- 1ポチェモブ25/12/05(金) 22:45:24
【キー坊の捜査録】
「クリス先生の遺志、無駄にはせん。ベイビーちゃんが解析してくれたデータで『GENMA』の恐ろしさがよう分かった。
この薬は人を狂わせるだけやない、身体能力を限界まで引き出し、最後には破壊する。
犯人はこの薬を使って、超人的な身体能力を得とる可能性がある。
そしてゲイツ君が残した『フタゴ』……。
実行犯と黒幕。この二人が巧みに連携して、ワシらの目を欺いとるんや。
せやけど、どんな完璧なトリックにも綻びはある。
……見つけたで、この村最大のタブー。『禁足地』の扉をこじ開ける時が来た!」
我が名は前スレ
"バトロワ"をやります外伝 西の名探偵キー坊の事件簿 ソンオウカエリテバキバキル|あにまん掲示板プロローグ:「西の名探偵」と呼ばれる探偵のキー坊は休暇を取り、妻である和香ちゃんと共に山間部の温泉宿がある「茶別村(チャベスむら)」にやって来た。しかしそこでは村の出身で巨大財閥を率いる一族である高潔…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 22:51:37
おおっ
- 3ポチェモブ25/12/05(金) 22:52:49
7ターン目 第1フェーズ:調査
イベント1:茶別山・禁足地内部 【重要証拠】
登場人物:高潔剣雲、ジャイアント・ベイビー、キー坊
クリスの死を受け、剣雲がついに道を譲った。
「……通られよ。私が守っていたのは、一族の誇りではなく、ただの腐敗だったのかもしれん」
彼の案内で鉄柵の奥へ踏み入ると、そこには異様な光景が広がっていた。
見渡す限りの幻魔草畑。そして、その奥に建つ巨大なプレハブ小屋。
内部は最新鋭の設備が整った**「麻薬精製工場」**だった。
「んなぁ〜、こりゃすげぇ。村の半分が共犯って噂、マジだね。この規模、数人じゃ回せないよ」
ベイビーが端末をハッキングし、出荷履歴を表示する。
「見てよ、これ。刃五郎の指示で、村人が交代で作業してた記録だ。……あれ? でも最近のログ、刃五郎じゃない『誰か』のIDで承認されてるぞ?」
刃五郎亡き後も、工場は稼働し続けていたのだ。
(究明度3%UP)
- 4ポチェモブ25/12/05(金) 22:55:27
- 5ポチェモブ25/12/05(金) 22:56:41
- 6ポチェモブ25/12/05(金) 22:59:22
- 7二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:00:41
あかんやん
死亡フラグになるで - 8ポチェモブ25/12/05(金) 23:01:28
- 9ポチェモブ25/12/05(金) 23:03:26
7ターン目 第2フェーズ:推理
キー坊と和香ちゃんによる推理。
ついに工場を見つけたが、犯人の特定には「壁」が立ちはだかる。
1. ベイビーの証言
「工場のログ、刃五郎以外のID。これが犯人のものだとしても、プロテクトがかかってて名前までは割れない。ただ、アクセス権限を持つのは『直系』の人間だけやしな」
2. プッチーの証言
「犯人は無線か何かで連携を取っている。実行犯が襲撃している間、もう一人は安全な場所にいてアリバイを作っている……。これじゃあ、いくら探しても『犯行時刻に一人はいた』ってなっちゃうよ」
3. 剣雲の態度
「剣雲さんは工場を守るのをやめた。つまり、犯人は剣雲さんが守ろうとした『一族の秘密』すらどうでもいいと思ってる破壊者や」
4. ミホークの示唆
「『友』……。ミホークが尊鷹を知っている世代だとしたら、犯人はその怨念を利用している若者なんか?」
- 10ポチェモブ25/12/05(金) 23:05:23
- 11二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:08:36
もどかしいのォ
ですねぇ
というかこのターンで終わらないとプッチーがヤバいような…!? - 12二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:09:50
このレスは削除されています
- 13二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:10:07
犠牲者が増え続ける一方でリラックスできませんね
早う解決せなこの謎は一生迷宮入りやで - 14二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:11:12
プッチーもだけど前スレで犯人に監視されていたディズィーもやばそうでリラックスできませんね
- 15ポチェモブ25/12/05(金) 23:11:16
7ターン目 第3フェーズ:事件発生
推理が行き詰まる中、犯人は容赦なく次の手を打った。
狙われたのは、禁足地への道を開き、一族の罪を認めた守護者。
高潔剣雲。
深夜、彼は屋敷の道場で一人、正座をしていた。
「……来るか」
彼は殺気を感じ取り、ゆっくりと目を開ける。
入り口には、ソンオウの面をつけた影。そして、その後ろにもう一つの影。
「二人がかりとはな。……光栄に思うべきか」
剣雲は槍を手に取る。
「一族の恥を雪(すす)ぐ。それが私の最後の務め!」
キィンッ!
