皆でリレー小説しようぜ(試運転)

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:24:33

    せっかくその手のカテゴリができたのでリレー小説しようぜ!!
    色々と見切り発車なのでルール整備が微妙だったらすまんの!

    *書き出しはいつ誰が書いても良い。
    *続きを書く人は好きな書き出しや、終わっていないレスの番号の安価を先頭に付けて書く。1レスにまとまらない場合は自分で安価を付けて続けても良い。
    *最低限話が繋がっていればヨシ!
    *話を終える場合は、その話の末尾に【こういう感じ】でタイトルをつけて終了。
    *タイトルがついて終了したところからは続けてはいけない。逆に言えばタイトルが無かったら終わったように見えても続けて良し。
    *書き出しやルートが違う話の両方からつなげたいときは、両方の安価を付ければOK。

    とりあえずこんなかんじで。
    一応1つ始まりを書くけど、微妙だなと思ったら自分の好きな書き出しどんどん投げてくれると嬉しい。

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:25:03

     広大な砂漠の中心、生きるものの気配のない砂中の奥深くに、財宝が眠っているのだという。
     そんな遠い未踏の地の話をどういうわけだか真に受けた一人の若者が、噂の財宝を求めて砂漠に足を踏み入れた。

    「本当に、町を出たら何にもないな」

     町中で財宝の話を聞けば、若者が来る以前にも調査に来た学者たちがいたらしい。 
     だが、その学者たちは砂漠の強い風によっておこる砂嵐で分断され、無事に帰ってきたのはたった一人だけだったのだという。

    「準備はしてきたし、二の舞にはならないつもりだけど……気を付けないと」

     若者は決意を新たに、沈むような細かい砂の砂漠を進んで行った。

  • 3二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:31:39

    >>2

    「しかし暑いな、しかも何も無い」

    若者は口寂しさに独り言を呟く、返事もなく聞こえるのは砂漠に吹く一陣の風。


    「財宝かー手に入れたら何しようかなー」

    誰に話しかけるわけでもなく若者は喋り続ける、話し相手は虚空だった。



    「...て」


    風の音に混ざり人の声が聞こえた気がした。若者はあたりを見渡すが変わらぬ風景がそこにある。

    「寂しすぎて幻聴きいたか?」

    「だ...け...て」

    確かに聞こえるその声はまるで虫の羽音の様に小さかったが確かに幻聴では無いことを物語っていた。


    「誰かいるのかー!!」


    若者は大声で叫ぶ。

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:36:09

    剣士が一人歩き、
    前に魔法師が現れた。

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:39:06

    >>2

    灼熱の世界。

    ユラユラと揺れる陽炎と黄いばんだ砂の景色で距離感が眩む。先は数メートルのようにも見えるし、数キロ先のようにも見える。最初に目的とした砂山はいったいどれだっただろうか?

