コミケの夜の悲劇(前編!)

  • 1二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 18:45:14

    小五郎「にしてもあちぃなぁ…」
    蘭「じゃあスーツ脱いだら良いじゃない、水飲む?」
    小五郎「ありがとな…でもスーツ脱いだだらしねぇ姿見せるわけにはいかねぇじゃねぇか…俺は毛利小五郎だぞ?どこで誰が見てるかわからねぇしよ」
    コナン(今の姿は外回りのサラリーマンと変わらねぇけどな)

    俺たちは毛利のおっちゃんの仕事でコミックマーケット、通称コミケに来てる。本来なら開場前に会場内に入る予定だったがおっちゃんが寝坊、結果炎天下俺たちは並ぶハメになってる。

    コナン「ねぇ、蘭ねぇちゃん、誰か来たよ」
    「すいません!探すのに手間取ってしまって…スタッフには話つけてありますので!こちらから会場に入れます!」

  • 2二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 18:51:48

    テレッテッテーレテー
    テテテーテテテーテテテー

  • 3二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 18:58:26

    小五郎「あんたが依頼人の…えっと…」
    中学館スタッフ「中学館のスタッフです。私は依頼人の代理で来させていただきました。依頼人は手が離せないので」
    蘭「でも良かったね、お父さん」
    小五郎「あぁ、これで灼熱地獄とはおさらばだ…?あれ…」
    中学館スタッフ「…お察しの通り、中も外も暑さは変わらないんですよね…ハハハ…」
    コナン(直射日光が無いだけマシ…か…)

    「待ってましたよ毛利さん!」
    中学館スタッフ「紹介します。この人が今回毛利さんに出演をお願いした週刊少年サンデンの漫画家、青峠剛力先生です」
    蘭「青峠剛力先生…もしかしてアニメ化20周年を迎えた超探偵ドイルの原作者の方ですか…!?」
    コナン「最近映画の方が好調でよくCMやってるよね」
    青峠「はい!いつも応援ありがとうございます!お陰様で色んなイベントに出ずっぱりで大変ですよ!ハハハ!貴女は毛利さんの娘さんの毛利蘭さんで…君は…」
    コナン「はじめまして、江戸川コナンです」
    青峠「コナンくんか!僕の超探偵ドイルと合わせてコナン・ドイルだ!」
    コナン(なんだこの巡り合わせは…)

  • 4二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 19:08:12

    小五郎「で…その出演というのは…」
    青峠「実はこのコミケの様子は生配信されてまして…ほらこちらにカメラがありまして」
    コナン(なるほど、放送ブースになってるわけね)
    青峠「ここが毛利さんの席です!ほら座って座って!」
    小五郎「おおっとぉ!?」

    毛利小五郎キタ!?   マジで呼んだ!?
    生名探偵だ!    すげぇ本物だ
    草    思ったより普通だな

    青峠「ほら!毛利さんが出たらコメント欄が凄い事に…!挨拶の方お願いします」
    小五郎「えっ!?もう始まってるの?…オホンッ!はじめまして皆さん、名探偵毛利小五郎です。本日はコミックマーケットサンデンブースの…」

    蘭「お父さんすごい人気だね、コメントや閲覧数がどんどん伸びてる」
    コナン「そうだね、蘭ねぇちゃん」
    中学館スタッフ「お二人はこの会場内を回って頂いても大丈夫ですよ、電話番号を渡しておきますのでもし何かありましたら我々スタッフまで…」

  • 5二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 19:22:07

    コナン「…まさか…10分もしない内にはぐれるなんてな…」

    コナン「蘭がトイレ行ってる間に人の流れに巻き込まれて遠くまで流されるしオマケに携帯落とすし…ツイてねぇ…てかここどこだよ…」

    「どうしたの君?迷子?」

    コナン「…えっ?(うぉっ!?スッゲーコスプレ…色々見えそう…)」
    「誰かと一緒に来たの?待ってて、今スタッフの人呼ぶから、今年はスタッフさん多めだから親御さんすぐ見つかると思うし…」
    コナン「あっ!大丈夫!大丈夫だから…!」
    蘭「コナンくーん!」
    コナン「蘭ねぇちゃん!」
    蘭「良かったぁ、無事で。ありがとうございます!トイレ行ってる間にはぐれてしまって…」
    「大丈夫ですよ、よくある事ですから。見つかって良かったねコナンくん!」
    蘭「あの…お名前は…」
    木元由佳「私は木元由佳って言います。SNSでは股ノ下ふぐりって名前で活動してるので本名バレだけはしないでくださいね?」
    蘭「またのした…」
    コナン(はは…ハンドルネームもすっげぇ…」

