- 1遠征猿人25/12/01(月) 19:15:01
データ生命体、デジモンたちの暮らす世界、デジタルワールド
余多の人間世界に並行し無数に存在するその中に、この度新たに観測されたその世界は酷く原始的な構造をしていた
この世界にデジモンたちは産まれたばかりで、今だに言語や文字すら未発達。究極体は影も形もない。
そして特徴的な要素としては、なんとこの世界のデジモンは成熟期を迎えるとデジタマを単為生殖によって産卵し、その数を増やしていくのだ
あなたはこの興味深い原始的な世界を観測し、調査を進める調査員か
はたまた別世界から降り立ったデジモンか、犯罪に利用しようと暗躍する犯罪者か、それともこの世界に生まれ落ちたデジモンか
文明を発展させるのか、新たな進化を齎すのか、破壊と蹂躙をまき散らすか
この世界の行く末は、今だ誰もわからない・・・
ルール
・過度なエログロ禁止
・チート、確定ロール禁止(他者のキャラを許可なく動かさない等)
・他作版権キャラ及び本家デジモンの人間キャラ禁止(オマージュはOK)
・オリデジ禁止
次スレは>>190でお願いします
- 2二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 19:19:10
- 3二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 19:19:56デジタルモンスター研究報告会 - ハーメルンコンピューターネットワーク上の世界「デジタルワールド」に突如出現したデジタル生命体、デジタルモンスター…略してデジモン。 それを発見した我々は、デジモンの研究を…syosetu.org
このスレの設定はタマリリスさんの『デジタルモンスター研究報告会』の設定からインスパイアされており、またご本人様の認可を受けてスレ立てしております
- 4二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 19:21:16
- 5アンティラモン25/12/01(月) 19:23:25
(立て乙です)
(バブンガモンのくだりらへんからずっと涙腺をやられている中の人です) - 6猿人集落25/12/01(月) 19:25:14
乙です
(こちらこそストーリーラインにご協力いただきありがとうございます。)
ジンバ―アンゴラモンは木々を縫うように走っていた
長として日々の鍛錬も忘れないのだ
「まだ、おかあさんのようには、いかないなあ…」
- 7セイバーハックモン25/12/01(月) 19:32:43
【セイバーハックモンは竜人の集落へ来ている猿人デジモンたちの様子を見にいった】
GURURURU…
【進化したと聞いたが…】 - 8遠征25/12/01(月) 19:35:30
- 9猿人集落25/12/01(月) 19:40:31
猿人デジモンの集落では成熟期もふえたことで、蛮族の襲撃によって減らされた人口も戻りつつあった
しかし、思わぬ弊害もあった。食糧不足だ
成熟期デジモンは成長期よりもエネルギーが必要だ
古参のものはこれからも進化する者は出てくるだろう
そうなったとき、今のように木の実を取ったり、たまに狩猟に出て肉や魚を集めるのでは足りなくなる
キウイモンは今も卵の実を産んでくれるが、それで全員の栄養が賄えるとはとても言えない
「……これは、育てる、を、大きくやる、ことが、必要です、ね」
こうしてジンバ―アンゴラモンたち猿人……いや、もはや獣人の集落は大規模な農場を作り始めた - 10二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 19:42:03
オーガモンが遺したデジタマは、成熟期まで育っていた
悪魔のような姿をしたデジモン、デビモンである
デビモン「…」
彼は亡き親オーガモンの記憶の断片を受け継いでいた。フックモンやルカモンがそうであったように
イビルモン「ギャギャギャギャ…!」
そしてコウモリ型デジモンから進化したイビルモンと共に活動していた
デビモン「私の 先祖は なぜ 負けた なぜ 勝てなかった」
デビモン「勝つために必要なものは なんだ」
デビモン「決まっている 更なる 力 他に 無い」
オーガモンの強い暴力衝動を受け継いだデビモンは、強い残忍性を抱いていた
弱肉強食の掟で生存競争が繰り広げられるデジタルワールドにおいて、デビモンの性質を表す言葉や、それと対を成す言葉は、まだ生まれていなかった - 11セイバーハックモン25/12/01(月) 19:43:16
- 12遠征獣人25/12/01(月) 19:49:10
- 13ダゴモン25/12/01(月) 19:54:52
ダゴモンはホエーモンの骨から自身の身の丈ほどもある鑓を作った
その巨体に違わず、気配を消す術と毒のスミをさらに強力にして、海竜の血族を次々と人知れず葬って行った
そしてその肉体を支えるためにはさらに莫大なエネルギーがいる
先のホエーモンで大量の肉が手に入ったがそれも永遠ではない
ダゴモンもまたより高質なエネルギー元を模索していた - 14セイバーハックモン25/12/01(月) 19:55:44
ならば一匹持って帰るが良い
下手なことをしなければそのまま繁殖するはずだ
……俺からは頼み事はないな
強いて言えばその器用さをこっちにも分けて…
す、すまない…中々に驚いただけだ
確かにキラキラだな、性格も変わっていることに驚きを禁じ得ないぞ俺は
最早亀ではなく馬だと思うがな
まあ良い…
お前達そろそろ帰る時期じゃあないか?
- 15キャプテンフックモン25/12/01(月) 19:57:05
【キャプテンフックモンと手下達は協力して捕鯨船を作り上げていく。
頑丈で、大きくて、どんな攻撃でもびくともしない。
そんな船だ。
海の上に休める場所があるというのは大きな利点になるだろう】 - 16ポキュパモン25/12/01(月) 19:59:12
(ポキュパモンはヴァジラモンの方向音痴なところを受け継いでいた
それは他のデジモン達にはあまり受け継がれなかったがポキュパモンはその特徴を顕著に受け継いでいた
故に原生林に向かったはずのポキュパモンは何故か山のドラモン達の村に着いてしまったのだ)
ここ どこ?
(ショックで泣きそうになっている) - 17二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 20:04:03
「おう!!たしかにこっちじゃたくさんべんきょーさしてもらったしな!!」
「キャー――☆おさおさきゅんにあうのたのしみ~~~☆」
「おれ、自分で、走れる」ふんすっ
「……わし、ここにのこること、したよ」
「なんだって!?」「ええ~~!?まぜまぜちんなんでなんで~~!?」「…なぜ?」
「わし、おもたよ、おさおさのためなるの、おまえら、あたらしこらよ。わし、さいしょのおさの、こよ……そろそろ、しぬ、ちかいね」
「な!!?」「えっ?」「…まぜまぜ」
「ごめんよ、みんな。わし、おさおさおもり、なりたないね。ことばもちゅとはんぱよ。でも、できること、したいね。ここで、ドラドラたちに、たすけてもらた、おん、かえしたいね。そんで、もしわし、たまごうんだら、そのこ、ここと、むらの、つながり、なれるね」
「……まぜまぜ」
「おさのきもち、いまならちょとわかるよ、わし、きえるの、こわないね。のこるみんなの、やくたて、きえたいね」 - 18トロピアモン25/12/01(月) 20:08:25
- 19アンティラモン25/12/01(月) 20:21:21
おお……すごい
私は今、このデジタルワールドに於いて『怠惰』と『堕落』という概念を観測している
完全体にまで進化したというのにあそこまで怠惰になれるのですね
力が強すぎること、そして栄養補給の手段が豊富であることも考えもの……ということですか
【少し離れた場所からトロピアモンの様子を観測していた】
そりゃ強くておっかないけど動かないならこんな場所捨てて逃げるのが賢明ですね……
- 20セイバーハックモン25/12/01(月) 20:27:11
- 21観測員25/12/01(月) 20:28:30
この世界でも世代交代が進み、安定して成熟期へ至れる個体が増えていた
そして、それはつまり新たな世代への足掛かりになりつつある
また、たとえ完全体デジモンい至れたとしても、その莫大なエネルギーを賄う方法を皆が模索していた
もしもこれからさらに世代交代が進めば、あるいは、安定して完全体のエネルギー代謝を解決できる者達も、現れるだろう - 22遠征獣人25/12/01(月) 20:32:44
- 23ストライクドラモン25/12/01(月) 20:35:13
- 24セピックモン25/12/01(月) 20:39:57
- 25ストライクドラモン25/12/01(月) 20:43:39
- 26獣人集落25/12/01(月) 20:46:33
一方、ジンバ―アンゴラモン率いる獣人集落では、カメの一族と協力して巨大な畑を作っていた
トータモンが巨体で切り株を吹き飛ばして地面をならし、ジャングルモジャモンやゴツモンが地面を耕した
「タネ、の、間は、ちゃんと、きまったとおり、に、してください」
ジンバ―アンゴラモンは最近獲得した耳を回転させて滑空するという方法で、耕すデジモンたちに呼びかけていた
アンティラモンから几帳面さを受け継いだ彼は、種は間をあけて飢えた方がいいという「きろく」をよく守らせた
水はモリシェルモンに水路を引いてもらい、カメモンたちと共にまいた
やがて、畑には植えた植物の芽が広がって行った - 27セピックモン25/12/01(月) 20:47:55
- 28ストライクドラモン25/12/01(月) 20:51:05
- 29セピックモン25/12/01(月) 20:53:48
- 30ストライクドラモン25/12/01(月) 20:56:47
- 31セピックモン25/12/01(月) 21:02:49
- 32デーモン25/12/01(月) 21:10:34
ふうん……んん?これは…
「いかがなされましたか?デーモン様」
最近噂に流れたこの原始デジタルワールドだが…
「はい」
通常、我らデジモンは、並行する人間界より流れてきたデータをその身に取り込み、反映させることで進化を得る
「はい、左様にございます」
まあこれは常識だが……この世界、データの供給元足りえる人間界が見当たらぬ
「はあ…では、その世界は独自の進化をたどっていると?」
いやそれも違う、プロテクトの節々に、まるで意図的に緩められたかのようなほころびがある。まるでここから侵入してくださいと言わんばかりに複数個所。現にそれを通ってひそかに侵入したものが複数おる
「・・・それは」
この世界、本当に偶然の産物なのか…? - 33ストライクドラモン25/12/01(月) 21:14:22
- 34獣人集落25/12/01(月) 21:19:09
- 35ストライクドラモン25/12/01(月) 21:20:06
- 36獣人集落25/12/01(月) 21:21:20
- 37ストライクドラモン25/12/01(月) 21:23:44
- 38デビモン25/12/01(月) 21:29:22
デビモンは旅をした
旅の中で、デジモン達から「デスクロウ」でデジコアを取り出し、吸収すると
そのデジモンが蓄えた知識を得ることができた
そうして知識を得ていく中で、デビモンはひとつの答えを出した
祖先オーガモンに足りていなかったものは「賢さ」であると
デビモンは更なる賢さを求めて旅をつづけた
そうして奈落の果てで、時空の裂け目を見つけた
行き先が何処かは不明だ
イビルモンを連れて、デビモンは裂け目へ飛び込んだ
デビモンが到達した場所は…
SNSのサーバー空間だった
そこには未知の生物たちが綴った様々な感情が文字として記されていた
デビモンはそれらのデータを食い、蓄えていった
とりわけ多くのインプレッションを集めている投稿を食った時に口に広がった感情データの味は忘れられない
「ク、イ」
ドス黒く甘美な味わいを持つその感情データの名を、デビモンは知った
「アク、イ」 - 39野良ハンター25/12/01(月) 21:31:11
「「「か~みさま~~~!!!」」」
「「「か~みさま~~~!!!」」」
「「「か~みさま~~~!!!」」」
「「「か~みさま~~~!!!」」」
はっはっはっは~~!!なんだ~~い?!
