【SS】僕と彼女と叶わぬ夢(オリウマ?注意)

  • 1シオマネキ22/05/09(月) 08:37:15

    僕の住む町はちょっとした田舎だ。
    小学校は3~4個あっても中学は一つだけ。しかも人口も少なくなってきてる。でも誇れるものはひとつあった。
    中央トレセンの分校が僕の街にはあるのだ。
    そんな廃れるかもしれない町の一学生、それが僕だ。
    部活も終わり帰ろうとすると声が聞こえる。
    「お待たせっ。さ、帰ろうか!」
    僕には中学が同じ幼なじみのウマ娘が1人いる。
    名前は「████」。まだ"本格化"ってものを迎えていないらしく、この中学校に通っている。何歳か下の妹もウマ娘で彼女とは2歳年が離れている。
    二人たわいもない会話をしながら歩く。それだけでも僕は幸せだった。
    「…ってさー将来何になりたいとかある?」
    「やっぱり…トレーナー?」
    帰り道の田んぼで挟まれた道を歩きながら話は弾む。
    「それって、やっぱり私意識してる?」
    「し、してないって!」
    「顔に出てるぞー幼なじみくん?」
    そんな会話が日々を彩る。幼なじみだけど僕からしたら大事な彼女だった。

  • 2シオマネキ22/05/09(月) 08:38:05

    『じゃーん。中央トレセンで走ることになったぞー!』
    三年の冬から春。受験も終わり████から送られてきたのは"トレセン学園の分校の合格通知"だった。
    『でもこれうちの分校じゃん』
    『それでもいいじゃんか!中央で戦えるんだし。』
    『あっちに行くってことは、寮に入るってことか?』
    『そういうこと。寂しくならない?』
    ─寂しいに決まってるじゃないか。
    一度文面を打つ手が止まる。████は本格化の傾向が見られて入ることが決まった。それはつまり彼女と別れるということでもあった。
    聞いた事がある。トレセン学園で出会ったトレーナーとウマ娘は結ばれる可能性が高い、と。
    『寂しいか寂しくないかと言われたら寂しい。』
    『じゃあさ』
    『卒業式終わったら…あっちに行く前に思い出作らない?』
    答えは当然はいだった。

  • 3シオマネキ22/05/09(月) 08:38:37

    あれから少しの時がたった。
    卒業式の後日僕は自分が秘めていた思いを彼女に吐き、愛を確かめあった。そこで2人交わしたものがあった。"三年走り切ってGI勝てなかったらそっちと結婚する"というものだった。
    彼女は地元の分校に行き僕はトレーナーになるためにアパートを借り、遠くの学校へ通っていた。
    定期的に文面は送るものの会えるかと言われたらそうでもなく。ビデオ通話で顔とか合わせられるからまだいい方かもしれない。
    夏になりメイクデビューが始まった。僕は当然応援したけど沈んで、次の未勝利戦でやっと勝った。嬉しくて当然僕は電話でおめでとうを伝えた。彼女は笑いながらも「まだ頑張るから見ててね?」と応えてくたれた。
    そこからGIは勝てなくてもマイラーズカップを制したりと彼女はそこそこの活躍をし、もうすぐ会えると思っていた。あの日までは。

  • 4シオマネキ22/05/09(月) 08:43:54

    「今日未明○○町にある中央トレセン学園○○分校にて」
    ─そこって…
    「寮ひとつを焼く火事があり」
    ─やめてくれ
    「未明ということもあり多数のウマ娘が犠牲となりました」
    ─助かってると言ってくれ
    「亡くなられたウマ娘の中にはGIIマイラーズカップと阪神ウマ娘ステークスを制した…」
    テレビには笑顔を見える████の写真と共に名前があった。嘘だと言って欲しかった。
    あの日々の思い出が頭をよぎる。でも…それはもう無理な話だった。
    もう彼女は

    ─戻ってこない
    のだから。

  • 5シオマネキ22/05/09(月) 08:45:19

    それからの日々は無彩色で彩りが失われたようだった。

    君のいない世界ってこんなにもくすんでいたのだろうか。

    告別式が終わり、彼女だったものは骨となった。

    帰りのラジオからは昔の曲が流れる。今の僕の心を表すような曲が。


    The End of the World


  • 6シオマネキ22/05/09(月) 08:48:49

    なぜ太陽は輝くのか
    なぜ波は打ちよせるのか
    世界は知らないんだ。僕の世界が終わってしまったことを。
    彼女が僕を愛せないから。

    なぜ鳥は歌うのか
    なぜ星は空で瞬くのか
    世界は知らないんだ。僕の世界が終わってしまったことを。
    君の愛がなくなった時に終わってしまったんだ

  • 7シオマネキ22/05/09(月) 08:53:18

    告別式から一夜開けても世界は変わらない
    どうして何もかも同じなんだ
    理解できない 分からない
    なぜ毎日が続くのかが。

    なぜ胸は鼓動を打つんだ?
    なぜ目から泪が零れるんだ?
    僕にはわからない。君がさよならを告げずに去ってしまったあの時から世界は終わっているのだから。

  • 8シオマネキ22/05/09(月) 08:53:52

    以上です。

  • 9二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 08:54:49

    救いはあるんですか?

  • 10二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 08:56:21

    >>9

    そこになれけばないですね

  • 11二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 08:57:35

    重たぁい!!

  • 12二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 09:09:07

    重たい話いいよね…

    無事トレーナーになったあとも引きずって欲しい

  • 13二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 09:12:24

    米津玄師のlemon合いそう

  • 14二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 09:20:46

    >>13

    夢ならばどれほどよかったでしょう

    未だに貴方の事を夢に見る


    これ以外にも当てはまりそう

    やっぱ重いって…!

  • 15二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 09:57:51

    モチーフにしたうまわかったかもしれない

  • 16二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 13:25:32

    あげ

  • 17二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 22:11:01

    掘ってみたけど重いなこれ…
    この子はトレーナーになっても彼女のことを思ってしまうんだなって…

    担当の子と彼女を重ねて欲しい

  • 18帰ってきたシオマネキ22/05/10(火) 05:03:41

    あの日から決まって同じ夢を見る。
    彼女と出会い、学校での日々を過ごし、別れの前に愛を確かめあって…火事で亡くなるのをニュースで知る。
    それが4日に渡って続けられる。そして起きるといつも泣いていた。
    それほどまでに僕は彼女を、赤褐色の栃栗毛のウマ娘を愛し焦がされていたのだろう。
    トレーナーになった今でも。

  • 19二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 05:42:23

    せめて、最後に 笑顔を見せて 欲しかった

  • 20二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 06:44:43
  • 21二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 17:24:32

    スレ主の過去作品とかあったら教えて欲しい

  • 22二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 20:58:04

    >>21

    そんなもの…うちにはないよ…

  • 23シオマネキ22/05/10(火) 21:01:29

    >>22 の言う通りこっちで書くのは初めてなんですよね

  • 24二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 08:59:12

    あげ

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