- 1二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 16:57:22
- 2二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:03:04
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- 3二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:08:33
わたしは自分勝手で自己中心的で 復讐のこと以外は何も考えることができず 死ななければ治らないような馬鹿で
そなたを散々道具扱いした 酷い 何の救いようもないような 死んで当然のような女だけれど――
それでも――
わたしはそなたに 惚れてもいいか?
(「刀語」西尾維新) - 4二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:16:02
そうかそうか、君はそんな奴だったんだな(エーミール)
精神的に向上心の無い者は馬鹿だ(こころ)
何が嫌いかより、何が好きかで自分を語れよ(ワンピース) - 5二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:19:36
自分が嫌いでした
自分を好きになろうとしました
自分以外の誰かを好きになろうとしました
自分以外の誰かを愛そうとしました
自分以外の誰かを愛せませんでした
自分を愛せませんでした
愛し方も愛され方も平等に分かりませんでした
だから逃げました
だけど逃げられませんでした
どこからも
誰からも
生きてることはつらかったです
(「サイコロジカル下」西尾維新) - 6二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:32:08
皮膚と皮膚。神経と神経が結びつく。この世で、もっともかたい抱擁。
(「塵骸魔京~ライダーズ・オブ・ダークネス~」海法紀光)
一番好きなのはこの後の下りなんだけど、激しくネタバレなので割愛。エロゲ原作ノベライズでこんな綺麗な恋と正義の味方の物語お出しされるとは思わんよ… - 7二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:33:50
- 8二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:38:39
- 9二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:39:43
- 10二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:46:12
こないだ読んだばっかだから印象に残ってるだけだけど
ー母さんー
今ならわかるよ。
あなたのやろうとしてたことが。
あなたは呪いを解こうとしたんだ。
僕らが何百万年にもわたって、自分自身を死の淵に追いやってきたあの呪い。
映っているのは僕。でも僕じゃない。僕じゃないけど僕。僕じゃないけど僕だけど僕じゃない。だから殺す必要はない。誰も。
ー母さんー
僕らの呪いを解こうとするあなたの願いは呪いをかけることでもあるんだよ。
だって、それはどちらも同じものなんだから。
(Ank:a mirroring ape/佐藤 究) - 11二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:50:14
ニシノマジョカラ ヒガシノマジョヘ オバアチャンノタマシイ、 ダッシュツ、 ダイセイコウ
(西の魔女が死んだ/梨木香歩) - 12二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:51:15
- 13二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 17:54:40
「どんな数字でも嫌がらずに自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、それがルートだよ」
(博士の愛した数式) - 14二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:06:01
ほんの少しの偶然であそこまでの被害が出たのマジで無常だと思った
- 15二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:09:24
「今回のことで君が何らかの答えを出せる日まで、私は君と同じ問題を抱え、悩み続けよう。忘れないでほしい。君はひとりぼっちじゃない。」
(真夏の方程式/東野圭吾)
クソみたいな大人の事情に振り回され続けた恭平に対しての湯川先生のこのセリフがスーッと効くのよ - 16二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:12:43
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- 17二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:17:34
己の珠に非ることを惧れるが故に、敢えて刻苦して磨こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出来なかった
(山月記/中島敦)
山月記はどこを切り取っても名言揃いだけど自分が一番好きなのはこの一節 - 18二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:24:08
「私、知ってるのよ。ファルスは泣いている。私と出会った時もそうだったけど、きっとその前から、今までずっと。私がそうだったから、わかるの」
彼女の名前も思い出せないのに。いつもはこんなに饒舌ではなかった。こんな風に心の裡を語るのをみたのは、これが初めてかもしれないと思った。
「だけど、私の涙は止めてもらった。わかったの。何もかもをなくしたように見えても、まだなくさずにいられるものがあるって。私を愛してくれたお母さんはもういない。だけど、私が誰かを愛することはできる。これだけはなくさない。奪われない」
灰色の腕の茂みを掻き分けて、彼女は前へと進み出ようとする。
「それに気付けて、やっと悲しまなくて済むようになった。だけど、それはファルスがいてくれたから。そんな心の種を植えてくれたから……でも」
判断を保留していた灰色の腕が、静かに彼女に絡みつき始めた。
「私にはわからないの。私には愛してくれたお母さんがいる。だから私も誰かを愛せる。じゃあ、世界で最初に誰かを愛した人は、どうやって愛したの?」
世界で最初に愛を発明したのは、誰だろうか?
それはどんな手順で成し遂げたのだろう?
いまやそれを知っている人はほとんどいない。
「私にはわからない。わからない! だけどファルス、あなたは知っているんでしょう? わからなくても、それだけはわかる! だから」
いけない、早くそこから逃げて……
誰の心の声なのだろう? けれども、切迫した叫びが聞こえた気がした。
「だから、そこはあなたの居場所じゃない!」
___「ここではありふれた物語」より - 19二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:26:17
好きって残酷だよね
(砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない)
分かれよ!
先に死なれちゃ俺がたまんねぇんだよ!
