「トレーナーさん、ご飯ですよ。」

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:34:53

    「うん、今行くよ。」
    作成していた資料を保存してPCの電源を落とす。
    いつの間にか廊下の方からは出汁の匂いが漂い出していた。
    『そういえば今日は和食の日だった。』
    火曜日と金曜日と土曜日のご飯は和食を作る。
    半年程前に決めた事だった。
    『…まさか担当と同棲なんてなぁ…。』
    先に同棲を提案したのはグラスの方からだった。
    17歳の誕生日を迎えたのだから一緒に住んでも
    問題ないだろう、と
    誕生日の当日に言われ、互いに引っ越しの準備をして住み始めた。
    数ヶ月の間に生活様式の違いで小さな喧嘩が起こる事もままあったが
    いずれもたいした事にはなっていない。
    むしろ喧嘩経て互いの知らなかった一面を知れた気がしてかえって良かった気さえしてくる。

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:35:42

    リビングに出ると、エプロンをしたグラスが大きなゴボウのような物を切っていた。
    「先に座っていて下さいね。
    順に出して行くので、待ってて下さい。」
    「コース料理みたいにするの?」
    「まあ、そんなところですね~。」
    普段、一膳に主菜と副菜、ご飯と味噌汁を出す事が多いのに。
    トレーナーは妙に思ったものの
    たまには違うような形式で食べるのも乙だと考え静かに待つことにした。
    『にしても…』
    ビロードのような耳。
    揺れる尻尾。
    牧場の空のような淡い青の瞳。
    ウマ娘というのはもとより美人である事は知ってはいたが、それでもなおグラスは際立って美人だとトレーナーは常々思っていた。
    自分の担当という贔屓目もあるかも知れないが、少なくとも自分が恋人になりたいと考える程度には彼女は魅力的に見える。
    『…おっとまずい。相手はまだ女子高生なんだ。節度を持って接さなきゃな。』
    不埒な考えを封じ、食卓の方に向き直る。
    お互いが同意であったとしても
    グラスはまだ未成年なのだ。
    間違いを起こしてそれが広まったら
    グラスの経歴に傷がつく。
    それだけは避けねばなるまい。

  • 3二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:36:13

    「ご飯、出来たので運びますね~♪」
    「お、待ってました。」
    香ばしい香りと味噌の香り。
    期待に胸を膨らませる。
    「一品目です♪」
    「お!美味しそうだね。」
    鰻だ。かなり大きめの鰻の蒲焼きが出てきた。香ばしい匂いの理由はこれだろうか?
    それにしても、記念日でも無いのにどうして鰻などという高級品を出したのだろうか?疑問に思ったものの、鰻の持つエネルギーでそんな物は気にならなかった。
    「二品目です♪」
    「…へぇー珍しいね。山芋なんて。」
    短冊切りになった山芋の副菜。
    醤油を垂らすとなかなかに酒に合う一品。
    好きな小鉢ではあるが、トレーナーはなんともなしに既視感に近い違和感を覚えた。
    『鰻…山芋…どっかで見た気がするけど…』
    違和感は疑問に代わり、それとなしに
    答えが見えてくる。
    『思い違いだ…絶対に思い違いだ…
     そうに決まってる…』
    なんともなしにトレーナーは目を瞑った。
    もはやそれは髪頼みに近かった。
    そんな疑念をしり目に最後の品が運ばれて来る。

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:39:10

    あっ(察し)

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:39:35

    「三品目です♪」
    「……ねえ…これ……」
    「何でしょう?」
    すっぽんだ。滑らかな質感の甲羅が覗いている。明らかにすっぽんだ。
    ここまでくると考えるまでもない。
    隣に立つグラスに話かける
    「………すっぽん?これ。」
    「はい、岐阜産の良鮮度のすっぽんです♪」
    「今季節夏だよね?何ですっぽんが出てくるの?」
    「近所のスーパーで安く売ってたので
    買ったんです~♪」
    「俺今まで生きててすっぽん売ってる
    スーパーとか見たこと無いんだけど。」
    「鰻だって川の生き物ですよ?
    同じ川育ちのすっぽんが売ってたって
    不思議は無いと思いますよ♪」
    「ごめん、質問を変えるよ。
    何ですっぽんと山芋と鰻が同じ日に出て来るの?」

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:39:47

    「………もう分かってるんですよね?
    トレーナーさん。」
    「……グラス、君はまだ未成年だ。
    まだそういう事は早いんじゃないかな?」
    「…貴方が遅いのが悪いんですよ?」
    「ごめん、俺まだ無職になりたくない。」
    「私と貴方の秘密にすれば良いのではないですか?」
    「ま、待って!俺まだ心の準備が…」
    「大丈夫ですよ~♪食べてお風呂に入ってからシますからご心配なく♪」
    「いや心配なのは食事とかじゃなくて社会的な意味での心配…」
    「もう覚悟を決めて下さい。トレーナーさん。」
    「…………はい。」
    トレーナーは、覚悟を決めた。
    その夜は例年よりアツかったと
    後のトレーナーは語ったという。

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:40:36

    いただきます(先手必勝)

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:41:07

    髪頼み...やはりトレーナーはハゲ...

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:41:33

    アガってきた!(意味深)

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:41:44

    あ”か”ま”む”し”〜〜”〜〜”

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:41:58

    同棲をOKした段階でトレーナーの負けは決まってたんだろうな……

  • 12スレ主21/09/21(火) 23:47:44

    >>8

    痛 恨 の ミ ス

  • 13二次元好きの匿名さん21/09/21(火) 23:48:26

    >>12

    毛根なミスするなよー

  • 14スレ主21/09/21(火) 23:52:50

    >>13

    毛しません…

  • 15二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 11:17:07

    >>13 >>14


    不毛な 話は よしましょう

  • 16二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 12:42:36

    同棲してる時点でアウトだろ

  • 17二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 13:44:52

    >>16

    正式に結婚するまで手を出すつもりなかっただけよ

  • 18二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 15:48:50

    本人の線引はともかかく、社会的には同棲の時点でアウト...
    いやひょっとして♀トレなのか?

  • 19二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 15:50:27

    >>15

    このハゲーーー!

  • 20二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 15:54:34

    巧妙なハゲスレやめろ

  • 21二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 15:55:00

    >>17

    それが発覚したときに世間がどう判断するかだ

  • 22二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 15:56:20

    >>21

    どう見えるかだ、まだまだ心眼が足りぬ

  • 23二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 01:37:25

    >>21

    世間がどう言おうが、幸せかどうかは当人が決めるべきだと思うよ。

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