激しい金属音が響く。剣雲の槍捌きは神速。
しかし、相手は『GENMA』で強化された身体能力と、二人の連携攻撃で剣雲を追い詰める。
一人が囮になり、もう一人が死角から攻撃する。
「ぐっ……!」
脇腹を切り裂かれ、剣雲の動きが鈍る。
「終わりだ、番犬」
無機質な声と共に、毒を塗った刃が剣雲の胸を貫いた。
「がはっ……! 尊鷹、さま……申し訳……ありませ……」
剣雲は槍を杖にして倒れることを拒み、立ったまま絶命した。
その姿は、最後まで武人であった。
- 16二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:11:18
まぁあまり気にしないで
トゥルーエンドなのは確定ですから
まぁ早く解決しないと無駄に犠牲者が増えるんやけどなブヘヘヘヘ - 17二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:13:45
あうっそこが殺られるのかあっ
- 18ポチェモブ25/12/05(金) 23:14:01
翌朝、道場で立ち往生した剣雲の遺体が発見された。
現場には、彼が最期の力を振り絞って槍の石突きで床に刻んだ傷が残っていた。
それは文字にはなっていなかったが、**「二つの点が線で結ばれた」**ような奇妙な図形だった。
『・―・』
「二人……繋がっている……?」
キー坊はその傷跡を見て、唇を噛み締めた。
結果:【無惨な遺体】(究明度3%アップ)
7ターン目終了
参加者リスト(現在生存9名)
* 【探偵】 キー坊(プレイヤー)
* 【探偵】 プッチー=ラヴミン
* 【探偵】 ジャイアント・ベイビー
* 【探偵】 シエスタ
* 【一族】 高潔アレクサンドリナ
* 【一族】 高潔チャルニー
* 【一族】 高潔ミホーク
* 【一族】 高潔ディズィー
* 【一族】 高潔才子
* 【一族】 高潔ユウ
死亡者・行方不明者リスト
* 高潔刃五郎(死亡)
* トップマン・ウォーキュリー聖(死亡)
* 高潔アーサー(死亡)
* ポゴスティックマン(行方不明)
* 高潔ゲイツ(死亡)
* 高潔クリス(死亡)
* 高潔剣雲(死亡:刺殺・毒殺。仁王立ちのまま絶命)
真相究明度:93%
(内訳:前回85% + 調査4% + 推理1% + 事件3% = 8% UP → 93%)
- 19二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:15:25
杉下右京とか古畑任三郎みたいな頭脳明晰な刑事がいないだけでここまでヒリつくロワになるってネタじゃなかったんですか
- 20ポチェモブ25/12/05(金) 23:16:09
- 21ポチェモブ25/12/05(金) 23:17:48
8ターン目(最終ターン) 第1フェーズ:調査
イベント1:禁足地・隠し部屋 【重要証拠】
登場人物:キー坊、和香ちゃん
工場の奥、瓦礫に埋もれた小さな隠し部屋。キー坊たちはそこで、朽ちかけた木箱を発見した。
中には、黄ばんだ手帳が一冊。表紙には『尊鷹』と記されている。
「……これは、尊鷹さんの日記…?」
和香ちゃんが震える声で読み上げる。
そこには、弟・刃五郎への恨みではなく、自分を陥れた弟さえも愛し、そして生まれてくる孫への愛が綴られていた。
そして最後のページ。震える筆跡でこう書かれていた。
『尊鷹還りて 椿 生きる』
