今日一ゾッとした話

  • 1二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 23:34:52

    心霊的な話じゃないけど暇潰しに聞いてくれ

  • 2◆n6Abbo7C9c22/05/02(月) 23:35:34

    今日従兄弟が結婚の報告するっていうんで親戚の集まりがあったんだけど、従兄弟とお相手の馴れ初めを聞いてた流れで各々の恋愛歴の話になったんだ。酔っ払った祖父が子供の頃の初恋を顔を真っ赤しながら語ったり、叔父が学生時代のモテ期を自慢したり、そこそこ盛り上がってた。

  • 3◆n6Abbo7C9c22/05/02(月) 23:38:30

    そうこうしてるうちに自分の番がやってきたんだけど、生憎自分には他人に語れそうな恋愛談が微塵もなくてどうしたもんかと考えてた。

    「高校の時に好きだった〇〇ちゃんの話をしてみたら?」

    とか叔母がフォローしてくれたけど自分にとって高校時代は黒歴史のド真ん中で他人に話したら恥ずかしくて死にたくなるような話ばかり。そこで自分は小学生の頃に好意を寄せてた“エミちゃん”の話をすることにした。

  • 4◆n6Abbo7C9c22/05/02(月) 23:42:30

    “エミちゃん”は自分が小学生の頃、登校班が同じだった同級生。いつも水色のランドセルを背負っていて、背が小さくておかっぱ頭の女の子だ。どこの方言なのか分からない不思議なイントネーションで喋るのが特徴で、登校時には集合するのが一番遅い遅刻魔。今から思えば何かしらの発達障碍を持っていたのかもしれない

  • 5◆n6Abbo7C9c22/05/02(月) 23:45:42

    クラスが同じになったことはないため顔を合わせるのは登下校時ばかりだったが、引っ込み思案だった俺を“探検”と称していろんな場所に連れ出してくれた。そのせいで帰宅が遅くなりがちで、母からはそのことをこっぴどく叱られたのを覚えている。

  • 6二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 23:51:51

    みてるよー

  • 7二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 23:51:53

    ふぅん

  • 8◆n6Abbo7C9c22/05/02(月) 23:52:42

    ある日、エミちゃんは俺を近所の水路に連れ行ってくれた。結構な高さがある水路にはコンクリートの梁が掛かっていて、エミちゃんはその梁を“度胸試し”と称してひょいひょい飛び渡っていく。

  • 9◆n6Abbo7C9c22/05/02(月) 23:53:25

    「あぶなくないの?」


    と声をかける俺に


    「平気平気、>>1もついてくるんよ」


    とエミちゃんは楽しそうに返す。

    内心ビビり切っていたが、俺はエミちゃんに置いてかれたくない一心で梁に飛び乗った。

  • 10◆n6Abbo7C9c22/05/02(月) 23:57:29

    いざ飛び乗ってみると梁と梁の間隔は思っていたよりも狭く、傍から見れば人間離れしていたエミちゃんの身のこなしもなんてことないことに気づく。


    「ほ~ら、>>1も簡単や。出来ないことなんてないの」


    俺が梁を飛び移っていく様子を見ながら、エミちゃんは水路の防護策に腰かけてヘラヘラと笑った。

  • 11◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:00:29

    >>1はなんもビビりすぎな、エミが背中どんってしなきゃ何もできん。馬鹿だから」


    意地の悪い顔でこちらを見つめるエミちゃんに俺は少し腹が立ち


    「別に一人でもできるわ」


    とぶっきら棒に返す。

  • 12二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:02:27

    これあとどれくらい続く?

  • 13◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:03:17

    「無理無理、>>1は大人になっても何もできんよ!」


    ムキになった俺を小馬鹿にするようにエミちゃんは言った。


    「だからエミがずっと面倒見るん」


    本人にとっては何てことない発言だったってことは分かってる。けれどこの時のエミちゃんの言葉を聞いて自分はとにかく心がときめいた。

  • 14◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:03:37

    だが、こんな体験をしたにも関わらず、エミちゃんとの交流は小学四年生の夏休みが最後となった。高学年になるにつれて異性との付き合いに抵抗を感じ始めた俺はエミちゃんとも距離を置くようになったからだ。地域的には同じ中学に入学したはずなのだが、小学校卒業を境にエミちゃんとは全く顔を合わせなくなった。もしかしたら家庭の事情で引っ越し等をしていたのかもしれない。

    ― 結論から言うと俺の話は親戚たちに結構ウケた。

  • 15二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:04:02

    ふむ?

