ウマ娘プリティーダービー season2に対する一考察 -主人公のライバルへの目線の変化について-

  • 1二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 05:30:29

    近年稀にみる売上を記録した本作だが、内容自体の評価も高く、現在まで多くの人間がこの作品の感想や考察を寄せてきた。
    主人公トウカイテイオーの性格の変化という点においても本作は大変興味深いが、残念ながら同視点を発展させた考察は多くはない。
    筆者が指摘したいのはトウカイテイオーが1期やアプリ版などと比べて非常に大人っぽいと評価されるのはただ単に挫折を重ねてきたからという理由だけではなく、ともに走るライバルへ寄せる想いの変化によるところが大きいのではないかとする点である。今回は本テーマを中心に考察を重ねていきたい。
    過去の先行研究と重複する点も多々あるだろうがご容赦願いたい。

    1話においては目標となる特別な存在(EDのアイキャッチで表現)=シンボリルドルフ以外は、自分を脅かす可能性のあるライバルとその他しかいなかった。
    しかしながら天才のテイオーにとっては、クラシックで一緒に走るライバルたちも大した脅威にはなっていない。
    また、メジロマックイーンをライバルと言及してはいるが、これは目標へ到達するためにいずれ打ち負かすべき障壁という意味合いが強い。
    ライバルという言葉の重みが双方で違い、マックイーンはテイオーにライバル宣言されたことを意識しているが、発言した当の本人は深く捉えていないのである(11話と明らかに異なる態度だ)。
    このように1話までのテイオーは、ありていに言えば唯一絶対の存在とその高みに至るまでの踏み台達の世界に居た。

  • 2二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 05:32:14

    2話では菊花賞に出走するライバル達を観客として改めて見直す機会が与えられる。
    本命不在となった菊花賞だが、テイオーを上回るんだという強い想いを持ち、自身の想像を超えて強く成長したライバル達をテイオーは評価し直すことになる。

    3~6話では目標が無敗に移り変わるため、現役最強格とされるマックイーンを改めて強く意識する。
    結果的に5話の直接対決で敗北、6話で怪我をしてもライバルの存在を糧に特訓に励むマックイーンを、
    身体的にも精神的にも強い存在として改めて捉えるようになる(EDのアイキャッチがマックイーンに変化する)。

    6~9話は三冠を期待されたが叶わなかったミホノブルボンと3連覇を期待されながら敗北したマックイーンのエピソードだ。
    夢破れた者達と自分を重ね合わせて、更にテイオーは一緒に走るライバル達の想いを理解していく。
    また、以前は一緒に走ったことも覚えていない存在だったが、夢を託されて奮起し、客観的評価を覆してライバル達を倒した存在であるライスシャワーを認めるようになる。

  • 3二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 05:33:45

    10話では絶対的弱者であるツインターボが強者であるライスシャワーに勝利する姿を目の当たりにする。
    3度目の骨折の後に力が戻らず客観的に終わったウマ扱いのテイオーはある意味ツインターボと同じ絶対的弱者となったわけだが、
    この奇跡的な勝利から自身の存在ごと救い出され、ツインターボと同様に現在のテイオー自身にも新たに価値を見出せるようになる。
    何回も名前を間違えられていたツインターボであるが、いきなり師匠扱いになることも当然といえる。

    11話は単なる箸休め回ではなく、テイオーが新たな視点でライバル達を評価する重要な回だ。
    今までは自身と比べて強い相手かどうかが大きな評価項目であったが、ここではライバルを評価するだけではなく興味をもつように変化していることが描かれている。
    恐らく以前までのテイオーであれば、例えチームのためでも、自分と戦うわけでもない相手の情報収集を自分から行おうとはしなかったことだろう。
    マックイーンに対する態度も1話と比較して明らかに変化し、改めてお礼を言うことも気恥ずかしくなるほど重要な存在となっていることが分かる。

    12話は目標だったマックイーンが精神的挫折を見せる(自分のためだけでなくテイオーのためにという責任感があったため仕方がないのだが)。
    マックイーンは引退も視野に入る絶望的状況に陥り、本人に指摘される通り現在のテイオーと同様である。
    テイオーはここで自身が奇跡を起こすことで、かつて10話で師匠がテイオーを救ってくれたように、マックイーンを救い出すことを誓う。
    EDのアイキャッチではついにテイオー自身が映し出されている。自分の行動で他人を勇気づけることのできる存在=目標と現在のテイオーが一致したのである。

  • 4二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 05:36:28

    13話では他のライバルも勝ちたいと思っているのに自分が勝ちたい気持ちだけでは勝利できないのではないかと疑問を呈する。
    以前までであれば自分の勝ちたい気持ちが最も強く、だからこそ自分が勝つのだというふうに捉えていたように思われるテイオーだが、
    ライバルも決して自分に劣らないほど強い気持ちを持っていることを認識することができた現在のテイオーならではの質問であると言える。
    ルドルフは、他人の勝ちたい気持ちが分かるようになった今のテイオーだからこそなのか、あえて他人の気持ちと比較するのではなく自分の気持ちに絶対の価値を置くように話す。
    最後の直線でマックイーンのカットインが入っているが、ここまでの流れからはマックイーンのためというよりはあくまでもテイオー自身の欲求、動機付け、夢としての表現なのだろう。
    そしてその夢は叶ったことがラストで示されて物語は終わる。

    このように全体を通してライバル達の強さ、美点、想いを認められるように成長していることが2期のテイオーが大人っぽいと言われる所以なのであろう。

  • 5二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 05:41:06

    一期も考察してくれ

  • 6二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 05:45:50

    二期九話で心が完全に折れたけど
    GWを機にやっと完走できた自分にはタイムリーなスレ

    挫折の度に心をえぐるつらいアニメだったけど
    こうして考察を見ると本当に良く構成を考えられたアニメだったとしみじみと思います

  • 7二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 06:05:14

    一期に関しては主人公二人のお互いの関わり方の変化という観点から論じると興味深い部分がある。
    サイレンススズカとスペシャルウィークに関しても序盤から終盤にかけて精神的に成長しているのは
    一時共依存のような関係になっていたところを脱却できた点が大きいと筆者は考える。

    序盤ではスぺちゃんが一方的にスズカに憧れるのみだったが、スぺちゃんの境遇を知るうちにスズカもスぺちゃんを心配の絶えないながらもいい後輩として接するようになるのだが、スズカの怪我の後にはその関係は危険な状態に陥りかねなかった。

    中盤ではお互いを気遣うあまり自分のことがおろそかになってしまう二人の共依存ともとれる関係性(スズカはスぺちゃんに頼ることで存在意義を見出し無意識のうちに自立することができなくなり、スぺちゃんはスズカに頼られる状況を是として結果的にスズカの復活を阻んでいた)の結果、怪我の後になかなか本気を出せないスズカ、スズカのことばかり気にしてレースのライバルも自分の走りにも集中できないスぺちゃんといったように悪影響を及ぼしている。

    終盤ではお互いのことを思えばこそ自分のことをしっかりやる=レースで語るという意思が終盤のスズカ、スペちゃんの姿勢から示される。具体的にはあえてレースで応援にはかけつけず優先するべきことがあるならそれをやろうというスぺちゃんや自分の復活を信頼してくれているスぺちゃんのためにもレースに必ず勝とうとし、また100%スぺちゃんの勝利を確信し心配することをやめたスズカというように各自の成長が描かれていた。

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