『・・・・ピポ』(……ぅおおっ)
(あれから原始デジタルワールドにおいて幾年月、男の集めたデジモンたちは成熟期となり、やがてみなデジタマを産んだ)
「これって永久機関きたんじゃね!?デジタマ産ませ続けたら一生大儲けじゃね!?」(などと最初は思っていたが、やがてそのデジタマも孵り敢え無くご破算。男はまた新たに産まれた子供たちを養う羽目になった)
(幸い、なまじ攻撃力はあるブレイドクワガーモンへ進化出来るコクワモンによって獲物には困らず、そうして男のデジモンたちはどんどん数を増やしていった)
(そして、気が付けば大所帯の一大勢力へと膨れ上がっていたのだ)
はっはっはっはっは!!!お前ら~~~!!
俺達の手に掛かれば、もうこの世界は俺のものだ~~~!!!
「「「わ~~~~~!!!」」」「「「かみさまのもの~~~~!!!」」」
はっはっはっはは!!!俺についてこいお前らア!!!共に世界を掴むのだああ!!!!!
「「「か~みさま~~~!!!」」」「「「か~みさま~~~!!!」」」「「「か~みさま~~~!!!」」」「「「か~みさま~~~!!!」」」「「「か~みさま~~~!!!」」」「「「か~みさま~~~!!!」」」
『・・・・・・』(いつか、手ひどい竹箆返しがあるのではないかと、コクワモンは独り言ちた) - 40アンティラモン25/12/01(月) 21:34:55
- 41ドリモン25/12/01(月) 21:38:20
【ドリモンはいつしかドルガモンへと至る。
セイバーハックモンやフレイドラモンなどの数多くの強者がドルガモンを鍛え上げて龍王にするべく何度も模擬戦をする。
いつしか同年代の誰にも負けないほどになっていた】
【その頃、竜人の集落はストライクドラモンの死後、第一次ベビーラッシュが訪れていた】 - 42メタトロモン25/12/01(月) 21:46:50
…………
【デジタルワールド外から降臨した究極体デジモンである】
………ふむ、我が統べるに相応しい…と言いたいが我本人の力で征服しても面白くない
ならばデジモンを従え、文明を作らせれば…… - 43都市伝説25/12/01(月) 21:47:09
あるvtuberの女性がいた
彼女はやれる努力はなんでもやった
だが売れなかった
才能が欠けていたから
彼女はある同業者を妬んでいた
キャラ被りしている上に、自分よりも高い才能を持っており、チャンネル登録者数でも負けていた
ある時彼女は酒に酔った勢いで、妬んでいる相手の悪口をネットに投稿した
単なる気の迷いだった
だがその投稿はこれまで見たことも無いようなインプレッション数を叩き出し、拡散された
「僕たちの大好きな●●ちゃんに嫉妬して悪口を言っている奴がいる!」と叩きまくられたのだ
翌朝、酒が抜けてから慌てて投稿を消すももう遅い。愚かなアンチとして擦られ続けることになってしまった
もはやvtuberの活動を続けることは続行不可能だった
「アイツさえいなければ!」
女性は荒れに荒れていた
その時、女性のスマートフォンにメッセージが送られてきた
『イケニエヲ ヨコセ オマエノ アクイ ゼンブ ヨコセ』
『サスレバ ダレカ ミチヅレニ シテヤル』 - 44都市伝説25/12/01(月) 21:51:51
元vtuberの女性は自暴自棄になっていたのであろう
自身のvtuberモデルや、投稿した動画、SNSの投稿ログなど、全てを『何者か』に捧げた
『ウマイ オマエノノゾミ カナエテヤル』
数日後、彼女が妬んでいた人気vtuberは、突如としてネットから消えた
投稿されていた動画も、SNSアカウントも、彼女に関連する切り抜き動画さえ消えていた
女性は狂喜乱舞した
そして『何者か』に感謝の言葉を捧げた
すると、ひとつのメッセージが送られてきた
『オマエノ アクイ マダ 枯レテイナイ モット 注ゲ』
そうして女性のスマートフォンのウィジェットに、ひとつのタマゴのような物体が表示された
それからネットで都市伝説が流行り始めた
「生贄を捧げると、嫌いな奴をネットから消してくれる悪魔が、ネットを漂っている」と - 45二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 21:52:28
- 46二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 21:59:36
- 47二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 22:02:33
【天使や神などのデータを含んだメモリ結晶が輝いている】
- 48獣人集落25/12/01(月) 22:06:06
「帰ったぜおさおさ!!」
「おさおさちんおひさ~☆やっぱマジもふもふでかわちぃ~☆」
「おさ、カメ、帰った。ひひん」
[……ええぇ~」
ジンバ―アンゴラモンは竜人集落から帰ってきた三人の変わりように大いに困惑し、そして一人残って最後を迎えたであろうまぜまぜに涙を浮かべた。
しかし、帰ってきた三人は、新たに得た力で大いに畑作りに役立った
キンカクモンは放電能力によって害虫を撃退し、グロットモンは新たに耕すための道具、鍬や鋤、そして草を刈る鎌を作って配り、ケンタルモンはその馬力によりユニモンたちと共により広範囲を耕した
こうして、獣人集落の大農場は、大きく前進していったのだった - 49セイバーハックモン25/12/01(月) 22:07:12
- 50都市伝説25/12/01(月) 22:10:39
ある情報商材屋は悪魔に頼んだ
『俺よりも売れている業者を消してくれ』と
悪魔は応えた
『ナラバ イケニエヲ 差シ出セ オ前ガ持ツ 価値アルモノヲ 捧ゲヨ』
情報商材屋は価値あるデータを思い浮かべた
自分の情報商材、顧客リスト、暗号資産など…
だが、男はそれらを生贄に捧げることはできなかった
自分は勝ちたいから。勝手未来を掴みたいから。
だから捨ててもいいデータを捧げた。既に解約済みの顧客の情報などだ
悪魔から返答があった
『不味イ コンナモノデ 我ヲ従エラレルト思ウナ』
男の端末は急に乗っ取られた
そして、彼が今までにやってきた詐欺まがいの手口が全てネットにリークされた - 51都市伝説25/12/01(月) 22:12:22
情報商材屋はネットで注目を浴び、総攻撃を受け、ついには警察に通報された
男は泣き叫びながら頭を抱えた
それでも男は、ため込んだ暗号資産や株取引のデータなどを持って再興しようとしたが…
なんと男のデータは消えていた
SNSアカウントも、ため込んだ暗号資産も、情報商材のノウハウもすべてが消えていた
それはインターネット上における「破滅」を意味する
彼の詐欺まがいの手口に騙された別の何者かが、悪魔を呼び、情報商材屋の男をターゲットにしたのだ
端末の中で悪魔は笑った
『ヨウヤク 美味イモノガ 食エタ』
他人を蹴落として勝とうとする者に悪魔は手を貸さない
憎い者を道連れにして破滅しようとする者にのみ手を貸すのである
破滅主義者が捧げる人生の全てと悪意の全てが詰まったデータこそ、何よりも極上の栄養価と味わいがあることを、悪魔は知っているからだ - 52ポキュパモン25/12/01(月) 22:15:49
- 53セイバーハックモン25/12/01(月) 22:17:02
- 54二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 22:20:58
このレスは削除されています
- 55野良ハンター25/12/01(月) 22:20:59
はっはっは~~!!!それいけお前ら~~~!!!
