トレセイ投下所【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:31:53
  • 2二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:32:07

    このレスは削除されています

  • 3二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:32:28

    ありがてぇ…ありがてぇ…

  • 4スレ主 ◆QRtKT4hsi.22/05/10(火) 02:33:30

    一応トリップつけさせてもらいます。では始めます

  • 5二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:33:38

    スレ立て本当にお疲れ様です

  • 6二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:33:57

    このレスは削除されています

  • 7二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:34:02

    圧倒的感謝

  • 8二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:34:13

    このレスは削除されています

  • 9二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:34:45

    ありがとうねスレ主さん…泣

  • 10二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 02:34:50

    このレスは削除されています

  • 11スレ主 ◆QRtKT4hsi.22/05/10(火) 02:35:37

    >>10

    誠にこちらの不手際なのですが爆破が出来ませんでしてお問い合わせはしてあるのでそのうち消えるかと…

  • 12スレ主 ◆QRtKT4hsi.22/05/10(火) 03:03:24

    ──気まぐれな雲のようなウマ娘だと、そう思った。
    飄々としてて、掴み所がなく、決して本心は見せない。しかし心の底では誰よりも負けず嫌いで、誰よりも勝ちたいという気持ちに真摯で、誰よりも勝ちを望んだ。それが己の価値の証明であると確信して。

    …スカイ、ここに居たのか。
    それは何時だったか。スカイは何か思い詰めた時は必ずと言って良いほどこの河川敷に来ていた。
    「…トレーナーさん。私の心を読んだんですか~?ここにいるだなんて教えてませんよ~」
    …いつものように彼女は道化師の顔を被る。けれどももう俺には分かる、彼女の顔の下には耐え難いほどの激情が秘められていることを。

    …スカイ、明日に向けての調子はどうだ?
    「そりゃあもう、絶好調ですよ。空でも飛んでいけるくらいにはぁ」
    …嘘だな。彼女の取り繕った言葉などもう俺には通じない。出会ったばかりの頃には翻弄されてたかもしれない。けれども今は違う。彼女の弱い本心がこれだけでも貫いて感じれた。

    …いい加減素直になってくれよ、スカイ。
    「おや?何のことでしょう?」
    …もう良い。もう良いんだ、スカイ。…明日のレース、怖いんだろ?
    「……………」
    図星のようにスカイが取り繕った笑顔を外した。そして観念したかのような弱い表情になった。
    「…そうですね…怖いですよ。とても、とても」
    ポツリと呟くその本心はまるで質量を持っているかのように耳に残る。
    「…スペちゃんたちは皆強いんですよ。私がどれほど取り繕っても覆せない…そんな時だってあるんですよ」
    彼女たちの同期は皆、強い。セイウンスカイは弱いウマ娘ではない。弱ければ二冠など達成できない。けれども彼女たちは強かった。
    「…足元を掬われるかもしれない、私の予想しない成長を見せるかもしれない…負けるかもしれない。そんな想像したくないんですけどねぇ…嫌でもしちゃうんですよ、私の同期って」
    …実に弱気な言葉だ。彼女のメンタルとしても看過は出来ない。

