- 1二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:36:15
- 2二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:37:20
***
《奔れ! 追いつかれるぞ! 捕まったら死ぬぞ!!》
――頭の中で鳴り響く声に従うがまま、俺は無我夢中で走り続けていた。
鳴りやまない銃声。アズマ国のエリート集団が最新鋭の精霊装を担いできているらしい。さしもの最新鋭といったところで、このほとんど月明かりだけの森の中で、弾丸はたびたび俺の服や髪の毛を掠めていく。
そのうちの一発は左腕の肉をえぐり取っている。焼くような痛みは俺の思考を謎の声と一緒にかき乱す。
――逃走は無意味だ! 今すぐ投降するんだジュン!
呼びかける声。だが俺の脚は止まらない。
《構うな! いいから逃げるんだ! 行けっ! 行けぇ!!》
俺の頭の中の声が俺を止まらせない。脚だけ、まるで自分のものじゃないみたいに忙しなく森の中をかけていく。もしかしたら、脚が自分のものじゃないというのは本当かもしれない。かれこれ何時間も走り続けているというのに息も切れない。俺は思い切って首を精いっぱい後ろに向かって右に捻った。木々と、闇とその闇から時折飛んでくる弾丸らしき何か以外は見えなかった。
国は重罪人を野放しにするつもりはないらしい。追撃の手は一向に止む気配がない。時折投降を呼びかける声が聞こえる。正直に言えば、このまま素直に投降し、罪人として裁きを受けるべきなんだと思っている。なのに走れと叫ぶ謎の声は俺の気持ちを無視して逃走へと駆り立てる。この声の主は誰なんだ? 痛みと状況に混乱した俺の頭が生み出した幻聴なのか? それとも―― - 3二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:38:37
時間が経つにつれ、背後から俺を撃ち抜かんとする弾丸の嵐は勢いを弱めていく。森を抜けきったところで立ちふさがった大きな河を、飛べという例の声の号令に従い、渾身の幅跳びで越え、なおも駆けていく。河を超えて沼地を走るころには、もう銃声も後を追ってくる者もなかった。
それでもまだまだ走り続け、夜が明けるころにはようやく俺の脚は「俺の脚」になった。脚を取り戻した俺はといえば、一晩中……しかも訓練された戦闘集団の追撃を置き去りにするほどの速度で走り続けたというのに、やっぱり息切れ一つしなかった。息切れどころか、のども乾かないし腹も減らない。当然眠くもなかった。おまけに撃たれた左腕もいつの間にか何事もなかったようにきれいになっている。当然ながら今まで経験したことがないことだった。
「なにが……どうなってんだよ」
もはや、心を落ち着かせるのにはその場に座り込んでそう言ってみるしかなかった。そのまま見上げれば、針葉樹生い茂る森の向こうに如何にも険しそうな山脈が君臨していた。記憶が正しければ、この山脈は大陸の東西を分かつ大山脈……拒絶の断崖と呼ばれているものだ。そして、憶測が正しければ、俺は逃げ出した場所から拒絶の断崖まで――普通に歩くとひと月以上かかる距離を、一晩で完走したことになる。
訳が分からなかった。昨日からわからない話ばかりだ。なぜか反逆者だった兄。目の前で突然干からびて死んだ君主様。捕まって、そのあと自分の意志に反して逃げ出した俺。一晩中逃げ続けて何故かなんにも堪えてない身体。傷一つない。
……何をどう考えても何一つ理解が出来なかった。どうせこのままつかまったり、最悪死んだって構いやしないんだ――そう居直って、俺は眠くもないのに大地に寝そべって瞼を閉じた。閉じると、昨日の出来事が鮮明に思い出されていった。
*** - 4二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:39:23
以上。改行内から読みづらいのに気づいた。まあしゃあないか
- 5二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:40:50
俺の語彙が貧弱のが悪いのかも知れないが「奔れ」がスッと読めなくてまず躓いた
「はしれ」であってるよね? - 6二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:44:06
合ってるで。そっか一般的じゃないもんな。ちょっと気にしたほうがいいかもな
- 7二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:44:40
追撃を振り切る速度で走って疲れないのはもちろん疑問に思うだろうけど
速度の方にこそまず先に疑問がわく気がする - 8二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:44:58
昨日からわからない話ばかりだ。なぜか反逆者だった兄。目の前で突然干からびて死んだ君主様。捕まって、そのあと自分の意志に反して逃げ出した俺。
「急にどうした」と言いたくなる
あと初手回想はあんまり……今読んだのはなんだった?感 - 9二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:45:22
面白かった!
最初に「アズマ国」って固有名詞入れることで現代の地球じゃないんだなって分かるの好き
ただちょいちょいもう少し漢字にしてほしいのと「撃ち抜かんとする」「針葉樹生い茂る」みたいな言い回しが他のところから浮いててかっこつけたいのかな?と思った
あと「俺は思い切って首を精いっぱい後ろに向かって右に捻った」は回りくどいし、なんで右に捻るのか気になった
右に捻んなきゃいけない理由があると思ったらないのでモヤっとなる - 10二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:48:17
書き出しはいいと思う
河って多分人には飛べない幅だよね?そこら辺いまいちわからんかったから、主人公がためらったのを「飛べ!」って言われるとかにした方がいいんじゃない?