    似たような砂山によって判別がつかない。

    ポケットに手を突っ込み、方位磁石を取り出す。示した先は西へと傾きが強い。真っ直ぐ歩いてきたつもりが何時からか方向が傾いていたようだ。

    額の汗を拭いさって、方向を修正して先へと進む。

    進む進む進む進む、進む。

    灼熱の大地はまるで俺以外の生物の存在を全て焼き殺してしまったかのように熱を放つ。

    まるでこの砂漠こそが人を喰らう、魔物だというように。

    俺は進む。魔物の腹に呑まれてしまわれないように。

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:43:53

    >>3

     若者の声に気づいたのか、先ほどよりも大きな声が砂漠の中でたしかに上がった。


    「だれか、たすけて!」

    「そっちだな!」


     声の方向へと若者が駆けると、そこには砂に半分埋もれた少女の姿があった。


    「君、大丈夫か?!」


     自分よりも年下であろう細い体を助けようと、身を屈めてその手をとる。

     そして、それをぐいと引っ張った時に、この砂漠がただの砂漠ではないと示すような異変が起きた。


    「きゃっ……!」


     助けようと引けば引くほど、少女の身体は砂の中へと引きずり込まれていく。

     なんとかこらえようとした若者だったが、彼女が落ちていくかのように引きずり込まれていく砂の窪地が自身の足元に迫っているのに気づいてしまった。


    「~~っ!!」


     このまま助けるか、見捨てるか。そんな選択が若者の思考を支配した。

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:45:06

    いや、迷ってる暇はない
    助けよう
    若者は少女を救おうとする

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:50:03

    >>3

    吹き荒ぶ砂嵐の中で人一人を見つけるのは困難だ。若者は返事を求めて声を上げるものの返事もなく、また人影を探し周囲を見渡す内に来た方向もわからなくなっていた。

    「こりゃぁ、人を助けてる場合じゃないぞ…」若者はそう零しながらその場を動かずに風が収まるのを待った。


    一時間ほど経つと視界は明るくなった。そして風もないのに身を打つ冷気。どうやらすっかり日も落ちていたようだ。

    「ここで世を明かすのも不安だな…何か足場になる場所でも見つけたいものだけど…」

    若者は月光が照らす砂漠を見渡す。そこには砂の台地しか見えない。そのつもりで若者は周囲を一望した。

    「…ッ!?」

    若者の背後、距離にして約1キロほどの場所には人が造れるとは思えない巨大な像がそびえ立っていた。

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:52:32

    >>4

    戻ってはくれないか魔法師は諦めきれぬように剣士に問う。剣士はこれが答え、というかのように先ほどより大きく足を踏み出し去って行った。

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:54:17

    >>3

    「誰かー!いませんかー!!」


    若者はもう一度だけ大声で叫び、それから反応が変わりなかったのでに叫ぶのをやめた。


    砂漠の先は見えないが、進み続ければいずれ助けの声の主に会えるだろうという楽観的な考えで若者は再び歩き始める。


    ──それから約6時間。


    若者がいくら歩いても目的地どころか砂以外の物は何一つ見つからなかった。ただ、それだけなら単なる徒労で済む話だった。


    「だ...け...て」


    「だ...け...て」


    「だ...け...て」


    虫の羽音のごとき声は微かに聞こえ続けていたのだ。若者の耳に連続的かつ規則的に聞こえる声は次第に彼の精神を蝕んでいく。


    そして我慢の限界に達した時、若者は耳を塞いだ。


    ──手の中に耳とは違う蠢く感触があった


    ───それを触ると連続的な声が乱れた


    それを掴んで若者は見た

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 14:59:56

    >>9

    剣士はもう迷う事はない。たとえ待っているものが死だとしてもこの歩みを止めることは無いだろう。ささやかな幸せの中で生きていける程、器用な男ではないのだ。

  • 12二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 15:06:59

    >>5

    やがて奇妙なことに気がつく、影が動かないのだ。いや正確に言えば太陽が動いていない、時計の針は進み続けているのに空のギラギラとした火球は一切傾かないのである。

    「どうなってるんだ」

    呟きは滴る汗と共に砂漠の中へと吸い込まれ消えていった。とにかく異常だ。なんとかしなければ装備が尽きて干からびてしまうだろう。しかしこの何もない砂漠でどうすればいいのか、そのときふと目線を横に向けるとそこには━━━

  • 13安価521/09/21(火) 15:24:16

    >>5

    それを見つけたのは偶然であり、奇跡だった。

    強い風が吹き荒れては砂が舞いあがり、回避に失敗して襲われて転がってしまった。まるでフライパンのような熱した砂が全身に浴びせられる。砂漠の太陽の光から身を守るために装備した厚みのある長袖の格好、マントと帽子、そして顔を覆い隠す布切れ(マスク)によって火傷をせずにすんだ。

    起き上がって、浴びた砂を落としていると、地面に違和感を覚えた。不自然な盛り上がりのような見せる足下。

    蠍の巣ではないのか、と警戒し握りしめていた棒を使って、それをつついた。

    すると、そこに出たのは小さなバックが見つかったのだ。バックは何か噛みつかれたように紐が切れており、装備することは難しかった。

    中身を確認してみると、そこには一冊の本・・・いや、日記が存在した。

    日記の中身を確認してみる。


    『○月○日 本日第一捜索完了。出発してから距離は北へと進路へと進み、おおよそ10キロから12キロほどの距離に進行。まったく、初日だというのに随分と歩かされたもんだ。計画として食糧込みで約二週間の探索だというのに、いくら時間の節制があるとはいえ、うちのリーダーは随分とせっかちなヤツだ』


    どうやら、前にきた研究員の探索者の一人の日記のようだった。

    これはいいものを拾ったと思い、休憩がてらそのまま読み進めることにした。

  • 14二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 15:25:23

    >>10

     手の中に残っていたものは、人の口に羽虫の翅がついたような奇妙なものだった。

     通常の生命の営みからはずれたそのような存在の事を、若者も詳しくはないが昔話などでよく聞かされていた。


    「も、モンスター……実在するんだ、こんなの……」


     人を惑わす怪異めいたものや、野生生物が奇怪な姿に変じたもの。文明の領域が広がるにつれて姿を消していったはずのそれが、確かに若者の手の中にいた。

  • 15二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 15:25:33

    >>11

    妻と娘を殺した奴の根城への道を開くため魔法師殿・・・彼女に教えを乞うた、魔法の習得に5年を費やし遂に奥義を体得した、彼女との生活には未練はあるが奴への復讐を辞めることは我にはできぬ

  • 16二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 15:44:40

    >>15

    騎士団に見捨てられ滅び去った村の煤臭い廃墟の中で一夜を過ごし、ついに剣士は悪徳と魔法が渦巻くドルゲ要塞都市へとたどり着いた。憎きこの都市の主を討つために

  • 17安価521/09/21(火) 15:46:26

    >>13

    『○月×日

    二日目捜索完了。北へと進路方向おおよそ六キロの距離を進行。途中酷い砂嵐あった。ケビンの班の一人が蠍の刺されて高熱を出す始末。ったく、毒消しが間に合ったからいいようなものの、あれほど虫除けには気を付けろと言っておいたのに。結局、ケビンの班はソイツの荷物を他の奴らが分断して、進んだ』


    『○月△日

    三日目捜索完了。北へと進路方向おおよそ七キロの距離を進行。昨日、ケビンの班で蠍の毒を受けた……マルフォイがおかしかった。熱は下がったようだが精神的に不安定といえばいいのか。毒と進行の疲労で来たのだろうか。ずっと震えては「……神よ、申し訳ございません」と祈るように口にしていた』


    『○月□日

    四日目の捜索完了。北へと進路方向おおよそ五キロの距離を進行。本日、朝の会議にてマルフォイが「今すぐ、戻ろう!」と提案された。班長会議なのに、突然やって来てはこの世の終わりが近づいてきているの言わんばかり迫真のある表情でだ。もちろん、俺達は却下した。目的のポイントはもうすで近い。今日か明日にでも到着する予定なのだ。そこから探索で、三日目四日目ほど費やして、残りで帰還するのだ。なんの成果もあげられていない今の状態で帰れるわけがない。だが、マルフォイは頑なに帰還することを進めてくるのだ。困った俺達は一先ず、マルフォイがまだ熱にあるのだと思い、鎮痛剤をうち、落ち着くのを待ってから進行を始めた。

