- 1ルンルン21/09/25(土) 22:34:20
「玉座の間にのりこんで【勇者】はこう言ったんだ『【魔王】!!お前の悪事もここまでだ!!』ってね!!いやー、あの時にわたしは改めて【勇者】に惚れ直したよ」
「でも、その後【勇者】は【僧侶】と結婚して師匠は【勇者】に『好き』の一言も言えずに一人で故郷に帰ったんですよね?」
「…………」
師匠のおしゃべりもこれでおしまいだ、8時間も歩き続けているんだからいい加減にしてほしい。
ふと、谷の底を見ると18年住んできた家が点になっていた。森を抜けた後に小休憩しただけで、その後は谷を囲う山を一度も止まらずに登っている。
「あのなぁ【魔法使い】であるわたしがいなかったら【魔王】の獄炎で【勇者一行】は全員消し炭になってたんだぞ!!」
彼女の昔話が再開する、もう相槌を打つ気力もないので無視することにした。
「勘違いするなよ、他の仲間を貶しているんじゃないぞ。
【騎士】がいなければわたしは【魔王】のしっぽでぺちゃんこにされていたし、【弓使い】と【侍】が隙を作らなかったら【勇者】はあいつの首を切る事が出来なかった。
【魔王】討伐は、6人全員がいなければ成し遂げる事も出来なかっただろう」
谷の底からでは分からなかったが、山肌には躓きそうな小石が転がっている。
「本当に、あの旅は楽しかった……」
空の星々に気を取られそうになるが、気を付けて進もう。
「おい、弟子。聞いているのか?」 - 2ルンルン21/09/25(土) 22:34:48
見上げると師匠がこちらを向いていた。
とんがり帽子の下から、黒い髪がなびいている。
「はい、聞いてますよ。故郷に帰った後は英雄として祭り上げて大変だったんですよね?」
「よく覚えているな。花丸をあげよう」
「ありがとうございます」
「さて、後5分も歩けば山の上に出るだろう。生まれて初めての谷の外の景色だ。楽しみか?」
「楽しみですよ。そりゃあ、外には沢山の人類がいて、美味しいものも色々あるんですよね」
「その通り!!外の世界はワクワクとドキドキでいっぱいだ!!」
谷の外と昔の旅の事を話していと師匠はいつもテンションが上がる。
三角の耳がピコピコと揺れていた。
「ただなぁ……」
「ただ?」
「わたしが今までお前を騙していて、外が無人で何にもない白い砂漠って言ったら怒るか?」
「…………」
いきなり突拍子もない事を言われて今度はこちらが黙ってしまう。
「怒ります。でも、師匠は今まで嘘をついたことなんて一度もなかったですから、騙していたとしても何か理由があるんですよね?」
「~~っ」
しまった逆に師匠を怒らせてしまったかもしれない。
次の言葉を考えようとすると、 - 3ルンルン21/09/25(土) 22:35:11
「本ッ当にお前はいい子に育ったなあ!!」
ガバッと師匠が抱き着いてきた。
「うわ!いきなり抱き着かないで下さい!二人そろって山の下まで転げ落ちちゃいますよ」
「わたしの心配までしてくれるなんて、お前って奴は……」
「取り合えずいったん離れましょう、本当に危ないです」
2歩ほど引いた師匠の目頭は赤くなっていた。
どうやら俺の胸の中で泣いていたようだ。
こんな時に彼女の涙を初めて見ることになるとは。
「うん、そうだよな。『可愛い子には旅をさせよ』は【侍】の国の言葉だったかな。わかっているとも」
師匠が小さい声でぼそぼそと呟いている。
「よし!!弟子よ!!荷物は一つも落とさずに持ってきたな?」
「はい、師匠の分まで全部持ってますよ」
「うん!!その一言は余計だぞ!!外では女の子の荷物は文句言わずに持ってあげなさい。
お前を今から一番でかい町に飛ばすからそこでじっとしていろよ」
「え?」
訳もわからずに声が出てしまった。 - 4ルンルン21/09/25(土) 22:35:43
飛べ、飛べ、飛べ、彼方の街へ、新しい地へ……
「〈Flugu, flugu, flugu, al la transa urbo, al nova lando……〉」
杖を構え、初めて聞く詠唱を始めた。
師匠の長い髪が魔力の風で巻き上がる。
何かは分からないがこの人本気で魔法を使うつもりだ!
