- 1図書委員22/05/12(木) 21:39:26
- 2二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 21:41:00
待ってる
- 3図書委員22/05/12(木) 21:41:29
※元スレの方は「肉親が事故で亡くなった」「マルゼンスキーとクリークになぐさめて欲しい」とおっしゃっていました。本作は必ずしもその内容に沿うものではなく、主要な登場キャラはマルゼンスキーのみです。
※実装されていない史実モデルキャラが1名、独自設定で登場します。
※本作には残酷な描写はありませんが、キャラクターの「老衰」「死」を暗示する描写があります。
※本作は全ての文章において、善意とキャラクターへの愛情を以て描いていることをお約束いたします。ですが、善意と愛情が毒とならないという保証はありません。
※それでも、間違いなく愛を以て書いたんだ。 - 4図書委員22/05/12(木) 21:43:41
走っていた、走っていた。レース場なんかじゃなく――どこだろうここは、とにかく見知らぬ街中、アスファルトの上――、とにかく私――マルゼンスキー――は、自らの脚で走っていた。
走っていた、そのはずなのに。上がっていた、息が。唇が乾き、舌が粘りついていた。体は重く、まるで鉛のジャケットでも着ているよう。走るどころか、気がつけば歩いていた。手にした杖――接地する部分が四股に分かれた、しっかりしたもの――にすがりついて。
目を瞬かせてそれを眺め、苦笑する――いやだわ、どうしてこんな物持ってるのかしら。まるで私が――。
そこまで考えて、立ち止まっていることに気づいて。私はまた歩き出す――そうだ急がなくっちゃ、こんなところで止まっていられない。そうだ確か、今日は大事なレースの日、ずっと戦いたかった先輩たち、上の世代の三強との、だから――。 - 5図書委員22/05/12(木) 21:44:21
そのとき。声が聞こえた。耳から入って反対側の耳まで貫くような、大きな声。
「あぁっっ!? いたあああぁっ!!」
何事かと思う間に声の主は駆け寄ってくる、そのウマ娘は――濃い栗色をした髪は肩にかからない程度で切り揃えられていて前髪だけが白い。その頭を巡るように巻かれたものは編まれた地毛だろうか、そういう形のヘアバンドだろうか――。
彼女は駆け寄って私の手を取る。
「良かった……良かったぁ、なまら心配したべさ……大丈夫、おばあちゃん?」
聞いて、さすがに頬が引きつる。
おばあちゃん、ですって? このピチピチヤングギャルを捕まえて?
腰に手を当て、少しだけ唇をとがらせて私は言う。
「ね。それはちょびっとごあいさつじゃない? 知らない人に対して」
彼女は口を開けていた。その唇が震え出し、目元も震え出し。きつくつむったまぶたの端から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
「おばあちゃん! 私だよ、私だよ! 孫の――」 - 6図書委員22/05/12(木) 21:45:06
孫?
私は首をかしげた。私たちの可愛い孫はついこの間生まれたばかりで、そうだ確か私の似顔絵をもらったわクレヨンでぐじゃぐじゃと描いた線のようだったけれど彼女の三歳の誕生日に――
――あれ?