    出発が遅れたこともあり、目的地の到着は明日になりそうだ。


    夕食後、マルフォイが班から離れては一人で虚ろな瞳でずっと「違います違います違います、許してください!」と怯えている姿を見かけた。

    ……とても熱で浮かされている者の怯えではなかった』

  • 18二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 15:53:24

    >>16

    「ホリィとマリアを殺した罪を償うがいい、奥義・流星大圧殺」

    剣士の叫びと共に要塞都市の頭上に巨大な隕石が降り注ぐ

  • 19二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:00:19

    俺はごく普通の男子高校生
    ちょっとヘマして死んだと思ったら、気づくと知らない場所に立っていた…

  • 20二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:07:18

    俺の職場は朽ち果てた廃墟とひび割れたアスファルトと地雷塗れの森だ。

    そして俺の仕事は傭兵だ。仕事は簡単。ゴロツキと変わんねぇ仲間たちとガキしかいねぇクソ独裁者の尖兵を一人残らず撃ち殺すこと。

    西の先進国様はこの戦いを悪の独裁国家との正義の戦いだというが、実態は小銭を貰った小悪党どもが大悪党と醜く争っているだけだ。

    …まぁそんなことはどうでもいい話だな。

    今日の仕事は街とは到底呼べない廃墟の巡回警備だ。俺からみたらこんな街ゴミ山だけど独裁者の手下共には政治的に重要な場所らしい。

    なのでここを俺達が押さえてるだけで敵が無計画に突っ込んできて七面鳥撃ちって寸法よ。

    『『『共……万歳!』』』『祖…土地………せ!!!』『『未来………為に!!』』

    ……敵が来たな。まともに声を隠す気が全く無いからすぐわかる。

    声が高い。今日の指揮官は若い女か?まぁ相手が何だろうと撃つのが俺の仕事だ。ボスに敵来襲の報告をしつつ、M4の薬室に弾を装填して遮蔽を確保。敵のいる方に照準を合わせて攻撃命令を待つ。

  • 21二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:22:05

    >>19

    辺り一面に広がる大草原

    陽の光はポカポカと気持ちいいし、空気も美味しいから、とりあえずちょっと昼寝でも…

    と思っていたのだが、どうやらそうもいかないらしい

    座ろうとした瞬間、この平和な景色にはあまりにも似つかわしくない咆哮が響いた

  • 22二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:23:15

    >>18

    隕石はドルゲ要塞都市を覆う不可視の障壁と衝突し爆音と閃光を発して消滅した。これで侵入不可能と言われたこの都市も丸裸だ。警備兵の鐘が高く響く中、剣士は城門から混乱の渦の中に突入した。

  • 23二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:33:44

    >>8

    「な、なんだアレはッ!?…巨大な…像?」


    "ソレ"はヒトの形をしていた。

    天を衝くように堂々と聳え立つ"ソレ"は、男の記憶にあるどんな建造物よりも巨大で、表面に刻まれた鎧のような意匠は、見ているだけでその圧倒的な頑強さが伝わってくる。


    圧倒的な存在感を放つ異物との遭遇。

    男は混乱の中にあった。

    しかし、次の瞬間、更なる衝撃が男を襲った。


    (災厄ガ、目覚メル)


    「……ッ!? 誰だッ!?」


    重く響くような声、男は辺りを見回すが、人影は無い。では、この声の主は…?


    (厄災ガ、モウジキ目覚メル)


    「なにっ!!?」


    視線を巨像に戻したその瞬間、なんと巨像は先程よりも男に近づいていた。もちろん、男はその場から一歩たりとも動いてはいない。


    (ヒトヨ、抗エ)


    (お…俺は、幻覚でも見てるのか!?)


    声の主、それは巨像だった。

    見上げる程の巨大な像が、男に語りかけていたのだ。


    「…ッ!いったいどういう意味だ!?"災厄"とは!?"抗え"とは!?」

  • 24二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:34:44

    >>21

    声の方に振り向くと

    怪物が立っていました

    とても大きな体で

    全身に毛が生え

    ギラギラとした目

    牙が生え揃い涎をダラダラと垂らす口

    こんな状況で昼寝をしようとしていた少し呑気なごく普通の男子高校生でさえ、腰を抜かしてしまいます

  • 25二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:43:37

    >>24

    腰を抜かし、尻餅をつく

    すると、当然ながら視点が下がる

    視点が下がって、さっきまではバケモノに気を取られて、バケモノを見上げていて気づいていなかった"とある存在"に気づいた

    バケモノのすぐ傍に、今にも踏みつぶされてしまいそうな小さな女の子が一人

    『危ないっ!』

    それが果たして口に出した言葉なのか、心の中の叫びなのか、もはや自分でもわからなかった

    次の瞬間―――

  • 26二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:44:23

    >>24

    落ち着け、落ち着け侍、そう自分に言い聞かせて俺はジリジリと後ろに下がる。なーにこんなの小学生の頃爺ちゃんと山菜取りに行った時に見たヒグマみたいなもんだ。頭の中で爺ちゃんとの思い出が素早く巡る、思えば色々世話になった両親が死んで代わりに男で1つ立派に育ててもらったけなあ、待てよこれって人生の走馬灯じゃねーか!オイオイオイッまだ死んでたまるかっちゅーの。こうなったら……

  • 27二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 16:48:27

    >>7

    若者は手を伸ばす

    ここはこの世の地獄だ戦場だ

    俺が助けなかったら死んじまう

    つまらぬ思考だ

    こんな甘い男が

    戦場で長く生きれるわけがない

    なら手を伸ばせ!

