- 1◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 15:19:45
- 2二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:23:40
- 3◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 15:24:22
- 4二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:24:29
- 5◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 15:25:22
ハイ!良いですよ
- 6◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 15:30:03
- 7二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:06
- 8二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:06
アブソリュートタルタロス(ウルトラギャラクシーファイト)
一人称:我 二人称:お前、呼び捨て
口調:常体で話す。基本的にどこか相手を見下した様な態度を取っていたり、失敗した者に対しては一切容赦しなかったりと性格は冷酷であるが、その本質は極めて冷静沈着である。
参考サイト:w.atwiki.jp - 9二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:06
- 10二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:06
皇神楽耶(コードギアスシリーズ)
一人称;わたくし、二人称:あなた、あなた様、口調:丁寧な女性語、普段は子供っぽい言動なども多く見られるが、非常事態には冷静で地位に見合った言動がとれる。
参考URL:w.atwiki.jp - 11二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:07
- 12二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:07
- 13二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:07
- 14二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:07
- 15二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:08
七度ユキノ(ブルーアーカイブ)
一人称:私/わたし
二人称:あなた/呼び捨て/肩書/苗字+肩書
口調:基本クール寄りな感じだが目上の相手や大勢に向けての場合には丁寧語を使える
参考URL:bluearchive.wikiru.jp - 16二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:30:09
- 17二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:31:20
- 18二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:31:33
あっ一発で埋まったっ
- 19二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:32:03
しゃあっ
- 20◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 15:32:23
- 21二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:33:37
- 22二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:34:46
- 23二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:35:41
- 24二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:36:26
- 25二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:36:51
- 26二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 15:37:22
- 27◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:16:56
プロローグ:嵐の夜の邂逅
激しい雷雨が、古びた洋館の窓を叩きつけている。
本来であれば交わるはずのない異なる世界、異なる時間の住人たちが、この異常気象に導かれるようにして、山奥に佇むこの館へと足を踏み入れていた。
「すごい雨ですね……。止む気配、全然ないや」
重苦しい空気が漂う暖炉のある広間。
不安そうに窓の外を見つめていたのは、中川しおりというごく普通の中学生だった。彼女は震える手でポットを持ち、集まった異様な面々に紅茶を振る舞っていた。
「ありがとう、しおりちゃん。君も座ってなよ。そんなに気を遣わなくていいから」
赤と青のタイツスーツの上からパーカーを羽織った青年、ピーター・パーカーが、気遣わしげに声をかける。彼は壁に張り付くことなく、常識的にソファに腰掛けていたが、マスクの下の表情は優れない。
その隣では、金髪の少年・高嶺清麿が分厚い魔導書のような本を閉じ、鋭い眼光で周囲を観察している。
「携帯の電波も繋がらない。この館、ただの廃墟にしては手入れが行き届きすぎているな……」
「フン、くだらん。我にとっては、このような嵐などそよ風にも劣るわ」
豪奢な長椅子を独占し、傲慢に足を組んでいるのは、黄金に輝く巨体を持つアブソリュートタルタロスだ。その全身から放たれる威圧感は、ただならぬものがある。
「おい、金ピカ。場所詰めろよ。オレ様の席がねぇだろうが」
隻眼の狼、ウルフ・オドネルが不機嫌そうに唸り、鋭い爪でテーブルをコツコツと叩く。一触即発の空気が流れるが、それを優雅な手つきで制したのは、十二単のような衣装を纏った小柄な少女、皇神楽耶だった。
「まあまあ、皆様。このような事態ですもの、争っている場合ではありませんわ。今宵はひとまず、雨風を凌げることに感謝いたしませんこと?」
- 28◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:17:56
「そうですね。……ですが、妙な胸騒ぎがします。ここには『死』の気配が澱んでいるような……」
処刑人の家系である山田浅ェ門佐切は、腰に差した刀に手を置き、油断なく周囲を警戒している。彼女の言葉に、食蜂操祈が長い金髪をかき上げながら、けだるげに溜息をついた。
「もう~、せっかくのティータイムなんだから、怖いこと言わないでよぉ。メンタルアウトしちゃうわよ?」
科学者のニコラ・テスラは、館の照明器具を興味深そうに眺めながら、ブツブツと数式を呟いている。拳獣リカルドはボクシングのシャドーのように体を小刻みに揺らし、七度ユキノは無言で部屋の隅に立ち、まるで警護任務中のように周囲を見張っていた。
そして、着物姿の女性・斗和子は、妖艶な笑みを浮かべながら、楽しそうに人間たちを眺めている。
「あの……皆さん、お部屋はたくさんあるみたいですし、今夜はもう休みませんか? 明日になれば、きっと晴れるはずです」
中川しおりの提案は、もっともだった。
出口は閉ざされ、外は嵐。ここで夜を明かす以外に選択肢はない。
「そうだな。お前たち、変な気は起こすなよ」
清麿が釘を刺し、それぞれが適当な空き部屋へと散っていく。
しおりは最後に、残った紅茶を片付けながら、ポツリと呟いた。
「早くおうちに帰りたいな……」
その願いが叶うことはないことを、彼女はまだ知らない。
館の柱時計が、深夜0時を告げる鐘を重々しく鳴らした。
- 29◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:20:30
プロローグ(後半):朱に染まる目覚め
翌朝。
昨夜の狂乱したような嵐は嘘のように去り、窓の外には鬱蒼とした森と、どんよりとした曇り空が広がっていた。
館の中は静寂に包まれていた。
だが、その静けさを破ったのは、目覚まし時計の音でも、小鳥のさえずりでもなかった。
「……ッ!?」
廊下を歩いていたピーター・パーカーが、突如として足を止める。
彼のうなじを、強烈な悪寒――『スパイダーセンス』が突き刺したのだ。それはかつてないほどの強度で、"手遅れ"であることを告げていた。
「おい、どうした?」
早起きをして館の見回りをしていたウルフ・オドネルが、不審そうに声をかける。だが、ピーターはそれに答えず、ある一点の部屋を見つめたまま顔色を失っていく。
そこは、昨夜紅茶を振る舞ってくれた少女、中川しおりの部屋だった。
「……血の、匂いがします」
山田浅ェ門佐切が、刀の柄に手をかけながら音もなく現れる。処刑人として死に慣れ親しんだ彼女の嗅覚が、ドアの隙間から漂う濃密な鉄錆の臭いを捉えていた。
三人が顔を見合わせ、ピーターが意を決してドアノブを回す。
鍵はかかっていなかった。いや、"壊されていた"。
「しおりちゃん、入るよ……!」
ドアが開け放たれる。
そこに広がっていた光景に、異世界から来た猛者たちでさえも息を呑んだ。
- 30二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 16:23:24
- 31二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 16:23:31
あっ(察し書き文字)
- 32◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:23:52
ベッドの上は、赤一色だった。
壁にも、床にも、飛び散った鮮血が芸術的なまでの惨劇を描いている。
その中心で、中川しおりだった"モノ"が、物言わぬ肉塊となって横たわっていた。それは単なる殺人ではない。獣に喰い荒らされたかのような、冒涜的な死に様だった。
「ひどい……なんてことを……」
遅れてやってきた皇神楽耶が口元を押さえ、その場に崩れ落ちる。
高嶺清麿が奥歯を噛み締め、ニコラ・テスラは興味深さと嫌悪が入り混じった顔で現場を見つめた。
その時だ。
館の全員の脳内に、"声"が響いた。
それはスピーカーからの放送ではない。彼らの本能そのものに直接語りかけるような、粘着質で、捕食者の欲望に満ちた念波。
『――美味であった』
その声は、殺戮を行った"人狼"の意思そのものであり、同時にこの理不尽なゲームを支配する"ゲームマスター"の声でもあった。
『我は人狼。飢えたる獣の意思なり。
この館に集いし贄(にえ)たちよ。昨夜の食事は前菜に過ぎぬ。
我は貴様らの中に紛れ、人の皮を被り、夜毎ひとりずつその喉笛を喰いちぎるであろう』
姿なき声は、嘲笑うように続ける。
『生き残りたくば、昼の間に議論し、我を見つけ出し、処刑してみせよ。
出来なければ……今夜もまた、誰かが我が血肉となる。
さあ、始めようか。命を賭した、騙し合いを』
『人狼ゲーム、スタートだ』
広間に集まった11人の生存者たち。
互いを見る目つきが変わる。
さっきまで隣にいた誰かが、昨夜あの少女を喰い殺したバケモノかもしれないのだ。
疑心暗鬼の霧が、館に立ち込めた。
- 33二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 16:25:54
いやあああああ
- 34二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 16:28:04
こわっこえーよ
- 35二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 16:31:27
核兵器を喰らい...
肉塊にされ...
