- 1二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 22:41:46
- 2二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 22:42:07
「うわー!!凄い凄い!」
トレセン学園の少し近くの丘、街灯も少なく空は自然の光だけで埋め尽くされていた。
「本当に圧巻だな⋯⋯」
こんな景色は中々見ない、見た事がない。
星を眺めながら走り回るウララ、純粋なその光景は自分の心の癒しになっている事に最近気がついた。
芝生にシートを引き寝転がる、星の海に浮かぶようで心地が良い。
この広い宇宙のちっぽけな一人なんだなと広大な事を考えながら目を閉じて⋯⋯
少し寝てしまっていたらしい、頭の下に柔らかい感覚があった。
「あ、トレーナー起きた!」
ウララに膝枕をしてもらっていた。
「すまん、重かったか?」
「ううん!全然!」
腕時計を確認する。
遅すぎはしないがそろそろ帰った方が良さそうだ。
「そろそろ帰るか、途中で寝ちゃってごめんなウララ」
「うーん⋯⋯じゃあさ、またこんな星空の日に星を見に行こうよ!」
そうだな、と相槌をうち丘を降りる。
また今度は数年後かな⋯⋯と寂しさを覚えながら。 - 3二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 22:42:30
それからは二人様々なレースを経験した。
友達と同じレースに出る為に芝を挑戦したが、ウララには芝は相性が悪いらしく今度はダートへ。
ダートは相性は良かったが、それでもウララはどうしても勝ちきれなかった。
走っても走っても、負けても負けても笑顔を絶やさないウララ、それとは反対に俺は、笑わなくなった。
「取材ですか」
『勇気を貰えるウマ娘』なんて持て囃され雑誌に載せて欲しいと、記者が来た。
バカにしているのかと追い返す事も出来たが⋯⋯ウララは自分から取材を受ける事を望んだ。
何故なのかとウララと話し合う。
「トレーナー、わたしはねレースが楽しいんだ」
「それは分かるよ、いつも笑顔だもんな」
「でもね勝ちたくない訳じゃないんだよ」
ウララは俺の瞳を覗き込む、いつのまにか俺はウララの為に屈む必要もなくなっていた。
「あの日見た星、覚えてる?」
凄く昔に感じる、あの時はウララと二人でと意気込み無理もしたっけ⋯⋯
「あの星とトレーナーを見てわたしは誓ったんだ、わたしね、星になりたい」
「星?」
「うん、どんなに早い子でも抜かせない目標にはわたしは今はなれないけどね」
「わたしはみんなに走る事をやめないで欲しいんだ」
「みんなを照らすため、光り続けるためにわたしは走り続けたい、わたしを見て勇気が出るならそれはとても嬉しい事なんだ」
まっすぐな瞳、思い出す。
この瞳に俺は惚れたんだった。
まっすぐな思いは誰にも負けないはずだったのに、なんで忘れてしまったのだろう。
「わたしは勝つよ、トレーナー」
「ああ⋯⋯!」
情けなく涙をこぼしながらウララに抱きしめられる。
ただ強く強く。 - 4二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 22:42:49
「ねぇ今夜星でも見に行かない?」
桜色の髪が静かに揺れる。
「もうそんな時期か」
「まさか⋯⋯忘れてた?」
「そんなはずがないだろ、準備は万全だ」
小さな丘、二人で寝転び星空に浮かぶ。
「沢山のウマ娘のトレーナーをやったな」
「みんな強かったね」
「ずっと隣にいてくれたな」
「今はあなたの星だから」
手を繋ぎ、静かに目を瞑る満天の星空、二人ゆっくりと。 - 5二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 22:53:48
良い⋯
- 6二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 22:56:24
こういうのに弱いんだ俺は…
好き - 7二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 23:00:53
> みんなを照らすため、光り続けるためにわたしは走り続けたい、わたしを見て勇気が出るならそれはとても嬉しい事なんだ
実馬のことと照らし合わせるとさらに泣ける
元気がもらえるウマ娘だよウララは…
- 8二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 23:02:51
上手い感想が思い浮かばないのがもどかしい
とても良い作品をありがとう… - 9二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 23:33:55
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん22/06/06(月) 23:59:40
ウララちゃんは良いぞぉ
- 11二次元好きの匿名さん22/06/07(火) 10:03:35
めっちゃ良き
- 12二次元好きの匿名さん22/06/07(火) 10:03:52
雰囲気が良くて好きだな
- 13二次元好きの匿名さん22/06/07(火) 16:22:02
暖かいですね...
- 14二次元好きの匿名さん22/06/07(火) 23:36:46
こういうの好き…