私が再び首をかしげる間に、彼女は強く手を握ってきた。
「ねえ、とにかく、帰ろう? 帰りましょう、一緒に」
私は肩をすくめ、ため息をつく――チョベリバだわ、急がなくちゃいけないのに。だって早く帰って、夕飯を作らないといけないのに、あなたと子供たちに。いつまでも待たせるわけには――。
そう思いながら少女に目をやると。
彼女が私の手を強く握る、その手とは反対の手で。何度も涙を拭っていた。
私は小さく笑った。
「メンゴメンゴ。帰りましょう、おばあちゃんと一緒にね。だから泣かないで、ね?」
彼女の頭をゆっくりとなでる――持ち上げた私の手はなんだか重くて、震えていた――。
また涙を拭ってうなずく彼女を見ながら、私は思う――ごめんね、あなた。もう少しだけ待っていて。だってこの子のこと、放っておけないでしょう――。 - 7図書委員22/05/12(木) 21:46:42
少女が私の手を引いていったのは、清潔感のある建物だった。病院のよう、けれどどこか暖かみのある色合いの壁。
自動ドアの玄関が開いて、飛び出してきたのは娘と孫たちだった。
「お母さん! 大丈夫、どこ行ってたんですか!」
娘の声を尻目に、孫たちが駆け寄ってくる。
「うわああああーーーんっ! どこ行ってたのおばあちゃーーんっ!!」
「おばあ様……大丈夫、おケガはない……?」
「おばあさま~、ゆっくりお散歩できましたか~、うふふ」
孫たちと、よちよち歩きのひ孫の頭をなでながら私は笑う。
「はいはい。大丈夫よ、みんないい子ちゃんね」
そうして、職員の方に連れられて、私は施設の部屋に帰っていった。
私のそばであなたが言う。
――まったく、どうしちゃったんだい。孫の顔も忘れるなんてさ――
「うふふ。そうね、どうかしてるわ。でもちゃんと覚えてるわ、今日はあなたとの結婚式。さ、式場に急ぎましょう」
あなたは肩をすくめ、息をつく。
――おいおい、ずいぶん遅刻したもんだな。この花嫁さんは――
「本当ね。メンゴメンゴ」
そうして私たちは、同じ顔をして笑った。 - 8図書委員22/05/12(木) 21:49:49
気がつけば。いつの間にか眠っていたのか、私はベッドの上にいた。すぐそばの窓から、レースのカーテン越しに昼の光が降り注いでいる。家族は――夫も――帰ったのか、姿は見当たらなかった。
代わりにお客様がいた。
「やあ。調子はどうだい、マルゼンおばあちゃん」
小さなシルクハットのような髪飾りを頭に載せた、ミスタシービー。ただその髪には白髪が目立っていたし、何より。車いすに乗っていた。
私は息を呑み、思わず口元を押さえる。
「どうしたの、それ……それじゃあ、レースには……」
彼女は目を見開き、それから口の端を吊り上げて笑った。
「へえ……キミは思うのかな、少しでも。車いすに乗ったぐらいで、ミスターシービーさんの自由が阻まれるとでも?」
言って軽やかに、その場で車いすを転回させてみせる。一回、二回と、素早くはないが優雅に。
それがどこかフィギュアスケートの技のように見えて、私は小さく拍手した。
「なるへそ、心配は要らないみたいね。そうだ、それより主人が来てたんだけど……あなた、あなたー?」
あなたを呼ぶ声はしかし、返事のないまま宙を漂って消えた。 - 9図書委員22/05/12(木) 21:51:00
彼女はつぶやく。
「妬けるね」
ゆっくりとうなずき、優しく目を細めて続けた。
「『二万四千回のキッス』で、寺山修司が詩うところ。『はじめてのキッスをしたとき、おまえはまだ七歳だった。そして我輩は九歳だった。リラの花咲く墓地で、キッスはなんだか魚の味がした』」
「『二万回目のキッスをしたとき、おまえは腸カタルで養老院に寝ていた。我輩は、故買の贋のダイヤの首飾りを腹にまき はるばるおまえに会いに行った。養老院のベッドの上で キッスはひからびた杏のようだった』」 - 10図書委員22/05/12(木) 21:51:36
「『二万三千九百九十九回目のキッスをしたとき、おまえはすでに墓地の中。我輩は義歯をくいしばって涙ぐみながら リラの花咲く墓地で、キッスはなんだか魚の味がした』」
「『我輩はとてもさみしく思うのだ。二万三千九百九十九回のキッスをするのは一生かかればいいだけだが、あとの一回をするには百万の夜があっても足りないのだ』」
彼女の大好きな詩人の作品を引用してみせた後で、彼女は笑った。目尻と口元のしわを増やして。
「まったく、妬けるね」
私はよく分からないまま、あいまいに微笑んだ。目尻と口元のしわを増やして。 - 11図書委員22/05/12(木) 21:53:37
