09:18:40

    おや?この後はどうなる…。

  • 76二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 13:16:24

    400年振りに鬼殺隊と合流するわけだ
    一緒に無惨討伐頑張れ兄上〜!

  • 77二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 14:42:27

    略敬 鱗滝左近次殿

    鬼に襲われた子どもと奇妙な気配を漂わせる虚無僧を発見しました。
    兄炭治郎は無事ながら、上の妹禰豆子が鬼にされたところに遭遇しました。
    禰豆子は炭治郎を守る素振りを見せました。
    この兄弟には何かがあると感じ先生の元へと向かわせました。

    また、その虚無僧より炭焼き小屋の一家の保護と先生の判断に委ねると面妖な刀を預けてきました。

    そちらも同封いたしますので まことに勝手な申し出ながら、御自愛専一にて精励くださいますようお願い申し上げます。


    (この刀は……お館様から伺った、陰の…そして、かつての月柱の………)

  • 78二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 14:58:05

    >>25

    縁壱が童磨だったらうたを御子に守らせることができた

    強さの形が一つでないことを巌勝はわかっていない

  • 79二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 15:46:11

    妹を人間に戻すため、鬼殺隊に入ることを決意した炭治郎。
    狭霧山での修行の一年後、鱗滝から岩を切れたら最終選別に行くのを許可すると言われた。

    錆兎と実戦形式の経験を摘み 真菰に全集中の呼吸を教わる日々の炭治郎。
    ある時気絶するように眠っていると、突然頭を小突かれた。
    「全集中の呼吸を……眠っていても切らしてはいけない……」
    しゃもじで炭治郎を小突いたのは、あの日家族を助けてくれた虚無僧だった。

    「全集中の呼吸を切らさぬようにしながら……私の技を避けて見なさい……。使うのは四百年ぶり故……全盛には劣るが………」
    ほのかに白梅の香りのする虚無僧からは優しさと厳しさ、そして懐かしさの匂いがした。
    「月の呼吸――」 

    錆兎、真菰、謎の虚無僧による炭治郎の特訓が始まった。

  • 80二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 20:54:26

    錆兎、真菰、謎の虚無僧の特訓の結果、鱗滝さんから最終選別行きの許可を得た炭治郎。
    特訓の成果か身体能力は飛躍的に上昇し、手鬼の首を斬り最終選別を生き残った。

    しかし、妹を人間に戻す方法はどの鬼も知らなかった。狭霧山に戻ると眠りから覚めた禰豆子と炭治郎の無事を待っていた鱗滝さんに抱きしめられ涙を流し喜び合う炭治郎。

    十五日後、炭治郎の刀が届いた。色変わりの刀を炭治郎が持つと、色は漆黒となり。
    炭治郎の生家で代々伝わるヒノカミ神楽で使う儀礼用の刀に施された血管の様な模様が走り、さらに刀全体に眼が無数に浮き出た。

    驚く炭治郎に鋼鐵塚は語る。この日輪刀には猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石、そして始まりの呼吸のひとりが使っていた虚哭神去を用いていると。
    「陽の光を吸収する猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石とは相性が悪いはずなんだが、今回鱗滝から渡されたアレは不思議となじんでいい刀になった」
    「アレ…ですか?」

    「炭治郎 最終選別を乗り越えたときに告げようと決めていたことがある。お前の家族を襲った時に出会った虚無僧が居ただろう。あの方から守り刀として刀身を一部受け取っていた。
    今から伝えることはお前の胸の内に閉まい、誰彼と言い洩らさないように。
    あの方の名は継国巌勝。六つ目の鬼のいで立ちながら、陽光の下を歩み 人間を食べることも 殺人衝動も無く 四百年の時を生きている。妹を鬼にした鬼の始祖・鬼舞辻無惨の首を落としかけた始まりの剣士のひとりだ」
    「そんな鬼がいるんですか⁉」

    「私のような凡人には あの方が鬼かどうかも判断しかねる。人間を鬼に変えられる血を持つ鬼は無惨一体のみだが、あの方は母から生まれた頃より鬼のような姿だったという。
    鬼殺隊の剣士として研鑽を積めばいつかあの方と会うこともあるだろう。もしかしたら、妹を人間に戻す手掛かりを持っているやもしれん」
    「……はい‼」

  • 81二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 22:27:28

    いつの間にか感動スレになってた

  • 82二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 22:46:02

    久しぶりに来てみたらめっちゃ壮大な感動の物語始まってた
    花札のような耳飾りに加えて異形の刀も竈門家に継がれているのめっちゃいい

  • 83二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 06:11:51

    この日ノ本一の侍がどんな最後を迎えるのかとても楽しみ

  • 84二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 10:57:12

    鬼との戦闘は異能の鬼であっても、虚無僧――巌勝さんの地獄の特訓で放たれた月の呼吸に比べれば落ち着いて対処できた。
    「大切なのは…正しい呼吸と…正しい動き……最小限の動作で最大限の力を出すこと……。君の家に伝わる神楽を…君たちが代々繋げて来たことを思い出し、鍛錬し努力を続けよ……」

    その言葉を胸に実戦形式の特訓で不要な動きをそぎ落とし、炭治郎の父が言っていた透き通る世界をほんの一瞬だが垣間見えるようにもなったのもある。

    とある任務で浅草に出向いた。夜でも明るい街に戸惑いつつ、うどん屋の屋台で休息していた際。
    あの匂いがした。
    母に生涯消えぬ傷を付け、妹を鬼にした鬼の匂い。
    鬼舞辻無惨。
    思わず掴みかかると、ほんの一瞬の隙を付き一般人を鬼にして逃亡を図った。
    鬼化した男性を抑えながら叫ぶ炭治郎を見たとき。

    あの忌まわしい日の呼吸の男が付けていた耳飾りが目についた。

    ――一方、禰豆子はうどんを食べないことを店主に怒られていた。
    「…店主。うどんをくれ。…それで良い」
    店主が握る箸を取り、うどん代金を置くのは虚無僧の男。
    炭治郎と禰豆子の二人分をあっという間に平らげ、禰豆子に話しかける。
    「…お兄さんが向こうで待っている。…行けるか?」
    虚無僧――巌勝に付いていく禰豆子。

    「え⁉巌勝さん⁉」
    珠世たちと出会った炭治郎は、置き去りにしてしまった禰豆子を迎えに行った際、巌勝と再会した。
    「珠世殿と会ったか…ならば…ともに向かおう」

  • 85二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 17:23:53

    珠世は噓偽りのない清らかな匂いがした。彼女が鬼にしたという愈史郎は随分と炭治郎にあたりが強かったが、巌勝には礼儀正しい。
    その巌勝は炭治郎の前で初めて深編笠を外した。彼からは不安そうだが優しい匂いがする。

    深編笠を外した彼の容貌は炭治郎と同じく髪の毛が赤みがかっておりその黒髪にいくらか白髪が混じっていた。その瞳は静かに閉じられていたが、理由はすぐに分かった。
    六つの目で自分を驚かさないように、心の準備が出来るように閉じているのだ。ゆっくりと開かれたその瞳は金色の光彩を帯びており、白目の部分は赤い。そして炭治郎の父と同じような額の痣が印象的だった。

    珠世が妹を人間に戻す方法を告げる。妹の血を調べることと、鬼舞辻無惨の血が濃い鬼の血を採取すること。
    巌勝の血も調べたことはあるが、彼の血では投薬で鬼になった無惨の鬼化を解くには至らないらしい。
    今後の対策を話し合っていると、二人の鬼の襲撃を受けた。
    迎撃態勢をとる炭治郎、禰豆子、巌勝。

    巌勝の戦い方に炭治郎は驚いた。
    彼はかつて狭霧山での特訓で使った月の呼吸ではなく、水の呼吸で鬼を圧倒した。
    しかも六つの目を固く閉じ、まるで盲目の剣士のように鬼の首をはねる。

    戦闘後に二つの呼吸を使い分ける理由を聞いた。
    炭治郎自身、ヒノカミ神楽を戦闘に用いるには経験が不足していたからだ。
    「無惨は…鬼たち全ての視界を共有している。己の首を落とせる剣士がまだ生きていれば…その者の寿命が尽きるまで引き籠る小心者…。故に私も息をひそめることにした」

    四百年。六つ目の月の呼吸の使い手は居ないと思わせるため、鬼殺隊から抜けて基本の型である水の呼吸で鬼を陰から狩っていたと。抜ける際に当時の水柱から技を会得して。
    言葉が出なかった。かける言葉が見つからなかった。
    彼は、全ての元凶を絶つためにどれだけ長い年月、親しい人々の命を見送ってきたのだろうか。

    その時、禰豆子が巌勝を抱きしめた。その大きな背中を何度も撫でる。
    巌勝は静かに瞳を閉じ、禰豆子の頭を撫でた。

    「炭治郎、縁壱の耳飾りを付ける以上無惨はお前を狙ってくるだろう」
    「覚悟の上です。俺は禰豆子を人間に戻すため戦います」
    すると、巌勝は脇差を差し出した。その刀身は虚哭神去だった。
    「助けて欲しいと…思ったら…それを振れ……。すぐに……兄弟子の私が……助けに来る…………」

  • 86二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 21:47:02

    白髪が混じっている・・・か・・・
    無惨ですら老化はしたわけだし兄上も結構年老いてるんだろうな

  • 87二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 01:08:05

    笛じゃなくて剣振るのか…

  • 88二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 06:18:13

    >>86

    奥さんの言う通りゆっくりでも、確かに歳を重ねてたんだね……無事に無惨を討伐できるよう祈るぜ

  • 89二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 10:33:52

    次の任務に向かう最中、道端で女の子にしがみついて恥をさらす善逸という鬼殺隊士に出会った炭治郎。
    善逸ととある屋敷に向かうと、兄を攫われて怯える幼い兄妹と出会う。
    鬼のいる屋敷に入ってきてしまった兄妹と鬼の血気術に巻き込まれた炭治郎は、幼い子供を踏みつける猪頭の剣士伊之助を投げ飛ばす。

    血気術に翻弄されつつも攫われた兄を発見した炭治郎は、自分が部屋を出たら鬼から奪った鼓を打って部屋を移動すること。
    もしも鬼が出たときはこの虚哭神去を鬼に向かって振るように妹に渡した。
    鼓の鬼の血気術は凄まじかったが、珠世と出会った後に一度巌勝と手合わせをした。狭霧山では相当手加減をしていたのだろう、あの月の斬撃の方が恐ろしかった。

    鬼の首を落とした後、血を採取して兄妹のもとに向かうと月の斬撃が炭治郎に向かって飛んできた。
    鼓が消え、混乱した妹のてる子が剣を振ったのだ。
    落ち着きを取り戻した兄妹を連れて屋敷の外に向かう。
    善逸と正一の匂い、そして、血と強い恐怖の匂いがした。

    屋敷の外に出ると、禰豆子の箱を抱えてボロボロの善逸と、地面に染み込むほどの滝の汗を流して静止した伊之助。
    その伊之助の頭に手を置く深編笠を被った巌勝がいた。彼からは怒りを抑えている匂いがする。
    (ああ、そうか‼てる子が巌勝さんの刀を振ったから‼)