(ソンオウ カエリテ ツバキ イキル)
「『バキバキル』やない……『椿(ツバキ)生きる』や!」
キー坊が叫ぶ。
「椿の花言葉は『誇り』。自分が死んでも、その誇りと愛は子孫の中で生き続ける……そういう意味やったんか」
和香ちゃんが涙を流す。「そんな……あんな呪いの言葉じゃなくて、愛の言葉だったなんて……」
(究明度3%UP)
- 22ポチェモブ25/12/05(金) 23:20:15
- 23ポチェモブ25/12/05(金) 23:22:13
- 24ポチェモブ25/12/05(金) 23:24:27
- 25ポチェモブ25/12/05(金) 23:26:24
- 26ポチェモブ25/12/05(金) 23:27:37
- 27ポチェモブ25/12/05(金) 23:30:11
8ターン目 第2フェーズ:推理
最後の推理パート。全ての謎が解き明かされる。
1. ダイイングメッセージの真実
「刃五郎の現場にあった『バキバキル』。あれは犯人が、尊鷹の手記『椿生きる』を読み間違えたか、あるいは狂気の中で歪めて解釈し、その通りに実行したんや。
『ソンオウが帰ってきたから、バキバキに折って殺す』……とな」
2. 動機と血脈
「犯人は、尊鷹の孫や。アレクサンドリナさんが逃がした子供の、そのまた子供。
そいつは自分のルーツを知り、祖父を陥れた刃五郎と一族を憎んだ。
そして、この村に潜り込み(あるいは連れ戻され)、復讐の機会を伺ってたんや」
3. 共犯者の存在
「一人じゃ無理や。この大規模な『GENMA』製造と、連続殺人。
実行犯である『孫』と、それを裏で操り、入れ知恵をした『協力者』がおる。
協力者の目的は金か、それとも破滅か……。
せやけど、もう逃げ場はないで!」
【推理結果】
「犯人(ホシ)は……あいつや!」
キー坊の脳裏に、ある人物の顔が鮮明に浮かび上がる。
全ての証言、証拠、アリバイの空白。
それら全てが、たった一つの真実を指し示していた。
「悲しい名推理やけど……これで終わりにしようや」
結果:【大成功】(究明度5%アップ)
- 28二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:32:59
つまり早とちりしたが故のの惨状なのか?
- 29二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:33:24
バキバキル...?
- 30ポチェモブ25/12/05(金) 23:34:11
- 31ポチェモブ25/12/05(金) 23:35:40
刃が振り下ろされる――その瞬間!
「させるかぁぁぁぁぁッ!!」
ガキィィィィン!!
金属音が響き渡る。
間に入ったのは、キー坊と和香ちゃんだった!
キー坊がフライパン(厨房から拝借)でナイフを受け止め、和香ちゃんがモップで影を薙ぎ払う!
「お前らの思い通りにはさせへんで! これ以上、誰も死なせへん!」
「そうよ! 罪を重ねて救われる魂なんてないんだから!」
「チッ……!」
二つの影は攻撃が防がれたことを悟ると、一瞬の隙をついて煙幕を張り、窓から逃走した。
「……探偵様……。なぜ、私のような者を……」
アレクサンドリナが崩れ落ちる。
「生きて罪を償うんや。それが、あんたの役目やろ」
キー坊は優しく、しかし力強く言った。
結果:【殺 害阻止】(究明度5%アップ)
(最後の犠牲者は出なかった。アレクサンドリナ生存!)