まずはこの大陸を征服するのだ~~~~!!!!
「「「わ~~!!!」」」「「「せいふくだ~~~!!!」」」「「「せいふくだ~~~~!!!」」」
(それから男の率いるデジモン軍団は原始デジタルワールドの南半球に位置する大陸を進軍していった)
(彼らはみな最初の10体同様、種族も丸でバラバラであったが、男のいい加減で妙にポジティブな性格を受け継いでか、まったく気にせず同調していた)
(こちら側のデジモンは今だ文明らしいものを持つ者はおらず、二足歩行デジモンが士族単位で点在する程度であった)
(男の軍勢はそう言ったデジモンたちをも接収し、男が中途半端な知識でうろ覚えの「文明っぽいこと」を、軍勢に再現させていった)
(しかし、自分たちに文明をもたらしたその男の振舞いは、彼らにとってまさに「かみさま」だった) - 56アンティラモン25/12/01(月) 22:21:58
- 57野良ハンター25/12/01(月) 22:25:59
- 58アンティラモン25/12/01(月) 22:27:54
- 59ポキュパモン25/12/01(月) 22:28:38
- 60セイバーハックモン25/12/01(月) 22:29:37
- 61野良ハンター25/12/01(月) 22:31:31
- 62メタトロモン25/12/01(月) 22:33:01
- 63ポキュパモン25/12/01(月) 22:34:05
- 64アンティラモン25/12/01(月) 22:34:12
- 65セイバーハックモン25/12/01(月) 22:36:07
- 66野良ハンター25/12/01(月) 22:38:55
え!?いや……あの……はい
(こうして男は違法にこのデジタルワールドに侵入し、デジタマを売りさばこうとして帰れなくなったこと、そしてなんかノリと勢いでここまで来てしまったことを語った)
でぎごごろなんでづうううううううう!!!
おれ、おれもうかえれないとおもってええええええええ!!!
じゃあもうすきにしてやろうとおもってえええええええええええ!!!
ちび共もなんやかんやでめんどうみなきゃなんなくてええええええええええ!!!
きづいたらなんかすごいことになっててええええええええええ!!!
『ピポ』(あーあ、全部言っちゃったよ)
「「「かみさま~~~~~!!!」」」
「お前かみさまなかすな!!」「かみさまえらいんだぞ!!」「かみさまえらい!!」「かみさますごい!!」「かみさまぜんちぜんのーー!!!」
もおやめておまえらあああああああ!!
今はそっとしといてええええええええええええ!!!
- 67ポキュパモン25/12/01(月) 22:39:10
- 68セイバーハックモン25/12/01(月) 22:39:51
- 69都市伝説25/12/01(月) 22:40:36
やがて、人の願いを叶える代わりに魂を奪う都市伝説の正体…
ネット上でたくさんの悪意のデータを吸収した悪魔は、大きな進化を遂げた。
そして奈落の底に空いたゲートから、デジタルワールドに舞い戻ってきた。
堕天使型完全体、フェレスモン。
デビモンが進化した姿だ。
同伴したイビルモンはデビドラモンとなっていた。
レベルは成熟期のままだが、以前よりも強力な力を身に着けていた。成熟期から成熟期への『特殊進化』である
フェレスモンはデビドラモンの背に跨り、デジタルワールドを飛び交った。
彼は単に暴飲暴食をしているわけではない。『仲間』を探しているのだ。
かつて親のオーガモンがやった方法よりも、もっと賢い方法で。
言葉を知るデジモン、知らないデジモン問わず、フェレスモンはデジモン達の心の影に囁きかけた。
弱肉強食の中で生きていた野生デジモン達がこれまで感じたことのない耽美な感情…『悪意』への誘いを。 - 70アンティラモン25/12/01(月) 22:41:46
- 71獣人集落25/12/01(月) 22:44:35
獣人デジモンたちによる巨大農場プロジェクトはいよいよ大詰めであった
青々と茂る植えた植物からは実が成り、デジモンたちは成功を大いに喜んだ
そして、ジンバーアンゴラモンは育てるのに適す植物、反対に適さない植物の研究も進めていた
「あー⭐おさおさちんめっけーー!!」
「う、きらきら……」
「あーん⭐おさおさちんやっぱモフモフー⭐ちょーかわちー⭐」
「……あの、ちょー、とかわちー、とは、どういう意味、ですか?」
「えー?知らなーい⭐ちょーかわちーはちょーかわちーだよ⭐」
「……そう、ですか」
ジンバーアンゴラモンはきらきら(キンカクモンによくわからない言葉で話しかけられて抱きつかれることに、少し困っていた) - 72野良ハンター25/12/01(月) 22:45:40
- 73ポキュパモン25/12/01(月) 22:48:54
- 74ダゴモン25/12/01(月) 22:49:28
- 75アンティラモン25/12/01(月) 22:49:38
- 76セイバーハックモン25/12/01(月) 22:50:36
- 77ポキュパモン25/12/01(月) 22:51:08
- 78フェレスモン25/12/01(月) 22:52:30
フェレスモンはトロピアモンの下へ降り立った。
そしてトロピアモンの心に語り掛けた。
言語を超越した「情報」を、直接テレパシーで脳に流し込んだのである。
『そこのキミ…君だよ。常に空腹に苦しみながら、地の養分を啜っているそこのキミだ』
トロピアモンの心に語り掛けるフェレスモン。
彼はトロピアモンのことをどこまで知っているのだろうか。
『キミは強くなりすぎたことに後悔していないかい?』
『甘い植物を好きな時に喰らい、好きな時に眠っていた、自由があった頃。あの頃よりも不自由になってしまったと…そう感じていないかい?』
『ワタシならば、キミにひとつの救いを齎すことができるヨ。キミが今の生き方の先に目指すものが何もなければ…今の自分を捨てることができれば…の話だが、ネ』
- 79トロピアモン25/12/01(月) 22:54:31
- 80セイバーハックモン25/12/01(月) 22:56:31
- 81野良ハンター25/12/01(月) 22:56:57
- 82アンティラモン25/12/01(月) 22:59:17
- 83フェレスモン25/12/01(月) 23:02:02
フェレスモンは、トロピアモンが放った毒ガスを勢いよく吸い込んだ!
『美味いッ!耽美ッ!甘露ッッ!!』
次の瞬間、フェレスモンは吐血した。
『ゲホッ!…しかし、美味いモノほど毒がある。欲望と同じDEATHネ。ヒヒヒヒヒ!大好きDEATHよ、ワタシ!!』
フェレスモンはかつて人間界で採取した、凄まじい情報量が詰まったデータをトロピアモンに差し出した。
『美味しいシーシャを吸わせてくれたお礼DEATH。おひとついかがですか?』
そのデータは、人間の研究者が砂漠化した大地を緑化する研究に取り組んで得た、膨大な研究データであった。
『あの土地が緑化してしまったら支援金を受け取れなくなるので、緑化を阻止してほしい』という向こう見ずな人間の願いを叶えたときに奪った貴重なデータである。
『緑』に関する膨大なデータが、そこには詰まっている。
- 84ポキュパモン25/12/01(月) 23:02:30
- 85野良ハンター25/12/01(月) 23:03:05
- 86セイバーハックモン25/12/01(月) 23:03:30
- 87アンティラモン25/12/01(月) 23:04:33
- 88トロピアモン25/12/01(月) 23:05:59
- 89フェレスモン25/12/01(月) 23:13:20
「ンヒヒヒヒ!!お近づきの印DEATHヨ!ご安心を!毒なんて入っておりませン!君のシーシャと違ってネ!イヒヒヒ!」
「毒があるとするなら、中『毒』性を感じるほどの『美味しさ』と『栄養』のみ!!」
「どうDEATHかァ?美味しいでしょう?ファンキーでSHOW?ワタシはまだ『ワレワレ』を定義する言葉を知りませんガ……、ワレワレは本来、このようなモノが舌に合うのDEATH」
「ですがこれは『お裾分け』!ワタシにとってはオヤツのようなモノ!ヒーヒヒヒ!」
「よろしければ、これをお腹がいっぱいになるまで味わい尽くしたいとは思いまセン か?」
「私と伴に!刺激的なグルメの旅へ!今なら特別!SHOWTIMEへのご招待!」
「美味しいディナー ご一緒に いかがDEATHか?」
- 90野良ハンター25/12/01(月) 23:13:22
『おめーみてーな脳梨のぼんくらがこんな世界で生きているイキテワケイねーだろうがタコ!!!のタレじにするのがオチじゃボケ!!!誰がてめーのケツ吹いてやってきたとオモッテンダ!!!!』
こ、コクワモン……お前しゃべれたの!!??