    間に入って仲裁すると伊之助は糸が切れたように気絶した。
    殺された人の埋葬を済ませると、巌勝は藤の花の香袋を兄に渡した。
    自分たちで帰れると気丈な兄妹は言ったが、何かあってはいけないと巌勝が兄妹たちの護衛を買って出た。
    なお、正一君を連れて行くとごねる善逸は炭治郎に手刀を入れられ、巌勝にもしゃもじで叩かれていた。

    「かまぼこ権八郎!あの編笠大木は何者だ‼どう動いても死しか感じねぇ‼やべえ気配しかしねえぞ⁉」
    伊之助に巌勝のことを聞かれたが、鱗滝との約束もあり黙っていたが、伊之助の問答は落ち着いた。

    傷が癒えた頃、眠る善逸と伊之助の頭を一切の気配無くしゃもじで叩く巌勝の姿があった。
    「全集中の呼吸を…眠っていても切らしてはいけない……。炭治郎…お前は全集中・常中の技が出来ている…更に励むことだ……」
    わめく伊之助と善逸だったが、文句は言えなくなった。

    巌勝が三人に稽古を付けたからだ。2人の絶叫が藤の花の家紋の家に木霊した。

  • 90二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 12:31:01

    しゃもじペシペシが定着してきた兄上可愛い

  • 91二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 12:53:32

    大正コソコソ話

    炭治郎「巌勝さんはしゃもじをよく手入れしていますね。とても大切なものなんですか?」
    巌勝 「妻の愛用品でな…私が軽薄な行いをすると…よくしゃもじや鍋のふたで私の頭や尻を…叩いて怒ったものだ……。私が道を誤らない為の…戒めのようなものだ……。
    本気で怒ると真剣を抜いて…壱ノ型を放ちながら私を山ひとつ先まで追いかけて来たが」
    炭治郎「(物凄い恐怖の匂いと、奥さんを大切にしている匂いがする…)」

  • 92二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 17:22:56

    シリアスへ向かって行く中にもほのぼのとした愛と幸せがある

  • 93二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 19:56:15

    料理道具でしばかれてたのか……

  • 94二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 20:42:09

    藤の花の家紋の屋敷を出た炭治郎たちは次の任務で那田蜘蛛山に向かうことになった。
    善逸が怯えて動かなくなったので炭治郎たちは置いて行ったが、気配を絶って付いてきていた巌勝に「ならば特訓の続きをしようか」と肩に手を置いて言われ、善逸は泣きながら全力で山に入った。

    山で倒れている隊士が突如何かに引っ張られた。巌勝の特訓の成果か、彼に糸が繋がっているのを見て取れたので糸を切断する炭治郎。操り糸を繋ぐ蜘蛛を視認できたが、蜘蛛の数が多い。
    奥に行くと糸によって無理矢理身体を動かされ、殺し合いをさせられる隊士たちがいた。
    悲痛な悲鳴がそこかしこで聞こえた。

    「――水の呼吸・弐ノ型 水車」
    突如、正確無比な斬撃が広範囲に走り、隊士たちを操る糸が切れた。
    ――巌勝さんだ。彼が蜘蛛を全て切った。風向きも変わって鼻も聞くようになった。
    急ぎ糸を操る鬼を斬ったところ、この山に十二鬼月がいるとのこと。

    恐怖で絆を繋ぐ偽物の家族を持つ鬼に激昂する炭治郎。しかし鬼の糸から庇った禰豆子は負傷し糸に囚われる。
    ――落ち着け、感情的になるな、集中しろ…。
    「ヒノカミ神楽・円舞」
    炭治郎の放つ斬撃は鬼の血気術を切り裂き、月の斬撃が鬼を切り裂く。
    同時、禰豆子の血気術・爆血によって糸は燃え、鬼の首を斬った。
    ――筈だった。
    鬼は自分の糸で首を先に斬っていた。呼吸を切り替えたことと意図せず月の斬撃を出したためか、身体中に激痛が走る炭治郎。
    鬼は怒り狂い血気術を繰り出したその時。
    「水の呼吸――」
    深手を負った隊士たちの処置を終えた巌勝が駆けつけ、鬼の血気術を切り裂く。
    そして、もう一人の隊士が炭治郎も巌勝も知らぬ水の呼吸の型で十二鬼月の首をはねた。

    窮地を脱したと思われたが、鬼の禰豆子を滅すべく蝶の羽織の剣士に襲われる。
    「さぁ富岡さん、謎の虚無僧さん、どいてくださいね」

  • 95二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 20:46:59

    剣を向ける蝶の羽織の剣士と向き合いながら富岡は炭治郎に妹と逃げろと告げた。
    禰豆子を抱えて逃げようとしたその時、巌勝が間に割って入る。
    「……当代の柱か。その実力は如何ほどか。…月の呼吸――」

    カアアアアアア!!
    隊士•竈門炭治郎!鬼の少女、禰豆子!呼吸使いの虚無僧‼
    3名を捕縛し、本部へ連れ帰るべし!カアア!

    「なんだこれは…これが人間の放った斬撃か…?」
    事後処理部隊の隠は蟲柱と謎の虚無僧が戦った戦闘痕を見て戦慄した。

  • 96二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 20:51:55

    炭治郎が目覚めると、あの時の蝶の羽織の剣士が額や腕に包帯を巻いた姿で炭治郎の裁判を行うのだと告げた。
    隊律違反を咎められた富岡も同じく包帯を巻いていた。巌勝は…同じく拘束されて正座していた。
    ひと悶着あったが、お館様が来ると皆一様に頭を下げる。

    お館様から炭治郎と禰豆子のことは容認していたこと。そして元水柱鱗滝左近次からの手紙を読み上げた。
    「――もしも禰豆子が人に襲い掛かった場合は、竈門炭治郎及び、元水柱・鱗滝左近次、現水柱・富岡義勇、月柱・継国巌勝が腹を切ってお詫び致します」

    思わず涙をこぼす炭治郎。そして、柱たちは手紙の違和感を即刻問いただした。
    「…切腹するから何だというのか。そもそもそんな柱は存在しません」
    「不死川の言う通りです!人を食い殺せば取り返しがつかない‼そして月柱などおりません」
    「確かにそうだね。—―炭治郎と月柱・継国巌勝は鬼舞辻無惨と遭遇している。鬼舞辻は月柱を恐れずっと息をひそめていたが、炭治郎に対して追っ手を放っている。私は月柱がその役目を捨ててまで影となり、鬼舞辻がようやく見せた尻尾を掴んで離したくない。
    ――巌勝。君には長い間苦労を掛けた。今日より月柱としてその姿を見せてくれないかい」

    「――仰せの通りに。月柱・継国巌勝、柱としての使命を全ういたします」
    その言葉を受け虚無僧は拘束を解き、深編笠を外す。
    六つの目を持つ男へ柱たちからどよめきと動揺が広がった。
    陽光の下にいるのに平然としており、鬼狩りたちが感じる鬼の気配すら間近にいても感じない。

    不死川がギリギリと歯を食いしばって言った。
    「わかりませんお館様!人間ならば生かしてもいいが鬼は駄目です承知できない」
    禰豆子を刺した箱に不死川は自身の血を垂らした。
    「オラァ出てこい鬼が!てめえの好物の人間の血だァ!」 ――プイッ

    「どうしたのかな?」
    「鬼の女の子はそっぽを向きました。月柱さまも今風柱さまの傍に行かれましたが、風柱さまを止血しています」
    「ではこれで、禰豆子が人を襲わないことの証明ができたね。—―炭治郎の話はこれで終わり、下がっていいよ。実弥。巌勝が柱であることに不満があるなら手合わせをしてみるといい。巌勝もいいね」
    「御意…全盛を過ぎた技ですが、当代柱の一助となるならば喜んで」
    「不死川さん、蝶屋敷のベッドは空けておきますからね」

  • 97二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 20:52:34

    無惨バレ防止で水の呼吸使ってる兄上と冨岡さんの「水の呼吸」が重なるのめっちゃ素敵な演出

  • 98二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 21:00:43

    「どうした…私の技は全盛期をとうに過ぎている。当代の柱がその程度ではあるまい」
    「ッ…(瞬きも出来ねぇ‼ほんの少し切っ先のふりをしくじったら終わりだ‼これが鬼舞辻無惨の首を落としかけた剣士の実力か‼それも全盛じゃないだと…ふざけ――)」

  • 99二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 01:32:26

    >>86

    やっぱ完全な鬼ってわけでは無いのかな?

    其れとも鬼の力は人を喰うことによって完成されるのか、、、、

  • 100二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 06:17:24

    >>99

    無惨の鬼化とは似てるけど、それとは異なる鬼なのでは?こう、サメとイルカみたいな…収斂進化みたいな…

    人を食ったとしても味覚も在り方も変わらないと思う

  • 101二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 08:16:09

    炭治郎は胡蝶しのぶの蝶屋敷で治療することになった。自分で思っていたより怪我が重かったらしい。
    禰豆子は怪我も多く寝不足だし、善逸も鬼蜘蛛の毒の影響で手足が短くなっているそうだ。
    あと、伊之助と禰豆子を刺した不死川という人も蝶屋敷で治療している。
    二人とも攻撃的な一面があったが、伊之助は「ゴメンネ弱クッテ」と落ち込んでいるし、不死川も全身ズタボロで運ばれて包帯グルグル巻きで眠っている。

    巌勝が炭治郎のお見舞いに来た。深編笠は被っていないが、蝶屋敷の子たちを驚かさないようにと狐のお面を付けていた。
    あれだけ攻撃的だった不死川が巌勝に敬意を示す匂いを纏っており、礼儀正しい姿に炭治郎は驚いた。
    昼は機能回復訓練、夜は巌勝との稽古。
    巌勝に稽古を申し出る柱も多いらしく、不死川程ではないが生傷を拵えて蝶屋敷で治療する姿をよく見た。
    鬼とはいえ禰豆子を何度も傷つけたことに腹を立てたらしく、不死川に対して少々やり過ぎたと巌勝は落ち込んでいた。

    月柱として活動するとはいえ、無惨の目を欺くために当分は鬼に本来の適正である月の呼吸は使えない。なので隊士たちに無惨の攻撃の雛型として訓練するには問題ないだろうと巌勝は日中は隊士たちに月の呼吸を繰り出していた。

    昼間に平然と行動する巌勝を見て、胡蝶からは怒っているような複雑な匂いがした。

    ヒノカミ神楽の呼吸だと長く戦えない炭治郎に、巌勝は呼吸を混ぜる術を教えてくれた。
    「私も…水の呼吸に切り替えた直後は…呼吸が持続せず悩んだものだ……。変化させ…自分に合う呼吸を見つけなさい……」
    炭治郎は最終的にカナヲに一度だけ勝てたが、あんな綺麗な子に薬湯をかけることはできなかったので薬湯を頭に乗せた。

    身体が動くようになってから巌勝にヒノカミ神楽を見せると、なにか懐かしいものを見るような優しい気持ちの匂いがした。

  • 102二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 08:21:13

    >>98

    実弥ボロボロで草


    >>101

    ヒノカミ神楽、、

    弟思い出してるんだろうな

  • 103二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 13:45:38

    >>101

    稽古受けてる人達のレベリングが凄い事になりそう(小並感)

