ここだけ新デジタルワールド研究報告会5冊目

  • 1二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 17:45:59

    データ生命体、デジモンたちの暮らす世界、デジタルワールド

    余多の人間世界に並行し無数に存在するその中に、この度新たに観測されたその世界は酷く原始的な構造をしていた

    この世界にデジモンたちは産まれたばかりで、今だに言語や文字すら未発達。究極体は影も形もない。

    そして特徴的な要素としては、なんとこの世界のデジモンは成熟期を迎えるとデジタマを単為生殖によって産卵し、その数を増やしていくのだ

    あなたはこの興味深い原始的な世界を観測し、調査を進める調査員か

    はたまた別世界から降り立ったデジモンか、犯罪に利用しようと暗躍する犯罪者か、それともこの世界に生まれ落ちたデジモンか

    文明を発展させるのか、新たな進化を齎すのか、破壊と蹂躙をまき散らすか

    この世界の行く末は、今だ誰もわからない・・・


    ルール

    ・過度なエログロ禁止

    ・チート、確定ロール禁止(他者のキャラを許可なく動かさない等)

    ・他作版権キャラ及び本家デジモンの人間キャラ禁止(オマージュはOK)

    ・オリデジ禁止

    次スレは>>190でお願いします

  • 2二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 17:47:00

    このスレの設定はタマリリスさんの『デジタルモンスター研究報告会』の設定からインスパイアされており、またご本人様の認可を受けてスレ立てしております

    デジタルモンスター研究報告会 - ハーメルンコンピューターネットワーク上の世界「デジタルワールド」に突如出現したデジタル生命体、デジタルモンスター…略してデジモン。 それを発見した我々は、デジモンの研究を…syosetu.org
  • 3二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 17:48:40
  • 4二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 17:50:47

    (立て乙です)

  • 5二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 17:53:32

    ポヨモンは今日もただよう
    にっちもさっちも漂って、増えて、そして食べられる

    そして偶然でも運よく食べられずに生き残った者は、新たな種の可能性を秘めている

  • 6クアトルモン25/12/04(木) 18:16:42

    「グオオオオオオオ!!!」

    原始デジタルワールドの南半球、熱帯雨林の大河で思わぬ形で対峙した因縁
    猛威を振るう成熟期ピラニモンを一匹でも駆逐するべく、エアドラモンは食いちぎられた腹にかまわずピラニモン群れる大河へ真空の竜巻を降らせ続けた

  • 7二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 18:19:39

    >>6 前スレ>>188

    「GUGYAAAAAAAA!」

    締め上げられながらも逃げようと釣り針のように尖った尾びれでそれを何とか防ぐ

    成熟期ピラニモンは親と同じように跳ねて噛みつこうとする

  • 8クアトルモン25/12/04(木) 18:24:58

    二体は制空権を握ることは大きなアドバンテージになっている
    しかし、エアドラモンの傷は深い。もう長くはもたないだろう
    一匹でも多く外敵を駆逐するため、更に竜巻を落とす

    クアトルモンはさらに光の輪を完全体ピラニモンに放つ
    そして拘束された輪はチェーンのように連なり、密林地帯へ放り投げようとする
    相手は魚型デジモン、陸では生きられまい
    クアトルモンは力では決して勝てないが、その知力と神通力で勝負に出た

  • 9二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 18:27:04

    >>8

    完全体ピラニモンは地面に叩きつけられ、そのまま積みの段階に入る

    成熟期ピラニモンは逃げるようにその場から離れる個体と戦う個体に分かれた

    知恵とも呼ぶべきだろうか

    生存力を高めるために敵を堰き止める判断をしたのだ

  • 10クアトルモン25/12/04(木) 18:34:04

    「フウ…!ふうう……!ぐおおっ」

    完全体ピラニモンをたたきつけたクアトルモンを見届けたエアドラモンは、血を吐き力なく落下する

    「かあ!!」
    それをクアトルモンは光の輪で受け止め、ピラニモンの及ばない地面へと降ろした

    「ぐ、ぐふっ…がは」
    もはや助かるまい、エアドラモンは死を受け入れた。そして、クアトルモンに託すこととした

    「……」
    クアトルモンはその意思を受け取り、彼の身体へ巻き付いていく
    エアドラモンの身体はやがて光の粒子となり、クアトルモンへと取り込まれていく
    まだ子孫の敵は残っている、やつらをせん滅しなくてはならない

    光が収まった時、そこには新たな完全体の姿があった
    空を舞う翼を失った代わりに、山のような体躯と八本の頭を手にした

  • 11アンティラモン25/12/04(木) 18:37:51

    前197
    「こんにちは、竜人の王よ。我が子がお世話になっております」

    旅の途中で竜人の集落の様子も目にしている。アンティラモンは敬意を払うように恭しくお辞儀をした

    前200
    「ええ、始めまして。お二方」

    おそらく初対面だろうと思い、小さく頭を下げる

    前199
    愛しい我が子の言葉ひとつひとつを噛み締めるように聞き入る
    近況を報告してくれることそのものが喜ばしく思えるのだ
    しかし、途中でパタモンに気づいたらしい
    前までいなかったのだから気になるのは当然か。パタモンを紹介することにする

    「この子は……なんといいますか」
    「はじめまして!おかあさまのパタモンです!」

    どう紹介するか迷っている内にパタモンが自ら口を開いた

  • 12二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 18:38:54

    完全体ピラニモンはデジタマを産む
    それは完全体ピラニモンの死骸に隠され、そのままいつしか雨に流されてどこかへと運ばれて行く…
    何が生まれるかはわからない

    シャークモン達は察知した
    ピラニモンがやられたのだ
    何にやられたのかは知らない
    しかしそれが脅威なのは事実
    シャークモンたちは地上を駆ける敵、空を飛ぶ敵…様々な仮想敵を予測した
    そしてデジタマを浜辺に産んで去っていった

  • 13オロチモン25/12/04(木) 18:39:20

    【ジョグレス進化】
    二体の成熟期デジモンが身体を融合させ起こす進化、その内包エネルギーは、通常の完全体をも凌駕するという

    「かああああああ!!」
    『酒ブレス』
    進化したオロチモンは酩酊作用のある霧を吐き出した。吸い込んだものは途端に夢心地となり、前後不覚と陥る

  • 14サイバードラモン25/12/04(木) 18:41:25

    >>11

    あ、ああ……配下どもが言うのはお前か

    この長い時だ

    二度と会うタイミングは無いだろうが……出会えて光栄である

  • 15メイクラックモン25/12/04(木) 18:43:39

    >>11

    「…え?お、おかあさま?おかあさまっていう言葉はお母さんを意味する言葉でつまりはお母さんが君のお母さんということにあれ???」


    メイクラックモンはふらふらと頭に熱がこもる感覚に陥った

    そうして、両耳から湯気だ吹いたような幻覚が見え……


    「うう゛う゛う゛~~~~~~!!!お、お母さんはほかのうちのおかあさんいなっだんだ!!ぼ、ぼくはおがあざんのほんどのごじゃないがらもうあっでぐれないんだ!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~!!!」

    泣いてしまった

  • 16オロチモン25/12/04(木) 18:47:34

    >>13

    「ジャラアアアア!!!」

    『アメノムラクモ』

    オロチモンは尾の先を刃にし、水面に浮かんだ成熟期ピラニモンを切り刻んでゆく

    大河の脅威を徹底的に排除するべく、オロチモンは大河へとその巨体を沈め動き出した

  • 17二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 18:53:23

    >>16

    ピラニモンは急いで海へと出ていく

    そこには完全体ピラニモンの死を関知したシャークモンが数体待ち構えていた

  • 18洞窟城25/12/04(木) 18:57:44

    「うっわ~!見てよあれ!ブットイステーキだよ~~!チーズがじゅうじゅう言ってる!!ああ~~うらやましっ!!ぼくなんか獣の生肉に生き血だよ!?これが「王」の生活なのかな!?かな!?」

    「……これから設備も整えていきますゆえ、今はご辛抱を…」


    「ご辛抱なりましぇ~~~ん!!か~~~やだねヤだね!!自分が惨めになってきたじぇ」
    「せめてさぁ~~~ボクちゃんを「王」とやらにしたいのならさ~~~もぉ~~~ちょっとセンシンテキな生活をさせてくんない??これじゃこっちが原始人だぜ???」


    「……精進致します」

  • 19デスメラモン&アスタモン25/12/04(木) 19:00:45

    >>11

    2体「すげー

    あのデジモンが師匠が言ってた戦った中で最も強いってデジモンなのかー」

    (どうやら2体ともアンティラモンのことを知っているようだ)

    2体「「あなたと並べるくらい強くなります」」

    (決意は堅いようだ)

  • 20アンティラモン25/12/04(木) 19:02:28

    >>15

    「なっ……!?何故泣くのです!?」


    アンティラモンは狼狽した


    「落ち着きなさい!それでも城を持つ長ですか!こ、この子は成り行きで面倒を見ることになっただけで……!わ、私は……!」


    アンティラモンは一瞬──ほんの一瞬躊躇した

    その言葉を発してしまうのは中立たるべきケルビモンの遣いから最も遠ざかる……まあまあ今更だが

    ほんの一瞬の逡巡を経て……アンティラモンはそれを口にした


    「私は……あなたを本当の子のように想っています……」

    「もう会わない?バカを言うんじゃありません。パタモンがいるから会わないのなら、今日ここにくるはずがないでしょう」

    「……それに」


    震える声で


    「任務さえなければ……許されるなら……本当はずっと、」


    そこまで言いかけてアンティラモンは我に返り、口を塞いだ

    決して口にしてはいけないことまで言ってしまうところだった

  • 21アンティラモン25/12/04(木) 19:03:32

    >>19

    「は、はあ……?」

    (師匠……?)


    アンティラモンはピンとこないようだ

  • 22オロチモン25/12/04(木) 19:05:58

    >>17

    「シュるるるるる・・・!!」


    オロチモンは海へと逃げていくピラニモンの群れを大河の河口から睨みつける

    湾岸部には複数のシャークモンの魚影も見える


    「かあああああ!!!」

    オロチモンは八本の首から酒ブレスを河口部分へ放つ

    水中に溶け出た酩酊作用のあるブレスは辺り一帯を染め上げ、デジ魚がプカプカ浮かび上がる


    「……」

    オロチモンは魚影の群れを睨みつける

    吸い込めば完全体であろうが前後不覚と陥る酩酊作用、もし入り込めばたちまち無防備を晒すことになろう

    オロチモンは二度と運河へ外敵が入れぬよう、河口に陣取ることに決めたようだ

  • 23二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 19:07:17

    >>22

    シャークモンたちは無言で大海へと戻っていく

  • 24デスメラモン&アスタモン25/12/04(木) 19:08:51

    >>21

    2体「「師匠ってのは二本の刀を持ってて牛みたいな見た目の確かヴァジラモンっていうデジモンなんですよー」」

    2体「「他にも確か弟子がいたけど今どこにいるのかなー

    それにファイラモン3兄弟の居所も気になるしな」」

  • 25アンティラモン25/12/04(木) 19:10:53

    >>24

    「あー……?あー……」


    なんとなく思い出してきた

    蛮族の襲撃の際に対峙したデジモンだ

    その後に色々ありすぎて正直すっかり忘れていた

  • 26メイクラックモン25/12/04(木) 19:11:45

    >>20

    「すんっ、すんっ、……ずびっ」


    「ご、ごべんなざい、ぼく、びっくりして。お、お母さんは、使命があるから、ぼ、僕は、みんなに長にしてもらって、大きなお城まで作ってもらったのに……」


    メイクラックモンは息を整えて、ゆっくり深呼吸をして、あらためてアンティラモンへ言葉を繋いだ


    「お母さん、今日は、ボクの、獣人の城が完成した祝賀祭なんです。色んな土地から、これまでこの里に友好を結んでくれた方たちが、お祝いに集まってくれました」


    「お母さん、お願いします。今日は、一緒にこのお祝いを祝ってくれませんか?おじいちゃんの立てたこの村が、こんなに立派になったんだって、おじいちゃんに知らせるために」


    「お願いします、お母さん」

    メイクラックモンは深く頭を下げた

  • 27サイバードラモン25/12/04(木) 19:16:00

    【答えは沈黙……ただ黙っている】

  • 28アンティラモン25/12/04(木) 19:22:34

    >>26

    アンティラモンは黙ってメイクラックモンの言葉を聞いていた

    そして、口を開く


    「顔を上げなさい。上に立つ者が、そのように簡単に頭を下げてはいけませんよ」


    その声音はとても穏やかで優しいものだった


    「愛しい我が子……そして、獣の長よ。このような祝いの席に招待いただけること、大変光栄に思います」

    「こーえいに、おもいます!」


    一人の"長"へ敬意を表すように……跪き、恭しく頭を下げた

    パタモンは分かっているのかいないのか、アンティラモンから降りてマネをして頭を下げる


    「喜んで出席させていただきます」

    「しゅっせきます!」


    アンティラモンの口元には柔らかな笑みが浮かんでいた

  • 29砂漠集落25/12/04(木) 19:24:30

    砂漠の集落。
    サンドヤンマモンに滅ぼされつつあるネーモンとアルラウモン達であったが、たまたま訪れたメガログラウモンとファイラモンにより、サンドヤンマモンの一体が討伐された。

    さて。
    サンドヤンマモンは「悪」なのだろうか?
    ネーモンとアルラウモンは「善」なのだろうか?

    …そんなことはない。適者生存・弱肉強食が掟の原始デジタルワールドで繰り広げられているのは勧善懲悪の物語ではない。野生デジモン達の生存競争が繰り広げられているにすぎないのである。
    ゆえにネーモン達は「善」ではないし、サンドヤンマモンもまた「悪」ではないのである。

    それでも、ネーモンとアルラウモンが文明を知るデジモン達に救ってもらえたのは…
    異種族間での利他・共生による生存上のメリットを、本能レベル・遺伝子レベルで学習しつつということだろう。

    さて、砂漠集落にはメガログラウモンと、ファイラモンさん兄弟の末弟が残った。
    ここで、ひとつの問題が生じる。それは、メガログラウモンの食糧が十分に用意できないという点である。

    ここ砂漠地帯は、他の地帯に比べてボディマス(※生態学で、特定の時点においてある空間に存在する生物の量を、物質の量として表現した数量)が圧倒的に少ない。
    端的に言うと、「循環する栄養の総量」が少ないのである。

  • 30メイクラックモン25/12/04(木) 19:25:57

    「ありがとうございます、お母さん。…愛しています」

    >>28

    メイクラックモンは絵筆を取り出し、アンティラモンとサイバードラモンへ手渡した


    「では、まずは絵を描きましょうっ。僕たち、お祝いや宴の時は、おじいちゃんとお父さんのお墓に絵を描いて飾ることにしたんです!おじいちゃんが寂しくないように、みんな楽しく暮らしていますってつたえるように」


    そして、パタモンに気が付くと、少し考えて、自分の手と一緒に絵筆を握らせた

    「君も一緒に描いてくれるかい?僕はアンゴラモン。君と同じ、お母さんの子供で、君のお兄ちゃんだよ!」

  • 31サイバードラモン25/12/04(木) 19:29:15

    >>30

    了解した

    …このような事は始めてだが上手くかけるだろう

  • 32砂漠集落25/12/04(木) 19:29:38

    >>29

    この地における食物連鎖ピラミッドの底辺は、サボテンなどの植物や、大河に住むプランクトン(動物性・植物性の両方)だ。大河は上流で豊富な栄養素を含んでおり、それが生態系を支えている。


    トゲモンやアルラウモンは、ネーモンが来訪する前からこの地に適応できていた。空気中のごくわずかな水分を吸収し、光合成する仕組みを持っていたからだ。時折大河に足を浸し、水中の養分を吸い取って生きていた。


    ネーモンは、大河で育つ魚型デジタル生命体や、その周辺に自生する果肉植物を餌としている。


    ネーモンやアルラウモンの排泄物は、糞虫タイプのテントモンがフンコロガシのように持ち去り、巣で食料にする。

    テントモンは排泄物の中の有機物を共生菌の働きで吸収し、無機物を主成分とした排泄物を出す。

    それらは砂漠植物に養分として吸収される。


    砂漠集落に強い成熟期が少なく、ネーモンやアルラウモンの戦闘力が低いのは、彼らがただ環境に適さぬ弱者だからというわけではない。

    バイオマスが少ない環境の中で生きることができるように、基礎代謝量を抑えているからこそ戦闘力が低めなのである。


    さて、そんなわけで、この集落にいるネーモン、ミケモン、ネフェルティモンは「川で取った魚を食べている」わけだが…

    メガログラウモンが一日に必要とする魚の量は、おおよそネーモン三十体分に相当する。

    ゆえに、集落の生活サイクルではメガログラウモンの食料を賄いきれないのである。


    度々サンドヤンマモンが襲来し、それを迎撃することはあるが、それも毎日というわけではない。


    上流に行けば、水棲昆虫型個体群のテントモンや、襲撃者サンドヤンマモンの根城もある。

    メガログラウモンの食料を賄うには、上流に進軍し、これらを捕獲して食料にする必要があるだろう。

  • 33アンティラモン25/12/04(木) 19:31:55

    >>30

    (…………あっ)


    本当に今更だが、アンティラモンは気づいた

    自分はデジモンの正式な名称も、進化をすれば名前が変わることも知っている

    だがメイクラックモンは己の種としての正式名称を知る術がない

    故に……アンティラモンがうっかり『アンゴラモン』と呼称したばっかりにそれが自身の正式な名前だと思っているのだろう


    (……まあ本人が不自由していないのでいいでしょう!)