    自分が生きれないなら!

    生かすんだ!

    そう自分に言い聞かせ

    若者は手を伸ばす

    ──爆音と血の飛沫

  • 28二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 17:08:10

    >>20

    …何かがおかしい

    いくら待っても攻撃命令が下らない

    不審に思い、こちらから司令塔に連絡を取る

    しかし、応答は無し

    何が起こっている?焦り、困惑、恐怖といった感情が入り混じる

    そしてもう一度スコープを覗く


    指揮官の女と目が合った後、その女は不気味に嗤った

  • 29二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 17:11:47

    >>23

    男が像の方向へと一歩、足を踏み出すとまた砂嵐が吹いた。

    突然の砂嵐に目を瞑り、顔を腕で守る。

    風の音にかき消されて声は聞こえなくなった。

    風の音以外は男の耳に入らず、体に打ちつける風と砂で体の感覚は曖昧になったが、目を瞑り、顔を隠していても光だけは朧げに感じとることができた。

    そして、赤く強い閃光が何度も男を照らすのを見た。


    わずか数分の間だっただろう。

    奇妙な砂嵐と光が収まり、顔をあげると男の目には今までの出来事が嘘のように静まり返った砂漠があった。


    「何だったんだ……今のは」


    呆然としながら手を下ろすとチャリ…と男のでの中で金属が小さく鳴った。

    いつの間にか男の手にはペンダントの細い鎖が巻きついていた。

    ペンダントは金の鎖と装飾に血のような真紅の宝石で作られた見事なものだったが男が手にしている理由がさっぱり分からないせいか、どうにも不気味に思えた。

    「財宝が欲しかったから嬉しいはずなんだけどな」

    ペンダントの装飾をじっくり見る。

    「この装飾、どこかで見たような……」

    ペンダントをじっくり見つめていると叫び声がきこえた。


    「助けてー!」

    先程聞こえた声の主だろうか。

    ペンダントを懐にしまい、慌ててあたりを見回すと月明かりに照らされた小さなラクダの影を見つけた。

  • 30二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 17:43:47

    >>28

    瞬間、爆発。

    辺りに炎と残骸が散らばる。

    スコープの向こうで何が起きたのか理解できず俺の混乱は頂点に達した。

    司令塔は一向に応答がなく、目標が謎の爆発をしたと伝えることもできない。

    誰があの爆発を仕込んだのか、女司令官は何かを知っていたのか、司令塔はどうしたのか……何も分からない!

    恐怖と警戒に突き動かされて俺は持ち場を去ろうとした。

  • 31二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 18:16:40

    >>12

    ー黒の穴があった。


    先も見通すことができない、この漆黒の穴は1面の砂漠のこの景色で、ただただ異色だった。


    男は眼前の異常事態に驚き、たじろぐ。その拍子に男の水筒がカランと音を立てた。思わず男は水筒に目を向けてしまう。


    男が目を離した隙に穴は消え、そこには今までと変わらないどこまでも広がる雄大な砂海が広がっていた。


    男は目を擦る。今見た景色が信じられないのだ。けれど、いくら目を擦ろうと、映すものは変わらない。


    男は、再びその足を踏み出した。

    男は、安堵していた。

    男は、砂漠の砂を踏みしめることなく、瞬きの間に現れた足元の黒い穴の中へ落ちていった。

  • 32二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 18:36:01

    >>27

    眩しい光の後に若者は暗闇に閉ざされる。

    しばらく嗅いでいない肉の焼ける匂いがした。

    痛い。熱い。それと体のどこかがなくなった喪失感。

    「あ、あぁ…っ」

    吐息と共に吐き出された震える声は鈴を振るように美しかった。

    「大丈夫ですか!?あなた、私を──っ!」

    ついさっき伸ばした側の手を強く握られる感覚があった。

    よかった。無事だった。

    ほとんど悲鳴になっている言葉なのに安心した。

    「はや、く……逃げ…」

    額に触れる温かく柔らかいもの。ぎゅっと握られていた手が離れた。

    逃げてくれたのだろう、どうか無事で……若者の意識が遠のく。


    少女は走る。生きるため。キスを贈った青年のために。

    瞳には決意があった。希望があった。未来があった。

    【とある兵士の最期】

  • 33二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 18:49:24

    >>22

    魔法師、いや彼女に復讐を咎められた時から嫌な予感はしていた。

    度々俺に行き先も告げず、どこかへ仕事に行き、悪意と戦火でボロボロになる彼女を見た時。

    ドルゲ要塞都市に張られた不可視の障壁を見た時。

    そして、復讐を諦めて、戻ってきてくれないかと彼女に泣きそうな顔で言われた時。


    「でも、どんな時も信じられなかった。なぜ、どうしてあなたがそっちにいるんだ!師匠、いや、魔法師!」


    険しい顔で杖を構え、俺に敵対する彼女。嘘だと言って欲しかった。彼女の実家がドルゲにあることは知っていたし、彼女がドルゲ内の貴族階級であることも知っていた。知っていて、全て知らないフリをしていた。


    「この都市の主は腐ってる。殺さなければ、また俺のような人間がうまれる!」


    でも、彼女が敵になるなんて思いもしなかった。俺の血を吐くような叫びも彼女には届かない。彼女の魔法、流星弓が俺の頬を掠める。戦わなければ、復讐は果たせない。俺は剣に、魔力に力を込め、相対した。流れた涙は血の味がした。