それでもバトロワに参加していた - 36二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 16:33:09
もしかしたら次はシミュロワで人狼を尻丸するのかもね
- 37◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:38:33
1日目:疑心暗鬼の円卓
中川しおりの遺体が安置された部屋を封鎖し、残された11人は広間の円卓へと着席していた。
外は再び雨が降り出している。窓を打つ雨音が、沈黙をより一層重くしていた。
「……さて。あの『声』に従うなら、この中に昨夜、あの子を食い殺した化け物がいるということだ」
口火を切ったのは、高嶺清麿だった。彼は冷静さを努めて保ちながら、鋭い視線を全員に巡らせる。
「ふざけるな! なんでオレがこんな茶番に付き合わなきゃならねぇ!」
バンッ! とテーブルを叩き、立ち上がったのはウルフ・オドネルだ。
その鋭い爪と獣の容姿。誰もが一度は抱いた疑念を、斗和子が艶然と微笑みながら口にする。
「あら、怖い。でも……あなた、見た目がもう『そのもの』じゃありません? 狼さんが人狼ゲームだなんて、冗談にもなりませんわ」
「なんだと? オレをあの汚らしい野獣と一緒にするんじゃねぇ!」
ウルフがブラスターに手を伸ばしかけた瞬間、涼やかな、しかし芯の通った声が割って入った。
「よせよ。無駄な争いはボクの趣味じゃない」
拳獣リカルドだ。
彼は椅子に深く腰掛けたまま、不敵な笑みを浮かべてウルフと斗和子を見比べている。その態度は自信に満ちており、この異常事態すら楽しんでいるかのような余裕があった。
「見た目で決まるなら、ボクだって似たようなものさ。それに、あの金ピカの彼だって怪獣の類いだろ? 重要なのは外見じゃない。『殺意』の在り処だ」
「フン……小賢しい人間風情が。我をそこらの有象無象と同列に語るな」
アブソリュートタルタロスは腕を組み、不愉快そうに鼻を鳴らす。彼は議論に参加する気すらないのか、目を閉じて沈黙を貫く構えだ。
- 38◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:42:48
「ええ、リカルドさんの言う通りです。見た目で判断するのは危険すぎます」
ピーター・パーカーが悲痛な面持ちで訴える。
「僕の……『勘』だけど、犯人はもっと狡猾に、僕たちの心理を利用しようとしている気がするんだ」
「心理、ねぇ……」
食蜂操祈が、自分のハンドバッグからリモコンを取り出し、くるくると弄ぶ。
「私としては、この空間自体が気に食わないわね。私の『心理掌握(メンタルアウト)』ですら、どこか霧がかかったように鈍らされている。……ねえ、そこの科学者さん。何か分からないの?」
話を振られたニコラ・テスラは、空中に指で数式を描きながら、ブツブツと呟いていたが、ふと顔を上げた。
「実に興味深い! この空間転移、そして脳内に直接響く音声……電磁気的な干渉ではない、未知のエネルギー場だ! 犯人捜しも大事だが、このシステムそのものを解明すれば、神ごとき所業も再現可能かもしれん!」
「今は脱出の話ではなく、生存の話をしています」
七度ユキノが冷淡にテスラの言葉を遮る。彼女は手元の端末で何やらログを取っていたが、諦めたように首を振った。
「通信は途絶。外部との接触は不可能。……現状、GMと名乗る存在のルールに従い、脅威を排除するしかありません」
「ですが、誰を? 手がかりは何もありませんわ」
皇神楽耶が扇子で口元を隠し、不安げに眉を寄せる。
その隣で、山田浅ェ門佐切は静かに目を閉じ、処刑人としての直感を研ぎ澄ませていた。
「……血の匂いは、全員から感じません。おそらく、犯行時には返り血を浴びない何らかの手段、あるいは『能力』を使ったはず。……皆様、互いの挙動、そして言葉の端々に注意してください。嘘吐きは、必ずどこかで綻びを見せます」
- 39◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:50:43
1日目:夕闇の断罪
議論時間は残りわずか。
広間の空気は張り詰め、殺気立っていた。
最も疑いの目を向けられていたのは、やはりその容姿ゆえか、ウルフ・オドネルだった。
「だから! オレは人狼じゃねぇと言ってるだろうが! 確かにオレは悪党だが、コソコソ人を食うようなマネはしねぇ!」
ウルフが吠える。しかし、その必死さが逆に周囲の警戒を煽っていた。
「そ、そうだ! そこのボクサー野郎! リカルド! テメェ、さっきから余裕ぶっこいてるが、人を殴り殺すのに慣れてるんじゃねぇのか!?」
ウルフの苦し紛れの矛先誘導。
それに呼応するように、艶然と微笑む女性がいた。斗和子だ。彼女は扇子で口元を隠し、鈴を転がすような声で囁く。
「あら……確かに。リカルド様、あなたのその『落ち着き』、初めての死体を見た反応にしては……少し、場慣れしすぎてはいなくて?」
「ハッ! 言いがかりもいいとこだな」
リカルドは腕を組み、不敵に笑う。
「ボクが落ち着いているのは、ここで取り乱しても勝利には繋がらないからさ。だが……そうやって必死にボクに罪を擦り付けようとするその姿勢、今のアンタは『追い詰められた狼』そのものに見えるぜ、ウルフ」
「……議論終了だ」
高嶺清麿が腕時計を見て宣言する。
「感情論はここまでだ。多数決で決めるしかない。……悔しいが、現状、最も怪しい挙動をしている人物に投票する」
- 40◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:53:40
運命の投票時間が訪れた。
投票:見えざる一票
11人の生存者たちが、それぞれ処刑したい人物の名前をカードに書き、GMへ提出する。
開票結果がモニターに表示される。
* 拳獣リカルド:2票
* ウルフ・オドネル:10票
『投票の結果、処刑されるのは……ウルフ・オドネル』
無慈悲なアナウンスが響く。
「なっ……! テメェら! 後悔するぞ! オレは違う!!」
ウルフが叫び、ブラスターを抜こうとする。
だが、その瞬間。
天井から無数の黒い鎖が出現し、ウルフの手足を拘束した。
「ぐ、がぁああああッ!!」
鎖は生き物のようにウルフを締め上げ、そのまま闇の虚空へと引きずり込んでいく。
断末魔と共に、彼の姿は消滅した。
後に残されたのは、彼が愛用していた眼帯だけ。
【ウルフ・オドネルが処刑されました】
「……終わった、のか?」
ピーターが呟く。
だが、GMの声は残酷に響いた。
『夜が来る。
人狼はまだ、この中に潜んでいる』
戦慄が走る。
ウルフは人狼だったかもしれない。だが、これで終わりではないのだ。
- 41◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 16:55:45
ここら辺で一度中断するんだァ
ちなみにこのスレではネタバレになるような文はなるべく削って投下しているらしいよ - 42二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 16:55:49
これで終了だったら笑えルと申します
- 43二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 18:18:32
捕手
- 44◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:30:26
2日目:露見する黄金の闇
重苦しい静寂の中、朝が訪れた。
生存者たちは再び広間に集まる。昨日のように、誰かの死体が発見されることを恐れながら。
だが――。
『本日の犠牲者は、おりません』
GMの無機質なアナウンスが響き渡ると、広間にどよめきが走った。
「誰も……死んでない? 本当か!?」
ピーター・パーカーがマスク越しに安堵の声を上げる。
「すごい! 誰かが守ってくれたんだ!」
その言葉に、部屋の隅で腕を組んでいた七度ユキノが、わずかに口元を緩めた。
「ふぅ……。まずは朗報ですね」
皇神楽耶が胸を撫で下ろす。
「そして、もう一つの報告があります」
凛とした声で進み出たのは、山田浅ェ門佐切だ。彼女は処刑刀を背負い直しながら、全員に向けて告げた。
「私は霊媒師です。昨夜処刑されたウルフ・オドネルの霊を見ました。……結果は**『黒(人狼)』**。彼は間違いなく、人狼の一体でした」
「やったぜ! 昨日のオレたちの判断は間違ってなかったってことか!」
リカルドが拳を握りしめる。
「あと一匹……いや、まだ残っている可能性はあるが、大きな前進だ」
- 45◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:31:44
場の空気は一気に明るくなった。
犠牲者ゼロ。最初の人狼を排除。村人陣営の完全な優勢に見えた。
だが、その空気を切り裂くように、高嶺清麿が立ち上がった。彼の手には開かれた魔導書がある。
「喜ぶのはまだ早い。……だが、これでチェックメイトだ」
清麿の鋭い視線が、円卓の向かいに座る"黄金の巨体"を射抜く。
「俺は占い師だ。昨夜、最も底知れない気配を放っていたアブソリュートタルタロスを占った」
清麿は一呼吸置き、断罪の指を突きつけた。
「結果は**『人狼』**だ!! タルタロス、貴様が残りの人狼だ!」
静まり返る広間。
全員の視線がタルタロスに集中する。
しかし。
当のアブソリュートタルタロスは、動じるどころか、クックック……と低い笑い声を漏らした。
「ほう? 下等生物にしてはよく吠える」
「往生際が悪いぞ! 俺には騎士の護衛がついている可能性が高い。だから貴様は昨夜、俺を襲撃し損ねた! 全ての理屈が通っている!」
清麿の論理は完璧だった。
だがその時、予想外の方向から援護が放たれた。
「あらあら、清麿さん。随分と自信がおありのようですけれど……嘘はいけませんわ」
扇子を揺らしながら艶然と微笑んだのは、斗和子だ。
彼女は清麿を憐れむような目で見つめ、とんでもない嘘を口にした。
「だって、私こそが本物の占い師なのですもの」
- 46◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:32:45
「なっ……!?」
清麿が絶句する。
「私の占い結果では、昨夜占ったニコラ・テスラさんは『白(人間)』でしたわ。……清麿さん、あなたが人狼だから、そうやってタルタロス様に罪を擦り付けて、主導権を握ろうとしているのではありませんこと?」
「な、なんだと……!? デタラメを言うな!」
「面白い! 実に面白いカオスだ!」
それまで沈黙していたニコラ・テスラが、目を輝かせて立ち上がる。
「論理的整合性を持つ清麿君と、唐突な変数を投入した斗和子君! どちらかが偽物(エラー)だ! さあ、証明したまえ! この状況、私の『世界システム』の計算リソースを割く価値がある!」
「混乱しないでください!」
七度ユキノが冷静に声を張り上げる。
「昨晩、私が護衛したのは高嶺清麿です! そして襲撃は失敗した。つまり、人狼は清麿を狙った! 彼が人狼なら自殺行為です。清麿の『白』は、騎士である私が保証します!」
「フン……ごちゃごちゃと騒がしい」
タルタロスがゆっくりと立ち上がる。その全身から黄金のオーラ(ナラク)が噴き出し、周囲の空気を震わせた。
彼は否定も肯定もせず、ただ傲慢に言い放つ。
「我は究極の生命体、アブソリュートタルタロス。貴様らが何を喚こうと、我を裁くことなど不可能だ。……さあ、投票の時間だろう? 好きにするがいい」
その態度は、諦めか、それとも絶対的な自信か。
- 47◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:33:49
【投票の時間】
開票結果がモニターに表示される。
* 高嶺清麿:2票
* アブソリュートタルタロス:9票
『投票の結果、処刑されるのは……アブソリュートタルタロス』
GMのアナウンスと共に、処刑執行の黒い鎖がタルタロスへ殺到する。
ウルフを葬った絶対の処刑器具。
だが、タルタロスはニヤリと嗤った。
「言ったはずだ。我は、アブソリュート(絶対)だと」
カッッッ!!!!