『緊急時にはしゃべれるようになってんだボケ!!!いいか!!おめーみてーな知恵もない運もない職もない金もなけりゃ甲斐性もないないないづくしのごく潰し野郎がいきてこれたと思ってるんだ!!!おめー俺がいなかったらとっくにおっちんでんだぞ!!!それがなにぃ?かっこつけてんじゃねえぞボンクラ野郎が!!!さみしいくせによお!!』
こ、コクワモン……さみしいですうううううう!!!
『おめーはバカなんだから意地張ってねーで俺のことたよってりゃいいんだよカス!!!わがったかあ!!』
はいいいいいいいい!!!ごめんなさいいいいいい!!!
これからもよろしくお願いしますううううううううう!!!
- 91トロピアモン25/12/01(月) 23:15:45
- 92アンティラモン25/12/01(月) 23:18:26
- 93野良ハンター25/12/01(月) 23:23:14
え?え?ジンバーアンゴラモ…へええ???
『・・・行っちゃったな』
……ああ
『どうすんだよ、帰る手段なくなっちまったぞ?』
……それ聞いちゃう?
「かみさま?」「かみさまどうしたの?」「かみさま~」「せいふくは~」
……ぐすっ、待たせたな、お前ら
よおおおおおおおし!!!まずは大陸征服だああああああ!!!!
「「「わああ~~~~!!!かみさま~~~~!!!」」」
- 94フェレスモン25/12/01(月) 23:29:00
「素直でよろしイ!実によろしイ!最近の若者は欲望の発散の仕方を知らず÷イ大人に騙され価値だというのに!!君はそれよりずっと賢イ!」
「では『契約(ビジネス)』をしまSHOW」
フェレスモンが指から光を放つと、空中に契約書が映し出される。
トロピアモンには読めない文字だ。
「これからアナタを、このデータを好きなだけ貪り食える世界に連れて行ってあげMATH!」
「無限ブュッフェの世界!血糖値ブッ壊れるまで食い放題!カロリーオーバー、太りすぎ、全然気にしなくてイイ!」
「その代わりにアナタには、三つの契約を結んでもらいマス!」
壱:七日に一回、『取りすぎた栄養』を果実にして私にくだsight
弐:七日に一回、その首の花びらから出る粉を私にくだsight
参:デジタルワールドで私がアナタを呼んだら、何よりも優先して駆けつけてくだsight
「イーヒヒヒ!!長ったらしくて読んでられないDEATHね!?それでいーんです!契約書の中身なんて読まなくてNo Problem!サインだけしてくれればイイ!」
「あなたの魂に、契約書が刻まれ、必ず契約を履行することになりMATHから」
一呼吸を置き、ニカッと笑う。
「イヒヒヒヒ!長ったらしいハナシ、何も聞いていませんネ?今すぐ喰らい尽くしたいですネ?浴びるほど食べたいですネ?それで正解!それが正解!!食べたいなら!私の手に『ハイタッチ』してくだサイ!」
そう言い、フェレスモンはトロピアモンに手を差し出す。
- 95ドルガモン25/12/01(月) 23:32:56
…………
【ドルガモンは大勢の護衛を引き連れて獣人達の集落へと向かっていく
彼らは偉大なるストライクドラモンの子供を平和の象徴にしたいのだろう】
…父上、のか - 96トロピアモン25/12/01(月) 23:33:33
- 97獣人集落25/12/01(月) 23:37:48
「あ~~ん☆おさおさちんまじかわち~☆やばたん~~☆」
「か、わち?ヤ…ば?」
(おかあさん、最近の若い子の言葉はよくわかりません)
ジンバ―アンゴラモンはほとほと困っていた - 98アンティラモン25/12/01(月) 23:38:23
さて……次はどこへ行きましょうか
……いけませんねー。彼らを見ていたら……なんだか……
【脳裏に過ぎるのは……アンティラモンを母と慕ったあのジンバーアンゴラモンの姿】
今、何してるんでしょうか
ちょっとだけ様子を見に……いえ、あんなかっこつけたこと言った手前私から会いに行くのはちょっと恥ずかしいような……
……?
【妙な感覚に立ち止まる】
【胸元に触れる。定期連絡は少し前にしたばかりなのに、ケルビモンの作り出した疑似デジコアが何かに反応している】
これ……緊急信号?一体何が……
『……アンティラモ……聴こえ……か……?』
ッ!? ケルビモン様!?
『非常……態……!邪悪なる……が……外の要素……!!』
【ひどく雑音が多い。通話を行う為のチャンネルがきちんと合っていない状態だ。定期連絡の為のチャンネルは合わせるのに時間がかかるので、時間を置いて定期的に行うことになっているのだ。つまり、ケルビモンはそれを待てないほど焦っている。一体、何が……】
『異分子を……排除なさい!!』
【そう鋭く告げると、ケルビモンからの通信はぱったりと途切れた】
……何が……起きているというんですか……? - 99トロピアモン25/12/01(月) 23:39:47
- 100フェレスモン25/12/01(月) 23:45:49
「契約 ☆ 成立!!」
空中に浮かんだ契約書が、トロピアモンとフェレスモンのそれぞれのデジコアに吸い込まれていった。
『互い』に契約を履行する義務が発生した証である。
「それではこの空飛ぶトカゲに乗ってくだsight!奈落の果てにごSHOWTIME!!」
デビドラモンはトロピアモンを乗せ、奈落の底のデジタルゲートをくぐり、トロピアモンを人間界のネットワークに送り届けた。
「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!食いしん坊さんをネットに送り込んでしまいましタ!!!愉快!!愉快なことが起こりMATHよ!!!」
ゲートをくぐり抜けたトロピアモンの目の前にあったのは…
広大なネットワーク空間だ。
「あとは何をすればいいか分かりますネ?いいニオイがする方に好きなだけ旅をし、好きなだけビュッフェを楽しんでくださイ!!それでは今後ともよいお取引を!!」
そう言い、デビドラモンとフェレスモンはゲートから去っていった。
後は何をしようがトロピアモンの自由だ。
悪魔と交わした契約さえ守れば。
- 101フェレスモン25/12/01(月) 23:52:42
フェレスモンは、何かに惹きつけられるように海辺へ向かった。
「ンンン?」
海辺でダゴモンに話しかけられたフェレスモン。
「はて、君でしたカ!今日はなんてハッピーな日!ワタシは君に惹きつけられ、探していたのDEATHよ!脳にビンビンに伝わってくる、キミの思いを辿ってネ!」
「フム、知力と知識を得たい…素晴らしイ!!!!まるでスポンジのようDEATHネ!!就活でアッピルできますヨ!」
「知識という世界に広がる甘い蜜!一滴残さず味わい尽くしたイ!!分かりMATH!!実に分かりマス!!」
異様なハイテンションだったフェレスモンは、急に冷静になって、落ち着いた口調で話し始める。
「我々のいるこの世界は今、『力比べ』の強弱が『偉さ』の物差しDEATH」
「頭を使って何かを生み出しても、『力比べ』で敗ければ全てが奪われル」
「『脳トレ』するより、『筋トレ』した方がお得!『脳トレ』するなんて時間の無駄!」
「…実につまらない世界だと思いませんカ?」
ダゴモンの肩に手を置くフェレスモン。
「あなたは競えばだれにも負けなイ。今更ウミヘビ共と力比べをしても、勝てることは分かり切っているでSHOW。ウミヘビを釣り終わった後に、何を目指しMATHか?」
フェレスモンは、彼がまだ知らないはずのシードラモンたちのことについて言及した。ダゴモンからテレパシーで伝わってきたからである。
「ワタシは知っています。『脳トレ』した者が偉くなれる世界を。『力比べ』より『知恵比べ』で偉さが決まるセカイを!ワタシはそこから来た!」
「どうDEATHか?アナタが住むのにはよほど適した環境ではないDEATHか?」
「キミは誰よりも賢くなれMath。この世界の海だけでなく、知識あふれる『ネットの海』。行ってみたいと思いませんか?」
- 102トロピアモン25/12/01(月) 23:53:54
『うびぁあああああ??!!!』
トロピアモンは歓喜した
なんだこれは?なんだこれは!?
光合成も必要ない、地面に根を生やして栄養を吸わなくてもいい
そこらじゅうに美味しそうでたくさんの甘いもの(データ)が溢れている!?