(塩の街)
だから、誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子だ。
(週末何してますか?シリーズ)
いま手元にないから、セリフうろ覚えだけど好きなセリフ集。見事にラノベばかりだ…。すかすかは、ヴィレムがバターケーキ作ってくれ、っていうシーンも好き。 - 20二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:28:26
楽しそうに生きてれば、地球の重力なんてなくなる
- 21二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:41:00
「僕あなたくらい大事なものは世界中ないんです。どうか僕を愛してください」(シグナルとシグナレス)
長いから省いたけど、直前の「やっちゃいけないこともできそうなくらいあなたが好き(意訳)」ってところも良い - 22二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 18:58:19
一節というより、名言集ですが。
『一番大事なことは、自分が何をしたいかだ』
『それがどんなものでも、どこかで受け入れるしかない』
『好きなものと嫌いなものが最初からあって、あとは好きなものを追いかけるだけなんて、随分と受け身じゃないか?』
『みんな間違った努力をして苦しんでいるの。愛されればうまくいくんだって。だけど、愛するだけなら自由よ。いえ、愛するからこそ、自由になれる』
『努力が報われるとは限らない。だがそれは結果についての話だ。歩み続けた道がなくなるわけではない』
『決して絶望なさらないでください。どんなことがあっても。なぜなら、絶望こそは誤謬だからです』 - 23二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 19:03:01
「あなた自身はどうなるんですか?」
言ってどうなるわけでもない。でも言わずにいられなかったのだ。
だがその瞬間、三蔵は、信じがたいことにアスラの心が動くのを感じ、
ーひとつの魂もあますなと言うのか。
と思念を返してくる恐ろしいほど純粋な神が、まるで小さい子どものような驚きと素直さをもって、その指摘を受け入れるのを感じた。
アスラはもはや心をよろおうとしなかった。あまりの驚きに忘れていていたのかもしれない。
鬼神の不動の確信が崩れ、喜びとも悲しみともつかない、凄まじい感情の波が三蔵を襲った。打ち砕かれるような敗北感と、結局多くの魂を傷つけただけで終わってしまったことへの、人間ならとうてい正気では引き受けられないほどの罪悪感とともに、しかしこの鬼神の中の鬼神は深い満足すらただよわせ、
「人間は欲が深い」
とつぶやいた。
刹那、三蔵はあたかも菩薩に微笑みかけられたかのような錯覚を覚えー
(幻妖草子 西遊記~天変編~/七尾あきら)
文章ちょっと端折ったけど - 24二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 19:14:17
文章単体で見ても好きだけど、
・目的の為、自分の感情を二の次にしていたヒロインが、主人公に唯一打算抜きで伝えた愛の言葉
・人を表すものの一つに散り際の一言が挙げられるが、その散り際の一言
・一巻の「わたしに惚れてもいいぞ」に対する、最終巻の本台詞
今までの既刊を踏まえると、さらにぐっと深みが増すから私もこの一節が好き
- 25二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 19:29:51
「心からの言葉ではない。それを嘘と呼ぶのは、君の自由よ」
視線が絡み合う。
無言。
……俺は、自分が笑うのを知った。
そして心からこう言うのだ。
「それを聞いて、安心しました」
(愚者のエンドロール/米澤穂信) - 26二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 19:44:08
赤毛のアンでマシューが亡くなって、その喪失感で心の底から楽しめなくなったアンに対して、牧師夫人が
「マシューは、貴女が心の底から楽しんでいる姿が好きだったんでしょう。貴女が笑ってる姿が大好きだったんでしょう。
だから、どうか笑ってあげて。天国にいるマシューは、それを心の底から喜んでくれるはずだから」
という夫人の温かい言葉で私の涙腺は崩壊した。今、本が手元にないから記憶を頼りに書いてるけど、このシーン大好きなんだわ! - 27二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 21:12:23
「では、寵辱の道も窮達の運も、一通りは味わって来た訳ですね。
それは結構な事でした。
生きると云う事は、あなたの見た夢といくらも変っているものではありません。
これであなたの人生の執着も、熱がさめたでしょう。
得喪の理も死生の情も知って見ればつまらないものなのです。
そうではありませんか。」
盧生は、じれったそうに呂翁の語を聞いていたが、相手が念を押すと共に、青年らしい顔をあげて、眼をかがやかせながら、こう云った。
「夢だから、なお生きたいのです。
あの夢のさめたように、この夢もさめる時が来るでしょう。
その時が来るまでの間、私わたしは真に生きたと云えるほど生きたいのです。
あなたはそう思いませんか。」
呂翁は顔をしかめたまま、然りとも否とも答えなかった。
(黄粱夢/芥川龍之介) - 28二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 23:19:06
「フチ・ネドバル。お前はどんな別れをするんだ?」
「相手によって違うよ」
「だけど、いまはこう言いたいんだ」
「あなたの追憶のなかで、楽しむでしょう。あなたのなかにいるオレをだいじにしてください」
「わかった。私のなかにいるおまえをだいじにしよう。これで、お前と私の道はわかれた」
(「ドラゴンラージャ」イ・ヨンド) - 29二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 23:41:39
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- 30二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 23:43:19
十二の声が怒って叫んでました。そしてその声はみんなおんなじようでした。いまや、ぶたたちの顔がどうなってしまったのか、疑いようはありませんでした。外から見てる動物たちは、ぶたから人間へ、人間からぶたへ、そしてぶたから人間へと目をうつしました。でも、もうむりです。どっちがどっちだか、見わけがつかなくなっていたのです。
動物農場
ジョージ・オーウェル/河端康雄訳 - 31二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 23:47:04
『いいか? 彼らを失わせるな。そして彼らを失うな。何故ならば、誰かが失われれば、その分、世界は寂しくなるのだからだ』
“不殺”の方針を示す理由を“世界が寂しくなるからだ”と言い切る傲慢な力強さが好き - 32二次元好きの匿名さん22/06/11(土) 23:47:42
終わりのクロニクル1/川上稔
- 33二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 01:47:53
「悲しみを知らなければ喜びがわからないように、不幸を知らなければ幸せがわからないのならば、幸せを知らないのがあなたの不幸」
うろ覚えだけど、ほんとに的を得た言い方で好き - 34二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 01:57:20
「春が二階から落ちてきた」
(重力ピエロ/伊坂幸太郎) - 35二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 02:31:12
「ただいま、皆! マインだよ!」
- 36二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 06:55:15
あしが動かなければ手であるけ
てがうごかなければゆびでゆけ
ゆびがうごかなければはで雪をゆきをかみながらあるけ
はもだめになったら、目であるけ
目でゆけ
目でゆくんだ
めでにらみながらめであるけ
めでもだめだったらそれでもなんでもかんでもどうしようもなくなったらほんとうにほんとうのほんとうにどうしようもなくなったらほんとうにほんとうにほんとうのほんとうにどうしようもなくほんとうにだめだったらほんとうにだめだったらほんとうに、もう、こんかぎりあるこうとしてもうだめだったらほんとうにだめだったらだめだったらほんとうにもううごけなくなってうごけなくなったら──
思え
ありったけのこころでおもえ
想え──
(神々の山領/夢枕獏) - 37二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 08:33:54
御行奉為
(巷説百物語/京極夏彦)
決めゼリフがあってそれかきっちりハマる瞬間はやっぱりゾクゾクくる - 38二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 09:38:55
オ父サマ。オ母サマ。ボクタチ兄ダイハ、ナカヨク、タッシャニ、コノシマニ、クラシテイマス。ハヤク、タスケニ、キテクダサイ。
(夢野久作「瓶詰地獄」)
どんな曇らせより残虐描写よりこれが一番怖い
小説読んでて血の気が引いたのは初めての体験だった - 39二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 09:44:40
「僕は生れたくはありません。第一僕のお父さんの遺伝は精神病だけでも大へんです。その上僕は河童的存在を悪いと信じてゐますから。」
──芥川龍之介「河童」
産まれ出ることの悪性 - 40二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 09:45:38
だが、いつかは「現実」が、「報道」をおいこして、インクの香りのする新聞紙や、ラジオ、テレビの受信機の背後から、こちら側へ、せまってくる時がくる。
───その時、惨劇はもはや人ごとではなく、あなた自身のものになるのだ。