眩い黄金の閃光が広間を包み込んだ。
迫りくる処刑の鎖が、空間ごと粉々に砕け散る。
モニターに表示された『処刑決定』の文字までもがノイズと共に破壊された。
『エ……ラー……。処刑、システム、破壊……』
GMの声がバグる。
「な……処刑を、無効化した!?」
食蜂操祈が目を見開く。
「そんなのアリ!? 私のメンタルアウトだって、そこまで無法じゃないわよ!」
「これが我の力だ。……今日の処刑は『なし』だ。命拾いしたな、人間ども」
タルタロスは悠然と椅子に座り直した。
能力の代償として「人狼であること」は露呈したが、彼は力技で死の運命をねじ伏せたのだ。
「なんてことだ……。奴が人狼だと分かっているのに、殺せないのか」
清麿が悔しげに拳を叩きつける。
- 48二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 18:34:23
"二人の占い師"かあ
本物を暴くのは至難の技だ - 49◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:35:03
3日目:真実の閃光
朝。
生存者たちが広間に集まった時、そこには昨日とは違う、決定的な「終わり」の空気が漂っていた。
『昨晩の犠牲者は……2名』
GMのアナウンスと共に、モニターに二人の顔写真が表示され、×印がつけられる。
【死亡】ニコラ・テスラ
【死亡】斗和子
「テスラさん! それに斗和子まで……!」
ピーター・パーカーが悲痛な声を上げる。
だが、その直後だった。
バチバチバチッ!!
館の照明が一斉にスパークし、空間そのものが数式と稲妻に包まれた。
『私の計算は完了した! さあ、受け取ってくれたまえ! これが最後の遺産(システム)だ!』
死んだはずのテスラの声が響き渡る。
彼のインチキ能力『世界システム』が発動したのだ。
- 50◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:36:04
テスラの死を引き金に、生存者全員の脳内に、強制的に『真実』がインストールされる。
【強制開示】
* アブソリュートタルタロス …… 【人狼】
* 山田浅ェ門佐切 …… 【霊媒師】
* 高嶺清麿 …… 【占い師】
* 七度ユキノ …… 【騎士】
* 食蜂操祈 …… 【村人】
* 皇神楽耶 …… 【村人】
* 拳獣リカルド …… 【村人】
* ピーター・パーカー …… 【村人】
「……なるほど。これでもう、議論の必要すらなくなったな」
高嶺清麿が魔導書を閉じ、冷ややかな目で対面の巨体を見据える。
全員の視線が、ただ一人、アブソリュートタルタロスへと集中した。
「……ククク、ハハハハハ!!」
追い詰められたタルタロスは、高笑いを上げた。
「見事だ、人間ども! 科学者の最期のあがきで全てを曝け出すとはな!」
「笑っている場合か。今度こそ終わりだ」
拳獣リカルドが拳を構え、前に出る。
「アンタのインチキ能力『処刑無効』は昨日の昼に使った。今のアンタは、ただの頑丈な狼だ」
- 51◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:37:15
「ああ、そうだ。だが……貴様らに我を殺せるか? 投票などという生温い手段を待たずとも、今ここで皆殺しにしてくれるわ!」
タルタロスが殺気を膨れ上がらせ、戦闘態勢に入る。
ルール無用の暴力で盤面をひっくり返そうとしたその瞬間――。
「――あら、それは困りますわ」
甘い声と共に、タルタロスの動きがピタリと止まった。
彼の視線が宙を彷徨い、その剛腕がだらりと下がる。
「な、なに……貴様、何をした……!?」
タルタロスの視線の先には、リモコンを優雅に向けた食蜂操祈がいた。
彼女の瞳が、星形に輝いている。
「私の**『心理掌握(メンタルアウト)』**。……あなたの強靭な肉体も、脳への信号を操ればただの人形よ」
食蜂はウインクを一つ飛ばし、冷徹に言い放った。
「さあ、タルタロスさん。ご自分の口で、投票先を宣言してくださる?」
操られたタルタロスは、自身の意思に反して、ゆっくりと口を開いた。
屈辱に顔を歪ませながら、震える声で紡ぐ。
「我は……我、自身に……投票、する……」
「ついでに、もう一人分も頂くわね。……神楽耶ちん、お願いできる?」
食蜂の目配せに、皇神楽耶が扇子を開いて頷いた。
「ええ。わたくしの持てる権限(2票分)、すべて行使いたします」
- 52◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:38:15
- 53二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 18:38:50
たしかに能力は強いが…人狼ゲーム特有の考察要素が少し薄くなってる気がするのは大丈夫か?