- 32二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:36:25
えっ
- 33ポチェモブ25/12/05(金) 23:36:46
全8ターン終了
参加者リスト(最終生存者9名)
* 【探偵】 キー坊(プレイヤー)
* 【探偵】 プッチー=ラヴミン
* 【探偵】 ジャイアント・ベイビー
* 【探偵】 シエスタ
* 【一族】 高潔アレクサンドリナ(襲撃されるも生存)
* 【一族】 高潔チャルニー
* 【一族】 高潔ミホーク
* 【一族】 高潔ディズィー
* 【一族】 高潔才子
* 【一族】 高潔ユウ
死亡者・行方不明者リスト
* 高潔刃五郎
* トップマン・ウォーキュリー聖
* 高潔アーサー
* ポゴスティックマン(行方不明)
* 高潔ゲイツ
* 高潔クリス
* 高潔剣雲
最終真相究明度:100%(MAX)
(内訳:前回93% + 調査7% + 推理5% + 阻止5% = 110% → 100%)
【ファイナルフェーズ:真相究明】へ突入します - 34ポチェモブ25/12/05(金) 23:42:08
【ファイナルフェーズ:真相究明】
2つの影を追ったキー坊達が見たのは夜空を焦がす紅蓮の炎。
茶別村の奥深く、地図から消された場所『禁足地』は、今まさに業火に包まれようとしていた。
燃え盛るのは、一面に広がる幻魔草の畑。
甘く狂おしい香りが煙と共に立ち昇り、世界の終わりかのような幻想的な光景を作り出している。
その炎の前に、二つの影が佇んでいた。
「……これで、全て終わる」
「はい……。兄さん……」
駆けつけたキー坊、和香ちゃん、そして生き残った者たちがその背中を見る。
キー坊は息を整え、静かに、しかしよく通る声で名を呼んだ。
「そこまでや。……高潔ユウ、そして高潔ディズィー」
二人がゆっくりと振り返る。
その顔には、もう怯えも迷いもなかった。あるのは、深い悲しみと、冷え切った覚悟だけ。
- 35二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:42:14
もう死人は出ることがなさそうでリラックスできますね
- 36ポチェモブ25/12/05(金) 23:45:26
第1幕:双つの影
「……さすがですね、名探偵」
ユウが淡く微笑む。その手にはライターが握られていた。
「いつから気づいていたんですか?」
「最初から違和感はあったんや」
キー坊が一歩前へ出る。
「お前は高校生にしては落ち着きすぎとった。それに、資料館での『誘導』や。
お前はワシらに『ソンオウ伝説が捏造だ』と教えた。それは真実に近づけるためやない。
**『刃五郎の罪を暴くため』**や」
ジャイアント・ベイビーが哺乳瓶を指差す。
「オイラの計算でも変だったんだよな。アーサーおじさんやクリスおばさん、手練れの大人たちが無抵抗に近い状態で殺された。それは犯人が『顔見知り』であり、さらに『守るべき対象』だったからだ。子供であるお前たちになら、彼らは隙を見せる」
- 37ポチェモブ25/12/05(金) 23:48:57
「ゲイツ君のダイイングメッセージ『フタゴ』……」
和香ちゃんが悲痛な面持ちで続ける。
「あれは、犯人が二人組だって意味だけじゃなかった。
あなたたち、本当は双子なんでしょ?」
ディズィーがビクリと肩を震わせる。
ユウが妹を庇うように前に出た。
「……正解です。僕たちは、抹消された長兄・高潔尊鷹の孫であり、双子の兄妹だ。
50年前、祖父は刃五郎に陥れられ、妊娠していた祖母は村を追われた。
極貧の中で祖父は死に、父もまた、一族への恨みを抱いて死んだ。
僕たちが教え込まれたのは、愛じゃない。高潔一族への『復讐』だけだった!」
ユウの声が炎の音に負けないほど激昂する。
「だから僕たちは戻ってきた! この呪われた血を、幻魔草(GENMA)ごと焼き尽くすために!
刃五郎を殺し、その協力者たちを排除し、最後にこの工場と共に僕たちも消える!
それが『ソンオウ』の意志だ!」
- 38二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:52:28
ディズィーと同い年だったらユウも9歳前後ってことになるのは大丈夫か?