(復活の日/小松左京) - 41二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 09:55:29
「神を信じていなくたって、地獄はありますよ」
アレックスはそう言って、悲しそうに微笑んだ。
「そうだな、ここはすでに地獄だ」
ウィリアムズが笑う。 (中略)
しかし、アレックスはそうじゃないと言って自分の頭を指差した。
「地獄はここにあります。 頭のなか、脳みそのなかに。大脳皮質の襞のパターンに。目の前の風景は地獄なんかじゃない。 逃れられますからね。目を閉じればそれだけで消えるし、ぼくらはアメリカに帰って普通の生活に戻る。だけど、地獄からは逃れられない。だって、それはこの頭のなかにあるんですから」
(虐殺器官/伊藤計劃)
伊藤計劃氏は早くに喪われるには惜しい才能を持った人だったけど、死に近かったからこそこういった台詞を綴ることが出来たのかなぁと思うと - 42二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 09:59:52
それはそうだろうよ。幸せになることは簡単なことんだ」
京極堂が遠くを見た。
「人を辞めてしまえばいいのさ」
捻くれた奴だ。ならば、一番幸福から遠いのは君だ。そして、私だ。
私は想像する。
遥かな荒涼とした大地をひとり行く男。
男の背負っている匣には綺麗な娘が入っている。
男は満ち足りて、どこまでも、どこまでも歩いて行く。
それでも
私は、何だか酷く———
男が羨ましくなってしまった。
魍魎の匣/京極夏彦 - 43二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 11:51:38
「――見ているか、アノス」
声とともに、細い紫電が一〇本、天に向かい、走っていった。
耳を劈く雷鳴と、暴食神ガルヴァドリオンを覆いつくすほどの紫電が溢れる。
天は轟き、地は震撼し、漆黒の獣の体が散り散りになっていく。
引き裂かれたガルヴァドリオンの腹の中から、ボロボロになった家がこぼれ、地面に落ちる。
次の瞬間、膨大な紫電が落雷し、ガルヴァドリオンを灰燼と化した。
残ったのは万雷剣。
落雷した膨大な紫電が、天の柱の如くその魔剣に帯電している。
柄を握っているのは、母さんを抱き抱えた父さんだ。
その外見はこの時代のものなれど、その魔力は確かに転生前のもの。
セリス・ヴォルディゴードのものだった。
「見ているか、アノス。これは、二千年前の俺が贈る魔法」
一歩、父が足を踏み出す。
「我が生涯、最後の<波身蓋然顕現ヴェネジアラ>」
- 44二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 12:18:58
「酒の飲めないあの人は江戸に酔っ払ってただけ……。来世も私が妻になって、しっかり守ってあげないと、あと、この子も」
まらそん侍の話の一つで、江戸で会った女と駆け落ちしようとする男の話の最後の妻の言葉。
実は、江戸への夫の思いを断ち切らせる為に、ビッチの江戸女を呼んでわざと振り切らせたという……。
女って怖い - 45二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 13:50:54
僕は彼女のことを理解しない。
彼女は僕の言葉を聞かない。
彼女はそれでいいと言う。
僕は、それは止めてくれと思う。
僕達は、いつまで経っても平行線で、決して交わることはない。
それでも、僕達は常に、少し離れたところに並んで立っていた。
“B.A.D.”Beyond Another Darknessの小田桐勤と繭墨あざかの関係性を表した文章
小田桐くんと繭さんの絶妙な距離感がよく出ていると思う - 46二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 14:43:25
人間は、殺されたお父さんのことは忘れても、奪われたお金のことは忘れません
米澤穂信『さよなら妖精』 - 47二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 15:41:27
「とにかく恋は罪悪ですよ、よござんすか。そうして神聖なものですよ」(夏目漱石 こころ)
- 48二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 15:55:19
与一鏑を取つてつがひ、よつぴいてひやうど放つ。小兵といふぢやう、十二束三伏、弓は強し、浦響くほど長鳴りして、誤たず扇の要ぎは一寸ばかりを射て、ひいふつとぞ射切つたる。
鏑は海へ入りければ、扇は空へぞ上りける。しばしは虚空にひらめきけるが、春風に一もみ二もみもまれて、海へさつとぞ散つたりける。
夕日の輝いたるに、皆紅の扇の日出だしたるが、白波の上に漂ひ、浮きぬ沈みぬ揺られければ、沖には平家、船ばたをたたいて感じたり。陸には源氏、箙をたたいてどよめきけり。
平家物語の中で最も美しい文だと思う - 49二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 16:10:55
ホームズの『土色の顔』のラスト
「僕の耳に『ノーベリ』と囁いてくれ」あたり
名探偵でも失敗するしそれを教訓にする
明かされた真実が家族愛っていうのも良い
自分の推理の間違いに気づいたであろうホームズが笑って土色のマスクを取るところも好き - 50二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 16:28:50
「ごん、お前だったのか。いつもくりをくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました。
兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。 - 51二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 16:31:41
民子は余儀なき結婚をして遂に世を去り、僕は余儀なき結婚をして長らえている。
野菊 伊藤左千夫 - 52二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 16:53:23
起こるべくして起きた事件だったのでしょうか。
「さあね。でも、一方で、みんながカタストロフィを待っていたのかもしれないとも思うね。みんな、黙っているけど、このままで済むはずがないと誰もが思っている。そして、あの時、その時が来たと誰もが感じたんだ。そういうことだったんじゃないかな」
恩田陸『Q&A』 - 53二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 16:53:58
眠りに落ちるように意識が薄れていくのを感じながら、本当に生まれ変わるんでしょうね、絶対でしょうね、とわたしは姿の見えないドルジに、念を押す。
『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎 - 54二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 17:19:12
タイムトラベラーはこうして3年前に消えた。
そして、ごぞんじのように、あれきり帰らないのである。
『タイムマシン』
H・G・ウェルズ 作 雨沢 泰 訳 - 55二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 19:26:59
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- 56二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 19:30:35
「では、鵜飼さん、その小切手はどうぞお持ちになってください。あなたにはそれを受け取る資格がありますわ」
鵜飼は一礼して、テーブルの小切手を再び取り上げた。
「では、遠慮なくいただきます。不成功の記念として」
こうして鵜飼たちの三毛猫捜しは終了した。
『完全犯罪に猫は何匹必要か?』東川篤哉 - 57二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 19:45:47
鉄の王フレーベは戦い、そして勝った
- 58二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 22:23:20
「・・・・それで良いんです。私は、化け物で良い。・・・私は、化け物だったから・・・あの石像に何度殴られても、死にませんでした。私が・・・化け物だからこそ、私はあの石像に立ち向かえます。───私は・・・私の力で、大切な人を守ります。だから、私は・・・化け物で幸せでした」
- 59二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 22:25:40
「・・・人はわたくしのことを理想主義者だといいますが、しかしわたくしはその理想を現実にするために戦っているつもりです。それがいつのことになるのかわかりませんが、いつかわたくしが理想主義者ではなく現実主義者と呼ばれるときが来るでしょう。そしてそれはわたくしの心が折れたときではなく────現実が理想に屈したときなのです。」
- 60二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 22:30:05
唯円「人間の願いと運命とは互いに見知らぬ人のように無関係なのでしょうか。
いや。それは多くの場合寧ろ暴君と犠牲者とのような残酷な関係なのでしょうか。
『かくありたし』との希望を、『かく定められている』との運命が蹂躙してしまうのでしょうか。
どのような、人間らしい、願いでも。」
親鸞「其処に祈りがある。願いとさだめとを内面的に繋ぐものは祈りだよ。祈りは運命を呼び覚ますのだ。運命を創り出すと云ってもいい。」 - 61二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 22:38:42
「嫌いなものは殺してしまう、それが人間のすることか?」
「憎けりゃ殺す、それが人間ってもんじゃないのかね?」 - 62二次元好きの匿名さん22/06/12(日) 23:56:34
「別にこの世界は神様が創ったわけじゃないでしょ。」
「太陽の周りで公転していた宇宙塵が衝突を繰り返したりくっついたりして塊ができたわけでしょ
