トレーナー「リップクリーム?」

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 17:09:11

    「はい♪秋になって乾燥するように
    なりましたからね~。」
    レモン色のリップを手にしたグラスが
    口元を押さえてころころと笑う。
    トレーナー室には加湿機が無い。
    昨年はあったが安物だったためにすぐ壊れてしまったのだ。
    「…加湿器、買わないといけないね。」
    「そうですねー。
    健康維持の面でも大事かもしれません。
    トレーナーさんが風邪をひいたら
    大変ですものね。」
    「それを言うならグラスの方が心配だよ。
    喉が涸れて声が出せなくなったら
    ウイニングライブに出れなくなっちゃうもの。」
    「フフ♪ご心配、ありがとうございます。
    明後日あたり、買いに行きませんか?
    加湿器。」
    「そうしよう…」

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 17:09:43

    リーンゴーン。
    午後13時の鐘が鳴った。
    授業がそろそろ始まるのだ。
    「では、そろそろ…」
    「あぁ、また後でね。」
    「資料作成お疲れ様です。
    …それでは、失礼しました。」
    「お疲れさまー」
    グラスが扉を閉めたのを確認して
    PCに向き直る。
    3日前、理事長から急遽依頼された資料の作成を済ませるため、昨日はほぼ徹夜で
    資料を作っていた。
    おかげで、もう少しで資料が完成する。
    『……あぁー…目がしばしばする…
     やっぱり徹夜は不味かったかなぁ…』
    エナジードリンクを飲んだものの
    どうにも眠くなって来る。
    頭がボーッとして次第に瞼が
    重くなっていくのが感じられた。
    意識はどんどん不鮮明になって行く。
    『…保存だけしとく……か……………スー…スー…』

  • 3二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 17:09:45

    しっとりグラス

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 17:10:46

    トレーナーさん?
    「………ん……」
    起きて下さいトレーナーさん。
    「…う…ん…………グラス!?」
    馬鹿な。今は授業のはず。
    トレーナーはPCの日付を確認する。
    [15:21]
    「…起こしてくれてありがとう。グラス。」
    「フフフ♪あんまり気持ちよさそうだったので起こさずにこのままにしようかと思いましたよ?」
    「……ハハ、面目無いね。
    …とりあえず、トレーニングしようか。」
    「あ、その前に。トレーナーさん、これを。」
    「…さっきのリップクリームだよね?
    いきなりどうしたの?」
    「もう一本買っておいたんです。
    トレーナーさん
    唇が乾いてるようでしたから。
    使って下さい♪新品ですよ~♪」
    「…あぁ、ありがとう。」
    「では、先にターフの方に
    向かっていますね♪」
    ガチャンと扉を閉めてグラスは
    練習に向かった。

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 17:11:03

    『担当に起こされるなんてな……』
    気を引き締めながら、ジャージに袖を通し
    貰ったリップクリームを鞄に入れる。
    レモンの匂いと書かれたポップな
    書体が特徴的なパッケージ。
    男が持つにはやや恥ずかしいものの
    担当の善意をむげにする気は毛頭無い。
    『そういえば最近唇荒れてたな……ん?』
    唇ががさがさしていない。
    それになんだかすっきりとした匂いがする。
    『……これ、レモンか?………………あ。』
    分りやすい位に顔が熱くなるのを感じた。
    気恥ずかしさで倒れそうになる。
    このまま人前に出る訳には
    いけないような気がして
    しばらく外には出れなかった。
    結局、トレーナーは10分後にトレーニングを始める事になった。
    グラスは、休憩の度にニヤニヤしていた。

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 17:15:41

    あー寝てる間にキスしましたねこりゃ

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 18:35:21

    手元にあるのは新品…妙だな

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 19:02:47

    唇だけで済んでればいいですね…

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 21:01:17

    とんでもないグラス、デース!!

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 21:05:27

    間接なのか直なのか……問題はそこだ

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:00:24

    >>5

    練習後の話出来たので追加


    「トレーナーさん、

    練習中ずっとそわそわしてましたけど

    どうかしたんですか?」

    「…ん!?…あ、あぁーうん。

    えーと、普段教えてる側なのにだらしないとこ

    見せちゃったなーって。

    やっぱり、ほら、恥ずかしいじゃん?

    寝顔みられるってさ。」

    練習を終えた夜の18時半。

    既に外灯も点き始め、食堂から

    肉の焼ける匂いが漂って来ている。

    だが、夕飯の匂い以上に

    トレーナーの頭に残っているのは

    練習前のレモンの香りだけだった。

    苦し紛れの応対をグラスは

    いたずらっぽく見つめている。

    「あら~♪そんな事だったんですか?

    てっきり、もっと恥ずかしい事が

    あったのかと思いましたよ?」

    「あぁ、ハハ…面目無いね…」

  • 12二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:01:14

    『遊ばれてる気がする…』
    グラスが気づいているかどうかは
    わからないが、先ほどから
    さらさらとした毛並みの尻尾が
    振り子のようにブンブンと振れている。
    先ほどからの言葉は
    分かってて聞いているのだろう。
    どうにもばつが悪く、暫く黙っていると
    グラスがひとり言のように喋り始めた。
    「ところでトレーナーさん?」
    「……なんだろう?」
    「トレーナーさんって…
    間接キスと普通のキス、どっちが
    恥ずかしいですか?」

  • 13二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:01:57

    「い、いきなり何を言い出すのさ?グラス?」
    「私思うんですよー。
    普通のキスって、するぞって気負って
    するじゃないですか。
    それと比べて、間接キスって
    ふとした瞬間にした事に気づいて
    恥ずかしくなる事が多いと思うんですよ。
    そういう意味で、恥ずかしさの度合いが
    大きいのは間接キスの方ではないかと
    私は考えるのですが
    トレーナーさんはどう思いますか?」
    「あぁー、そうだな…
    僕も君の言う通り、間接キスの方が
    恥ずかしくなる、かなぁ…俺は。」
    『気軽に振る話じゃないと思うんだけどな…』

  • 14二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:02:15

    「フフ♪そうでしたかー。
    なら良かったですね。」
    「…え?」
    グラスの口元が耳に近づく。
    「少なくとも、恥ずかしく無い方で
    しましたから…」
    「ね?」
    「………へ?」
    「それでは、お疲れ様でした~♪」
    「え?ちょっと…」
    グラスは、既に見えていた玄関の奥に
    消えていった。
    『たった今
     直接の方が恥ずかしくなったんだけど…』
    その日、昼寝のせいかは分からないが
    トレーナーはうまく寝れなかった。

  • 15二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:06:33

    リンゴンリンゴ〜ン(乙)

  • 16二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:10:13

    本当はいけない事だけど、小悪魔グラスちゃんに弄ばれたい!こっちが手を出さないの分かった上で誘惑されたい‼︎

    ふぅ…腹を切るか…

  • 17スレ主21/09/22(水) 23:13:42

    >>16

    一緒に…腹切ろう?

  • 18二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:31:02

    >>16

    担当を置いてあの世に逃げるな

    切腹しながら生きろ

  • 19二次元好きの匿名さん21/09/22(水) 23:31:27

    小悪魔グラスちゃんはもっと流行らせろ

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