  • 104二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 13:57:55

    巌勝は生まれつき痣を持つ双子の弟と共にこの世に生を受けた。
    六つの目、生まれつき持つ長い牙、怪我をしてもすぐに治る身体、体内より形成される刃。無惨と異なる方法で生まれた鬼の力を持つ存在である。
    父は現人神だと異形を祀ることで福をもたらす考え、巌勝を崇めるように接した。
    しかし、母も弟も。後の巌勝の妻や義妹も彼を一人の人間として受け入れた。

    鬼が無惨の支配下にあるとはいえ、本能のまま快楽的に人々を蹂躙し欲求を発散する一方。
    巌勝は弟と共に磨き上げた呼吸を封じ、その異形の姿を隠し、鬼殺隊の陰として鬼狩りを続け、無惨が再び活動を開始するまでじっと息をひそめて来た。

    その期間は四百年。人の心を持つ彼はその間、主君たる産屋敷の人間、己が密かに稽古を付けた剣士たち、親交のあった柱たち。多くの命が鬼に奪われ、又はその寿命を全うするまで看取って来た。
    無惨と2度遭遇したにもかかわらず倒せなかったことが申し訳なかった。

    縁壱は痣者の中でも長く生きた。彼には父に疎まれた分、義妹と共に穏やかに余生を過ごしてもらいたかった。自分は多くの力を持ってこの世に生まれたのに、それすらさせてやれず弟に苦労を掛けた。
    長きにわたる精神の疲弊は鬼である彼の肉体にも影響を及ぼし、髪は白髪が混じり力も全盛を過ぎてしまった。

    それでも人としての矜持を忘れなかった。
    ――才ある者が産声を上げたとき、彼らの一助となるものを私たちで遺していく。
    弟が。かつて共に戦った仲間たちの想いを『今』に繋げていく。
    何より己を信じる妻に誓ったのだ。己の力が及ばぬならば、後世に産声を上げる才ある者たちと共に戦い無惨を倒すと。

    機能回復訓練で全集中・常中を用いて合格し雄たけびを上げる善逸と伊之助。
    「はっは――‼ 編笠大木に散々ボコられたんだ‼できて当然だっての‼」
    「俺は誰よりも応援された男だ――‼」
    有頂天の二人の背後に、音もなく巌勝が現れた。その手は不死川の顔面をガッシリ掴んでいた。
    「そうか…ならば、より励むことだ……。会得したならば…手心なしに私の技を避けて見なさい……風柱の鍛錬も兼ねている……」
    今日も巌勝は努力が苦手な善逸と伊之助をしゃもじで叩き、奮起させながら若い芽を育てている。

  • 105二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 15:17:38

    漫画で読んでみたい

  • 106二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 19:54:17

    「累が殺された。下弦の伍だ。私が問いたいのは一つのみ。あの虚無僧は何者か。
    貴様らは念仏を唱えるだけしか能のない坊主如きに殺されるほど脆弱なのか?」
    下弦の鬼が炭治郎たちの知らぬところで解体され、無惨に気に入られた一体に血を分けられしばし後。

    任務のため炭治郎・善逸・伊之助は任務のため炎柱・煉獄に無限列車で合流した。
    「短期間のうちにこの汽車で四十人以上行方不明になっている。数名の隊士も消息を絶った故俺たちが来た!」
    「降ります‼」 善逸が泣きながら言うと、列車の上から地を這うような声がした。
    「ならば私と鍛錬に励むか?」
    巌勝の声だった。彼は顔を隠して乗車するにも目立つため、列車が発車した瞬間に車両に飛び乗ったそうだ。
    切符を拝見すると車掌に言われた際、微かに嫌な匂いがした。そこでプッツリと炭治郎たちの意識は途切れた。

    車内の人間殆どの意識が途切れたことに巌勝は気づいた。車内に侵入すると眠る炭治郎たちに接近し、何かしらの指示を出す人間たちと遭遇した。
    「え⁉何で!?皆眠っているはずじゃあ……!」
    (鬼に与した人間か……) 稀にいるのだ。鬼の力で恩恵を得ようとする者たちが。
    当て身で人間たちの動きを封じた。娘には悪いが、指示を出していた故後ろ手に拘束して力を籠める。
    「何をしていた。答えよ」
    情報を吐かせると巌勝は手刀で娘を気絶させた。そして禰豆子の入った箱に声をかける。
    「禰豆子、お兄さんが危ない。君の血気術は鬼の術に効く。それで皆を起こしてあげなさい」
    「ムー…」
    「この気配…列車全体が鬼の血肉と融合している…まずいな……。水の呼吸――(なるべく細かく鬼の血肉に斬撃を入れ、再生を遅らせる――)」
    「巌勝さん‼」  目覚めた炭治郎たちを感知する巌勝。
    「炭治郎、車両上部にいる鬼は擬態。本体は列車と融合している。頸を探せ‼」
    「この汽車は八両編成!俺は後方五両を守る!継国殿と黄色い少年と鬼の妹は他三両を‼」
    どうにか鬼の首を見つけた炭治郎と伊之助。炭治郎は腹を刺されるも、ヒノカミ神楽で鬼の首を両断した。
    頚を切られて鬼が汽車ごと暴れ始めた。このままでは横転する。
    「炎の呼吸」「――水の呼吸」
    列車は横転しなかった。柱二人が沢山の技を使って防いだから。
    ――俺は、煉獄さんや巌勝さんのように強くなれるだろうか。いや、ならないといけないんだ。

  • 107二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 22:22:45

    巌勝に鍛錬を付けてもらいながら単独任務もこなせる様になった炭治郎。その帰り、蝶屋敷から月のエフェクトが飛んでいた。
    ふと、アオイのことが脳裏によぎる。
    鬼にトラウマを持ち戦えないアオイに、巌勝が虚哭神去の懐刀を渡していたからだ。
    「助けて欲しいと…思うことがあれば…それを振りなさい……。私で良ければ…すぐに………助けに来る…………」
    駆け付けるとすみちゃんがアオイが落とした虚哭神去を、彼女を攫うように抱える大男を威嚇するように上空に向けてブンブン振っていた。
    「待て待て待て‼派手に殺そうとすんじゃねえ‼月柱はなんちゅうもん子供に持たせやがった‼」
    「女子供を守れるならば良かろう」
    いつの間にか巌勝・炭治郎、善逸、伊之助が大男――音柱・宇随を囲んでいた。
    アオイの代わりに任務に行くと告げると、巌勝は体格的に難しいと突っぱねられた。
    「……ふむ。少々制約が多いのだが――」
    すると、巌勝が縮んだ。背丈は炭治郎より頭一つ小さい目が二つの少年になった。
    驚いていると、禰豆子が箱に入るために小さくなっているのを見て、自分も出来ないかとやってみたらしい。小さくはなれるが、視力が低下するうえ呼吸も従来の適正ではない水の呼吸は参ノ型までしか使用不能とのこと。特有の金色の瞳の赤い目も変わらない。
    「あー、まあ、月柱が良いなら行きましょうか。女の園、遊郭に」

  • 108二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 22:35:35

    >>107

    巌勝さんそれもできるんか!?

    って事は鬼としての格はどれだけ低く見ても無惨に僅かに劣る程度、もしくは勝るとも劣らないか?

  • 109二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 05:18:10

    >>93

    「家庭的」を表現してていいなって気持ちと

    なんかおじゃる丸の閻魔大王がもってるシャク(しゃもじじゃないが(むしろ今で言う下敷きとか外で髪に何か書くときのボード?)しゃもじみたいに見える)を思い出すから

    なんか鬼でもある兄上がやらかした時に頭叩くのにおじゃる丸程度に良いなと思う

  • 110二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 07:07:36

    >>107

    月柱の刀が女子供に護衛用の刀になってんの笑うwww

    確かに一本あるだけで安心だわwww

  • 111二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 09:01:11

    宇随は上下関係に厳しい男だ。自らを祭りの神だと自称するほどに。
    そういえば巌勝も彼の生家では現人神と祀られていたことを思い出し、何の神だったか聞いてみた。本人が合意するならともかく、勝手に周囲が祀って来るのは困ると巌勝は呟いた。

    宇随はとてつもなく早かった。巌勝も小さくなって弱体化しているらしいが小柄な体躯で宇随に追いついていた。
    彼は三人の奥さんを遊廓に潜入させているらしく、手紙の量もかなりのものだ。
    変装後の炭子、猪子、善子を見た巌子(自分で化粧をした)はもう少しマシにと手直しをした。意外なことに化粧の技術は元忍びの宇随よりも高かった。
    「目立たぬように…四つ目を化粧で覆って市井に溶け込めぬかと試した…。半日が限界なのと戦闘中に化粧が目に入って厄介だった故…深編傘や面を付けたのだ…」
    その頃の白粉は鉛だったそうで、毒の症状で涙が止まらず鬼狩りに支障が出たそうだ。

    猪子は真っ先に荻本屋に売られた。炭治郎から見ても可愛かったからだ。次に巌子、炭子が売られ、余った善子は巌子が売られた京極屋に宇随が顔で落としてねじ込まれた。
    巌子は吉原という夜の街に違和感を覚えていた。

  • 112二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 09:05:42

    >>111

    女装したのかよwww


    そりゃ化粧が目に入ったら痛いわwww

  • 113二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 09:07:54

    定時連絡の際、宇随の口から出てきた言葉を炭治郎と伊之助は言葉を失った。
    「善逸と月柱は来ない、昨夜から連絡が途絶えてる。吉原の街に入った際に月柱が言っていた。この街全体に鬼がそこかしこに人を移動させた痕跡があると。攫われた人々を捕食する場所があるはずだと」
    確かに。鬼が店で働く人間のフリをするなら、人を殺すのに慎重になる。巌勝は攫われた人々を探しに鬼の巣に向かった可能性がある。

    ――伊之助が荻本屋の家屋を破壊しまくって鬼の巣への道を探す数刻前。
    帯鬼は自身の帯が内部から切り刻まれた衝撃に動揺する。中から出てきたのは、鬼狩りと同時期に捕まえた赤い目をした見目の良い子供。その子供は狐面を被り、異形の刀を手にしていた。

    蝶屋敷の子供が虚哭神去を振り回した時より強力な月のエフェクトを宇随は発見した。月のエフェクトの発生源は地面の下。反響音から広い空洞があるはず。
    宇随は二刀の日輪刀を抜き、音の呼吸を地面に穿つ。

    一方の炭治郎は鯉夏花魁の部屋から鬼の匂いがすることを察し、急いで引き返していた。
    部屋は半壊しており、そこには自分の首を抱えて呆然とする鬼がいた。
    しかし、首を斬っても崩壊していない。――何かがある。

    鬼の中から、別の鬼が出て来た。
    「妬ましいなぁ妬ましいなぁ死んで――」「水の呼吸」
    巌勝の斬撃が男の鬼の首を撥ねた。

    「この二人は同時に首を斬る必要があります‼手分けして斬りましょう‼」 「うむ」
    宇随と巌勝は本体である上弦の陸に向かった。
    「お兄ちゃん!?ねえ!?お兄ちゃん!?なんかこのガキ何時もの鬼狩りの刀じゃないんだけど!?技放ったらさっきみたいな斬撃がいろいろ出てくるんだけど!? お兄ちゃん!?なんとかして‼お兄ちゃん‼‼」
    「ふざけるなよなぁ‼何で水の型三つしか使えないガキがそんなに強いんだよぉぉ‼許せねぇなぁぁ‼」

    宇随と巌勝と協力して鬼の首を斬ることに成功した炭治郎。しかし、最後の足掻きか鬼の血気術が発動した。
    色んな動きがゆっくりに見える。大丈夫。今の俺なら斬れる。対応できる。
    「ヒノカミ神楽!」 「音の呼吸‼」 「――水の呼吸」 「む――」

    そうか!倒したか上弦を!よくやった…! 天元!巌勝!炭治郎!禰豆子!善逸!伊之助!