  • 13スレ主 ◆QRtKT4hsi.22/05/10(火) 03:12:12

    ──らしくないな、スカイ
    「…え?」
    スカイ、君は劣る実力をその奇策でカバーしてきた。そうだろう?
    「そ、そうですけど…」
    負けることを心配するのは良い。彼女たちは強敵だからそう思うのも無理はない。…けれどね、スカイ。
    「…?」
    誰よりも君が負けることを確信してる。…それだけはダメだ。
    「……!」
    …勝ちたいだろう、セイウンスカイ。君は勝ちたいだろう?
    「…当たり前ですよ。勝ちたいに決まってますよ」
    …だから勝つんだ。負けるんじゃない、引き分けるんじゃない、勝つんだ。…スカイ、君は雲だ。誰も掴めない青空の雲だ。君を捉えるものなんて誰も居ない。君は無形だ、だから誰にも捕まらない。…君は勝つよ。絶対に。
    「………………」
    しばらく呆然としていたスカイだったが…やがてふと笑った。
    「…ふっふふ」
    やがて可笑しいのかクスクスと笑い始めた。
    「……いやぁ…スゴいですね、トレーナーさん。良く分かりましたね?」
    …当たり前だろう?俺は君のトレーナーだからな。
    「そうですね、私はトレーナーさんのウマ娘なんですから──それが負けるはずがないですよね、私ったら何を勘違いしてたんだろう」
    その瞳には弱い心などもうない。あるのはただ勝つというその意志。…いや、既にもう勝っているような様子だ。いつものトリックスターが戻ってきた。
    …勝つんじゃない、もう勝ってるんだ。スカイ。
    「…ええ、そうでしたそうでした。──セイちゃんはもう勝ってました。…それじゃあ、後はただの結果見せですね」
    …ああ、けれど油断して足元を掬われないように…それだけは注意してな。
    「モチロンですよ。…私がそんなへまをすると思います?」
    …勝ち気な笑みを浮かべたセイウンスカイは輝いて見えて。…その名の通りに青空のような笑顔だった。…俺はその笑顔に心底見惚れていたのだろう。

  • 14スレ主 ◆QRtKT4hsi.22/05/10(火) 03:12:22

    「けれど困りましたねぇ…私が無形で捕まらないっていうのは良いんですけどそれじゃあどこかへフラリと消えて彷徨ってしまうかもしれませんよぉ?」
    安心してくれ。そうなることは絶対にないよ。…俺が君を死んでも離すつもりはないんだ。
    ……スカイが顔を背けた。軽薄な笑いでからかったつもりだったのか、俺の返答に呆れたのか。罰が悪そうに見た。
    「…そういうのずるいですよねぇ…本当」
    にゃははと頬をかくスカイ。俺にはまだこの時のスカイの心中を慮ることは出来なかった。
    ──スカイの心のその奥底まで覗き込めるようになるのはもう少し先の未来だった。

  • 15スレ主 ◆QRtKT4hsi.22/05/10(火) 03:13:27

    以上が未投下分のトレーナー視点でした

  • 16二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 03:21:06

    トレーナーかっこいいな…
    夜遅くまで乙です

  • 17二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 10:32:32

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 10:33:27

    まだあのスレ残ってるンスけど、荒らし死んだんんでどうします?

  • 19二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 12:10:34

    未投下作品も素晴らしい…。
    いいトレーナーさんだ

  • 20二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 16:51:44

    保守

  • 21二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 00:24:01

    ほしゅ

  • 22◆QRtKT4hsi.22/05/11(水) 02:36:39

    静かですねぇ。夜の海岸ってこんなに静かなんですねぇ、セイちゃんちょっと感動しちゃいました。
    それにしてもありがとうございますね、また私を温泉旅行に連れてきてくれて。いやぁ、驚きましたよ。今度はトレーナーさんが温泉を当てるとは。いやぁ、おじいさん方の驚いた顔がまだ忘れられませんよ。
    …もうちょっと歩きましょうか。これだけ静かなら夜釣りも趣があっても良いかもしれませんねぇ。明日はやります?…今日はやらなくて良いのか?…嫌ですねぇ、トレーナーさん。私はあなたと2人でやりたいんですよぉ。何事も一人より、二人の方が絶対楽しいですからねぇ。だから今日はこうやってトレーナーさんと歩くことを楽しむんです。