その塊がどんどん大きくなっていって小さな惑星になる、それでその惑星がやっぱり衝突したりくっついたりして
この地球が───世界ができたんだよ。神様は初めから何処にもいなっかたし、神様がこの世界を創ったわけでもない。自然の成り行きで偶然できただけだよ。そんな風に計画性もなくできちゃった世界なんだから、アンバランスでも仕方ないんじゃないかな。」 - 63二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 00:04:33
「阿呆の血のしからしむるところだ(有頂天家族)」
- 64二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 05:20:56
「神はいないの?」
「神様はね、心の中にいるの。神様を必要とする人が自分の中に万能の神様を創って、それにすがるの。
でもそれって結局ただの現実逃避だし、心の中にしかいないってことは神様ってのは人の妄想でしかないんだよ。」 - 65二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 05:34:08
序文 ここに、新しい時空間に対する理論の研究について記す。
まだ理論は完成していないが、きっとプログラム「D-cat」の完成…つまり、ドラえもんがいれば完成するだろう。
僕はドラえもんに会いたいという個人的な目的から感情プログラムの研究を始めた。
だがそれにより生まれるドラえもんは新しいドラえもんであって、僕の友人であるドラえもんとは異なる存在である。
なので僕はもう一つの研究をここに記す。これは誰一人として口外していない。しずかにも。
───未来へ行けば、必ずドラえもんに会えると信じて。野比のび太 - 66二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 05:37:23
「ヘビには手がないのよ?人間は欲しいモノがあるとき手を伸ばすわ、手を伸ばして欲しいモノを掴み取るの。
でもヘビには手がないから手を伸ばすこともないし、掴み取ることもない。ヘビには人間の持つ浅ましさがないわ。」
「ヘビにも欲はあると思いますが。」
「欲があっても強欲ではない。それがヘビの良いところよ。」
「主様はヘビになりたいのですか?」
「まさか。私は人間でいたいわ。欲しいモノに向かって手を伸ばし、無理矢理にでも掴み取る人間でいたいの。」
「それは強欲でありたいと言っているように聞こえますが。」
「ええ、そうよ。ヘビの生き方は尊敬するわ、でもそれは私の生き方じゃない。
私はたとえ強欲であろうとも、欲しいモノは掴み取って手元に置いておかないと駄目なの。
大切なモノを掴んだままでないと私は生きていけないのよ。」 - 67二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 17:37:46
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- 68二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 17:38:30
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- 69二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 17:42:47
こいつはホモ・サピエンスだが、俺は違う
- 70二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 17:55:53
しかし私の場合、普段はそういう女には別室に居てもらう。
彼女には、時間が合ってゆっくり自分を憐れみたい時のゲストとして待機してもらい、
たまにリビングに呼んで、思う存分自己憐憫に浸る。女には、自己憐憫という娯楽があるのだ。
木洩れ日に泳ぐ魚(内田陸) - 71二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 19:19:18
「人は神秘を見上げるしかなかった」
「だから僕達はいくらでも観察してきたんだ、食い入るように、渇望を続ければ続けるだけ」
ラノベのブラッドサイン
「地獄はここにあります。頭のなか、脳みそのなかに」
虐殺器官
「はい、はい。申しおくれました。私の名は、商人のユダ。へっへ。イスカリオテのユダ。」
太宰治の駈込み訴え
我ながらジャンルがバラバラにもほどがある
パッと出てくる小説とかラノベの文章ってなかなか無いんだよな… - 72二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 20:25:37
「ぼくは『名探偵』です。みんなが幸せになれるように、事件を解決してみせますよ。」
(名探偵夢水清志郎事件ノート/はやみねかおる) - 73二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 21:00:09
「皇帝を、守るために、フェザーンで、地球教徒と、戦う…」
ポプランは、奇妙に音節を区切った。
「いくつかの文章を文節ごとに分解して、違う文節を組み合わせる遊びがあるだろう。あれを思い出すぜ。こんな場所でこんなことをするなんて、つい50日には想像もしなかった。生きてると退屈しないでいいな」
(田中芳樹『銀河英雄伝説』)
終始命の貴重さを描いてきた作品の終盤に出てきたセリフ。つい先日まで死ぬ気満々だったポプランが言うと重みがある。
銀英伝の文はみんな好きだが印象に残ってるのはここと最後の一文 - 74二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 21:09:18
「その瞬間──限界ぎりぎりの死闘のさなか、俺はかつてないほどの一体感を味わっていた。アスナと俺が融合し、ひとつの戦闘意識となって剣を振りつづける──それはある意味、途方も無く官能的な体験だった。」
—『ソードアート・オンライン1 アインクラッド (電撃文庫)』川原 礫著 - 75二次元好きの匿名さん22/06/13(月) 21:23:34
好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。
「夜長姫と耳男 坂口安吾」
この作品は良く理解できないけど、このセリフ読んだときハッして上手く言えないけど納得した - 76二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 00:59:52
「ねえサヤ、この地球上にどれだけの数の命があるか知ってる?
人間だけで六十億とか七十億なんだからほかの動物や虫、プランクトンなんかも合わせると数え切れない程
多くの命が存在しているわ。それはつまりこの世界には命なんて掃いて捨てる程在り、希少価値なんて
まるでまるでないってことよね。ミミズだってオケラだってみんな生きている
―――生きるなんて行為は虫けらですらもできるくらいどうでもいい行為なのよ。
そしてその生きるという行為に付随する死という概念も、実際のところたいした価値なんてないんじゃないかって、
そう思わない?」 - 77二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 08:40:47
俺は子供じゃないのに。
パウロは父親だったのだ。
無職転生 - 78二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 09:00:56
最果てのパラディン より
――それでね、百年もしたら歌になるの」
彼女はそれこそ、歌うように囁いた。
「神さまに仕える騎士に、最初は間者として近づいて、陰謀に巻き込んで。
でもいつの間にか目で追いかけて、ささやかな言葉に心を踊らせて、命を救われて。
身を擲って神前で証を立てて、そして身を引いて想いを募らせる――」
幸せにできなければならない、と思っていた。
もちろん、今でも不幸せにしていい、だなんて思ってはいない。
けれど――
「そんな、都の娼女の恋の歌 - 79二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 09:03:37
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- 80二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 09:04:02
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああん地球上の海全部干上がれ───ッッ!!」
水の力を操る戦士とは思えない大暴言を吐き、愛香が砂浜を爆走する。
ここで呼吸困難になったわ - 81二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 09:12:13
「俺たちは奇跡を起こすんだ」
「駄目な少年は駄目なんだろ。あんたたちはそう言った。絶対に更生しないってな。地球の自転が止まることがあっても、温暖化が奇跡的に止まっても、癌の特効薬ができることがあっても、スティーブン・セガールが悪役に負けることがあっても、非行少年が更生することはない。そう断言した」
「それを俺たちはやってみせるんだよ」
(『チルドレン』伊坂幸太郎) - 82二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 09:17:29
- 83二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 09:55:09
「楽しいことばかりじゃないのに、辛いことのほうが多いのに、生きていてくれて本当にありがとう。」
(『幽霊人命救助隊』高野和明)
たまには王道ど真ん中の泥臭い人間賛歌も読みたくなるんだよな - 84二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 10:15:35
「人間だからわからないね。人間だからわからないね」
(ノーライフキング)
みもふたもないが、あらゆる文学を二言に集約しろって言われたら、大体これに落ち着くと思う。 - 85二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 11:31:32
侍の本懐とは
ナメられたら殺す!