  • 114二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 09:12:08

    あらゆる苦難が巌勝のおかげでイージーゲームになってて「経験値足りる?大丈夫?」って思ったけど
    そういえばこの人の稽古めちゃめちゃパワーレベリングだったから大丈夫だわ

  • 115二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 09:12:41

    透き通る世界入門してるー!?!?

  • 116二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 12:13:18

    時は無限列車までさかのぼる。
    列車は煉獄と巌勝の連携で横転しなかった。炭治郎たちが安堵した束の間、巌勝は車両上部にかけ登った。煉獄も続く。炭治郎たちも動こうとする。だが――
    「待機!乗客を前方の車両に避難させよ‼」
    気迫ある声で待機を命じられる。上部から鬼舞辻の匂いが強い鬼の気配がした。

    上弦の参。瞳に宿るその数字に二人の柱は剣を構える。
    その鬼は気配が限りなく薄くまるで朧。その目は無機質で冷徹。
    「恐らく忍びの系譜。搦め手に気を付けよ」 「うむ」
    ――水の呼吸・弐ノ型 水車   ――炎の呼吸・壱ノ型不知火

    炭治郎たちが乗客を指示通り避難させた後、車両上部に登った時。
    巌勝の狐面は目の部分が一部欠け、更に煉獄を庇い上弦の参に腹部を貫かれていた。
    「――致命の毒を受けてよく動けたものだ。…っ!?」 巌勝は上弦の参の腕を掴み離さない。
    「首を斬れ、炎柱」 「オオオオオオオオ‼」
    煉獄の渾身の斬撃を鬼は無理矢理腕を引きちぎって回避した。夜明けが近いこともあり、そのまま逃亡した。

    「この毒は…厄介だ……。蟲柱に解析と隊士のための解毒薬を頼めないものか……」
    鬼である巌勝には毒はそれほど効果がないとのこと。しかし回復手段として睡眠をとる禰豆子同様に眠たげにしていた。腹の傷もふさがっていた。
    「全くもって炎柱として不甲斐なし」
    「気に…病むな。列車の上…での……戦い故…連携も……ままならぬ。人的被害が……ないことが…救いだ……」

    この上弦の参は巌勝の見立て通り忍びの系譜だった。
    姉弟九人のうち七人は未熟ゆえに修行中に死んだ。兄は忍びの掟を破り出奔した。無惨によって鬼にされてからは、無惨を主君として任務を全うしてきた。しかし無惨の望む青い彼岸花は見つけることも出来ず、柱らしき狐面の男を始末したが耳飾りの剣士を屠る前に夜明けで逃亡した。
    上弦の参は無惨の𠮟責を粛々と受け入れた。しかし――

    「妓夫太郎が死に、上弦の月が欠けた。狐面の男に首を斬られた。貴様…何故私に確定していない情報を嬉々として伝えた」
    柱と思しき鬼狩りの腹を己の毒で貫いた。生きているはずもない。
    「鬼になって間がないにも関わらず、貴様は上弦の参に上り詰めた。だが私は上弦だからという理由でお前たちを甘やかしすぎたようだ」
    その上弦の参は無惨に粛清され吸収された。

  • 117二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 12:15:05

    上弦の陸との戦いの後、炭治郎は一週間蝶屋敷で療養していた。
    巌勝の元には相変わらず稽古の申し出が多いらしい。特に辛酸をなめさせられて不死川の要望が強かったそうだ。炭治郎より先に回復した伊之助も進んで特訓にいそしんでいた。
    善逸は逃げようとしたが巌勝にしゃもじで尻を叩かれ強制参加させられていたそうだ。全て避けられたら今後は参加しなくていいとの甘言に後悔したらしい。

  • 118二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 13:05:22

    >>116

    お気に入りじゃなかったから粛清されたのかな?推定宇髄弟

  • 119ss25/11/18(火) 17:13:22

    >>118

    この軸の無惨は正史以上の癇癪持ちです。


    ・継国兄弟によって首を落とされかけ、千八百に散らばった肉片のうち千七百五十と少しを二人で切り刻まれた傷は完全に癒えず痛み続ける。

    ・数十年以上後、巌勝を仲間に引き入れようと、老いた巌勝の奥方に取り入ったが虚哭神去で刻まれた屈辱。

    ・巌勝の怒りを買って切り刻まれ、彼の寿命が尽きるまで何百年も引き籠る恥辱。

    ・400年後、大正になって女子供を喰おうとしてまたもや虚哭神去で刻まれ、縁壱の耳飾りを付けた少年を見てトラウマ再発。


    いざ気に障ったことがあれば、上弦であろうと直ぐに粛清・殺 害を行う酷い癇癪持ちで、極端な程短気で気難しく、それらの所業に微塵の良心の呵責もない。正に鬼畜。

  • 120二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 17:17:52

    炭治郎の刀だが…刃毀れして折れてしまった。鋼鐵塚からは呪いのような手紙が送られたが、刀が無ければ戦えない。
    蝶屋敷で相談してみたら、すみちゃんたちが刀鍛冶の里に行ってはどうかと提案してくれた。炭治郎の刀には巌勝の虚哭神去が使われている。彼にも相談しようと思ったが、すでに向かっているので合流するように言われた。
    刀鍛冶の里の正確な位置は誰も知らないらしく、そもそも一つではない上に細かく移動するから担当の隊士でも分からないらしい。だから隠の人が目隠し耳栓鼻栓をした炭治郎を
    交代しながら運ぶ。炭治郎は交代ごとに挨拶しながら里へ向かった。

    刀鍛冶の里の長に挨拶した後、鋼鐵塚は行方不明なので温泉にでも入ってゆっくりするように言われた。温泉の坂の下でとある方向をじっと見つめる巌勝がいた。
    あいさつもそこそこに大きな声がした。
    「あーっ、炭治郎くんと継国さんだ!炭治郎くーん!継国さーん!」
    「あっ気をつけてください‼」 「乳房が…まろび出ずるぞ……」
    視線を背ける巌勝の代わりに炭治郎が甘露寺の浴衣を急いで直した。

    巌勝を温泉に誘ったが、家族水入らずでくつろぎなさいと断られた。

  • 121二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 17:19:32

    温泉で最終選別の時一緒だった不死川玄弥と出会ったが、仲良くなれず落ち込む炭治郎。
    食堂では巌勝と甘露寺と共に食事を摂った。禰豆子もいつか巌勝のように普通の食事を摂れるだろうか?

    翌朝、巌勝と里を歩いていると言い争う子供ともう一人。霞柱・時透無一郎の姿を見た。
    「……」
    巌勝から深い慈愛と懐かしさ、それ以上に何処までも深い罪悪感の匂いがした。

    時透と小鉄との口論を仲裁した炭治郎は、結果時透に気絶させられた。
    目が覚めると激しい戦闘の音を聞き近づいた。時透が戦っている絡繰りは縁壱零式というそうだ。
    「あの、縁壱さんって……」
    「ああ、私の弟で……始まりの呼吸の使い手だ……」
    その匂いはどこまでも優しく誇らしげで、深い悲しみを纏っていた。

  • 122二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 17:27:10

    >>17

    言うて現実でも異形の赤ちゃんを【神の子】として崇め奉る文化はあるしな。詳しくはショックでかいから言わないけど外国の村にそう言うのはまだあったはず

  • 123二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 17:33:37

    時透君は始まりの呼吸の子孫だと彼の鴉が自慢した。しかし巌勝は何も語ろうとしない。

    時透君の攻撃で壊れていくからくり人形から背を向け走っていった小鉄くんは木の上で泣いていた。巌勝は音もなく彼の傍に降り立った。
    「ありがとう」
    「私は…縁壱のからくり人形が今も現存していたことに驚いている。君は若い…次に繋ぐ努力を怠らなければ…いつか君の才能は芽吹く……」

    小鉄くんと一緒に修理した縁壱零式を見て、巌勝は提案した。
    5刀の…しかも3本の枝分かれした虚哭神去を手から生やし、からくり人形の刀と付け替えた。
    「あ…あの狐面の男の人何者ですか⁉」
    「つ…月柱の…巌勝さんです……(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ)」
    「炭治郎。君のヒノカミ神楽は始まりの呼吸の型から成る。縁壱の剣技は良い稽古になるが…このからくり人形では…力が劣る。これで……良い特訓になるだろう。まずは斬撃を全て…躱してみなさい」
    「おお‼いいじゃないですか‼これであの澄ました糞ガキよりも絶対強くなりますね‼全力で協力しますよ‼」
    「より……励む…ことだ……」

    「( 死  ぬ )」

    炭治郎はあの世の父や祖父母が何度も見える地獄すら生温い特訓を受けることになった。刀鍛冶の里の一部は月の弾幕…否斬撃で見事な禿山と化し、近くで炭治郎の為に特訓していた鋼鐵塚も走馬灯を何度も見ながら逃げまくった。

  • 124二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 20:10:46

    飲まず食わずで虚哭神去×五の斬撃を躱しながら縁壱零式に一撃入れたのが七日後の事だった。父の言っていた透き通る世界を見えるようになってきた。

    覚醒した炭治郎が頸へ一撃を叩き込むと、中から刀が出てきた。炭治郎も小鉄くんも大興奮で鞘から抜いてみたが……錆び付いていて、ぬか喜びになってしまった。
    しかし、傷だらけの鋼鐵塚が呼吸を荒げてやってきて、研ぎ直してくれるとのこと。
    巌勝は虚哭神去を回収していた。そして小鉄くんに何やら渡していた。

    「チョット!アンタアノ子の先祖デショ‼モットお話シナサイヨ‼」
    炭治郎は巌勝が時透の鴉にやたらと絡まれている場面を幾度も見た。
    しかし、巌勝は実の子に対する深い愛情の匂いと深い川底に沈むような悲しみの匂いのまま黙っていた。
    どうして何も言い返さないのか尋ねると。
    「………あの子…自身が…乗り越えねば……ならぬ……」
    「(巌勝さんは…時透くんのことをずっと昔から知っているのだろうか?)」


