- 1二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 02:41:00
状況を遅れて理解する、自分は今押し倒されているらしい...スカーレットに。
スカーレットは見るに興奮状態のようで、頬を紅潮させ、呼吸も静かに、しかし明確に乱れている。何があったか、そう俺は確か指を切って、棚から絆創膏を取り出そうとしていた筈だ。それが何故───。
本来抵抗すべき事態だ、力では叶わなくとも大声を出すなりすることはできる、それすらしないのは、彼女のその眼のせいだ。
捕食者に睨まれた被食者、といえばそれっぽいだろうが、それとも違う、地面に思い切り押し付けられ、こちらを真っ直ぐに見つめるその赤い瞳は、何故かこちらの抵抗の意志すら優しく奪う。
スカーレットは、ただ一言「ごめんなさい」とだけ呟いて、顔を近づけてくる。互いの唇同士が触れ合う...と思いきやそのまま通り過ぎたその口は首に、そして次の瞬間激しい痛みに襲われた。
首が熱い、と同時に手足が冷えていくのがわかる、わかりやすく弱っていく体を自覚しつつ、しかしその意識も次第に朦朧としてくる。妙なことに恐怖はなく、むしろぼんやりとした幸福感にすら覆われ...そのまま意識を手放した。
「ごめんなさい...ごめんなさい...」
意識を取り戻すと、傍ではスカーレットが泣いていた。
「...!良かったぁぁぁ〜〜〜...アタシ...我慢できなくって、アンタの血を見たら...目の前が真っ赤になって...気づいたらアンタ動かなくなってて...死んじゃったかと思って...」
「ねぇ、アタシどうなっちゃったんだろう、血があんなに美味しくって...アンタをあんなに傷つけてるのに止められなかった、嫌だったのに、全然止まんなくって...!」
捲し立てる彼女にかける言葉はなく、彼女が落ち着くまで重い体でただ寄り添っていた...。 - 2二次元好きの匿名さん21/09/23(木) 02:45:42
ただでさえ時化てるねいちゃに吸血化を合わせたらどうなってしまうんだ