- 1二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 23:01:17
1年近く空けてしまい申し訳ありません
色々な事情があり何も書けない状況が続きましたが、今度こそ完結を目指します
もし一人でも見てくださる方がいる限りは続けたいと思っているので、どうか最後までお付き合いください
真説 新春福丸小糸SP 第2幕|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/4119070/前スレbbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 23:03:02
イキワレェ!
- 3福丸は俺25/11/10(月) 23:04:24
〜前回までのあらすじ①〜
シャニPへの恋心を自覚した福丸小糸。
自分の為に怪我をしたシャニPの世話をする等、楽しい時間を過ごしていたが、ある日、シャニPが小糸の好意を知った上で知らない振りをし、また応えるつもりもないことを知る。
それから月日が経ち、大学四年生になった小糸はノクチルが解散した後もひとり283プロに残りアイドルを続けていた。
シャニPへの好意は変わらないまま、そしてシャニPもまた小糸に好意を抱いていたが、想いを伝えられないまま大学卒業に合わせた引退ライブの日を迎える。
ライブ前日、幼馴染の3人に背中を押され、告白を誓うが…… - 4福丸は俺25/11/10(月) 23:06:29
〜前回までのあらすじ②〜
ライブ前日、シャニPは天井努に自らの過去を語る。
シャニPにはかつて、アイドル志望の幼馴染の少女と交際していたがある事件を起こし
結果、最愛の恋人を失う悲しき過去があった。
心に傷を負ったシャニPは自暴自棄になり、堕落した日々を送っていたが、ホストの仕事をしていたある日、天井努に拾われ今に至る。
異性との恋愛、特にアイドルが相手となれば、また何らかの事件が起きてしまうかもしれない。
その恐怖から小糸に好意を抱いていながらも踏み切れずにいた。
シャニPもまた、ある決意を固める。 - 5福丸は俺25/11/10(月) 23:08:17
〜前回までのあらすじ③〜
時は遡り……かつて福丸小糸と同級生だった少年の物語。
少年はまともに言葉を交わしたことのない、隣の席の福丸小糸に密かに想いを寄せていたが、シャニPに笑顔を向ける小糸を偶然目撃し、その想いを察する。
クイズ番組に出演したものの、見せ場もなく終わった小糸を影で揶揄う同級生を殴り高校を退学。
『福丸小糸の為の曲を作る』という夢を持ち、コンビニバイトの傍ら作曲活動を行うように。
高校中退後家庭環境が悪化し、作曲活動も難航していた頃、『実質福丸小糸』を名乗る謎の老人と出会う。
「君は福丸小糸になれる!」
その言葉を聞いた少年は、福丸小糸の為の曲を作るために
もっと福丸小糸を識るために老人に弟子入りし、実質福丸小糸の道を進む。 - 6福丸は俺25/11/10(月) 23:12:04
〜前回までのあらすじ④〜
実質福丸小糸教室に通い始めた少年は兄弟子にあたる神奈川川崎暗帝禍 親衛隊長 野口琉可(ノグチルカ)と出会い、親交を深める。
次第に他の門下生とも打ち解け、教室は少年にとって“家”ともいえる場所になった。
しかし、少年の持つ実質福丸小糸の才能は人並外れた物だった。周りの門下生は少年に対し劣等感を感じ、教室を去る者も続出した。
「その孤独こそが福丸小糸」と師匠は言うが、少年は実質福丸小糸の在り方に疑問を持つようになる。
そんな中、各地で『実福狩り』が多発。
メタル浅倉軍団と対峙する実福達だったが、ぴゃ力を奪う技術を持つメタル浅倉になすすべなく敗れていく。
メタル浅倉を操る最強の実質福丸小糸『福面の者』との最終決戦に独り挑む少年。
窮地に追いやられたその時、『真の実質福丸小糸』の力に覚醒し勝利する。
仲間も仇も全て失った少年はしばらく無気力に過ごすが、テレビで活躍する福丸小糸を観て再び机に向かう。
数年後、プロの作曲家として活躍する青年の元に、ある仕事の依頼が届く。
それは福丸小糸の引退ライブ、そこで歌われる新曲の作曲依頼だった。 - 7二次元好きの匿名さん25/11/10(月) 23:17:15
꒰( ˶ ᷇ 𖥦 ᷆ ˵ )꒰!?
ぴ…ぴぇ…?(最近の実福なので知り得ぬ歴史に慄いている) - 8福丸は俺25/11/10(月) 23:23:56
最終話① 【あなたにとっての】
side: Composer
僕は出会った。
かつて、同級生だった君に。
今 初めて出会ったんだ。
思い焦がれていた。この日が来ることを。
福丸さんは緊張した様子で、上擦った声で挨拶をした。
僕は高揚感を押し殺し、平静を装って挨拶を返した。
……余計なことを考えるな。
僕はただの作曲家。
今日彼女と会ったのは、最高の曲を作るため。 - 9福丸は俺25/11/10(月) 23:27:17
「はじめまして」
それが今の僕らに相応しい挨拶。
あの頃、隣の席に座っていた高校一年生の僕らは、きっと未だ出会っていたとは言えなかった。
「今日はお呼び立てしてすみません」
「い、いえ……! 大丈夫です……!」
「…………作曲に必要、なんですよね……?」
「……えぇ。曲を書く前に、どうしても福丸さんと話をしておきたくて」
「……あ、ありがとうございます……!」
「その……わたしの曲のために、そんなに真剣に考えてくれて……」
「これも仕事ですからね。当然ですよ」
「……では、聞かせて貰えますか」 - 10福丸は俺25/11/10(月) 23:30:07
彼女は懐かしむように、大切な宝箱を開けてみせるようにノクチルの思い出、その愛しき日々を語ってくれた。
上手くできなかったはじめての歌番組。
勇気を出した先生への小さな反抗。
ノクチル解散騒動。
少しだけ他のユニットの子と仲良くなれた冬。
かつて努力を知られるのが怖かったこと。
きっと楽しいことばかりではなかっただろう。
けれど、大切な日々だったと彼女の顔を見ればよく分かる。
その思い出には……きっとあの男もいたんだろう。 - 11福丸は俺25/11/10(月) 23:33:59
「うん……こんなところでしょう。貴重なお話をありがとうございます」
「ごめんなさい……上手くまとめられなくて」
「大丈夫ですよ。本心って感じがしてかえって助かります」
「そう……ですか……?」
「えぇ、そういうものです。……ところで一つ提案があるんですが」
「…………?」
「この曲……福丸さんが作詞をしてみませんか?」
「ぴぇ……!? わ、わたしが……?」
実を言うと、今回の新曲の作詞担当は未だ決まっていない。
これはあの男……283さんに事前に確認を取っているので確かだ。 - 12福丸は俺25/11/10(月) 23:37:03
外部に委託したって構わない。
優れた作詞家に依頼すれば、福丸さんの気持ちを汲み取って、美しく飾ってくれるだろう。
だけどこれは特別な曲になる。
僕にとっても、彼女にとっても。
ありのままの福丸小糸の言葉を乗せたい。
「……わたし、やってみたいです」
「上手にできるか分からないですけど……」
「きっとファンも喜びますよ。事務所にはこちらから伝えておきます」
それから僕は作詞の件で何かあれば連絡して欲しい、と言って連絡先が書かれた名刺を差し出した。
実際に連絡が来るかは分からない。
来たら嬉しいと思う。
それはあの頃の僕には決して叶わないことだったから。
来なければ良いと思う。
きっと叶わぬ夢を見てしまうから。 - 13二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 06:59:30
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- 14福丸は俺25/11/11(火) 07:00:32
ー現在ー
side:P
春が来ると思い出す出来事がある。
未熟だった。 無知な子供だった。
だから傷付けた。 だから失った。
声が聞こえるんだ。
俺を呼ぶ声が聞こえる。
何かしていると声が遠ざかっていく。
だから仕事に没頭するのはちょうどよかった。
笑顔を作るのは得意になった。
綺麗事を並べるのも。
次第に声が離れなくなってきた。
まるで俺がどこにも行かないように、掴んで離さないように。
「ははっ、大丈夫だよ…………これで、今日で終わりにするから」 - 15二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 09:34:42
ぴぇ……
- 16二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 10:05:16
生きとったんかワレェ!!