    「やっと本気になりましたね。私があなたに言うことは、ない。潰れなさい、奥義・流星大圧殺」

  • 34二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 18:50:21

    >>19

    みわたすかぎりまっさらな、何もない空間。

    異世界転生モノとかでたまにある神さまとかとの対話シーンめいた場面に、思わずソワソワしてしまう。

    何が起きるだろうかと浮ついたまま待っていると、ピンポンパンポーン♪と、聞きなれたメロディの後にどこかから声が聞こえてきた。


    『一名でお待ちの、たかまつ けんや さま~ たかまつ けんや さま~ 不慮の事故による宿命外の死亡に対する、補填内容が定まりましたのでご案内させていただきます』


    俺の死はどうやら元々の運命のやつではなかったらしい。


    『2つのコースをご用意しております まずは左手、赤い扉をご覧ください。こちらの扉を選ばれましたら、現在救命治療中の肉体への帰還を案内させていただきます』


    言われるがままに自分の左側を見ると、赤い扉ができていた。

    なんだ、帰れるのか。事故にあったし大変な状態にはなってるだろうけど、生きているだけいいだろう。

    浮足立って入るけど、それでも現代日本はとても過ごしやすい。異世界で楽しくやれるとしても、戻った方が――


    『次に、右手側の青い扉をご覧ください。こちらの扉を選ばれましたら、ご学友の よしみね さおり さま宅の猫の子供への転生を案内させていただきます』


    なにっ?!

    あまりの良条件に、俺は自分の肉体に戻ると即答できなかった。

    なぜなら……俺は吉峰沙織の事が好きだったし、彼女が裕福な家の娘であると知っていたからだ。

    金持ちの家の、しかも好きな子の飼い猫になれる。


    ぐるぐると思考が巡る。

    少し迷って、俺は自分の選択した扉の方へと向かって行った。

  • 35二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:01:26

    わたし、花子!☺️
    どこにでもいる普通の女子高生!

    今日は高校の入学式なんだけど…
    あ〜ん、遅刻遅刻〜!
    寝坊しちゃったよ〜!💦

    「きゃっ!?」

    焦って注意散漫になっていたからか、
    曲がり角で誰かにぶつかってしまった!

    そこにいたのは…🤔

  • 36二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:08:53

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  • 37二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:09:36

    私の家には私しか見えないオトモダチがいます。
    黒くて、ぬめぬめしてて、ちょっとへんな香りがするけど、とっても良い子なんだよ!
    えっ?なんでお友達じゃなくて、オトモダチなのかって?それはねー

  • 38二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:15:42

    >>33

    剣士はその魔法はよく知っていた。発動のために振り上げる手ののうごき体のひねりと詠唱のタイミングを合わせなければ使えない高等魔法、もちろんその分スキが多い、そこをつき剣士は魔法師を肩口から袈裟斬りにした。

    「何故だ。その魔法は対軍や対城壁用の魔法で人と近距離で使うなと、貴女が教えてくれたんじゃないか。何故っ」

    血を噴き出しながら倒れる魔法師はまるでよく覚えていましたねと弟子を褒めるように微笑むとその目を閉じた。何故彼女はこんな事をしたのかそのすべての疑問はあの奥の部屋にあるそんな不思議な確信を持って剣士は最奥このドルゲの主人の間へと続く扉を開けた。

  • 39二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:20:46

    >>35

    そこにいたのは…

    モブおじさんだった!😫


    「花子ちゃん、オハヨウ〜😄❗ちょっとお話できるかな❗❓😜⁉️✋❓⁉ボクは花子ちゃん一筋だよ😎🙂」


    どうする花子!?

    花子絶体絶命!!!😡


    その時だった!


    「ちょっと待て!そこまでだ!」

    「あっ、あなたは…!?😮」


    そこに現れたのは…🤔

  • 40二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:24:51

    >>33

    巨大な隕石が迫る。

    「負けるものか!負けるものかよぉぉーーっ!」

    俺は大地を蹴り、高く飛び上がった。

    「必殺……斬岩八連!!!」

    巨大な隕石に叩きつけるのは魔力を込めた捨て身の剣撃。

    あまりにも大きな衝撃に唸り、叫ぶ。吹き飛ばされそうになりながら剣を振ること八回。

    八回目のただ、隕石に弾かれた腕を剣の重さだけで振り下ろしたような一撃でようやく隕石が砕けた。

    無数の破片が体中にぶつかり、肉を削り取っていく。

    だが俺は地面に膝をつき、剣を支えに二本の足で立ち上がった。

    笑いが込み上げてくる。

    「ふっ…ふふ、ふはは……」

    やってやった。魔法士の奥義に勝った!

    「悪鬼の貌(カオ)ね…」

    侮蔑の目でそう言うと再び魔法士は杖を構え、俺は剣を構えた。

  • 41二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:29:10

    >>26

    「逃げるんだよォ!」

    男は、恥も外聞も無く、ただひたすらに逃げ出した

    焦りのあまり、熊の対処法など覚えていなかった

    故に、数ある選択肢の中でもかなり最悪に近いものを選んでしまう

    そして―――――あっさりと追いつかれ、一瞬で捻り潰される

    『熊は意外と速い』、そんな事実も忘れ、当然『ならばこの化け物も速いのかもしれない』なんて発想に、思い至ることもできなかった

    こうして、またもや男は『ちょっとしたヘマ』で死んだのであった

    もちろん、その後目を覚ますと―――


    【軽率男の無限ループ】

  • 42二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 19:46:12

    >>30

    「ごきげんよう」

    唐突に放たれた言葉を脳が処理するのに、五秒ほどかかってしまった

    それを口にしたのは、振り返った俺の目の前に立っていた、例の指揮官の女だった

    「まさか生きてる奴が居るとはね…さっき目が合った時、ちょっとは見込みのありそうな奴だな~とは思ってたけど」

    「…お、お前は…お前たちは、一体何をしたんだ…!?何者なんだ!?」

    「フフ、それはね――――」

  • 43二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 20:13:45

    >>30

    いや待て。俺は軽く深呼吸をして精神を落ち着かせた。この状況で敵が最も望んでいることはなんだ?