    はてさてもう少し歩きましょうかねぇ。トレーナーさん、温泉のお湯加減はどうでしたかぁ?私ですか?最高でしたねぇ。最高すぎて蕩けた気分でしたよ。
    …そうですねぇ、二人きりですしもう少し素直な気持ちを教えてあげましょうかねぇ。同世代の皆と温泉旅行に来る。それはそれでとても価値有るものだとは思いますけどね。私はトレーナーさん、あなたと二人きりで来れて良かったと思っていますよ。…どうしてか?……分かりきってる癖に聞くなんて意地悪な人だなぁ。
    …あなたが好きで好きで愛おしくてたまらないから隣にいたいんですよ。セイウンスカイは。

    もうちょっとだけ教えてあげますね。
    私は今がとても幸せなんですよ。逃げて逃げて逃げた私をトレーナーさんはずっとずーっと追いかけて来てくれましたからねぇ。私もそろそろそれに報いなきゃなぁと思いまして。とはいえやれることなんてそう多くはないから…まずはこうやってトレーナーさんとゆっくり歩くことから始めましょうかねぇ…なんて、柄でもありませんよね。
    でも、この時間は…私にとって世界で一番大切な時間なんですよ、トレーナーさん。だからもうちょっと世界で一番大切な時間を増やしましょうねぇ

    あー、残念。世界で一番大切な時間はそろそろ終わりですねぇ。冷える前に旅館に戻りましょうかねぇ。
    まだ続けてなくて良いのか?…愚問ですよ、トレーナーさん。私はあなたとの時間は大切ですけど、過ごし方は一つじゃないんですよ。
    この前の旅館はあなたとは別の部屋でしたけど、今日は一緒の部屋ですからねぇ。一緒に寝ることはなくともあなたが隣で眠っていれば私は幸せなんですよ。

  • 23◆QRtKT4hsi.22/05/11(水) 02:36:59

    それに夢であなたを見るかもしれないし、朝イチで起きたらあなたの寝顔を見れるかもしれない。あなたが先に起きてたらおはようスカイと言ってくれるかもしれない。…どれもこれも全部幸せなんですよ。
    私って果報者ですねぇ。
    嫌ですねぇ、もう照れなりなんかしませんよぉ。トレーナーさんはずっとずっと素直に気持ちを吐露してくれてましたからねぇ。私も斜に構えるのは止めるんですよ。 あなたの前ではトリックスターはお休みです。今はただのセイウンスカイの素直なキモチ、あなたに届けますよ。
    私は多分どこかでこうやって素直になれる相手が欲しかったんでしょうねぇ。だから、その受け口になってくれたこと幸せですねぇ。
    幸せ過ぎて夢だったんじゃないか?なんて思いますけど…ちゃんと現実ですねぇ。トレーナーさんの手のこの温度も、波打ち際の冷たい風も、静かな波の音も、全部が全部、私が起きてることを教えてくれる。…こうやって幸せなんだなぁって噛み締めるんですねぇ。
    それじゃあ、そろそろ帰りますかねぇ。
    私もおねむになってきた頃ですし…トレーナーさんも寒そうですからねぇ。今日はぐっすり眠りましょう。うん、それが良いですよ~。
    ぐっすり寝て、また明日朝に起きておはようって言って、幸せに行きましょうねぇ。トレーナーさん♥

  • 24二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 12:50:02

    再掲ありがとうございます!

  • 25二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 19:42:57

    保守

  • 26◆QRtKT4hsi.22/05/11(水) 22:33:28

    今日は保守だけさせてもらいます

  • 27二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 02:17:20

    保守します!

  • 28二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 11:22:12

    保守です

  • 29二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 22:44:44

    あげ

  • 30二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 02:37:32

    ほしゅ

  • 31二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 12:36:01

    保守

  • 32二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:08:26

    あげ

  • 33二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 14:22:31

    保守

  • 34二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 20:45:35

    更新待ちです

  • 35二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 00:04:17

    あげ

  • 36二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 11:11:25

    保守

  • 37二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 19:08:46

    保守トレーナー

  • 38二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 07:01:56

    あげ

  • 39二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 12:29:21

    ほしゅ

  • 40二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 23:20:29

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 03:15:37

    もう更新無いのかな?