- 54◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:39:15
エピローグ:雨上がりの帰還
GMの終了宣言と共に、館を覆っていた重苦しい霧が晴れていく。
窓の外には、眩しいほどの朝日が差し込んでいた。
「終わった……終わったんだね!」
ピーターがマスクを脱ぎ、座り込む。
「ふぅ。なかなかに骨の折れるゲームだった」
清麿が肩の力を抜き、隣のユキノに目を向ける。「護衛、感謝する」
「……任務でしたから」
ユキノは短く答えたが、その表情はどこか誇らしげだった。
生き残った者たちは、互いに顔を見合わせる。
異なる世界から集まった彼らは、この奇妙な連帯感を胸に、それぞれの帰路につくだろう。
犠牲になった中川しおり、ウルフ、斗和子、テスラのことは忘れない。
「さあ、帰りましょう。……きっと、美味しい紅茶が待っていますわ」
神楽耶が微笑み、出口の扉を開け放つ。
光の中へ消えていく彼らの背中を、誰とも知れぬGMが見送った。
【人狼ゲーム:終了】
勝者:村人陣営
MVP:七度ユキノ(鉄壁の護衛)、ニコラ・テスラ(真実の開示)
- 55二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 18:39:43
インチキ⋯糞
- 56二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 18:40:11
オツカレーッ ちょっとサクサクすぎたのかもしれないね…
- 57◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:43:45
なんじゃあこのワンサイドゲームは
一応能力や役職の開示をしとくのん…
高嶺清麿 占い師 【アンサートーカー】
ゲーム中1回のみ、GM(AI)に対し「はい」か「いいえ」で答えられる質問ができる(直接的な役職特定は不可だが、状況推理の答え合わせが可能)。
山田浅ェ門佐切 霊媒師 【試一刀(ためしいっとう)】
処刑された者の霊を見る通常の能力に加え、ゲーム中1回のみ、夜のターンに指定した生存者を強制的に「介錯(殺.害)」できる。ただし、対象が「村人陣営」だった場合、責任を感じて佐切も自害(脱落)する。
七度ユキノ 騎士 【FOX小隊・鎮圧戦術】
通常の護衛に加え、ゲーム中1回のみ、護衛対象を「拘束」できる。拘束された対象はその夜、人狼の襲撃から絶対に守られるが、翌日の議論と投票に参加できなくなる。
皇神楽耶 村人 【合衆国日本の宰相】
彼女が持つ投票権は、常に「2票分」としてカウントされる。この効果は本人も周囲も自覚できない(隠しパラメータ)。
拳獣リカルド 村人 【拳獣の轟拳】
人狼に襲撃された際、50%の確率でその襲撃を耐え、逆に襲ってきた人狼のうち1名を返り討ち(死亡)にする。
P・パーカー 村人 【スパイダーセンス(ムズムズする)】
自分が処刑、または襲撃対象に選ばれた際、直前の昼または夜に「僕の命が狙われている気がする!」とGMを通じて全体に警告アナウンスが流れる(回避はできないが、誰かが自分を狙ったという情報が落ちる)。
食蜂操祈 村人 【心理掌握(メンタルアウト)】
投票時間において、自分以外の任意の2名の思考を操作し、食蜂が指定した人物へ投票させることができる。(ゲーム中1回のみ)
ニコラ・テスラ 村人 【世界システム(ワールド・システム)】
テスラが死亡した際(処刑・襲撃問わず)、体内の電気が暴走し、生存しているプレイヤー全員の「役職」を強制的にチャット欄に一瞬だけ公開してしまう(ログには残らないが、その場の全員が見てしまう)。 - 58◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:44:57
【人狼陣営:3名】
(人狼2、狂人1)
キャラクター名 役職 インチキ能力:効果
A・タルタロス 人狼 【アブソリュート・デストラクション】
昼の投票で自分が処刑されそうになった時、その投票結果を「破壊」し、その日の処刑をなしにする。この能力はゲーム中1回のみ発動可能で、発動すると自分が人狼だと露呈する。
ウルフ・オドネル 人狼 【ウルフェン通信】
通常、人狼同士の会話は夜のみだが、ウルフは昼の議論中であっても、相方の人狼と念話(秘密会話)を行い、連携を取ることができる。
斗和子 狂人 【婢妖の憑依】
毎晩、生存者1名に「婢妖(ひよう)」を憑依させる。その人物が占い師に占われた場合、本来の結果とは逆の結果が出る(白なら黒、黒なら白と判定される)。
あのぅ、あまりにもすぐ終わったので第二回しませんか? - 59二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 18:47:11
このレスは削除されています
- 60◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:48:12
あっ、これは>>39でウルフが疑われた時の能力使用描写でやんス…
そんな中、ウルフの脳内に直接、冷徹な声が響く。これは彼のインチキ能力**『ウルフェン通信』**による、相方の人狼との念話だ。
『(おい、金ピカ! 黙って見てねぇで助けろ! このままじゃオレが吊られるぞ!)』
『(……無様だな、犬っころ。貴様のその短気さが招いた結果だ。我を巻き込むな)』
通信の相手、アブソリュートタルタロスは、現実の円卓では目を閉じたまま微動だにしない。
ウルフは裏切りに歯噛みしながらも、矛先を逸らそうと視線を走らせる。
- 61◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 18:53:42
AIみ、インチキ能力の性能はもうちょっと下げろって指示して第二回やるヤンケ
募集開始時間:19:10から
枠数:10枠
URL:あり
画像:安価後or安価と同時
口調と人称:あり - 62二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 18:54:06
このレスは削除されています
- 63◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 19:10:02
- 64二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:04
高阪剛眼(高校鉄拳伝タフ)
URL:高阪剛眼 - アニヲタWiki(仮)登録日:2020/04/15 (水曜日) 16:37:52 更新日:2022/05/12 Thu 13:15:12 所要時間:約 ? 分で読めます ▽タグ一覧 TOUGH タフシリーズ 僧侶 悪魔の右...w.atwiki.jp一人称:ワシ
二人称:お前
口調:関西弁
- 65二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:07
皇サクヤ(コードギアス奪還のロゼ)一人称:私、二人称:あなた、貴方
口調:基本的に丁寧ながらも柔らかな女性的な口調 、感情が滲むような場面では、やや揺らぐような口調
重要な決断や、他者に命じたり諭したりする場面では、「命じる」といった重みのある言葉を使うなど、毅然とした、強い意志を感じさせる口調が中心になる
参考URL:Sakuya SumeragiSakuya Sumeragi (皇サクヤ Sumeragi Sakuya) is the main protagonist of Code Geass: Roze of the Recapture. Using the alias of Roze (ロゼ Roze), they are part of the Nameless Mercenaries duo and act as the younger brother of Ash. Sakuya is a beautiful girl with fair skin, long black hair and purple-pinkish eyes. Notably, her irises are bluish near the center, distinguishing Sakuya from Sakura Haruyanagininomiya (whose irises are completely purple). As Roze, Sakuya is disguised as an...codegeass.fandom.com - 66二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:07
- 67二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:08
- 68二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:10
キノ(キノの旅)
一人称:ボク 二人称:あなた
口調:丁寧語でつねにドライで冷静な口調。
参考キノ(キノの旅) - アニヲタWiki(仮)登録日: 2018/01/21 Sun 12:41:48 更新日:2025/08/22 Fri 03:54:56 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 あとがき キノ キノの旅 ドライ ボクっ娘...w.atwiki.jp - 69二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:16
- 70二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:23
オベロン(FGO)
参考URL:w.atwiki.jp一人称:僕/俺(本性)
二人称:君/あんた(本性)
口調:表向きには親しみやすく、物語の王子様のような語り口。しかし本性を現すと、厭世的で毒舌、すべてにうんざりしたような冷めた態度に変わる。嘘と本音が入り混じった、人を食ったような話し方が特徴。
- 71二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:10:53
- 72二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:11:43
- 73二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:13:07
- 74二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:13:13
- 75二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:15:28
このレスは削除されています
- 76二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:15:39
- 77二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:18:06
一人称:オイラ
二人称:あんた、ニンゲン
口調:常に脱力したような、やる気のない話し方。会話の端々に駄洒落(ダジャレ)やジョークを挟む。ただし、核心を突く時や相手を威圧する時は、瞳のハイライトが消え、真顔でドスの効いた低いトーンに変わる。
- 78二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:20:53
- 79◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 19:22:16
記載出来るならした方が良いんじゃないスか
- 80二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:23:32
わ…わかりました
一人称:あてぃし 二人称:お前/あんた/おめぇ/呼び捨て/○○っち等のあだ名 口調:明るいが軽薄で毒舌な少女口調、ウザい、キモいなどの罵倒もよく使う
備考:ストリーマーの少女。配信時はポジティブで明るく、いつも笑顔だが、本性はとにかく毒舌で、気分の上下、裏表が激しい性格。自分のことを視認している(画像・写真・動画でも可)相手を俯瞰できる「千里眼」の魔法を持っている。