  • 6二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 19:27:01

    すき

  • 7二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 19:28:27

    まさかのSSか
    コレは期待

  • 8二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 19:34:30

    木元「私達はここで同人誌を頒布してまして、と言っても私が描いたわけじゃなくて作者はこの花園百合華。そして私と彼女の弟の花園謙也さんと二人で回してます。まぁ、午前中にほとんど売れてもうそろそろ引き上げるつもりですけどね」

    謙也「こうなるんだったらもっと刷っても良かったんじゃ無いか?姉さん」
    百合華「調子に乗ってはダメよ謙也。私は今まで捌き切れない部数を刷って沈んでいった同志を何人も見てきた」
    謙也「へいへい、かと言う姉さんも在庫の山に沈んだ一人だけだな」
    百合華「言わないで、思い出したくないから」

    コナン「所でお姉さんのコスプレは何?」
    木元「聞きたい!?これはね、SFアニメ映画『シャウのリベンジ』に出てくるアンドロイドQSのコスプレで午前中には同じ『シャウリベ』に出てくるロレイとシャウのコスプレイヤーさんとも合わせで撮影してそうだ写真あるんだけど見る!?凄いよく撮れたんだけどほらこれが」
    コナン(やべ、なんか変なスイッチ押しちゃったか?)

  • 9二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 19:38:27

    登場人物 現段階
    江戸川コナン、小五郎に着いていく形でコミケ会場に。
    毛利蘭、同上
    毛利小五郎、漫画家青峠剛力の依頼で生放送に出演。


    青峠剛力、漫画家。週刊少年サンデンにて超探偵ドイルを連載。

    木元由佳(27)コスプレイヤー
    花園百合華(31)同人作家
    花園謙也(29)フリーライター

  • 10二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 19:55:20

    本日のコミックマーケット、これにて終了となります。皆様ご参加ありがとうございました、お帰りのさいは…


    小五郎「うへぇ…終わった…」
    青峠「本日はありがとうございました!思い入れのある事件がたくさんあるんですね!」
    小五郎「思い入れぇ…ありませんよ事件に思い入れなんて…」
    青峠「またまたぁ、同じ事件について二、三回ほど話されてましたよ?」
    小五郎「あれ?そんなに?」

    蘭「お父さん、お疲れ様。ホテル行って休も」
    小五郎「座りっぱなしで腰に…イテテ…坊主、お前もやけに疲れた顔してるな」
    コナン「えへへ…そうかな…?(知らないアニメの話を長時間聞かされたらこうもなるよ…)」
    小五郎「まぁいいか…早くタクシーでも呼んでホテルに行くか…」

  • 11二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 20:06:28

    蘭「タクシーが捕まらない!?」
    小五郎「あぁ、何処もかしこもコミケの客を送り迎えしてて余裕ねぇとよ…」
    コナン「鉄道関係もほぼ満員みたいだね…予約してるホテルまで歩くとなると2時間はかかりそう」
    小五郎「マジかよ…!?コミケなめてたぜ…」
    蘭「ちょっとお父さん!こんな所でへたり込まないでよ!」
    小五郎「うるへー…ヘトヘトなんだよこっちは」

    「おーい、大丈夫か?」
    コナン「貴方は、謙也さん!」
    謙也「もしかして移動手段がない感じかい?せっかくだから乗ってけよ。良いよな、姉さん」
    百合華「えぇ、持ってきた荷物分の座席は空いてるしね」
    木元「じゃあ席作るね!」
    蘭「ありがとうございます…!」
    小五郎「助かったぜ…」
    コナン「僕も手伝うよ、…ん?」
    木元「大丈夫だよ、コナンくん。それ私が運ぶから」
    コナン「…うん…(あのクーラーボックス…やけに重かったな…)」