    まず基本として、奴らより俺達の方が装備、練度共に優位にある。まともに撃ち合えば少年兵しかいない奴らが勝てる筈がない。

    つまり奴らは乱戦を望んでいる。こちらの統制を乱してから近距離戦に持ちこみたい筈だ。

    しかしだ。この街の外縁は俺達がくまなく監視している。警戒網に見つかればまともに匍匐も出来ない連中は即機関銃の蜂の巣だろう。


    今起こっている問題は2つ。【司令部と連絡できないこと】と【爆発】。

    俺は今司令部が爆発で破壊されたと一瞬考えた。だが実はこの二つの問題に相関性は本当にあるのか?

    仮説を立てよう。爆発は陽動だ。本命はジャミングで、俺が通信できない司令部に異常があったと判断して司令部に向かわせるのが狙いだ。司令部に俺が向かうとどうなるか?


    警戒網に穴が出来て奴らが浸透する。奴らのやりたい近距離戦ができる。つまり今俺がしなければならないのは、持ち場を守りつつ仲間と連絡することだ。間違っても司令部へ向かってはいけない。危うく騙されるところだった。

    通信ができないならこうすればいい。

      エマージェンシー

    俺は赤色信号弾をグレネードランチャーから発射した。敵に位置はバレるが味方もすぐ来るだろう。数分持ち堪えれば俺の勝ちだ。

  • 44二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 20:35:02

    >>26

    サムライとして華々しく散ろうじゃないか!

    「我が名は金剛力道(こんごうりきどう) 光英(こうえい)!いざ尋常に勝負!」

    走馬灯の様に駆け巡った光景は普通の高校生をサムライに変えた!彼の祖父はサムライだった!父も母もサムライだった!恥じぬ戦いをして死んでやる!刀は無い、だが彼の拳は剣より鋭く刺さるだろう!

    そこで初めて怪物が口を開く!

    「なんだ!?お前は!?よくわからぬが!とにかくよし!その勝負!受けて立つ!」

    何と!怪物もサムライだ!ここは江戸か!戦国か!否!この世界は───

  • 45二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 21:30:27

    >>25

    次の瞬間、弾け飛んだ

    ただし、それは少女が、では無く…怪物が、である。

    呆然

    意味が分からない

    そう思っていたのも束の間、今度は少女に巨大な羽…

    いや、アレは翅という表記が正しいか?

    …巨大な翅が生え、どこかへ飛んで行ってしまった

    もはや何を思えばいいのかもわからなくなっていると、背後から声をかけられた

  • 46二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 21:43:32

    >>44

    この世界は暗黒鎌倉魔界、道を歩いているだけで暗黒鎌倉武士が戯れに弓をいかけてくる修羅道だ。暗黒鎌倉武士に比べれば怪物たちの方がまだ義に熱い。そんなことは知らない光英はこの一戦に全身全霊を込めて殴りかかる、怪物の士魂と光英の士魂二つの魂がぶつかり合い共鳴する!

  • 47二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 22:46:33

    >>45

    「キミはひょっとして…人間か?」

    声をかけてきたのは、異形の存在だった

    確か死ぬ前の世界でマンガやアニメで何度か…

    思い出した、ゴブリンだ!

    マンガやアニメにたまに出てくる、ゴブリンが俺に話しかけてきた

    「えーっと…はい、そうですけど…」

    驚きながらも答える

    今のところ彼から敵意は感じない

    「驚いた…!こんなに大人しくて弱そうな人間を見たのは初めてだよ!」

    「…え?」

    そのまま話を聞いてわかった

    どうやらこの世界では、人間とモンスターの立場が、俺のイメージとは逆なのだ

    様々なモンスターたちが大人しく暮らし、その生活を人間たちが踏みにじる

    そんな世界なのだ

    話の流れで、とりあえず俺はゴブリンの男性の家に行くことになった

    そこで目にしたのは…

  • 48二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:04:29

    >>47

    荒れ果てた廃屋のような家だった。

    恐る恐る家の中をのぞくと家の中は敷き詰められた干し草と縦半分に割られた丸太でできた低いテーブルと散らばった毛皮だけだった。

    ゴブリンはまあ座ってくれと毛皮を渡す。

    もらった白い毛皮にはうさぎの頭がついていてぎょっとしたがゴブリンにならってその上で胡座をかいた。

    ゴブリンは干し草をかき分けて床下からコップと水瓶、干した肉と果物のようなものを取り出す。

    どうやらこの家に誰かが住んでいるようには見えないように細工をしているらしかった。

    「まずは食べてくれ。その後に……これからについて話そうか」

  • 49二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:08:24

    >>46

    光英の拳が瞬き怪物の瞳に一球入魂

    魂の籠った眼球が脳にのめり込み破壊する

    怪物の前足が光英の心臓に向かって伸びる

    爪が心臓を貫き血潮を上げて引き抜かれた

    互いが倒れる、強者どもの死体はどんな宝石よりも価値のある物であった、だがそれは暗黒鎌倉魔界の畜生の類どもにも同じだったのだ!