- 81二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 19:28:38
備考:妖精眼によりあらゆる嘘を見抜き、真実を映すこの眼は、オベロンに知性体が持つ悪意・短所・性質を明確に見せつけている。しかし、彼の持つ元来の呪いのせいで彼が本当のことを言うことはけしてない。
- 82◆3EE6ZOYUh5J125/11/30(日) 19:54:37
はうっ
思考モードが使用上限に引っかかったので開始は明日に回すのん… - 83二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 20:33:24
上限とかあるんすね…
- 84二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 22:37:06
保守ッ
- 85◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 01:53:27
悲しき保守…
- 86◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 03:53:41
保守を超えた保守
12時から再開する…パヴェルと申します - 87二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 07:41:36
一応保守を超えた保守
- 88二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 08:38:01
あざーす
- 89◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:02:28
オープニング(前編):『閉ざされた門と、異界の客』
叩きつけるような豪雨が、古びた洋館の窓を絶え間なく打ち鳴らしている。
外界から隔絶されたこの館「因果の館」の広間には、およそ接点などあり得ない奇妙な面々が集められていた。
「……圏外。マジで終わってんじゃん、この館」
スマートフォンの画面をタップしながら、派手な装いの少女、沢渡ココが苛立ちを隠さずに吐き捨てた。「あてぃしの配信、このままだとアーカイブ残んないんだけど? 誰かWi-Fiのパスワード知らない?」
「諦めたまえ。ここには電波もなければ、出口もないようだ」
そう冷静に応じたのは、旅人のコートを羽織った少年、キノだった。彼は腰に提げたパースエイダー(銃)の感触を確かめながら、濡れた前髪を払う。「ボクも先ほど、相棒(モトラド)と一緒に外へ出ようと試みたけれど、敷地を囲む鉄柵はびくともしなかった」
その鉄柵の頑強さを身をもって知った男が、暖炉の前で濡れた巨躯を震わせている。
高阪剛眼だ。その異様に膨れ上がり、黒ずんだ右手を忌々しげに見つめていた。
「ワシの魔羅手(マラハンド)でも折れん鉄格子や……。あんなもん、ただの鉄やない。この館全体が、何やら得体の知れぬ"力"で封鎖されとる」
関西弁で唸る彼の背中には、彼を恐れるように縮こまる中学生、中川しおりの姿があった。彼女はこの異様な集団の中で唯一、何の特殊な力も持たない普通の少女に見えた。
「大丈夫ですか? 随分と顔色が悪いようですが」
震えるしおりに優しく声をかけたのは、白銀の髪を持つ凛とした女性、皇サクヤだった。彼女は不安げな少女の肩を抱き、毅然とした視線を周囲に配る。
「皆さん、落ち着いて。混乱するのは分かりますが、まずは状況を整理すべきです。私たちは何者かによって、ここに招かれた……あるいは、囚われた」
- 90◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:03:51
- 91◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:06:01
オープニング(後編):『最後の晩餐』
夜が更けるにつれ、館の空気は重苦しく淀んでいった。
食堂の長いテーブルには、どこからともなく豪勢な料理が運ばれてきたが、それを給仕する使用人の姿はどこにもない。自動人形のような機械的な手際で料理が並べられていく様は、かえって食欲を減退させた。
「いただきましょう。毒見は私が済ませました」
そう言って率先してナイフを手に取ったのは、ガスマスクのような装備を身につけた少女、錠前サオリだ。「戦場において、補給は最優先事項だ。……それに、腹が減っては戦ができん」
彼女の警戒心の塊のような態度は、ここが安息の地ではないことを全員に痛感させた。
「やれやれ、物騒な物言いだねぇ」
妖精のような羽を持つ男、オベロンが、グラスを傾けながら大袈裟に肩をすくめる。「僕はただの平和な王子様さ。こんな陰気な場所よりも、もっと素敵な夢を見たいと思わないかい? 君もそう思うだろう?」
オベロンは隣に座るアナイクスに水を向けたが、知恵の賢人は静かに首を横に振った。
「あなたの言葉には、論理的な整合性が欠如しています。……この状況下で『平和』を口にするのは、欺瞞か、あるいは思考の放棄に他ならない」
ピリついた空気が流れる中、中川しおりはほとんど食事に手をつけられずにいた。
「あの、私……家に帰りたいです……」
消え入りそうな声。だが、外の嵐は勢いを増すばかりだ。
- 92二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:08:06
ま…また第一犠牲者はしおりなのか…
- 93◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:09:03
- 94◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:12:07
1日目・朝
朝陽は差し込まなかった。分厚い雨雲が空を覆い、館の中はまるで深海のように薄暗い。
食堂に集まった面々の顔色は一様に優れない。不眠と不安、そして得体の知れない重圧が、彼らの口を閉ざさせていた。
「……一人、足りないな」
コーヒーの香りが漂う中、空席を見つめて錠前サオリが静かに呟いた。
彼女の視線の先にあるのは、最年少の少女、中川しおりの席だった。
「お寝坊さんかな? 昨日は随分怯えていたし、疲れが出ちゃったのかもね」
ウェンティがリュレーを傍らに置き、軽く伸びをする。「ボクが見てこようか?」
「いや、ワシが行く」
椅子を蹴るようにして立ち上がったのは高阪剛眼だ。「あの子は怖がっとった。ワシが守ってやる言うたからな。飯でも運んでやるわ」
「では、私も同行しましょう。女性がいた方が安心するでしょうから」
皇サクヤも立ち上がり、二人はしおりの客室へと向かった。
残されたメンバーの間には、奇妙な沈黙が流れていた。
沢渡ココはスマホの画面をタップし続けているが、やはり圏外の表示は変わらない。「ねえ、なんか嫌な予感しない? あてぃしの『千里眼』……さっきからノイズが走ってて、何も見えないんだよね」
「オイラもだ」サンズがケチャップの瓶を弄びながら、いつになく低い声で同意する。「この館の空気、骨まで凍みるぜ」
- 95◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:15:22
その時だった。
「――嘘やろォォォッ!!!」
館全体を揺るがすような、男の絶叫が響き渡った。
高阪剛眼の声だ。
それに続いて、サクヤの短い悲鳴と、何かが崩れ落ちる音。
「!」
キノはいち早く反応し、パースエイダーを抜いて廊下へ走った。宇宙人ジョーンズとアナイクスもそれに続く。
彼らが辿り着いた部屋の惨状は、言葉を失わせるものだった。
ドアは抉じ開けられ、部屋の中央、血の海の中に中川しおりが横たわっていた。
いや、かつて中川しおりだった「モノ」と言うべきか。
白いシーツは鮮血に染まり、彼女の瞳は恐怖に見開かれたまま、虚空を見つめていた。
「ああ……なんてこと……」
サクヤが口元を押さえ、その場に崩れ落ちる。
剛眼は壁を殴りつけていた。その自慢の「魔羅手」が壁紙を引き裂き、漆喰を粉砕する。「守る言うたのに……! ワシがついていながら、こんな……こんな子供一人守れんかったんか!!」
遅れてやってきたオベロンが、その光景を見て眉をひそめる。
「おやおや、これは酷い。まるで悪い夢だね。……でも、妙だな。鍵は掛かっていたはずだろう?」
その疑問に答える者はいない。
戦慄する彼らの背後で、突如として食堂から機械的なアナウンスが響き渡った。
『――参加者11名中、1名の死亡を確認。生存者10名。これより、メインシステムを起動します』
- 96二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:16:57
一度のスレで二度死ぬしおりに悲しき現在…
- 97◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:18:23
1日目・朝
全員が食堂へ戻ると、壁に埋め込まれていた巨大なモニターが明滅し、ノイズ混じりの画面が表示されていた。
そこには無機質なテキストと共に、奇妙な紋章が浮かび上がっている。
『おはようございます、哀れな子羊たち。ならびに、飢えた狼たちよ』
合成音声が、感情のない声で語りかける。
『私はこの「因果の館」を管理するシステム。君たちにはこれから、古来より伝わる祝祭――人狼ゲームに興じてもらう』
「人狼ゲーム……だと?」
剛眼が血走った目でモニターを睨みつける。「ふざけるな! 出てこい! ワシがその機械ごとぶっ壊してやる!」
『暴力は無意味だ。この館からの脱出条件はただ一つ。勝利すること』
システムは剛眼の怒りを無視し、淡々とルールを告げる。
【ルール説明】
* 君たちの中に、人の皮を被った**「人狼」**が紛れ込んでいる。
* 人狼は毎晩、一人を食い殺す。先ほどの少女のように。
* 人間たちは昼間に議論し、人狼と思われる一人を多数決で選び、**「処刑」**しなければならない。
* 人狼を殲滅すれば人間の勝利。人間を食い尽くせば人狼の勝利だ。
「馬鹿げている」
アナイクスが冷徹に吐き捨てる。「我々に殺し合いをさせようというのか? そのような不条理な命令に従う合理的理由は――」
『従わなければ、夜が来るたびに一人ずつ死ぬだけだ』
システムが言葉を遮る。
『それに、君たちは気づいているはずだ。自分たちに備わった**「異能」**の存在に』
その言葉に、全員が息を呑んだ。
魔羅手、ギアス、タチカラ・スキャン、カノン……。
それぞれの世界で培った、あるいは生まれ持った超常の力。それがこの空間では、明確な「スキル」として活性化している感覚があった。
『通常のルールに加え、君たちの「インチキ能力」の使用を許可する。物理法則も因果律も無視して構わない。嘘をつき、騙し、殺し合え』
- 98◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:21:01
『それでは、1日目の議論を開始する。
日没までに、処刑する一人を選びたまえ。
……幸運を祈る』
プツン、とモニターの光が消えた。
残されたのは、互いを疑うように見回す10人の生存者たち。
「……あの子を殺した化け物が、この中にいるって言うの?」
沢渡ココの声が震えている。彼女は恐る恐る、周囲の顔を見渡した。
「そう言っているね」
キノは表情を変えず、淡々と事実を受け入れている。「そして、ボクたちは生き残るために、誰か一人を選んで殺さなければならない」
「待ってくれ、落ち着こう」
ウェンティが両手を広げて仲裁に入る。「まずは話し合おうよ。いきなり疑い合うなんて、悲しすぎるじゃないか」
「話し合い? 笑わせるな」
高阪剛眼が、憎悪のこもった視線で全員を睨みつけた。
「しおりちゃんを殺した奴が、のうのうと人の面下げてここに居るんやぞ……! 絶対に許さん。ワシのこの手で、必ず引きずり出して捻り殺したる!」
疑心暗鬼の嵐が、館の中に吹き荒れようとしていた。
外の豪雨よりも激しく、冷たい風が、彼らの心を蝕み始めている。
- 99二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:21:57
核兵器を喰らって...
人狼に出オチで殺され...
また人狼に殺され出オチして.....
