【閲覧注意】モブ「ファンからの贈り物？」【SS】

1二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 23:53:37

「手作りの人形？」
「そうだ、なんでも病気のウマ娘の子がお前のファンらしくてな」
所々綻びがある手作り感満載の人形をトレーナーから手渡され私は少し驚く、勝ちに恵まれなくて少し腐ってた自分が情けなくなる。
「手紙も預かってるぞ『いつもレース見ています。走る姿、自分に重ねて沢山応援しています。自分には贈れるものが無いのでこの手作りの人形を贈ります』だとさ」
震える手で書いたような字、そんな状況で人形まで作って貰ったなんて⋯⋯嬉しいものだった。
「トレーナー、私頑張る」
「やる気が出てくれてよかったよ、さてトレーニング開始だ！」

2二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 23:54:03

それからと言うものその人形を見ると力が湧いてきた。
ファンの応援とはこんなにも力になるものなのか、そう感じながら沢山のトレーニングを積みあげてとうとう大きなレースに出走する事が叶った。
「ねぇトレーナー、あの人形くれた子のお見舞いに行きたいのだけど⋯」
「え？あ、ああえーと手紙の住所を見ると⋯」
割と近い病院で助かった、これなら門限までに帰って来れそうだ。
「トレーニングがてら走って行ってくるね！」
「おう！無理はするなよ！」

看護師に部屋を聞き扉を開くと暗い部屋には沢山の手作りの人形が置かれていた。
「あなたが私に人形をくれたの？」
「うん、元気よく走る姿、格好良くて、羨ましくて」
話を聞くと、骨が弱りやすい病気らしく走ったら折れる危険性まであるらしい、走る事を失う辛みを考えて私は呟いた
「あなたの為に頑張るから」
「わたしのため？」
「うん、あなたの人形に力を貰ったから、今度は私が返す番」
「わたしに力をかしてくれる？」
「任せて！」
握手をして病室を出る。
帰って人形を整えると私は眠りに付いた。

「どうした？走り方が少しなってないぞ？」
「えへへごめんなさい、嬉しくて」
「ファンの子に会ってきたんだろ？あの子の為にも頑張らないとな！」
「うん、ようやくはしれるからね、わたしがんばる！」