- 1二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 23:09:12
「はぁ…はぁ……やった…勝てた…勝ったんだ…!」
現役時代にトリプルティアラを獲ったウマ娘をお母さんに持つ私は、デビュー前から多くの人に期待されていた。私もその期待に応えようと人一倍トレーニングに励んで、ティアラ路線に乗り込んだ。
……でも現実は非情だった。
桜花賞はその輝くような美しさでも話題になったソダシちゃんに歯が立たず、オークスは少しずつ実績を積み重ねて来たユーバーレーベンちゃんに届かなかった。
私はお母さんみたいな立派なウマ娘にはなれないんだって思った。
でも、トレーナーさんは寄り添ってくれて「秋華賞は絶対に勝とう!」ってトレーニングメニューを必死に考えてくれた。
そして夏合宿で徹底的に鍛えた私は、ソダシちゃんやユーバーレーベンちゃんに勝って、ついに最後のティアラを獲ることが出来たんだ。
お母さんみたいにトリプルティアラを獲ることが出来なかったのは悔しいけど、私は私だから。
支えてくれたトレーナーさん、そして競い合ったソダシちゃんやレーベンちゃんが居たからこそ私は強くなれたと思うから…… - 2二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 23:09:58
「おめでとうアカイトリノムスメ…素晴らしいレースだったわ。今回は完敗ね」
感傷に浸っていると、ソダシちゃんが声をかけて来た。
私はそれに応えようと彼女の方を振り返って…
「うん…! ありがとうソダシちゃンンンンンンッ!?」
……口から鮮血を流している彼女に驚愕したのだった。
「ソダシちゃん!? 口から血出てるよ!?」
「ああコレ? ちょっとゲートにかすっただけよ」
「イヤかすったってレベルに見えないよ!? 血がボタボタ出てるもん!」
「ツバ付けとけば治るわよ大袈裟ね」
「患部が口の中なんだけど!?」
意外と能天気なソダシちゃんにあたふたしてると、レーベンちゃんもやって来た。
「アカイトリノムスメちゃん…悔しいけど、凄かったよ…おめでとう…!」
「レーベンちゃん! ソダシちゃんが口の中怪我してtレーベンちゃんは鼻血ィィィ!? 2人して何があったの!?」
「いやー、よく分かんないんだけど、なんか頭がボーッとして気づいたら鼻血がドバッと出ててさ……息がしづらくて困ったよ」
「それヤバいやつ! 一番危ないやつだよ!」
「まあ首筋トントンして上向いておけば止まるって大丈夫大丈夫」
「間違ってるからその民間療法はァ!」
2人の親友兼ライバルが流血しながら走っていたという衝撃的な事実に私は頭を抱えた。
「とりあえず2人とも早く保健室行って! ハリーアップ!」
「「いやでもこれからウィニングライブあるし…」」
「そのスプラッターな見た目で踊るつもりだったの!? 鮮血を振り撒きながら踊るつもりだったの!? いいから保健室に早く行けぇぇぇ!」
こうして私の秋華賞は、色々な意味で生涯忘れられない思い出になったのだった…… - 3二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 23:13:09
続きをどうぞ
- 4二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 23:13:14
良い話ダナー
- 5二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 23:13:39
アカイトリノムスメ視点の話は中々見られないから新鮮で楽しい
- 6122/05/23(月) 23:27:42
アカイトリノムスメ引退がショックで衝動的に書いちゃった
長く走れなかったアカイトリノムスメだけど、この三人娘はきっと人々の記憶に残ると思う……
SSっぽいの書くのとか初めてなので駄文で大変失礼しましたm(_ _)m - 7二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 23:29:20
良い小説をありがとう
ターフもライバルも赤く染めたんだね… - 8二次元好きの匿名さん22/05/24(火) 07:44:39
アカイトリノムスメもいつか母親になった時に色々と強烈な現役時代の同期たちのことを子供たちに楽しそうに話してたらいいなーという妄想