それでもバトロワに参加していた - 100◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:24:12
1日目・昼
「議論と言われても、手掛かりはゼロだ。どうしろと言うんだ」
高阪剛眼が苛立ちを隠せずに机を叩く。彼の剛腕の前では、堅牢なはずのオーク材のテーブルも悲鳴を上げているようだ。
「いいえ、手掛かりならあります」
沈黙を破ったのは、無表情なサングラスの男、宇宙人ジョーンズだった。
彼は懐から手帳を取り出し、機械的な動作でページを開く。
「私の職業は、この惑星の言葉で言うところの『占い師』だ。……昨晩、私の『タチカラ・スキャン』で、ある人物の生体データを解析した」
一同の視線がジョーンズに集中する。
「解析? あんた、あの状況で能力を使ってたの?」沢渡ココがスマホを向けながら尋ねる。
「肯定する。私のスキャンは対象の『本質』を暴く」
ジョーンズは抑揚のない声で続けた。
「調査対象は、皇サクヤ。……解析結果は『人間』。それもただの人間ではない。彼女の役職は『共有者(リーダー)』。この集団を統率する機能を持つ個体だ」
その指摘に、皇サクヤは驚きに目を見開いたが、すぐに毅然とした態度に戻った。
「……驚きました。確かに私は、ある種の指揮権を持つ役割を与えられています。私の正体を言い当てた以上、あなたの能力は本物と信じて良いでしょう」
サクヤのお墨付きにより、場の流れは「ジョーンズ=真の占い師」に傾きかけた。
- 101二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:25:14
はうっ
- 102◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:27:25
「あはは! 傑作だね!」
その空気を、嘲笑混じりの拍手が切り裂いた。
オベロンだ。彼は大袈裟に腹を抱えて笑っている。
「いやあ、素晴らしい演技だ。まるで三文芝居を見ているようだね。……でも残念。君が占い師だなんて、悪い冗談はやめてくれないか?」
オベロンはスッと目を細め、毒のある微笑みを浮かべた。
「だって、**僕こそが本物の『占い師』**なのだから」
「僕の『真夏の夜の夢』は真実を見通す。昨晩、僕が占ったのは……そこの吟遊詩人、ウェンティ君だ。結果は『シロ(人間)』。彼はただの、酒好きの無害な少年さ」
「えっ、ボク?」
ウェンティはきょとんとした顔で自分を指差したが、すぐにニコリと笑った。
「うん、ボクは無実だよ。オベロンが証明してくれたなら安心だね!」
アナイクスが冷徹に状況を整理する。
「状況は混沌としました。ジョーンズはサクヤを『白』と判定し、オベロンはウェンティを『白』と判定した。……どちらかが偽物、すなわち人狼陣営の狂信.者か、人狼本人です」
「どっちが嘘つきなんだよ!?」サンズが頭蓋骨をかきながらボヤく。「オイラ、骨が折れるのは御免だぜ」
キノが静かに口を開いた。
「判断材料がない以上、占い師の真偽を決めるのは危険だ。……それよりも、もっと明確な『脅威』を排除すべきじゃないか?」
キノの視線は、部屋の隅で腕を組む錠前サオリに向けられていた。
「彼女……サオリさんは、異常なほどの戦闘スキルを持っているように見える。もし彼女が人狼なら、夜の襲撃を待たずとも、我々を物理的に制圧できる可能性がある」
- 103◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:30:14
1日目・夕方
議論時間は瞬く間に過ぎ、運命の投票時間が訪れた。
モニターに全員の名前が表示され、投票先を選択するよう促される。
「待って! あてぃしの『死者のコメント欄』には、まだ何も流れてこないの! しおりちゃんも何も言ってない!」
沢渡ココが叫ぶが、誰もその言葉を頼りにはできない。霊界との通信など、確かめようがないからだ。
「迷っている暇はない。……生存本能に従うまでだ」
錠前サオリは冷ややかに言い放つが、その額には微かに汗が滲んでいる。彼女自身、この場の空気が自分に不利であることを悟っていた。
「すまんな、姉ちゃん。あんたが狼やったら、ワシらは全滅や。リスクは冒せん」
高阪剛眼が苦渋の表情で票を投じる。
結果が開示される。
* 錠前サオリ:6票
* 宇宙人ジョーンズ:2票
* オベロン:2票
決定した。
処刑対象は、錠前サオリ。
『処刑対象が決定しました』
- 104◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:33:00
- 105二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:33:02
サオリがかなりふわっとした理由で吊られてて笑ってしまう
戦闘能力で言えば他も大概なのがいるだろうがよえーっ - 106◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:36:17
2日目・朝
またしても、陰鬱な朝が訪れた。
雨は小降りになったものの、館を包む霧はより一層深くなっている。
食堂に集まった生存者たちの顔には、明らかな疲労の色が浮かんでいた。
高阪剛眼が、拳を震わせながら報告する。
「……すまん。守れんかった」
宇宙人ジョーンズの部屋は、まるで台風が通り過ぎた後のように荒れ果てていた。
家具はなぎ倒され、壁には鋭利な風の刃で刻まれたような無数の傷跡。
その中央で、ジョーンズは静かに息絶えていた。外傷は少ないが、生命活動が完全に停止していることは誰の目にも明らかだった。
「チッ、やっぱり占い師を狙ってきたか……」
サンズがフードを目深に被り直し、呟く。「これで手掛かりは一つ減っちまったな」
- 107◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:39:08
「いえ、まだ終わりではありません」
声を上げたのは、スマホを握りしめた沢渡ココだった。
彼女の目は、現実の光景ではなく、画面越しの「何か」を見つめていた。
「あてぃしの能力『死者のコメント欄』……やっと繋がった。ジョーンズおじさん、すごい勢いでログ流してる!」
ココは興奮気味に画面をスクロールし、読み上げる。
「『我、機能停止セリ。……だが、最期のスキャン結果を転送する』だって! 彼、死ぬ直前に占ってたみたい!」
オベロンの表情が、一瞬だけピクリと動いた。
「へえ? 死人に口なしと言うけれど、君のスマホは冥界とも繋がっているのかい? ……で、その幽霊さんは何と言っているんだい?」
ココはオベロンを指差し、高らかに宣言した。
「『オベロン=狂人』! アンタ、人狼じゃないけど人間側の味方でもない、狂信.者だってさ!!」
その瞬間、場の空気が凍りついた。
オベロンの「占い師CO」が完全な嘘であったことが、死者からの告発によって暴かれたのだ。
さらにココは、不思議そうに首を傾げた。
「……っていうか、なんか変なんだよね。昨日の投票で死んだはずのサオリっちのコメントが、どこにも無いんだけど。……バグ? それとも圏外?」
- 108◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:42:01
2日目・昼
「はっ、ははははは!」
沈黙を破ったのは、糾弾されたオベロンの高笑いだった。
彼は悪びれる様子もなく、むしろ清々しいといった表情でテーブルの上に飛び乗った。
「バレちゃったか! いやあ、さすが宇宙のテクノロジー。僕の『真夏の夜の夢』でも隠し通せなかったか」
彼は両手を広げ、舞台上の役者のように振る舞う。
「そうさ、僕は狂人。人狼様の勝利を願う、愛すべき道化だよ! でもねえ皆さん、よく考えてごらん? 僕は『人狼』じゃない。僕を処刑したところで、夜の襲撃は止まらない。……無駄な殺生だとは思わないかい?」
「ふざけるなッ!」
高阪剛眼が激昂し、魔羅手を振り上げる。「貴様、自分が何をしたか分かっとるんか! 捜査を撹乱し、ジョーンズを死に追いやったんやぞ!」
「論理的に判断します」
アナイクスが冷静に介入する。「オベロンの発言には一理ある。彼の処刑は『人狼の数』を減らすことには繋がらない。しかし、彼を生かしておけば、今後も嘘の情報で我々を混乱させ続けるでしょう。……『リスク要因』は排除すべきです」
「そうだね」ウェンティが、困ったような顔で同意する。
「オベロン君には悪いけど、これ以上嘘をつかれるとボクたちも困るし……」
「つれないなぁ、ウェンティ君」
オベロンはニヤリと笑い、ウェンティを見つめた。「昨日の夜、君を『白』と言ってあげた恩を忘れたのかい? ……まあいいさ。この物語の悪役として退場するのも、また一興」
皇サクヤは静かに決断を下した。
「情に流されるわけにはいきません。オベロン、あなたには退場してもらいます。……それが、これ以上の犠牲を出さないための最善手です」
- 109二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:44:42
前のゲームでウルフが人狼だったのといいなんか…キャラ性に役職が引っ張られてない?
- 110◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:45:06
2日目・夕方
投票の時間は、事務的に進んだ。
全員の意思は固まっていた。
* オベロン:7票
満場一致での処刑決定。
再び、床に黒い穴が開く。
「さようなら、愛すべき愚かな人間たち!」
オベロンは最期まで人を食ったような態度を崩さず、優雅にお辞儀をしてみせた。
「せいぜい、僕がいなくなった後の『真実』とやらに苦しむといい……」
彼が穴へと姿を消した瞬間、色とりどりの鱗粉が舞い上がり、幻覚のように彼の姿は掻き消えた。
残ったのは、どこか不気味な静寂だけ。
『処刑完了。生存者7名』
「……これで、狂人は消えた」
キノがパースエイダーをホルスターに戻しながら呟く。「だが、人狼はまだ2匹残っている。……今夜もまた、誰かが食われる」
- 111二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:46:42
今回は人狼が勝つんかのォ…
- 112◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:47:01
- 113二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:47:57
- 114◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:48:04
3日目・朝
嵐が完全に去り、薄日が差す朝。
食堂に集まった生存者たちを待っていたのは、久々の明るいニュースだった。
『昨晩の死亡者は、いません』
GMのアナウンスが響いた瞬間、張り詰めていた空気がふっと緩んだ。
「死人が……いない?」
皇サクヤが胸を撫で下ろす。「よかった……。昨夜は誰も犠牲にならなかったのですね」
「へえ、人狼さんもお休みってこと?」
沢渡ココは呑気にトーストを齧りながら、スマホをチェックしている。「あてぃし、昨日は爆睡してて全然気づかなかったけど、ラッキーデイじゃん!」
その横で、高阪剛眼だけが不機嫌そうにコーヒーを啜っている。
剛眼はぶっきらぼうにココを睨んだ。
「お前、寝相悪そうやからな。運が良かっただけや思っとけ」
「はぁ? 何それ、失礼しちゃうなー」
「しかし、興味深い」
アナイクスが眼鏡の位置を直しながら分析する。「死亡者ゼロの理由は二つ。人狼が襲撃を放棄したか、あるいは**『狩人』**が仕事を果たしたか」
「オイラは後者に賭けるぜ」
サンズがウインクをする。「この中に、骨のある奴がいるってことだ。……頼もしいねぇ」
- 115二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:49:11
- 116二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:50:44
"アナイクス"の"眼鏡"!?