    うたた寝する炭治郎を時透は鼻をつまんで起こす。鉄穴森さんを探しているとのことだった。禰豆子は巌勝の膝の上でうつぶせになって寝ていた。

    その姿を見て時透は小首を傾げる。
    「僕は前にも貴方に会ってる?何だろう?」
    その問いを返す暇は無かった。

  • 125二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 20:13:33

    その夜、上弦の伍と肆が刀鍛冶の里を急襲した。
    時透・炭治郎・巌勝は戦闘体勢に入る。
    「霞の呼吸」「ヒノカミ神楽」「水の呼吸」

    首を斬ったが手ごたえがおかしい。
    「里の者たちを助けよ」
    巌勝によって炭治郎と時透は外に放り投げられた。
    「禰豆子‼玄弥と巌勝さんを手助けしてくれ!」

    「…何で井戸に毒を入れたくらいで死刑なんだよ…あいつも罪人の癖に…」
    ブツブツと呟く鬼の切断面からは血が霧のように漂い、巌勝が残る室内を毒で満たしていく。
    切断した部位からは不定形の肉が盛り上がり、歪な分裂体を作り上げる。

    巌勝によってかなりの距離を飛ばされた時透は月のエフェクトを見た。
    それは虚哭神去を振り魚類のような鬼の血気術から身を守ろうとする少年だった。
    炭治郎や巌勝が脳裏に過り、咄嗟に少年を守る時透。


    「遅れてごめんなさい‼みんなすぐ倒しますから‼」
    一方、甘露寺は里の者や里長を守るべく剣を振るう。
    その刀はリボンのようにしなやかで、鍔には血管の浮き出た眼球があった。

    巌勝の虚哭神去は特異な刀であった。
    鬼の性質を持ち、本来日輪刀の材料と相性が悪いにもかかわらず、非常に馴染む。
    更に『大切な人を守りたい』という意思を持つものならば、それがか弱く幼い少女であっても鋭い幾重もの斬撃を鬼にぶつけられる。
    その性質を数名の隊士の刀に応用し、各呼吸に適応した遠距離かつ広範囲の斬撃を飛ばすことが可能となった。

  • 126二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 23:53:57

    兄上の刀すげぇー!このまま上弦の鬼も無惨もぶっ飛ばして行こうぜ!!!

  • 127二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 00:00:02

    赫刀にも劣らぬバフ振りまきまくってるのではこの兄上…!

  • 128二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 06:36:15

    無限列車編もそうだけど刀鍛冶の里編も被害者が減りそうで嬉しいねぇ

  • 129二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 13:09:51

    縁壱零式の虚哭神去×五の斬撃と相対し身体能力が更に向上した炭治郎。
    虚哭神去を用いた刀で上弦の鬼の鬼を圧倒する甘露寺。
    窮地に陥ったが虚哭神去を喰らい、南蛮銃を変異させ炭治郎と共闘した玄弥。
    失われた記憶を思い出し、痣を発現し巌勝と上弦の鬼を倒した時透。

    激しい戦いの末、上弦の鬼を倒したが陽光が出て禰豆子は消滅――
    することはなく、太陽を克服した。

    上弦の鬼の視界を共有している無惨は太陽を克服した鬼の誕生に歓喜した。

    元々巌勝が無惨にとって太陽を克服した最初の鬼であった。
    巌勝を喰らい吸収することも視野に入れたことはある。
    しかし巌勝は己と近い力を持つ故、それは二匹の蛇がお互いを喰らい合い、互いに支配権が拮抗し自身が消滅しかねないリスクがあった。
    そんなものを始まりの呼吸の剣士から逃げ、命の灯が消えかかった老婆に怯え、巌勝の寿命が終わるまで隠れていた無惨がとるはずもない。

    無惨にとっては自身の血を分け、支配下に置くことが可能な鬼が太陽を克服したことは僥倖であった。
    これから禰豆子を巡って鬼たちが奪いにかかる。
    鬼殺隊の戦力強化をより高める必要がある。

  • 130二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 13:11:17

    緊急柱合会議にて、柱による合同強化訓練を行うことが決まった。
    富岡が中座しようとし柱たちがピリつく中、時透は巌勝に時折視線を向けて何か言いたげではあった。

    炭治郎の元に鋼鐵塚が研いだ刀が届いた。漆黒の深さが違う上、虚哭神去の紋様が浮き出る不思議な刀だった。唐突に伊之助が窓を突き破って現れた。
    「強化強化強化‼わっかんねぇけど編傘大木のえげつない斬撃に比べれば伊之助様には余裕よ‼」
    月柱・継国巌勝の柱稽古が、3本の枝分かれした虚哭神去の二刀流の斬撃を躱しながら巌勝に一刀入れることを伊之助は知らない。

    刀鍛冶の里の被害は最小限に留められ、拠点を移すことになったそうだ。
    鬼の毒を喰らった里の者も多かったが、巌勝が持っていた解毒薬で窮地を脱した。

    鬼には毒を使う者も多く、それが上弦の鬼ともなれば被害が甚大となる。現に柱の宇随も上弦の陸の毒で危うく死にかけた。
    巌勝は胡蝶に、かつて回収した上弦の参の毒手の解析を依頼した。鬼舞辻の血が濃い鬼の毒を緩和、もしくは人間の自浄作用を向上し体外へ排出できるような解毒薬の調合の依頼と、対価として自身も毒実験の被検体になっていた。
    「継国さんを起こさないでくださいね。死ぬほど疲れていますから」
    蝶屋敷の寝台で眠る巌勝に狼狽したが、こうして里の者が素早く鬼の毒を解毒できたこともあり炭治郎は複雑ではある。

  • 131二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 13:45:46

    昼は隊士たちへ月柱として柱稽古。夜は柱たちとの稽古。
    巌勝が心配であったが、炭治郎もお館様より手紙を受け取った。

    柱稽古に参加していない義勇に根気強く話をしてやって欲しい。
    屋敷に行くと、柱稽古で行動不能になった隊士たちの休息の合間を縫って巌勝も水屋敷に来ていた。代々水柱に恩がある故、引きこもる義勇を案じていたのだ。
    強引に入る炭治郎に慌てて付いていく巌勝。

    義勇からはじんわり怒っている匂いがした。
    「二人が水の呼吸を極めなかったことを怒っている。お前は水柱にならなければならなかった。貴方もだ」
    「…………」
    「水柱が不在の今、誰かが水柱とならなくてはならない」
    「水柱が不在?義勇さんがいるじゃないですか」
    「俺は水柱じゃない」

    お館様の手紙を額面通り受け取った炭治郎は、拒絶されても昼夜問わず話し続けた。
    4日に渡り義勇に付きまとい続ける炭治郎と、それを流石に止めに来た巌勝に話してくれた。

  • 132二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 13:49:37

    自分は最終選別を突破していない、兄弟弟子である錆兎に助けられて生き延びただけだったと。本来なら錆兎が柱になるべきだったと、自分は柱になっていい人間じゃないと。

    掛ける言葉が見つからず、義勇が炭治郎を振り切って行ってしまおうとした瞬間。
    パアン!

    巌勝が鍋のふたで義勇の横っ面を引っぱたいた。鬼の膂力で振るわれた衝撃で橋から落ち川に落ちる義勇。
    炭治郎が慌てて飛び込み義勇を水面へ引き上げると、凄まじい怒気の匂いを放つ巌勝が見下ろしていた。

    「貴様…貴様を守った錆兎を…彼がお前に託したものを…真の意味で殺し冒涜する気か……‼」
    巌勝は許せなかった。この男は鱗滝ですら編み出せぬ新しい技を作り上げ、研鑽してきたというのに。自らの殻にこもり彼らの生きた証を冒涜する気か。

    本気で柱など辞めてしまえと言いかねない巌勝に、慌てて炭治郎は割って入って義勇に問うた。
    「義勇さん、本当に錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」

  • 133二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 16:38:54

    「(痛い…)」
    何故忘れていた?錆兎とのあのやりとり。大事なことだろう。
    蔦子姉さん、錆兎、二人が自分へ繋いでくれたものを俺が守らなければいけない。――未熟でごめん。

    未だ怒りの匂いのする巌勝としょんぼりする義勇をどうしようかと悩み、ざるそば早食い勝負を提案した炭治郎。
    蕎麦屋では物凄い早さで食べていく巌勝に負けまいと頑張る2人が居た。

  • 134二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 16:41:27

    全快した炭治郎は煉獄、宇随の柱稽古を次々と合格していった。
    時透くんの稽古も順調にこなしていったが、休憩の際に彼に相談された。
    「炭治郎はどうやって…その、月柱と仲良くなったの?」
    時透くんは彼の子孫なのだが、話のとっかかりが掴めないこと。それは過去に巌勝と出会ったが酷いことをしてしまったからだと打ち明けられた。

    時透の母が病のため、嵐の日に薬草を取りに行った父を不思議な虚無僧が滑落から助けた。父を助けて兄と待つ家に赴いた大きな虚無僧に驚いた。彼が持っていた手持ちの薬を分けてくれたが、母は助からなかった。
    母を埋葬する際に虚無僧も手伝ってくれたが、崖から父を助けた際に損傷したのだろう。深編傘が外れた彼の顔を見た。
    それは、時透の住まう地域で祀られる六つの目の神のようだった。
    兄は神様の癖に病も治せないのかと罵り、自身もその異形を恐れて泣き叫んだ。
    彼は父が止めても続く兄の暴言にただ黙して頭を下げていた。

    一年後、鬼に父と兄は殺された。駆け付けたとき、お館様の御内儀と共に彼もいた。
    蛆が湧き死にゆく己を助けてくれた。消え入るような謝罪の言葉を聞いた。

  • 135二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 16:43:55

    「――あの人は父さんを助けてくれたのに。母さんにも最善を尽くしてくれたのに。酷いことを言ったきり僕は最近までその記憶を失っていた。…あの時のことを謝りたいけど、どう話していいか分からない」

    「稽古の時はおっかないけど、優しい人だし面と向かって思いの丈をぶつけてみたら良いんじゃないかな。あと蕎麦の早食いとか」
    「…うん。あと、何て呼んでいいのか分からない。ご先祖様はなんか距離感あるし、継国さん…も、距離があるかな……」
    「そっかー。おじいさんもなんかヘンだしね。俺は普通に巌勝さんって呼んでるよ?」
    (伊之助がみつかんのおっさんと言っても特に怒らなかったから、大丈夫だろう。…あ、しゃもじで小突いていたけど)

    それなら巌勝さんと言えるように頑張ると時透くんは気合を入れていた。

  • 136二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 20:39:33

    不死川さんの稽古は容赦がなかった。炭治郎も巌勝さんに稽古を付けてもらっているとはいえ、彼もあれから相当な場数を積んでいる。伊黒さんですらもっと休憩をくれたのに。
    ボコボコにされた身体を引きずって風屋敷を歩いていると、不死川さんと玄弥が居た。

    玄弥の目をつぶそうとする不死川さんから玄弥を庇い、取っ組み合いの大喧嘩になってしまった。大暴れする炭治郎と柱相手に隊士ではどうにもならず応援を呼んだ。
    「――月の呼吸」
    気付けば風屋敷が全壊していた。
    全壊したガレキの中、月柱が風柱と膝を突き合わせて叱っていたそうだが、二人の剣幕があまりに怖くて何を言っていたかは分からないらしい。炭治郎は風柱と接近禁止命令を受けた。
    (やり過ぎたもんなあ…あ、でも玄弥には不死川さんの匂いの事、今度話しておこう)