それに尽きる! - 86二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 11:40:14
くすりと笑い、わたしは歩み出ました。どこに向かうかは決めていません。でもどこからでも、大丈夫な気がしました。
だって、人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は妖精たちのものだったりするのです。
未来がわたしたちを待っていました。
(田中ロミオ『人類は衰退しました』)
毎巻裏表紙の紹介文に書いてあった文言だけど、最終巻まで読んだからこその味わいがなんとも言えない。 - 87二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 11:59:57
世界も他人も関係がない。胸を張って生きることができるように、強くなりたい。
十二国記 月の影、影の海 より
人の顔色ばっかり伺ってた主人公が、何度も裏切られた後に辿り着く結論がこれ。この美しい一文よ…
十二国記は語りたい箇所が多すぎて困る - 88二次元好きの匿名さん22/06/14(火) 20:45:36
- 89二次元好きの匿名さん22/06/15(水) 00:18:54
私はこの人に声をかけられたことがある、助けられたことがある。それがたった一つ、私と、楽しそうなテレビの向こう側とを結び、世界を嫌いにならずにいさせてくれた。
(ツナグ/辻村深月) - 90二次元好きの匿名さん22/06/15(水) 01:18:27
- 91二次元好きの匿名さん22/06/15(水) 01:46:41
「無駄だって言うなら、俺にくれよ!
捨てるんだったら俺にくれよ!
俺だったら無駄にしねえよ!
俺だったら捨てずに大事にしてやんよ!!」
(境界線上のホライゾンⅦ下)
これ、ショタが自殺しようとしてるオネに告ってるシーンなんだぜ。俺はコレを超えるショタオネのシーンを見た事が無い。 - 92二次元好きの匿名さん22/06/15(水) 10:23:28
- 93二次元好きの匿名さん22/06/15(水) 13:01:38
「怖かったでしょう。よく、頑張りました」
ありがとうございます、というぼくの声は、涙に塗れてもうほとんど声にならなかった。
『ぼくのメジャースプーン』辻村深月 - 94二次元好きの匿名さん22/06/15(水) 19:11:34
この人はこの世界でちゃんと生きている(SAO1巻)
アスナがキリトを見直した理由
多分、好きになった一番の理由でもあると思う
SAO読んだのずっと前だけどこの言葉が一番記憶に残ってて、一番好き - 95二次元好きの匿名さん22/06/15(水) 22:53:24
神は、在る。きっと在る。人間到るところ青山。見るべし、無抵抗主義の成果を。私は自分を、幸福な男だと思った。悲しみは、金を出しても買え、という言葉が在る。青空は牢屋の窓から見た時に最も美しい、とか。感謝である。この薔薇の生きて在る限り、私は心の王者だと、一瞬思った。
(善蔵を思う/太宰治) - 96二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 00:14:26
スレ建てた人でもないからこんな事言うのあれだけど、めっちゃ詳細気になるのいくつもあるから、本のタイトル記載がない奴のタイトルを投稿した人でも分かる人でも誰か教えて欲しい。
- 97二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 06:18:19
神父と尼僧が赤煉瓦の町をひた走る
十字架も持たず
祈りの言葉も知らず
それでも誰かを救おうとして
バッカーノ/成田良悟 - 98二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 07:38:50
獣の奏者かな?
- 99二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 14:34:24
今まで生きてきて今が一番幸せかもしれない
新海誠/言の葉の庭 - 100二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 14:49:59
「"Because I miss you."」
「……え?」
「逢いたくて、じゃないかな?」
海野雅愛は簡単に言った。
正解だった。
(『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹) - 101二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 14:58:28
「⋯⋯過去に帰ったら、何か変わるの?」
「いやあ、変わらねー変わらねー。おんなじことを繰り返すだけだ。リフレインっつーのか、リピートっつーのか、いやいや、ここは味な感じにウロボロスの蛇っつーのか。ぐるんぐるんと、永遠に、とこしえに同じことを繰り返すだけ──そんでもって撫子ちゃんは、毎回、おんなじようにここで膝を抱えて、泣きながら蹲って、あの頃の自分に戻りたいとか言い出すんだよ。そして俺様が、そのたんびにその願いを叶えてやるのさ。神様っぽく、な」
(西尾維新『囮物語』) - 102二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 20:26:41
金曜のバカとか良かったなぁ
- 103二次元好きの匿名さん22/06/16(木) 21:24:56
「人の棲むところに理想郷などあり得ませんよ。例外なく」
麻耶雄嵩『鴉』 - 104二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 04:30:49
これは西尾維新の「真庭物語」に出てくる初代真庭喰鮫っていう「涙の喰鮫」と呼ばれる平和主義者のセリフ
- 105二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 05:13:17
- 106二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 05:15:55
――夕刻が近づく空の下、異邦人と銀髪の半魔が身を寄せ合って想いを交わす。
長く長く続いた、苦難と絶望の繰り返し。
それを乗り越えてようやく得た、穏やかで静かな時間。
これはただ、この時間を得るためだけの物語。
遠回りして、すれ違い続けて、迷い続けてきた、それだけの物語。
ひとりの自信のない少年が、ひとりの自信のない少女に想いを伝える。
ただそれだけのために頑張った――それだけの物語。
(Re:ゼロから始める異世界生活) - 107二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 14:09:04
だが、あたしの腕の中でディラールの体は急速に熱を失なっていた。
───あたしは知っていた。
人の死とは、こういうものなのだ、という事を・・・・・・。
(スレイヤーズ)
普段は感情的なリナが仲間の死を淡々と受け入れる「プロ」の一面を見せるシーン
同時に後にルークと敵対した時の取り乱しぶりとの対比でもある - 108二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 15:30:38
人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある(東野圭吾『容疑者Xの献身』)
- 109二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 17:34:22
「…なんだ、アンタやっぱり生きてたのかよ」
ベルクーリが肩をすくめると、銀瞳を瞬かせた最高司祭アドミニストレータは、軽く笑った。
「そんなわけないじゃない。これは、あなたの記憶の中の私。あなたが魂に保持していた、アドミニストレータの思い出」
「ふうん、何だかよく解んねぇな。でも…オレの記憶のなかのアンタが、そうやって笑ってられてよかったよ」
(川原礫 『ソードアート・オンライン 14』)
アドミンも騎士長もいいキャラしてたよホント - 110二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 18:13:28
