- 1二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 14:42:06
会長とそのトレーナーの方には以前フラッシュのことでシービーを紹介して貰った関係はあるけれども、親しい仲というわけではない。
不思議ではあったが少し相談したいことがある、と言われては断る理由も特に無い。
「申し訳ないです。いや、大した話ではないのですが…」
少し年上の会長のトレーナーは何やらいいよどむようにする。
「いえ、俺でお力になれるなら。いつぞやはフラッシュのことでお力添えをいただけましたし」
シービーの走りとの出会いがフラッシュの成長に繋がったのは言うまでもない。
「ありがとう。あれは当然のことをしたまでですが、君がそう言ってくれるなら甘えようと思います。それと、申し訳ないがここで喋ったことは内密に…」
「勿論です」
ほっと肩を撫で下ろしたような会長のトレーナー。こほん、と咳払いをすると、いよいよ本題に入る。
「いや、話は単純なことなのだけれども、担当ウマ娘の扱いというか、そういうところで秘訣を伺いたくてね」
「秘訣?…」
思わず首を傾げる。会長とそのトレーナーは若くしてある種の理想像のような関係にすら見える。
「ああ、君にもそう見えますか。そうか、端からみればわからないものですね。いや、ルドルフが最近ね。妙に情熱的で困ると言うか…」
「困る?」
「ええ。無論、公の場でそういうことはないのだけれど。そこでそういうのに慣れてそうなトレーナーに意見を伺いたくてね。先輩……ああ、マルゼンスキーさんのトレーナーはまあ、慣れてはいそうだがろくなアドバイスはもらえないのは目に見えている。そこで白刃の矢を君に当てたのです」
「は、はぁ…」
自分はそんなに慣れているように見えるのだろうか。フラッシュと楽しくお出かけするのには慣れているのは確かだが、情熱的なあれそれに慣れているというよりフラッシュに慣れているだけのような気もする。 - 2二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 14:44:38
白刃の矢
随分殺傷性の高そうな白羽の矢だ… - 3二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 14:56:38
「私としてはこう、はしたないからやめなさいと言いたいのだけれど、ルドルフが妙に大胆になると、言い出せなくてね…」
「は、はぁ…」
「まぁ、あまり想像できないかもしれない。あの皇帝が、なんて。だけれども最近は…。ああ、失礼。それで、君にアドバイスをもらいたくて話をする機会を儲けのです」
「はぁ、あの、お話はわかりましたが、何故俺に?」
「何故?…ああ、それは君がトレセン学園のトレーナーとして色男で通ってるからです」
「色…男?」
若干不名誉な称号にも聞こえる。何より身に覚えが無い。
「ええ。女性の扱いが上手いと。確かに気難しさもありそうなエイシンフラッシュさんが君には大変心を許しているように見える。ああ、女心を弄んでいるとかそういう意味では無いです。勿論」
悪名が轟いているわけではなさそうでとりあえずほっとする。フラッシュに心を許されているように見えること自体は光栄なことだ。 - 4二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 14:59:22
これは続きを期待
- 5二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 15:10:19
フラッシュのトレーナーとして自身は彼女のメンタルケアに気を配っているのは確かである。彼女の求めに応じてスポーツをしたり、カフェめぐりに出掛けたりとそういった面にも気を配っている。トレーナーとしての経験や実績は目の前にいる会長のトレーナーの方が遥かに上にあるが、そういった面のアドバイスなら出来るかもしれない。
「力になれるかはわかりませんが、俺とフラッシュの経験が役立つなら」
「ありがとう。…時に、やっぱり君も担当から妙に大胆に見えることをされたことは?」
「いえ、特には…ああ、でもフラッシュは距離が近いと言うか、ぎゅっと抱きついてくることは多いので、そこは少々意識しないと言えば嘘になります。彼女としては意識はしていないのでしょうけれど」
「なるほど、海外ウマ娘ならでは、かな。ふむ、無意識ならまだいいのだけれど、最近のルドルフは…」
ふぅ、とルドルフのトレーナーはため息をつく。普段泰然自若に見えるルドルフのトレーナーにしては珍しい。勝利は無論のこと、敗北にあっても泰然としているのがルドルフとそのトレーナーであるというのが共通認識になるほどである。 - 6二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 16:30:32
保守
- 7二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 16:51:37
ほほし
- 8二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 16:55:28
これはもしや…あの方かな?保守保守
- 9二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 17:00:47
ルドルフが2人きりになると抱きついてきたり夏に向けて水着を新調したといって白ビキニを着て見せつけてくるとかそんな感じ?