  • 50二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:25:00

    >>48

    「君も見ていたんだろう?さっきの…」

    恐ろしいバケモノをひ弱そうな少女が蹂躙した件について、だろうか…

    「迂闊にも人間対策を忘れてしまったひ弱な一般人が、狂暴で恐ろしい人間に襲われて死んでしまったのを」

    …この認識の相違からあんまりボロが出ないように気を付けないとな

    「…ええまあ、見てました」

    「そもそも、君は何者なんだ?何故あんな所に?」

    これは…正直に答えるべきだろうか?それとも、適当な嘘で誤魔化すべきか?

    少し悩んだ後、俺は――――

  • 51二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:32:03

    >>34

    俺は赤の扉の前に立った。

    「けんや!けんや!」

    母の声が聞こえる。

    「母さん。大丈夫だよ」

    俺は掴まれていた手を握り返す。

    「よかった…!けんや、会社で電話をもらって…ああ、よかった!」

    やっぱり家族が悲しむのは嫌だしな。

    子猫の立場にちょっとだけ後ろ髪を引かれていたが、俺が目覚めて泣いて喜んでる両親を前にするとやはりこれで正しかったのだと思う。


    「おはよう!」

    教室の扉を開いて声をはって挨拶する

    「おい、けんや。もう大丈夫なのか?」

    「高松くんもう退院したんだ。私たち先生から話を聞いてすっごく心配したんだよ〜」

    久々に学校に登校すればすぐに友達に囲まれた。

    いい奴らだ。まったく俺は恵まれてるな。

    友達と話していると教室の反対側のドアが開く。

    「あ、吉峯さん。…今日も元気なさそう」

    まっすぐに自分の席に座って頬杖をついて何か考え事をしている――またこれが絵になるんだ――吉峯さんの姿を見て、女友達がつぶやく。

    「吉峯さん何かあったの?」

    「それがね…最近、家で生まれた子猫が怖いんだって」

  • 52二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:40:16

    >>34

    俺は、青い扉をくぐった

    途端に意識が遠のいていき、目を覚ますと、言われた通り、子猫として新たな生を受けた

    それも、吉峰の飼い猫の子供として

    子猫としての生活は最高だ

    吉峰は可愛いし、いい飼い主だ

    家も裕福で、ご飯は美味しいし寝床は最高品質だ


    でも最近、吉峰の俺を見る目がおかしいような?

    ……まあ、気のせいだろう

    とにかく、この最高の人生…ではなく、最高の猫生を謳歌するとしよう

    ニャッハッハ!

  • 53二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 01:59:55

    >>51

    「子猫?」

    心臓がドクリと跳ねる。子猫と聞いて思い浮かべるのは、俺が選ばなかった選択肢。口に出したつもりはなかった。けれど、思わずうめくような声が漏れていた。


    女友達はそんな俺の言葉に相づちを打ち、静かに事情を説明し始めた。


    彼女曰く、吉峯さんの家に奇妙な黒猫が産まれたそうだ。吉峯さんの家で元々飼っていたのは2匹とも、白猫なのに。

    ー普通ね、子猫っていうのは鳴くらしいんだ、にゃ~ってー

    ーでも、その子は産まれてから1度も吉峯さんたちの前で鳴いたことがないみたいでー

    ーでも、皆が寝静まると「あぁぁ」とか「ぎゃあぁ」とか悲鳴みたいな鳴き声が聞こえるんだってー


    「吉峯さんって、あの通りお嬢様で良い人だし、嘘をついて皆の気を引こうとするタイプとも思えないから、少し不安なんだ」

    「目にうっすらとだけど隈ができてるし…」

    「良い奴なだけに、不安だよな…」


    俺の周りで友人たちが口々と話す間、俺は呆けていた。

    あの交通事故で俺は命を落としたはずだった。なんで、なんで思い至らなかったんだ!俺は1度死んだけれど、扉を選んで助かった。でもその事故で、確かその車の運転手は亡くなっていた。

    遅蒔きにながら、やっと気づいた。やり直すチャンスを与えられたのは、俺だけじゃなかったってことを。

  • 54二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 08:24:32

    このレスは削除されています

  • 55二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 10:31:14

    タイトル付いてる奴には繋げないルールじゃないっけ…

  • 56二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 10:39:24

    32はタイトル付けてるから別の所から繋げないといかんね

  • 57二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 11:30:57

    >>38


    扉は重い音を立て、ゆっくりと開く。


    男は前を見据え、息を殺し、主人の間へと侵入した。けれど復讐の相手、都市の主の姿は見えない。男の目の前には大理石で設えられた職務机。豪華絢爛な美術品。そして、1番奥の壁に布の掛けられた絵画があった。


    1歩1歩確かめるように机へと進む。


    男が奥の壁まで進んだ時、背後からわずかな殺気を感じた。咄嗟に地面へと転がる。瞬間、肩を掠める魔法の槍。男が避けた槍は壁にあたり、霧散した。


    ーその時、絵画に掛けられていた布が落ち、内容が明らかになったー


    殺気の満ちたこの部屋に、年老いた主人の舌打ちが響く。

    「私の都市に土足で入り込み、あまつさえ私の部屋すら汚すとは。まったく、どいつもこいつも使えない!」


    待ちに待った、積年の恨みの相手、都市の主の登場だった。


    けれど、男の目は明らかになった絵画に釘付けになっていた。そこには、

    ー憎たらしい表情を浮かべる都市の主とまだあどけなさを残す魔法師の姿が描かれていたー

  • 58二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 11:48:53

    >>54

    スレ主、消しといてくれ。

  • 59二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 12:06:58

    気づくの遅れたけど、タイトル付きからつづいたのを消しました
    今後も、自分が気づいたときに同様の事があったら消していきます

    ちなみに、主な理由としては繋げて良いものがわかりづらくなるからです

  • 60二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 14:42:32

    「犯人は――――あなただ」
    探偵は、人差し指で犯人を指し示した

  • 61二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 15:25:38

    >>60

    話は昨日に遡る

    とある館にて、お嬢様のデザートのプリンが何者かに食べられた

    …え?そんなしょうもないのが事件なのかって?