『うまいいいいいいいいい!!!!うまあああいいいい!!!!うまいいぞぉおおおおおおおお!!』
人間世界のネットワークでは大量のデータが同時多発的に消失するという事件が世界中で勃発した
農林水産省、世界環境機構、グルメ板からレシピサイトまで、トロピアモンは涙を流して膨大なデータをはち切れんばかりに食べた
『うううううううまあああいいいいいいいい!!!うまいいぞぉおおおおおおおおおおおお!!!もっどおおおおおおおお!!!もっどおおおおおおおおもっどくいたいいいいいいい!!!!』
生まれて始めて満腹になったトロピアモン
その腹に貯めた膨大なデータは、果実となって彼の身体中に実っていった - 103ダゴモン25/12/01(月) 23:59:43
- 104老婆25/12/02(火) 00:04:02
「うふふふふ、今日もいいレシピ思い浮かんじゃったわ」
イタリアのナポリで、一人のおばあさんがスマホを触っていた。
このおばあさんはお手軽に作れる極上美味料理のレシピを投稿するのが趣味だ。
グルメサイトでは、彼女をフォローしているものが世界中で5万人いる。
「さーて、今日もコメントを読みましょうかしら」
息子も孫も家を離れ、夫に先立たれたおばあさんにとっては、今やグルメサイトによせられるコメントが何よりも楽しみだった。
「ん…?」
様子がおかしい。
サイトに繋がらない。
「あれ?どうしたの?ねえ?」
おばあさんは一日中サイトの更新ボタンを押し続けたが、その日グルメサイトが復旧することはなかった。
- 105フェレスモン25/12/02(火) 00:09:42
- 106獣人集落25/12/02(火) 00:12:48
獣人デジモンたちは大農場の収穫が成功したことを祝い、全員で宴を開いていた
「めでてー!!」「めでてーー!!」「めでたい!」「めでたい!」「おめでとう!!」
「んひひ~~⭐おさおさちん⭐おさおさちん⭐」
「あうう~~~~」
きらきら(キンカクモン)とジンバーアンゴラモンは、祝いの席で始めて飲んだ気持ちのよくなる水に、頭がくらくらしていた
「えへへ~~⭐おさおさち~~ん⭐」
「うあ~~~~(あたまが、まわらない。しこうが、ぼやける、おかあさんごめんなさい、ぼくは、きもちのよくなるみずに、のまれる、わるいこ、でした)」
「お~~さ~~お~~さ~~ち~~ん⭐」
「うあ~~」
翌朝、ジンバーアンゴラモンは、気がつけばデシタマを始めて生んでいたことに気づいたのだった - 107ダゴモン25/12/02(火) 00:15:06
- 108ダゴモン25/12/02(火) 00:22:13
【おおお!!……おおおおおお!!!!!】
ダゴモンは歓喜した
【ここがネットの海・・!!!本当に、本当に知識が海の如く無限に・・・!!!】
ダゴモンはオクタモンの時から、いや、シャコモンの時すら、大きな知識欲を抱いて生きてきた
【おおおお!!賢さ!知恵!叡智!叡知!wisdom!intelligence!!おおおおおおおお!!!】
1知りたいと思ったことが10、100と知れる!?なんて素晴らしいことだろう!
ダゴモンは思うまま、知識欲のままにネットの海の水を飲み込み続けた - 109フェレスモン25/12/02(火) 00:25:49
ダゴモンを連れて、奈落の底のゲートの前に降り立ったフェレスモン。
「…ここだけの話death。ワタシはこのゲートを、タダで他所モンに教えることなどあり得ない。それほどこの『場所』を『知っている』ことに『価値』があるからDeath」
「Deathが、ワタシはアナタをここにタダで連れてきてしまいましタ。不思議ですネ?」
フェレスモンは少し考える。
「…成る程。ワタシはビジネス以前に、アナタと友達になりたイのですネ」
「『SNS』にあふれるデータは悪意だけではなかった。ユルい友情、気軽な絆。見返りを求める愛情。そういったデータを、ワタシも取り込んでいたのDeathネ」
「…オホン。お待たせしても仕方ありませんネ。ではいざ行かん!ネットの海へ!」
ゲートをくぐると、そこには広大なネットワーク空間があった。
まだトロピアモンに食い散らかされていない領域である。
「イヒヒ…どうDeathか?美味しそうなニオイ、あちこちから漂ってくるでShow?」
「だけどデータの楽しみ方は、ご馳走にすることだけではありませン!舌と胃袋だけではなく、脳と心で味わうこともできるのDeath!」
「…『ビデオゲーム』。聞いたことないでshow。一緒に遊びませんカ?」
- 110ダゴモン25/12/02(火) 00:32:44
【ゲーム?・・まて、説明は・・今知った。そうか、なるほど・・人間、という生き物が作った、暇を潰す遊び道具・・ということか?】
【わからない、わからない?知識だけでわからない??やらないとわからない???神ゲー???なんだ??知識だけではわからないことがあるのか???】
【・・・これは、楽しいこと、なのか???・・楽しい・・・??我が、経験したことのない概念だ】
【そうか、経験か!!!知識は経験が合わさりより磐石になる!!!より強固な確信になる!!!これが学習!!これが実感!!】
【よし!!やろう!!やろうぞ!!・・こういうとき、相手の名を呼ぶものなのか?】
【お前の名を、我は知らない。我の名も・・我は知らない】
【友だち、とは、名を呼び会うものだと、知識にある。・・・どうすればいい??】
- 111獣人集落25/12/02(火) 00:42:55
宴の翌朝、ジンバーアンゴラモンはまた困ったことになった
「へへへ~~かわちぃね~~⭐」
「ん、ええ、はい」
ジンバーアンゴラモンが産んだデジタマを、きらきらが安置室に持っていかずに持ち歩いているのである
「元気に産まれてほしいね~⭐きらきらとおさおさちんのこども⭐」
「???あの、たまごを産んだのは、ぼく、なのですけど?」
「へへへ~~⭐いいの~~⭐おさおさちんおんなのこがわかってないんだから~~⭐」
「????」
(おかあさん、おんなのこって何ですか?)
ジンバーアンゴラモンは、今日もきらきらのよくわからない言葉に困っていた - 112フェレスモン25/12/02(火) 00:46:41
「名前…はて。ワタシの名前deathか。契約書にサインする用途以外で使ったことがないので、どう名乗ればよいカ」
「フム。契約書を表示しましょウ。ワタシ達の仮の名前が記されているはずdeath」
そう言い、フェレスモンは契約書を空中に映し出す。本文は空だ。
「…『フェレスモン』?これがワタシの名ですカ。あなたは『ダゴモン』?誰がいつ名付けたのでしょうネ?一度も呼ばれたことのない名ですネ?イッヒヒヒ!この世は未知に溢れている!面白いですネ!」
「ワタシのことは『フェレスモン』と呼んでくだsight、我が友よ」
フェレスモンは笑みを向ける。
「一緒に遊ぶ…というのは、ワタシとアナタで対戦をする、という意味ではありませン。このネットの海を作った偉大な生き物たち…『ニンゲン』を相手にして、どちらがたくさん勝てるかを競いまshow」
「ニンゲンは面白い生き物death。息を吐くように嘘をついている。争いが嫌いと言っておきながら、日夜バーチャルの世界で争いを楽しんでいル!知恵比べという争いを!」
「一番面白いゲームをワタシは知っていますが…、それを教えるのは『契約(ビジネス)』の話になってきMath」
「さて。まずはアナタが求めた知恵比べ…その疑似戦闘。ニンゲン相手に、やってみませんか?」
- 113フェレスモン25/12/02(火) 00:48:50
(様々なオンラインゲームがダゴモンの前に表示される)
「好きなものを選んでくだサイ」 - 114フェレスモン25/12/02(火) 00:55:54
(メタ:今日は落ちます。おつです)
- 115ダゴモン25/12/02(火) 00:59:37
【ダゴモン??それが、我の、名、なのか・・我は我は!!】
その時、ダゴモンは、まるで、自分が産まれた意味を理解したかのような天恵を得た
【ああ、改めて・・我はダゴモン、共に遊ぼうぞ、フェレスモン。我が友よ】
それから、ダゴモンはありとあらゆるゲームをプレイした
レーシング、シューティング、謎解き、雑学、シミュレーション
どれも最初は幼子ようなプレイであったが、ダゴモンはスポンジのように知識と得た経験を生かし、やがてどのゲームでもメキメキと頭角を表した
【おお、おおおお!!!・・今、今、我は我を確信したぞ!!我は、我は知略によって相手に勝つことが好きなのだ!!快感なのだ!!生の喜びを実感出来るのだあああああ!!!】
やがてダゴモンはありとあらゆるゲームから知識を吸収していった
【はっはっはっ!!!楽しい!!楽しいなフェレスモン!!!人間とは!!なんと!!偉大で!!貧弱で!!したたかで!!愚かで!!!面白い生き物なのだ!!!】
- 116メラモン25/12/02(火) 06:20:40
(ポキュパモンが密林を彷徨っている中で視点をメラモンに移そう)
(メラモンは火山地帯でひたすら特訓していたがある時修行場に妙な物が落ちていたことに気づく)
(それはキラキラした物体であり中には音楽のデータ 中でもとりわけアップテンポのものが入っていた)
なんじゃこりゃ
(メラモンは拾い上げ体の中に格納した)
(そして気にせず修行をするのであった) - 117ジオグレイモン25/12/02(火) 07:20:47
【傷ついたジオグレイモンは最後の力でデジタマを産む】
【そしてそのまま力無く目蓋を閉じるのだ】 - 118ドルガモン25/12/02(火) 07:44:20
【獣人集落にドルガモンとその護衛集団が訪れる。
新たなリーダーとして挨拶しに来たのだ
ドルガモンは相変わらず緊張している】 - 119フェレスモン25/12/02(火) 07:49:25
- 120アンティラモン25/12/02(火) 07:51:34
【疾風の如く世界を駆ける】
【疑似デジコアからのエネルギー供給のお陰で、アンティラモンはほぼ無休で動き回ることができた】
【ケルビモンからの緊急連絡が気がかりだった。この世界に何か異変が起きようとしている……もしくは、既に起きている】
【ケルビモンから与えられた任務を遂行する為、アンティラモンは"異分子"を探す】
【……ケルビモンから命じられたからというだけではない】
【バブンガモン、ウェンディモン、……そしてジンバーアンゴラモン】
【友とその遺児が生きた世界を。そして愛する子が生きる世界を守りたい。その深い愛情がアンティラモンを突き動かし、手がかりも途方もない捜索を続けさせていた】 - 121ダゴモン25/12/02(火) 08:22:24
- 122獣人集落25/12/02(火) 08:30:03
獣人デジモンたちはそれから大農場によって、これまでよりも安定して作物を収穫する事が出来るようになった
もちろん、すべてが順調出はない
植える作物の種類、味、土に必要な「えいよう」、適した植物……研究の目は山積みである
グロットモンの作った農具は実に役立っていた
獣人デジモンたちはさらに鉄を得るために、竜人たちとの公益を求めた
「……やはり、飛ぶ、は、いいですね、仲間も、もっと、飛べる、が、増えれば……」
「おうおさおさ!!元気かい!?」
「も~~⭐おさおさちんまた飛んでる~~⭐かわち~⭐ヤバたん~~⭐」 - 123フレイドラモン25/12/02(火) 08:32:46
- 124ダゴモン25/12/02(火) 08:37:25
【フェレスモンよ・・ありがとう。ソナタのおかげで、我は今、産まれて始めて、生の喜びを実感出来た。楽しくて!楽しくて仕方がない!!知らないことを知るのが!我は楽しい!!】
【我の「知識欲」はさらに昇華し「探究心」となった!!知識だけでは足りぬ!!「実体験」も欲しい!!!】
【フェレスモンよ!!人間にとって!このゲームはあくまでもシミュレーション!仮想体験なのであろう!!しかり我ら・・デ・・ジ・モン???・・!!デジモン!!!デジモンにとってデータこそがリアルだ!!】
【ならば人間にとってのリアルとは何処にある??!!我は知りたい!知りたいぞ!!知りたいという欲が抑えられない!!】 - 125フェレスモン25/12/02(火) 08:38:51
「オーノー!全力出したのに敗けましタ!