おかえり… - 17二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 15:06:32
実福の続編だ!(*´༥`*)ウマウマ
- 18二次元好きの匿名さん25/11/11(火) 18:29:58
おう、久しぶり!
またよろしくな! - 19福丸は俺25/11/11(火) 22:46:41
「…………朝か」
カーテンの隙間から差す光の眩しさに目を覚ます。
随分と長い夜だったように思える。
社長に俺の過去を話して、それから家に帰って寝ようとしたが、結局あまり眠れなかったな。
「…………」
ついにこの日がやってきた。
今日行われるライブをもって……
小糸はアイドルを引退する。
「…………ちゃんと……ちゃんと送り出そう……」
そうだ。何事もなく、ライブを成功させるんだ。
小糸にとって……アイドルを楽しい思い出で終われるように。
そこに俺は 要らない。 - 20福丸は俺25/11/11(火) 22:49:07
「あは〜 プロデューサー!」
「うぃーす」
「どうも」
今朝は会場入りする前に約束があった。
相手はかつての283プロの所属アイドル。
小糸の幼馴染、ノクチルの元メンバー。
雛菜、円香。
そして……
──透。
俺を好きと言ってくれた女の子。
俺が振った女の子。 - 21福丸は俺25/11/11(火) 22:52:42
「チケットありがとね〜」
「ははっ、お安い御用だよ」
「それにしても3人揃って会うのは久し振りだな」
「小糸ちゃんも来ればいいのに〜」
「小糸とは昨日散々話したでしょ」
透と円香は売れっ子女優。
雛菜は自身がモデルも務めるファッションブランド。
それぞれが自分の道を進んだ。
社会に出れば予定を合わせることも難しくなる。
それでも幼馴染4人の関係は、どうやらあの頃と何も変わっていないらしい。
きっと小糸が引退しても変わらないだろう。 - 22福丸は俺25/11/11(火) 22:55:16
「透。よく来てくれたな」
「映画の撮影でスケジュール詰まってるって聞いたけど、大丈夫だったか?」
透と話すのは……正直気まずい。
だから何もなかったように接する。
それがお互いにとって一番良いと思う。
「ふふっ、イエー」
「…………大丈夫だったんだよな?」
……ものすごく不安だ。
「ご心配なく。こんな調子でも撮影は順調に進みましたから」
「浅倉が自然体で振る舞えばそれだけで世間は喜ぶ。本当、嫌になる」
円香はうんざりしたような顔でそう言った。 - 23二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 06:54:29
ぴゃ
- 24二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 09:16:20
pya
- 25二次元好きの匿名さん25/11/12(水) 18:25:28
ぴぇ…
- 26福丸は俺25/11/12(水) 22:15:59
俺達4人は近くの喫茶店に入り、近況報告や思い出話に花を咲かせた。
けれどこうしてる間にも、あの声は聞こえてくる。
以前まではこんなことはなかった。まるで底のない沼から伸びた腕に捕まって引っ張られているような……
「雛菜お手洗い行ってくるねー」
「あー、じゃ私も」
雛菜と透が席を立つ。
「…………」
不意に円香と目が合った。
円香は不快そうな顔をして、けれど目を逸らさずに言った。
「……酷い顔。そんな顔で今日の小糸に会うつもり?」
静かに、はっきりとそう言った。
酷い顔……か。その通りなんだろう。
「…………ごめん。 ちゃんとしないとな……」
ただそう返すしかなかった。
円香はそれ以上俺を責めることも、慰めることもしなかった。 - 27福丸は俺25/11/12(水) 22:43:36
「…………と、ごめん。そろそろ行かないと」
「みんなはまだ残ってるか? とりあえずこれで……」
「あは〜〜〜〜♡ プロデューサーの奢り〜〜〜〜!」
「じゃあ追加オーダーで。雛菜、メニュー取りな」
全員分払えるように多めに置いたつもりだったけど、二人はそれを見るなり、追加のケーキを吟味し始めた。
一方で透は──
「えっいいのに。払うから 私も」
「いや、いいんだ。久し振りに揃って会えて嬉しいし、俺はいつまでもみんなのプロデューサーのつまりだからさ」
「大丈夫。 稼いでるから、めっちゃ」
透はそう言って鞄の中から財布を……
「…………あー」
財布を……
「ふふっ ごめん」
「財布ないわ」
「……そうか…………」 - 28二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 06:02:56
ぴゃ~ぴゃっぴゃ!
- 29二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 07:39:13
今の時代はスマホがあれば
無いかもしれない - 30二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 09:07:02
ぴぇ!?復活してる!?
- 31二次元好きの匿名さん25/11/13(木) 18:18:12
ぴゃ〜っぴゃっぴゃっぴゃ!
