- 1二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 12:37:35
- 2二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 12:50:41
コナン「まさか現場に着く前に犯人が自主するとはね…」
小五郎「あぁ…全くだ…交通費は出してくれるらしいが飛んだ骨折り損だぜ…周りは畑と線路と…ファミレスくらいか…仕方ねぇからあそこで飯食うか」
コナン「そうだね…」
ファミレス
小五郎、コナン「「美味ぇぇぇぇ!」」
小五郎「こんな美味いステーキ食えるのは…!仕事が無くなったとはいえ遠路遥々来た甲斐があったぜ!」
コナン「だね!おじさん、このパンも美味しいよ!」
小五郎「こりゃ美味い!持ち帰りてぇくらいだ!」
「お褒めいただきありがとうございます。こちら、当店が北海道産小麦から丁寧に練り上げ釜で丁寧に焼き上げた当店の看板メニューとなっております」
小五郎「おや?貴方は?」
笹本「申し遅れました。当店のオーナー笹本と申します。失礼ですが毛利小五郎様ですか?」
小五郎「えぇ、そうですが…」
笹本「おぉ!やはりそうでしたか!私毛利様のファンでしていつも推理拝見しております!もし良ければサインでも…」
小五郎「えぇ、よろしいですよ」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
ガヤガヤ
小五郎「にしてもヤケに外が騒がしくなって来ましたな」
笹本「…またこの時期が来てしまいましたか…?」
コナン「この時期ってなーに?」 - 3二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 12:59:02
好き
- 4二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 13:04:11
笹本「この時期になると鉄道車両をカメラに収めようと躍起になる人達…言わば撮り鉄の方々がこの付近に来られるようになるのです…どうやら絶好の撮影スポットらしく、それに今日は晴天ですから畑の緑と相まって素晴らしい絵になるとか…」
小五郎「確かオリオンとか言う寝台特急が北海道線で期間限定の運行するとかテレビでやってたような…」
コナン「だからあんなに沢山の撮り鉄のひとが集まってるんだね」
笹本「そうですね。あっ、そろそろ通りますよ」
パァーーーーーー
パシャ パシャッ
パシャ
パシャッ パシャッ
小五郎「凄い熱の入りようですな。ここまでシャッター音が聞こえてきやがる」
コナン「撮り終わったらすぐ帰るんだね」 - 5二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 13:04:35
東京と北海道で時差あったっけ? と一瞬思った
- 6二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 13:27:53
笹本「そうだ、毛利様!こちらのパン、お持ち帰りにも対応しておりますのでもしよろしければ1セットいかがでしょうか!」
小五郎「おっ!では一つ貰いましょうか!たまには蘭に土産の一つや二つ買ってやらんとな。それとデザートでアイスを二つお願いします」
笹本「かしこまりました」
「いやぁ、良い写真撮れましたね。画浴さん」
「俺にかかれば楽勝よ」
「オリオンも迫力ありましたねぇ…」
笹本「画浴さん…いらっしゃいませ」
画浴信彦(38)撮り鉄「おう!笹本さん、今日もいつもの頼むぜ」
笹本「はい…いつものとは…」
画浴「なんだよアンタ、オーナーなんだろ?常連のメニューくらい」
本部長雄(28)撮り鉄「まぁまぁ画浴さん、仕方ないですよ!あっ、ステーキセット2つお願いします!高谷先くんはどうする?」
高谷先三条(21)撮り鉄「僕も同じメニューでお願いします…」
画浴「それにしても地元の連中はいちいち煩かったなぁ…少しくらい多めに見ろっての」
本部「マナーの悪い他の撮り鉄の所為でこっちまで迷惑被るのは勘弁してほしいですね」
高谷先「ですよね…あっ、画浴さん。今日もまた撮った写真頂けますか?参考にしたいので」
画浴「良いぜ、ただし…授業料は高くつくぜ?」
高谷先「はい…お金はこちらに…」
本部「高谷先くん…!?画浴さん!1枚くらいいいじゃないですか!わざわざお金なんて取らなくても」
画浴「なんだ?俺に意見するのか?俺がいなきゃ今回のオリオンも撮れなかったんだぞお前らは!」
高谷先「本部さん…僕は大丈夫ですから…」
本部「…すいません…失礼しました…」 - 7二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 13:37:47
本部「僕、ちょっと手洗いに行ってきますね…」
コナン「あの3人…ただの仲良しって訳じゃ無さそうだね…」
小五郎「あぁ、あの画浴って人の独壇場って感じだな…歳下にたかるとは…情けねぇぜ」
「お待たせしました。デザートの北海道アイスです」
小五郎「おぉ!香りからして美味そうだな」
高谷先「本部さん、随分と長かったですね」
本部「ちょっと我慢してたから…つい」
笹本「お待たせしました。ステーキセット3点とこちら当店看板メニューのパンになります」
画浴「パン?俺は頼んだ覚えねぇぞ?誰だよ頼んだの」
本部「まぁ良いじゃないですか!せっかく3つあるから一つずつ食べましょう!ほら、高谷先くんも!」
高谷先「はい…では、もらいます」 - 8二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 13:57:28
- 9二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 14:20:48
本部「画浴さん!?」
高谷先「どうしたんですか…突然…!?」
小五郎「俺に見せろ!あんたは救急車と…警察を呼んでくれ…もう亡くなってるよ」
本部「そんな…」
小五郎「笹本さん!店内に残ってる客は一人たりとも外に出さないでくれ!それと店内の物には触らないように言ってくれ!」
笹本「はいぃ!」
コナン(この人の口内からアーモンド臭…)
小五郎(恐らくこれは青酸カリによる毒殺…!)