ニンゲンの言葉には『好きこそものの上手なれ』というものがありマス。本当に『知恵比べ』が『好き』で『得意』ですネ?」
「ニンゲンの言葉では、あなたのようなものを『ジーニアス』と呼ぶそうdeath」
「ンフフ〜楽しいですネ。数学…世界の法則を紐解き、それを利用する。まるで『創造主』の模倣のようdeath」
「戦略シミュレーション…。自分の強い力で戦うのではなく、弱い手駒の力をうまく理解し、それを組み合わせて戦ウ!支配者、指揮官としての素質が磨かれるようdeath!」
フェレスモンはにっこりと笑顔を浮かべたあと、少し落ち着いたテンションで語りかける。
「アナタに問います。ニンゲンが作り出した中で『最も難しい数学パズル』、挑戦してみたくありませんカ?」
「アナタに問います。強い強いクジラを倒すために戦略を組み立てていたあの時の高揚感…再び楽しみたくありませんカ?」
「よろしければ最高のゲームを2つ、ご紹介いたしまス。ただしこれを紹介するにハ、『契約(ビジネス)』が必要death」
「無問題(モーマンタイ)!大切なお友達のダゴモン相手に、不利な契約を持ちかけたり騙すようなことは誓っていたしませン。win-winのいいおハナシですヨ?」
- 126ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 08:42:37
- 127アンティラモン25/12/02(火) 08:45:35
【駆け回るうち、アンティラモンの足は気づけば獣人デジモン達の集落へと向かっていた】
【彼らに……愛する子に異変が起きていないか心配だったのだ】
【少しだけ……少し様子を見て大丈夫そうなら捜索に戻ろう】
【そう思って集落を覗く】
……これは……
【……少し離れている間に随分繁栄した様子の集落に、アンティラモンは小さな目をパチクリさせた】
【成長が著しい】
【いや、思えばバブンガモンの時もほんの少し目を離した間にゼロから集落を作り出していた。その頃に比べれば世代は代わり、経験を積み、知恵をつけていったのだから寧ろ順当と言えよう】
すごい……
【素直にそう口から零れ出た。ある種の感動すら覚えていた】
【生の営みを、世界を愛しく思うとは……こういうことなのだろうか】 - 128フレイドラモン25/12/02(火) 08:48:44
- 129ダゴモン25/12/02(火) 08:49:13
- 130ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 08:52:53
- 131フェレスモン25/12/02(火) 08:54:21
「素晴らしい心意気!粋な計らい!契約内容はこうdeath!」
空中に光の契約書が映し出される。
壱:フェレスモンはダゴモンに「最高のゲーム」2つを教える。それがダゴモンにとって「最高のゲーム」たり得なかった場合、弐以降の契約条項は全て破棄される
弐:ダゴモンは危機に陥ったとき、フェレスモンに助けを求めることができる。フェレスモンは可能な限り早急にダゴモンへの救援に応じなくてはならない。
参:フェレスモンが弐の契約に則りダゴモンを助けた数だけ、フェレスモンもまたダゴモンに助けを求めることができる。
肆:壱のゲームによってダゴモンが利益を獲得した場合、そこから若干の分け前をフェレスモンに支払う。分け前の比率は壱のゲーム内容を聞いた後に相談して決め、ダゴモンに不利益が生じない範囲に収めなくてはならない
「この契約書にサインしてくれれば、最高のゲームをご紹介!さあ、契約を済ませて楽しみまshow!」
フェレスモンは赤い六芒星の光が浮き出た手のひらをダゴモンに差し出す
- 132フレイドラモン25/12/02(火) 08:54:31
- 133アンティラモン25/12/02(火) 08:57:20
- 134ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 08:57:58
- 135メラモン→デスメラモン25/12/02(火) 08:59:28
(その頃メラモンはついに自己研鑽の成果に加え音楽のメモリ結晶によって
デスメラモンへと進化した)
(だがデスメラモンは強くなったが故の宿命に苦しむ)
(火山地帯には餌となる物が少ないのだ)
(故にデスメラモンは飢えに苦しむ)
(そしてデスメラモンはついに悪魔との契約に手を出してしまうのだ)
(それは最も強さのための自己研鑽の結果とは対極であった) - 136アンティラモン25/12/02(火) 09:02:13
- 137ダゴモン25/12/02(火) 09:02:35
- 138ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 09:06:23
- 139ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 09:13:56
「え?あーー!!すてきなひとーー!おさおさちんのおかあさんちんじゃーん!!おいっすーー⭐」
「きらきら、仲間、で一番、言葉、上手に、なりました。けど、知らない言葉、も、たくさん、知る、して、ぼく、ちょっと、返事、できない、で、申し訳、ないです」
「へへ~~⭐おさおさちんのおかあさんちんなら~~きらきらにとってもおかあさんちんだね~~⭐見て見てーー!!これきらきらとおさおさちんのこどもだよーー⭐てらかわゆすーー⭐」
「だから、それ、を、産んだ、を、したのは、ぼくで……」
「ええーでもでもー、きらきらもおさおさちんもきもちくなる水でぐるぐるだったしーいっしょに寝たらできてたじゃーん?だからきらきらとおさおさちんのこどもーー!!」
「ううーーん……おかあさん、そうなるんですか???」 - 140アンティラモン25/12/02(火) 09:14:42
【アンティラモンは──天を仰いだ】
(ケルビモン様!ケルビモン様!誓ってわたくしこの世界でそんな妙ちきりんな言葉遣いなんてしておりません!え?なに?そんな人間の世界の俗人の言葉が自然発生することありますか!?なにかのデータが混入した!?何が起きてるんですかこの世界に!)
──ん゛んっ
【動揺を悟られぬよう小さく咳払いをひとつ】
……愛しい子
それらの言葉は概ね褒め言葉ですので、何か反応を返してあげたいのならお礼がよいでしょう
もしくは……そう、ですね……キミもかわちぃね、と返してあげるのもいいかもしれません
【愛しい我が子が俗人の言葉を使いこなすのちょっと嫌だけど】
【キンカクモンを見遣り】
(……!)