ウッ - 10二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 17:14:35
あんな甘い言葉をさんざん囁いておいて色男と呼ばれることに身に覚えがないとか言っちゃうフラトレはさぁ…
- 11二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 18:12:49
「妙に色気づいてきたというか、どこかの誰かから悪影響を受けたというか…いえ、私が彼女を子供としていなせればいいのですが」
若干恨めしげに呟くルドルフのトレーナー。ため息が一段と重い。
「しかし、彼女ら相手に子供扱いは…」
ウマ娘にはよるが、例えば自身の愛バに対して子供扱いの片鱗を見せたらどうだろうか。十中八九彼女は傷つくだろう。
「そう、それはあまり良い手とは言えないですね。ルドルフは温厚ではあるがプライドは確り持ったウマ娘。拗ねられるのも困ります」
拗ねるシンボリルドルフというのも想像つかないが、担当トレーナーの彼が言うのならそういう状態になるのだろう。まぁ、そうでなくても火に油を注ぐ状況になるのは想像できる。
「トゥインクルシリーズ中はそういうこととは無縁だったのですが、最近のルドルフは妙にね。今さらになって年頃の女性の扱いの難しさを痛感させられるとは思いませんでした」
しみじみと話すルドルフのトレーナーはそれほど年が変わらない筈なのに妙に枯れて見える。 - 12二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 19:12:43
「まぁ恥ずかしながらですね。彼女に女性としての魅力をまったく感じないといえばそれはそれで嘘になってしまう。情けないことですが。それで、いなしかたを求めてね」
トゥインクルシリーズを走っていた頃ならいざ知らず今のシンボリルドルフ会長は傍目に見ても大人の女性の雰囲気を醸し出している。フラッシュはそういうところはまだ無いのでアドバイスしようがないから困惑する。が、ひとつだけ言えることはある。
「俺にはそういう経験が無いからわからないですが、結局トレーナーとして彼女たちに出来ることは、いなすことではなく真摯に答えることだけではないでしょうか?」
トレーナーとウマ娘という関係では、レース以外にあってもここを曲げることは無い。目をぱちくりとさせたルドルフのトレーナーはにこりと微笑む。
「その通りです。少々逃げることに気を向けすぎていましたね。しかし…しかしなぁ…それをやるということはなぁ…」
「そ、そんなに重いんですか、彼女は」
「いえ、そういうことではありませんが、腹を決めて彼女を説得するのは骨が折れるということです。おためごかしは彼女には聞かないのは骨身に染みていますからね」
「真摯に彼女を思う気持ちを伝えれば、意図も伝わりますよ」
「いや、そういう言い方をするとむしろやぶ蛇になりかねないというか…」 - 13二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 22:21:33
「ルドルフはね、非常に美しいウマ娘です」
一瞬いやいやフラッシュも負けてはいない、などという言葉が出そうになったが抑える。
「ああ、そういうことではなく、世間一般的に言ってもということです。容姿端麗な彼女がね、トレーナー室でこう、妙な色気を伴った形で迫ってくるというのは本当に心臓に良くない。ここ最近は本当にあまり彼女らしくない手も使ってくるし」
「ルドルフ会長らしくない?」
「ええ、まぁ、他の生徒会メンバーを引き合いにだしてね。私のプライベートでの生活が少し気になるなんて伝えてきたり」
他人を引き合いにだすのは確かに会長らしくないかもしれない。
「あまり色気のある衣装は止めてほしいと告げると、微細にその意図を聞いてきたりね。ああ、レースに関すること、生徒会活動に関することに関しては以前とあまりかわったところは無い。その点に関しては安心なのですが」 - 14保守22/05/04(水) 09:40:36
独占力持ちだからね。仕方ないね。
- 15二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 21:23:54
ええやん...