    アンティラモンは見て見ぬふりをした



    「おにいちゃん……」


    パタモンは言われた言葉をオウム返しにして、目を輝かせた


    「おにいちゃん!」


    どうやら響きが気に入ったらしい

    握ったことのない絵筆を物珍しそうに見ながら両手で抱えてほほ笑んだ

  • 34オロチモン25/12/04(木) 19:35:43

    こうして、大河の支配権を奪い返したオロチモンは河口に根を下ろし、八本の頭で常に外海を警戒しながら、水竜の血族を増やすことに没頭していった
    オロチモン、元となったクアトルモンもエアドラモンも、あの記憶はいまだに鮮明に思い出す
    圧倒的優勢であった水竜の軍があっという間に致命的被害を与えられた、あの赤い竜の光線が、今だに目に焼き付いている

    『シュルルウルルルルル……』
    一族の繁栄のためにも、あの赤い竜に対抗しうる強い種を作らねばならない
    オロチモンは自身の血を分け与えたデジタマを改めて産み落とした

  • 35メイクラックモン25/12/04(木) 19:39:19

    それから、メイクラックモンはアンティラモンとパタモンを連れ、城へと案内した

    「あ!!おかあさんちんだ――☆おいっすー☆」
    「おいっすー☆」
    壇上で魅惑的なダンスを踊っていたきらきらはアンティラモンを見つけると、そのまま飛びつきほおずりした。きらきらを真似てぱたぱたも飛びつく

    「えへへ~☆きらきらのことわかる~?きらきらだよ~!あの後進化したの~!あ、この子ぱたぱただよ~!この子も進化したんだ~!」
    「おいっすー☆ぼくはぱたぱたです!おとうさんとおかあさんの子です!」

    ルクスモンとなったぱたぱたは元気よくあいさつした

    「おとうさま!おいっすー☆は好き好きなひとへのご挨拶なんですよね!?このひとはどんなひとで好き好きなんですか!?」

    「ぱたぱた…だからちゃんとしたご挨拶はこんにちはだと…こほん、こちらはアンティラモン。ボクのお母さんです。そして、あなたのひいおじいちゃんのお友達なのですよ。ほら、ちゃんとごあいさつしなさい」

    「はい!わかりましたおとうさま!はじめまして!!ええっと、おとうさまとおかあさまのおかあさんだから……おばあたま!!」

  • 36アンティラモン25/12/04(木) 19:48:13

    >>35

    バステモンとルクスモンに抱きつかれたアンティラモンは、少し驚きながらも受け入れ抱きしめ返した

    ルクスモンはあの時のプットモンだろう。この世界にも着実に天使が育ちつつある

    闇の勢力にはまだ対応しきれないだろうが……三大天使に遣える者として、この希望が健やかに育つことを願う


    (しかし、言動はバステモン似ですか……どうにかならなかったのでしょうか……)


    無事成長期まで育ってくれたのは嬉しいがそれはそれとしてやや複雑ではあった

    どうしよう。このまま完全体とかになってもこんな感じだったら



    「……お、おばあたま!?」


    まさかの呼称につい裏返った声が出る

    間違ってはいない。間違ってはいないのだが複雑であった


    ……気を取り直し


    「……獣の王よ」


    改めてメイクラックモンを呼ぶ


    「このような祝いの席に招待していただきながら、なんの贈り物も用意していない無礼をお許しください」


    恭しく傅く


    「お詫びと言ってはなんですが……このアンティラモン、あなたの望みをなんでもひとつお聞きしましょう」


    中立とはほど遠い

    けれど、ひとつの文明をここまで発展させた愛しい子にちょっとしたご褒美くらいあってもいいはずだと……アンティラモンは内心ケルビモンに届かぬ言い訳をした

  • 37メイクラックモン25/12/04(木) 19:58:04

    >>36

    「あっ…えっ?・・」


    急なアンティラモンの申し出に、メイクラックモンは言葉に詰まる

    お願い事はいっぱいある、抱きしめて欲しい、一緒にご飯を食べて欲しい、いっしょにまた寝て欲しい

    そんな考えがグルグル周り……メイクラックモンは気づいた


    アンティラモンは我が子への語り掛けではない、自分を「獣人の王」としての言葉をかけたのだ


    それに気づいたメイクラックモンは、一つ深呼吸をして、「獣人の王」として答えた


    「……で、あれば、お願い申し上げます。我々、獣人族は、ゆくゆくは里を広げるため、新たな拠点、第二第三の里を作る計画をしています。」

    「そのために、郷を立てるに適した土地、またあなたが見てきて友好的な種がいた場所を、どうが教えてください、アンティラモン殿」


    「獣人の王」は、アンティラモンへそう願い出た

  • 38メガログラウモン25/12/04(木) 19:59:16

    >>32

    しかし、その前にメガログラウモンにはとある事情があった

    こんな食料がないところにいる理由

    それは寿命

    そもそもこの村に留まったのは文明のある場所で生き絶えたい為である


    「GURULUGAAAAA!!!」


    メガログラウモンは最後に一つ吠えた。

    そしてゆっくり目を閉じて生き絶えたのである

  • 39メイクラックモン25/12/04(木) 20:00:42

    「んん~~?」
    ぱたぱたはパタモンに気が付いた。羽を動かして飛んで行く

    「こんにちは!あなたはだあれ?」
    「ぱたぱた、その子はパタモン。ボクと同じお母さんの子でボクの弟だよ」

    「そっか!じゃあ君も家族なんだね!おいっすー☆おいっすー☆は、好き好きなひとへするご挨拶なんだよ~!」

    「……お母さん、子育てって、大変だったんですね」
    若干影を落としながら、メイクラックモンはつぶやいた

  • 40サイバードラモン25/12/04(木) 20:01:23

    >>36

    >>37

    >>35

    サイバードラモンはその掛け合いを横目に絵を描き続ける

    その思考の片隅に噂に聞いたデジタマの融合などが頭に思い浮かんだ

  • 41二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 20:05:11

    >>38

    「あ?……そうか、寿命か」

    【キャプテンフックモンや他のフックモンが空を見上げる】


    「……」

    「…まああんだけ生きたからなぁ」

    【グラウモンとグラウモン(橙)はまあそりゃそうだろうな…と納得しながらも最後、もう一度会いたかったと黙祷を捧げる】

  • 42オクタモン25/12/04(木) 20:09:43

    >>41

    「……船長、何か悲しいことでも、あったか?」


    オクタモンは飲んでいた酒瓶を差し出した


    「獣人の果実酒、うまいぞ?」

  • 43キャプテンフックモン25/12/04(木) 20:12:31

    >>42

    大親父殿が死んだのさ

    最後は寿命死、親父殿は最後まで負けなかった

    【果実酒を受け取って】

    サンキュ〜

    【一気に飲み干した】

    ……お前、進化したいって思ったことはねぇか?

  • 44アンティラモン25/12/04(木) 20:16:58

    >>37

    「……!」


    アンティラモンは驚いていた

    もっとこう、可愛らしいお願いがくると思っていたのだ

    言い方がちょっと堅苦しすぎただろうかと反省しつつ、しかし着実に"王"として成長しつつあるメイクラックモンの姿がたまらなく嬉しい


    「いいでしょう。私の見てきたものを、あなたにお教えしましょう」


    アンティラモンは語り始めた。自身が見てきたもの、その中でメイクラックモンが望む情報を


    「密林地帯はかつて怠惰を極めたデジモンが食い荒らしていましたが今はいなくなり、土地が回復しつつあります。そこで植物型のデジモン達が果樹園を作っていたようですが……現在は昆虫型デジモンに支配されている状況です。言葉を使うことができるので、うまくいけば手を組むこともできるかもしれませんね」


    「ここの裏側にも世界があると言ったら信じますか?そこには、ニンゲン……と呼ばれる、我々とは違う存在が治める国があります。面白い方でしたよ。種族が違いながらもデジモンを愛しているようでした。かなり遠いですが、会うことができれば友好関係を結べるかもしれません。アンティラモンから話を聞いたと言えば少しはスムーズに話ができるでしょう」


    それから、それから

    アンティラモンはひとつひとつ、多くの土地やデジモンの話をし続けた

  • 45オクタモン25/12/04(木) 20:19:46

    >>43

    「……そりゃあある、船長は強い。並の海竜は一人で勝てる。おれも強さほしい」


    「……けど、親のこと思い出してしまう。親は、知恵が欲しかった。そのために力が必要だったから進化した……そのために、俺達産んだ」


    「別にそれ普通のことだと思ってる、……けど、俺は船長と同じ誇りが欲しくて船に乗った。親と同じじゃ、誇りは手に入らない……ような気がしてる」

  • 46キャプテンフックモン25/12/04(木) 20:25:08

    >>45

    ……そうか

    まあ無理強いはしねぇよ

    ただ親父殿の死で自分が万が一にも死んだ時に部下を守れる存在が欲しかっただけだ

    ……それじゃいつ死んでもいいって思っちまうなぁ

  • 47オクタモン25/12/04(木) 20:30:00

    >>46

    「ええ!?それは困る!!オレもちゃんとした船員だぞ!?」


    オクタモンは怒り慌てながら……そして一息ついてもう1瓶酒を飲みほした


    「安心しろ、オレは船長よりも酒が強い。つまり、誇りが手に入ったオレは船長よりも強くなる!その時は任せればいい!!」


    オクタモンはそう言って笑った


    「飲もう船長、二人で飲んだら楽しいは二倍、悲しいは半分。船長と旅して知ったことだぞ」

    そう言って、また酒瓶を差し出したのだった

  • 48キャプテンフックモン25/12/04(木) 20:32:45

    >>47

    ハーッハッハッハ!そうだったな!すまねぇよ

    まだお前にゃ早いよな ハハハ!


    肴もあるぜ?

    【そう言いながら酒瓶を受け取り保存食の干し肉を取り出した】

  • 49砂漠集落25/12/04(木) 20:33:40

    >>38

    集落の住人たちはメガログラウモンを祀った。

    住人を襲いに来たサンドヤンマモンを幾度も迎撃したことを讃えたのだ。


    メガログラウモンの体内の機械パーツが原因であろうか。その肉体は腐敗せずに屍蝋化した。


    住人たちは、ファイラモンから教わった「火」を使い、大河付近やオアシスから採取した粘土を使って土器を作る術を学んでいた。

    それを使い、メガログラウモンの墓を作ったのである。


    胸部の特徴的な機械パーツをモチーフにしたのか、墓は三角錐の形をしていた。


    メガログラウモンのデジタマは、住人たちの手で大切に育てられていくだろう。


    …メガログラウモンの死により、サンドヤンマモンからの防衛力は減った。

    しかし、彼やファイラモンの生きざまから、それまで「逃げ隠れる」ことしか知らなかった住人たちは、「戦う」という選択肢を覚えたのだった。


    現在は、トゲモンとファイラモンが防衛の第一線を担っているが…

    さらなる戦力が必要であると、住人たちは実感したのだった。

  • 50メイクラックモン25/12/04(木) 20:34:15

    >>44

    メイクラックモンはアンティラモンの語る「世界の姿」を、一言一句聞き逃さずに「きろく」した


    そして、その全てを記録すると、ふうっと筆をおいた


    「ありがとうございます、このきろくは、これから先の僕たちにとってかけがえのない財産となる。今日貰った、どんな贈り物よりも素晴らしい贈り物でした……竜王殿には悪いですがねっ」

    そう言って舌を出して、メイクラックモンは笑った


    「さて、「獣人の王」としてはこの辺で……今日はお母さんと弟には、僕たちが頑張って創り上げてきた、僕たちの里をめいっぱい自慢しちゃいますからね!!」

    「きらきらもー☆」

    「ぱたぱたもー☆」


    「さ、行きましょうお母さん!僕の自慢の里を案内しますよ!」

  • 51アンティラモン25/12/04(木) 20:39:06

    >>50

    「まったく……仕方のない子」


    台詞とは裏腹に、アンティラモンはどこか嬉しそうに微笑む


    「ふふ、楽しみです。それでは、案内をお願いしますね……"愛しい子"」

    「おにいちゃんのさと!たのしみです!」

  • 52砂漠集落25/12/04(木) 20:40:11

    >>49

    尚、メガログラウモンが祀られている陵墓は、彼が生前に文字を刻んだ石版付近である。

    住人たちはまだ言語も文字も知らず、石版の意味を理解できていない。


    ファイラモンは唯一、言語を扱うことができるのだが…

    他の住人は、誰も言語を扱うことができずにいた。

    その理由は単純に、脳の言語野と、声帯や横隔膜の進化不足であった。


    唯一ネフェルティモンのみは、主語・述語の2語の組み合わせの言葉を聞き、理解することができたが、それ以上に複雑な言葉や語彙は理解できず、発することもできなかった。


    彼らがファイラモンの言葉の意味を正しく理解できるようになるためには、もう少し世代を重ねて進化できるようになる必要があるだろう。

  • 53獣人集落25/12/04(木) 20:51:37

    >>51

    それからアンティラモンたちは獣人の城から獣人の里を二人に案内した

    猿人のツリーハウスからスターモン族たちの石造りの家、カメ族の滝つぼ、グロットモンの工房


    さらに広大に広がった大農場でぱたぱたはデジトマトの原種をパタモンとつまみぐいし、最近しれっと繁殖し畑脇に植えられたベジーモン、パラサウモンやキウイモンの牧場、バーガモンのキッチンでまたつまみぐい