気づけば、また眠っていたのか。夜になっていた。いや、たそがれ時というのか。夜と夕との、黒と赤との、誰も彼もの区別が消える、誰そ彼時。
部屋の明かりはついていなかった。窓は開いていた、涼しくも薄温かくも感じる風が、カーテンを揺らして入ってきていた。
そのカーテンをかき分け、彼女は窓枠の上であぐらをかく。一つ上の先輩、私と競うはずだった一人、テンポイント先輩は。
「よゥ、久しぶりやの……ワシや」
流星の貴公子、関西の星――そう呼ばれた先輩は、人形のように整った顔を歪めて荒々しく笑う。いつものように。大怪我による闘病の後に、亡くなった先輩は。
私は横たわったままつぶやいた。そうしようと考えたのではなく、唇から言葉がこぼれ落ちた。
「死にたく……ないわ」
先輩は何も言わなかった。
私の唇はなおも動く。
「ねえ、先輩。このまま目をつむったら。ちゃんと朝が来るのかしら。もし朝が来たら――」 - 12図書委員22/05/12(木) 21:55:34
先輩は表情を変えずに言った。
「ワシにはそんなもん来ぃへんかった。けど、な」
掌を開いてこちらに見せる。そこにはゴム印で押したように黒く、『闘志』の字があった。三・五ミリ四方ほどの小ささで、しかし確かに。
それを握り締めてつぶやく。
「ワシはレースも、それを見に来る奴らも……南京町のブタマンと同じぐらい好きやねんで、おいしいおいしいてハッピーハッピーやんケ。ワシがブッちぎるとこを、ブッちぎられるとこを見た奴らにゃあ……みんな渡しとるつもりや。こんな風にの」
横たわる私の手を取る、そして。握手のように、握り潰そうとするかのように、強くその手を握った。
手を離して言う。
「別に皆に握手しよるワケやないけど。ワシの走りを見た奴の、心のどっかに残しとるつもりや、そうやって『闘志』の二字をの」
私は痛みの残る手を開く。そこには『闘志』の二字が――写ってはいなかった。まともに写ったとして鏡写しになるだろうその字はかすれて、黒い字のような何かにしか見えなかった。 - 13図書委員22/05/12(木) 21:56:46
「ええねん」
先輩は表情を変えず続けた。
「ええねん、薄れようが変わろうが。しゃあけど確かに、ワシの渡したモンはあんねん。それで、ええねん」
いつだったか、シービーがそらんじていた詩。その内容を思い出した。
テンポイント先輩を悼む、寺山修司の詩の一文――『もし朝が来たら 印刷工の少年はテンポイント活字で闘志の二字をひろうつもりだった それをいつもポケットに入れて 弱い自分のはげましにするために』――。
歪んだ文字の残る掌を見て、それが涙でにじんで見えなくなって。それから私は、先輩へと手を伸ばした。
「先輩。お願い、もう一度、もう一度私に――」
闘志を。
そうしたらもう一度、もう一度だけ、走れるかしら? - 14図書委員22/05/12(木) 21:59:01
先輩はしかし、首を横に振る。
「ムリやな。なんせオマエは渡す方や、ワシと同じにな。アホほど渡してしもうたんや――」
その言葉の合間に、情景が切れ切れに頭に浮かぶ――レース場、詰めかけた観客、最後のレース、ファンが掲げてくれた横断幕『語り継ごうおまえの強さを 讃えよう君の闘志を』――。
先輩は笑った。思い切り、歯を見せて。
「もう、渡してしもうとるやんケ。残った奴らはぎょうさん渡されとるやんケ。そんでオマエも誰も彼も、アホほどハッピーハッピーやんケ」
いつの間にかあなたがかたわらにいた。
――そうだね、もう渡してしまった。大事なものは全て、全てね――。 - 15図書委員22/05/12(木) 22:03:01
私は目を瞬かせる。涙が端からこぼれ落ちる。
「……渡せたのかしら。残せたのかしら」
でも、何を。先輩が闘志を残したのなら、私は何を渡せたのだろう。
「さァの。そりゃあ、オマエが決めんでエエことや。……残ったモンで形見分けや、オマエが残したエエもん全部」
先輩は親指で自らの胸を指す。
「必要なところを必要なだけ、必要な心を必要なだけ。それぞれの胸に持ってくんや……オマエは、それで続いてく。残されたモンの中に、必要な長さだけ」
そうして強く、うなずく。
あなたもうなずき、私の髪をなでる。
私は目を閉じ、うなずいた。
「そうね……それでハッピーハッピー、マンモスうれピー、だわ」 - 16図書委員22/05/12(木) 22:05:22
そのとき、だったか、ずいぶん経って、だったか。
部屋の戸が開き、廊下の明かりが洩れ入る。