- 16二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 22:59:19
ルドルフ会長は清廉なイメージがあり確かにそういった色気のあるものを好むイメージは無い。レジェンドウマ娘でも例えばマルゼンスキーならば、そういったものも着こなすイメージはある。何ならグラビアもこっそり持ってる。
「トゥインクルの頃ならまだいなせたでしょうが、ここ最近の彼女は女性としての魅力も増してきて……まぁ、確かにそういう意味ではトゥインクルシリーズのウマ娘を担当している君には実感しづらいことだったかもしれません。迂闊でした」
そう言われて、あり得ないがトゥインクルをすぎたあとの妙齢となったエイシンフラッシュを思わず想像してしまう。ほんのり今より大人びたエイシンフラッシュが、色香をただよわせて自分に迫る姿を。確かに想像するだけで理性は崩されそうになるかもしれない。まったくあり得ない仮定ではあるのだが。 - 17二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 10:54:41
もしかして過去作あるのか...?
- 18二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 22:24:00
保守
- 19二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 22:43:36
「ありえないと思ったのは私も同じですよ」
心の声を読まれてしまったようだ。
「いや、本当に。他に見せられないような真似は慎むべきとは伝えているけれども、それがかえってムキにさせてしまっているのかな。…真摯に受け止める以外に、コツはないのかな?」
すがるような目をするルドルフのトレーナーに対して、伝授できるような策は無い。首を横にふると、ため息をつかれてしまう。
「そうですか、やはり面と向き合う時間をしっかりと取るしかないか…」
丁度そのタイミングで、ルドルフのトレーナーのモバイルの通知音が鳴る。七冠を祝した歌のメロディだ。
「失礼…ルドルフからです。もしもし、ルドルフ?ああ、そのことか。ちょっとそのことで話を改めてしたいのだけれども。…何?私の家でゆっくり話を聞きたい?いやだからね。見せられないものがあるのか?そういうわけではないが…ルドルフ?勝手に話を進めないでくれ。何?待ってる?ちょ、ちょっと…ルドルフ?」
ツー、ツー、と通話が切れた音が響く。この様子だと自身が想定しているよりルドルフが先走っているようだ。あのシンボリルドルフが、というのは信じがたいことではあるが。ルドルフのトレーナーは助けを求めるようにフラッシュのトレーナーを見る。
「…申し訳ないけれど、付き添ってくれませんか?」
「…お断りします」
割ってはいったらそれこそ恐ろしい目にあいそうなのでその誓願をすぐに却下する。そうですか、と重くため息をつくルドルフのトレーナーは立ち上がる。ちょっと話をしてきます、というその背中は妙に哀愁をただよわせていた。 - 20122/05/06(金) 09:16:47
なんか中途半端になってしまってすみません…!うまく話をつなげられなかった。反省…!
- 21二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 20:52:17
あげ
- 22二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 21:50:37
続き気になる
- 23二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 22:02:33
「……ということが昔あったんだ」
「なるほど、流石に会長ともなると大胆ですね。私はそこまでは思いきれなかったですから」
シーツにくるまりながら若干頬を染めるのは、かつてのフラッシュのトレーナーの現在の恋人である。
「まあ、今思えば会長の回りはなんというかそういう関係のトレーナーとウマ娘が多かったからというのはあるかもしれない」
無論それも後から知ったことではある。公然と言うものではない。つぶさに観察していたり、あるいは友人関係にあればわかるかもしれないが。
「トレーナーさん」
彼女のトレーナーでは現在はないのだが、彼女は今も呼び慣れた名で呼ぶ。
「もし、トゥインクルシリーズを駆け抜けた後に、そんな風に私が大胆になったら、どうしていましたか?」
「ええ?それは……」
悪戯っぽく微笑む彼女は彼の耳元で囁いて肌を重ねる。彼女から伝わる体温と囁くような声に心臓が高鳴る。むろん、それだけではない。
「…それどころではなくなってしまいましたね。続きは、貴方と私が落ち着いたら」
「フラッシュ…」
愛しい人の名を呼んだ彼は、言葉すくなに彼女の唇をふさいだ。 - 24二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 09:51:27
保守
- 25二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 20:38:40
オラッ!ガードベントォ!