    獣人たちが一丸となって創り上げた里を、三人は自慢げに見せた

  • 54アンティラモン25/12/04(木) 21:00:01

    >>53

    「本当に……本当に素敵な場所を……いいえ、素晴らしい国を作りましたね。愛しい我が子……」


    つい涙声になってしまう

    ともすれば感極って泣いてしまいそうだ

    ……それにしても気になる点が一点

    なんかやたら酒の製作ツリーが伸びているような気がするのは気のせいだろうか

    バッカスモンがこの世界にいたらほぼ間違いなくこの里に定住するだろう


    「愛しい子……少し気になったのですが……。きもちのよくなるお水に飲まれてはいませんか?あれは毒にも薬にもなると以前教えましたが……」


    竜人がやたら度数の強い……アルコールの匂いがキツい酒を飲んでいたのも気になっていた

  • 55獣人集落25/12/04(木) 21:07:06

    「……ということで、今の獣人の里では「刺繍」が流行っているんですよ」


    「布にお絵描きって楽しいね~☆きらきらも得意なんだよ~☆きゃは☆」

    「ぱたぱたもおかあさまのマネして得意です!ぷい☆」


    そうしてメイクラックモンたちはアンティラモンとパタモンを案内して周り、今なおバーガモンたちの料理が振舞われる大広間に来ていた。

    ぱたぱたはパタモンをすっかり気に入り、一緒に料理を食べて回っている


    >>54


    「え゛!?ええっと…そりは…り、竜人の方々は強いきもちのよくなるお水…ああ、彼らに合わせて最近はお酒って呼んでるのですが、彼らは強いお酒が好きなので……交易のためにもっともっとと作っていたらいつの間にか……あ!もちろん獣人ようの美味しいやつもたくさんですよ!甘いのとか!」


    「でもおさおさちんお酒あんまりだよね~」

    「ううっ!」


    「酔っぱらっちゃったおさおさちん超かわちぃんだよ~!ごろごろ~ってなってて~甘えんぼになっていっつもてれやなのにきらきらにぺろぺろちゅっちゅ♡なの!」

    「わーーー!!!わ゛ーーー!!」


    「この前は竜王ちんの即位式でさいきょーに目の回るお酒をいっしょに飲んだらおさおさちんひとなめでびゃーってw」


    「きらきらーーーーー!!!!??」

  • 56アンティラモン25/12/04(木) 21:10:08

    >>55

    「っふーーーー…………」


    アンティラモンは大きく息を吐き出し


    「……愛しい子。少し、そこに座りなさい」


    聞いたことがないくらい低い声だった


    「おかあさまー?」

    「パタモンはぱたぱたと遊んでいなさい」

    「はーい!」

  • 57メイクラックモン25/12/04(木) 21:12:30

    >>56

    「あっ……はいっ」


    この日、メイクラックモンは成長期以来の「母に叱られる」を経験した

  • 58アンティラモン25/12/04(木) 21:16:38

    >>57

    「いいですか我が子よ。確かに祝いの席や宴会の席で飲む酒は美味ですが、酒は飲んでも呑まれるなという言葉もあります。あなたは王なのです。どれほど飲めば酔いが回るのかをきちんと把握し飲み過ぎて前後不覚にならぬよう己を律さなねればなりません。考えてもみなさい。もし酒が回った状態で襲撃を受けたらどうします?酩酊した頭で戦えますか?それから……くどくど」


    説教は非常に長かったという……

  • 59ドラクモン25/12/04(木) 21:21:59

    「うっひゃ~~~!!うんまいなあ~~~!!!こんなに上手い食べ物は生まれて初めてだよ~~~!!」

    「ははっ、そいつは良かった!ほれ、もう一個くいな!」

    「マジ!?やった~~~!!」

    「……王よ、あまりはしゃいではなりません。奴らに気づかれますぞ」
    「ええ~~だってマジでうめ~~んだも~~~ん」

    ドラクモンとガサモンは、移動の魔術により獣人の祝賀祭に紛れ込んでいた。ガサモンが頭にかぶさり、一見変わった獣人族の子だと思えなくもない

    「うんめええ~~~~!!うんめえな~~~!!あ~~~ああ~~~産まれてから生肉と生き血ばっかだったのが、こんなの食べちゃったらもうあんな生活戻れないよな~~~。あっちでも食べれたらいいのにな~~~。あ~~~あ~~」
    「……精進しますので、どうかご容赦を。それより、そろそろ戻りますぞ。あまり長居すれば気づかれまする」
    「じゃ、もうガサモンの分はとってあげないよ?」
    「……それは話が違いまする」

  • 60デスメラモン&アスタモン25/12/04(木) 21:26:33

    >>59

    (完全体になっている上ヴァジラモンの門下生であったアスタモンとデスメラモンは気配に感づいた)

    (だがこういう祝いの席での乱闘は御法度であるため口には出さなかった)

  • 61獣人25/12/04(木) 21:27:08

    >>58

    「見ろよ、おさおさが叱られてるぜ」

    「あれがすてきなひとか…」

    「おさおさよりも偉いって噂はホントだったのか…」

    「みためは可愛いのにな」「うん、かわいい」


    「……やれやれ」

    長々と説教されるメイクラックモンを見て、せんせーことハヌモンはため息を吐く


    [……父よ、我、まだ見守る、必要だなあ…ききっ」

    そう笑って、懐かしい味の「気持ちのよくなる水」を飲んだ

  • 62かじかじ(グロットモン)25/12/04(木) 21:34:01

    >>61

    「何やってんだあいつは…はあ~~」

    かじかじはレオモンとともに果実酒を片手に骨付き肉をかぶりついていた

    >>60

    「よお!おめえらさっきぶりだな。聞いたぜ?用心棒として残るんだってな。歓迎するぜ!お前らはつえーからな!お前らが鍛えてくれるとなりゃ、うちのガキどもももっと強くなれるぜ!これからもよろしくな!」


    「ウム、カンゲイ、シテヤル」

    「いや、おめーが来たのこいつらより後だろ…まいいや」


    「「かんぱい!!」」

  • 63パタモン25/12/04(木) 21:47:25

    「……あれれ?」


    パタモンは気づけばはぐれてしまっていた

    確かに最近警戒を覚えたとはいえ、そばにはいつもアンティラモンがいる状態

    それにここは『おにいちゃん』が治めている里で、つまるところ警戒する必要がないと見做していた

    はぐれてしまってもなんのその。これだけデジモンがいっぱいいるのだからそのうち会えると気楽に構えている


    >>59

    ──そんなパタモンは

    『少し変わった獣人族』が目に入った


    「こんにちは!」


    そして躊躇なく声をかけた

  • 64ドラクモン25/12/04(木) 21:50:56

    >>63

    「もぐもぐ…んあ?」


    ドラクモンはパタモンに声をかけられ、振り向いたまま少し見つめ合う(目は掌にあるが)

    そしてニイッっと笑みを浮かべた


    「はあ~いどうも~♪キミここの子じゃないっしょ、俺もなんだ~。キミの持ってるりょーりめちゃ美味しそうじゃん!もーらいっパク!」

  • 65パタモン25/12/04(木) 21:55:33

    >>64

    「そうなのですか?ぼくは、おかあさまのパタモンです!」


    パタモンはにこにこと笑いながら自己紹介をする

    料理を奪われてもまるで気にしていない。生まれながらにして善性の持ち主であるパタモンは、食糧を他者に施すことになんの疑問も抱くことはなかったのだ


    「はい!おにいちゃんのさとでつくったおりょうりおいしいです!あっちにもっとありますよ」

  • 66ドラクモン25/12/04(木) 21:58:13

    >>65

    「モグモグ!モグ?…なんなんキミ?ここってえーやめてよー!?とかきーくやしいーってなるとこじゃね?ヘンなやつ~w」


    >>65

    「……?!王よ、こやつもしや…!」


    「へ~、美味そうじゃ~ん、よ~~しいっこーぜー!!」

    (お、王~~~!?)

  • 67アスタモン&デスメラモン25/12/04(木) 22:02:52

    >>65

    (パタモン めっちゃええ子や)

    (初めて二人の意識がシンクロした瞬間であった)

  • 68パタモン25/12/04(木) 22:07:12

    >>66

    「くやしー?えっと、ぼくはおさかながうまくとれなかったらくやしーです!」


    パタモンは少しズレた解答を返している


    「はい!えとえと、確かー(クンクン) こっちですー!」


    どうやら料理のにおいで場所を案内するつもりらしい

  • 69ドラクモン25/12/04(木) 22:17:50

    >>68

    「ああ~~ん?…あっはっはっはっは!!キミwマジおもろwwww」

    (王よ!こやつはおそらく獣人のお…王~~!?)


    ドラクモンはパタモンを面白がり共に食べ歩きを続けた

    時折、パタモンにイジワルなことをするが、それすら天然に返すパタモンをさらに面白がった


    「そんでさぁ~~~~ボクちゃんの住んでるとこがマジ最悪なの!!キッタないし湿気多いし住んでるやつらは陰気でアホばっかでさあ~~~~、ごはんなんか生肉ばっかだぜ!?生肉!!もぉ~~マジ最悪!!ボクちゃんってほんとフコ~~~」

    (王よ!内情をペラペラとしゃべってはなりませぬ!!)

  • 70デスメラモン&アスタモン25/12/04(木) 22:19:32

    >>69

    (こっそり盗み聞きしている)

    生肉か…

    かなり文明レベルは低いと見た

  • 71パタモン25/12/04(木) 22:25:32

    >>69

    「ぼくは、おかあさまとたびをしています!たべるものは、いろいろです!きのみとか、おさかなとか……あ!きのこはあぶないのでたべたらだめだとおそわりました!」


    パタモンは料理と一緒に『変わった獣人族の子』との会話を楽しんだ


    「そうだ!ぼくちゃんさんも、ぼくとおかあさまといっしょにたびをしましょー!」


    ……そして、とんでもない提案をし始めた


    「ぼく、おかあさまにおねがいしてみます!」

  • 72ドラクモン25/12/04(木) 22:34:35

    >>71

    「……はぁ??なんて?」

    ドラクモンはキウイモンの実のオムレツを食べながらパタモンへ聞き返す

    そしてその意味を考えてみて……


    「……ぷっ、くくく……はっはっはっはっはっはっはっは!!!いやwマジwキミwwwクッソオモロwww」

    (……王よ、まさかとは想いますが)


    「大丈夫だーいじょうぶよ…ふふっwいやwホントごめんwwwそれもめっちゃおもしそうなんだけどざwww」


    「もーっと、面白そうなこと、見つけたからさ」

    そう言い、ドラクモンは両掌にある邪眼をパタモンへ向けた

  • 73パタモン25/12/04(木) 22:38:34

    >>72

    「?」


    パタモンは反応しない──できないのだ

    今までパタモンが対峙したデジモンというのは最初から明確に敵意を向けてきたものだ

    こんな風に……普通に対話のできる相手から、突然敵意を向けられた経験などない


    「あ!わかりました!たーっち!」


    ……なんて、のんきに手を合わせようとする始末である

  • 74ぱたぱた25/12/04(木) 22:38:48

    「おおーい、パタモンー!パタモン~」

    ぱたぱたははぐれてしまったパタモンを探していた
    「こまったな~ドコ行っちゃったんだろ~?おとうさまはまだおばあたまにしかられてるし~」

    「うう~~~ん……あ!そだ!おもいっきり高くからなら見つかるかも!」

  • 75ドラクモン25/12/04(木) 22:44:38

    >>73

    『アイオブナイトメア』

    邪眼と目を合わせた者は、ドラクモンによって心を支配される


    「キミさぁ~~w聞く限り~?そのおかあさんからめぇ~~っちゃ愛されてるっぽいよね~~うらやましいな~~っつてw」


    「そんなキミがさぁ~~そのおかあさんを殺しにかかったら、そのおかあさんはどんな顔するだろ?悲しむ?怒る?それともまた別???めっちゃワラけそwww」


    「キミの方がボクちゃんとこに来なよ♪聞いたとおり生活環境サイアクだけどキミがいたらタイクツはしなさそ~~だもんwww」


    「キミはボクちゃんのために生きるの♪キミはボクちゃんの言うことを聞くのがこの世でイチバンのシアワセになるんだよ~♪はい繰り返して言ってみよ~♪」

  • 76デスメラモン&アスタモン25/12/04(木) 22:46:52

    >>75

    やっヤベー

    (隠れて見守っていたがもう限界と言わんばかりにとびださんとするがデスメラモンが押さえつける)

    デスメラモン「まだだ まだ待て それにここで出たらややこしいことになる」

  • 77アンティラモン25/12/04(木) 22:53:23

    「────!」


    ──感じた

    "闇の勢力"の気配を確かに感じ取った

    反射的に周囲を見回し……気づく


    「パタモン……!?」


    パタモンがどこにもいない。ルクスモンも

    背筋がみるみる冷たくなっていく。最悪の想像が脳裏をよぎる

    即座に体内の気を操作──感覚器官を強化し、聞き慣れた羽ばたき音を察知する


    「パタモン!!」


    アンティラモンはそのまま一目散に走り出した


    >>75

    「う……あー……?」


    邪眼の支配をモロに受けてしまったパタモンは虚ろな目でドラクモンを見つめた

    頭がぼんやりしてうまくものを考えられない

    なのに、ドラクモンから与えられる声だけがやけにはっきり入ってくる


    「ぼくちゃんさんのために……ぼく……」


    ──その時

    頭の中で何かが輝くような感覚

    パタモンの元来持つ聖なる力と……幼年期の頃に飲み込んだメモリ結晶が僅かながら洗脳への抵抗を発揮していた


    「んんー……お……かあ……さま……おに……いちゃん……」

  • 78ぱたぱた25/12/04(木) 23:00:57

    >>77

    『ピコナックル』!!


    「うおっと!?あぶねwww」


    ドラクエモンはぱたぱたの攻撃をひらりと避けた


    「お前!パタモンに何をしたんだ!」

    「おーこわ(笑)そんな怒んないでよおにーさん♪ボクちゃんただそこのパタモンきゅんと楽しくおしゃべりしてただけよ?ねー、パタモンきゅん♪」


    『アイオブナイトメア』

  • 79デスメラモン&アスタモン25/12/04(木) 23:06:23

    >>78

    「「嘘だね

    俺らがはっきり見させてもらった」」

    デスメラモン「洗脳までかけるなんてちょいとオイタがすぎるんじゃねーの?」

    アスタモン「成長期といえど容赦はしねーぞ」

    「「さあ 覚悟しやがれってんだ」」

  • 80アンティラモン25/12/04(木) 23:11:34

    時に世界の裏側まで旅をすることもあったアンティラモンにとって、里の中の移動などほとんどかからない

    他のデジモン達の間を器用にすり抜け、障害物を飛び越える

    ……不思議なことに着地はとても静かで、僅かばかり砂埃が立つ程度であった

    視線の先にその姿を見つけて、呼びかける


    >>78

    「パタモン!!」


    呼びかけたその瞬間

    『おかあさまからの声』という外部刺激を受けたパタモンの意識が一気に浮き上がった


    「お……かあさま……?あれ?ぼく、なにして……」

  • 81ドラクモン25/12/04(木) 23:16:19

    >>79

    「王よ!!」


    「うっげ~なに~?オッサンたち完全体かよ?成長期相手に二人がかりとか、オトナゲなくて草」



    >>80

    「え?ええ~?やっだパタモンきゅん目覚ましちゃったの~??なして~?」


    「王よ!!あやつは高位の聖属性のデジモンですぞ!」


    「わぁ~ってるってばっーったく…はぁ~~遊び過ぎちったや~~。ガサモン」


    ガサモンが触手を振るうと魔方陣が展開され、そこから無数のツメモンが雪崩のように暴れ出て来た


    「そいつらは何でも分解してどんどん増えちゃうよ~~♪頑張って駆除してね♪」

  • 82ドラクモン25/12/04(木) 23:25:54

    「にひぃ~~♪知ってるぜぇ~~~?パタモンきゅんのおかあさん、この世界のデジモンに手ぇ出せないんしょ?」

    ドラクモンは溢れ雪崩れるツメモンの間を縫うように飛び、パタモンへ積極し……

    「むちゅ~~♪」

    「あ!!?お前!ちゅーは好き好きな相手にしかちゃいけないんだぞ!!おかあさまが言ってた!」

    「んん~~?好き好きよ~~?ボクちゃんパタモンきゅんちょーラブ♪めっちゃオモロいんだもん♪」

    「えっ…!?じゃ……あ、い、いいのかな!?」

    「あっはっはっはっはwwwキミもメチャオモロいじゃん草」

    「王よ、急ぎますぞ!」
    「へいへい~~、パタモンきゅ~~ん&ぱたぱたちゃん♪ボクちゃんの名前ドラクモン♪またあそぼーぜ?ボクちゃんキミらちょーホシイ♪またね☆」

    二体は魔方陣に消えていった
    大量のツメモンは屋台を容赦なく分解していく

  • 83二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 23:26:27

    このレスは削除されています

  • 84メイクラックモン25/12/04(木) 23:30:58

    >>83

    「うわぁ~~!?」

    「なんだこいつら!?」

    広場は突然のツメモンの発生に大パニックになっていた


    「おかあさん!!」

    そこへメイクラックモンが降り立つ

    >>83

    ぱたぱた!パタモン!ボクの後ろへ!


