- 1二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 09:47:06
「うっ…ぐぅっ……!」
眠る度、毎夜のように同じような夢を見る。
この苦悩から楽になれる方向に何度も誘う甘い悪魔のような声が響き続けるのだ。
『もう、止めてしまったらどうなんだい』
『もう散々頑張ったじゃないか、それで何が変わった?』
憎たらしいことに、私の声とそっくりなのだ、その声は。
(うるさい…!)
『結局は君のその脚の脆さからは逃げられないんだ』
『分かってるのかい?何をしても何も変わらないんだ、ならこれ以上頑張る意味があるのかい?』
(うるさい…!うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!)
「私はっ……!!!」
声を張り上げようとした時、視界が開けた。見覚えのある景色だ、目が覚めたのか。
身体に衣服が張り付くような感覚を覚える。身体中が汗に溢れていたが、身体が暑い訳ではなかった。手が震えていたが、身体が寒い訳ではなかった。
「……うっ!?」
何かが身体の中からせり上がってくるのを感じトイレに駆け込む。これも何度目だろうか。
「けほっ…はぁ…はぁ……」
洗面台で口をゆすぐが、時間がそれなりに経っても未だに身体の震えは止まらない。
思わずも身体が崩れ落ち、洗面台にもたれかかる。
「折れちゃダメだ…まだ…まだ終わりたくない……」
口に出して気を強く持とうとするが、さすがにそろそろしんどかった。今この瞬間だけでも良いから誰かに支えてほしかった。
「トレー…ナー、君……!」
もはや何度目かも分からない涙を、私は静かに落としたのだった。
ってなってると尚更守ってあげたくなるよね - 2二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 09:51:40
スレタイよ
- 3二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 09:58:42
良いのが思い付かなかったんだ……
- 4二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 09:59:26
夜は自己嫌悪で忙しい方かと思った
- 5二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 11:35:47
拙者曇らせは好きだが最終的にはハッピーエンドを迎えてほしい侍、モルモット君が物理的にも精神的にも光になってくれることを信じる
- 6二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 11:40:12
東の空からドライブしてんのかと
- 7二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 11:41:01
素晴らしい
- 8二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 11:41:47
アクムノタキオンwwww
- 9二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 11:43:47
- 10二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 12:12:34
最終的にモルモットに依存するタキオン
それを受け入れるモルモット
美しい…… - 11二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 12:22:09
「研究に集中しすぎて眠れなかった」って言ってる日はこうやって魘されてたのを誤魔化してるときもあるのかと思うと興奮してきた
- 12二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 13:58:57
もうモルモット君に添い寝してもらうしかないな
あるいはデジタル - 13二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 21:02:29
- 14二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 21:27:24
最近はクソスレタイに良SSが流行ってるのか?
- 15二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 21:32:55
- 16二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 21:36:09
続けーーーるっ! プランA!
- 17二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 08:28:08
「おえっ……げほっ」
何回この絵面を見ただろうか。
トレーナー君に背中さすって貰えてるだけマシなのだが、苦しい。
何度も夢に現れるのだ。
自分の脚がいつか本当に壊れてしまったら。
自分の脚を何も変えられなかったら。
自分がターフに倒れているんじゃないか。
怖い。そんな結末だけは嫌だ。
諦めたくない。
なのに。
一人暗闇の中で私が苦痛に満ちた顔をしながら脚を抱えて地に伏せている姿が鮮明に何度も頭の中でリピートされるのだ。
あまりに生々しいビジョンに私は再び嘔吐する。
「はぁっ…はぁっ……」
トレーナー君が心配そうにしている。
私は不安、恐怖、得体の知れない負の感情から逃げたいあまりにトレーナー君に抱き付く。
「ごめん…今は…こうさせてくれ……何処にも行かないでくれ………」
今はただ、この不安と恐怖が心を折らないようにするのに、精一杯だった。 - 18二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 20:24:49
保守
- 19二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 23:54:57
モルモット君が何とか救ってくれると信じたい……
- 20二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 11:46:28
モルモットくんが希望
- 21二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 23:45:22
このタキオンはレースで勝つ度にいい夢というか夢に対して抗えるようになるとかはあり?
- 22二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 23:46:27
期待と違う方でとてもよかった
- 23二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 11:44:04
あり、それで自分を証明してくれ
- 24二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 23:04:31
「もう…駄目だ…トレーナー君……
私はもう…自分がどうしたらいいのか分からない…」
私は不安と故障の恐怖が限界に達し、トレーナー君にしがみつき顔をうづめたまま声を振り絞る。
覚悟は決めたはずだった、自分の足で理論を証明するつもりだった。しかし、私は弱かった。暗闇の中で何度も何度も夢を見る。叶わなかった、届かなかった、無駄だった。夢の中での声は日々大きくなっていった。
いつからか心のなかで小さく『諦めた方がラクになるじゃないか』『結局無駄なら辞めてしまったらどうだい』という想いが湧き出ていた。
「私は…もう何が正しいのか分からないよ……プランAをこのまま続けるのが正しいのか…さっさと………さっさと諦めてしまうのがいいのか…」
「トレーナー君……私は自分で決められなくなってしまったよ………だから君が決めてくれ……続けるのか、続けないのか、どっちななのか………」
心が暗い感情に押しつぶされていたのだろう。だから私は選択からさえも逃げてしまった。
だが、トレーナー君は私の両肩を掴み、あの時と変わらない目で私の目をじっと見た。
「俺にはタキオンのこれからを決めることはできない。だから…………」 - 25二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 23:06:17
「俺にはタキオンのこれからを決めることはできない。だから…………」
トレーナー君がバッとシャツを脱いだ。目に入ったのはツヤツヤとし、がっしりと肉のついた胸筋。そこにはプランAと書かれた紙とプランB と書かれた紙がついていた。
「筋肉ルーレットで決めよう。筋肉ルーレットスタート!ガッシャン!」
「てってってってってってってってってって…」
「てっ…てっ……てっ………てーー!!!!」
「おみごと!プランAが選ばれました!
君のレース人生は一生明るいものとなるでしょう!」ハッ!
その日から私の迷いは無くなり、私は史上最強の80冠ウマ娘になった。あのときにトレーナー君がいてくれなかったら、筋肉ルーレットがなかったら、私はきっと自ら心が折れていただろう。
ありがとうトレーナー君。ありがとう筋肉ルーレット。 - 26二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 23:10:23
それを心配そうに見つめるデジたん…
- 27二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 23:12:23
まーたタキトレが薬物で作り上げた偽りの肉体でイカサマルーレットしたのか
失望しました…ライアンのファンやめます - 28二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 00:25:56
なんで!なんでそう変な方向に思い切りが良いの!!?
- 29二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 12:17:17
サンキューきんに君