- 1二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:52:48
今日はアタシの18歳の誕生日で勝負の日。有馬記念と同じくらいの大勝負。
アイツが告白されたことがないのはリサーチ済みだけど、いつ告白されてもおかしくない。だってアタシのトレーナーだもの。だけど絶対に一番は渡さない!
記者を通じてそれとなく匂わせてみたこともあったし、何度も想いは遠回しに伝えてるはずだけどやっぱり直接告白しないと安心はできないものね。まあ、アイツにとってアタシは一番なはずだし断られるってことはないわよね。でももしものことがあったら関係が崩れちゃうなんてことも……いいえ、大丈夫よダイワスカーレット。落ち着いて、落ち着いて。そう、落ち着いて……
「スカーレット?」
「ひゃああ!?トレーナー、いつからそこにいたのよ!」
「誕生日おめでとう!今きたところだよ、ちょっとスカーレットの顔は眺めてたけど。」
「あ·り·が·と·う!来たならすぐに声をかけなさいよ!もう……」
「ごめん……それで話って?」 - 2二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:53:21
「そうね、今日はアンタからプレゼントを貰おうと思ったのよ。アタシの誕生日にとびきりのやつをね。」
「それならよかった。ちゃんと用意してきてるぞ!」
「アンタが用意してくれたプレゼントは後でありがたく貰うわ、ありがとね。でも今欲しいのは違うのよ。」
「違う?気に入らなかったのか?」
「そうじゃなくて。難しいことを考える必要はないわ。アタシの言葉に返事するだけでアタシへのプレゼントになるから。」
「ん?」
「良く聞いてなさい!アタシは!ア、アンタの、アンタ…の、ァ…ゥ…」
ダメだ。うまく切り出せない。頭が回らなくなる。一言言えればいいだけなのにやっぱり怖い。関係が壊れるのも怖い、アタシが一番じゃないのも怖い。楽しかった思い出がアタシを止める。もし、断られてしまったら─アタシは──
「スカーレット。落ち着いて。」
「え?」
「大丈夫だ。ちゃんと聞くし、君は俺にとって…一番だから。」
「本当に?」
「本当だ。」 - 3二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:54:22
トレーナーはもうアタシが何を言おうとしてるのかわかってる。その上でアタシか一番と言ってくれるのなら。
「ふん!ちょっと緊張しただけよ!今度こそ言うわよ!」
深呼吸をしてトレーナーを見つめた。
「アタシ、アンタのことが好きよ。担当としてとかじゃなくて、恋してるの。だから、その、付き合って…くれる?」
言えた。言ってやったわ。
「スカーレット……あのな?」
「え?」
動悸が大きくなる。そんなはずはないわ。断るなんて……
「俺もスカーレットのことが好きだよ。だけどトレセン学園にいる間は交際はしない。正式にお付き合いをするのは卒業してからだな。」
「……か」
「スカーレット?」
「ばか!!受け入れられないかと思ってすごく怖かったのよ!最初に結論から話しなさいよ!」
「ご、ごめん。」
「あーあ。緊張して損したわ。…もう。いいわ、途中のアンタの言葉が心強かったからそこはチャラにしてあげる。……お腹空いちゃったわね、夜ご飯食べに行きましょ!」
「ああ、いいお店を予約したから期待しといてくれ!」 - 4二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:55:07
終わりです。
思い詰めたスカーレットいいよね。 - 5二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:55:41
いいSSだ
ありがとう - 6二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 20:58:55
搦手は強いけど真正面に立つと不安になっちゃうの年相応でいい…