  • 12二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 20:18:53

    謙也「おー、じゃあ毛利さんも同じホテル予約してたんですね!」
    蘭「はい、中学館の方に準備していただいて…」
    謙也「でも宿用意してくれるなら車も用意してくれたらいいのになぁ!」
    蘭「ダメですよ、うちの父レンタカーととことん相性悪くて。大抵パンクしたりエンストしたりしちゃって…」
    小五郎「余計なことを言うな蘭…」
    コナン「へへ…(事実だろうに…)」

    謙也「よーし、着きましたよ!15階立てアメイジングホテル!」
    小五郎「へぇ…普通のホテルみたいですが…」
    百合華「このホテルの凄いところはここからですよ…?」

    ホテル フロント
    蘭「すごーい!壁一面にアニメのポスター!」
    コナン「フィギュアも沢山あるよ」
    小五郎「俺が昔読んでた漫画まである!懐かしいなぁ…」
    謙也「ここのオーナーはかなりのアニメ好きでしてね。元々冴えない普通のホテルだったここを改築してアニメ、漫画の殿堂にしたんですよ」
    百合華「その噂はSNSで瞬く間に広がり今じゃ第二のコミケ聖地と呼ばれてるわ」
    木元「近々コスプレ衣装の展示コーナーも作るみたいですよ!」
    コナン(木元さん…あのクーラーボックスを持ってきてる?)

  • 13二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 20:34:56

    18時36分
    蘭「私とコナンくんは5-28号室で…」
    小五郎「俺が7-12号室だな。ったく、部屋はともかく階も違うとは不便だなぁ」
    蘭「文句言わないの、この時期は予約取るだけでも大変なんだから!むしろ感謝しないと」
    小五郎「そうだな…、ベッドにつけりゃこの際なんでもいいか。じゃあ何かあったらすぐ俺を呼べよ」
    蘭「はーい。じゃあコナンくん、部屋に荷物置いたらご飯食べに行こっか」
    コナン「うん」

    青峠「おや?君たちは?」
    蘭「あっ、青峠先生!」
    青峠「君たちも同じホテルだったんだね。奇遇だね」
    コナン「知らなかったの?先生」
    青峠「あぁ、毛利さん達の泊まるホテルを手配したのは中学館のスタッフみたいだから。あとごめん!うちのスタッフのミスで移動用の車用意できなくて…」
    蘭「大丈夫ですよ、ちゃんと無事着けましたし…」
    青峠「明日の帰りの車はちゃんとこっちで手配するから…そうだ、もし良かったら一緒に夕食どうだい?色々と聞きたいこともあるし…」

  • 14二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 20:44:11

    青峠死にそうだなぁ…

  • 15二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 20:52:51

    19時42分
    食堂
    蘭「私達から見た父ですか…?」
    青峠「そうそう、是非とも多面的な意見というか印象を知りたくて…」
    蘭「私も、ある日を境に突然眠った様なポーズを取ってまるで別人になったように推理を始めてと行った感じで…そうなったきっかけがあるなら私も知りたいというか…」
    コナン(そりゃ別人が推理してるからな)

    中学館スタッフ「あっ!先生!こんな所にいた!そろそろ打ち合わせの時間ですよ!」
    青峠「いけない!もうそんな時間か、ありがとう!色々と参考になったよ!じゃあまた!」
    蘭「こちらこそありがとうございます!…じゃあ私達も部屋戻ろうか」
    コナン「うん!」

  • 16二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:06:23

    19時58分
    5階
    蘭「今日は暑かったから一緒にお風呂入ろうね、コナンくん」
    コナン「いや…僕は後で入るから…」

    うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!

    蘭、コナン「「!!」」

    蘭「この声は…?」
    コナン「謙也さんの声!こっちだ!」
    蘭「まってコナンくん!」
    5-1号室
    謙也「おい…どうなってんだ…!脅かしてんのかよ…姉さん…!」
    コナン「触らないで!」
    謙也「君は…」
    コナン(後頭部に殴られた後…だけどまだ息はある…!)
    コナン「急いで救急車を呼んで!早く!手遅れになる前に!」
    謙也「わかった…!」
    蘭「コナンくん!これは…!」
    コナン「蘭ねぇちゃんは警察に連絡をして!それと小五郎のおじさんを起こして!」
    蘭「う…うん」