待っているんですよ…! - 32福丸は俺25/11/13(木) 22:44:07
最終話②【背中ひとつ】
side:Composer
3月。
春の陽気というにはまだ肌寒く、風が冷たいので思わず両の手を上着のポケットに仕舞い込む。
もう半月もすればこの道は綺麗な桜並木になるんだが。
そんなことを考えながら歩いていた。
今日は僕にとっても特別な日で……
けれど僕に出来ることはもうすべてやった。
かといって、家でじっとしているのももどかしい。
だからこうして目的もなく散歩をしているわけだ。 - 33福丸は俺25/11/13(木) 22:46:00
「──あなた、実質福丸小糸ですわね」
突然一人の少女が目の前に立ち塞がった。
「…………だったらどうする?」
僕は普段ぴゃ力をコントロールし、常人には感知できない程度に抑えている。
それを感知できるということは……この少女は実福狩りの残党……? いや……この“気”はむしろ……
「あたくしと福丸バトルですわ〜〜〜〜!」
そうだ。この少女もまた“実質福丸小糸”なのだ。
「プギャーーーー! あたくしの前に膝跨がせてやりますわ!」
なるほど。この少女の魂胆は分かった。
僕のぴゃ力には気付いても、ぴゃ力をコントロールしているのにほ気づかなかった。
それで僕を格下と勘違いして福丸バトルを仕掛けてきたというわけだ。 - 34福丸は俺25/11/13(木) 22:47:55
「ちょっと待った。君は今日がどういう日か知らないのか?」
「……? 何を言いたいのかよく分かりませんわ」
「…………今日は福丸小糸の引退ライブの日だよ」
「僕ら実質福丸小糸にとっても大切な日だ。こんな日に実福同士でのトラブルは御法度だよ」
「それも分からないで実質福丸小糸を名乗るようなら…………」
「──失せろ」
同時にぴゃ力の出力を少し上げてみせる。
すると……
「────ぴぇっ」
少女は大慌てで去って行った。
少し大人気なかったかな…… - 35福丸は俺25/11/14(金) 06:55:13
“最後の実質福丸小糸”
かつて、僕は自分こそがそうだと思っていた。
先の実福狩りのせいで実質福丸小糸は皆命を落とした。
しかし実際は違った。
どこかに僕と同じ生き残りの実質福丸小糸がいて、その意志は伝播し、受け継がれていった。
存続は絶望的かに思えた実福も、今では随分と増えてきた。
「最近の実福はレベルが低いな……」
…………っと、これじゃまるで老害だ。
「あの頃はよかった」なんて言うつもりはない。
あの戦いを知らない、平和な時代の実質福丸小糸の増加は喜ばしいことなんだ。 - 36福丸は俺25/11/14(金) 06:58:09
実質福丸小糸に決められた形はない。
実福一人一人がそれぞれ違う実質性を持っている。
「んぎゃっ……! んぎゃっ……!」
「よしよし……いい子ね……」
「きゃっきゃ…… だぁー……」
道の向こうで赤ん坊が泣いて、それをお母さんがあやしている。
これから新時代の実質福丸小糸がどんどん増えていくだろう。
ひょっとすると、あの赤ん坊だって実質福丸小糸になるかもしれない。
彼らがどんな実質福丸小糸になるか……
その未来を、多様性を楽しみたい。
「それでいいだろ? なぁ、みんな」
実質福丸小糸は……永遠に不滅だ。 - 37福丸は俺25/11/14(金) 07:09:39
今夜出掛ける用事があるのと明日休日出勤で早いので
すみませんが今夜の更新は休ませてもらいます - 38二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 09:45:12
小糸の引退後にも実福が増えるのか
- 39二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 16:02:50
>ひょっとすると、あの赤ん坊だって実質福丸小糸になるかもしれない。
いい雰囲気でおぞましいモノローグを流すな
- 40二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 17:20:09俺たち実質福丸小糸がさ|あにまん掲示板bbs.animanch.com俺は実質福丸小糸なので|あにまん掲示板bbs.animanch.com実質福丸小糸の認定要件を厳格化します|あにまん掲示板bbs.animanch.com上海は小糸Pが多い説あるらしい|あにまん掲示板bbs.animanch.com全実質福丸小糸に告ぐ……|あにまん掲示板bbs.animanch.com鬼狩りは異常者の集まりなんですよ……!|あにまん掲示板bbs.animanch.com──福丸小糸を処刑せよ|あにまん掲示板bbs.animanch.com隠れ実福達よ!|あにまん掲示板bbs.animanch.com実質福丸小糸です|あにまん掲示板bbs.animanch.com近頃生半可な気持ちで実質福丸小糸を名乗る連中が多くて迷惑してる|あにまん掲示板bbs.animanch.comぴゃあ!公園!遊具で遊ぶんですよ...|あにまん掲示板尻が引っかかって乗れませんでした。自分は本当に福丸小糸なのか不安になってきました。bbs.animanch.com実質福丸小糸の逆襲|あにまん掲示板bbs.animanch.comもう怒ったんですよ……!|あにまん掲示板bbs.animanch.comおまえらぴぇえ、ぴぇえ…!|あにまん掲示板静かにするんですよ、静聴するんですよ…!話を聞くんですよ…! 実質福丸小糸一匹が、命を懸けて諸君に訴えてるんですよ…! いいですか、いいですか…! 実質福丸小糸を守るとは、福丸小糸を中心とする、歴史と…bbs.animanch.com俺は小糸ちゃんを模倣することを生き甲斐とする生命体なんだけど|あにまん掲示板bbs.animanch.com下々の民に告ぐ、まろこそが本物の実福なり|あにまん掲示板bbs.animanch.com集え実福!|あにまん掲示板今日は小糸ちゃんの誕生日だからみんなでお祝いしないとだよね…!https://x.com/imassc_official/status/1987898290873225433?s=20bbs.animanch.comHappy Birthday to us〜♪|あにまん掲示板Happy Birthday to us〜♪Happy Birthday dear 小糸ちゃ〜ん♪Happy Birthday to us〜♪ピェピェピェピェピェ‼︎bbs.animanch.com
開祖実福無き間、在野の実質福丸小糸達は自分たちを迫害する厳しい社会を生き抜く方法を模索し、突如現れた実質幼馴染に虐殺され、原理主義や認定厳格化などのイデオロギーで対立し、自らの在り方を考え、遊具で遊び、劇場版が公開され、高らかに反逆を宣言し、みんなで集まっておたんじょうびを祝った
社会が彼らを否定しようとも人々が根絶を望もうとも一人の男の深い悲しみと絶望から生まれたぴゃの意思が潰えることは決してない
- 41二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 19:57:30
- 42二次元好きの匿名さん25/11/14(金) 20:20:54
実福予備軍実質甜花ちゃん!?