清麿が金髪になってたのといい外見に関しても備考で伝えた方が良いのかもしれないね - 117◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:51:30
3日目・昼
議論が始まる。
生存者は8名(システム上)。
狂人オベロンが退場し、残るは人狼2匹。
「ねえねえ! オベロンっちのログ見てよ!」
沢渡ココがスマホ画面を皆に見せる。そこには、処刑されたオベロンからのメッセージが滝のように流れていた。
『やあやあ! 僕を殺して精々してるかい?』
『人狼はサンズだよ! いや、サクヤかな? それとも僕かな? あ、僕は死んでるか!』
『嘘だよバーカ! 全員死んじゃえ!』
「……ダメだこりゃ」
ココが肩を落とす。「あいつ、死んでも嘘ばっかついてる。全然参考になんない!」
霊媒師の能力は、対象が「嘘つきの狂人」であったが故に、ただのノイズと化していた。
情報が遮断された状況で、アナイクスが動いた。
彼は静かに立ち上がり、指先をウェンティに向ける。
「消去法でいきましょう。……ウェンティ、あなたは昨日の議論で、オベロンを擁護するような動きを見せましたね?」
「ええっ? 擁護なんてしてないよ!」
ウェンティが大袈裟に驚いてみせる。「ボクはただ、喧嘩は良くないって言っただけさ。平和主義なんだよ」
- 118二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:53:35
- 119◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:54:00
- 120◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:55:06
修正するの忘れてたのん…
- 121◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 12:57:01
3日目・昼
キノは席を立ち、コートの下から愛用のパースエイダー(カノン)を抜いた。
その銃口は、真っ直ぐにアナイクスに向けられている。
「え?」
アナイクスが反応する間もなかった。
ドォォォォンッ!!
轟音が食堂を揺らす。
液体火薬を使用した44口径の銃弾が、アナイクスの胸を正確に貫いた。
「が……、あ……?」
アナイクスは自身の胸に開いた風穴を見下ろし、何かを言おうとして――そのまま糸が切れたように後ろへ倒れた。
眼鏡が床に落ち、砕け散る。
『唯一の真実』を見抜く賢人は、たった一発の鉛玉という『暴力』の前に沈黙した。
「キャァァァァッ!!」
ココとサクヤの悲鳴が重なる。
剛眼が椅子を蹴って立ち上がる。「貴様ッ! 何しよったんや!!」
キノは硝煙の漂う銃口をゆっくりと下ろし、表情を変えずに言った。
「彼の話は長すぎる。……それに、ボクの旅のルールでは、危険な相手は排除することにしているんだ」
「こ、殺した……昼間に、堂々と……!?」
- 122二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 12:59:43
アナ先が今回も死んだあっ
これでウェンティ・キノが人狼だったらどうしようもないんスけど…良いんスかこれ - 123◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:00:04
サンズの左目が青く明滅する。「あんた、自分が何をしたか分かってるのか? これは『GAME OVER』への近道だぜ」
「いいや」
キノは冷徹に言い放つ。「彼は混乱を招いていた。オベロンの二の舞いだ。……ボクは人間として、疑わしい芽を摘んだだけだ」
ウェンティが、青ざめた顔でキノの後ろに隠れる。
「す、凄い……! キノ君、ボクを助けてくれたんだね! 彼はボクを陥れようとしていたし、きっと彼こそが人狼だったんだよ!」
場はパニックに包まれた。
アナイクスが死んだことで、今日の「処刑」はどうなるのか?
この無法な殺人は許されるのか?
GMのアナウンスが無機質に響く。
『プレイヤー「アナイクス」の死亡を確認。……これをもって、本日の**「処刑」投票は終了**と見なします』
「なっ……投票なしか!?」
剛眼が歯噛みする。「人狼を吊るチャンスを、貴様が潰したんやぞキノ!」
キノは悪びれず、静かにカノンをリロードした。
「結果オーライだろう? 疑わしい人物が一人減った。……さあ、夜の時間だ。解散しよう」
- 124◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:03:03
4日目・朝
朝、食堂に漂っていたのは、コーヒーの香りではなく、鉄錆のような血の匂いだった。
高阪剛眼は、来なかった。
全員で彼の部屋へ向かった時、そこにあったのは壮絶な「戦場」の跡だった。
壁という壁は引き裂かれ、家具は粉砕されている。だが、その破壊の痕跡は一方的ではない。何かが猛烈に抵抗し、暴れ回った証拠だ。
そして、部屋の中央。
高阪剛眼は、立ったまま死んでいた。
その自慢の右腕「魔羅手」は、何かを握り潰そうとした形のまま、硬直している。
「嘘……剛眼のおっちゃん……」
沢渡ココが崩れ落ちる。「なんで……なんでドアの方を向いて死んでるの? まるで、部屋の外にいる誰かを守ろうとしたみたいに……」
その言葉に、サンズが静かにフードを目深に被る。
「……あんただったのか。一昨日の夜、ココを守った狩人は」
サンズは剛眼の遺体に歩み寄り、その見開かれた目をそっと閉じさせた。
「あんたは立派だったぜ。……骨の髄まで漢(オトコ)だった」
『生存者5名』
残されたのは、皇サクヤ、ウェンティ、キノ、沢渡ココ、サンズ。
状況は絶望的だ。
剛眼という「盾」を失い、アナイクスという「頭脳」を失った今、村人たちは裸同然で狼の前に放り出されたも同然だった。
- 125◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:06:04
4日目・昼
重苦しい空気の中、議論が始まる。
もはや猶予はない。今日、人狼を処刑できなければ、夜の襲撃で村人の数は人狼と同数以下になり、敗北が確定する(PP:パワープレイ)。
キノが淡々と口火を切る。
「さて、誰を吊る? ……ボクとしては、ずっと黙っているサンズ、彼が怪しいと思うが」
「賛成〜!」ウェンティが手を挙げる。
「……いいえ」
凛とした声が響く。
皇サクヤだ。彼女は静かに立ち上がり、その瞳に強い光を宿して二人を見据えた。
「この流れ、あまりに不自然。……キノ、ウェンティ。あなた達の連携は、もはや他人行儀な旅人と詩人のそれではありません」
サクヤは深く息を吸い込み、左目の眼帯(あるいはコンタクト)に手を添える。
「ここが勝負所です。私の全てを賭けて、真実を暴きます」
サクヤの瞳が、赤く輝く鳥のような紋章を浮かび上がらせた。
その視線が、ウェンティを射抜く。
「ウェンティ、私はお前に命じる!」
サクヤの声が、不可視の圧力を伴って空間を支配する。
「自らの正体を、今ここで包み隠さず告白せよ!!」
- 126◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:09:03
「え……?」
ウェンティの動きが止まる。
神である彼に、人の王の命令が届くか?