    メイクラックモンは進化によって身につけた聖なる光でツメモンを薙ぎ払った


    「おかあさん!!こいつらは一体!?」

  • 85アンティラモン25/12/04(木) 23:33:12

    直接対峙したことはなかったが、ケルビモンから与えられた知識のひとつとして知っていた

    恐るべき繁殖力を持ち、あらゆるデータを侵食し喰らい尽くす……デジモンでありながら、総てのデジモンの天敵といってもいい存在

    だが……ありえない。ケルビモンから与えられた知識によれば、それらは人間のネットワークの情報から生まれるはず。この原始的なデジタルワールドで自然発生するわけが……


    (……誰かが"外"から……持ち込んだ……?)


    ……考えるのは後だ


    >>82

    「? ? ?」

    「な、何を……っ!!?」


    パタモンへ与えられた突然の口付けに思わず虚を突かれる

    パタモンは何が何だか分かっていない。分かるはずがない。教えていないからだ

    アンティラモンは……静かにキレた


    「……随分、舐められたものですね。確かに私は……この世界のデジモンには手を出さないようにはしていますが……」


    ──膨れ上がる殺気


    「正当防衛なら攻撃OK、と主から仰せ使っていますし、何より……外から持ち込まれた異分子に容赦してやる道理はありませんよ」


    ひどく冷たい声だった

    地を蹴り、長い腕を鞭のようにしならせた


    >>84

    「あなたは民を避難させなさい!!」


    アンティラモンは戦いながら鋭く叫ぶ

  • 86メイクラックモン25/12/04(木) 23:42:56

    >>85

    「わ、わかりました!戦えるひとは前に!!成長期と幼年期は優先して逃がしてください!!」


    メイクラックモンは毛針を飛ばしツメモンを破裂させていく

    そして飛ばした毛針はやがて集まり分身を作り出した


    『フェルトメイド』!


    「「「ボクの里は傷つけされない!!!」」」

    メイクラックモンは分身とともにツメモンを粉砕していく


    「かまえ~~!!撃てぇ!!」

    さらに警備に当たっていたデジモンたちは銃によってツメモンを狙い打ちにする


    「ダメだ数が多すぎる!?」

    「泣き言言ってんじゃねえ!!メラ公ども!やれい!」

    「「「へい親方!!『マグマボム』!!!」」」


    「ぶるん!撃つ!」

    『獣王拳!!』


    獣人たちはみな訓練を怠らなかった。かつてあった蛮族の襲撃

    その悲劇を繰り返さないために、みなが戦える力を今日まで積み上げて来たのだ

  • 87アンティラモン25/12/04(木) 23:55:26

    >>86

    (本当に……立派になりましたね、愛しい子……)


    今日何度目かも分からないが……我が子の成長を愛おしく思いながらも戦いに集中する

    アンティラモンの得意とするのは近接戦闘

    ただし、持ち前の長い手脚がリーチをカバーする

    技を使うまでもない

    幼年期程度が相手であれば、長い腕を鞭のようにしならせ、脚で蹴り上げ踏みつけるだけで簡単に倒すことができる

    気の操作で感覚器官を強化し、戦えないものを狙おうと視線を向けた段階で感知して粉砕する


    (暫く戦っていなかったので鈍ったかと思いましたが……私もまだまだやれますね)


    戦えば戦うほど体が温まり、エンジンがかかっていくような感覚。その動きはどんどん洗練されたものとなっていった

  • 88ドラクモン25/12/05(金) 00:29:02

    洞窟城、「王」の間

    「はぁ~~♪楽しかった~~♪」
    「王よ!!あのようなお戯れはもうお辞め下さい!!危うく二人とも消滅させられるところだったのですぞ!?」
    「わぁ~たわぁ~たって~~の」
    ガサモンはドラクモンを叱りつけるが当の本人はまるで気にしていない。
    新しく見つけた遊び相手にルンルンだ
    「嫌さ~~、最初はこんな世界に置いてったおとーさまのことはどうかと思ったよマジで!じめじめしてて原始的で部下のやつらはみんなアホだしさ~~……けど、わかったんだ~♪ガサモン!これからなんだよ!」
    「……はぁ」
    「ココロがあるやつがさぁ、てめーの選択で自滅して、勝手にゼツボーして勝手にココロが砕かれるって……想像したらめっちゃオモロいのな♪♪♪♪」
    「パタモンきゅんとぱたぱたちゃんちょー~ーーホシイwwwあんな頭お花畑のイイコちゃんたちが、オレにゼツボー顔して媚び媚びするのとか想像したらちょーーーウケるくねえwwwひゃはははははは!!!!」
    「………やはり、貴方様は悪魔の子ですよ」
    「知ってる~~♪」
    「さーてとぉ、ガサモン?アホどもにクラモンとツメモンはどれくらい食わした~~?」
    「ええ、そろそろ適量かと」
    「あらそ♪じゃ、やっちゃって~~w」
    「承知」
    ガサモンは魔力を放ち、配下たちに食わせ続けたクラモンの細胞を活性化させた
    「ぎゃっ…!?うげっ!?!」
    「ぎゅぶっ!!」「あぎっ!?」
    クラモン、ツメモン、双方ともに元はフェレスモンとダゴモンのデジタマを反映させて、二体の端末として生成したデジモンである
    「やっぱさ~~いつまでも部下どもがあっぱっぱ~なママじゃおはなしにならない分けよ」
    故に、その子である二人は、食われてなお生き続けるその細胞を支配下に置くことが出来る
    「もうちょっとデキる子になってもらわないと、ね♡」

    『ジョグレス進化 ブギーモン!』『ジョグレス進化 ウェンディモン…!』『ジョグレス進化 バケモン』『ジョグレス進化 デビモン…!』
    「さ、ボクちゃんたちも「開拓」をはじめましょ♪」

  • 89獣人集落25/12/05(金) 06:50:38

    『ヴァンパイアダンス!!』
    きらきらの振るう爪がツメモンの群れを引き裂いた
    「おかあさま!!」
    (クソッ!一体一体は脆弱だが余りにも数が多すぎる!?このままで広場の外にでも逃げられればいよいよ歯止めが効かない!!どうしたら…!!)

    「お、おとうさま…おかあさま…!」

    『きちちちちち!!』
    「うわぁ!?」

    「ぱたぱた!?」
    逃げ延びたツメモンが二人へ迫る
    ぼ、ぼくも、ぼくだって!みんなを守るんだーー!!
    『クラウドバリア』!!
    ぱたぱたが発生させた光の盾に触れたツメモンは聖なる光によって焼け死んだ

    「!?これだ!!ぱたぱた!」
    メイクラックモンはぱたぱたへと飛び、彼へ聖なる光を注ぎ込む

    「この盾で広場をつつむんだ!盾からやつらを逃がさない「籠」にする!できるね!」
    「おとうさま…はい!ぼくはおとうさまの子です!!やあああああああ!!!」

    メイクラックモンが注ぎ込んだ光を糧に、ぱたぱたの聖なる光のドームが広場をつつんだ

    「これでやつらは外に逃げられない!!この中ですべて破壊するんだ!!」

    『『『アイアーーーイ!!!』』』
    獣人たちはみなが里を守るために培った力を振るった

  • 90二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 06:59:42

    このレスは削除されています

  • 91デスメラモン&アスタモン25/12/05(金) 07:15:34

    >>89

    そらそらそら

    (アスタモンは銃撃で、デスメラモンは火炎でツメモンを撃ち落としていく)

    アスタモン「こいつら遠距離攻撃に弱いぞ」

    デスメラモン「接近する時は爪と分解能力に気をつけろよ」

    (的確にアドバイスしながらツメモンの数を減らしていく)

  • 92サイバードラモン25/12/05(金) 07:17:03

    >>89

    【ゆっくりと歩きながら尻尾からエクストリームテイラーを放っていく】

  • 93獣人集落25/12/05(金) 07:30:51

    「うう~~!しんどいですぅ…!けど、頑張り増すぅ!」

    「よし、偉いぞぱたぱた!頑張れっ」

    メイクラックモンは攻撃は分身に任せながら、ぱたぱたに力を注ぎ込む

    「はいっ!」

    その温かくてふかふかの手が、ぱたぱたは頼もしかった


    「ぎっ!」「びっ?!」「ばっ!!?」「ぎぎ!?」



    >>91

    >>92

    そして、来客たちの協力もあり、無事にツメモンの群れは討伐されたのだった

  • 94サイバードラモン25/12/05(金) 07:32:04

    >>93

    【そして数分経ってからサイバードラモンが口を開いた】

    ……獣人の中に敵が混じっていたと言うことか

  • 95獣人集落25/12/05(金) 07:39:55

    「はぁ、はぁ……今のやつらは、一体……」

    広場では荒れてしまった屋台の片付け作業が急がれていた

    幸いにも食われてたのは屋台だけであり、人的被害はゼロに抑えられた


    「……これは?」

    メイクラックモンはツメモンが食らった虫食い痕を見る

    そこはまるでこの世から消失したかのようにキレイにくり貫かれており、パチパチと青白い光の粒、「0」と「1」を灯す光が現れては消える。「数字」の概念を持たないメイクラックモンには、それは余りにも異質な光景であった


    >>94

    「……ええ、どうやらそのようです。警備の者に聞いても、出入口には姿はなかった。それに、そのような姿に進化して子も、式典の直前までありませんでした」


    「……やつらは一体何者なのか、どうやって侵入したのか……まるでわかりません」

  • 96サイバードラモン25/12/05(金) 07:42:49

    >>95

    ……今回のことは相手側も想定外だったと見た

    じゃなければあんな数で来ないはずだ

    故に…住民の証明証のようなもを作ってはどうだ?

  • 97獣人集落25/12/05(金) 07:48:42

    「……ご来賓の皆様、我々の警備が至らないが故に、このような事態を引き起こしてしまい、大変申し訳ございませんでした」

     

    『『『申し訳ございません!!!』』』

    メイクラックモンは警備隊共々深く謝罪する。

    >>96

    「証明書…確かに、数の増えてきた今、それも必要になって来ますね。……せっかくお祝いに来ていただいたというのに、お恥ずかしい限りです、竜王殿。……申し訳ございません」


    「おとうさま…」

    「ぱたぱた、パタモン。せっかく楽しい思い出にしてもらおうと思ったのに、怖い思いをさせてしまったね……ごめんねっ」


    「……おとうさまは悪くないよ!ぼくたちちゃんと楽しくてうれしかったもん!!悪いのはあのボクちゃんのドラクモンなんだ!あいつはパタモンにちゅーしたんだよ!ちゅーは好き好きなひとにしかしちゃいけないのに!!」


    「そうか……え?ええ??ええ~、そうなんだ……ともかく、ありがとう、ぱたぱた。かっこよかったぞ」


    「~~っっ!!うん!!ぼくも里が大好きだから!ぼくもみんなを守るよ!!おとうさまみたいに!」

  • 98サイバードラモン25/12/05(金) 07:52:32

    >>97

    いや、構わん

    寧ろ我らも学べた

    あのような存在がいることをな

  • 99獣人集落25/12/05(金) 07:58:55

    >>97

    「……そっか、ありがとう」


    >>98

    「お心遣い感謝します。竜王殿」

    メイクラックモンはまた深く頭を下げた


    「はぁ~い!追加のお料理持ってきたよ~~!きゃは☆」

    『『へいおまちどおさま!!』』

    そこへきらきらがバーガモンたちと大量の料理を盛って現れた


    「きらきら?ぱくぱく(バーガモン)のみんな?一体何を……」


    「戦ったあとってお腹空いちゃうじゃん?だからむつかしいことはお腹いっぱいになってからにしよー!今日はお祝いなんだから~~!楽しい思い出でいっぱいにしちゃお☆きゃは☆」


    「きらきら……(ぐうう~~)////」

    「~~っ////!……あはは、キミはいつもボクを助けてくれるね」


    メイクラックモンはきらきらの持つ料理を受け取り、彼女へ頬擦りした


    「ありがとう、きらきら」

    「……うん、とーぜんじゃん!きゃは☆」

    「あっ!ぼくも!!おとうさまぼくにもすりすり!!」

    「ふふっ、わかったよ。ありがとう、ぱたぱた」

  • 100二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 08:00:21

    このレスは削除されています

  • 101サイバードラモン25/12/05(金) 08:01:37

    >>99

    …随分と仲が良いな

    【少々気まずそうにしている】

    そして随分と助け合っているように見える

    部下や仲間ではないような関係に見える…

  • 102獣人集落25/12/05(金) 08:31:10

    >>101

    「うん!きらきらたち「家族」なんだ!きゃは☆」

    「きゃは☆」


    「お母さんが教えてくれたんです。たとえ血の繋がりがなくても家族になれるんだって。だから、ぼくたちも家族なんです」


    「パタモンもだよ!」

    ぱたぱたはパタモンへ飛び手を取る


    「パタモンもおばあたまの子でおとうさまのおとうとだから…ええっと~、言葉はわかんないけど、パタモンもぼくと繋がってるんだよ!だからぼくたちも家族なんだ!」


    「ぼく、もっと強くなるよ!おとうさまやおかあさまやおばあたまみたいに強くてかっこよくなって、里のみんなを守るんだ!だからパタモンも守るよ!家族だからね!」

  • 103サイバードラモン25/12/05(金) 08:32:49

    >>102

    そうか、家族か………

    【顎の手を当てて考える】

    そんなものもあるのだな

    感謝する

  • 104アンティラモン25/12/05(金) 08:43:31

    >>102

    「あ……あの、あの!」


    怒涛の出来事のせいで混乱していたパタモンは、騒動が過ぎ去ってやっと落ち着いたらしく口を開く


    「ぼく、よくわからないですけど……たぶん、ぼく、よくないことをして……だから、あの、ごめんなさいは、ぼくです!」


    自分がドラクモンに話しかけたことが今回の事件のトリガーとなった……そう解釈したらしい


    「ぼく、あの、ぼくちゃんさんともともだちになれたらって……おもって……」


    必死に言葉を紡ごうとするパタモンを、アンティラモンはその大きな手でそっと撫でた

    そして、言葉を引き継ぐように言う


    「……どうやら今回の騒動は……"私の子"であるパタモンに原因の一端がある様子。獣の王、竜の王、そして来賓の皆様……この子の保護者として謝罪します」


    アンティラモンは深々と頭を下げた

    そして


    「お詫び……というのもなんですが。もう一つ情報を……今回、ドラクモン達が行使したあれ……"ツメモン"について、お教えしましょう」

  • 105サイバードラモン25/12/05(金) 08:44:01

    >>104

    ツメモン?