- 39ポチェモブ25/12/05(金) 23:54:49
第2幕:椿の花言葉
「違う!!」
キー坊の大喝が轟いた。
「それは尊鷹さんの意志やない! お前らは間違っとる!」
「何が違うと言うんです! 現場に残された『バキバキル』……あれは祖父の呪いの言葉だ!」
「アホか! あれは呪いなんかやない!」
キー坊は懐から、ユウが見つけたあの手記を取り出した。
「よう思い出せ。尊鷹さんが最期に書いた言葉……。
『尊鷹還りて 椿 生きる』。
お前はこれを『ソンオウが帰ってきてバキバキに折って殺す(キル)』と読み違えた、あるいはそう思い込まされたんや。
せやけどな、椿の花言葉は『誇り』、そして『控えめな愛』や。
尊鷹さんは言うとるんや。『自分が死んでも、愛する者たちが誇り高く生きてくれればそれでいい』とな!」
https://bbs.animanch.com/arc/img/5113691/199
「な……ッ!?」
ユウの表情が崩れる。
- 40ポチェモブ25/12/05(金) 23:58:35
「愛……? 誇り……? 僕たちの復讐は……間違いだったと言うのか……?」
「お前らが刃五郎を殺した時、刃五郎は抵抗したか?
クリス先生は? 剣雲さんは? アレクサンドリナさんは?
みんな、お前らが『尊鷹の孫』だと気づいとったんや。
だからこそ、罪滅ぼしのために、その刃を甘んじて受け入れたんやぞ!」
ディズィーが泣き崩れる。
「あぁ……兄さん……私……私……!
剣雲様を刺した時……あの方は……『生きろ』と……!」
「そんな……嘘だ……嘘だァァァッ!!」
ユウが頭を抱えて絶叫する。
その時、工場の屋根が崩落し、火の粉が彼らに降り注いだ。
炎の勢いが増し、退路が断たれる。
「もう遅い……! 僕たちは罪を犯しすぎた!
ここで燃え尽きるのがお似合いだ!」
ユウはディズィーを抱き寄せ、炎の中へ消えようとする。
「させるかボケェッ!!」
- 41二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:58:49
あううっ
- 42二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 23:59:56
こ…こいつらも火に入ろうとするのかあっ
- 43ポチェモブ25/12/06(土) 00:05:01
第3幕:脱出
キー坊が猛然とダッシュした。
「ミホーク! 道をこじ開けろ!」
「……承知」
高潔ミホークが黒刀を抜く。
一閃。
燃え盛る巨大な柱が、真横に両断されて吹き飛んだ。
「チャルニー! 援護頼むで!」
「任せなさいよ! アタシの美脚は炎より熱いのよ!」
チャルニーが回し蹴りの風圧で炎の壁を一瞬だけ押し返す。
その隙に、キー坊が炎の中へ飛び込んだ。
「死ぬなんて許さんぞ! 生きて償え! それが一番辛くて、一番重い『罰』や!」
「放せ! 放してくれ!」
暴れるユウの胸ぐらを掴み、キー坊は右拳を振り上げる。
ドゴォッ!!
強烈な鉄拳制裁がユウの頬にめり込んだ。
「痛いやろ! それが『生きてる』ってことや!
尊鷹さんが守りたかった命を、お前自身が粗末にするな!」
「う……うぅ……!」
ユウの目から涙が溢れ出す。
キー坊はユウを、和香ちゃんがディズィーを抱え上げる。
「脱出するで! 全員、走れぇぇぇッ!!」
- 44ポチェモブ25/12/06(土) 00:09:47
エピローグ:夜明けの椿
爆発音と共に、禁足地の工場は完全に崩れ落ちた。
黒い煙が空を覆うが、その隙間から朝日が差し込んでくる。
煤だらけになった生存者たちが、草むらに倒れ込んでいた。
「ゲホッ……ゲホッ……。死ぬかと思ったわ……」
シエスタが優雅さをかなぐり捨てて座り込む。
「んなぁ〜、オイラのIQでも計算外のスリルだったな」
ベイビーも笑う。
その中心で、ディズィーは地面に手をつき、泣いていた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
そこへ、山の下からサイレンの音が近づいてくる。
警察の到着だ。
キー坊はサングラスをかけ直すと、二人の肩に手を置いた。
「行くんや。長い償いの生活になるやろうけど、お前らはまだ若い。
いつか罪を償い終えたら……今度は『復讐』やなくて、『誇り』を持って生きるんや。
尊鷹さんが望んだようにな」
ユウは涙を拭い、深く頭を下げた。
「はい……。必ず、償います。
探偵さん……ありがとう……」
- 45二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:10:47
も...もう次回のシミュロワに大団円に参加できなくて闇落ちしたポゴスティックマンを参加させるしかない
- 46ポチェモブ25/12/06(土) 00:11:19
- 47二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:12:06
ベイビーはタフキャラの癖に探偵できてたんだよね すごくない?