俺の槍を磨け
- 111二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 22:34:46
- 112二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 22:47:24
「正論は正しい。だが、正論を武器にする奴は正しくない。」(図書館戦争)
読んだ当時は上手く理解できなかったけど、今なら分かると思う。 - 113二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 22:55:14
十二国記の「自分を憐れんで泣く涙はさ、餓鬼の涙だよ」は思春期に読んだのもあってもろに影響受けたなぁ
- 114二次元好きの匿名さん22/06/17(金) 23:55:23
希望はいいものだ。多分何よりもいいものだ。いいものは決して死なない。
『塀の中のリタ・ヘイワース』より
「ショーシャンクの空に」の原作
ただ、一さいは過ぎていきます。
自分はことし、二十七になります。白髪がめっきりふえたので、たいていの人から、四十以上に見られます。
『人間失格』より
好きとは違うけど、何度も読み返したくなる小説 - 115二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 07:15:59
「十七だろ。最高だよな。あんなに可愛い女の子といっしょにすごせて、それだけで舞いあがっちまうよな。オレもそうだったから、よくわかるよ。だけどな、はかねえぞ。そんなもん、すぐに消えちまうぞ」
(半分の月がのぼる空) - 116二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 12:39:29
シェイクスピアの「ヴェニスの商人」って作品
- 117二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 18:34:23
小説の女性の身体の描写って良いよね。
池波正太郎作品の女性の書き方とか特に好き - 118二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 22:32:40
「そこをなんとか頼みますよ、先生。もう一声。恩にきますよ」
「あなた死亡推定時刻を値切るつもりですか」
完全犯罪に猫は何匹必要か?/東川篤哉 - 119二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 23:09:24
恋というものが何度でもできるものだとは、絶対に自分は信じない。こんな思いは、もう絶対にごめんだと滝沢は思った。若さゆえだとか、人間が未熟だからだとかは、20年30年経ったとしても決して思わないだろう。地を這う思いでどうか愛してほしいとたった一人に向けて跪く、こんな思いがそうそうあってたまるものかと思う。
花丸くん。
讒言(ざんげん)に惑わされるな。甘言に誘われるな。己が思考に固執するな。自らの視界を狭めるな。足元を見ることを忘れるな。理想を掲げることを忘れるな。余は皇帝とはこのようなものだと、自ら考えそれを実行しているまでのこと。完遂してるとは言いがたいが。
PASTORAL
人間は、読書ではなく労働によって自己を完結させる。
つまり、人間を向上させるのは文学でなく生活であり、学問ではなく行動である。
自助論 - 120二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 23:28:41
夢は諦めてもいい。もちろん、追いかけ続けてもいい。けど、どうしてそれに憧れたのかだけは忘れるな。
帰ってきてもファンタジー!? - 121二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 23:43:25
「うちの父なんか、あたしが生まれたときからうろたえっぱなしよ。だってーー」
「赤ん坊が生まれるようなことをした覚えがなかったんですって」
「夢遊病だったの?」
「いいえ。あたしの母はマリアさまなのよ」
ちょっと端折ってるけど宮部みゆき『今夜は眠れない』のここのやりとり好き - 122二次元好きの匿名さん22/06/18(土) 23:44:00
さらば友よ。我は汝の千倍も邪悪であった!
マイクル・ムアコック著 『ストームブリンガー』より - 123二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 00:50:27
ゆっくりと、目の前の運河を、空から降り注ぐ日差しが過ぎった。
その瞬間、鈍色に見えた川面が、キラキラと黄金色に輝いた。
美しい光。しかし、あの光にカーサたちが触れることは許されない。あれは太陽の光。生命を育む、聖なる光だ。
カーサたちには、ただ遠くから眺めることしかできない光である。
BLACK BLOOD BROTHERS11 第五章「夜明けの牙たち」より - 124二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 08:28:26
「いつだって! どんなときだって! やりたい! 変わりたいと! そう思ったときがスタートラインだろうが!!」
挫折して、何もかもなくして、諦めに浸って足を止めて、膝を抱えて蹲って。
自分への落胆、他者からの失望、大事な人たちに見捨てられる孤独感、そんなものに心底から染め上げられたような気になって、自分は駄目なんだと、そんな風に思い込んでも。
「また顔を上げて、前にある道を歩き出すのを、誰がどうして諦めろなんて言えるんだ!」
諦めろ、やめちまえ、蹲っちまえ。
くだらない。何もかも、耳を貸すに足りない戯言だ。
膝を抱えてた奴がいて、声をかけるような気紛れを働かせるなら、どうせなら応援しろ。
頑張れ。やっちまえ。何がなんだか知らないけど、立って走ればどっかにつく。
――胸の奥が、熱い。
「そうだろ、ガーフィール……!」
目の前の、弱々しく瞳を揺らす、小さく見える男の名前を呼ぶ。
――腹の中身が、燃えている。
「そうだろ、エミリア……!」
背後からスバルたちを見下ろしている、弱さと何かの狭間にいる彼女の名前を呼ぶ。
――瞳の奥から、溢れ出すものがある。
「なぁ――そうだろ、レム!!」
顔を上げ、口を開き、目を見開いて、立ち上がる切っ掛けをくれた人の名前を呼ぶ。
諦めて足を止めたとき、それで終わりのはずがないと、教えてくれたことがあった。
そのときにもらった力が、万人に届くべきだとナツキ・スバルは望むから。
(Re:ゼロから始める異世界生活) - 125二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 16:32:31
「1つだけ条件がある。ロード・エルメロイにはII世をつけてほしい。僕には重い名だ。相応しいのは先生だけだろう」
(ロード・エルメロイII世の事件簿) - 126二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 21:42:42
「なにがあったから知らないけど、あんたは今、俺たちを助けるって、良い事をしたんだから、それでチャラって事にしようぜ。足りなかったらチャラになるまで良い事をすればいいさ」
「うんうん。悪い事をした人でも、いっぱい良い事をしたら、『なんだ、こいつ実は良い奴なのか』って思っちゃうの。人間って、そういうものだよ」
(バッカーノ!」 - 127二次元好きの匿名さん22/06/19(日) 22:22:22
「お忘れですか、お嬢さま。お嬢さまもいらしたではないですか。この部屋で、先の旦那さまがわたくしにお言いつけになったではないですか」
父と、わたしと、五十鈴とで。
ああ、それは最初の日のこと。わたしの十五の誕生日。思い出が蘇る。そうだ、父は確かに、五十鈴に行った。
「お嬢さまの味方をせよ。……お嬢さまと仲良くせよ、と」
では五十鈴は、その言葉を守っていたのか。
その言葉を、守っていただけだったのか。
父がそう命じたから。仲良くしてくれと言ったから、五十鈴はわたしに微笑みかけ、話を聞いてくれ、本を勧めてくれたのか。
『儚い羊たちの祝宴 / 玉野五十鈴の誉れ』米澤穂信
主従を超えた親友だと思ったろ?心が通じ合う仲だと思ったろ?二人なら鬼ババに立ち向かえると思ったろ?