  • 106獣人集落25/12/05(金) 08:54:33

    >>95

    「お母さん、これを」

    メイクラックモンはツメモンの虫食い跡を見せた


    「こんな現象ははじめて見ました……やつらは、一体?」

  • 107アンティラモン25/12/05(金) 08:59:34

    アンティラモンは筆をとり絵を描いて説明をした

    最初に描いたのは、一つ目のメンダコのような生き物


    「まずはクラモン。分かりやすく言うならば……ポヨモンやボタモンのような、デジタマから生まれたばかりの形態です。これはポヨモンのように、デジタマを使わずに増殖することができます」


    次に描いたのは集落を襲ったデジモン


    「クラモンが成長すると、先程我々を襲ったツメモンとなります。凶暴性が増し、我々の体、建物、植物、鉱物……なんでも見境なく侵食し喰らいます。我々デジモンの……いいえ、この世界の天敵と言っても過言ではないでしょう。

     今回はこちらも戦力があったので対応できましたが、ひとりでいる時にツメモンの集団に襲われてはたまったものではありません。多勢に無勢。その上一体一体が非常にすばしっこい。多少腕に自信があろうとあっという間に喰らいつくされてしまうでしょう」


    そして、と描いたのはこの世界のデジモン達がまだ見たことのない、不気味なクラゲのようなデジモン


    「ツメモンが進化するとケラモンとなります。……成長の時期としてはパタモンやぱたぱたと同じくらいですね。ですが、侮ってはいけません。非常に強力な力を持っています。もしかしたら言葉を操る個体もいるかもしれませんが、非常に残酷な種です。対話による和解はほとんど不可能と見ていい」


    最早、中立がどうだの、ありのままの発展がどうだの言っている場合ではない

    この外部からの異分子による脅威に対して情報がなければ、この世界はきっとあっという間に喰らいつくされてしまう


    だが、アンティラモンは説明の際「データ」という言葉や「別のデジタルワールドの存在」は徹底して伏せた

    デジモンがデジタル生命体であることを彼らに理解してもらえるよう説明するのは今の段階では難しいし、余計な混乱を招いてしまうだけだ


    >>106

    故にメイクラックモンの質問も、「ツメモンに喰らわれるとそうなってしまう」という答えに留めた

  • 108獣人集落25/12/05(金) 09:06:45

    >>107

    「世界の……天敵」

    メイクラックモンは言葉が出なかった。そのような恐ろしい存在が、まさかこの世にいようとは……


    「…竜王よ、我々の移住計画。より急ぎ、そして入念に計画を練る必要があります。あのような存在がもしこの世界の何処かで繁殖したら……歯止めが聞かなくなる」

  • 109獣人集落25/12/05(金) 09:13:07

    >>104

    「パタモンは悪くないよ!」

    ぱたぱたはパタモンを抱き締めた


    「きろくで見たんだ、おじいちゃんの村は、蛮族に優しさにつけこまれて壊されたんだって……でも、優しさがあったから、竜人の里に助けてもらえたんだって!だますほうが悪いに決まってるよ!」


    ぱたぱたはパタモンの手を取る

    「いっしょに強くなろう、パタモン。いっぱい力を付けて、お勉強して賢くなろう。そうしたらおとうさまやおばあたまみたいにかっこよくてすてきに、なれるんだ。」


    「やれるよ、ぼくもパタモンも!だって、家族なんだもん!」

  • 110アンティラモン25/12/05(金) 09:15:18

    「……パタモン」 

    落ち込み、羽を力なく垂れさせるパタモンにアンティラモンは声をかけた

    「あなたの善性は美徳です」
    「びと、く?」
    「良いこと、長所、ということです。ですが、それだけではこの世界では淘汰されてしまう。ドラクモンのように、敵意や悪意を持ってあなたに接触するデジモンもいる」
    「……ぼくちゃんさんは、わるいデジモンですか?」
    「それを決めるのは私ではありません。……少し話がずれますが、思い出して。以前の川でのできごと。スイムモンがあなたに噛みついたのは何故だと教えましたか」
    「……ぼくをたべて、いきるためです」
    「そう。生存競争に勝ち残る為。では、今回のドラクモンの一件、ドラクモンはあなたに何をしようとしましたか?」
    「……ついてこいって、いってたとおもいます……」
    「なるほど。戦力が欲しかったのですね。確かに、成長期だけで乗り込んでくるというのもおかしな話です。あれだけの規模の城、遠目からでも見えるのだから相応の戦力があると推測できるでしょうに。それが強力な護衛もなく、撤退の際も幼年期のツメモンを苦し紛れにばら撒くだけとなると、彼らはまだ大きな戦いができるほど力を蓄えられていないのですね」 

    パタモンにはアンティラモンの言葉はほとんど分からなかったが、それでも懸命に耳を傾けた

    「それもまた生存競争です。戦力を増やし、生き残る為の」
    「で、でも、それならおにいちゃんとおともだちになればいいです!」
    「相容れない種もいるということです。今回の件、獣の王や竜の王から見た時、ドラクモンは"悪"ですが、客観的に見た時……ドラクモンは生存競争に勝ちたかっただけ、単純な善悪で判断はできません」

    それは、ケルビモンの遣いのアンティラモンとしての言葉だった
    闇の勢力は三大天使にとっては敵対勢力ではあるが、かといって徹底的に殲滅せんとするわけではない。世界にはバランスが必要だ。光があれば闇がある。そのバランスが闇の勢力によって崩されようとする時、三大天使は動くのだ

    「パタモン。よく考えなさい。見極めなさい。自身で裁定をくだせるようになりなさい。それがこの世界に生まれ落ちたあなたの責務です」

  • 111アンティラモン25/12/05(金) 09:17:57

    >>109

    アンティラモンの言葉を、ぱたぱたの言葉を受けて、パタモンは暫し黙り込む

    アンティラモンの言葉を全て理解するのは難しい

    でも、分かるのは


    「ぼくも……おかあさまやおにいちゃんたちのように、つよくなりたいです……!」


    パタモンはそう言ってぱたぱたの手を握り返す

    アンティラモンはそれを見て小さく頷いた

  • 112サイバードラモン25/12/05(金) 09:19:14

    >>107

    >>110

    >>109

    ……なるほど

    より強力な戦士を育て上げる必要があるか……

    >>108

    ああ、その為にも誰か…お前の信頼できるものが進化せねばな

    セイバーハックモンやキャプテンフックモンのような存在を…

  • 113獣人集落25/12/05(金) 09:21:52

    >>112

    「はい……遠く先でも信頼できる、仲間たちが必要になります」

    >>111

    「頑張ろうね!パタモン!」


    こうして、一波乱あった獣人族の城の建造祝賀会は、なんとか閉幕を迎えられたのであった

  • 114砂漠集落25/12/05(金) 09:27:19

    砂漠集落のネーモン達は、野草も食べている。
    主にアロエやサボテン等の果肉植物である。

    大河の近くには、モロコシの一種である「ソルガム」というイネ科の植物が自生していた。
    これはトウモロコシに近い種であり、乾燥に強く、デンプンを蓄えた種子をたくさん形成する。

    リアルワールドの品種改良されたイネ科穀物は、収穫しやすいように穂から種子が落ちないようになっているが…
    デジタルワールド野生種のソルガムはそのような品種改良がされておらず、穂から種子がぱらぱらと自然に落下する。

    ネーモン達は最初の頃、ソルガムの種子をかじってみたものの、ネーモン達の消化酵素ではβデンプンを分解できなかった。
    そのため、口が寂しい時にかじるオヤツ以上の価値を持たなかった。

    ネフェルティモンは、ソルガムを柔らかくして食べる術はないか…と考えていた

    あるときネフェルティモンは、ファイラモン三男から教わった「火」で、土器越しにソルガムを茹でてみることにした。
    するとソルガムの種子は水を吸い、甘みをもつようになった。
    難消化性のβデンプンが、加水と加熱によって消化しやすいαデンプンに変質したのである。

    以来、ソルガムは穀物のモロコシとして積極的に栽培されるようになった。
    大河の栄養分豊富な水は、モロコシ畑の肥料水として機能した。

    この時点では、モロコシを粉にして料理するという概念はまだ集落に存在していない。

  • 115アンティラモン25/12/05(金) 09:29:18

    「私は再び旅に出ます。文明が発展している場所にツメモンの脅威を教え、備えさせなければなりません」

    アンティラモンは早急に集落を出るつもりのようだ
    ぱたぱたとを手を取り合うパタモンを見遣る

    「パタモンはどうしますか?ここに残りたいですか?」

    随分ぱたぱた……ルクスモンと意気投合したようだ
    メイクラックモンに負担をかけてしまうのは申し訳ないが、そもそもパタモンはこの世界のデジモン。であればこの世界のデジモン達と暮らすのが自然だろう
    それに、アンティラモンと旅を続けるよりも安全だ
    しかし、パタモンは首を横に振った

    「ぼく……おかあさまと、たびをつづけます!いろんなものをみて、つよくなります!」
    「……いいでしょう」

    最後に、アンティラモンはメイクラックモンに向き合った

    「獣の王よ。これは私の我儘です。どうか、ご無礼をお許しください」

    そう言って、メイクラックモンを抱き締めた

    「本当に……本当に立派になりましたね。愛しい子……例えどこにいたって、私はあなたを愛していますよ」

    長い腕でたっぷりと、さらにぱたぱたやきらきらのことも抱きしめてから、アンティラモンはパタモンを連れて獣人集落を去るのであった

    「それでは、王よ。きっと……またいつかお会いしましょう」
    「またおあいしましょー!」

  • 116二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 09:32:50

    このレスは削除されています

  • 117獣人集落25/12/05(金) 09:34:28

    >>115

    「………はい、お母さん!愛しています」


    「行ってらっしゃい!!」


    「「「「行ってらっしゃい!!!」」」」


    獣人たちは、みな笑顔で見送ったのであった

  • 118サイバードラモン25/12/05(金) 09:36:01

    >>115

    >>117

    我々も早急に対策を打ち立てる

    連絡網としてラプタードラモンを置いておく

    自由に使え


    では、さらばだ!

    【モノクロモンやヴァーミリモンに乗って去っていく】

  • 119獣人集落25/12/05(金) 09:38:10

    翌日、メイクラックモンは一枚の絵を描いた

    それは大きな獣人の城と森を背景に、メイクラックモンやきらきら、ぱたぱた、獣人の民たち。そしてらアンティラモン、パタモン、竜王やアスタモンたち、

    そして、バブンガモン、ウェンディモンが共に笑い合う、そんな絵だった。

    「あはは、どうかな?おじいちゃん、お父さん?上手く描けてる?」

    メイクラックモンはその絵をバブンガモンの石碑に飾った

    「次はもっともっといいお土産を用意していますからねっ!」
    なんとなく、二人が笑って見てくれているような、そんな気がした

  • 120砂漠集落25/12/05(金) 09:41:33

    >>114

    ある時、ネーモンの一体が茹でたモロコシを食い忘れてそのまま蔵に放置していた。

    しばらく経ってからそれを発見すると、妙なにおいがするのに気づいた。


    興味本位でペロリと舐めてみたネーモン。

    しばらくすると、ふらふらとよろめき、ネーモンは昏倒した。


    発酵によりモロコシの糖分がアルコールとなり、ウイスキーとなっていたのである。


    多くの生物にとってアルコールは猛毒である。

    リアルワールドでも、人間やハムスターなど極一部の動物しかアルコールを分解する力を持っていない。

    そしてネーモンは、アルコール分解能力が低い種であった。


    ネーモンは数日間、ぐわんぐわんに悪酔いした。

    どうにか復活できたが、もう二度とウイスキーを口にするまいと誓うのであった。


    それはそれとして、ウイスキーそのものは飲料とは別の形で利用された。

    「燃料」として扱われたのであった。


    モロコシを発酵させたウイスキーは、ごく原始的なアルコールランプとして活用されることになった。

    ガラスが発明されていないため、ランプとしての有用性はまだまだ低い段階である

  • 121二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 09:48:32

    >>120

    【砂漠集落にてメガログラウモンが作り上げたデジタマが揺れ始めている】

  • 122獣人集落25/12/05(金) 09:59:35

    その後、獣人族の遠征計画は急ピッチで進められることになった。

    必要なのは長距離を移動出来、また物資の郵送をスムーズにできる足、そして、現地で指導者たりえる存在の育成だ


    >>118

    竜王の残したラプタードラモンはヤンマモンより早く走り、竜人の里との連携をよりスムーズにした。それに触発されて、ヤンマモン飛行士たちも、より式高く訓練に取り組んだ


    一方、竜王の里ではバロモンが産卵を経て三体の子を産んだ

    彼らは皆親の才能を受け継ぎ、彼の仕事や両里の橋渡しとして貢献した


    すると、完全体は意外なところから現れた


    かつて竜人の里から友好の証として送られたデジタマから孵ったカメモンから進化したガワッパモン

    水路の番人として長らく里を見守り続けてきた彼が、ついに至ったのであった


    シャウジンモンの出現である

  • 123エクスブイモン25/12/05(金) 10:10:51

    エクスブイモンがバロモンから生まれた子供たちに戦い方を教えようとする
    いずれ敵と戦うのだ
    教えておいて損はない

  • 124砂漠集落25/12/05(金) 10:15:21

    >>120

    あるとき、砂漠集落で事件が起こった

    「盗難事件」である


    とあるネーモンが、別のネーモンのテントに侵入し、穀物を盗んだのである


    盗まれたネーモンは混乱した

    「ネー!?」


    「窃盗」という楽な食糧獲得方法によって負の成功体験をした盗人ネーモンは、それからも他のネーモンの家から穀物を盗み続けた


    「ネー…」「ネエェー…」


    ネーモン達には言語が存在しない

    「盗みの被害」という情報を共有する手段はなかった


    集落の全ての住人が最初から完璧な善性を持っていたならば苦労しないのだが、少なくともこの集落はそうではなかったのだ

    リアルワールドの人類と同様である


    ある時、穀物窃盗をしているところが家主ネーモンにバレた盗人ネーモンは、滅茶苦茶ボコられた


    「ネー!」「ネネー!」


    しかし、言語がないため加害者・被害者の関係性を伝える手段がない

    喧嘩を目撃したネーモン達は、とりあえず喧嘩を仲裁した


    結果、盗人ネーモンは、十分な裁きを受けなかった


    一連の出来事を俯瞰して全てを見通せる者はおらず、その手段もなかったのである

  • 125二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 10:20:28

    >>121

    そうして生まれたのがスナザリモンである

    彼らは熱を持った砂や岩石、電気や水などで生きていけるデジモン

    メガログラウモンが自分が食料面で負担をかけていることに引け目を感じていた事でそういう進化をしていたのだろう

    彼はメガログラウモンの意志を継いでネーモンたちの集落へと定住したのである

  • 126二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 10:25:06

    テスラジェリーモンたちが海から上がって数時間で戻る
    これを繰り返しているのは資源を探すためだ
    そして何度も繰り返すうちに木材や草などを見つける
    しかしこれは海底では使い物にはならない
    そこで海底集落の真上に大きな筏を建造し始めた

    そこで魚を保管して、プランクトンなどに食べられないようにしたのだ

  • 127ファイラモン末弟25/12/05(金) 10:29:11

    >>124

    (ファイラモン末弟は困ってしまった)

    (文字という文化を教えようにも文字という物を持たせたところで理解ができないのでは意味がない)

    (ファイラモンは必死に悩んだ)