  • 17二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:14:00

    それらしくなってきたな

  • 18二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:25:23

    20時15分
    目暮「被害者は花園百合華さん31歳、同人作家として活動をするOL…彼女はこの部屋で倒れておりそれを弟である謙也さん。貴方が発見した。間違いは無いですな?」
    謙也「はい、ここのホテルの食堂は21時で閉まるのでその前に飯でも食いに行こうと誘いに行ったら扉が少し空いてて…それで開けてみたら…姉が倒れてました…あの!姉は!姉さんはどうなんですか!?警部さん!」
    目暮「搬送されてからまだ連絡は来てませんから私から何か言うことは出来ません。連絡が入り次第大至急お伝えしますので」
    謙也「あぁ…なんてこった…」
    目暮「そして…もうツッコむ事も疲れたよ…」
    小五郎「ご無沙汰しております目暮警部!」
    目暮「お陰で報告書にまた毛利小五郎の名を書かなきゃならんのか…」
    木元「あの…どうしたんですか…?」
    蘭「木元さ……えっ?」
    コナン(だ…だれだ…?)
    木元「すいません、先程までお風呂に入ってたもので…あの百合華に何か…?」
    目暮「貴女がコミックマーケットに花園姉弟のお二人ともに参加してた木元さんですか。実は百合華さんは何者かに襲われ意識不明の重体です」
    木元「そんな…!」
    目暮「我々はまだ付近に犯人がいると踏んで捜査に当たっております。どうかご協力をお願いします」

  • 19二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:40:43

    コナン「木元さん…まるで別人だね…」
    蘭「しっ…確かにコスプレでカツラやメイクしてたからね…でも素顔も可愛いと思うよ」

    20時35分
    高木「目暮警部、各階にて聞き込みの方終わりました。殆ど宿泊客に犯行時刻と思われる19時40分から20時00分までのアリバイがありました。無かったのは…この人だけです」
    青峠「どうも…漫画家の青峠といいます…」
    目暮「青峠さん、貴方は19時40分から20時00分までの間、何をしてました?」
    青峠「中学館の面々で明日の打ち合わせをしてました…が私はその辺りで休憩を入れる為ジュースを買いに…」
    目暮「証明できる人は…?」
    青峠「1人だったので…いません。あの、まさか事件ですか…?」
    目暮「そのまさかです。ここに宿泊した女性が何者かに後頭部を殴打され意識不明の重体です」
    青峠「つまり容疑者ってことですか…!?」
    目暮「そうなりますな」

    高木「それと目暮警部、5-2号室の利用者にまだ確認が取れておりません」

  • 20二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:53:47

    目暮「どう言うことだね?高木くん」
    高木「どうやらチェックイン後すぐ外出してるみたいで…それから戻ってないみたいなんですよ」

    コナン(おかしい…なぜ百合華さんは横向きに倒れてたんだ…?普通後頭部を殴られて横向きに倒れることはない。うつ伏せか何かにもたれかかる形になるはず…ん?」

    コナン(これは百合華さんの靴下…?何故ベッドの下に…?まるで脱いだ後投げ入れたみたいに……湿ってる…?)

    小五郎「おいこら!またウロチョロしやがってこの!」
    コナン「違うよ、これ。ベッドの下に落ちてたから…」
    小五郎「ったく!素手で触らなかった事だけは褒めてやる。わかったらさっさと部屋戻ってろ!」
    蘭「コナンくん、お父さんの邪魔しないように部屋に戻ろ?」

    コナン(第一発見者の謙也さん…犯行時刻風呂に入っていた木元さん…1人ジュースを買いに行ってた青峠さん…そして5-2号室の利用客…犯人はこの中にいる…)

  • 21二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:54:43
  • 22二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:56:35

    どのへんでギィイイイバタンとカチャチャンバァアン入るかな?

  • 23二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 21:57:53

    >>22

    16のうわぁぁぁぁぁあたりです

  • 24二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 05:21:32

    後編
    目暮「では改めて泊まっている部屋と当時何をしていたか教えていただきましょうか」

    青峠「僕は11-5号室に泊まってます。中学館のみんなと明日の打ち合わせをしてましたが僕は途中で休憩を入れる為にジュースを買う為5階まで降りて来ましたけど…その後すぐ部屋に戻ったので僕には無理ですよ」
    目暮「何故この5階に?」
    青峠「自動販売機は5階にしか無いんですよ」