忘れてんだろうから思い出させてやるよ!
"女子はいらない" - 128二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 05:57:46
「いつ死ぬも同じ。だからこそ―――いつだって死には抗ってなきゃいけないんだ」
(魔術士オーフェン はぐれ旅) - 129二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 13:20:48
- 130二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 16:35:00
声をかけられたらまず立ち止まり、そうして「はい」と返事をしながら、身体全体で振り返る。ふいのことでも、あわてた様子を見せてはいけないましてや顔だけで「振り向く」なんて行為、淑女としては失格 (マリア様がみてる)
1巻の本当に最初のワンシーン。このあと挨拶に失敗するの流れも含めて、学校の教育、主人公の一貫する性格、祥子様の人間性が揃ってて引き込まれた - 131二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 16:41:56
私の名はピーター・ダーウィン。
誰もが訊くので真っ先に申し上げておく、ちがう、チャールズの血縁ではない。
ディック・フランシスの書き出しは神 - 132二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 16:47:44
「なるほど」私は学んだ気分になる。「人間というのは、眩しい時と笑うときに、似た表情になるんだな」
老女は一瞬きょとんとしたがすぐに、そうだね、と答えた。「言われてみれば、意味合いも似てるかも」
「意味合い?」
「眩しいのと、嬉しいのと。似てるかも」
「何だそれは」老女の言うことの意味がよく分からなかった。
ほんと、眩しいね。老女が弾むような声で言うのが、聞こえた。
(伊坂幸太郎『死神の精度』) - 133二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 17:16:49
- 134二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 17:19:41
桐原の胸には何かが刺さっていた。血に染まって判別しにくかったが、それが何であるか笹垣にはすぐわかった。彼が宝物のように大切にした鋏、彼の人生を変えた鋏だ。(白夜行)
- 135二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 19:20:33
「消えるために燃える炎よ! おまえたち必滅者はいつもそうだ! 挫折するためにひた走る者たち!」
シオネは腕を荒っぽくふりまわしながら叫びつづけた。
「死.ねるくせに! 死.ねるくせにその生の価値ある使い方を知らない!
おまえたちは破滅の瞬間をおそれて、目的もなく、意味もなく走っていくんだ
破滅する前に、なんでもいいから成しとげればいいと信じて! 手あたりしだい、やりたい放題の愚鈍なやつら!」
(「ドラゴンラージャ」イ・ヨンド) - 136二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 19:37:08
「そうです。相手をそのままの姿にしておけないんです。
どうにかして、自分を愛してくれるよう望みます。
その人なりの楽しみ、その人なりの喜びをすてさせ、自分といっしょにいることによって楽しみ、
自分といっしょにいることによって喜ぶことを望むんです。
相手の気持ちを理解してやらずに。
この点では、愛と憎悪はほとんど同じです。
いずれも、相手を変化させようと必死になるものだから」
~略~
「なぜだと思いますか。片思いと恋わずらいは相手を変化させられないからです。
だから、つらく悲しいんでしょう。
じつは、これはとんでもないことです。
人を好きになったら、ただその愛を大切に考えればいいんです。
それなのに、相手が私を見てくれたら、私を愛してくれたらと望むようになり、
その望みがかなえられないと、壊れてしまう。
やっかいといえばやっかいだし、同情しようと思えば同情に値することです」
もう一つ「ドラゴンラージャ」から。
児童文学だけど今読んでも色々と考えさせられる名作だと思う - 137二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 21:27:12
ずーっと心に残ってる一節があるけど、最終巻ラストシーンの最後の一節なんでそこまでの積み重ねがないと何にも心に響かないし、ネタバレなんじゃないかというジレンマ……。「キーリ」ってラノベなんだけど……。
- 138二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 21:34:37
神は留守だよ 休暇取ってベガスに行ってる
……マンガだけどさ。このフレーズは忘れられない。 - 139スレ主22/06/20(月) 23:18:26
「わたしたちはおとなにならない、って一緒に宣言するの。
このからだは
このおっぱいは
このあそこは
この子宮は
ぜんぶわたし自身のものなんだって、世界に向けて静かにどなりつけてやるのよ」
ちょっと簡略化してるけど伊藤計劃の「ハーモニー」から
ちょっと変わった導入からこのセリフで一気に物語が理解の及ぶところまで降りてきた感覚がして引き込まれた
表現も生々しくて好き - 140二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 23:19:58
直前の質問がないと意味不明だなこれ
- 141二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 23:36:18
>>139ですが名前変えそびれただけでここのスレ主ではないです
申し訳ない
- 142二次元好きの匿名さん22/06/20(月) 23:39:57
そんなことがあるはずがない!
愛とは不変であり、不滅であり、無限であり、永久であり、真実であり、絶対であり、不可侵であり、そして無敵である!