語らず
「弟子!!外の世界では私の事は話すな!!余計なことに巻き込まれるぞ!!〈Sen paroli〉!!」
「師匠!!何をするつもりなんですか!?」
足元が光始めた、魔法の対象は俺らしい。
師匠に近づこうと足を動かす。
すると、
通さず
「〈Ne preterpasu〉!!」
魔法の詠唱と伴に、俺を囲うように透明な魔力の壁が現れる。師匠の声は聞こえるが一歩も近づけない。
そんな……本当に俺を何処かへ飛ばすつもりなのか? - 5ルンルン21/09/25(土) 22:36:09
「どういうことですか!?」
「今、地上で【魔王】が復活しようとしている!!わたしにはどうする事もできないのでお前が阻止しろ!!」
「は、はい!?」
「あと、お前は【魔王】の一人息子だ!!この事も話さない方がいいと思うぞ!!」
「ええええ!?」
「地上でも元気でな!!ラック!!お前と過ごした18年間は本当に、本当に!!楽しかったぞ!!」
師匠の目から大粒の涙が零れ落ちる。
やっと分かった、彼女は本当に俺にやって欲しい事があるらしい。
それは、きっと、俺にしかできない事なんだろう。
「師匠!!俺も今まで楽しかったです!!今までお世話になりました!!」
俺も、泣いていた。
「【勇者】と【僧侶】の子孫が何処かにいるはずだ、先ずはそいつに会いに行け!!頑張れよ!!ラック!!」
「はい!!」
そして、視界が白く、染まって……
□■□ - 6ルンルン21/09/25(土) 22:36:30
「……ッ!」
固い岩の上に投げ出された。ずいぶん綺麗に、平に切られた岩だ。
「ここが……外の世界……」
やけに体が軽い、魔法の影響か?
先ずは、落ち着いて周囲の気配に気を配る。
「どいてえええええええええええ!!」
人の声が聞こえる。やはり、ここが師匠の言っていた『でかい町』なのだろう。
「ぶつかるうううううううううう!!」
「え」
視界の端に猛烈な速度で突っ込んでる箒を捉えて、
ドガッ!!
また、視界が白く、染まって……
□■□ - 7ルンルン21/09/25(土) 22:36:52
ここまでです
- 8二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:38:12
- 9二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:40:01
何も始まってないからコメントしづらい
今のとこ、父親倒させようとしてる師匠がカスに見える - 10二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:42:15
子孫という言い回しが気になったんだが魔王倒してから大分年月が経ってる?
- 11ルンルン21/09/25(土) 22:45:29
- 12二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:46:27
師匠がいい性格してて可愛いな
- 13二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:47:57
とりあえず文章力の評価ってことでいいんだよね
普通に読めるから自信持っていいよ - 14二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:48:38
このプロローグで何を判断してほしいのかわからん
ただ読んでほしいだけ? - 15二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:52:08
文自体は良いと思う。
最初の騎士や侍の辺りで誰が誰やら分からなくなるから台詞自体は簡潔にして、具体的に誰が何したかは地の文で行を変えながら補完した方がいいかもしれない。多分。
あと弟子(主人公)と師匠(ケモっ娘)の会話だと思うけど、最初に「どんな特徴を持った誰と誰が喋ってるのか」を先手で提示してくれないと、台詞でけっこう目が滑ってしまう。 - 16二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:56:56
主人公は魔王の子供で、師匠と過ごしたのが18年間なんでしょ?
だとすると魔王倒したのが800年前ならその間の782年間はどうなっているの? - 17二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 22:58:20
師匠が弟子に色々と話せない理由が気になる
- 18二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:02:39
これだけだとまだ「この後どうなるんだ!?」とはならないなぁ
あと、今どういう景色の場所にいるのかとかの情景描写をもうちょっとだけ欲しいかな・・・ - 19ルンルン21/09/25(土) 23:04:20
【勇者一行】が【魔王】を倒して800年、科学が魔法に追いついて150年経った時代。
小規模な紛争や時折発生する天変地異はあるが、人類は程々に平和な世界を築いていた。
魔力を操れる魔導士が世界中で傭兵や何でも屋として働いており、その中のトップである一等魔導士の21人は世界中の人間からヒーローのように親しまれている。
とある谷で幼い頃から勇者一行の一人である【魔法使い】に育てていた主人公はある日突然「魔王の復活を阻止してこい」と言われて外の世界に放り出されてしまう。
目を開けると世界最大の街スノーレイクシティだった。
そこで衝突事故を起こして箒便のヒロインと知り合う。
ヒロインを騙してただ働きさせていたヤクザを倒す。
その後、原付箒で二人旅しながら【魔王】を復活させようとする邪教とそこの四天王を一等魔導士と協力したりしなかったりして復活を阻止する。
- 20ルンルン21/09/25(土) 23:08:29
- 21二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:10:35
科学が魔法に追いついて、ハイブリッドな技術が広く使われている世界?その技術の使い手が魔導士?