    謙也「俺は5-8号室に泊まってます。犯行時刻と思われる時間はホテルのWi-Fi回線を使ってオンラインゲームをしてました。なんだったら調べてもらっても構いませんよ。僕のやってたゲームは対戦履歴から時間を見ることが出来ますから良かったら調べてみてください」
    目暮「む…これは…」
    高木「確かに…犯行時刻に3回もオンラインでマッチしてますね…」

    木元「私は13-9号室に泊まってます。犯行時刻の時私はシャワーを浴びてました。私もアリバイとは言い切れませんが…SNSに写真を投稿してました。ちょうど19時50分頃に…ほら」
    目暮「これは…?失礼ですが貴女ですか?」
    木元「はい、コスプレと画像加工してますが私です。本来ならホテルに着いたらすぐに脱ぐつもりでいたんですが…コスプレ仲間と話で盛り上がっちゃって…その後は部屋でコスプレ衣装の見直しや補修をして先に説明した通りシャワーを浴びました」

  • 25二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 07:05:35

    小五郎「やはりこの3人だけですか…アリバイが不透明なのは」
    目暮「あぁ、あとは5-2号室の利用客だけだな。それとまだ凶器が見つかってないんだ。頭部の後から恐らく四角い形状の何かだと思われるが」
    小五郎「では…皆様の部屋を改めさせていただきますか…」

    5-8号室 謙也の部屋
    目暮「おや…バッグが一つだけと…ヤケに荷物が少ないですな」
    謙也「えぇ、着替えと充電器とか小物はまとめて入れて…他の荷物は車の中に置いてますので」
    小五郎「じゃあ車の中に凶器がある可能性は…無いか、駐車場とこの階を往復すれば最低10分はかかる」
    コナン(確かに…この荷物の中に人を殴打できるものは無い…この人には無理だな…おっちゃんの言う通り鈍器を持って往復してたら時間はかかるし宿泊客の誰かに見られかねない)

    小五郎「よし!次だ!」

  • 26二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 07:49:22

    小五郎「…前に…」
    コナン「ん?」
    小五郎「何しれっとここにいるんだ!」
    コナン「いてぇっ!」
    小五郎「早く部屋に戻りやがれ!」

    コナン(へいへい…とその前に…)
    コナン「ねぇ、木元さん、コスプレ仲間の人たちって何階に泊まってるの?」
    木元「えっとね…確か…」

    11-5号室 青峠の部屋
    目暮「こちらは随分と物がありますな…」
    青峠「えぇ、ついさっきまで中学館のみんなと僕の部屋で打ち合わせしてましたから。あと他の荷物はこのスーツケースに…」
    小五郎「中身は着替えと同人誌と…後液晶タブレットですか?」
    青峠「はい、最近使い始めて…」

  • 27二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 08:14:20

    小五郎「次は木元さんの部屋ですね」
    目暮「よろしいですかな?」
    木元「はい、お願いします」

    コナン「ねぇねぇ、木元さんってコミケからホテルに帰ってくる時もコスプレしてたりするの?」
    コスプレ仲間A「えぇ、コミケ会場にも更衣室あるけどあの子花園さんの車あるから基本的に部屋で着替えるって言ってたよ」
    コスプレ仲間B「それにこのホテルはオタク文化に理解あるし、ホテルの中でコスプレしてても特別変なことじゃないよ」
    コナン(なるほどな…と言うことは誰かがコスプレで変装して殴打することは出来ないことはない…か…だとすれば他の人も同じだ…それに5-2号室の利用者についても聞くか…)

  • 28二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 08:51:06

    13-9号室 木元の部屋
    小五郎「こちらも随分と散乱してますね」
    木元「はい、明日の準備も含めて色々やってたもので…でもチェックアウトの時はちゃんと片付けるので大丈夫です!」
    目暮「荷物は…木工用ボンドにマジックペンにテープ…後これは…?」
    木元「これはポスタースタンドです、こうやって立てて…ポスターをつけるんですけど…」
    目暮「そのポスターが無いようですが」
    木元「それは今日来たコミケの来場者の方に差し上げました。私のコス写真のポスターだったので…」
    小五郎「これも頭部を殴打は難しいですな。それに形状も違う…」
    目暮「それに女性の力で殴ってもあそこまでの傷を与えることは出来ない…」

    小五郎「結局凶器は見つからずじまいでしたか…」
    高木「目暮警部!ホテルのダストカーに血痕のついたシーツが!」
    目暮「なに!?」
    高木「それとダストカーの方にも血痕と若干破けた後がありました!」