  • 42二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 11:30:05

    更新どうします?

  • 43◆IEgFvmr41M22/05/17(火) 21:24:57

    水面に浮かぶは二つの浮き。水面は月明かりを反射し、世界が今夜であることを伝えていた。

    「なぁ、スカイ?」
    「なんですか、トレーナーさん」
    この海岸にいるのも二人だけだ。間違いなくこの海岸はもう二人だけの世界になっていた。浮きが動く気配はない。釣りとは耐久だ。時間だけはある。時間を潰すために雑談に興じる。
    「スカイが釣り好きになったのはお祖父さんが切欠なんだよな」
    「そうですよ~、爺ちゃんがそれはそれは熱心な釣り人でして。それでおじいちゃん子だった私は当然のように影響を受けて釣りが好きになったんですよ~」
    「そしてそのスカイの影響も受けて俺も釣りが好きになったんだったな」
    「ふっふっふ~、良いですねぇ。『スキ』が連鎖していていくのって」
    どこか満足そうに笑うスカイを横顔にトレーナーはずっと浮きを見ていた。
    「けどさ、スカイ。それだけじゃないだろ?」
    「『それだけじゃない』とは?」
    「分かってるだろうに…確かにお祖父さんに勧められてやるのは始める理由としては十分すぎるほどだろうけれど…始めるのと熱中するのはでは話が別だろ?」
    「…あー、そういう意味ですね」
    スカイはようやくトレーナーの発言の意図を理解したと言わんように大袈裟に頷く。本当はもっと前から察していたが。
    「確かに私が爺ちゃんに勧められたから釣りを始めたのは切欠に過ぎませんよ。」
    スカイもスカイで浮きに向き直り、ポツリポツリと語り始めた。
    「釣りって要は獲物との駆け引きなんですよね。早すぎても遅すぎても強すぎても弱すぎても、どれだけ行きすぎても相手には逃げられてしまう。…だからこそ策が、駆け引きが光って来るんです」
    無策で挑もうとも獲物は掛かりはしない。スカイはその駆け引きを楽しんでいた。
    「レースと同じですよ。駆け引きの過程がどうやら私には刺さっているようでしてね。…だからこうやって相手が罠にかかるのを待って、耐えて耐えてひたすら耐え忍ぶ……存外、私はそういうものが楽しめる人らしかったので、釣りにもはまったわけですよ」
    「なるほどなぁ…トリックスターの原点とでも言うべき思い出だな」
    浮きにまだ動きはない。波が押し付けて動くが上下しない。
    「それにレースも同じですよ。駆け引きを楽しむのはそうですけど…『勝って』こそだとは思いませんか?」

  • 44◆IEgFvmr41M22/05/17(火) 21:26:37

    「そうだな、スカイは負けず嫌いだからな」
    飄々とした裏に隠した強烈な負けたくないと言う闘争心の高さ。不安定ながらもそれがセイウンスカイをセイウンスカイたらしてめていたのだ。
    「…それで、恋の駆け引きはどうだった?」
    「……っ、それ…言い出されると辛いんですけど…!」
    途端に飄々していたスカイは顔が赤くなる。ただの年頃の少女の一面を見せた。

    「…そんなに器用じゃなかったみたいですよ、私は。自分の感情の整理が出来てなかったみたいですし…結構逃げちゃってましたし」
    トリックスターは恋に奥手だった。その事実だけで彼は彼女のことが愛おしくなった。
    「まぁ、大丈夫さ。これから君が逃げても俺は絶対に追い付く」
    「そりゃあ楽しみにしてますよー……私を捕まえた責任…取って貰いますから!」

    浮きが上下し始めた。強い揺れだ。大物がかかった。スカイはすかさず竿を手に取った。

    「私は気まぐれな獲物ですからしっかり釣り上げないと逃げちゃいますよ!」
    「一生離すつもりはないから、安心しろ!」
    そして夜の海岸に影は重なり、大きな波の音が上がるのだった。

  • 45二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 21:30:39

    更新来てる!?