コナン(だとすれば容疑者は料理を運んだ笹本さんと…)
小五郎(同じテーブルに座っていた二人のうち誰かだ!) - 10二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 15:32:04
警察到着
道警刑事「西村警部は別件を担当しておりまして代わりに我々が捜査を務めさせていただきます。毛利探偵」
小五郎「あぁ、頼む…では貴方達の取り調べは私たちが担当します」
高谷先「毛利小五郎って…あの名探偵の…」
笹本「毛利さん、何故私たちは別なのでしょうか?」
本部「もしかして俺たちのうち誰かが犯人なんですか!?」
小五郎「その可能性が大いにあるという事です。早速ですが画浴さんが倒れる直前までの状況を教えてもらいましょうか」
笹本「私は厨房の方におりました。お客様に料理を運ぶ為に。その際厨房担当と会話してました」
本部「僕は高谷先くんと画浴さんと一緒に食事をしながらカメラの話をしてました。そうだよな、高谷先くん」
高谷先「はい…その通りです」
小五郎「ところで貴方達の関係は?」
本部「僕らは撮り鉄仲間です。まぁ画浴さんがリーダー的立ち位置で僕ら二人はそれに着いて行く形でしたけど」
高谷先「はい、僕たちは画浴さんを師事してまして…カメラや機材も同じメーカー同じ機種で揃えてるんです。今鑑識さんに渡して手元にはありませんが…」
コナン「画浴さんにはどんな事教えてもらってたの?」
高谷先「えっと…被写体の捉え方とか画角の撮り方とか、色んなこと教えてもらってたよ」
本部「他にも機材の事とかを詳しく教えてくれたよ画浴さんは。まぁ自慢話混じりだったけど」
コナン「そうなんだー!ねぇ、僕にもちょっと教えてよ」
小五郎「おい坊主!取調べの邪魔さんじゃねぇ!すいません、ちょっとこいつ預かってもらえませんか?」
ファミレススタッフ「かしこまりました。さぁ向こうでテレビでも見てお父さん待ってよ」
コナン(ちくしょー…まだ色々聞きたいことあったのに…それに毒の所在もまだわからねぇのに…). - 11二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 15:57:47
控室
コナン(毒が何処から出たかわからないけど大方予想はついたし後でこっそり鑑識の人に聞くか…動機は金銭トラブル…?それともすれ違い…?)