    ***

    「私も…弟には…穏やかな生活を望んだ…。だからと言って…目を潰して弟を放り出すのは…如何なものか…生活も…ままならぬだろう……」
    「屋敷全壊させた貴方に言われたくないです」
    「それは…返す…言葉も…ない……」

  • 137二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 20:42:18

    善逸と一緒に悲鳴嶼さんの修行場に来た。悲鳴嶼さんから説明を受けた途端に善逸が気絶……しそうになったけど踏みとどまった。

    「あの台風みたいな斬撃に耐えたもん…頑張れ俺……」
    しかし川に入った瞬間挫折しそうになっていた。
    悲鳴嶼さんからも優しい匂いがしたけど、同時にどこか悲しい匂いもした。

    悲鳴嶼さんの滝行を終えて岩にしがみついていると、悲鳴嶼さんと巌勝さんが相撲していた。あんな張り手を受けて無事な二人の首はどうなっているんだろう。がっぷり組み付いた時は大地が揺らぎ、木々がザワザワと軋む音が響いた。

    悲鳴嶼さんと巌勝さんの訓練は過酷だけど強制ではないので、やめたいと思ったらやめてもいいらしい。よって手持ち無沙汰な二人で組手や相撲の特訓をしていた。
    炭治郎が岩を押せた頃、悲鳴嶼さんの悲しい匂いの理由を知った。涙を流す炭治郎を彼は優しくなでた。

    悲鳴嶼さんも父の言っていた透き通る世界を見えるようになったらしく、それを隊全体に共有していた。

    そして。

    善逸の匂いが変わった。何か、強い決意を込めた、それでいて危うげな匂い。
    「やるべきことが出来た」

  • 138二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 20:48:23

    不死川はイラつきを隠さずに歩を進める。そして『肆』の目の異形に気付き握りつぶした。

    「――機は…訪れたか……お館様……珠世殿……――」

    「やあ、来たのかい はじめましてだね」

    「なんとも醜悪な姿だな 産屋敷貴様に聞きたいことがある」

    「なんだい」

    「あの虚無僧は何者か。
    この400年、私が作った鬼どもを鬼狩りどころか、ある時は旅の僧が。ある時は天狗面の修験者が仕込み刀で狩っている。私は念仏を唱えるだけしか能のない坊主如きに殺されるほど脆弱な鬼を作ったつもりはない」

    「そうか…君は…何の天罰も受けないと自負する君には計り知れないものだろうね。彼は……彼らは………君が大切な人の命を、理不尽に奪ったことを許さない想いそのものだ。
    君は、本来ならば一生眠っているはずの、虎や龍の逆鱗に触れている」

  • 139二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 21:00:19

    「産ッ屋敷ィィッ」
    爆薬の中にも細かいマキビシのようなものが混ざっており無惨の再生を遅らせる。
    まだ何かある。
    無惨を幾重もの棘の血気術が固定し、腹部を貫かれた。

    「珠世‼なぜおまえがここに…」
    「吸収しましたね無惨。私の拳を。拳の中に何が入っていたと思いますか?
    『鬼を人間に戻す薬』ですよ‼どうですか、効いてきましたか?」

    悲鳴嶼はお館様より、5日以内に無惨が来ることを聞かされた。
    自身を囮に使うことで無惨を弱体化させることを悲鳴嶼に託した。

    継国巌勝は珠世が自ら無惨を足止めすることに戸惑いがあった。しかし多くの命を奪った贖罪をさせて欲しいと彼女の決意を優先させた。
    「どうか、『機』を逃しませんようにお願いします」
    巌勝は血がにじむほど拳を握りしめ、彼女の意思を尊重した。

    「お前も大概しつこい女だな珠世!お前の夫を殺したのは誰だ?他ならぬお前自身だ」
    「病で死にたくないと言ったのは!!子供が大人になるのを見届けたかったからだ……!!その罪を償うためにも私はお前とここで死ぬ‼悲鳴嶼さん‼」

    悲鳴嶼の一撃が無惨の頭部ごと首を抉った。しかし――
    「(やはり‼お館様と…巌勝殿の言う通り、この男は首を斬っても死なない‼)」
    「水の呼吸・捌ノ型 滝壺――」
    狐面の巌勝が再生しかけた無惨の首を再び落とした。
    「夜明けまでだ……」「承知した」
    この化け物を日の差す場所に拘束し続けなければならない。
    爆発音によって柱たちが集結した。無惨に向けて隊士たちが技を繰り出そうとした次の瞬間。

    ――琵琶の音が鳴り、全ての隊士たちは下へと落ちていく。
    この男は陽の差さぬ城で全ての鬼狩りを皆殺しにするつもりなのだ。

  • 140二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 21:14:04

    時透は悲鳴嶼と巌勝に合流していた。この異空間にいる鬼たちは下弦程度の力を持たされていた。

    巌勝は無惨を捜索しながら周囲の状況を見定める。

    「――(私の4つ目と透き通る世界を用いて、隊士の一助となろう)月の呼吸…」

    緑内障。老人が患う目の病。巌勝の目はすでに二つ完全に失明しており、他の目も視野狭窄を起こしている。

    それでも透き通る世界で何を斬るべきか見えている。

    妻が最期に言った言葉と珠世の言葉が重なる。

    全ての元凶たる無惨の元へ、少しでも対抗できる剣士を送る。
    「この『機』を絶対に逃さぬ…‼」

  • 141二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 05:05:43

    シリアスよ

  • 142二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 07:50:01

    兄上かっこいい

  • 143二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 08:38:53

    このスレおそらく1つ目なんだよね…
    数百年がギュッと濃縮されているの好き

  • 144二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 12:58:19

    ――血の匂いがする…ここは何処?
    「あれぇ、来たの?わあっ女の子だね!」
    姉の仇。頭から血を被ったような鬼。鋭い対の扇を持つ――上弦の壱。

    「私の姉を殺したのはお前だな?この羽織に見覚えはないか」
    「ああ、花の呼吸を使ってた女の子かな?」
    ちゃんと食べてあげたかった。鬼がそう言い切る前に胡蝶の刺突が鬼の目を貫いた。
    「おっと、すごい突きだね。血気術 ――蓮葉氷」

    ――月の呼吸・漆ノ型 厄鏡・月映え

    鬼の血気術は胡蝶に届く前に遠距離の攻撃で全て霧散される。
    「!?(この斬撃は…継国さん!?)」
    「うーん、術を全部切っちゃうなんて面倒な剣士だなあ。でもずいぶん遠くにいるし、君の突き技じゃあ鬼は殺せない…あれ?」

    ズルリと上弦の壱の身体が突かれた左目から両断するように鬼の骨ごと縦に切れた。
    「この虚哭神去を用いた剣なら私の突きでも貴方の骨を斬れますね。毒とどちらが先にあなたの命脈を絶つでしょうか」

    ――月の呼吸・伍ノ型 月魄災渦
    「その前に誰かの斬撃で首が斬れそうで嫌だなぁ…。こんな剣士無惨様の記憶にしかいないはずなのに」
    ――月の呼吸・陸ノ型 常世孤月・無間

    カアアア――ッ‼胡蝶シノブ上弦ノ壱ト交戦‼
    継国巌勝ノ斬撃ノ先ニ上弦ノ壱ノ根城アリ‼

  • 145二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 13:00:18

    「…巌勝さんの援護は嬉しいけどね。こいつとの決着には手を出してほしくないんだよ」

    「口の利き方がなってねえぞ 兄弟子に向かって」

    「獪岳 鬼になったお前を、俺はもう兄弟子だと思わない」
    「変わってねえなあ。軟弱なまんまでよ。おい、善逸。壱ノ型以外使えるようになったか?」

    「アンタが鞍替えした鬼の上司はさ、呼吸を壱ノ型しか使えないおばあちゃんに一撃喰らって尻尾巻いて逃げたとさ。一つを極めることが大切だってじいちゃんもその人も証明して見せたよ。クズ」

  • 146二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 17:27:19

    被害が少なそうでいいな

  • 147二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 19:36:52

    前触れなくやってきた老いたその鬼は次の刹那、煉獄に首を斬られた。しかし分裂し若返った鬼の瞳には上弦の弐と刻まれていた。

    「よもやよもや‼首を斬れば斬るほど分裂するか‼――炎の呼吸・肆ノ型・盛炎のうねり‼」 

    ――月の呼吸・陸ノ型 常世孤月・無間
    「カア‼鬱陶しい‼なんだあの斬撃は‼久方ぶりに分裂したのに飛べもしない‼」
    「哀しいのう哀しいのう哀しい程弱い」

    「玄弥‼」
    腹を穿たれるも玄弥が撃った一撃は、哀の舌を持つ鬼の分裂体の首に着弾した瞬間幾重もの虚哭神去が顕現し鬼の体内を刺し貫き再生を阻害する。
    その鬼の首を不死川が切り落とした。

    「人の弟の腹を刺しやがって……‼許さねェ許さねェ許さねェェ‼」
    「派手に分裂するじゃねえか‼だがどれも本体じゃねえ‼」
    「不死川‼こ奴らは俺と宇随で抑える!君は本体を探せ!」

    不死川は透き通る世界を用いて周囲を見定める。――いた。

    とても小さな鬼…その心臓の中。
    不死川と兄に追随する玄弥が鬼の追撃にかかった。
    「見えてんだよぉぼけがぁ。――風の呼吸」

  • 148二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 19:38:39

    無限城の不規則な建物の移動で悲鳴嶼と分断された時透と巌勝は愈史郎の『眼』を借りた鴉の先導で走り続ける。

    「……お館様は自ら囮に?」
    「…そうだ…あの方は…余命幾許も無かった……」
    「あいつ…無惨…‼必ず地獄を見せてやる」
    「安心しろ…皆…同じ思いだ……」
    その間も巌勝は斬撃を飛ばし続ける。

  • 149二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 19:39:54

    義勇と合流した炭治郎は上弦の鬼が作り出したと思われる小さな氷の人形に遭遇した。おそらく鬼と同等の力を持つ氷の血気術を放つそれと相対する二人。

    巌勝の斬撃が時折降り注ぎ血気術を霧散させる。
    「ヒノカミ神楽――」「水の呼吸――」

    二人は無限城を巡回する氷の御子をいくつも破壊していった。


    一方、伊黒と甘露寺は琵琶を鳴らしこの空間を自在に操る鬼に苦戦していた。
    「(首を落としたとしても、空間が大きすぎる…最悪全員生き埋めになるな…)」
    その時、二人に加勢する者がいた。

  • 150二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 19:45:57

    「血気術・結晶ノ御子」 上弦の壱と同等の力を持つ分身を幾重も作り出す。だが――

    ――月の呼吸・伍ノ型 月魄災渦
    「どぉありゃアアアア!!!伊之助様のお通りじゃあアアア‼」 「師範‼」
    「カナヲ!伊之助くん!?」
    「獣の呼吸・伍ノ牙 狂い裂き‼」 「花の呼吸・弐ノ型 御影梅‼」
    「南無 阿弥陀仏‼」 更に合流した悲鳴嶼の鉄球が御子を粉砕した。
    幾重もの剣士たちの攻撃で、上弦の壱の分身体は全て破壊された。
    「みつかんのおっさんがここに鬼がいるってドンピシャで教えてくれたぜ‼」
    「うお!?」「伊之助‼」