  • 46二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 07:22:13

    保守

  • 47二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 12:28:38

    更新嬉しい…。

  • 48二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 22:12:30

    保守

  • 49二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 06:25:52

    保守

  • 50二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 12:48:53

    保守

  • 51二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 23:32:44

    更新待ち

  • 52二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 08:26:33

    あげ

  • 53二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 18:26:08

    更新待ち

  • 54二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 18:26:56

    たまにはAIのべりすとにぶちこんで反応を見てみても良いかもしれません

  • 55二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 00:24:58

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 11:12:49

    あげ

  • 57二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 20:22:41

    まち

  • 58二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 08:02:24

    保守

  • 59二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 17:53:51

    更新もう無いのかな?

  • 60二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 01:52:59

    一旦保守

  • 61二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 08:29:59

    ほしゅ

  • 62二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 19:49:57

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん22/05/24(火) 07:09:52

    あげ

  • 64二次元好きの匿名さん22/05/24(火) 07:11:50

    あげ

  • 65二次元好きの匿名さん22/05/24(火) 18:31:54

    保守

  • 66二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 01:58:43

    待ちます

  • 67二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 12:35:17

    とりあえず更新待ちします
    もし落とすなら言ってくださいませ

  • 68二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 22:52:23

    保守

  • 69二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 10:16:33

    待ちます

  • 70二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 21:13:54

    待ち

  • 71◆QRtKT4hsi.22/05/26(木) 21:15:08

    お久しぶりです、スレ主です。あと二つほどSSがあるのでそれを投下した後はスレを落としてもらって構いません

  • 72二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 22:35:16

    お久しぶりです!
    了解しました、お待ちしてますね

  • 73二次元好きの匿名さん22/05/27(金) 09:00:40

    保守

  • 74二次元好きの匿名さん22/05/27(金) 20:09:25

    保守

  • 75二次元好きの匿名さん22/05/28(土) 04:16:55

    SS待機

  • 76二次元好きの匿名さん22/05/28(土) 04:53:51

    この出会いは運命だったか、必然だったか、偶然であったか。結局どれでもこの結末は変わらなかったのかもしれない。ともあれ、トリックスターは本懐を果たした。今まで欲しかったものを手に入れ、これからも欲しいと望むものを手に入れることが出来るだろう。

    「…お、来ましたね」
    彼女は鏡に映っている自身の姿を何度も何度も見ていたようだ。まるでそれが現実であるか疑わしいかのようにセイウンスカイはその現実を噛みしめていた。
    ─似合っている、スカイ
    「それだけですか?もっとこう他に言うことあるんじゃないんですかぁ?」
    どうにも姫はそれだけの褒め言葉では不服なようだ。しかし今日は彼女の一生に一度しかない日。ヒロインのわがままを叶えるのはヒーローの役目だ。
    ────綺麗だスカイ。…世界で一番
    最後の最後で照れが来てしまったがそんなところもセイウンスカイの心を刺激する。普段の飄々としたセイウンスカイはいない。そこにいるのは世界で一番輝く女性だ。
    「やっぱ嬉しいですね。世界で一番好き人にそう褒められるのは…」
    しかしそれは照れ隠しのようなものだ。けれども彼にとってスカイが世界で一番綺麗なのは間違いない。今この瞬間においてスカイを勝る美しさはないと彼は自信をもってそう言えた。
    「セイちゃんのこの姿は一生に一度きりですからね?よーく見て下さね?」
    純白のベールに包まれた彼女はどんな景色よりもどんな絶世の美女よりも、そしてどんな花よりも世界で一番綺麗だった。