- 48二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:13:54
ポゴスティックマンは具体的なキャラがないのになんであんなマヌケになったんなろなあ
- 49ポチェモブ25/12/06(土) 00:14:09
ちょっと待っててね、今生存者の後日談出してるから…
- 50ポチェモブ25/12/06(土) 00:17:27
【エピローグ:椿の花が咲く頃に】
1. 拘置所・面会室
ガラス越しの面会室。少し髪が伸びた高潔ユウと高潔ディズィーが、穏やかな表情で座っている。
差し入れられたのは、一冊の植物図鑑と、キー坊からの手紙だった。
『元気か? 刑務所のメシは薄味やろうけど、健康にはええで。
お前らの弁護やけど、情状酌量の余地ありってことで、だいぶ減刑されそうや。
トップマンの爺さんやクリス先生のことは一生背負わなアカンけど、逃げずに背負うんやで。
出所したら、今度こそ二人で美味いもん食いに行こな』
「……ふふ、相変わらず字が汚いですね、名探偵」
ユウが苦笑し、ディズィーもハンカチで目元を拭う。
「でも、温かい字です……。兄さん、私、刑務所で園芸の勉強を始めました。いつか、あの焼け野原になった山を、本当の花畑にしたいんです」
「ああ。僕も資格を取るよ。……もう二度と、大切な人を傷つけないために」
二人の瞳には、かつてのような暗い復讐の炎はなく、未来への静かな決意が宿っていた。
- 51ポチェモブ25/12/06(土) 00:19:01
- 52ポチェモブ25/12/06(土) 00:22:03
3. 都会のスポーツジム
「1、2! 1、2! 甘ったれるんじゃないわよ!」
「もう無理……死ぬ……才子、お家に帰ってポテチ食べたい……」
ジャージ姿でへばっている高潔才子と、鬼の形相で指導する高潔チャルニーの姿があった。
あの事件以来、チャルニーはなぜか才子を気に入り、無理やり都会へ連れ出して「美の特訓」を課しているのだ。
「アンタねぇ、あんな修羅場を生き残ったんだから、もっと自分を磨きなさいよ! 痩せたら絶対可愛くなるんだから!」
「そんなことよりゲームしたいよぉ……あ、そうだ。今日新作の発売日……」
「なら、あとスクワット100回やったら買ってあげるわよ!」
「!? やる! 死ぬ気でやる!!」
奇妙な友情は、騒がしくも続いているようだ。
- 53ポチェモブ25/12/06(土) 00:25:11
- 54ポチェモブ25/12/06(土) 00:26:36
- 55ポチェモブ25/12/06(土) 00:28:15
- 56ポチェモブ25/12/06(土) 00:34:15
7. キー坊探偵事務所
そして、大阪の雑居ビル。
「あーあ、結局依頼料はアレクサンドリナさんの『感謝の紅茶セット』だけかいな! 家賃払えへんでこれ!」
キー坊がソファでふんぞり返ってボヤいている。
和香ちゃんが淹れたての紅茶(茶別村産)を出しながら笑う。
「いいじゃない。あの村、これから良い観光地になるってニュースでやってたよ? ユウくんたちの更生も順調みたいだし」
「ま、プライスレスな仕事やったことは認めるわ。……それにしても、和香ちゃん」
「ん?」
「あの時、フライパンでナイフ受け止めたワシ、めちゃくちゃカッコよかったやろ?」
「はいはい。そのあと腰抜かして『あかん、漏れる』って言ってたこともセットで覚えてるよ」
「ちょ、それは内緒や言うたやろ!」
二人の笑い声が事務所に響く。
西の名探偵の日常は、今日も平和で、少しだけ騒がしい。
(完)
- 57二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:37:10
オツカレーッ いやあ面白かったのォ…
- 58ポチェモブ25/12/06(土) 00:37:54
- 59二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:38:38
オツカレーッ めっちゃくちゃおもしろかったーよ