  • 16◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:05:39

    「ねえ、さっきの話に出てたエミちゃんって」

    宴会がお開きとなり、空のジョッキや食器皿を片付けてる最中に突然母に声をかけられた。

    何故か神妙な面持ちで、俺に話しかけるかどうかも随分思い悩んだようだった。

  • 17◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:08:08

    「あんたの架空の…想像上の友達だよね?」

    母の質問の意図が分からなかった。

  • 18二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:08:59

    流れ変わったな

  • 19二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:09:37

    ほう…

  • 20二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:10:24

    ⁉︎

  • 21二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:10:31

    そういう展開!?

  • 22二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:12:03

    おっと?

  • 23二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:12:25

    ヒエッ

  • 24二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:13:34

    なにっ

  • 25二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:14:17

  • 26◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:14:30

    母の言い分はこう

    まず小学生時代の俺の帰宅時間が遅いのは事実だが、俺が遊び相手だと主張していた“エミちゃん”には全く心当たりがなさそう。

    当時の登校班にもそれらしい人物はおらず、そもそも俺と同級生のメンバーは男の子で、女子は全て上級生か下級生だったらしい。

    母も当初は心配していたが、この歳によるある“イマジナリーフレンド”の類いとエミちゃんを解釈し、放置していたようだった。

  • 27◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:21:59

    理屈としては分かる。
    でもどうやっても自分には“エミちゃん”が実在しない人物ということが受け入れられなかった。

    「この手の“イマジナリーフレンド”と遊んだ記憶っていうのは成長するにつれて次第に薄れていくものじゃないのか?」

    とか

    「なんで記憶の中の“エミちゃん”はごく普通の小学生の格好をしているんだ?こうのってあからさまにファンタジックな姿形をしてるもんじゃないのか?」

    とか答えの出ない疑問がグルグルと脳みそを駆け巡った。

  • 28二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:22:38

    ワクワクしてる

  • 29二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:23:56

    ほへー怖いな

  • 30二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:24:00

    ワクワク

  • 31二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:25:11

    ①エミ(敬称略)は実在している。母親の記憶違い。
    ②エミは実在している。ただ、記憶の細部が事実異なっており、母親と1の間で認識の食い違いが発生している。
    ③エミは実在していた。彼女がなんらかの事情で消えた後、母親の記憶だけおかしくなった。
    ④エミは実在しない。狂っているのは1。

    さぁどれだ

  • 32◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:32:01

    イマジナリーフレンドというものは“受け入れがたくなった衝動の発散のための手段”であったり、“孤独感や無視され拒絶されている感じを埋めるもの”でもあるという。

    改めて振り返ると記憶の中の“エミちゃん”は当時引っ込み思案でまともに友達も作れなかった俺をいろんな場所に連れ出してくれた、それこそ俺にとって都合が良すぎるくらいに

    “エミちゃん”がいなければやらなかったであろうことも“エミちゃん”がいればできた。他人様のウチの柿の実を盗み取ったり、ピンポンダッシュだったり、水路の梁を飛び渡る度胸試しだってそうだ

  • 33二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:40:33

    悲しいなぁ…

  • 34◆n6Abbo7C9c22/05/03(火) 00:41:42

    「だからエミがずっと面倒見るん」

    という“エミちゃん”の言葉を思い出す。
    あれは彼女なりの気遣いや遠回しな告白なんかじゃなく「“エミちゃん”がいれば自分にできないことはない」という一種の自己暗示だったんじゃないのか? 小学校の卒業を境に“エミちゃん”の姿を見なくなったのも、俺が“エミちゃん”を必要としなくなったからじゃないのか?

    どんなに考えても答えは出ないけどとにかく自分はこう結論付けることにする。いろいろな解釈があるだろうけど別に真相を明らかにしたいと思わない。オチもクソもない話だけどここらへんで終わりにする。おやすみなさい

  • 35二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:42:30

    卒業アルバム見れば真相がわかるというのは野暮か?

  • 36二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:43:10

    乙、面白かったよ

  • 37二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:46:17

    >>35

    卒業アルバムを綺麗に取っといてる人ってそんなにいなくない?

  • 38二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:49:00

    乙、面白かった……で感想合ってるか分からんが引き込まれたよ


    >>35

    家庭の事情で引っ越し等をしていたのかもってあるから……

  • 39二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:59:37

    >>35

    学年を間違えて覚えていたパターンも可能性としては有るから・・・

  • 40二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 03:42:45

    エミ"くん"だった可能性

  • 41二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 03:47:28

    マジでイマジナリーフレンドなら今からでもエミちゃん呼び出せるんじゃね?

  • 42二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 03:52:03

    こういう話で見つからなかったら名前間違えてる可能性もあるしなんなら名字からのあだ名を名前と思ってる場合もある
    似たような話リアルで聞かされて探したこと何回かあるけど普通に見つかったから頭使って探してみろ

  • 43二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 03:57:33

    普通に②じゃね、まあ乙

  • 44二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 04:19:37

    学年違いはありそうだな

  • 45二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 09:15:19

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