あと、足が勝手に動くなら飛べ!って言われるのはおかしいかと
詳しい設定がわからんけど - 11二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:48:43
わかるのはせいぜい走っていることぐらいかなぁ
主人公と同じで今の時点ではわからない話ばかりとしか - 12二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:52:07
逃げてるのに捕まったり殺されてもいいのん?
- 13二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:53:10
- 14二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:53:12
ちょっと無駄が多い気がする
例えば『俺の頭の中の声が俺を止まらせない。』は一行目で『頭の中の声が〜』って言ってるんだし『声が俺を止まらせない。』でいいんじゃないか? - 15二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 23:57:58
まぁ序盤だからよくわからんが主人公が追手から何者かからの声に従って必死に逃げてる絵面は想像できたからそこまで悪くはないと思う
- 16二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 00:08:15
- 17二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 00:09:47
読んでみたけど、「俺」がどんな人間なのか全然わからん
泥が軍靴に撥ねたとかそういう描写が欲しい - 18二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 00:15:35
>>7 最後に速度に言及するの忘れてたね。追加しておくわ
>>8 ぶっちゃけ走ってるだけだから、そのいきさつに導くための導入のつもりだったんよね。ちょっとつたなかったかな。正直自分でも少し違和感あった
>>9 ありがとう! 樹木生い茂る~とかは割と素というか発音して気持ちいいかたちにしたかったんよね。かっこつけてるつもりは……ちょっとあったかも。あと、首捻るのところがややこしいのはうん……そうだね……
>>10 あ~、そだね。河のサイズ感わからんね、確かに。
>>14 確かにそこの部分はちょいくどいね。「声」だけでよかったな
>>15 最低限はクリア出来てそうでよかった。あとは描写のバランス感覚はリハビリやね
>>17 容姿は確かに描写できてないなぁ。身に着けてるモノくらいは描写入れておくよ
- 19二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 00:19:14
頭の中の声の性別くらいは明かした方がいいんじゃないかな
- 20二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 01:57:04
鼓膜を柔らかく突き刺し鋭く包み込むような清らかに濁ったとか想像もできないような声にして想像力殴りつけるとかも手ではあるかもしれん
- 21二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 06:44:06
細かい添削をしたら結構出てきそうだけど流れとしていいんじゃないのん?
その上で気になった点。文書力無し人の戯れ言だから話半分に聞いてちょ
痛みについて→体がおかしなことになっているなら、逆に痛みを感じさせない方が異常さに繋がるかも? 「銃弾が当たったような衝撃を感じたが、痛みは感じない~」みたいにしておいて、逃げ切ってから「流血した跡はあるが、どこにも傷跡は見つからなかった」みたいな?
河を跳ぶところ→なんとなく読んでいて、このシーンで一番目立つ(映像映えする)ように感じたけど、あっさり流れていて残念。上でも書いてあった河の大きさを描写しつつ、《飛べ!!》はあえて台詞を入れた方が際立つのではないかと思った
この全体的に「もっと、こう……あるだろ!!」となる惜しい感じ、絶対落ち着いて推考すればもっと良くなる人でしょ - 22二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 06:58:49
一通り感想出た後だろうけど一応。
混乱する主人公の逃走劇としてスラスラ読めた。精霊銃、や大罪人のワードで世界観や主人公の素性にも興味が惹かれたし、そこから一か月かかる距離を一晩で走り切ったって描写で主人公自身の体に異変が起きてるんだなっていうのがその前の描写と合わせてはっきりしたところで区切りがついたのも良かったと思う。ここからの展開に色々と想像が湧いた。導入だし出される情報はこれくらいでもいいんじゃないかなとは個人的には思った。
他の漢字を見てると駆けるも感じの方が雰囲気あってそうだなと思った。
あと、主人公の異常性をわかりやすくするなら森をかけてる時の描写をもっと盛ってもいいかもとは思った。木々を飛び移ってるとか、茂みも物ともせず踏み越えてとか。まぁ、後からおかしいことがハッキリしてあのシーンも実は…という風に自分は後から思い返すフックにもなったからそのままの方がいい可能性もあるけど。
あとスルスルやめた中で一箇所だけ、正直にいうと〜の部分だけ若干引っかかったかも。主人公は意志に反して足が動いてるのかなと思うけどここだけ見ると不本意ではあっても主人公の意志で走ってるのかなと。その辺がこんがらがった。理由があるならそれでいいとは思うけど。
情景描写はそういうものでスッと入ったけど主人公が自分の意志や感情を説明する部分だからここだけやけに冷静になったように感じたのかなと。
まぁ、素人の感想だけれど文体は好きだし普通に読みやすかった。 - 23二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 16:13:22
みんなありがとうやで。
とりあえずやっぱりまだ荒いからおいおいここは推敲して整えるよ
それなりに面白いと思ってくれ人もいて一安心したから、この休日使って続き書いてみるわ!
へばの!