- 22二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:12:19
- 23二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:12:41
- 24二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:14:28
普通に面白いと思いましたよ これがプロローグならここから先も期待出来るからブクマするかな
ただ魔法の詠唱が引っかかったかな…その詠唱がこれから毎回差し込まれるならキツイ 今のところ必要があるようで必要のない文でしかないかな - 25ルンルン21/09/25(土) 23:20:48
- 26ルンルン21/09/25(土) 23:24:59
- 27二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:30:16
この詠唱はエスペラントかな
- 28二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:31:54
祭り上げて、じゃなくてあげられて、かな
耳に関しては「ぴんと尖ったエルフ耳をぴくぴくと震わせた」とか
それとラックってのが主人公だってわかりにくい
弟子って呼び方やめて最初からラックって呼ぶとか、「弟子、いや、ラック!」みたいに言い直すことで同一人物だって伝える - 29二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:32:21
なろうに投稿するなら詠唱はロゴで纏められるよ、
- 30二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:32:23
ダークエルフなら「三角耳」ではなく「尖った耳」の方が伝わりやすいと思う
>とんがり帽子の下から、黒い髪がなびいている。
を
>とんがり帽子の下から、ダークエルフ特有の艷やかな長い黒髪がなびいている。
みたいに変えてみるとかさ
- 31二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:38:29
趣味で書いてるだけならともかく、もし人気を狙いたいならもっと掴みとなる要素を入れんとな
「読んでくれ、これはファンタジー世界を旅して魔王の復活を阻止する話なんだ」って勧めても
「俺は今スネ毛の本数を数えてて忙しいんだ」って言われてしまう - 32二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:40:57
Twitter漫画だったら2万いいねは固い
- 33二次元好きの匿名さん21/09/25(土) 23:45:48
魔王に呪われている+天然気味って設定があるとしても描写が無ければ伝わらんよ
- 34ルンルン21/09/25(土) 23:50:50
- 35ルンルン21/09/26(日) 00:02:01
- 36二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 00:16:27
科学と魔法の融合を掴みにしたいのなら、飛ばされた後から始めて、できる限り早く具体例を見せてほしい
とりあえず今考えてるハイブリッドしたもの上げてみて - 37二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 00:17:36
- 38二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 00:42:40
文自体は概ねいいと思う。けど描写不足なのは結構感じる
たとえば谷、山の細かい描写がないから情景が全く思い浮かばない。だから谷の外への期待とかを語られても何もわからんから上滑りする。どこをどう歩いてるのかもよくわからんから「見上げると師匠がこちらを向いていた。」って一文は師匠の背の高さゆえのものか、山登りする都合上の位置関係なのかわからん
テンポのためにあえて描写を省くってのはありだと思うがけどね
あと一番最初の文章が「」【】『』と多用されてて目が滑るかな。感嘆符・疑問符のあと文章が続くならスペースをいれたほうがいいかも。それに「!!」を多用しすぎじゃないかな。使うなら「!!」とまとめたほうがスッキリするかも
それに「お前の悪事もここまでだ」って勇者のセリフが雑というか軽いと言うか子供っぽく思えるね。子供勇者なら別にいいのかもしれんが
物語の内容に関してはありふれすぎてなんとも言えない。現状ではひっかかるところがない。だから掴みの部分だという科学・魔法のところが出るまである程度まとめて投稿するか。まっさきにヒロインと出会って事件に巻き込まれてから師匠との会話を回想として挟んだほうがいいかもしれん - 39二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 00:47:07
乙、面白かった
ただ主人公が受動的過ぎる気がするなぁ
そういうもん? - 40ルンルン21/09/26(日) 08:19:03
- 41二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 08:56:19
単に自分が読み慣れてないだけかもしれないけど【】で括られてると「強調するってことは何か意味があるのか?」って毎回意識が引っ張られてすごく読みづらい
読んだ感じ師匠には思い入れある人たちなんだろうけど勇者とか魔王とか言われても記号的すぎて都度つど強調する意味は無いように思う
弟子の方は「勇者さん」とか「僧侶の人」みたいに呼んでもいいかも - 42二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 12:21:51
タイトルは決めてるのか?
- 43ルンルン21/09/26(日) 18:48:47
- 44二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 19:04:50
早めに転移させたいのは分かるけど、正直なところこれで転移してヒロインと出会って…と続くのは唐突感ある
主人公はともかく、師匠も転移前の世界も大して印象に残る事なく場面が切り替わってしまう。魔王の息子という重大情報も別れ際の一言で済まされている。
土台になる勇者一行っていう設定をしっかり練っているのなら、このプロローグこそ1番力を入れるべきだと思うよ - 45二次元好きの匿名さん21/09/26(日) 20:18:37
スノーレイクシティって地名はどうなの
英語圏なの