テレビ「今回は特集、あの日から年月を得てをお送りいたします」
コナン(このコーナーは…確か数年前の事故や事件振り返るやつだよな…)
テレビ「今回は5年前、悪質な撮り鉄のマナー違反が起こした悲劇的な事故振り返ろうと思います」
コナン「これって…もしかして!!」
スタッフ「ちょっと!?君!何処行くんだい!?」
コナン「ちょっとトイレ!」(分かったぞ…!動機も…!画浴さんには毒を盛った方法も!) - 12二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 16:39:35
小五郎「それで毒は何処から出たか分かったか?」
鑑識「はい、毒は画浴さんの両手とカメラと彼が使っていた食器類から検出されました。特にカメラの蓋から…それ以外から検出されませんでした」
コナン「よーし、丁度いいところに…!」
パシャっ
小五郎「おぉぉぉん!?…また…睡魔ガァ…」
ドサッ
眠りの小五郎「わかりましたよ犯人が…」
笹本「本当ですか!?」
本部、高谷先「「!?」」
眠りの小五郎「では順を追って御説明しましょう。まず入店した時にはまだ画浴さんの手には毒はまだ付いていなかった。毒が手についたタイミングは料理がテーブルについた段階!全員がカメラを取り出した時です。その時にカメラの蓋に塗られた毒が手に付着したんです。本部さん、貴方が用意した毒がね!」
本部「ちょっと!?待ってくださいよ!おかしく無いですか?蓋に毒を塗るなんて誰でも出来るじゃないですか!それこそもしかしたらオリオンを撮ってた群衆の誰かがやった可能性も…」
眠りの小五郎「確かにここにはいない別の人間がやった可能性もあります。だが同時に貴方が行った可能性も同じくあるんですよ。見てください。この蓋を、そして見比べて下さい。カメラと蓋を!」
高谷先「傷だ…画浴さんのカメラの方には少なからず傷がついてるのに毒の付いたカメラの蓋には傷が無い!」
眠りの小五郎「そうです、画浴さんのカメラの蓋に毒が塗られたのでは無い。毒が塗られた別のカメラの蓋とすり替えられたのです」 - 13二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 17:01:30
本部「それでも同じだ!誰でも出来る!」
眠りの小五郎「誰でも?この反応は画浴さんの所持するカメラの機種とメーカーが分からないと成り立たないんですよ。それを分かってるのは貴方達二人だけ。恐らく撮り鉄の群衆の中ですり替えたのでしょう。そして貴方は画浴さんが毒を摂取する様に誘導した」
笹本「ど…どうやって…」
眠りの小五郎「パンですよ。貴方はトイレに席を立つ際パンを追加で注文した。よっぽどの事が無い限りパンを箸やフォークで食べる人はいません。基本手掴みですからね」
本部「…」
高谷先「本部さん…なんで…」
眠りの小五郎「動機は5年前の出来事でしょう。5年前、悪質な撮り鉄のマナー違反が引き起こしてしまった悲劇が…」
本部「そうだ…5年前…俺の子供はそいつらのせいで犠牲になった…!!…その時、俺には生まれたばかりの子供がいた。だけど突然体調を崩して俺達夫婦は救急車に乗って病院に向かうことになった。しかし!その通り道に撮り鉄どもは路上駐車をして道路を塞いでいた!その所為で俺達の子供は病院に間に合わずそのまま息を引き取った…!そして俺の妻も後を追うように自ら命を絶った!」 - 14二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 17:15:07
本部「そして俺は復讐を誓った!自分勝手な撮り鉄どもに制裁を加えて反省を促してやろうと思ってな!画浴を選んだのはアイツが自分が写真が上手いことを良いことに自分の取り巻きにして都合良く扱ってた身勝手なやつだったからだ……だけど…結局は俺も同じだな…探偵さん…アンタが羨ましいよ。親子でファミレスに飯食いに来れるアンタがな…俺も…家族でそうしたかった…」
小五郎「ったく…結局北海道来ても眠っちまった…」
コナン「だけど名推理だったよおじさん!」
小五郎「まぁな!俺にかかればざっとこんなもんよ!それにこんなに土産貰っちまったからな」
コナン「凄いねおじさん!ソーセージにベーコンに野菜にパンまである」
小五郎「笹本さんが事件解決のお礼でくれたんだ!アイスもクール便で届けてくれるってよ!」
コナン「蘭ねぇちゃんも喜ぶね!」
fin - 15二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 17:28:31
アニオリで普通にありそうなレベルで良かった。
サンキュ - 16二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 18:13:24
乙
おっちゃんとコナン傍から見たら仲良し父子だもんな… - 17二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 19:09:19
乙
面白かったけど切ないな…アニメ見てるときみたいに楽しめた - 18二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 19:18:43
皆様感想ありがとうございます。
今回は1話だけで収められるようコンパクトな展開にしてみました。舞台を北海道にした後で西村警部の事を思い出してしまいましたが北海道は馬鹿広いので小五郎とコナンの二人で回るようにしました。
前回よりはガバ要素なく描けたと思いますコミケの夜の悲劇(前編!)|あにまん掲示板小五郎「にしてもあちぃなぁ…」蘭「じゃあスーツ脱いだら良いじゃない、水飲む?」小五郎「ありがとな…でもスーツ脱いだだらしねぇ姿見せるわけにはいかねぇじゃねぇか…俺は毛利小五郎だぞ?どこで誰が見てるかわ…bbs.animanch.com