  • 29二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 10:18:40

    目暮「とするともしかしてこの中に凶器をシーツに巻いて隠しながら運んで処分した可能性も出てくるな…ともすると布が破けるほどかなり大きな鈍器か…」
    小五郎「これは女性の木元さんの線は薄くなりますな…」
    目暮「そうだな、ん?木元さん、最後にシャワールームの方を確認させていただいてもよろしいですな?」
    木元「はい、どうぞ…」
    目暮「これはクーラーボックスですね」
    小五郎「確かに今日は日中かなり暑かったですからね」
    木元「そこで中の氷と水を捨ててそのまんま置いてたんです、後で拭こうと思って」


    「ねぇねぇ、高木刑事」
    高木「ん?コナンくん!?ダメだよ部屋に戻ってなきゃ…また怒られるよ?」
    コナン「大丈夫!それよりちょっとお願いしたいことがあるんだけど…」

    蘭「珍しいなぁ…お父さんがコナンくんの力を貸して欲しいなんて」

    電話
    コナン(声小五郎)「すまない蘭、こいつにすこーしだけど協力してもらいたいから今日は一人で寝てくれ。その代わりスピード解決してやる」

    蘭「少し心配だなぁ…」

  • 30二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 10:26:35

    高木「…これが今の捜査で得られた情報だけど…あまり目立たないようにやってよ?」
    コナン「大丈夫だって…(全員鈍器らしい物は持ってない…スーツケースやクーラーボックスが怪しいが…それでも難しいし…最後に5-2号室の利用客について聞いてみるか」


    フロント
    ホテルスタッフ「5-2号室のお客さんの特徴かい?確か…黒髪ロングで黒いシャツを着てたような…。女性だったよ、あとそのお客さん、外出する時スタッフの何人かに声をかけてたんだ。外出しますって…そうだ、ルームサービスも断ってたよ」

    コナン(なるほど…そう言うことか…見えて来たぜ…犯人が…)

  • 31二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 10:39:24

    コナン「だけど最後の一つが足りない…ここさえ固まれば…」
    「良いなぁそれ」「良いだろ!股ノ下さんにもらったんだ」
    コナン「股ノ下…確か木元さんのハンドルネームだったような…」
    「この特製ポスター、どう飾ろうかなぁ」
    コナン「お兄さん達!それ見せて!」
    「おっ…おう…良いよ」
    コナン(ラミネート加工…!これだ!これがあればトラックは成立する!)「どこでもらったの!?」
    「おうそれは…」



    目暮「改めて御三方の部屋を詳しく捜査させていただきましたが怪しい物はありませんでしたな…」
    小五郎「だが見えて来ましたよ…犯人の姿が…!」

  • 32二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 10:55:51

    目暮「本当かね毛利くん!」
    小五郎「えぇ!全員ここに集めてください!」

    謙也「犯人がわかったって本当ですか!?」
    青峠「毛利小五郎の生推理…!凄い…僕は今当事者として立っている…」
    木元「犯人は誰なんですか!?」

    小五郎「単純です…犯人は…青峠さん!貴方だ!」
    青峠「えぇ!?」
    小五郎「貴方は同じ部屋にいた中学館の方々にバレないようにスーツケースを部屋の外に持ち出した。そしてそれをシーツで包み被害者の百合華さんのいる5階へ降りた。有名漫画家である貴方が挨拶したいと言えば彼女は喜んで入れるでしょう…そして彼女が後ろを向いた途端に後ろから殴打!しかし血に濡れたシーツの処理に困った貴方はスーツケースごとダストカーに積み込み自分の部屋の階に戻りスーツケースを回収、シーツを捨てて部屋に戻った」
    青峠「ちょっと待ってくださいよ!それだったら僕は部屋に戻った時スーツケースを持って自分の部屋に戻らなきゃいけないし…!ダストカーだって清掃スタッフ以外が動かしてたら怪しいじゃないですか!」
    小五郎「確かに…」
    青峠「それに!確かに男の僕ならこれを思いっきり振りかぶればスーツケースで殴る事は出来るかもしれません!でも出来ないんですよ!」
    小五郎「確かに…百合華さんを犯人が殴ったであろう位置でスーツケースを振りかぶろうとしたらドアに当たってしまう…」
    目暮「毛利くん…」
    小五郎「嫌だなぁ…ほんの肩慣らしで…」
    コナン(おっちゃんのやつ…また変な推理してるな…)