様子を見に来たのか、施設の職員が出入口に立っていた。
私は目を瞬かせ、辺りを見回す。先輩もあなたの姿もなかった。
「ね、いつ帰ったのかしら。さっきそこに、テンポイント先輩とうちの主人が――」
職員の方は言葉を詰まらせたように口を開ける。
「え、でも、その方たちはもう――」
言葉を止め、それからすぐに微笑んだ。
「――もう、お帰りになられたんでしょうね」 - 17図書委員22/05/12(木) 22:06:57
おそらく夜も更けたころ、私はまた目を覚ました。常夜灯の薄明かりの下、
私はベッドに横たわったまま、手を明かりにかざす。
掌にはどこにも、先輩から託された文字はなかった。けれどあの痛いぐらいの力強さと、掌の温度は、確かに残っている。
それにしても。いつの間にこんなに細くなってしまったのかしら、私の手は。骨が浮かんで皮膚がたるんでしわしわで、すっかりおばあちゃんの手ね。
――きれいだ――
かたわらであなたが言う。
――きれいだ、マルゼンスキー。君の走りは。その栗色の髪も、白い肌も――
――きれいだ。その白くなった髪も、肌に浮くしわの一筋一筋まで。骨の浮いた、もう走ることのない脚さえも――
――きれいだ、君は。変わっても変わっても、君はきれいだ、マルゼンスキー――
――最高にハクいナオンちゃんで、マブいスケさ。僕の妻は――
私は微笑んで手を伸ばし、あなたの腕をなでる。
ふと、どこかで見た気がした。あなたが白い花に包まれて眠っているのを。礼服を着た子や孫たちが、そんなあなたに声をかけるの。
そして、私はあなたに口づけた。 - 18図書委員22/05/12(木) 22:08:15
「ステキよ、あなたは。芝生みたいに固い髪も、大きな手も」
「すっかり薄くなった髪も、そこからのぞく肌も。骨の浮いた手も、しわの一筋一筋まで……かわいらしくて、ステキで、あなただわ」
私が言ったのだろうか、この言葉をあなたへ。
あなたが言ったのだろうか、この言葉を私へ。
「変わっても変わっても、いなくなってすら、ずうっと、ずっと――ステキよ」
いいか、どちらでも。
同じだわ、きっとそれは。 - 19図書委員22/05/12(木) 22:09:41
ねえ、あなた。ずうっと一緒だったように、今日もまた会えたように。
明日また、会えるわ。
――おやすみ。またね――
そう言ったのは私だったか、あなただったか。
いいえ、同じね。
そう思って私は目を閉じた。
白い花に包まれた私のかたわらにあなたがいて。
白い花に包まれたあなたのそばに私がいて――
ただ、肩を寄せ合う。
――Tu fui,ego eris(トゥ フィ、エゴ エリス)――
――私はあなただった。あなたは私になるでしょう――
(ラテン語の墓碑銘より)
(了) - 20二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 22:17:53
なんてものを見せられてるのかな
堪らんな - 21二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 22:22:48
これは愛だ
愛ですよこれは…… - 22図書委員22/05/12(木) 22:24:22
- 23二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 22:31:12
トレーナー君に先立たれた認知症患者のマルゼンさんかあ…辛いが美しい…
- 24二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 22:41:05
今すぐ出版社に持っていけ──
- 25図書委員22/05/12(木) 23:20:23
(参考資料)
『認知証世界の歩き方』筧裕介 著
『恋愛辞典』寺山修司 著 より「二万四千回のキッス」一部引用
『旅路の果ての名馬たち』吉永みち子 著
『競馬の“言葉力”』関口隆哉、宮崎聡史 著 より「もし朝が来たら――テンポイント物語」一部引用 - 26図書委員22/05/12(木) 23:31:30
- 27二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 23:51:02
文字のちからってすげえや
- 28二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 23:53:53
- 29図書委員22/05/12(木) 23:59:19
ありがとうございます! 頑張りました!