――否、この「因果の館」において、ギアスはルールとして強制力を帯びる。
ウェンティの顔から、笑みが消えた。
彼の口が、本人の意思とは無関係に勝手に動き出す。
「あ……あが……」
抵抗しようと喉を掻きむしるが、言葉は溢れ出る。
「……ボクは……人狼だ」
「この館の風も、死も、ボクが運んだ……。剛眼の腕を切り裂いたのも、ボクの風だ……」
静寂。
決定的な自白。
「……やっぱり」ココが震える声で呟く。「あんただったの……! よくも、おっちゃんを!」
「決まりだな」サンズの左目が青く燃え上がる。「オイラ、最初からあんたの胡散臭さが鼻についてたんだ」
- 127二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:09:45
あっ一発で人狼が詰んだっ
- 128◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:12:10
- 129◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:15:01
「うわあっ!?」
ココが吹き飛ばされそうになり、机にしがみつく。
風は投票用紙を舞い上げ、モニターを破壊し、処刑執行のシステムそのものを物理的に吹き飛ばした。
『エラー……エラー……執行システムに障害発生……』
GMの音声が途切れる。
「ボクは風の神(バルバトス)。断罪なんて、ボクには似合わないよ」
風が止んだ時、ウェンティは何食わぬ顔で元の席に座っていた。
「というわけで、今日の処刑はナシ!」
「な……そんなのアリ!?」
ココが絶叫する。
サクヤも呆然と立ち尽くす。「ギアスで自白させたのに……処刑そのものを無効化するなんて……」
『処刑失敗。……これより、夜の時間を開始します』
最悪の結末だ。
人狼が誰か分かった。だが、殺せなかった。
そして、夜が来る。
守り手(狩人)のいない夜が。
- 130◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:18:03
最終日・朝
5日目の朝。
食堂に集まったのは、ウェンティ、キノ、沢渡ココ、サンズの4名だけだった。
GMのアナウンスが響く。
『昨晩の死亡者は、皇サクヤ。生存者は……』
「はいはい、ストーップ!」
ウェンティがGMの声を遮り、満面の笑みでテーブルに足を乗せた。
「残念だけどココちゃん、サンズ君。ゲームオーバーだよ」
キノもまた、パースエイダーの手入れをしながら淡々と告げる。
「現在の生存者は4名。そのうち我々2名が人狼だ。人狼の数が村人の数と同数になった時点で、人狼陣営の勝利が確定する(パワープレイ)。……これ以上の議論は無意味だ」
沢渡ココは顔面蒼白でへたり込んだ。
「そ、そんな……。サクヤさんも死んで、おっちゃんも死んで……あてぃしたち、全滅……?」
彼女のスマホに流れる死者たちのコメント欄(サクヤや剛眼の無念の叫び)が、余計に絶望を煽る。
- 131◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:21:01
しかし。
「……おいおい」
サンズだけは、いつも通りの脱力した様子でケチャップを啜っていた。
「あんたたち、随分と気が早いな。……小学校の算数、やり直した方がいいんじゃないか?」
「はあ?」ウェンティが呆れたように肩をすくめる。「往生際が悪いよ。2対2は引き分けじゃなくて、人狼の勝ちなんだよ」
「ああ、そうだな。2対2ならな」
サンズの左目が、一瞬だけ怪しく青く光った。
「でも、2対3ならどうだ?」
その言葉に、キノの手が止まる。
「……何?」
食堂の扉が、ゆっくりと開かれた。
そこ立っていたのは、幽霊でも幻覚でもない。
ボロボロの戦闘服に身を包み、冷徹な殺気を纏った「死者」だった。
「――虚無(ヴァニタス)より帰還した」
錠前サオリ。
1日目に処刑されたはずの彼女が、確かな足取りで部屋に入ってくる。
- 132二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:22:08
ふぅんココの霊媒がサオリに繋がらなかったのも伏線ということか
- 133◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:24:14
「なっ……!?」
ウェンティが椅子から転げ落ちそうになる。「さ、サオリ!? 生きてたの!? だってGMは処刑完了って……!」
「私の能力『ヴァニタス』は、一度だけ死を偽装し、潜伏するスキル」
サオリは空いている席――中川しおりが座っていた席――にドカと腰を下ろした。
「今まで姿を消し、票数計算から外れることで、貴様らの慢心を誘った。……これが、アトリウス分校の戦術だ」
GMの機械音声が、遅れて再開される。
『……訂正します。潜伏していた生存者を確認。現在の生存者は5名』
* 人狼陣営: 2名(ウェンティ、キノ)
* 村人陣営: 3名(ココ、サンズ、サオリ)
形勢逆転。
村人陣営が過半数を取り戻した。
「う、嘘だろ……」
ココが涙目で、しかし歓喜の表情で叫ぶ。「サオリっち!! アンタ最高すぎるよぉぉぉ!!」
「チェックメイトだ、人狼」
サオリが冷酷に宣告する。「お前たちの『インチキ能力』はもう品切れだろ? ……さあ、純粋な多数決で死.ね」
- 134◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:27:10
最終章:エピローグ『因果の館の崩壊』
最後の投票(Execution)。
議論の余地はなかった。
ウェンティは顔を引きつらせながらも、必死に弁明しようとした。
「ま、待ってよ! ボクはただ、自由を求めて……」
しかし、彼の『高天の歌』は一度きり。もう風は吹かない。
キノは静かに目を閉じ、潔く結果を受け入れた。
「……完敗だ。死んだふりをしている相手を警戒しなかった、ボクのミスだ」
彼の『カノン』もまた、弾切れだった。
投票結果が表示される。
* ウェンティ:3票(ココ、サンズ、サオリ)
* サオリ:2票(ウェンティ、キノ)
『処刑対象決定:ウェンティ』
床が開き、奈落が口を開ける。
「やだ、やだあぁぁ! ボクは風だぞ! こんな暗い穴の中で終わりたくないぃぃッ!!」
神の威厳をかなぐり捨て、無様に泣き叫ぶウェンティ。
だが、因果のルールは絶対だ。
彼は見えない力に引きずられ、深淵へと吸い込まれていった。
ドォォォォォ……ン。
重い地響きと共に、彼が消える。
- 135◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:30:03
その瞬間、館中にファンファーレが鳴り響いた。
『人狼の数が0にはなりませんでしたが、村人陣営の数が人狼陣営を圧倒しました。これ以上の逆転は不可能です』
『よって――村人陣営の勝利です』
残された人狼、キノの身体が光の粒子となって分解され始める。
「……次は、もっとマシな旅先を選ぶことにするよ」
彼は最後に小さく微笑み、消滅した。
同時に、館の扉を閉ざしていた鉄格子が、音を立てて上がり始めた。
外の雨は上がり、雲の切れ間から眩しい朝陽が差し込んでくる。
「……終わった、の?」
沢渡ココがへなへなと座り込む。「あてぃしたち、勝ったんだ……」
「ああ。骨が折れるゲームだったな」
サンズが伸びをする。「ま、オイラには骨しかないけど」
錠前サオリはガスマスクを外し、初めてその素顔を晒した。
整った顔立ちに、少しだけ安堵の色が浮かんでいる。
「……亡くなった者たちの犠牲の上に得た勝利だ。誇っていい」
彼女の視線の先には、仲間たちの遺品が置かれている。
- 136二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:31:34
怒涛の展開……神
- 137二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:31:46
前回よりは人狼側も健闘したのォ
まぁ村人サイドの能力がチートすぎたんやけどなブヘヘヘヘ - 138二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:32:31
- 139◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:33:08
- 140二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:36:24
オツカレーッ
推理自体はあってたのに能力でゴリ押しで殺されたアナイクスに悲しき最期… - 141二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:39:23
盤面自体はオベロンが吊られた後アナ先にウェンティが詰められた時点でほぼ負けてるんだよね
その後のインチキ能力の応酬に関しても人狼サイドが悪あがきでひっくり返そうとしてるのをそのまま阻止してる形なんだ - 142二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:41:07
アナイクスの能力はなんだったんスかね
- 143◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:45:06
ヌーッ
ヌーッ
今回の「インチキ能力人狼」における、各キャラクターの役職と能力(スキル)のまとめです。
【村人陣営】(勝利)
* 錠前サオリ(MVP)
* 役職: 村人
* 能力: 『ヴァニタス(虚無)』
* 効果: 処刑や襲撃を一度だけ身代わり人形で無効化し、死んだことにしてゲームから一時的に「消失」する潜伏スキル。最終盤で復帰し、人数計算を狂わせて逆転勝利をもたらした。
* サンズ
* 役職: 村人
* 能力: 『ショートカット(近道)』
* 効果: 夜のターンにおける人狼からの襲撃を全て「miss」にして回避する。処刑以外では殺せない生存特化能力。
* 沢渡ココ
* 役職: 霊媒師
* 能力: 『死者のコメント欄』
* 効果: 死亡したプレイヤーの声を「配信コメント」として閲覧できる。ジョーンズの遺言(オベロンが狂人であること)を拾い、推理の起点となった。
* 高阪剛眼
* 役職: 狩人
* 能力: 『魔羅手(マラハンド)』
* 効果: 護衛先への襲撃を、鍛え上げた右手で物理的に破壊・迎撃する。2日目の夜、ウェンティの襲撃からココを守り抜いた。
* 皇サクヤ
* 役職: 共有者(リーダー枠)
* 能力: 『絶対遵守のギアス』
* 効果: ゲーム中一度だけ、対象に強制命令を下す。ウェンティに「正体の自白」を命じ、人狼を確定させた。
- 144◆3EE6ZOYUh5J125/12/01(月) 13:46:12
* 宇宙人ジョーンズ
* 役職: 占い師
* 能力: 『タチカラ・スキャン』
* 効果: 対象の「白黒」だけでなく「具体的な役職名」まで解析する。初日にサクヤの役職を特定し、死に際にオベロンの正体を暴いてココに託した。
* アナイクス
* 役職: 村人
* 能力: 『唯一の真実』
* 効果: 対象の嘘を看破し、人狼であればその日の「投票権(票の重み)」を0にする。ウェンティを追い詰めたが、発動直前にキノに射殺された。
【人狼陣営】(敗北)
* ウェンティ
* 役職: 人狼
* 能力: 『高天の歌(カゼノウタ)』
* 効果: 自分が処刑対象になった際、一度だけ投票結果そのものを風で吹き飛ばし、処刑を「無効(スキップ)」にする。サクヤのギアスによる自白後に使用し、延命した。
* キノ
* 役職: 人狼
* 能力: 『カノン(説得者)』
* 効果: 議論時間中に一度だけ、問答無用で対象を銃撃し「強制退場(死亡)」させる。厄介な論理を展開するアナイクスを排除するために使用した。
* オベロン
* 役職: 狂人
* 能力: 『真夏の夜の夢』
* 効果: 自身や味方の占い結果を「白(人間)」に改竄し、GMログすら書き換える。
【その他】
* 中川しおり
* 役職: 第一の犠牲者
* 備考: 開始前のチュートリアルとして無惨な死体役を務めた。
- 145二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 13:48:51