- 1二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 15:52:33
「…そろそろお開きにしようか?」
「いやぁで~す♪まだまだ飲めます~♪」
『めちゃくちゃ出来上がってる…』
グラスは昨日二十歳の誕生日を迎えた。
今日はそれを祝っての
二人だけの部屋飲みだ。
『…本当はスペちゃんとか
呼びたかったんだけどなぁ…』
二人だけの飲み会を提案したのは
グラスの方からだった。
大切な日だからこそ、支えてくれた
トレーナーさんと二人で飲みたい。
そんな風に言われていた。
「トレーナーさ~ん♪
茜霧島飲みましょうよ~♪」
「飲まないよー。
と言うか何でそんなの持ってるのさ。
ファンの人から貰ったの?」
「誕生日に自分で買いました~♪」
『………飲み過ぎないように
見張った方が良さそうだなぁ…』
すっかり酩酊しているグラスをおぶり
美浦寮に向かう。
お酒のせいかは分からないが
グラスの体が妙に熱い。 - 2二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 15:53:25
「エヘヘへ♪トレーナーさぁん♪
おんぶなんて優しいですねぇ~♪」
「そりゃあ担当がそんな千鳥足
だったらおんぶもするさ。」
「私は幸せですね~♪
ありがとうございます~♪
トレーナーさ~ん♪」
「ハイハイ、そりゃ良かったです。」
「…トレーナーさぁん?
返事は一回じゃなきゃダメですよ~?」
「あ、あぁ、ごめん…」
「本当に分かったんですかぁ~?
んん~?」
「くひひるひっはんはいて、ふあふ。」
「フフ♪トレーナーさんの顔面白~い♪」
『こんなグラス初めて見た…』
朗らかに笑う顔はアルコールで紅潮し
淡い色合いの碧眼が
とろん、と眠そうに潤んでいる。
背負っている自分が悪い男打ったなら
すぐにお持ち帰りしてしまう。
そんな蠱惑的な魅力を
この未知なる栗毛は放っていた。 - 3二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 15:53:37
「…トレーナーさぁん?」
「なぁに?」
「…私の事どう思ってますか?」
「…担当として大事に思ってるよ。」
「………女性としては?」
「……魅力的だと、思う、よ。」
「…………結婚…したいと思いますか?」
「………難しい質問だね。」
「…重い女は嫌いですか?」
「…大丈夫さ。君は重くないよ。
ほら、俺が楽々背負える位だし。」
「……そういう冗談は嫌いです…」
「…ごめんね
…まだ、君を幸せに出来る自信が無い。」
「……………グズ…」
「…愛しているさ……ちゃあんと、ね…」
「…」
「……グラス?」
「………スゥー………スゥー……」
「………おやすみ。グラス。」
幼子のような寝息を立てる担当の
確かな重みがトレーナーを安堵させる。
『…そろそろはっきりさせなきゃね。』
三日月が微かな光を放っている。
トレーナーは、自分の気持ちに
覚悟を決めた。
完 - 4二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 15:56:37
このSS!五臓六腑に染み渡るぜぇーっ!!
- 5二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 16:35:43
後日談!酔いの覚めたグラスちゃんの後日談は⁉︎
- 6二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 16:37:21
続きです。
二日後の朝
トレーナー室にグラスが顔を出した。
「…おはようございます。」
「おう。おはよう。
…二日酔い、まだ抜けない?」
「いえ、二日酔いはもう大丈夫なのですけど…」
「そりゃ良かった。
だけど、つらそうならすぐに言ってね?」
「はい…………トレーナーさん?」
「どうしたの?」
「私、二日前変な事言いませんでしたか?」
「…さあ?…何も言ってなかったよ?
…………たぶん…」
「…言ったんですね?」
「い、言ってないよ。寝てた寝てた。」
「言ったんですよね?」
「………言って無い…です…よ?」
「…トレーナーさん?」
「…その…ハイ…言ってました…」
- 7二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 16:37:37
「トレーナーさん。」
「はい…何でしょうか…」
「それらについては
一切合切忘れて下さい。
いいですか?絶対に忘れて下さい。
あれは私が酩酊した事で出た
うわごとと思って下さい。
いいですね?」
「……嘘とは言わないんだ…」
グラスは無言でトレーナーを蹴った。
グラスの耳は、根元まで真っ赤だった。
完 - 8二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 16:38:08
グラ×トレは心の酒みたいなもの
- 95です21/09/25(土) 16:40:03
- 10二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 16:40:46
最高の美酒を飲んだ後にこの後日談!
迎え酒にしては豪華すぎやしないか?! - 11二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 16:46:47
- 12二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:26:56
続きです。
『グラスが変デース…』
エルは怪訝そうな面持ちで
グラスを見つめていた。
トレーニングから帰ってきたグラスが
朱の差した顔をうつむかせて
ずっとパソコンのキーを叩いているからだ。
「…グラス。」
「!(パタン)どうしましたか?エル。」
「…?パソコン開いたままでいいですよ?」
「い、いえ。
昨今はパソコンのセキュリティだって
危ういですからね。
備えあれば憂いなしというものですよ? エル。」
「……何を調べてたんデスか?」
「別に大した物では無いですよ?
活花に活かせそうな花を調べてただけです。」
「だったらアタシにもその花見せてクダサイ!」
- 13二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:27:41
「え、えーと…その…
あまりいい花では無いので…」
「エルエルはそんな物では
ビビりませ~ん!見せてクダサイ!」
「でも…その…」
「グラ~ス?もしかしてこのエルに
言えない物でも見てたんですか?」
「そ、そういう訳では…」
「グラス、アタシはあなたの
ルームメイトでもアリ
ライバルでもアリます。
さっきから様子が変デスよ…」
「エル…」
「…見せるのがそんなに恥ずかしいなら
いいデス…でもこれだけは知ってて
クダサイ…」
「アタシはあなたを心配シテマス。
何かあったら頼ってクダサイ!」
「……ありがとう…エル。
でも心配しなくて良いの。
これは、私がなんとかしないと
いけないから。」
「グラス……ワカリました。
問題が無いのなら、それでいいデース。
デモ…」
「…?」 - 14二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:33:31
「どんな事調べてたか見せてクダサイ!」
「…本当に心配してるの?エル?」
「あったり前デース!!」
「本当は?」
「隙あらばイジリたいデース!!」
「……エ~ル~?」
「じょ、冗談デース!!
空気を変えるタメに言っただけデース!」
「冗談でも許されないという事柄は
ありますよ~?」
「そ、そんなに怒るなんてさては図星…
あ、やめてクダサイ!!
襟でオトそうとしないでクダサイ!!」
普段のグラスに戻ってくれた事を
喜びながら、エルは
グラスの寝技を抜け出す算段を
立てたのであった…
なお、この後普通にオチた。 - 15二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:34:05
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お酒 失敗 エピソード - 16スレ主21/09/25(土) 23:39:21
- 17二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 00:00:17
- 18二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 08:38:02
検索履歴的に最初はトレーナーの記憶消そうとしてたけど最後はいっそのこと付き合ってしまえばいいのでは…?となったか
- 19二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 12:41:40
乙
クズって言ったのかと思った