贅沢は言わないから|あにまん掲示板マルゼンママとクリークママにぎゅっとしてもらっていいこいいこしてもらって静かに泣きたいbbs.animanch.com消えてはいないはず……
- 30図書委員22/05/13(金) 00:06:09
一応解説ですが……
ラテン語の墓碑銘「Tu fui,ego eris」は
「私(=死者)はあなた(のように生者)だった。あなた(=生者)は私(のような死者)になるだろう」
という、諸行無常的な警句が本来の意味だそうです。
本作ではニュアンスを変えた解釈をしています。 - 31二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 00:26:00
遺してしまった。遺されてしまった。けれど遺された方も、いつか遺してしまう。今はまだ分からない。いや、そちら側になってもわからないだろう。けれど
"遺した数よりも、遺すまでの道のりが、人生を語る。"
今は遺す道のりを歩もう。至るところに自分が歩んだしるしを遺して。
蒼空で見守る君が、この想いを見て寂しくないように。
この想い出を、いつか土産話にするために。 - 32二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 01:10:56
物悲しくて美しいお話でした。
素晴らしい…… - 33二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 01:14:22
走って走って、走り続ける
近くにあるようで遠くにあった、あの人の背を追いかけて
がむしゃらに、ひたすらに、愚直なまでに、あの人と同じ“光”に向かって、走り続ける
少しずつ見えてきた背は幻ではないと自分に言い聞かせながら
どれほど走ったのだろう
遂に捉えた、手が届くほど近くに
そこで気がつく
あの人は、足を止めていたのだと
私は走る勢いのままあの人の横を通り過ぎる時、一瞥した
ほんの一瞬、しかし、確かに見えたのだ
あの人は笑っていた
気になって歩調を緩めようとした私に、あの人は告げる
『イキナサイ』 - 34二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 01:15:08
考えるよりも、体が動いた
まだ先があると、ソコに答えがあるのだと
それからも、私は只々走った
躓いても、転んでも、私は走った
ある時、突然私は走るのを止めて、立ち止まった
私は察した ここまでだと
遠くで輝く“光”を目に、胸に去来する感情を噛み締める
清々しい達成感とほんの僅かな心残り
そんな私の耳に聴こえる確かな足音
ずっと前から耳にしていたような、しかし誰のものか知らない足音
近くなる足音に、私は遠き日のあの光景を思い出す
そうか、そうだったのか
あの人もきっと、こんな気持ちだったのだ
ようやく私は本当の意味で、あの人のようになれたのだ
ならば良し
込み上げる歓喜の想いを力に、通り過ぎる誰かに向けて、笑みを浮かべエールを送る
『イキナサイ』 - 35二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 06:18:55
朝から泣いちまった
- 36図書委員22/05/13(金) 07:38:31
- 37二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 11:21:50
- 38二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 12:49:16
もしかしてタフカテとウマカテは同一存在なんじゃないっスか?(暴論)
- 39図書委員22/05/13(金) 20:57:02
- 40二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 11:24:47
テンポイントは貴公子系キャラかと思ってたからちょっと意外
- 41図書委員22/05/14(土) 12:53:49
- 42二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 23:54:33
お疲れ様でした...
- 43図書委員22/05/15(日) 00:18:32
- 44二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 08:36:04
まあカテ違いはこの辺にしとくかブヘヘヘ…
- 45二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 12:03:26
うわあ…思ったよりお辛い…テンポイント自身だけじゃなくて母親もか…
- 46図書委員22/05/15(日) 22:04:52
参考資料の『認知症世界の歩き方』は、旅行ガイド風の導入(「ないはずのものが見える『パレイドリアの森』」「タイムスリップしてしまう『アルキタイヒルズ』」など、症状を観光地風に解説)から、認知症患者自身にどういう風に世界が感じられているか…ということを解説してくれているのでかなりオススメなんだ。読み物としてもなかなか面白いんだ。
- 47二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 09:40:15
マルゼンスキーがレースだと言ってたりしたのは認知症か...なるほど...
- 48二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 20:54:03
すげぇ良かったです...また書いてね...