- 43福丸は俺25/11/14(金) 22:05:52
保守本当に助かります。ありがとうございます
これからも何卒……! - 44二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 00:16:50
よ、よゆーだよ!実質福丸小糸はみんなの“居場所”だから…!
- 45二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 02:32:44
本家実質福丸小糸が不在の間に生まれ先の大戦も実福の本流も知らぬまま半年近く>>40ぴゃあぴゃあと騒いできた新時代の実福達はまたこうして本家実福の留守を預かりただの小糸ちゃんとして無自覚のままに実福の系譜を紡ぎ意思を未来に引き継いでいくのだ
- 46二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 08:40:52
撫子って多分背は低いしそれなら実福だよな
- 47二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 14:50:33
こんだけあるのに毎回ちょっとずつ切り込む角度を変えてバリエーション出てるの腹立つ
- 48二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 22:06:56
スレちゆと実福が同居しているところを見る日が来るとは思わなかった
無形文化遺産 - 49二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 22:10:36
- 50福丸は俺25/11/15(土) 23:36:15
・
・
・
「歌詞、読ませて貰いました」
「…………ど、どうでした……?」
前回会ってから1週間ほど経った頃、福丸さんから連絡を受け、僕らは再び同じ場所で会っていた。
「うん……多少の手直しは必要でしょうが、よく書けていると思います」
「ファンへの感謝を伝える為の歌……ちゃんと伝わるはずですよ」
「…………!」
「そ、そうですかね……? だったら嬉しいです……」
けっしてお世辞で言ったわけじゃない。
一生懸命考えに考えて書いたのだろう。
読んだだけでそれが分かる。そういう歌詞だ。
「…………でも」 - 51福丸は俺25/11/15(土) 23:38:06
「それだけですか?」
「ぴぇ…………え、えっと……?」
言葉足らずの質問だった。
福丸さんは驚いた顔で、言葉の意図を考えている様子。
「伝えたい想いはそれだけですか?」
…………伝えたい人はファンだけですか?
「…………それは…………」
かつて、真の実質福丸小糸に至ったときに、感じたものがある。
暖かな、大切な気持ち。 - 52二次元好きの匿名さん25/11/15(土) 23:48:13
実福に感謝する相手はいたろうけどファンは居なかったよ?
- 53二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 05:42:12
pya!
- 54二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 13:43:03
- 55二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 17:22:36
- 56二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 21:02:36
これが増え過ぎた実福スレ&実福を定義化しようという連中へのアンサーなのよね…
- 57二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 22:29:02
散っていった実福のみんなに語りかけるラストに普通に感動したのよね…
- 58福丸は俺25/11/16(日) 22:51:54
「もし、想いを伝えたい人が他にいるのなら、その人のことを話して貰えませんか?」
そう言いながらも、僕は内心怯えていた。
もしあの男のことを話してくれるなら、僕は全身全霊をもって協力できるだろう。
けれど、それは……
好きな人が、他の男と結ばれるのを応援するっていうことだ。
ずっと決めていた。
彼女の力になりたい。そのために作曲家になる。
そして……この恋は綺麗さっぱり諦めるって。
高校一年の冬。
あの男の前で笑う君を見たその時から、僕はとっくに失恋していたんだから。
…………だけどこれは……あまりにもキツ過ぎる………… - 59福丸は俺25/11/16(日) 22:53:53
「…………えっと……」
気が逸ってしまった。
話せるわけがない。アイドルが赤の他人に好きな男の話なんて。
警戒されて当然だ。
「…………すみません。出過ぎたことを」
「やっぱりさっきの歌詞でいきましょう」
「…………あの!」
「………………っ」
「…………います……」
「伝えたい人……います……!」 - 60二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 23:59:36
小糸のファンはみんな実福なのでそれ以外となると実福では無い相手
- 61二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 07:08:14
ぴゃ
- 62二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 09:24:14
ぴゃっぴゃっぴゃ!
- 63二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 19:09:26
ぺやっ
- 64福丸は俺25/11/17(月) 23:03:08
福丸さんは語った。
いつも優しくて
頑張れる場所をくれて
迷ったときには導いてくれて
いつだって頼りになるけど、自分自身のことにはだめだめで
担当アイドルにとって、何が一番かを考えてくれる……そんな男のことを。
…………あぁ。
きっと……僕があの男のことを何も知らなくても、その声を聞き、その顔を見ればそう思っただろう。
「福丸さんは──」
「好きなんですね。その人のことが」
「…………!」
「…………はい」
それは……6年越しの答え合わせだった。 - 65福丸は俺25/11/17(月) 23:08:01
「じゃあ、また新しい歌詞が書けたら連絡ください」
その後打ち合わせを終え、福丸さんを見送る。
「…………」
それからスマホを取り出し、電話を掛けた。
掛けた先は……
「もしもし。283さんですか」
好きな人の好きな人。
283プロのプロデューサー。
「えぇ。いえ、こちらこそ」
「ところで福丸さんのライブなんですが、関係者席を用意していただけるということで」
「えぇ……そこで折り入ってご相談があるんですが……」
「一般観客席で、今からもう一枚チケットを用意していただくことはできますか?」 - 66二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 07:02:13
ブォ…
- 67二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 08:43:15
自分の席なのか誰か誘うのか
- 68二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 17:17:43
ぴーゃー
- 69二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 20:49:27
ぴぇ
- 70福丸は俺25/11/19(水) 06:07:52
side:P
会場入りして各所への挨拶、打ち合わせ。
リハーサルも済ませて観客の入場。
「プロデューサーさん!」