    「ああ、やっぱりこれ被りものかあ。んー?あれー?君の顔、知ってるよ?君のお母さんとそっくり。俺の善行を理解しないから食べちゃった」
    「いい加減にしろ‼ゲスが‼」カナヲが吠える。
    「血気術・散り蓮華」  「岩の呼吸・弐ノ型 天面砕き」

    ――月の呼吸・弐ノ型 珠華ノ弄月
    「いい加減にして欲しいのはこっちだよ。馬鹿みたいに人や術を斬り刻む斬撃飛ばしてさあ。君たちもよく避けられるね…」 ズルリ。
    視界が反転する。最初に胡蝶に穿たれた目からそれは広がり骨が解け、『毒』が回っていった。

    「な゛に゛・・・その毒・・・累くんの時より・・・強・・・」
    「鬼の始祖が散々逃げ回ったあの『人』が協力してくれたので、より強い毒が出来ましたよ」
    「ぐ…――霧氷・睡蓮菩薩」
    巨大な氷の仏像が登場し、その仏像は対象の全身を一瞬で凍結させる程の冷気を放つ。
    「岩の呼吸・伍ノ型 瓦輪刑部」
    苦し紛れの技。最後の攻防故精度が荒い。悲鳴嶼がその冷気を技で相殺していく。
    「蟲の呼吸・蜈蚣ノ舞 百足蛇腹」「花の呼吸・肆ノ型 紅花衣」
    二人の攻撃が鬼の首に放たれるも、氷で腕を固められて切断に至らない。
    「獣の呼吸 思いつきの…投げ裂き‼」
    胡蝶の毒の刺突及び体内で穿たれる斬撃とカナヲの一刀、そこに伊之助の技が加わり、グズグズになった鬼の首を落とした。

  • 151二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 19:49:17

    隊士たちは無惨が鬼を人間に戻す薬の分解の為作り出した、肉の繭にたどり着いた。
    無惨が復活することを予見したお館様より待機命令が出る。
    「柱が来るまで少しでも攻撃を……」

    次の瞬間。
    「水の呼吸・陸ノ型 ねじれ渦」
    「霞の呼吸・陸ノ型 月の霞消(つきのかしょう)」
    無惨の捕食行為をかろうじて躱した隊員の間に、狐面の巌勝と時透が技を穿ち割って入る。

    「先の攻撃を見えなかったものは後方に待機!」
    「餓えている時に食事を邪魔するとは無粋な者たちだ。誰もかれも役には立たなかった。鬼狩りは今夜潰す……」

    カラン。
    巌勝が狐面を外した。
    「………………………………………は?」

    「この顔を覚えているか。貴様の首を二度も落としそこなった愚か者のこの顔を」

    無惨の脳裏に、己の首を落としかけた剣士たちへの屈辱。
    醜く老いた女に斬撃を喰らった恥辱。
    二度、細胞分裂した己を切り刻んだ六つの目の鬼の憤怒の様相。

    それが現実であることへの恐れがこみ上げた。
    「遅れるな無一郎よ。月の呼吸――」

  • 152二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 20:30:33

    炭治郎たちが無惨の元にたどり着くと、そこは幾重もの斬撃痕が刻まれており、面を外した巌勝と時透くんが無惨と相対していた。奴は壁際で呼吸を荒げていた。

    「しつこい‼お前たちは本当にしつこい‼飽き飽きする‼口を開けば家族の仇友の仇と馬鹿の一つ覚え‼挙句に私が生んでもいない鬼もどきまで執拗に狙ってくる‼」
    「巌勝さんの生みの母は朱乃さんだぞ」

    「黙れ黙れ黙れ‼死んだものたちが生き返ることはないのだ‼そんなことにこだわるより日銭を稼いで静かに暮らせばよかろう‼継国巌勝ぅ‼お前は本当に何なんだ‼」

    無惨…この男はいったい何を言っているんだ
    「鬼狩りは異常者の集まりだ。異常者の相手は疲れた」

    「ならば貴様の命を終わらせてくれる」
    巌勝の斬撃が無惨のいた場所を抉る。

    無惨も腕を刃物のように伸縮させながら繰り出してくる。
    透き通る世界を用いても反応が遅れる。

    「時間稼ぎ…夜明けまでか?光り届かぬこの城の中…お前たちだけでそれは可能なのか?
    すでに柱の大半は私の部下が、殺したようだぞ?」

  • 153二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 20:34:35

    その時。琵琶の音が鳴り響き、移動圧で上昇していく。
    愈史郎が己の血気術を用いて無限城の主を操り、地上へ無惨を叩き出す算段を付けていた。彼の援護をすべく駆け付けた甘露寺、伊黒も合わさり無惨へ猛攻を掛ける。
    「水の呼吸」「蛇の呼吸」「霞の呼吸」「月の呼吸」「ヒノカミ神楽」

    無惨を地上に排出することに成功した。しかし、夜明けまで一時間半。
    手負いの獣の如き形相で無惨は背に生やした触腕を縦横無尽に走らせる。

    「私の攻撃で即死できたものは幸運だ。私に傷を付けられた者は終わる。あれを……。!!??」
    「お前のような卑劣な者が毒を使わぬ筈がありません。隊士全員にあらかじめ毒を緩和する血清を用意しました」
    「毒使いぃ‼珠世ぉ‼死んでも私の邪魔をするかぁ‼」

  • 154二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 20:37:43

    透き通る世界を用いて辛うじて躱せる中、巌勝が更に前に出る。

    「赫刀を会得したものは用意せよ‼無惨に通常の日輪刀の斬撃は効かぬ‼」

    悲鳴嶼と巌勝が最前線で無惨を引き付けている隙に、各々が赫刀の準備に入った。
    悲鳴嶼も巌勝の斬撃の隙を着き赫刀に染める。
    「ヒノカミ神楽」「水の呼吸」「風の呼吸」「岩の呼吸」「恋の呼吸」「霞の呼吸」
    「っ、なんだこれは!?なぜあの人間の斬撃が伸びる!しかも切られた箇所の再生が阻害されている!?がァ!?」

    不可視の灼ける斬撃を受けた。
    愈史郎の術で姿を隠した煉獄、宇随が赫刀で技を叩き込む。伊之助、善逸、カナヲも二人が赫刀にする暇を作るため斬撃を繰り出した。

    それに気づいた無惨は5人の札を破壊しに回るが、動かぬ不可視の6人目は無惨の視覚外にあった。

    玄弥の虚哭神去を用いた南蛮銃。そして、玄弥が虚哭神去を喰らったことで変異したその異形の銃は不可視の弾丸となり無惨を穿った。

    その弾丸は血管の浮き出た異形の目を持つ幹となり、無惨を完全に固定する。
    無惨は吸収に入ったが、激痛が走る。元より無惨の血を分けた支配下ではない巌勝の血肉を取り込むことを無惨自身の肉体が拒絶した。
    背に生えた触腕ごと固定され、腕の伸縮による斬撃のみになった無惨の攻撃は徐々に落ちていく。
    剣士たちが幾重もの斬撃を叩き込んでいく。

    その違和感は如実に出た。無惨自身も遅くなっていき攻撃に対応できない。
    ――老化の薬。九千年老いた無惨の肉体から、かつて縁壱たちに刻まれて癒えぬ傷が浮かび上がった。

  • 155二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 21:19:54

    玄弥の血気術を強引に引きちぎった無惨は、最前線で抑えていた巌勝と悲鳴嶼を吹き飛ばした。衝撃で体勢を崩し、無防備な時透に放たれる攻撃を巌勝が身を挺して庇う。
    無惨が逃亡に切り替えたのだ。無惨の攻撃に対応できる全ての剣士が追撃に入る。

    無惨は分裂し逃亡を図る。――だが、分裂は止まった。珠世の分裂阻害の薬が効果を発揮したのだ。そして、もう一つの薬も効果を発揮する。

    炭治郎の陽華突が無惨を縫いとめる。――夜明けを迎えた。

    義勇が炭治郎の日輪刀を掴み赫刀にするも、無惨は最後のあがきで肉の鎧を形成する。
    盛り上がる肉の鎧に炭治郎が取り込まれかけるが、雄たけびを上げ身体から血を流す巌勝が強引に炭治郎を肉から引きはがす。――が、巌勝が無惨の肉の鎧に埋もれてしまった。

  • 156二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 21:25:51

    日陰に入ろうとする無惨を一般隊士が本棚を投げて妨害し、後藤たち隠が車で突っ込んだ。
    悲鳴嶼の日輪刀の鎖で無惨を固定し甘露寺、宇随、煉獄、隠たち総出で無理矢理陽光の下に留める。
    他の剣士たちも無惨の肉を削ぎ消耗させ続けた。

    無惨は陽光の下、崩壊した。無惨を倒した。
    けが人の手当てと救護に皆が動く中、隠の制止を無視して時透が歩みを止めない。

    「時透さん、動かないでお願いです」
    「つ……巌勝さんは?巌勝はどこ?」

    巌勝はその髪が真っ白になり、炭治郎の刀を握りしめたまま座り込んでいた。
    息も脈も無かった。

  • 157二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 21:34:53

    筈だった。
    無惨は己の意思と想いを、巌勝に託し最強の鬼の王にすべく血を全て与えた。
    異変に気付いた富岡が隠を巌勝の攻撃から庇った。

    「えっ。何…巌勝…さん? 」

    「何で?」

    狼狽する時透を尻目に富岡は指示を飛ばす。
    「継国巌勝が鬼の王にされた‼太陽の下に固定して焼き殺す‼人を殺す前に継国巌勝を殺せ‼」

    無惨の血が混ざった影響か巌勝の身体が陽光に灼ける。――だがそれもすぐに止まった。
    「(くそっ無惨め…どこまで彼を冒涜する気か……‼)」

  • 158二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 21:40:46

    「我々の任務は命を隣り合わせ、弟を鬼から遠ざけたいならばきちんと話し合って見なさい。家族が死地にいるのは…どれ程気丈な心を持つものでも心細いものだ」

    「話をしたくないならば…文を書いたらどうだ?書けないならば…教えよう…。言葉にしたくないならば…弟の名前を書いてみたらどうだろうか…。その書いた想いはずっと残るものだ…」


    不死川が巌勝と相対する。彼は泣いていた。
    鬼は殺す。だが――
    その剣はあまりにも重たかった。

  • 159二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 21:43:08

    その時。
    無一郎、炭治郎、そして人間に戻った禰豆子が巌勝にしがみついていた。

    「どうしてかなあ。どうして巌勝さんみたいな優しい人が苦しい目に合わないといけないのかな?ずっと私、何も分からなくなってた。でもずっと巌勝さんは私とお兄ちゃんを守ってくれた」

    「ずっと、ずっと。僕たちを守ってくれたのに。どうして踏みつけられないといけないの?ごめんなさい。あの時酷いことを言ってごめんなさい。父さんを助けてくれてありがとう。僕たちの為に沢山戦ってくれてありがとう。
    終わったよ、無惨を倒したよ?巌勝さんお願いだから負けないで」

    「帰りましょう巌勝さん。縁壱さんや、奥さんのいる家に帰りましょうよ。四百年の戦いは終わったって、言いに帰らないと…」

    巌勝が咆哮を上げる。炭治郎と禰豆子は吹き飛ばされ、巌勝にしがみつく無一郎の身体をその爪が引き裂く。

  • 160二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 21:44:43

    「やめろーっ‼」
    甲高い音が鳴り響く。伊之助がしゃもじで巌勝の頭を殴ったのだ。

    「巌勝のおっさんはそんなのじゃないだろ!こうやって俺たちに真面目にやれって気合入れてただろ‼元の巌勝のおっさんに戻れよぉオオオ‼」

    泣きながら何度も巌勝の頭をしゃもじで叩く伊之助。
    暴走を続けるが、目の前の無一郎という食べ物には目もくれない。


    「カナヲ…行けますか?」
    「はい、師範」
    鬼を人間に戻す薬。これを用いれば無惨の鬼化を戻せる。
    巌勝の稽古に比べれば今の彼の動きは遅い。攻撃を掻い潜って行ける。
    ――花の呼吸・終ノ型 彼岸朱眼 ‼
    「ダメですよ、巌勝さん。早く戻ってきてください。…みんなを泣かせたらダメ……」

  • 161二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 21:47:50

    巌勝、貴様は鬼の王になるのだ。余計な真似をするな亡者共。
    亡者……あっ。あっあっあっ

    巌勝!行くな!