    答えはイエスだ

    この程度で一々呼び出されるのだからたまったものではない

    まぁ、いつも事務所で閑古鳥が鳴いている探偵にとっては、むしろ簡単な事件でそこそこの報酬が貰えるので、とてもありがたいのだが

    にしても、この事件で今週3件目である

    全部しょうもないとはいえ、こんなに頻繁に同じ場所で事件が起こるというのは確かに何かがおかしい

    ひょっとしたら、何か陰謀が渦巻いていたりするのだろうか…?


    「―――いい加減、アタシの気持ちに気づきなさいよ…」

    「ん?何かおっしゃいましたか?お嬢さん」

    「なんでもないわよバカ!!」


    これは、探偵の気を引くため、そして探偵に会うために、しょうもない事件を何度も起こす恋するお嬢様と、事件は颯爽と解決するのに、お嬢様の気持ちには全然気づかないクソボケ探偵のお話

    【恋する令嬢と鈍感探偵】

  • 62二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 22:43:55

    >>49

    土を踏む音がする。地に伏した二つの士の血に濡れた肉体へゆらりゆらりと影が迫る!

    光英は頭だけを動かして近寄りつつある気配の正体を探ろうとする…そして目に入るはウロコに覆われた頭と尖った牙の並んだ顎。

    「ゔぅ……つわもの、真の…ぐ、ぎぎぃ…体…っ」

    血の香りに酔い、小さく唸り声をあげる怪物にこれはなす術なしかと身を固くする。

    しかし光英の身体は脱力した。それは諦めではない。怪物の体を貫く無数の火矢によってだ!

    「その方、なかなか…美事な拳よの」

    愉快げなその声は晴れ渡る秋空に響く篠笛のように澄んでいた。

  • 63二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 01:27:28

    >>31

    縋るように空に手を伸ばし叫んだ。

    だが掴むものもなく無慈悲に体は落ちていく、容赦なく責め立てる砂漠の太陽の光さえどんどんと遠くなった。

    男が肺の中の空気を全て悲鳴として吐き出してしまってもまだ地面にぶつかる衝撃は訪れず、喉につかえながらも空っぽの肺に息を吸い込んだところでようやく衝撃を感じた。

    水だ。男は水に頭、背中、足の順で叩きつけられた。口と鼻から水を吸い込んで慌てて水面に上がる。

    そして男の目が映したのは楽園のような景色だった。

    男が浮かんでいる澄んだ池、そして向こう岸にあるのは緑の瑞々しい植物に色とりどりの花々。ずっと遠くには岩壁。岩壁からはところどころに青白い光を放つ鉱石が露出していて、太陽のかすかな光しか届かない穴の底でもその輝きで周囲を見渡すことができた。

    「ここは本当に砂漠の下…なんだよな?」

    男はしばらく穴の底で出会った荘厳な美しさに圧倒されていた。

  • 64二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 03:59:58

    >>62

     何千もの矢によって組まれた天を突くかと思われるほど長き刀を片手で持つ男と、金槌を持った男が立っていた。

    「先の拳には魂がこもっておったわ、鍛冶師として、我が剣【刺突聖雨】を鍛える為に雇いたい、生かせ」

    「応ッ!合点だ!すわッ!」

     金槌を持った男が光英を金槌で殴り付ける、光英は死んでいる、だが何故さっき安堵して体が動いた?それは魂が籠っているからである、拳に込めた魂が逆流して光英を生かしたのだ、そして今、魂を込められた肉体が胸の傷を癒しながら復活する。

    「俺は……」

     光英が声を発するより早く刺突聖雨を持つ男が口を挟む。

    「お前の事はどうでもいい、俺の名は牙針久炎(がしんきゅうえん) 鼻折(びせつ)、世界を獲る者だ!お前は俺の家臣となった!」

  • 65二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 13:23:57

    ほしゅ

  • 66二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 19:04:55

    >>43

    信号弾に気づいて市街地の物陰からこちらを指差す兵士たちに狙いをつける。

    さっさと始末したくなるのをこらえて小さな集団の中のリーダーを探す。

    リーダーはあれか、と思ったら廃墟の屋上でキラリと光るものに気づいて身を凍らせる。

    畜生、あんなところに上がらせた馬鹿は誰だよ。あれはこちらに狙いをつけた銃のスコープの光だ。

    急いで身を物陰に隠して牽制代わりに屋上と街路に弾を撃ち込む。身を擦り寄せている壁を銃弾が削る音がする。はやく来てくれよ。

    発砲音がこちらにジリジリと近づいてくる。これは賭けに負けたかな?

    ごくりと唾を飲み込み、覚悟を決めようとしたとき銃の音と共に兵士たちが倒れた。

    「ヨォ、一人で怖くなかったか?」

    見知った同僚の声。

    「待ちくたびれてクロスワードパズルを始めるところだったぜ」

    「そりゃ結構。ところでそのパズルにあったあの屋上のスナイパーがどこの所属のものかって問題は解けたかい?」

    「なんだと?」

    俺は謎の第三勢力の存在を知らされた。

  • 67二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 20:38:30

    ここは超ロンドン
    10m先も見えぬ霧の立ち込める
    暗黒の都
    そんな土地のあるホテルから物語は始まる。

オススメ

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