「小糸! ……いよいよだな」
「もう、今日でぜんぶ終わりなんですね……」
「うん。泣いても笑っても今日で終わりだ」
「小糸……今日まで本当によくがんばったな」
「誰よりも努力して、ひとりになってもノクチルを続けて……」
……本当に立派になったと思う。
あの日、幼馴染みんなで一緒にいるためだけにオーディションを受けにきた内気な女の子が── - 71福丸は俺25/11/19(水) 06:09:48
「もう、気が早いですよ……! プロデューサーさん」
「ライブはこれからなんですから」
「ははっ、それもそうだな……」
「……なぁ、小糸」
「小糸は大丈夫だよ」
「…………それ、ずっと前にも言ってくれましたよね」
俺も覚えている。
あれはまだデビューして日の浅い、W.I.N.G.に挑戦したときだったと思う。
「プロデューサーさんは、ずっとそうやって励ましてくれました。だからわたし、ここまで来れたんだと思います」 - 72福丸は俺25/11/19(水) 06:11:34
“小糸は大丈夫”
それは励ましの言葉で、希望的観測で、言ってしまえば無根拠だった。
確かに小糸は努力家で、見ている人を笑顔にする、応援したくなる魅力を持ったアイドルだ。
でもそれは、W.I.N.G.で優勝できる理由にはならなかった。
けれど今は違う。
心の底から“小糸は大丈夫”と、そう思える。
「福丸さーん! スタンバイお願いします!」
スタッフが小糸を呼ぶ。 いよいよ開演だ。
「わたし、今日まで見て、感じて、覚えて、頑張ったこと……ぜんぶ出し切ります」
「ちゃんと見ていてください。プロデューサーさん!」
俺は「あぁ」と返し、小さくて頼もしい、その背中を見送った。 - 73二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 07:58:55
観客の実福達も今では増えた
- 74二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 10:35:54
福丸小糸選手権ルーキー
— 2025年11月19日
- 75二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 20:13:06
小糸、もっかいデビューしな
- 76福丸は俺25/11/19(水) 22:39:58
最終話③【なりたいものは】
side:Koito
「頑張ろー! せいいっぱい!」
「「「頑張ろー! せいいっぱい!」」」
「頑張ろー! めいいっぱい!」
「「「頑張ろー! めいいっぱい!」」」
一曲目。
『わたしの主人公はわたしだから!』
ノクチルとしてじゃなくて、わたし……福丸小糸のはじめての持ち曲。
アイドルになりたての、あの頃のわたしを歌った曲。 - 77福丸は俺25/11/19(水) 22:42:57
「ジャンプ! ジャンプ! もっとーーーー!」
一曲目を歌い終えて、息を整えて、ステージから観客席を見渡すと──
「わぁ……」
辺り一面、わたしのイメージカラーのペンライトで光り輝いていて……
……みんな、本当にわたしの為に来てくれたんだ……
『きょ、今日は来てくださってありがとうございます……!』
『今日でわたし、アイドルを引退するんですけど……最後まで楽しんで貰えるよう、精一杯がんばります!』
『わたしのファンになってよかったなって、そう思ってもらえるようがんばるので、よろしくお願いします……!』 - 78二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 23:49:26
小糸の後輩アイドルも客席でコールしてるはず
多分実福 - 79二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 06:48:16
ぴ〜や
- 80二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 13:11:44
This is a pya.
- 81二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 22:07:53
わたわたのアガりぶりは異常
- 82福丸は俺25/11/21(金) 06:00:17
寝落ちして何も書けませんでした
申し訳ありません🙇 - 83二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 13:06:46
ぴぇ
- 84二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 13:46:31
寝る子は育つ
寝る小糸ちゃんはもっと育つんですよ! - 85二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 14:40:44
- 86二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 21:11:07
鯖が不安定で怖いな
- 87福丸は俺25/11/21(金) 23:51:12
『ここから少し今踏み出したら 何かが変わるのかな♪』
「あは〜 小糸ちゃん楽しそ〜」
「雛菜も一緒に歌いたくなっちゃった」
「じゃあ やっちゃう? 乱入。 特別ゲストでーす、とか言って」
「…………それ、本気で言ってる?」
「雛菜達が一緒にステージに立ったら、小糸ちゃんもファンのみんなもすっごく嬉しいと思う!」
「雛菜達も楽しくて、みんなしあわせ〜だよね」
「…………」
「……でも、ダメだよね〜」 - 88福丸は俺25/11/21(金) 23:52:21
「これは小糸ちゃんのライブで」
「小糸ちゃんの為にみんな来てるから」
「最後まで小糸ちゃんだけを観てないとダメだよね」
「…………理解ってるならいい」
「私達はもう、ステージを降りてしまったから」
「あそこに立って輝く資格も」
「誰かの心を照らす役割も」
「全部小糸だけのもの」
「うん」
「すごいね 小糸ちゃん」
「……すごいな」 - 89二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 07:10:04
ぴゃ
- 90二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 08:37:49
pya!
- 91二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 13:26:41
ぴゃぴゃぴゃ
- 92二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 20:49:28
ぴゃ!!!
- 93二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 23:04:47
会場で唯一実質と付かない福丸小糸はすごいに決まってる
- 94福丸は俺25/11/23(日) 06:15:42
…………プロデューサーさん,
『どんなアイドルになりたいか考えてほしい』って言いましたよね。
わたしは『誰かの居場所になれるアイドル』になりたかった。
ちゃんとなれたのかな……ううん、きっとなれたんだと思います。
今日ここに来てくれたみんなが、わたしを安心できる居場所としてくれて……
みんなのおかげでわたしもここを居場所にできたんです。
…………でもごめんなさい。
今日で全部終わりだから、今日だけは変わります。
わたしがなりたいものは─── - 95福丸は俺25/11/23(日) 06:18:41
side:P
「283さん、どうも」
「作曲家の……」
舞台袖で小糸を見守っていると、作曲家の男が現れた。
この男も関係者ではあるし、ここに来ること自体は問題ない。
だけど関係者席で観ていたはずなのに、どうしてわざわざここに?