  • 128獣人の国25/12/05(金) 10:42:20

    >>122

    「……では、おさおさよ。行ってまいる」

    「はい、頼みました。……今までありがとう、カメカメ」


    やがて、シャウジンモンことカメカメは、おのが子である二代目ガワッパモンに水門守りの仕事を引き継がせ、彼率いる遠征キャラバンが結成された

    荷物はヤンマモンにより定期的に補充され、また新たに得た物資や報告書の伝達も可能であった。


    「………さらば、だ、兄弟」

    「………ああ、兄弟」

    出発前夜、共に獣人集落の最古参であるカメカメとハヌモンは、二人バブンガモンの石碑の前で「気持ちのよくなる水」を飲んだ。 もう会うことはないだろう


    懐かしい、懐かしい味であった

  • 129セイバーハックモン25/12/05(金) 10:42:22

    巨大な火炎塔を作り上げて、その中に作られたマンモンの毛皮で覆われた石造りの玉座に座っているセイバーハックモン
    退屈そうに頬杖をつきながらコテモンたちが稽古するところを眺めている
    前までは同じ完全体が複数いる環境にいたが、今はそうではない
    高めあう者がいないとこんなにも退屈なのかとセイバーハックモンは嘆いた

    しかしそれでもここの開拓を任されたのだ
    やり切るしかあるまい

  • 130ファイラモン長男と次男25/12/05(金) 11:11:42

    (寒冷地についたファイラモン3兄弟のうちの長男と次男)
    (彷徨っている間に現地のデジモンであるユキミボタモンに懐かれてしまう)
    (ファイラモン長兄と次男は近くの集落から少し離れた場所でそのユキミボタモンを育てることにした)
    (気づけばモジャモンがいて襲いかかってきたが長男と次男の連携により倒された)
    (そしてモジャモンは沢山のユキミボタモンの餌となりムンモンが2体
    ニャロモンが2体 ヒヤリモンが3体になっていた)
    (流石に数が多くなってきたため近くの集落に寄ることにした)

  • 131砂漠集落25/12/05(金) 11:39:31

    >>124

    砂漠集落に、新たな脅威が生じた。

    それは外からではなく、内から現れた。

    「フリーライダー」の出現である。


    もしも集団に属する個体の全てが、常に他者を思いやり、一切手を抜かないのであれば、リアルワールドの人類の発展はどれだけ楽だっただろうか。

    だが人類はそうではない。他者の労働利益にタダ乗りする者…所謂「サボる」者が現れる。だから労働管理という仕組みが現存するのである。


    そしてそれは、「農耕」の概念と共に、ネーモン集落にも現れた。

    モロコシの栽培を他者任せにするくせに、その配分のみは受け取ろうとするネーモンが現れたのである。


    集団の存続としてはともかく、個体レベルでは「サボる」ことは極めて効率のいい生存戦略であった。

    働かずに食糧が得られるのならば、それに越したことは無いのだから。


    次第に「サボる」ネーモンは増えていき、真面目に労働に取り組むほど損するようになっていく。

    悪循環が生じ始めた。


    …現場を見ていたネフェルティモンはこの事態に気づいたが、根本的な解決手段を見いだせずにいた。

  • 132獣人キャラバン25/12/05(金) 11:40:06

    >>128

    手始めに、獣人のキャラバンはレオモンの故郷にあるサバンナへと赴いた

    レオモンは若干天然気味だら頼れる、更に彼の扱う「気」の概念興味深い


    そうして訪れた一団を、現地のレオモン族は最初いぶかしんだが…


    「ガル!!」


    「「「ガルガルーーー!!?」」」

    同行したレオモンが見せたかじかじ製の剣を見ると目の色を変えて彼らを歓迎した


    「流石にチョロすぎやしないか?」と、カメカメは経験から彼らが少し心配になった

  • 133獣人の国25/12/05(金) 12:00:10

    こうして、レオモン族と共にサバンナの開拓が始まる……と、思っていたのだが

    「オサオサ、コレ、オレノカゾク」

    「「「ガル!!」」」

    「……なんで、連れて来ちゃったんですか?」
     
    ガルガルは自身の一族をそっくり引き連れとんぼ返りしてきてしまったのである

    彼らは言語こそ持たないが、遠く移住した同族が見るからにいい暮らしをしているのは明白
    ならば自分もと思ってしまうのはせんなきことであった
    「本当に大丈夫なのだろうか?」
    メイクラックモンは早速不安になった

  • 134ファイラモン末弟25/12/05(金) 12:02:25

    >>131

    (ファイラモンは本気で悩んだ)

    (どうしたらいいのか全く分からなかった)

  • 135アンティラモン25/12/05(金) 12:08:41

    「……以上が、此度の定期報告になります」

    洞窟の中でアンティラモンはケルビモンへの定期報告を行なった

    「ケルビモン様……発言してもよろしいでしょうか」
    『許可します』
    「今回のツメモンの件だけではありません。私が拾ったパタモンが幼年期の頃に飲み込んだ結晶……圧縮されたデータ片。あれが空から降ってきたという目撃証言があります。しかも、特定の場所からではなく、雑多に……」

    いよいよ……この可能性に向き合わねばならないのか
    アンティラモンは胃がキュッとなるのを感じた

    「私はこの世界に来たばかりの頃、人間と遭遇しました。この世界への渡航手段はまだ確立されていない。しかし人間の持つ技術力でどうにかゲートを開いたのだろうと解釈していました。それ以降見た人間は他に一人。我々のようなデジタル生命体でもない限り、生まれたばかりのこの世界に干渉するのは難しいのだろうと……そう思い込んでいました
     ですが……この結晶。もしもこれが外から齎されたものだとしたら?例えば……人間が外からこの世界に投げ込んでいるのだとしたら?
     世界にやってきて直接観測するまでもなく外から観測及び干渉を行えるのだとしたら?」

    気づけばアンティラモンの声は震えていた

    「……我々の任務は……この世界のありのままの発展を観測し、世界を守護するという任務は、最初から不可能……既に破綻しているのではないですか?」
    『…………』
    「ケルビモン様……!どうかお答えください。あなたは知っていたのではないですか?外からこの世界への干渉を……」
    『任務を続けなさい』
    「ケルビモン様!」
    『それから、以降そちらからの定期連絡は不要です。必要であればこちらから連絡を行います』
    「お待ちください!ケルビモン様──」

    通信が途切れる
    役割は終わったとばかりに疑似デジコアはアンティラモンの体内へと戻っていく
    アンティラモンはどうすればいいか分からず、立ち尽くしていた

  • 136スナザリモン25/12/05(金) 13:19:28

    >>131

    そこでスナザリモンが動き始めた

    サボるネーモンを見つけ出したら頭で押し出して仕事場へと連れて行こうとするのだ

    メガログラウモンの子である彼は真面目だった

  • 137ファイラモン末弟25/12/05(金) 13:35:16

    >>136

    (それに触発されファイラモンもサボっているネーモンを見かけると仕事場に引っ張っていった)

    (悩むより動いた方が早い 彼はそう結論づけた)

  • 138砂漠集落25/12/05(金) 14:34:25

    >>136 >>137

    「昼間から寝ている個体がいたら、畑に引っ張っていく」。

    このアプローチによって、全てが丸く収まるかに思われた。


    試みを始めた当初、確かに労働能率は増した。

    だが2ヵ月が経った頃、歪みが生じ始めた。


    この集落には、「個体」を見分けるための仕組みが無い。

    言語が無いから「名前」がない。わずかな特徴の差異で見分けようにも、デジタルモンスターは単為生殖で生まれる生物であるが故に、外見の変異が生じづらいのだ。


    また、ネーモン達は必ず一個体にひとつテントが割り当てられているわけではない。数体が共同でひとつのテントに住むこともある。資源の乏しさや、サンドヤンマモン襲撃時の警報の届けやすさが原因だ。


    つまり、「昼間から寝ているネーモン」が、どんな理由で寝ているのかを、いち個体の主観では知りようがなかったのである。

    それ故に、数日真面目に働いたネーモンが久々に休みを取ったときに、「サボり」とみなされて畑に引っ張られていくこともあった。

    体調不良や怪我をしている個体が「サボり」とみなされてしまうこともあった。


    中には、一切休まずに畑作業に従事する真面目な個体もいたが…

    サンドヤンマモンの襲撃があったとき、疲れのせいで逃げ遅れてしまい、捕獲されてしまうこともあった。


    「ネ~…」「ネネ~…!」


    住人たちにフラストレーションがたまっていく。「必要は発明の母」というが、鳴き声とボディランゲージだけの意思疎通では発展の限界の壁にぶつかるようになってきたのである。

    一段階上のアプローチが必要になってきた。

  • 139二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 15:03:36

    >>138

    スナザリモンは幼く、それに気がつくことはない

    ただ自分の意志が伝えられないのは不便である

    これではネーモンに意思を伝えることが出来ない


    そこでスナザリモンは教えるために1日歌を歌い始めた

    声色で表現することから教えようとしているのだ

  • 140砂漠集落25/12/05(金) 15:20:15

    >>139

    「ネー?」「ネ〜…」「ネ〜♪」「ルラ…?」


    ネーモンやアルラウモン達が歌うことが好きだった。

    スナリザモンに合わせて歌を歌い始めた。


    心が荒み始めていたネーモン達は思い出した。

    あの日、メガログラウモンとファイラモンを集落の皆で歓迎し、歌い踊ったとき、確かに住人達の心が一つになっていたことを。


    スナリザモンの試みは、思わぬ効果を生んだ。

    まず第一に、それまでスナリザモンが「厳しい監視者」として若干煙たがられていたのだが、歌によってスナリザモンへの仲間意識が深まった。


    そして、農作業の後に、働いた皆で歌を歌い、踊るようになった。

    互いに感謝を伝え合う「労い」の概念が生まれた。


    ネーモン達は、感謝し合うことの喜びを知った。


    その結果、サボりはゼロになったわけではないが、「元々は働き者だったがサボりがちに傾いていた個体」が積極的に農作業に加わるようになったのである。


    いまだに言語という意思伝達用の音声信号を扱う下地は形成途中だが…

    「そもそも何を伝え合いたいのか」という、「心の繋がり」は、それまでよりも確実に強くなっていった。

  • 141二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 15:46:14

    >>140

    それからスナザリモンは集落の外に出て他のデジモンを相手にした狩りをするようになった

    歌で意志疎通できるネーモンにサボりは任せて自分も狩りにて集落に貢献しようとしているのだ


    やがてスナザリモンはランドラモンに進化してより多くの獲物を持ってくるようになっま

  • 142ファイラモン末弟25/12/05(金) 15:47:23

    >>140

    (ファイラモン末弟は驚いた)

    (今まで言語能力が低かったネーモンたちが積極的に何かを伝えようとしていることの頻度が増えていたからだ)

    (これで問題は解決したと思ったがまだ窃盗の問題が解決していなかった)

    (かと言って窃盗していたネーモンを見かける度に必殺技を打ち込むわけにはいかなかった)

    (なぜ窃盗しているかわからないからだ)

    (趣味でやっている救いようのない者もいれば今の分では足りず仕方なくというパターンもある)

    (せめてなぜ窃盗しているかわかれば…ファイラモン末弟は悩んでいた)

  • 143砂漠集落25/12/05(金) 15:53:27

    >>142

    ファイラモンが注意深く観察して分かったことがあった。

    ネーモン達はまだ「個人」を見分ける記号を有していない。

    それ故か「所有」と「財産」の概念がまだ十分に発達していなかったのだ。


    発達した文明では「窃盗」に該当するその行為へのハードルが、この集落では比較的低く、それに対する罰の概念もまたユルいのである。

    そもそもネーモン達自身すら「窃盗」の概念をまだよくわかっていないのだ。


    十分に確証を得たわけではないが、おおよそ「腹が減ったから盗る」くらいの気持ちで行っており、それが悪いことだとまだ知らない。そんな温度感であることがファイラモンには読み取れた

  • 144砂漠集落25/12/05(金) 15:58:47

    >>141

    一番の大物であるサンドヤンマモンは強敵であった。

    メガログラウモンのビーム兵器が失われた現在、追い払うことはできても仕留めることは難しかった。

    恐ろしい動体視力とスピード、回避力と逃げ足を持つのである。

    近接攻撃はおろか、飛び道具もなかなか命中しない。

    トゲモンは大量の針を飛ばすが、それもバレルロールで回避される。


    「近接攻撃」「飛び道具」…そのどちらでもない第三の選択肢ならば、サンドヤンマモンに不意の一撃をくらわせることができるかもしれない

  • 145二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 16:02:54

    >>144

    そこでランドラモンは砂に紛れながらサンドヤンマモンを待ち伏せる選択肢をした

    狩りで手に入れた肉を山盛りに積み上げて待ち伏せる

  • 146ファイラモン末弟25/12/05(金) 16:04:48

    >>143

    (ファイラモンは本気で頭をかきむしった)

    (まず自分達の育ったところでは盗もうものならヴァジラモンの鉄拳制裁が飛んできたのだ)

    (それだ!ファイラモンは閃いた)

    (看板を立てても読めない…ならば盗んだネーモンに致命傷を与えない程度の”罰“という概念を思いついた)

    (盗むのはいけないことと直接教えても伝わらない ならば盗むことに目に見える罰を与えることを思いついた)

    (幸い罰に使えそうなものはいっぱいあった 特にトゲモンのトゲなどはいっぱいあった)

    (そしてネーモンが盗みを働いたらトゲモンのトゲを腕に刺すことにした)

    (ちょっと過激かもしれない…一応抗議されたらやめようと思うことにした)

  • 147獣人の国25/12/05(金) 16:06:25

    >>133

    唐突な入植者は獣人の里…もとい国に大いに仕事を増やしてくれた

    住居の増築、住民証明書の発行、まずその意味を伝えるための言語教育、挙げ句に放牧中の家畜を狩ろうとしたり……とにかく増やしてくれた


    「ガオオオオオ!!!」


    そんな彼らを御したのは同族のガオガオである。

    「よい暮らしがしたくば掟に従え」と叱責した


    元々彼らは言語こそ身につけていないが、高い社会性と「鳴き声で聞き分け伝達する」生存戦略を持っていた。

    故に、牛歩とはいえ世代交代を待たずに、彼らは獣人の国へと適合していった

  • 148獣人の国25/12/05(金) 16:18:55

    >>147

    「なあ、ガルガルよぉ。お前結構偉かったのな」

    「ガル、マエノオサ」


    「……そんで、結構な年寄りだったのな」

    「ガル、イチバントシヨリ」


    ガルガルは寿命を迎えようとしていたのだ。

    彼が同族を連れ帰ったのにはもうひとつ理由があった。己の命が尽きる前に、この楽園に同族たちを連れて来てやりたかったのだ


    「ガル、ブルブル、…楽しかった」

    「……ああ、オレも、だ」

    「ガル、カジカジ……ありがとう」

    「おお……俺っちもさ」


    「さらば……ともよ……」


    その後、かじかじとぶるぶるは二人でガルガルの立派な墓を立てた

    彼の墓には、彼に送った剣が飾られていた。


    「しっかり腰入れて振りな!!」

    「はい!親方!!」

    そして、かじかじはガルガルの残して行った子、スパーダモンを弟子として引き取り鍛えた

    ぶるぶるは彼の同族たちに言語を教える職に着いた

  • 149獣人キャラバン25/12/05(金) 16:51:29

    早速の想定外にあった獣人たちのキャラバンは、一時引き返し、かつてトロピアモンが支配していた東の熱帯雨林へと進んでいた

    生前のガルガルに聞いたところ、広大なサバンナにはレオモン族以外の知的デジモンは見たことはなく、また獰猛なタスクモンとの縄張り争いを繰り返していたとのことだ 
    協力予定であった現地民がまるごと入植した以上、拠点を築いてもメリットは少ない。