    この化け物どもを放って行くなァァァア!!

  • 162二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 23:13:52

    大喜利スレかと開いたら長編が連載されてた

  • 163二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 00:08:13

    >>161

    多分だけど奥さんもいるなこれ。化け物だなんて失礼なやつだ

  • 164二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 05:04:50

    もう大詰めだな

  • 165二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 09:09:46

    巌勝が目を覚ました。
    「すまない…迷惑を…掛けた……」
    傍にいた無一郎がボロボロと涙を流す。
    「巌勝のおっさんが目を覚ました‼ウオオオオン‼」
    歓声が沸き上がった。

    胡蝶と珠世が作った鬼を人間に戻す薬は、元人間である鬼舞辻無惨の鬼化を治すものである。
    母の胎にいた頃より鬼であった巌勝にとって、その薬は無惨の細胞の暴走を無効化するに留まった。故に彼は六つの目のままだ。しかし。
    とうに全盛を過ぎ、老化の始まった巌勝は極限の力を持って無惨と相対し続けた。

    今の巌勝は死の眠りに誘われつつあった。
    「まだ…やることが……ある………」

  • 166二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 13:54:38

    ようやっと兄上の鬼退治の旅が終えられそうで良かった…やることが終わったら家族の元でゆっくり過ごして欲しいね

  • 167二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 14:01:49

    その後、戦いの後処理を終えつつある中、巌勝はふらりと立ち上がる。
    足取りもままならぬ様子に無一郎が止めに入った。

    「巌勝さん!待って!どこに行くの!?」
    「無一郎…。すまないが……私は…妻の元へ…帰らねばならぬ……。務めを…果たしたと……、彼女に…縁壱に……皆に…伝えなければ……ならぬのだ……」

    その目の焦点はあっておらず、彼が完全に失明したことを示していた。

    「待ってください。時透さんも傷が深いんです!それは…」

    不死川が巌勝に肩を貸した。
    「胡蝶、その位は我儘言ってもいいだろぉ。巌勝さんよ、あんたが何百年も待っていたことじゃねえか」
    簡単な治療を終えた不死川と無一郎は、巌勝を支えながら後藤が運転する車に乗り込んだ。

  • 168二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 14:07:10

    継国の家はすでに無く、彼の生家は神社となっていた。
    巌勝の妻が眠る墓標はその神社の端の、大きな白梅の木の傍にあった。

    既に歩くことも出来ない巌勝を不死川が背負い、無一郎が支えながら後藤の先導で彼の妻の墓の前に向かう。

    「巌勝さん…帰って来たよ……。継国の家に…奥さんの…居る場所に……」

    「今…帰ったよ……。留守を…守ってくれて……ありがとう……」
    巌勝は懐から白梅の花の簪を取り出す。無惨の攻撃を受けたため壊れた簪を手に、小さく呟いた。

    「随分と…遅くなって…すまない……」
    白梅の花の香が強く漂う。

    ――お勤めご苦労様です。あなた。
    ――ああ、……ただいま。……。――。


    「――お帰りなさい…!お帰りなさい、巌勝さん……‼ありがとう…ありがとう……‼本当に……今までお疲れ様でした……‼」
    無一郎は命の灯が消えた巌勝を強く抱きしめ、泣きながら言った。

    「…おやすみ、巌勝さん」

  • 169二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 14:15:02

    三か月後、蝶屋敷の寝台で炭治郎たちは巌勝の最期を聞いた。
    涙が溢れたが、彼がようやく長い旅路を終えたことに安堵した。

    皆が各々の家に戻る前、生き残った柱八名と炭治郎たちは巌勝とその家族が眠る継国の墓へ向かった。伊之助が盛大に花を墓に供えようとして、宇随や不死川に〆られていた。

    無一郎は鉄穴森に相談して伝手を探し、巌勝の奥方への贈り物である白梅の花の簪を修復してもらった。それを改めて墓前に供える。

    炭治郎、禰豆子、善逸、伊之助、は炭治郎の生家に向かう。母や弟妹が泣きながら出迎えてくれた。
    ふと、納戸の傍に立てかけられた虚哭神去が目に入る。あれが無ければ家族は皆無惨に殺されていただろう。
    「ありがとう、巌勝さん」
    貴方はあの神社に祀られていたように、皆の守り神です。



    ‐終わり‐

  • 170二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 20:18:07

    兄上、お疲れ様。天上で奥さんや弟とゆっくり過ごしてね

  • 171二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 00:19:58

    素晴らしい…本当に素晴らしいSSでした…!
    このSSを見ることが出来て本当に良かった!お疲れ様でした!

  • 172二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 06:19:05

    大喜利みたいなタイトルから繰り出される超大作SSスレだった
    SS書いた人本当に凄い。お疲れ様でした!

  • 173二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 07:49:13

    お疲れ様でした! 最高です!

  • 174二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 15:21:18

    面白かったです!

  • 175ss25/11/22(土) 17:04:44

    どうもありがとうございます‼


    ここで大正コソコソ話(あの世編)

    縁壱「義姉上は凛とした佇まいの気丈なお人です。初めて会った私やうたにもとても良くしてくださった優しいお方です。

    ですので、鬼舞辻無惨が兄上を鬼の王にしようとした時は驚きました。

    兄上を叱るときはしゃもじや鍋のふたではたくのですが、こちらに来た無惨の髪を鷲掴みにして引きずり倒し、馬乗りになって無惨に殴りかかっていました。

    流石に義姉上の手を痛めるのでしゃもじを渡したのですが、一・二発でへし折れてしまいますので、やむを得ず幼少の際に兄上から頂いた虚哭神去で無惨を殴ってもらいました。

    うたが兄上が継国の家に向かったことを伝えに来てくれて幸いでした。いつもの義姉上の表情に戻って、『どの年代の私だとあの人は喜ぶかしら?あの人どれだけ私が年をとっても【君はいつだってお転婆で美しいって言うのだもの】』と、うたに頬を赤らめながら談笑して兄上を出迎える準備に行ってくださいました。

    私も無惨には怒りがあったのですが…義姉上に言うと叱られるでしょうが、少し哀れだったので地獄の入り口に持っていきました。兄上をきちんと迎えたかったので。

    ああ、無惨の姿を見た珠世殿は笑っていましたね」

  • 176二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 17:16:45

    奥さん凄えwww

  • 177二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 18:59:08

    >>175

    縁壱は優しいなぁ

    この世界線の無惨、地獄のインタビューで日の呼吸を「不快」と答え月の呼吸を「怖い」と答えそう(小並感)

  • 178二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 00:56:01

    >>175

    幾星霜たっても仲良く一緒に暮らして欲しいね

  • 179二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 10:00:35

    >>169

    巌勝の刀が無惨から竈門家を守ったけど子供達を守ろうと無惨に切りつけた母親の姿にかつて自身を傷つけた巌勝の妻を見た事が彼の逃走に繋がったと考えたら夫婦で竈門家を守ってくれたといえるのがエモいです

  • 180二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 11:27:40

    素敵なお話だった…
    超大作!
    感動巨編!
    締めがしっとりふわりと幸福で穏やか…
    カッコよかった素敵でった!!暖かかった!コメディもアクションも展開も
    変更にわせた穴埋めが穴埋めとは思えぬほどの完璧さ
    何もかもが良かった!!

    そして大大円のハッピーエンド!良かったーーー!

  • 181二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 20:34:15

    >>169

    この神社は何時までも廃れないんだろうな

    竈門家と

    産屋敷家が

    そして鬼殺隊士の子孫たちが いつまでも護るんだろうと思う

  • 182二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 20:36:44

    良かった本当

  • 183二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 01:54:15

    壮大なお話をありがとうございました。
    何度も読み返します!

  • 184二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 10:42:53

    不安定で保守

  • 185二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 17:43:02

    最初の方の話は色々とギャグっぽさも感じたけど完結した今見るとまた違った見方ができる

  • 186二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 00:31:43

    >>175

    コソコソで番外編?オマケ?迄…!

    しかも嬉しい可愛いお話!!

  • 187二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 05:02:07

    長い旅を終えてやっと家族の所へ帰る事が出来た巌勝への実弥の穏やかなまなざしが目に浮かぶ

  • 188二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 13:40:52

    良い

  • 189二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 21:53:18

    実に素晴らしい作品だった…。
    あにまんは時たまこういうとんでもねえクオリティの大作が出てくるからやめられない…。

  • 190二次元好きの匿名さん25/11/26(水) 03:49:41

    良き

  • 191二次元好きの匿名さん25/11/26(水) 13:10:03

    この出だしからこんな良作が見れるとは

  • 192125/11/26(水) 21:06:00

    スレ主です
    ホスト規制で中々書き込めなかったですが、これ程素晴らしい作品を書いて頂けて感無量です。
    見応えのあるSSを書いて下さった方々に感謝申し上げます
    本当にありがとうございます。

  • 193二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 05:03:08

    >>189

    本当に侮れない

  • 194二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 13:31:50

    これ今やっと全部読んだけどssスレだったのか……すごいものを見た……

  • 195二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 17:58:03

    カッコいい兄上のSSなんてなんぼあっても良いですからね

  • 196二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 22:47:38

    >>192

    スレ主が書いてるんだと思ってた

    全部野生のSS書きだったんだ…すげぇ…!

  • 197二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 23:08:45

    信じられぬものを見た(定期)

  • 198二次元好きの匿名さん25/11/28(金) 08:45:55

    最期まで兄上が全力で兄上を全うしていて最高でした!!!かっこいいぜお兄ちゃん!

  • 199二次元好きの匿名さん25/11/28(金) 09:00:45

    うめ

  • 200二次元好きの匿名さん25/11/28(金) 09:01:48

    200なら園崎魅音が前原圭一と結婚して世界一幸せなお嫁さんになりついでに鬼舞辻無惨が爆死する

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