俺はこの男が小糸を悪質な目で見ていることを知っている。
「そんなに身構えないでくださいよ」
「ただ、あなたと話がしたくて来たんです」
「…………今は小糸のライブ中ですよ」 - 96二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 11:56:03
ブォ
- 97二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 19:08:40
ほし
- 98二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 23:05:01
悪質な目
- 99二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 01:38:29
このレスは削除されています
- 100福丸は俺25/11/24(月) 07:00:38
「今話さなければならないことなんですよ」
「ライブが終わった後じゃもう遅い」
「……まぁ、それじゃ話だけはとりあえず聞きましょう」
ステージに立つ小糸を見守りながら、作曲家の男と並んで立つ。
横目で男を見ると、思っていたより若々しい。
20代前半といったところか。
「一応話を通しておこうと思いましてね」
「福丸さんに、告白しようと思ってる」
「…………」
「…………えっ」 - 101福丸は俺25/11/24(月) 07:02:18
「それを……認めるとでも?」
「…………何ですか? 283さんには関係ないでしょう」
「小糸は283プロの所属アイドルだ」
「それも今日までの話です」
「このライブが終われば、あとは後日書類を書いて契約終了。違いますか」
「…………っ」
「ホテルを取ってるんだ。作曲依頼でお金入ったから」
「そこのレストランのディナーに誘って、そこで交際を申し込みます」
「福丸さんは男と付き合ったことがないでしょうし、驚くかもしれませんが、まぁモノにしてやりますよ」
「ふざけるな。あなたのような男に小糸を渡すわけにはいかない」
小糸には幸せになってほしい。
いつかきっと、優しくて思い遣ってくれる、そういう男と出会って結ばれてほしい。
そう思っていた。 ……それはこの男じゃない。
この男が小糸を大切にしてくれるとは思えない。
「…………勝手なことを言うなよ」
「それを決めるのは福丸さんだ」 - 102二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 12:57:18
ほしゅ
- 103二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 19:56:02
こいーといつもありがとう
- 104二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 22:38:11
283プロの社員に言っているのではない言葉
- 105福丸は俺25/11/25(火) 05:56:28
side:composer
どうだ。喧嘩を売ってやったぞ。
ウジウジしていないで乗ってこい。
福丸さんを取っちまうぞ。
……なんて、できるわけないけど。
本気で彼女に告白するつもりなんてない。
あいつを焚きつけるための挑発だ。
福丸さんが好きなのはずっとあの男で……
僕は土俵にすら立てていない。
ただの彼女の協力者。
この気持ちは伝えない。伝えるわけにはいかない。
この気持ちを言葉にして伝えてしまったら、僕らの関係は全部音を立てて崩れてしまうから。 - 106福丸は俺25/11/25(火) 05:59:24
・
・
・
「それが……福丸さんがプロデューサーさんに伝えたいことなんですね」
「…………はい」
「うん。その気持ち……全部ライブでぶつけてやりましょう」
「で、でも……許してもらえると思いますか? こんなこと……」
「大丈夫ですよ。福丸さんのファンを信じましょう」
「……そうですね」
「あの、作曲家さん。色々アドバイスしてくれてありがとうございます」
「無理に聞き出したようですみません」
「い、いえ……! なんか、不思議なんです……」
「作曲家さんといると、少しだけ懐かしいような気がして……不思議と少しだけ話し易いんです」
「………!」 - 107福丸は俺25/11/25(火) 06:50:35
「……はは、僕らは先日初めて会ったばかりですよ」
『懐かしい』
福丸さんはそう言った。
彼女の中にあの頃の僕の存在なんてないと思っていた。
けれど違った。福丸さんの中の極々一部に僕もいた。
「えへへ……そうですよね。変なこと言ってると思います」
「でも、親身に話を聞いてくれたり、素敵な曲を作ってくれて凄く嬉しかったです」
「わたし、この曲大好きなんです……!」
「…………ぁ」
あぁ、そうか。 “今”なんだ。
今この瞬間、これまでの全てが報われた。
今この瞬間を糧に、これからを生きていける。
それくらい……僕にとって特別な言葉だった。 - 108二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 14:18:48
透は覚えてそう
- 109二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 22:36:01
ぴぇ
- 110福丸は俺25/11/25(火) 23:56:27
side:Koito
プロデューサーさん……
わたし、プロデューサーさんが大好きです。
6年前からずっと──
プロデューサーさんが大好きでした。
…………応えてほしいわけじゃないんです。
きっと、プロデューサーさんとお付き合いできなくても、それでいいんだと思います。
ただ……この気持ちを伝えないままお別れしたくないんです。
プロデューサーさんがわたしを遠ざけようとしているのは分かってます。
それがわたしの為だっていうことも。
今のプロデューサーさんが無理して笑っているのも分かってますよ。 - 111福丸は俺25/11/25(火) 23:57:31
プロデューサーさん……あの日、居場所をくれてありがとうございます。
お母さんと向き合う覚悟をくれてありがとうございます。
『努力は無駄じゃない』って、肯定してくれてありがとうございます。
失敗ばかりのだめだめなわたしを、あきらめないでくれてありがとうございます。
たくさんのものをプロデューサーさんから貰いました。
だから今度はわたしが……
わたしがプロデューサーさんを助けたいです。
傷ついたプロデューサーさんを優しく包み込む、大きな布のようなアイドルになりたいです。 - 112二次元好きの匿名さん25/11/26(水) 07:04:38
ぴゃい
- 113二次元好きの匿名さん25/11/26(水) 11:50:51
やは〜
- 114福丸は俺25/11/26(水) 19:16:56
- 115二次元好きの匿名さん25/11/26(水) 23:11:54
ぴゃは〜
- 116福丸は俺25/11/27(木) 06:07:10
最終話④【手繰った糸を編むように】
side:other
CASE-1 ある女性モデル
『……見た目だけじゃなくて、中身まで子どもっぽい人なんですね』
それが最初の会話。
我ながら酷いことを言ったと思う。
撮影で一緒になった知らないアイドル。
高校生って聞いていたけど、その人を見て驚いた。
中学生の私よりも幼く見えたから。
…………羨ましいと思った。 - 117福丸は俺25/11/27(木) 06:09:19
私は今はモデルをやっているけど、元々は子役だった。
演技力には自信があったし、役者の仕事が大好きだった。
身長が急激に伸びたのは中学生になってから。
気づけば周りの子達より目線が高くなっていて、かっこいい。羨ましいなんてよく言われた。
──何も良くないよ。
背が伸びるにつれて、子役の仕事は減っていった。
私が本当にしたいのは演技の仕事なのに、モデルへの転向を余儀なくされた。
だから今の私を羨ましいなんて言われて言い返さずにはいられなかった。
小さくて子どもっぽい……あの人こそ私の理想なのに。 - 118福丸は俺25/11/27(木) 06:10:46
一緒に仕事したのはそれが最初で最後。
しばらくしてあの人をテレビや雑誌で見る機会が増えてきた。
「頑張ってるんだ……」
テレビで見るあのアイドルは、いつだって一生懸命に輝いていた。
そうだよね。どれだけ他人を羨んでも私は私、あの人はあの人。
与えられたカードで頑張るしかないから………
私も負けじと頑張った。モデルの仕事に加えて演技のレッスンも受け続けた。
子役じゃない私はきっと平凡で、けれどいつかきっと大女優になってみせる。
画面の向こうのライバルにそう誓った。 - 119二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 08:14:21
꒰( ˶ ᷇ 𖥦 ᷆ ˵ )꒰
- 120二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 17:09:55