    パシャっ

    小五郎「おぉぉん?これ…確変…」バタリッ

    眠りの小五郎「まぁ…お膳立てはここまでにしておきますか」

  • 33二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 10:58:17

    少しガバリましたが最後まで進みます

  • 34二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 11:06:00

    青峠「もしかして…眠りの小五郎…!?」
    謙也「マジか…!」
    木元「これが本当の…」

    目暮「では聞かせてもらおうか」

    眠りの小五郎「えぇ、説明させていただきます。木元由佳さん、貴女の犯行をね」
    一同「「「なんだって!?」」」
    木元「やだなぁ…毛利さん…私犯行時刻の時シャワーを浴びてたんですよ?それに階層だって一番離れてるし…」
    眠りの小五郎「そこですよ、私も少々引っ掛けられてしまった」

  • 35二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 11:40:15

    眠りの小五郎「13階と5階…確かに往復すれば容疑者の誰よりも時間はかかるし空白時間が出来てしまう。だがもし、5-2号室の主が貴女なら話は別だ。往復の時間は要らない」
    目暮「しかし毛利くん、このコミックマーケットで忙しい時期に同じ人間が二つの部屋を予約することなんてできるのか?」
    眠りの小五郎「電話予約を利用すれば可能ですよ。当日まで顔は分かりませんし何より、貴女は別人になりうる術を持っている」
    木元「た…確かにそうかも知れませんけど、私チェックインの時は普通の格好でしたよ?その後部屋を出る時コスプレに着替えた後出したけど…」
    眠りの小五郎「いや、貴女はもう一つの姿を持っている。フロント従業員複数人が見かけた黒髪ロングの女性、それは貴女だ」
    目暮「しかし毛利くん、彼女の持ち物に黒髪のカツラなんてなかったぞ!」
    眠りの小五郎「無くて当然です。それらは今も5-2号室に眠っているのですから…。誰もいない無人の部屋なら開ける事は出来る。しかし誰が泊まってるの部屋か分からない。部屋主が外出しているなら、少なくとも開ける時間を遅らせる事が出来ると踏んでいたのでしょう」

  • 36二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 12:17:55

    木元「確かに、それなら犯行は可能かも知れませんけど…そしたら凶器をどこにあるんですか!」
    目暮「そうだ毛利くん!問題の凶器はどこに…」
    眠りの小五郎「そんな物…とうの昔に処分したんじゃないですか?何せ氷だったんですから」
    目暮「こ…氷!?」
    眠りの小五郎「そう、あなたは氷で百合華さんを殺害しようとした!クーラーボックスを製氷機にした氷でね!」
    「!?」
    目暮「し…しかしホテルの冷蔵庫ではそんな物作れないし別の場所で作ったとしても昼間は炎天下で溶けてしまうぞ?」
    眠りの小五郎「一度水を煮沸して空気が入らないやつに分けて凍らせれば溶けにくい氷を作る事ができます。何よりある程度溶ける事も前提だったんですよ。女性が両手で持ち十分威力を発揮しうるサイズまでね。シャワールームにクーラーボックスがあったのはその名残です。そして貴女は盗み出したシーツに氷を包み隣の5-2号室に待機、百合華さんが部屋に戻ったタイミングで背後から襲った」
    木元「…」
    眠りの小五郎「19時50分頃、貴女がSNS上げた写真、恐らく5-2号室で待機してる時に投稿した物でしょう…あたかも犯行時間、自分はコスプレ姿で犯行出来ないと示すために!」

  • 37二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 13:00:10

    目暮「だとしても凶器の氷は何処で溶かしたと言うのかね?少なからず血はつくはずだ。それを溶かせばシャワールームから痕跡が見つかるはずだが…」
    眠りの小五郎「これを使ったんですよ」
    目暮「木工用ボンドと…その透明な物は…」
    木元「!?」
    眠りの小五郎「ラミネートシートですよ。紙が濡れないように保護したりする時に使うね。彼女はまずチェックイン直後にシャワールームの排水溝に木工用ボンドを塗った。コミケが終わり帰ってきた時間ならとっくに乾いてますからね。そして凶器に使った氷をラミネートシートの上に置きそれをシャワーのお湯で溶かした。確実に排水溝に流れるようラミネートシートを調整してね。全て流し終わった後木工用ボンドを剥がせばルミノール反応が出るであろう痕跡は残らない。後はシャワーに入っていたと思わせるために浴室を濡らせば完了というわけです」