(キャプテンフックモンの時もそうでしたが……ここでも……かなりヒトに近い形のデジモンが発生するようになったのですね)
(これは……進化による自然発生なのですか?よく分かりませんね……)
えーと
こんにちは〜……
【とりあえずいつも通り手を振っておいた】
- 141グロットモン25/12/02(火) 09:18:40
「あ?メラドラじゃねーか?どうしたんでいそんなとこで?」
グロットモンは経緯を聞いた
「はー、なるほどねぇ。確かに俺らの世代じゃそんなにだがよ、俺らより前の世代の連中はまだ怖いってやつも多いな」
「あ、そういえば。虫にも肉を喰うやつと草を喰うやつがいるってまぜまぜが言ってたな。じゃあ肉を喰うでかい虫を使えばいいってことじゃねえのか?」
- 142アンティラモン25/12/02(火) 09:19:11
- 143デスメラモン25/12/02(火) 09:21:31
(デスメラモンはついに叫んだ)
俺の飢えを満たすものよ
悪魔でもいい
俺の飢えを満たしてくれー
俺は強いやつと戦いたい
強さへの飢えと物理的な飢え
両方を満たしてくれー
(周囲には草一本生えていない)
(それを聞いたゴーレモンはそそくさと逃げ出してしまった)
- 144ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 09:22:43
- 145フェレスモン25/12/02(火) 09:24:12
「契約 ☆ 成立!!」
契約書は光のパーティクルとなり、フェレスモンとダゴモンのデジコアに吸い込まれる。
「ではお教えしまShow…究極の2つのGameを!」
「これまでにアナタがplayしてきた『クイズ』や『パズル』…、これらはニンゲンの知恵と知識で解ける範疇の難しさに抑えてありmath。なぜなら『解いて楽しむ娯楽』だcolor!」
「正直なところ、こう思いませんでしたカ?知識と知恵をつけるほど、クイズやパズルが簡単になっていき…、もう頭を使う楽しみを得るに足りる難問が無くなってしまうのではないカ?と」
「ところがご安心!ビデオゲームが『解かせる前提で作られたパズル』とするなら、『解かせない前提で作られたパズル』もまたニンゲンのネットワークには存在していmath!」
「それが、これdeath」
そう言ってフェレスモンが指し示したのは…
暗号資産取引所のファイヤウォールセキュリティ。
主要銀行のコアバンキングシステム。
株取引のトレーディングシステム。
「ニンゲンが扱うデータで最も価値のあるもの…それは『おカネ』!Moneyでス!そしてそれを外部から護るセキュリティこそ、ニンゲンの生み出した最も強固なパズル!」
「そして最高のゲームは…、これらのセキュリティを突破して、おカネという至高の宝物をゲットすること!」
- 146フェレスモン25/12/02(火) 09:26:46
「おカネのデータは食べても美味しいdeathが…、ニンゲンはこれを物々交換の媒介に使いmath。ワタシはかつて契約を結んだニンゲンの口座にこれを蓄えていMath。ニンゲンのいるリアル・ワールドに作用したい場合に有用ですからネ」
フェレスモンはデジタル空間を歩き回る。靴の音がコツコツと鳴る。
「ワタシはかつて、色々なセキュリティを突破して楽しんでいましたガ…、この3つだけはどうしても勝てませんでしタ。ニンゲンの叡智の結晶はかくも頑強で美しい!」
「この3つは『ラスボス級』です。まずは地方銀行やオンラインカジノサイト、個人の口座などの小ボスで肩慣らしをしまShow!そちらもなかなか強敵deathよ?」
「そして友よ!うまくお宝をゲットできたら、10%でいい!ワタシに分けてくださイ」
「これが2つの究極ゲームのうち、1つ目…。『ファイヤウォール・パズル』でス。気に入って頂けましたカ?」 - 147ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 09:28:52
- 148アンティラモン25/12/02(火) 09:30:22
〜〜〜〜〜〜〜……っっ
【混乱の果てに、アンティラモンは】
【長い脚を曲げて屈み、キンカクモンの目をじっと見つめ……絞り出すように言った】
……愛しい我が子を、よろしくお願いします……
【──まるで人間の親のような言葉を】
……愛しい子
【そしてジンバーアンゴラモンを見遣り】
彼女……きらきらを、大切にするのですよ……
……私は、今日改めて思い知りました
分からないこと、知らないこと、これから知ることはいくらでもある……知識に底はないのだと……
私もまだまだ未熟……精進せねばなりませんね
【智天使型デジモンケルビモン直属の部下とはいえ、その知恵は万能ではないのである】
【恐らく何かを誤解しつつ──妙にすっきりしたような顔をしていた】
- 149アンティラモン25/12/02(火) 09:33:47
……!!
(こ、この子……!プットモン!)
【全ての天使デジモンの元となると言われている小天使型デジモン。それがプットモンである】
【それまで原始的な生命体ばかりが生まれてきたこのデジタルワールドで、まさか天使が発生する時がこようとは】
【……それを目の当たりにする日がこようとは】
……大切に、育ててあげてくださいね。愛しい子……
【この子がどうかこの世界の希望になりますように……そう、アンティラモンは祈った】
- 150ダゴモン25/12/02(火) 09:34:57
【ほう、かね、金、Money・・人間がものを得るために使用する通貨、という、ものか】
【実在せず、しかしこの世界において「価値」を保証するもの・・・成る程】
【面白い】
ダゴモンは触手をネットワークの海へ広げた
彼の知識欲を象徴するかのように、何処までも伸びてゆく
【知識にあるぞ、人間の、欲。それは我々デジモンにとって最高の栄養源たりえるよ】
【フェレスモンよ、貴殿、さてはこの世界で人間の欲をたらふく食べたのであろう】
【金銭欲、我々にはない概念だ。面白い、我々のようなものを人間は「悪魔」と呼ぶらしい。素晴らしいじゃあないか。我は楽しいぞフェレスモンよ。今、我は我として振る舞っている。素晴らしい高揚だ】
- 151竜人集落25/12/02(火) 09:41:16
- 152ダゴモン25/12/02(火) 09:41:21
(その日を境に、ネットワーク銀行の通帳の数字が誤作動をお越し、さらにはセキュリティが破損するという事件が、世界各地で起こるようになった)
(地方銀行とはいえ信用問題に関わる大事件である、その銀行の株価は凄まじい下落を見せた)
(サイバー攻撃を予測した国は対策を講じただ、世界各地に同時多発的におこる同様の事件に、収拾は追い付いていなかった)
- 153フェレスモン25/12/02(火) 09:46:54
「悪魔!なるほど、ニンゲンの言葉で、人に災いをなすモノ達のことを指すのDeathね」
「イーヒヒヒ!ネットの海で得られるデータの味は最高death!我々がいた世界…仮称デジタルワールドの果実や肉よりもさらに美味い!ファンキーで!プリミティブで!原始的で!本能的なデリシャスさ!」
「しかし疑問deathね?味覚というのは、ワレワレの生命が本質的に欲しているモノを『美味』と感じるようにできているそうdeath」
「すると、ワレワレ…、アナタが『デジモン』と定義し括った存在。デジモンとは何なのでしょうかネ?なぜリアルワールドのデータをこれほど美味と感じるように、ワレワレの味覚はできているのでしょうかネ?」
「イーヒヒヒ!そこにワレワレ、デジモンの『本来の在り方』が隠されていると、ワタシは考えていますヨ。まだまだ分からないことだらけdeathネ!世界は未知に満ち溢れている!」
こほん、と喉を鳴らす
「さて、2つめの究極ゲームを紹介しまshow」
- 154ジンバーアンゴラモン25/12/02(火) 09:48:13
「おかあさん、ぼくは、まだ、できないこと、多いです。力も、着けないと、だし、わからないこと、も、たくさん、あります。言葉も、きらきら、や、おかあさんみたいに、まだ、できないです」
「でも、みんなに、助けてもらって、できる、も、たくさん、ふえました。ぼく、も、おかあさん、みたいに、すてき、に、なれるように頑張ります!!」
「……ぼく、やりたいこと、あるんです。おかあさん、みたいに、なりたいです」
「ぼく、この世界の、知らないこと、もっと知りたい、です。知ったこと、みんな、に、教えたいです!」
「ぼく、きらきらや、この子たちと、協力して、もっと村、よくします!それで、次の、おさおさが、現れたら、ぼく、おかあさん、みたいに世界、を、見てまわりたいです!」
「おかあさん、ぼく頑張ります!もっともっと頑張ります!!」 - 155アンティラモン25/12/02(火) 09:51:08
- 156アンティラモン25/12/02(火) 09:54:57
……して、我が子よ
最近集落で何かおかしなことは起こっていませんか?
なんでもいいのです、気になることなどあったら教えてくれませんか?