ぴゃ
- 121福丸は俺25/11/27(木) 22:33:04
CASE-2 お母さん
小糸はとても手の掛かる子だった。
小さい頃、公園の遊具で頭を打つと大泣きし、それ以降は外で遊ぶのを怖がるようになった。
家で絵本を読むか、『みらみら』って言ったかしら。アニメを観て一人で遊ぶことが多かった。
そのうち透ちゃんや円香ちゃんが外に連れ出すようになり、雛菜ちゃんとも仲良くなって……
けれど友達は他にはできなくて。
この子の将来が心配。
小糸は臆病で、人見知りで、きっと一人では生きていけない。
「おかあさん……!」
何かに怯えて縋り付く小糸。
安心して見せる笑顔が愛おしい。
私が……母親の私がこの子を守らないと。 - 122福丸は俺25/11/27(木) 22:34:04
小糸は何事にも要領の悪い子だったけれど、勉強は得意だった。
長所を伸ばしてあげたくて中学受験を勧めた。
…………それが失敗だった。
あの子は受験して入った私立中学の空気に馴染めなくて、日に日に笑顔が消え、遂には“ちゃんと”通うことができなくなった。
高校はレベルを落として、みんなと同じ学校に通いたいと言われて、反対なんてできるはずもなかった。
あの子は弱いから……
あの子は臆病だから……
あの子は一人じゃ何もできないから……
だから私が守ってあげないと…… - 123福丸は俺25/11/28(金) 06:49:35
「お母さん! お姉ちゃんすごいよ!」
「えぇ……そうね」
何度か招待されたけど、ステージに立つ小糸を見るのは今でも怖い。
あの子が大勢の前で歌って踊るなんて。
転んだりしないかしら。
歌詞を忘れて恥をかかないかしら。
あの子の失敗を見るのが怖い。
あの子が傷つくのを見るのが怖い。 - 124福丸は俺25/11/28(金) 06:50:39
「…………ねぇ、ちゃんと見てあげてよ。お姉ちゃん、これで最後なんだから」
分かっているけど……それでも……
「………………」
恐る恐る目を開ける。
「…………ぁ」
「…………お母さん?」
「…………泣いてるの?」
小糸が……あんなに小さくて、何も出来なかった子が……
たった一人でステージに立って輝いている。
「ここにいるよ」って一生懸命に叫んでいる。
「……もう……一人で大丈夫なのね」
もう……子どもじゃないものね。 - 125二次元好きの匿名さん25/11/28(金) 08:44:02
ぴぇ……😭
- 126二次元好きの匿名さん25/11/28(金) 18:30:44
ほしゅ
- 127福丸は俺25/11/28(金) 21:03:49
明日は休日出勤で早いので、すみませんが今日はお休みします
このペースなら早ければ半月、遅くとも年内には完結できると思います
どうか最後までよろしくお願いします - 128二次元好きの匿名さん25/11/28(金) 22:43:03
楽しみに待ってます
- 129二次元好きの匿名さん25/11/29(土) 06:21:10
ぴゃ
- 130二次元好きの匿名さん25/11/29(土) 13:33:16
ブォ…
- 131二次元好きの匿名さん25/11/29(土) 22:46:58
A A
꒰( ◯ ᷇ 𖥦 ᷆ ◯)꒰ - 132福丸は俺25/11/30(日) 00:03:53
CASE-3 夏休み
小学生の頃、ある夏の日に人生を変える出来事があった。
私は小学校低学年のうちから子役の仕事をしていた。
学校は嫌い。
勉強も嫌い。
仕事の都合で欠席や早退は多いし、1日学校にいられる日でも、休んだせいで授業についていけないんだもの。
それなのに宿題は他の子と同じだけ出されるし。
その日の仕事は教育番組の撮影。
学校をイメージしたスタジオで、小学生から高校生までの幅広い子役やタレントが授業を受ける番組。 - 133福丸は俺25/11/30(日) 00:05:02
初回の収録中に機材トラブルで中断。
再開するまで出演者みんなでおしゃべりしようって話をしていたけど、一人の子が「宿題をやらなきゃ」と言った。
私も宿題やらなきゃ。
合間に少しでも進めないと。
そんな私達を見て、一番歳上のお姉さんが「みんなで一緒に宿題をしよう」って言った。
「小糸ちゃんすごーい! 教えるの上手ー!」
「学校とか塾の先生よりわかりやすい!」
お姉さんは宿題で分からないことがあれば何でも分かりやすく教えてくれて……
私にはそれがとてもかっこよく見えた。 - 134福丸は俺25/11/30(日) 00:06:04
アイドルなのに、先生みたい。
かわいくてかっこいい。
そんなお姉さんに憧れた。
──その日から、勉強との向き合い方が変わった。
勉強が少しだけ好きになれた。
進んでする勉強は嫌々解く宿題よりも覚えが良くて、前より分かるようにようになると、また少し勉強が好きになれた。
そして……
今年……私は憧れていた第一志望の高校に合格した。
お姉さん……小糸ちゃんに伝えたい。
ありがとうって。
「なりたいものになれたよ」って。 - 135二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 07:53:44
ぴぇぴぇ
- 136二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 12:18:02
- 137二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 20:37:38
꒰( ˶ ᷇ 𖥦 ᷆ ˵ )꒰
- 138福丸は俺25/11/30(日) 23:01:15
始まりは小さな糸だった。
か細くてすぐに見失ってしまうような、小さな糸。
その糸はたくさんの糸と出会い、関わってきた。
ときには影響を受けた。
異なる価値観や考え方を学んだ。
ときには影響を及ぼした。
誰かの心を救うこともあった。
そうして繋がりを増やした小さな糸は、やがて…… - 139福丸は俺25/11/30(日) 23:02:22
side:composer
僕は福丸さんから居場所を貰った。
福丸さんがいたから頑張れた。
福丸さんに人生を変えてもらった。
彼女がいなければどんな人生を歩んでいただろう。
僕だけじゃない。
家族や友人。
かつての共演者。
それにきっとこの会場にいる多くのファンが……
彼女に照らされ──
彼女に救われ──
彼女を愛していて。 - 140福丸は俺25/11/30(日) 23:03:35
…………うん。
でも、もう大丈夫だよ。
僕らは大丈夫。
それはとても寂しいけれど。
心地良くて、ずっとここにいたいけれど。
もう充分羽を休めたよ。
居場所をくれてありがとう。
「…………」
「もうすぐ……最後の曲だ」 - 141二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 07:11:37
ぴぇぇ
- 142二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 09:33:52
終わりが近づいてる…
- 143二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 14:29:03
小糸のように
- 144福丸は俺25/12/01(月) 22:56:44
side:P
もう少し……もう少しだ。
あと数曲でライブは終わる。
ステージから降りた小糸をプロデューサーらしく笑顔で迎えて、労いの言葉を掛けて、家まで送り届けて……
そうだ、後日事務所で送別会でもやったらいい。
ノクチルのメンバーや、他のみんなも呼んで……
なんにせよ、ちゃんと終わらせるんだ。
今日をちゃんと終わらせて、アイドル福丸小糸をちゃんと終わらせて。
小糸にとって……アイドルの日々が良い思い出であるように。 - 145福丸は俺25/12/01(月) 22:57:55
…………そりゃ、寂しい気持ちもあるけど。
大切なんだ。あの子が。
そばにいると優しい気持ちになれる。
あの子の笑顔を見ていたい。
…………だけど……俺はプロデューサーで、小糸はアイドルだ。
引退しようと世間はその事実を忘れてはくれない。
悪意に晒され、あることないこと吹聴されるだけで済むならまだいい。
もしも小糸に危害をくわえようという輩が現れたら……
小糸を危険な目には遭わせたくない。
俺はもう二度とあんな思いはしたくない。 - 146福丸は俺25/12/01(月) 23:00:01
小糸の幸せを願って身を引く。
あの男には渡したくない。
小糸の気持ちには応えられない。
小糸が好きだ。
幸せにしてやりたい。
幸せになりたい。
消えてしまいたい。
頭の中はもうめちゃくちゃだ。 - 147二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 07:01:07
ぴぇ
- 148二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 09:05:51
ぴゃあ!