    そこにあるという植物デジモンの果樹園の栽培技術と種を目的に、湿度高い密林へ入ろうとしていた

  • 150二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 17:30:36

    このレスは削除されています

  • 151獣人の国25/12/05(金) 17:39:41

    「うう~~ん、これは……」
    「由々しき事態ですな」

    メイクラックモンと文官を勤めるセピックモンが頭を抱えるのは「労働者のサボり」問題である

    今まで獣人集落では労働とは狩猟と採取であり生きるために不可欠なものだった
    ところが大農場が安定した収穫を維持出来るようになり、さらに牧畜も盛んになることで、わざわざ危険な狩猟に出かける必要はなくなる
    猿人族やそれと共にあったカメ族は勤勉な種だ。国家維持のために必要な労働はきっちりとこなす性分である

    しかし、途中から加わった元蛮族の奴隷として連れてこられたスターモン族や、新たに入植したガオモン族の若者の中には、労働しなくても食い物にありつける現状に満足し、なにもせずただ食っちゃねを繰り返すものが出てきたのだ。
    無論、そのような者は他の勤勉な者たちへのやっかみを買う。実際喧嘩も起こった
    働かないものへ無理やり働かせたり、食糧を配給するのを控えようなどという考えも上がったが、メイクラックモンは悩ましかった

  • 152二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 17:48:20

    このレスは削除されています

  • 153二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 17:53:55

    このレスは削除されています

  • 154二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 17:56:00

    このレスは削除されています

  • 155二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 17:58:55

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  • 156二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 17:58:57

    このレスは削除されています

  • 157二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 18:02:12

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  • 158二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 18:28:22

    このレスは削除されています

  • 159二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 18:37:18

    【とある島の火山が爆発し、広範囲に火山灰が降り注ぐ】

  • 160二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 18:38:38

    >>159

    【それによって死の海とも呼べる海域が発生し、その海域に含まれる島や海はアンデッド系の楽園となる】

  • 161二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 18:42:38

    >>160

    【いわゆるスカル系デジモンの誕生である】

  • 162砂漠集落25/12/05(金) 20:07:57

    >>146

    ファイラモンは千里眼を持っているわけではない。常に集落のすべてを神の視点から俯瞰できるわけではない。

    そのため、集落をパトロールして、自分自身の視点から窃盗を見張ることになる。


    食糧を持ちだすという行為が、「もともとその食糧の持ち主が、自分の食料を持ちだしただけなのか」、「窃盗」なのか、「許可を得て(言語も無いのにどうやって?)もらったのか」、判別するのは困難を極めた。


    ファイラモン自身が窃盗の現場を目撃することはできなかった。


    しかしながら、「ファイラモンが鋭い目つきで集落を見回る」という行為そのものに、一定の防犯効果があったようだ。

    この集落では「窃盗被害に遭ったネーモンが、他のネーモンから窃盗をする」という悪循環が繰り返されつつあったが…

    それが起こることが少なくなった。(と感じ取れるのは、各ネーモンの主観によるものであるが)


    ファイラモン自身には、自分のパトロールの効果が出たのかどうか知る術はないが…

    もしもこの集落全体を「神の視点」から眺めることができる存在があったならば、明確にその防犯効果をみてとれるだろう。

    今現在、そのようなデジモンは存在しないが…

  • 163砂漠集落25/12/05(金) 20:23:16

    >>145

    サンドヤンマモンにわなを仕掛けるために、野生デジモンの肉を得ることにした乱ドラモン。

    そもそも、集落付近の砂漠にはどのような野生デジモンが住んでいるのだろうか?


    よく見かける成長期は、偶蹄類型成長期のバクモン、ターキモン。

    そしてそれらの親とみられる、首が長い哺乳類型デジモンのバルキモンである。


    バルキモンの主食は背の高い木だ。それを長い首で噛み千切って食べたり、成長期デジモンへ与えたりする。

    また、砂漠にいる個体群のバルキモンの背中には厚い皮下脂肪があり、水分の貯蔵や強い日差しの熱からの体の保護に役立っている。

    砂漠個体群バルキモンは、一度に100リットルもの水を飲みこみ、蓄えることができるのである。

    バルキモンの最大の武器はその巨体。大きなものでは4メートルに達する個体も存在し、その蹴りの威力は絶大である。


    ようはキリンとラクダという、砂漠の二大偶蹄類のいいとこどりの生態なのである。

    バクモンやターキモンもまた、水分の貯蔵をしやすい体になっているようだ。


    他に確認されるデジモンは、糞虫タイプのテントモンやコカブテリモン。

    そして肉食タイプの襲撃者サンドヤンマモンと、その子である水棲昆虫型テントモンである。


    水棲昆虫型テントモンは厄介な存在だ。水中に潜み、水を飲みに来たデジモンを電撃で痺れさせ、溺れさせる。

    そして窒息したデジモンを水中に引き込んで捕食するのである。


    ネーモンよりも先に砂漠に適応していた種ということもあり、野生デジモン達は一筋縄ではいかない強敵ぞろいだ。

  • 164ファイラモン末弟25/12/05(金) 20:48:28

    >>162

    (末弟は窃盗の被害が減ったことに喜んだ)

    (それはそれとして巡回は無論続けるのであった)

  • 165ランドラモン25/12/05(金) 20:49:54

    >>163

    ランドラモンはターキモンへと狙いを定める

    逸れた個体が出現するまで待ち、逸れた個体の後を追い、隙ができれば流砂を巻き起こして飲み込むという方法を取ろうとしている



    バルキモンやテントモンは相性が悪すぎるからだ

    しかし程よい大きさのターキモンは丁度いいと言える

  • 166寒冷地竜人集落25/12/05(金) 21:35:44

    【マンモン狩りをしている】

  • 167砂漠集落25/12/05(金) 22:27:09

    ネーモンが川で水を飲んでいると、川底に何かキラキラ光るものを発見した。
    それは金色に光る粒だった。

    「ネ~!」

    ネーモンはその綺麗な粒を掌いっぱいに集めて持ち帰り、テントの中に飾った。
    その輝きはネーモンの心にどこか幸せな気分を齎した。
    「綺麗だ」という美的感覚は、まだこの集落に言語として存在していない。

    …この粒が「砂金」といい、極めて有用性の高い素材であることを、まだ誰も知らない

  • 168獣人キャラバン25/12/05(金) 22:39:05

    「カメカメ様~~、本当に大丈夫なんですか~~!?」
    「心配性だのうぱくぱくよ」
    料理番として同行しているバーガモンの泣き言にカメカメはため息をついた

    「なあに、いざとなればワシが出る。年の功を信じよ」
    そうして、一向は熱帯雨林の果樹園を目指して進んで行った
    「狂暴なムシデジモンが来たらどうしよう…」
    「その時はどっちかが晩飯になるだけよ。あれもなかなか上手いぞ?」
    「そういうことじゃあなく!?」

  • 169アスタモン25/12/05(金) 22:41:06

    >>168

    まあそうなったら俺を頼りな

    (付いてきたアスタモンがガハハと笑う)

  • 170獣人キャラバン25/12/05(金) 22:56:29

    >>169

    「ほれ、こっちには完全体が二人おるのだ。おぬしは自分の仕事に注力せい」

    「……はい」


    因みに、今回のキャラバンのメンバーは

    リーダーカメカメ(シャウジンモン)

    用心棒アスタモン

    料理番ぱくぱく(バーガモン)

    記録係セピックモン

    火番、鍛冶整備師メラメラ(メラモン)

    ユニモン(羽なし)荷馬車×2

    ヤンマモン飛行士(非常勤)ゴツモン

    その他作業員コエモン複数といった具合である

  • 171砂漠集落25/12/05(金) 23:06:30

    砂漠集落では、モロコシの栽培が行われている。
    砂漠に流れる大河は、上流で非常に肥沃な養分が流れ込んでいるため、農業用水として非常に有用である。
    そのため、作物はグングン育った。

    モロコシを収穫した際に、副産物として収穫される「藁」。
    これが非常に有用な素材であった。

    藁を潰して薄く練り固めたモノは、イネ科特有の繊維質な材質のお陰で、ある程度の丈夫さを持っていた。
    テントの素材などに使われたという。

    …文字を持たない彼らはまだ、「紙」としての用途を見いだせていない。

  • 172獣人の国25/12/05(金) 23:15:06

    >>151

    二人はうんうんと、毎日毎日頭を悩ませている

    頭脳労働とはかくも難しいのかとメイクラックモンは冷や汗が垂れる


    「閃いたーー!!」

    「ええ!?」

    するとある日、文官セピックモンが叫んだかと思えば、完全体マクラモンへと進化を遂げたのだ


    それからの行動は早かった

    まずマクラモンはデジタマの産まれたあとの殻を集めさせた

    通常なら砕いて肥料にしているそれに、これまたかじかじの工房で作らせた焼き印を押した


    それから、獣人の国では労働を終えるとこの焼き印付の欠片が渡されるようになった。

    住民は始めなんの意味があるのか混乱したが、マクラモンは説明する


    「これからは食糧はこのカケラと交換するものとする。そうすれば誰がどれだけ働いたかがわかるし、働いた者はそれだけ多くの食糧を得られるということだ」


    これには多くの住民が成る程と歓迎した

    怠け者はなにもしなければ飢えるのみであり、働き者はそれだけ報われるということだ

    デジタマは城の孵化室で管理されており、また焼き印も城内で管理することで偽造は出来ない


    こうして、獣人の国では「貨幣」の先駆けが出来た

  • 173獣人の国25/12/06(土) 08:55:37

    獣人の国に面する森の奥深く、かつてドクネモンだった猛毒フライモンは、他の昆虫デジモンを積極的に襲っていた
    その毒針は一かすりで成熟期すら昏倒させ、動けなくなった者は巣へと持帰り貯蔵していった。  
    それまで頭角を表していた昆虫成熟期たちは、まさかの同族によって食い荒らされていったのだ

  • 174獣人キャラバン25/12/06(土) 09:23:05

    一行はひとまず熱帯雨林の外れにベースキャンプを築くことにした。
    簡易的なテントを張り、ヤンマモン便の目印となるように、アンティラモンを模したうさ耳の旗が立てられている。

    「さて、アンティラモン様よりもたらされた情報によれば、そろそろ件の昆虫デジモンのテリトリーに入るころかの?」
    なめした木の皮に書きうつされた情報を眺めながら、カメカメたちは夕飯に近くを闊歩していたカブテリモンをさらっと仕留め、茹でた身をすすっていた。(カニをご想像下さい)

    「出会って早々に襲われちゃったらどうします~~」
    「そうなればまぁ~蹴散らして最悪実と種だけもらってトンズラじゃよ。あと、なにか優秀そうな種がいれば現地協力者に出来ると理想じゃが……まぁ飯食わすかどつき回せばイケるじゃろ?」

    「………カメカメ様、なんかここ入ってからテンション上がってません?」
    「ここ、湿気多くてわし調子いいのよ」

    こうして一行は果樹園のある地域へと足を踏み入れた

  • 175ドラクモン25/12/06(土) 11:03:05

    霧立ち込める洞窟城では、クラモンとのジョグレス進化によって無理やり知能と能力を強化された配下たちによる改築作業が進められていた

    「オウサマ、ホンジツノオショクジ、コーンスープ」〈コーンッ〉 

    「……ねえウェンディモンくんさ、まさかその、その辺の草を煮込んだだけのスープを、スプーンで〈コーン〉と叩いて「コーンスープ」!…なんて言い張るつもりじゃないよね?」

    「……デヘ」


    「………うわあああああああああああん!!!もう嫌だああああああああ!!!美味しいごはんが食べたいよおおおおおおおおお!!!ソースたっぷりのステーキ!!トロトロオムレツ!シャキシャキ野菜のハム巻き!ピリ辛ソーセージが食べたいよおおおおおおお!!!甘いジュースが飲みたいよおおおおおおおおおお!!わあああああああ!!!」

    「駄々をこねないでください王よ、そもそもあなたがあのようなちょっかいをかけなければ、城の警備がさらに幻獣になることもなかったのですぞ?」
    「だってあの時はあれが面白いと思ったんだもん!!うわああああああああああああああああああああああああ美味しいごはんが食べたいいいいいいいいいい!!!」

    「……はあ、やれやれ」
    側近ガサモンの苦労は続く


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ところ変わって、獣人の国に森の奥から見慣れないデジモンが現れた

    「オデ、シゴト、ホシイ」

    比較的見た目が近いということで、洞窟城のウエンディモンが一体、獣人の国へ潜入(というなの出稼ぎ)に送り込まれたのであった

  • 176二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 12:58:59

    このレスは削除されています

  • 177砂漠集落25/12/06(土) 13:04:44

    (メタ:遅れてすみません、ターキモン狙うとこでちょっとイベント挟んでいいですか)

  • 178ランドラモン25/12/06(土) 13:09:59

    >>177

    【メタ:良いですよ】

  • 179砂漠集落25/12/06(土) 13:15:46

    ランドラモンはターキモンかバクモンがバルキモンからはぐれる瞬間を待った。
    だが待てども待てどもそのチャンスは来ない。片時もはなれない。

    原因はすぐに分かった。サンドヤンマモン2体がバルキモンに襲い掛かった。
    バルキモンは砂漠個体群特有の長い脚の間に子を隠し、サンドヤンマモンを迎撃しようとする。
    だがサンドヤンマモンはヒットアンドアウェイを繰り返し、状況は膠着していた。

    ターキモンを狙うこともできるが、バレたら思い切り踏み潰されかねない。
    だが本来の目的を思い出すならば、今は絶好のチャンスだと気づけるかもしれない。

  • 180二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 13:25:00

    >>173

    例えば、ふぐ毒というものはふぐ自身が精製したものではない。

    フグが毒を持つのは、餌としてテトロドトキシンをつくる海洋細菌を食べている巻貝やヒトデ類を好んで食べていることによって体内に毒が蓄積するためだ。無毒な餌のみを与えて飼育することで無毒化を試みた際には、ふぐは全て衰弱死してしまったという。自身の生存戦略のために必要な物質を本能的に求めているのだ。


    この猛毒フライモンも恐らくそれに基づいて餌を集めていた。捕らえた餌は同族フライモンやゴキモン。共に毒素を生成し、蓄積する性質を持っていた

    猛毒フライモンは巣に集めたそれらを貪った。腹が倍にまで膨れ上がるほど、並のゴキモンすら中毒死するほどの有害物質を体内にため込んだ


    そして、その全てを平らげた時、そこには新たなデジモンが産まれていた

    空を飛ぶための羽は失われたが、代わりに体を覆う外骨格と強靭なハサミ、そして蛇腹状の関節に覆われた毒針からはそれまでと段違いの猛毒がにじみ出してる


    「ギシャアアアアア!!!」


    完全体 スコピオモンの出現だった

  • 181ランドラモン25/12/06(土) 13:36:24

    >>179

    ええい、狙いづらいと憤るランドラモンだがすぐに本来の目的を思い出す

    そうだサンドヤンマモンさえ倒せばターキモンも必要ない


    ランドラモンは砂を思いっきり吐いてサンドカッターのようにしてサンドヤンマモンへと奇襲を仕掛けた

  • 182砂漠集落25/12/06(土) 13:53:35

    >>181

    サンドヤンマモンは、バルキモンとその子しか眼中になかった。

    ゆえにランドラモンの不意打ちに気付かなかった。


    サンドヤンマモンの硬い胸部甲殻に亀裂が入る。

    驚いたサンドヤンマモンは、地面に落ちた。


    バルキモンはその隙を逃さなかった。

    剛脚によってサンドヤンマモンの胸部を踏み潰した。

    裂けた甲殻がひび割れ、体液が吹き出た。


    もう一体のサンドヤンマモンは、突然の出来事に驚いた。

    飛んで逃げようとするサンドヤンマモン。


    バルキモンは、鋭い頭突きをサンドヤンマモンの腹にぶつけた。

    サンドヤンマモンは衝撃で吹き飛んだ。だが逃走を開始していたせいか、ダメージは致命傷に至らない。


    バルキモンとターキモン、バクモンは去っていった。

    その場にはサンドヤンマモン一体の死骸が残された。

    バルキモンは完全草食。肉を食うと体内で過剰にメタンガスが発生しダメージを受けるので食わないのだ。

  • 183ランドラモン25/12/06(土) 13:57:08

    >>182

    ランドラモンはサンドヤンマモンの死骸を甲殻以外を食べて持ち帰ることにした

    そして良く分かる場所に掲げて見せることにする

    所謂案山子である

  • 184パタモン25/12/06(土) 13:59:18

    山岳地帯の洞窟の入り口でパタモンはアンティラモンを待っていた
    アンティラモンは時折隠れて何かをしている。パタモンにはそれが何か分からない。徹底的に秘匿されている
    この時パタモンは必ず入り口で待機するように言いつけられていた。何かあった場合、大声を出すか、もしくは洞窟の中に駆け込むこと、とも
    パタモンはいつもアンティラモンの言いつけを素直に守っていたが、今回は特に強く意識していた。勝手にはぐれたことで起こったドラクモンの一件が色濃く残っていた