    「…セイウンスカイさん…出番です」
    彼女の呼びに来た係員が来たことで二人きりの世界は終わる。けれども構わない。
    「あー時間ですね…まぁ今だけが私たちの時間じゃあありませんし…また後でお話ししましょう」
    雲は離れていくがいつも同じ空に還る。それを確信させるように二人は離れていようとも必ずまた会う。大袈裟な話だが二人きりの時間がなくとも彼と彼女はちゃんと分かり合えているのだ。

  • 77◆QRtKT4hsi.22/05/28(土) 04:55:11

    式場へ向かう道の途中。スカイを二人の人物が待っていた。
    「スカイさん…おめでとう」
    「キング…」
    正装に身を包んだ一番の親友に祝福されスカイは破顔する
    「ありがとう。次はキングの出番だからね?」
    「おばか、今日の主役はあなたでしょう。今日は私は華を添える係に徹させてもらうわ」
    「…うんありがとう。やっぱりキングが親友で良かったなと思うよ。キングに会えてよかった」

    次の人物は輝く目線をスカイに贈っていた
    「あの…スカイさん。とてもお綺麗です!」
    「ありがとう、フラワー。いつかはフラワーもこれ着ることになるから参考にしておけば~?」
    どこかおちゃらけた言葉だがニシノフラワーの輝く視線は変わらない。
    「…やっぱりスカイさんは私の憧れの女性ですね…それはスカイさんがご結婚されても変わりません…」
    「じゃあその憧れの女性からのありがたいアドバイスね…うん、フラワーはそのままで良いと思う。そのまま誰かを好きになって、素直に生きればいいよ」
    まるで自分の人生が素直ではない連続だったかのようなアドバイスを残した。
    「それじゃあ二人ともありがとう…行ってくるよ」
    そうして彼女はヴァージンロードに歩み出す。

    「…本当におめでとう、スカイ」
    「…爺ちゃん」
    ヴァージンロードの前で待っていたのはすっかり高齢になってしまったスカイの祖父だ。けれども今日この日だけはと祖父は譲らなかった。
    「ああ…本当に、孫の晴れ舞台を見るために長生きはするものだな…」
    感慨深い、その感情が一心に伝わってくる。
    「まだわんぱく少年のようだったお前の姿と今のお前の姿…どちらも大切な思い出だ…」
    「…爺ちゃん。…うん、私も…爺ちゃんの孫で良かった。爺ちゃんに釣りを教えてもらえて…良かった」
    スカイは根本的にお爺ちゃんっ子であることは誰の目にも明らかだ。だからヴァージンロードを歩くのにこれほど最適な人物はいない。
    「さぁ…最後の仕事をしよう。そしてここから先は…お前の選んだ彼とともに幸せになるのだよ」
    祖父の言葉はスカイの胸に深く突き刺さり、そして心の中で至純の感謝を告げた。
    ヴァージンロードを進む、後から来るであろう彼の事を想う。今会えないのは寂しい気持ちもある。叶うのならば共に過ごしていたいとも。けれども…けれどもスカイはこの輝かしい日々を祝福してくれる人々も大切だ、だからと誓う。

  • 78◆QRtKT4hsi.22/05/28(土) 04:55:42

    ────だから、これから先、何度でも…何回でも愛を誓い…囁き合いましょう。


    「一生一緒、ですよ。トレーナーさん」

  • 79二次元好きの匿名さん22/05/28(土) 12:16:14

    結婚式だぁ…。
    ありがとう…ありがとう

  • 80二次元好きの匿名さん22/05/28(土) 21:23:17

    待ってて良かった

  • 81二次元好きの匿名さん22/05/29(日) 08:54:07

    結婚おめでとう....

