でもマルトレって合宿の帰りにマルゼンスキーが諦めてさ

  • 1二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 22:29:34

    「じゃあいいわよ……今年はタッちゃんと2人で帰るもの……ふーんだ」
    っていじけたらバスから降りてタッちゃんに乗り込むよね

  • 2二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 22:29:59

    マルトレはマルゼンスキーの悲しむ顔は見たくないからな…

  • 3二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 22:32:59

    忘れ物があったの思い出してバス降りちゃった。
    申し訳ないけど乗せてくれるかい、お姉さん?

    とか言って結局タッちゃんに乗り込むマルトレは置いてませんかねぇ?

  • 4二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 22:45:34

    >>3

    お前が始めた物語

  • 5二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 22:45:53

    拗ねマルゼン可愛い

  • 6二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 22:57:39

    コイツらもう全部がイチャイチャに見えてすごい

  • 7二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 22:59:25

    押してダメなら引いてみることを覚えたマルゼンさんだなんてそんな凶悪な

  • 8二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 23:00:13

    タッちゃんに乗って走り出したところにヒッチハイクしてくるトレーナーもいいんじゃないか

  • 9二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:18:08

    バスのエンジン音が遠ざかって行くのを耳にしたのはつい先ほどのことだ。
    普通ならバスに乗る後輩達を見送ってから、自慢の愛車で帰路につくはずだった。
    しかし、自分がいるのは合宿所の駐車場。
    そこに停めてある愛車の運転席で絶賛不貞腐れているのであった。
    それもそのはず。なにせ……

    『トレーナーくん、結局バスに乗って行っちゃったわね……』

    そう、いつもなら隣の助手席に腰掛けているトレーナーが、あろうことかバスに乗ることを選んだのだ。
    合宿終了後、トレセン学園の生徒達は一様にバスに乗り込み始めた。
    当然参加していたトレーナー達も一部を除いてバスを利用していたので同じく乗り込もうとするが、その中にマルゼンスキーのトレーナーもいたのだ。
    目敏くその姿を目にしたマルゼンスキーはトレーナーを愛車に誘うも……

    「ゴメンね、今回はバスに乗りたいんだ」

    と宣ったのだ。
    実は去年、ふたりは同じやり取りをしていた。
    その時は紆余曲折を経てトレーナーが折れてくれたのだ。
    今回も押せばイケる。そう判断したマルゼンスキーだったが、トレーナーは頑なに折れてくれない。
    予想外の展開に焦るマルゼンスキー。
    そこから『私のことなんてどうでもいいのね?!』『そんなわけないだろう!』で始まるトレンディなやり取りをすること数十分間。
    遂に……

    「トレーナーくんのおたんこにんじん!もう知らないんだから!!」

  • 10二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:18:30

    と涙目で捨て台詞を吐いたマルゼンスキーは、愛車の方に走り寄り、運転席のドアを開けて車内に籠城してしまったのだ。
    トレーナーは咄嗟に彼女を追いかけようとしたものの、いい加減時間が押していると同行していた駿川たづなに止められてしまう。
    コレが、二人がそれぞれ違う帰路につく羽目になった顛末である。

    しかしマルゼンスキーはトレーナーの頑なさの訳をなんとなく察していた。
    それは……

    『トレーナーくん、すっごく疲れていたわよね……』

    トレセン学園の夏合宿は2ヶ月もある長丁場。
    それ故に生徒達だけでなく、トレーナー達も普段とは違う苦労がのしかかる。
    しかもG1ウマ娘である彼女のトレーナーともなれば、より求められる内容も段違いである。
    この2ヶ月間、心身を擦り減らしていた彼にとって、帰りくらいは私のちょっとだけ荒い運転よりもバスでゆっくり休みたかったのだろう。
    それをわかっていたのに……

  • 11二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:19:10

    『あんなにワガママ言っちゃって……今度こそトレーナーくんに愛想尽かされちゃったかなぁ?』

    後輩に慕われる良き先輩である彼女も、トレーナーだけには年頃の少女としての顔を見せられる。
    それは信頼であり、彼女なりの甘え方だったのだ。
    まだまだ大人になれない自分に軽く辟易しつつ、俯きながら深い溜息を零して

    『とりあえず、トレーナーくんにはちゃんと謝らなきゃね』

    なんとか心を奮い立たせていた時、ふとガラスを軽く叩く硬質な音が聞こえた。
    合宿所の管理者だろうか?いつまでも出発しない自分に声をかけに来たのだろう。
    もう出発することを伝えようと顔をあげると……

  • 12二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:19:31

    「大丈夫?気分でも悪かったりする?」

    そこには今しがた頭の中を占めていた人物の姿があったのだ。
    あまりの事態に呆然としている姿に少し慌て始める彼。
    なんとか思考を回して愛車から飛び出す。
    一瞬、彼に飛びつきそうになるが先程のやり取りを思い出して、つい

    「……今更何しに来たの?」

    と可愛くない台詞が口をついて出る。
    しまった。ちゃんと謝ろうと決めた矢先にこれである。
    なんとかフォローしようするも上手く言葉が出てこない自分に、彼はきまりの悪い苦笑を浮かべながら

    「忘れ物があったのを思い出してね。無理言って途中でバスから降ろしてもらって、走って今着いたとこ」

    よく見ると彼は汗だくだ。
    合宿中はおろか、こんな姿の彼を見るのは初めてだった。
    彼は、この炎天下を全速力で走って来たのだ。
    そのことを理解して一気に体が熱を持つ。

  • 13二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:20:20

    ああ、なんて私はゲンキンな女なんだろう。
    彼の真意を理解して、ヘトヘトな彼の姿に心躍らせるなんて。
    浅ましくも甘美な感情に身を蕩けさせながら彼に問いかける。

    「そう。それで、忘れ物は見つかったの?」

    意地の悪い問いかけだ。
    しかし彼は

    「ああ、すぐ見つかったよ」

    なんて、軽く返してきた。
    そんなやり取りが可笑しくて、どちらからともなく笑っていた。

    一通り笑ったあとに彼が

    「しかし見つかったのはいいが、困ったことに帰りのアシがないんだ。なにか良い案はあるかな、お嬢さん?」

    どこか冗談混じりに、茶目っ気を聞かせた台詞に自分は不敵に笑って

    「それならとびっきりのがあるわよ。私の自慢の子が」

    そう言って彼に思い切り抱き着く。
    慌てる彼から香る汗の匂いを感じながら、こういうことも偶には悪くないと思った。 そんな、夏の日の思い出

  • 14二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:21:06

    てぇてぇ いいSSだ 感謝する
    これで勤務も頑張れそうだ....

  • 15二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:21:25

    ワォ……トレンディ……

  • 16二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:22:55

    >>3ですわ

    なにぶんSS書くなんて初めてだから時間かかりましたわ

    長文な上に誤字脱字あったらスマヌ

  • 17二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 00:31:31

    >>16

    ありがとう…マジでありがとう

  • 18二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 11:11:37

  • 19二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 11:14:28

  • 20二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 22:05:40

    こんないいSSを見逃すとこだったぜ

  • 21二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 22:05:42

    最高のssをありがとう...

  • 22二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 22:10:26

    ありがてぇありがてぇ
    トレンディに満ちあふれてる…

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