- 60二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:38:57
オツカレーッ
原作じゃ工業高校のテストすら赤点取るようなキー坊がこの世界じゃちゃんと西の名探偵やれるくらい頭良いなんてワタシャ聞いてないよっ - 61二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:39:14
ステーキも食えなそうな本山探偵とキー坊に悲しき今…
- 62ポチェモブ25/12/06(土) 00:47:01
【ポストクレジット】
シーン1:キー坊探偵事務所・夜
雨音が窓を叩く、湿度の高い夜。
平和な日常に戻ったはずの事務所に、再び重苦しい空気が漂っていた。
デスクの上には、警察関係者から極秘裏に持ち込まれた数枚の現場写真が散らばっている。
「……酷い」
和香が口元を押さえ、写真から目を背ける。
写っているのは、若いサラリーマン、主婦、そして初老の教師――年齢も性別もバラバラな被害者たちの遺体。
しかし、彼らにはたった一つ、共通点があった。
胸から腹にかけて、刃物で**『X』**の字に切り裂かれていたのだ。
「犯人は全員、現行犯で逮捕されとる。せやけど、動機は不明。
取り調べても『自分がやった』と認めるだけで、あとは虚空を見つめてボケーッとしとるだけらしい」
キー坊がタバコに火をつけ、紫煙を吐き出す。
「被害者同士に接点はなし。犯人同士にも接点はなし。
まるで、何かの『病原菌』に感染したみたいに、普通の人間が突然、殺人鬼に変わっとるんや」
「病原菌……?」
「ああ。……ただ一つ、逮捕された犯人の一人が、うわ言のように繰り返してた言葉があるらしい」
キー坊は一枚のメモを指先で弾いた。
そこには、殴り書きの文字でこう記されていた。
『伝道師(デンドウシ)』
「伝道師……。そいつが、この狂気をばら撒いてる元凶っちゅうわけか」
キー坊のサングラスの奥の瞳が、鋭く、そして険しく光った。
「茶別村の事件とはわけが違う。……もっとドス黒い、底のない闇が近づいてきとるで」
- 63二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:51:30
ふうん これが次回予告ということか
- 64ポチェモブ25/12/06(土) 00:51:52
ザァァァ……ザァァァ……。
鉛色の空の下、荒涼とした海岸に波が打ち寄せている。
波打ち際に、一人の男が倒れていた。
ヨレヨレのシャツを着た、どこにでもいそうな大学生風の青年。
「おい! おい、君! 大丈夫か!?」
通りがかりの医師が駆け寄り、男の肩を揺する。
男はゆっくりと、重そうに瞼を開けた。
焦点の定まらない、虚ろな瞳。
「う……あ……」
「良かった、気がついたか。酷い顔色だ。救急車を呼ぶから、動くんじゃないぞ」
医師は安堵のため息をつき、ポケットからタバコを取り出すと、一服しようと金属製のライターを取り出した。
カチッ。ボッ。
小さな炎が、曇天の浜辺に揺らめく。
その炎を見た瞬間。
青年の瞳に、ふっと奇妙な光が宿った。
青年は半身を起こすと、医師の手首を掴み、そのライターを自分の顔の前に引き寄せた。
揺れる炎を、じっと見つめる。
「おい、君……?」
青年――間宮邦彦は、炎から視線をゆっくりと医師の顔に移し、首を傾げた。
まるで、生まれたばかりの赤子のような、あるいは世界そのものを忘れてしまったかのような、無垢で不気味な声色で。
「……あんた、誰?」
【西の名探偵キー坊 殺意の伝道師編 いつか開催予定…多分】 - 65二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 00:59:39
ワシが安価と同時に添付した神代ユウの画像が展開に合いすぎていて笑ってしまう
ワンチャン犯人滑り&バトル滑りしても対応できるように画像チョイスしたらそれがハマるとは思わなかったッスね…ガチでね… - 66二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 08:40:33
次こそは安価取りたいのお
ですねえ