- 1二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:09:21
- 2二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:11:33
クリスマスの時期に夏風邪・・・?
妙だな・・・? - 3二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:13:01
キタサトと星を見ながらビスケットを食べれば完璧
- 4二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:13:24
南半球の無人島なんでしょ
- 5二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:14:34
- 6二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:16:51
- 7二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:18:21
クリスマスに寮長も2人来て欲しい
- 8二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 13:03:52
オーストラリア沿岸の無人島に、メジロアルダンとそのトレーナーは足を運ぶことになった。12月23日のことである。事の発端は今冬の日本の寒さがあまりに厳しいことであった。歴史的な寒波に見舞われたのは、トレセン学園も例外ではない。トレーナーはアルダンの体調を慮り、避暑ならぬ避寒地として、彼女を連れてオーストラリアを訪ねたのだ。
彼の地に降り立った時、現地のガイドが「近くにいいスポットがある。無人島だぜ。そっちのお嬢ちゃんと【検閲済み】しなよ」と提案を投げかけてきたので、トレーナーは彼を締め上げつつ、必死に止めるアルダンが無人島に興味を示したので、カンガルーに殴られてもここまで酷くはならないだろうほど顔を張らしたガイドに導かれ、ボートで件の無人島に向かったのだった。
しかしながら、ボートは島に上がる直前で座礁し、トレーナーは命からがら、ずぶ濡れのアルダンを抱えての上陸を行う羽目になった。ガイドがどうなったかは知らない。おそらく、クロコダイルに乗ってシドニーへ戻ったことだろう。トレーナーは彼の旅の無事を祈った。 - 9二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 13:04:30
さて、アルダンであるが──
いくら夏とは言え、夜になれば多少冷え込む。衣服も濡れてしまったのが運の尽きだったのだろう、彼女は風邪を引いてしまった。トレーナーが持参していた常備薬も、今やボートとともに海の藻屑である。トレーナーは火を炊き、裸体になることも厭わず服を脱ぎ、それを使ってアルダンの体を暖めようと試みた。高熱の見せる悪夢にうなされて、彼女の細く白い指が、トレーナーの手を求めてさ迷った。トレーナーは身動きがとれなかった。その手を取らないわけにはいかなかった。
夜が明けようとしていた。このままでは共倒れだ。トレーナーは冷静に判断した。しかし、アルダンを見捨てるという選択肢など、彼の頭には浮かぶはずもない。
まずは食糧だ、とトレーナーは考えた。さいわい、この島にはやたらと猫が棲み着いていた。いざとなれば、狩猟も辞さない覚悟が必要になるだろう。それが生きるということ、自然の厳しさだ。
やがて空が白みはじめ、トレーナーは目を見開いた。まるで太陽を押し上げるかのような大波が、日の出とともに沿岸からこの島へ向かってきていたからである。呑まれる心配はないだろうが、津波の危険性も考慮に入れるべきだろう。そう判断した瞬間だった。
サンタクロースの格好をした二人のサーファーが、踊るように大波を乗りこなしていた。見間違えるはずがない。トレーナーは身を乗り出した。サーフボードを自在に操るキタサンブラックとサトノダイヤモンドが、こちらに向けて大きく手を振っている。助けだ!
トレーナーは二人を出迎えた。二人はボードを片手に島に上陸すると、トレーナーとアルダンの空腹を心配し、籠いっぱいに入ったビスケットを差し出した。トレーナーはこれをありがたく受け取り、昨夜のうちに海水から精製しておいた浄水に砕いて入れると、粥のように柔らかくして、アルダンの口に運んだ。いまだ夢うつつのアルダンだが、口もとには穏やかな笑みが浮かんでいる。
持参したビスケットをかじりながら、キタサンブラックとサトノダイヤモンドは、猫と戯れていた。トレーナーはこの上ない幸福を感じた。今日はクリスマスだ。どうやって日本に帰ればいいのかはわからない。 - 10二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 13:08:49
うわー、怪文書だー!