- 149二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 14:31:11
元が付いてもアイドルは業界の人間とは付き合えない
- 150福丸は俺25/12/02(火) 22:35:06
「……283さん」
「…………っ」
急に声をかけられて我に返る。
顔を上げると作曲家の男が訝しむような顔をして俺を見ていた。
「大丈夫ですか? 心ここにあらずといった感じでしたが」
「……すみません。少し考え事をしていて」
「担当アイドルの引退という日に、ですか?」
「…………」
事態を余計に掻き乱しておきながらよくも……
…………でも、それでも彼の言う通りだ。
今は小糸を見ていないと。 - 151福丸は俺25/12/02(火) 22:36:11
ステージに立って歌う小糸を袖から見守る俺と作曲家の男。
「もうじきライブも終わりですね」
「…………今だから言いますが、283さん……僕はあんたのことが嫌いでしたよ」
「…………ははっ、なんとなくそんな気はしてました」
目も合わせないまま言葉を交わす。
「ずっと、何年も前から僕はあなたのことが憎くて仕方なかった」
「どこかで会いましたか」
「……いや、ただの逆恨みですよ」 - 152福丸は俺25/12/02(火) 22:38:28
「…………でも」
「実質福丸小糸になった僕は、あんたをもう恨まない」
「えっ……」
「戦いの中で真の実質福丸小糸の力に目覚めたとき……福丸さんの感情が僕の中に流れ込んできた」
「福丸さんのあんたを想う気持ちが分かったんだ」
「暖かかったよ。深い愛情に満ちていた」
「…………きっと僕では一生掛かっても敵わない」
「…………えっと」
「実質……福丸小糸……?」
「…………そこは引っ掛からなくていい」 - 153二次元好きの匿名さん25/12/03(水) 05:30:47
無 茶 言 う な
- 154二次元好きの匿名さん25/12/03(水) 05:49:35
今いい所なんだ、実福の顔はちょっとしまっとけw
- 155二次元好きの匿名さん25/12/03(水) 08:41:28
シャニPが実福道場に入会してたら嫌すぎるだろ
- 156二次元好きの匿名さん25/12/03(水) 18:00:25
シャニP「実質…福丸小糸…?」
↑
これで一本話書けそう - 157福丸は俺25/12/03(水) 22:10:34
「283さん。これを」
差し出された手に握られていたのは、一枚の長方形の紙。
「これって……」
…………今日のライブのチケット……
「どうして……」
数ヶ月前に、電話で頼まれて俺が用意したものだ。
誰か知り合いに渡すものと思っていたが……
「これはあんたのチケットだ」
「え……」
「あんたが福丸さんと向き合うためのチケットだ」 - 158福丸は俺25/12/03(水) 22:11:41
「向き合うって……」
「これが最後なんですよ…… 福丸小糸の立つステージは……!」
「どういうつもりでいるにしても、あんたは正面から彼女と向き合うべきだ」
「舞台の袖でもなく、関係者としてでもなく、ただの一人のファンとして……」
「…………」
最後……か……
そういえば……小糸のステージを客席から観たことはなかったな。
「…………そうだな。ちゃんと観ておきたい」
背中じゃなくて、正面から。
「ありがとうございます。チケット……貰います」
「……元々283さんに用意して貰ったチケットですけどね」 - 159二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 06:34:12
ブォ…
- 160二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 12:11:06
ぴゃ
- 161二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 20:27:26
保守
- 162福丸は俺25/12/04(木) 22:19:04
チケットを受け取り懐にしまう。
今から行けば最後の曲には間に合うだろう。
「あぁ、それと──」
作曲家の男は俺を引き留め、鞄から何かを取り出そうとしている。
「一人だけ手ぶらじゃ居心地が悪いでしょう」
──ペンライトだ。
それも小糸のイメージカラー専用の。
あぁ、懐かしいな。
初めてライブに連れて行って貰った時も……こうしてペンライトを貸して貰ったっけ……
俺は、差し出されたペンライトを…… - 163福丸は俺25/12/04(木) 22:20:59
— 2025年12月04日
A.受け取る
B.受け取らない
※結末を決める選択肢です
このスレを見ないと意図が分からないのと、できるだけ無関係なフォロワーが増えないよう活動してきたので投票数は2桁にも届かないはず
是非投票お願いします
明日は会社の忘年会なのでお休みさせていただきます
- 164二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 07:21:36
ぴゃ!
- 165二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 11:14:41
ピャイノグラフィがまた聞きたいです・・・
- 166二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 19:16:26
実福も集まって忘年会するんですよ
来年はもっといい福丸小糸にならなきゃなんですよ - 167二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 22:20:00
シャニPの周りの席はみんな実福
- 168二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 07:32:57
クソ盛り上がらなそう
- 169二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 15:08:38
わたわた流すだけで大盛り上がりよ
- 170二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 20:03:15