【本当はもっと具体的に質問をしたほうがいいのはわかっている】
【だが、現状アンティラモンも何が起こっているのか分からない状態だ】
【何がおかしいのか、何が異分子なのか、何が起こっているのか】
【それすらも分からない】 - 157フェレスモン25/12/02(火) 09:59:19
「2つめの究極ゲーム…それは、ワレワレの故郷デジタルワールドにありMath!」
「もはや退屈で飽き飽きしたあの世界に、今更何の楽しみがあるのかと…そうお考えでshow?それはあなたが、知恵と力の両方を兼ね備えてしまったからdeath」
「デジタルワールドで生じる問題は、たいてい力比べで解決できMath。ダゴモンほどの強さがあれば、知恵を使わずとも力で全てを解決できル…」
「Deathが!もしも、以前一緒に遊んだ『戦略シミュレーションゲーム』のように!弱い手駒を手なづけ、指示をし、それらの力で強敵と戦うとしたら…?『縛りplay』をするとしたら?」
「難易度は一気に跳ね上がりMath。しかし、そこにはアナタの大好きな『知恵比べ』の醍醐味が詰まっているのDeath」
「どんな手段で他のデジモンを使役にするか?どうやって駒を育て、鍛えるか?それらを使って何を為すか?…ヒヒヒ!自分でやれば何でもカンタン!だけど他所モンに任せるとなると酷くムズカシイ!」
「それが第2の究極ゲーム…、『デジタルワールド・戦略シミュレーション』Death!」
「ワタシは具体的に何をしろとは言いませン。アナタはかつての仲間と共にウミヘビを釣ってもいいシ、新たな仲間と共に新たな敵と戦ってもいイ。ただひたすらに、『手駒を駆使して課題を解決する』ことを『楽しむ』!それだけでいイ!」
「そこで価値あるモノが得られたなら…、その時その時で、少しワタシに分けて頂きたイ。共に喜びを分かり合うため二!」
「抽象的deathね?具体性に欠けますネ?しかし…ワクワクしませんカ?己の新たな可能性に!飽きたとばかり思っていたデジタルワールドに秘められたタノシイの宝箱を掘り出す期待感に!」
- 158ダゴモン25/12/02(火) 10:04:10
- 159ジンバ―アンゴラモン25/12/02(火) 10:09:09
- 160フェレスモン25/12/02(火) 10:09:27
- 161ダゴモン25/12/02(火) 10:14:53
- 162フェレスモン25/12/02(火) 10:21:05
- 163二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 10:23:32
(ダゴモンが突然去ってしまった後、残されたオクタモンたちはほとほと困っていた。自分たちはダゴモンから高い知性を受け継いだが、それでも知性でも力でもダゴモンにはおよばない。海竜族は新たに巨大な種も生まれつつある。オクタモンたちはキャプテンフックモンに戦力としてついていけなくなってしまった)
「なあ、我々はなぜ、あの海岸を取り戻さなくてはならないんだ?」
(オクタモンはキャプテンフックモンから学んだ言葉で話しかけた)
「そりゃあ、あの海岸が俺たちの故郷だからだろう?」
「それは「親」の故郷だろう?別に俺達の故郷じゃない」
「それは…」
「それに、海はこんなにも広いじゃないか。海竜族のいない場所なんていくらでもあるだろう?なぜそうまでしてあの海岸にこだわる?生まれ故郷でもない、俺達の親ももういないのに???」
(オクタモンたちでは答えが出せなかった、仕方ないのでキャプテンフックモンに効いてみることにした) - 164二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 10:26:29
- 165竜人集落25/12/02(火) 10:27:03
【そして竜人デジモン達も新たな力を身につけるべきだと試行錯誤を重ねて… ディノビーモンとパイルドラモンが誕生した
さらに武者修行の成果もありドルガモンはウイングドラモンへと進化したのだ。ストライクドラモンの悲願である完全体への進化が達成された】
【そしてX抗体を持つデジモンへの修行が始まった】
- 166アンティラモン25/12/02(火) 10:30:37
ええ……ありがとう
あなたの健やかな成長が、私にとって何よりの報酬です
……行ってきます。愛していますよ、愛しい子
【アンティラモンは獣人デジモン達の集落を去る】
【ここで異変らしい異変はなかった】
【……なかった、でいいはずだ。多分。"あれ"もひとつの進化の形だろう】
【……であれば】
【一体、どこで、何が起こっているというのか】
【謎は未だ明かされぬまま、アンティラモンは宛のない捜索を続ける】
- 167キャプテンフックモン25/12/02(火) 10:31:20
- 168フェレスモン25/12/02(火) 10:33:37
「フム…?海にいるポヨモンに少し似ていMathね?ネットの海を漂うワレワレの子孫と考えると、妥当な形質といえMath」
「この子がワレワレを遥かに超える『悪魔』に!健やかに育ってくれることを祈りまShow」
「祈る?誰に?悪魔が何に祈るのカ?…イーヒヒヒ!分かりなせン!」
その時、フェレスモンの脳裏には、初めてネットワークに侵入したときに聞こえてきたある魔王の声が浮かんでいた。
何者かは一切不明だが…、自分より遥かに強大な力と悪意、そして『憤怒』への理解を持つ魔王の声が。
もしもフェレスモンが祈りを捧げる存在がいるならば、あのようにどこかで見守ってくれている『何か』がその対象であろうか。
- 169二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 10:36:40
「しゃあっ」
「なにっ」
「なんだあっ」
【デジモンがネットで暴れているせいかとある掲示板のとあるカテゴリにデジモンが大量発生している】
「あーっ 呪⚫︎が読めねーよ」
「なんじゃあこのネット障害は」 - 170オクタモン25/12/02(火) 10:37:34
- 171野良ハンター25/12/02(火) 10:41:41
(男の軍勢は勢い任せに留まることなく次々と大陸のデジモンたちを平定していった。大陸のデジモンたちはみな、男の「文明っぽいこと」を参考に、新たな発見と発展を自己で行えるようになり、軍勢によってその発見は大陸全土へ伝わり、新たな発見と発展を広めた)
「かみさま……」「っかみさま、なかないで……」
泣くにきまってるだろクソボケがあああああああ!!!なんでだよおおおおおお!!!!
(男の、最初の10体のデジモンたちに、寿命が訪れて行ったのだ)
逝かないでくれよおおおおおおおおおおお!!!ずっといっしょに居てくれよおおおおおおおおおお!!!!世界を征服してねえだろおがよおおおおおおおおおおお!!!
「かみさま…」
うわあああああああああああああああああ!!!!
(この時、寿命を迎えたグレイモンとガルルモンは、一つのデジタマを残した)
『かみさま…』『ずっといっしょ…』
(その子らは、後にフレイモンとストラビモンへと至った) - 172アンティラモン25/12/02(火) 10:42:52
- 173二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 10:45:16
このレスは削除されています
- 174デスメラモン25/12/02(火) 10:46:43
- 175ジンバ―アンゴラモン25/12/02(火) 11:00:42
〈回想〉
(かわったこと、です、か?たくさんのことは、かわりましたが、おかあさんの、は、そういう、変わったじゃ、ないです、ね?)
(……コウモリ、デジモンたちが、見なくなり、ました。夜、にも、みません。蛮族、の、生き残り、も、見なく、なりました。食べ物、盗まれ、ません)
(あ、きらきら、森で変なキラキラひろった~☆)
(変な、キラキラ?)
(うん~☆うきうき(コエモン)の時にね~石じゃなくて~木の実じゃなくて~軽いけど硬くて味はしないけどなんか美味しいキラキラしたやつ~☆頭に浸けてたんだけど~体の中に入っちゃった☆)
(はい、っちゃっ、た???)
(うん~☆そのときね~きらきらはきらきらになったの☆マジヤバくね☆)
(……おかあさん、きらきらは、「マジヤバくね」、なんですか?)
- 176二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 11:22:09
- 177キャプテンフックモン25/12/02(火) 11:25:30
- 178ダゴモン25/12/02(火) 11:30:16
- 179アンティラモン25/12/02(火) 11:43:34
- 180キャプテンフックモン25/12/02(火) 11:45:58
- 181アンティラモン25/12/02(火) 11:48:55
- 182キャプテンフックモン25/12/02(火) 11:51:28
- 183二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 11:58:37
このレスは削除されています
- 184二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 11:58:40
このレスは削除されています
- 185オクタモン25/12/02(火) 11:58:50
- 186デスメラモン25/12/02(火) 12:01:46
- 187アンティラモン25/12/02(火) 12:02:36
(力を使い切って死んだウェンディモンですらデジタマを遺したのに、何も遺さず死ぬ……確率は限りなく低い、としていいでしょう)
(つまりダゴモンは本当にここで死んだのではなくどこかへいなくなった)
(しかし。私はこのデジタルワールド中を旅しましたが、ダゴモンを見かけることはついぞなかった)
(……無論、単純に偶然見かけなかった可能性もありますが……)
(……なんでしょう……この嫌な予感は……)
……その話は本当ですか?
(人形で……赤い体……羽があり、飛行が可能……)
(まさか……まさか……!)
【ありえない話ではなかった】
【何故ならアンティラモンは"天使"の生誕をこの目にした】
【唐突に船の外から聴こえた声に反応するように】
…………悪魔が……発生した…………?
- 188キャプテンフックモン25/12/02(火) 12:06:20
- 189二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 12:16:46
【またメモリ結晶が穴から降り注ぐ】
- 190フェレスモン25/12/02(火) 12:32:34
(>>174 メタ:後回しになってしまってすみません。ダゴモン編と同時進行にすると顰蹙買うかなと思ってましたが、改めて考えると特に同時進行でも問題なかったですね)
「イーヒヒヒ!実に興味深い!この姿、アナタによく似ていますね?我が友ダゴモン」
「新たなモノは調和の中からは生まれない!漆黒の中に潸然と輝く混沌の中からこそ新たなモノは生まれるのDeath!」
トロピアモンの果実から作ったジュースを、2つの土器の器に注ぐフェレスモン。片方をダゴモンに手渡す。
トロピアモンの果実で酒造りをしているが、そちらはまだ発酵中で未完成。
「フム…アナタの思うがままに、為したいことを為し、楽しみたいことを楽しむ。実に結構。しかし、ワタシにはまだ分かりません。この子たちが生み出すであろう混沌と混乱の中に、あなたが如何なる輝きを期待しているのかが」
「楽しみにしていMathよ」
- 191デスメラモン25/12/02(火) 12:35:41
- 192二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 12:39:08
- 193アンティラモン25/12/02(火) 12:40:19
- 194キャプテンフックモン25/12/02(火) 12:41:49
- 19519225/12/02(火) 12:45:21
メタ:ちょっと手が開かなくなるのでテンプレ貼り誰かにお願いしていいですか
- 196二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 12:48:31
- 19719225/12/02(火) 14:17:42
(>>196 メタ:ありがとうございます!)
- 198ツメモン25/12/02(火) 15:56:00
ピキッ?ピキッピキッ
(それは気がついたら大地に降り立った。何が起きたかわからない。何処から来たかもわからない)
ピキッ
(自分のやることは決まっている。「食べて」「増える」)