- 1二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 02:29:59
月夜が寝室を照らす中、一つの影が動いた。
むくりと起き上がった彼女は寝ぼけ眼のまま今の状況を確認する間もなく「前夜の交わり」を思い出した。
隣で寝ている昨日をもって夫となった長年のパートナーを起こさないように高らかに、静かに、叫び声をあげる。
これまで自分が大切にされてきたこともあって油断していたこと、あんな声が自分からでていたこと、思い返してみてみれば自分が挑発したとしか思えないエロ同人でしか見たことないようなことを言っていた事実を、酒の一滴も回ってないはずの脳みそはぽやぽやした思考によって埋め尽くされてしまっていた。
よだれを垂らしながら眠る配偶者の傍に、ごろんと横になる。結婚したというよに、未だになれない彼の体温と匂いが彼女を安心の泉へとまた沈めていくのを自覚しながら、耐える。
元トレーナーの手をとり、自からの胸へと押し付ける。静かな呼吸の音に、熱を秘めた呼吸の音が重なり、デジタルの心音が加速していく。
「これからもずっと一緒ですよ、あなた」
聞こえてないはずの声に、彼の身体は答え、彼女の身体を抱きしめる。
一糸まとわぬ姿……それは想いの前では現実の整合性においてはあまりにも無力だった。 - 2二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 02:34:28
えっちだあ
- 31(タイトル詐欺だわこれ)22/05/25(水) 02:53:14
これは夢
叶うことのない夢で……そうあってほしかった。
「好きだ、デジタル」
あの頃はこんな夢をずっと見続けていた。
他ジャンルの本も読んで学んだことがある。あたしのトレーナーは所謂スパダリである。あたしの性格を、性癖を、好きなものを否定しない。そんなことは普通と思ってしまうほどあたしの考えは世間と乖離していることに気づいていしまったのだ。
夢の中と、目覚めた後の彼の匂いは、私の傷を癒してくれる。
「デジタルのトレーナーさん、デジたんがあんな反応してもついていけるんだよね~やばくね?」
「ひょえっ!いえ、その……トレーナーのコミュ力のなす技工と言いますか……」
あぁ、なんということでしょう、基本的にぐいぐいいけないあたしは負け犬一直線、負けヒロインデジたんです。
……でも、いいんです。こんなことだったんです、あたしの他にも素敵なウマ娘ちゃんはいて、その子のために尽くしてくれるのがデジたんにとって最上の幸福であって……
「愛している、付き合ってくれ」
あぁ、そんなこと言わないでください。あたしはレースの世界とウマ娘ちゃんに身を捧げた勇ましき者なのですよ?そんなこと言われたら……
「好きになっちゃうないですか……!」
柔らかな感触が、匂いが思い出をより鮮明にした。 - 4二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 02:58:05
良い…。
- 5二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 03:15:39
匂いは情報化されないものだしね
しょうがないね - 6二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 05:15:50
えっちだ…
- 7二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 05:47:45
良SSを深夜帯に投稿すな もう少し早めの時間帯に出せぇ!見れずに埋もれる!
- 8二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 05:55:53
最推しが幸せになってくれないと自分も幸せになれないからな···
- 9二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 07:33:49
こんなんなんぼあってもいいですからね
- 10二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 07:35:02
良い
- 11二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 14:10:15
age
- 12二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 21:37:31
保守してくれていてありがとう。おかげで俺はコメントを残せる。
素晴らしいssを見て幸せになると同時に自分のが駄文の域を出ないと思い知らされるぜ…… - 131(スレ残ってたし書く)22/05/26(木) 01:47:20
「初恋ってなんでしょうね」
ゲームセンターの帰り道、予想外に多く取れたぱかぷちを抱きしめながら、夕焼けの光に照らされたデジタルが呟く。
「どうした?ぱかぷちでなにか思い出したのか?」
「あぁ、いいえ、ちょっと思ったのですよ ほら、あたしってウマ娘ちゃんオタクだし、実際フジさんとかタキオンしゃんのお顔にドキッとしたりしまくったりしてるじゃないですか」
「そうだね」
「でも、よく考えたらあたしの感情って恋っていうよりも崇拝に近いじゃないですか」
ぱかぷちをギュッと抱きしめる彼女。今回の戦利品(デジタルがそう呼ぶと教えてくれた)で、いま彼女が抱きしめている特大ぱかぷちはいつも明るく独特なペースに持ち込んでくるテイエムオペラオーとドジっこながらも一生懸命なメイショウドトウ。デジタルと仲の良い子達だ。
彼女は最初の頃は二人に対して恐れ多いと隠れ気味だったが、今では普通に一緒に遊びに行けるような仲でいてくれている。これも、彼女が歩みだした成果だ。
「今ではそんなデジたんもキラキラウマ娘ちゃん街道まっしぐら!……は、言い過ぎですいよね、たはは」
「いや、デジタルは十分輝いて見えるよ 君のファンのためにも自信持たなきゃね」
「もっ!もう!トレーナーさんったら……で、ですね……あたし、最近初めて恋をしたって気づいたんです」
少しだけデジタルが前にでて、こちらの手を握る。
夕暮れでできた小さい影が、こちらから伸びる影と重なって……少しだけ、影が伸びた。
「……っ!」
「……えへへ、多分これ、初恋なんですよ……好きです、トレーナーさん」
にひりと笑う彼女の顔を直視できなかったのは、きっと、沈みゆく太陽の眩しさなんかじゃなかった。 - 14二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 01:49:24
良い。ありがとう……
- 15二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 01:54:25
なんなの?深夜にしか活動できないSS書き多すぎない?
- 16二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 12:02:43
あっまずっぺ!
- 17二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 15:25:16
やはりデジたんには純愛がよく似合う
長年傍にいた理解者が運命の人だったと気付くんだ… - 18二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 22:59:01
めっちゃ良かったべ...
- 19二次元好きの匿名さん22/05/27(金) 10:22:13
いいものを読ませてもらった