    「おかあさま……まだかな……」

    ややあって、荒い鼻息を聞き取り顔を上げた
    文字通り燃え盛る巨体を持つ、人間の世界で言うイノシシに似たデジモン……ボアモンがこちらを見ていた

    各所に文明ができつつあるこの世界だが、発展に適合できず、文明を作ることもできずに原始的……もとい、野性的な暮らしをし続ける種も当然いた
    このボアモンもその一体
    ボアモンからすれば、弱くて柔らかい肉がのこのこ歩いている……といったところか

    「ブモオオオオオオ!!」

    咆哮と共に凄まじい勢いで突進するボアモン

    「ひゃああああ!」

    パタモンは咄嗟に横に跳んだ
    ボアモンはそのまま突撃する──一説によると、ボアモンには『曲がる』というプログラムが組み込まれていないという
    ボアモンはそのまま洞窟付近の壁に衝突。避けたパタモンは無事……とはいかなかった

    「あつっ!あつい!あついぃ!」

    燃え盛るボアモンの炎の熱気が、火の粉がパタモンに襲い掛かる
    必死にのたうって体毛を焦がす火の粉を消す

  • 185パタモン25/12/06(土) 14:00:18

    「うう……あ……!お、おかあさま!!」

    加えて、突進の衝撃で洞窟の入り口が崩れて塞がってしまった
    パタモンは顔を青褪めさせた
    母と慕うアンティラモンは洞窟の中に閉じ込められ、ボアモンは炎の鼻息を洩らしながらパタモンを睨んでいる

    「ブモッ……ブモオオオオオオオ!」

    ボアモンが再び突進し、パタモンはまた横方向に逃げた
    突進を避けられても、高熱がパタモンの体力を奪い、火の粉が体を焦がしていく
    何よりも、自身より明らかに強大な存在が明確な"殺意"を持ち向かってくるのが恐ろしくて仕方がない

    突進。横方向に逃げる。衝突の度に轟音。岩肌に放射状の大きなひびが入る
    あんなのぶつかったらひとたまりもない。パタモンの柔らかな体は即座にぺしゃんこだ。或いは、鋭い牙で貫かれるのが先かもしれない

    どうしたらいいのかと必死に頭を巡らせる
    走って逃げる?すぐ追いつかれるだけだ
    飛んで逃げる?遅すぎて話にならない
    ……なら、立ち向かう?

    脳裏を過ったのはあの祝賀会での出来事
    見たことのないデジモンを蹴散らすアンティラモン、メイクラックモン、竜人の王や里のデジモン達──そして、輝く盾を展開するぱたぱた
    あの時のパタモンは何もできなかった

    目の前の相手を見据える
    強くなると約束したのだアンティラモンに、そして友達となったぱたぱたに
    まずは生き延びなければならない
    生きたい──そして強くなりたい
    アンティラモンの庇護を受けてのんびりと生きてきたパタモンは、初めて心から生きたいと願った

  • 186パタモン25/12/06(土) 14:01:19

    『エアショット!』

    パタモンの体が風船のように丸く膨らみ、圧縮された空気弾を打ち出す
    だが、空気弾はボアモンの体にぶつかって霧散した
    ボアモンは大して気にも留めていない

    『エアショット!エアショット!』

    ボアモンは大きく息を吸い込み……

    次の瞬間

    「──パタモン!!」

    崩れていた洞窟の入り口が蹴り壊されるのと
    ボアモンの炎の鼻息──『ノーズブラスター』が放たれたのはほぼ同時だった
    激しい炎が燃え盛り、パタモンがいた一帯を飲み込む
    あっけなく炎に呑まれたかに思えたその時
    アンティラモンは、ひとつの影が跳躍するのを見た

    ボアモンの背後に着地したそのデジモン
    黄金色の鬣と尻尾を靡かせるその姿。人間の世界の生き物で言うなら"馬"が近いだろう
    しかしてその背中には、尻尾や鬣と同じ黄金の翼がはためいている

    「ペガスモン……」

    アンティラモンはそのデジモンをよく知っていた
    かつて自身がいたデジタルワールド。三大天使の神殿に仕えていたデジモン達の一体だ

  • 187獣人の国25/12/06(土) 14:02:23

    代々カメ族が守る滝つぼの水源
    その水源へと向かうための道のりは固く阻まれている

    モリシャルモン、カメ族の一部が進化した彼らの放つ幻惑作用のある霧『マインドフォッグ』が立ち込めているのだ
    入り込んだ外敵は霧の中を延々とさまようことになり、もし警備員たる彼らに見つかれば強靭な甲殻による体当たり『パイルシェル』によって粉砕されるだろう。

    その日、入口近くに陣取るモリシェルモンの一体が大型昆虫デジモンと遭遇した
    のそりと、まどろんでいたモリシェルモンは幻惑の霧を放つ。大抵の敵はこれで混乱し勝手にどこかへ迷い込み、なおも向かってくるなら晩飯になるだけだ、モリシェルモンの若者はそう考えていた

  • 188パタモン25/12/06(土) 14:02:24

    「ブモオオオオオオオオオオ!!」

    完全に仕留めたと確信した獲物がいなくなったことに憤っているのか、新たな獲物の登場に昂ぶっているのか定かではないが、ボアモンが吠える
    凄まじい勢いの突進にもペガスモンは動じない

    『シルバーブレイズ!』

    額から放たれた光線がボアモンの片目を灼いた

    「ブモオオオオオオオオオオオオオ!!?」

    激しい痛みと片目の視力の喪失に動揺し、バランスを崩すボアモン
    味がもつれ、躓き、加速が乗っていた燃え盛る巨体が転がって地面を滑る
    ペガスモンはそれを軽やかなステップで飛び越え、回避した。まとった金色の防具が火の粉から体を守っている。ボアモンの体は勢いのまま、背中から岩肌に衝突する

    「ブふぉー……ブモッ……ブモオォォォ……!」

    ボアモンは無事だった片目に強い憤怒を浮かべながら立ち上がる。幸いにも脚は折れなかったらしい

  • 189パタモン25/12/06(土) 14:03:25

    「ブモオオオオオオオ!!ブモオオオオオオオオオオ!!」

    咆哮。そして、疾走
    悠々と佇むその姿が気に食わないとばかりに突撃する
    ペガスモンは動かない
    回避行動を取ろうとしないその違和感に、頭に血が上ったボアモンが気づくことはない
    ボアモンがすぐそこまで迫った時、ペガスモンは背中の翼をはためかせた
    逞しくしなやかな四本脚で高く跳躍し……そのまま宙に留まっている
    止まらないボアモンの眼前に迫ったのは急勾配となった山の斜面であった

    通常のボアモンであれば、この程度の斜面の上り下りはどうということはない
    しかし今は片目を潰され平時の平衡感覚が失われ、突進を試みていた為に加速がトップスピードに乗りかけている状態だ

    「ブッ……ブモオオオオオオオオオオオ!!?」

    ブレーキをかける間もなく飛び出したボアモンは、そのまま勢いよく山の斜面を転げ落ちていった
    ややあって、重々しい音が下から聞こえてきた

    ペガスモンは翼をはためかせ、アンティラモンの元へ降り立つと恭しく頭を下げた

    「ご心配をおかけして申し訳ありません、母上。僕はこの通り大丈夫です」

    ……パタモンの時と随分キャラが変わっていた

  • 190獣人の国25/12/06(土) 14:07:42

    「ぎじゃあああああ!!!」

    しかし、敵もまた霧を吹き出し応戦してきた。猛毒の霧、『ブラックアウト』だ


    「うじゃあああああ!!?」

    予想だにしていない反撃、モリシェルモンは顔面を襲う焼けただれる激痛に悶え苦しんだ

    こいつはただの外敵じゃない!なんとしてでも排除せねば!?

    モリシェルモンはつぶれた目に構わず『パイルシェル』によってその外敵、スコピオモンに突進した


    〈ギャリギャリギャリ!!〉と硬い甲殻同士が削り合う音が濃霧立ち込める森に響く

    そして、スコピオモンはその二本のハサミで受け止めきり、その毒針を殻にこもるモリシェルモン本体に突き刺した


    「がっ…ッッッ!」

    ああ、これはだめだ。オレはもう助からない。若きモリシェルモンは悟った


    「うっ…じゃああ!!」

    そして、この脅威を何としてでも仲間に伝えねばならない。

    モリシェルモンは最後の力を振り絞り、頭の噴気孔から水柱を勢いよく空へ吹き上げた




    「ぐぎゃああああああ!!」

    モリシェルモンを毒殺したスコピオモンは勝利の雄たけびを上げる。そして、水場への道を閉ざす霧が薄まったことに笑みを浮かべ、その死体を巣へと引きずって行った



    「………」

    その戦いをじっと見つめていたものがいたことを、二体は知る由もなかった


    次スレです

    ここだけ新デジタルワールド研究報告会6冊目|あにまん掲示板データ生命体、デジモンたちの暮らす世界、デジタルワールド余多の人間世界に並行し無数に存在するその中に、この度新たに観測されたその世界は酷く原始的な構造をしていたこの世界にデジモンたちは産まれたばかりで…bbs.animanch.com
  • 191アンティラモン25/12/06(土) 14:39:02

    「ペガスモン……それが今の僕の名前なのですね」

    どうやらペガスモンはデジモンの形態による名前の変化を把握している

    「驚くことでしょうか。僕は覚えています。僕がもっと小さな姿だった時、あなたは僕をトコモンと呼びました。それから少し成長したらパタモンと。そして今、母上は僕をペガスモンと呼びました。姿によって名前が変わるものだと、推測はできると思いますが」

    パタモンの時よりも知能が大幅に上がっている
    聖獣型であるペガスモンに進化した影響か……或いはあの結晶の影響によるものか

    「母上がご無事でよかった。用事はもう済んだのですか?」
    「え……ええ」
    「分かりました。では、旅を続けましょう」

    落ち着いた声色に優雅な立ち姿。これがあの幼いパタモンだったとは……

    「この脚なら以前よりもずっと速く歩くことができます。この翼なら以前よりもずっと速く飛ぶことができます。もう、僕に歩調を合わせなくても大丈夫。必ず追いつきます」
    「……!」

    アンティラモンは目を見張り……微笑んだ
    メイクラックモンもそうだが……子供とは、知らない間に多くを考え成長していくものなのか

    「……そんなことを言っていいのですか?全力で走る私に追いつけますか?」
    「そこは手加減していただけると……」

    少し迷ったが、アンティラモンのすることは変わらない
    何があっても彼らがこの世界で逞しく生きていくように、アンティラモンも与えられた任務を続けるだけだ

  • 192獣人の国25/12/06(土) 14:47:14

    >>190

    突如、空へ上がって緊急事態を知らせる水柱、そして血を分けたが故の直感

    「兄弟がやられた」モリシェルモンたちは悟った


    そして、それを伝達するためにも皆が水柱を空へ放ち、危険信号は瞬く間にカメ族全体へと伝わった


    そして伝達係たるカメモンが水路を泳ぎ城へ直行し、その脅威は獣人城へと伝達され、急ぎ森の捜索隊が派遣されることになった

  • 193洞窟城25/12/06(土) 15:04:36

    >>191

    その様子を、草陰から一匹のクラモンがジッと見ていた


    「ええ~~~~!!?パタモンきゅん進化しちゃったの~~!?ずっけ~~!?てかなにあれカッケーーーーー!?いーないーな~~~!?」


    獣デジモンの皮が敷かれ、多少マシになった石の玉座でドラクモンは足をばたつかせている


    「ね~ね~ガサモン~~ボクちゃんも進化したいんですけど~~~!?アホども二三匹殺っちゃったらできない!?」

    「できないでしょうな、進化とはすなわち環境に適応し困難を乗り越えるためにデジモンが起こす変化です。命令で棒立ちになったサンドバッグをいくら壊したとて変わり有りますまい」

    「ちぇ~~~」


    ドラクモンはつまらなそうにまた玉座へと腰かける


    「は~あ、これならほんとにあの時連れてきちゃえなよかったな~~~早くまた遊びたいぜ、パタモン・ぺガスモンきゅん♪」

    「では、本日も魔術の勉強と特訓でしっかり身に着けていただきませんとな」

    「んも~~~!!!ガサモンちゃんカッタいなぁ~~~!!もしかして妬いてる~~?」

    「勘弁してください」

    「ガチ否定すんなよ?」(ガ~~ン!?)

  • 194ファイラモン長兄と次男25/12/06(土) 15:12:14

    (ファイラモン長兄と次男は悩んでいた)
    (ムンモンから進化したルナモン2体
    ヒヤリモンから進化したユキアグモン3体
    ニャロモンから進化したプロットモン2体
    計7体と旅をすることになってしまったからである)
    (成長期は幼年期より必要エネルギーが多い
    そのため今狩っているモジャモン1体では餌が足りないのだ)
    (そのため寒冷地竜人集落に寄ることにしたのだ)
    (寒冷地で多少は引き取ってもらうことを期待したためである)

  • 195獣人の国25/12/06(土) 15:28:46

    「ウゴウゴ~~、今日はもう終わりだぜ~~」
    「ウゴ、ワガッタ」

    洞窟城から密偵(出稼ぎ)として獣人の国に向かわされたウェンディモンは、現在ブルモン牧場でブルモンの世話をする仕事に着いていた

    「お疲れ様、今日はよく働いてたからちょっと多めにしといたぞ!」
    「ウゴっ!アリガド!」

    突如森から現れたら言葉を話す成熟期に、最初獣人たちは蛮族の生き残りかと警戒した。
    しかし、仕事が欲しいと言っているものを追い返すのはどうなのだろうとメイクラックモンは少し悩んだ。父と同じ姿をしていたのも要因だろう

    ではと、カキカキ(マクラモン)は彼をいつでも鎮圧出来る監視付きで雇い、しばらく様子を見ることにした。
    実際、ウェンディモンはその腕力で暴れもののブルモンやモノクロモンを押さえつけたり、重い干し草の塊を運んだりととても役にたっていた。
    今ではウゴウゴと名付けられ、国の生活を満喫していた

    「ウゴっキョウ、ナニ、タベヨウカナ♪」
    尚、当の本人も仕送りの事などすっかり忘れてしまっていたのだった

  • 196セイバーハックモン25/12/06(土) 15:56:19

    >>194

    今度はなんのようだ

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