    目暮「しかし先のSNSにあげた写真や彼女が使ったラミネートシートは少し無理がないか?」
    眠りの小五郎「SNSに上げた写真は恐らく過去あらかじめ取っておいた物でしょう。そしてラミネートシートは彼女のコミケブースに飾られていた」

    木元「ポスターですよね」

  • 38二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 13:56:25

    木元「SNSであらかじめ連絡を取った来場者にホテルで渡しました。その人は…」
    目暮「よし!その人の部屋に行ってそのポスターを鑑識に回せ!」
    眠りの小五郎「動機は恐らくSNSですね?」
    謙也「木元さん…もしかして…」
    木元「えぇ、あれは2年前…私は百合華に誘われて私はコスプレイヤーとして活動を始めました。そこからはSNSフォロワーも増えて色んな方に声をかけていただけるようになりました。でもある日私のアカウントが炎上したんです。身に覚えのない事でした。色んな作家と二股してるとか金銭を不当に受け取ってるとか…私はその原因を探ったんです。そしたらその原因は百合華だったんです。私は彼女に聞きました。なぜこんなことをしたのかと…そしたら」

    百合華「貴女を思ってやったことよ。あのままだと貴女尻軽女だと思われてしまうもの、貴女にはこれからも私のサークルで売り子やってもらいたいからね」

    木元「私は許せなかった…!そんなふざけた理由で私の楽しかった思い出が…!信頼が失われてしまった事が…!!」
    謙也「すまない!木元さん!それには訳があるんだ!…アンタがその時連絡を取ったアカウントの持ち主は界隈ではかなり悪名高い人で…若いコスプレイヤーに悪戯をして迷惑をかけてた人なんだ…姉さんはそれを心配してその人を遠ざけるために嘘をついて回ったんだ…想像してる以上に炎上してしまった事を姉さんは悔いていたよ…」
    木元「そんな……百合華…」

    高木「目暮警部!病院から連絡です!百合華さんが意識を取り戻したようです!」
    目暮「おぉ、それは良かった!……木元さん、署に御同行願いますか?」
    木元「はい…お願いします…」
    眠りの小五郎「最後にお聞きしてもよろしいですか?何故百合華さんの靴下を脱がせてベッドに放り込んだんですか?」
    木元「いえ…私は…」

  • 39二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 14:11:02

    コナン(後にあの脱げてベッドの下に投げられていた靴下は百合華さんが自身で脱いだ物だとわかった。それには木元さんの化粧がついて来た。頭を殴打され倒れた際ついたようだった。恐らく、彼女が犯人だとバレないように意識が途切れる前にベッドの下に放り投げたのだろう…彼女に対する後悔の念がそうさせたのだろう…)



    そして後日
    蘭「あの二人ちゃんと仲直りできたみたいで良かったね」
    コナン「そうだね」
    小五郎「あの事件か…、ちゃんと直接言えば事件にならなかったのにな…気難しいね。全く」
    蘭「あの二人今度は漫画やコスプレとは違う事もやり始めたみたい!ほら」

    「どうもー!ふぐりんでーす」
    「こちらもどうもー!ユリーでーす」

    蘭「バーチャルライバーだって!」
    コナン(関係修復早すぎだろ…これは想像できなかったぜ…)

    fin

  • 40二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 14:12:15

    思いつきではじめた為若干ガバついてしまいましたがここまで見ていただきありがとうございました

  • 41二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 14:14:33

    おつ
    なかなか面白かったし楽しかった

  • 42二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 14:25:53

    前編ってことは後編もあるのか?

  • 43二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 15:02:40

    こういうSSスレでちゃんとまとまって終わらせてるのすごいな
    おつです面白かった

  • 44二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 15:11:54
  • 45二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 19:04:35

    おつです!話もしっかりしてて面白かったです!またやってほしいな…

  • 46二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 19:33:26

    現代的なシナリオでおもしろかった

  • 47二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 19:35:21

    皆様ありがとうございます。今度やるときはキャラの一人称とかを勉強し直して今度は別キャラも含めてやってみたいと思います

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