  • 82二次元好きの匿名さん22/05/29(日) 11:03:20

    いいじゃないか……

  • 83二次元好きの匿名さん22/05/29(日) 21:36:56

    あげ

  • 84二次元好きの匿名さん22/05/30(月) 00:29:16

    保守

  • 85二次元好きの匿名さん22/05/30(月) 07:20:17

    ほしゅ

  • 86二次元好きの匿名さん22/05/30(月) 15:23:22

    次がラストか

  • 87二次元好きの匿名さん22/05/31(火) 01:38:48

    保守

  • 88二次元好きの匿名さん22/05/31(火) 09:52:41

    保守

  • 89二次元好きの匿名さん22/05/31(火) 16:26:36

    あげ

  • 90二次元好きの匿名さん22/05/31(火) 20:28:36

    ラスト待ち?

  • 91二次元好きの匿名さん22/06/01(水) 01:37:20

    ラストは明日に。

  • 92二次元好きの匿名さん22/06/01(水) 01:53:25

    お待ちしてます

  • 93二次元好きの匿名さん22/06/01(水) 08:31:32

    待機

  • 94二次元好きの匿名さん22/06/01(水) 12:32:11

    あげ

  • 95二次元好きの匿名さん22/06/01(水) 21:46:38

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん22/06/02(木) 07:08:47

    まち

  • 97二次元好きの匿名さん22/06/02(木) 12:26:06

    保守

  • 98二次元好きの匿名さん22/06/02(木) 21:48:51

    待機

  • 99◆QRtKT4hsi.22/06/02(木) 23:07:23

    遠い日、遠いところ、遠い場所に旅立つってどんな気持ちなんでしょうかねぇ。…なーんて聞いても分かりませんよねぇ。

    …そっちは楽しいですかぁ?睡眠時間は規則正しいですか?ご飯ちゃんと食べてますか?そもそも食事という概念があるんですかねぇ?…まぁ、答えてくれないのは理解してますって。これは独り言だから気にしなくて良いですよ。

    …見えてます?あの子達の姿。昔はあんなに小さかったのにいつの間にかあの娘たちも小学生ですよ。多分将来はトレセンに入るんでしょうねぇ。それで、多分沢山走って、沢山笑って、沢山泣いて、沢山の仲間に出会って…運命の相手に会えるんでしょうねぇ。

    私ですか?最近は釣りに行くのも辛いですよ。あの子達にも心配されますし、もうそんな歳でもないっていうのが残念ですが現実ですからねぇ…けれどたまには無心で釣り、やりたいんですよねぇ…まぁ、やってももう竿を全力で引っ張る力もないんですけどね。

    …何かしんみりしちゃいましたね。…そうですね、私も年を取りましたね…取りすぎちゃいましたね…昔はあれこれ泰然自若と考えていたつもりですけど、今は穏やかな心持ちですよ。いつか来る終わりに対して心から受け入れられます…

    うーん、けどあなたはまだ来るな、って言いますよね。あなたってそういう人ですから。…だからもうちょっと頑張ります。頑張って走り抜けますよ。走り抜けて、走り抜けて、走り抜いた先にまた逢えたならその時はちゃんと歓迎して下さいね。

    …曾孫たちに呼ばれてますねぇ…じゃあ、行きますからね。……また近いうちに逢えますよね、「トレーナー」さん。

    …なんちゃって。

  • 100二次元好きの匿名さん22/06/03(金) 01:04:59

    お疲れ様でした!
    何かこう、2人の距離感がすごく良くて、楽しく読ませてもらいました!

  • 101二次元好きの匿名さん22/06/03(金) 12:04:28

    めっちゃ良き!

  • 102二次元好きの匿名さん22/06/03(金) 12:06:00

    曾孫の代まで....幸せだぁ!

  • 103二次元好きの匿名さん22/06/03(金) 12:14:40

    完走おめでとうございます&お疲れ様でした!
    おばあちゃんになっても幸せなセイちゃん見れてよかったです

  • 104二次元好きの匿名さん22/06/03(金) 22:45:26

    お疲れ様でしたー!

  • 105二次元好きの匿名さん22/06/04(土) 09:57:40

    今までありがとうございました!またの新作お待ちしてます!

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