そう強く訴える。
だけどアンジェラは寂しげに首を振った。
(違うの。残念だけど違う。愛はどんなに強く燃え上がっても何かちょっとしたきっかけで、一瞬で消えてしまう。どんなに不変だ、不滅だ、永久だ、なんて思っていても本当につまらない、ちょっとしたことでね。この現象を私たちは、さめるって言ってるのよ)
楽園追放 mission.0 - 143二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 10:27:34
彼女を生かしたのは空想です。彼女を殺したのも空想です。
ただそれだけです。
少女地獄/夢野久作 - 144二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 10:44:19
「俺達孤児にとって、世界はこの焼け爛(ただ)れた部屋と何も変わらない。いつ焼け死ぬか分からない、地獄さ」
「焔(ほむら)の中で俺達は生きている。生きていくしかない。身を焼きながら、乾きながら……それでもいつか、自力で抜け出す」
無名探偵R15 残酷な描写あり ハードボイルド 探偵小説 ヒーロー 探偵 ダークヒーロー 明治・大正 戦争 兵士 気触れと潰れ 殺人鬼 バトル 正義 アクション ダーク 悪女ncode.syosetu.com - 145二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 10:51:19
「痴漢は○ね」(NGワードにつき死が入れられなかった)
伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」より
こんな短い子供みたいな文章なのに読むと思わず笑いながら涙が出てくる良いシーンなんすよ… - 146二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 21:08:37
オチも含めて一番好きだその話
- 147二次元好きの匿名さん22/06/21(火) 21:26:22
その無償に限りなく近い献身的な態度は、僕に蜜柑の皮むきを思い起こさせた。
(中略)感謝の言葉なんて一度として頂戴したことはないのに、僕はそれを今懐かしみ、嫌悪することはない。
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん1 幸せの背景不幸』入間人間
「蜜柑の皮むき」って独特な例えがスッと出てくるの好き。 - 148二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 06:51:58
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- 149二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 16:39:39
「わかりました──といっても、そりゃ、こんな世界なんかこわれてしまえって、また思うかもしれません。でも、そのときは、自分の力でこわしますよ」
(怪盗クイーン ケニアの大地に立つ/はやみねかおる) - 150二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 20:00:40
「小さな悪、大きな悪、その中間の悪、どれも同じだ。区分は交渉しだい、境界線はあいまいだ。おれは敬虔な隠遁者ではない。これまでの人生、善行ばかりではなかった。だが、ひとつの悪と別の悪のどちらかを選べと言われたら、どちらも選ばない道をとる。」
リヴィアのゲラルト/ウィッチャー短編集1最後の願い
カード狂いの足首が貧弱なマダオ扱いしてすまねぇ...格好良すぎだろ... - 151二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 20:16:53
興味深いことじゃが、ハリーよ、
権力を持つのに最もふさわしい者は、
それを一度も求めたことのないものなのじゃ。
きみのように、やむなく指揮を執り、
そうせねばならぬために権威の衣を着るものは、
自らが驚くほど見事にその衣を着こなすのじゃ。
『ハリーポッターと死の秘宝 下』 - 152二次元好きの匿名さん22/06/22(水) 20:53:48
「もしあんたが、トーラスで助けが必要になったら、トーラスの下町で<煙とパイプ亭>をいとなんでいるゴダロのところへいくといい。おれのおやじだ。よい人間だし、息子の死にかたを知りたいだろう」
(グインサーガ1「豹頭の仮面」、グインサーガ67「風の挽歌」)
こういう心に響くのがあるから多少長くて冗長でも何度も読み返すのがやめられないんだ
- 153二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 00:49:55
金が欲しくて訴え出たのでは無いんだ。ひっこめろ! いいえ、ごめんなさい、いただきましょう。そうだ、私は商人だったのだ。金銭ゆえに、私は優美なあの人から、いつも軽蔑されて来たのだっけ。いただきましょう。私は所詮、商人だ。いやしめられている金銭で、あの人に見事、復讐してやるのだ。これが私に、一ばんふさわしい復讐の手段だ。ざまあみろ! 銀三十で、あいつは売られる。私は、ちっとも泣いてやしない。
〜〜中略〜〜
銀三十、なんと素晴らしい。いただきましょう。私は、けちな商人です。欲しくてならぬ。はい、有難う存じます。はい、はい。申しおくれました。私の名は、商人のユダ。へっへ。イスカリオテのユダ。
『駆け込み訴え』太宰治 - 154二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 01:10:58
「墨家」という戦争を治めるために弱国へクソ強な信徒を派遣して強国に抗い続けるやべー奴らがいて
「革離」という名の主人公が墨家の徒としてある国の城へ派遣されて強国の侵攻をたった一人で跳ね返し続けて
彼の活躍を描いた『墨攻』って物語を締めくくる文章が──
『革離という名は、どの史書を探しても見つかることはない。墨家にとって、彼程度の人物は語り継ぐに値する人材ではなかったのである。』 - 155二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 05:10:58
わたくしどもはただ、死をもってすら、この苦しみが終わらぬことを恐れたのです。
米澤穂信「黒牢城」
最近読んだ中から
是非読んでほしいね
あとは一節じゃないけど
1条 仲間を信じ、仲間を助けよ。
2条 依頼人との契約は絶対守れ。
3条 強くあれ。但し、その前に正しくあれ。
4条 武偵は自立せよ。要請なき手出しは無用の事。
5条 行動に疾くあれ。先手必勝を旨とすべし。
6条 自ら考え、自ら行動せよ。
7条 悲観論で備え、楽観論で行動せよ。
8条 任務は、その裏の裏まで完遂すべし。
9条 世界に雄飛せよ。人種、国籍の別なく共闘すべし。
10条 諦めるな。武偵は決して、諦めるな。
これ好きなんよなぁ
特に7条 - 156二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 05:21:27
村は死によって包囲されている。
屍鬼(小野不由美) - 157二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 05:24:46
美しく紡がれたはずの野望が崩れて行く。暗い闇夜を月が切り拓き旅人に光を与えるように、月夜に天を駆ける守護神フュルギヤがその手の槍で邪悪を打ち砕くように。
「これが破滅か、これが俺の顚末か。シグルーン、貴様が俺の死神なのか」
グラーシーザは暗い目で空を見上げる。破滅が、美しい少女の姿をして近づいている。風が茫々と黒い衣を吹き煽り、馬はまっすぐゼーラントの砦を目指した。
海賊船ガルフストリームの一節 - 158二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 05:44:22
だから、もう、おれの細胞のいっこずつでも何でも、その全て、ありったけを出すしかなくなっちまったところまで来たときには、おれは、おれを出すしかない。 おれに作戦があるとしたら、それはもう、愚地独歩でしかない。
作戦名、愚地独歩。
技の名前、愚地独歩だ。 - 159二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 06:00:41
おれは、愚地独歩になるために闘う。
愚地独歩が、何者であるか、知るために闘うんだ。
来い、たあ言わねえよ。
動けねえだろ。
あんたのその足に敬意を表して、おれからいってやろう。
一歩、おれは、あんたに近づく。
どうする。
ああ、抱きしめたい。
これから始まることで、ときめく。
もう一歩で拳が届く。
さらにもう一歩進んだら、あんたを抱きしめてやるしかなくなっちまう。
もう、一歩。
!
おれたちの身体の中で同時に鳴った。
神の鳴らしたゴングだ。
神の時間に突入!!
小説ゆうえんち―刃牙外伝―4 (夢枕獏)
158の時点で好きだけど、ここまで含めて大好き
全然、一節じゃないな
- 160二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 16:20:33
けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう。
- 161二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 16:32:31
「ここは男子の遊び場で、男子だけの楽しいごっこ遊びの世界なの。自分たちの都合の良いルールと趣味だけで盛り上がって、ちょっとツッコまれたらムキになって。だけど、そろそろ女子のことも意識していいんじゃないかなー。女子の考えてること知ったら、もっといろんな発見あるのに」
「JKハルは異世界で娼婦になった」
異世界転生系が爆発的に流行り初めて悪役令嬢ものに遷移する前のピンポイントな時期に、異世界転移もののアンチテーゼを華麗かつ軽快に描いた名作だと思ってる。あの頃は、なろう系と言ったら男性主人公のハーレムものが主流だった - 162二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 16:52:07
背は泰山の如く、翼は垂天の雲の如し。
羽搏いて旋風を起こし、弧を描いて飛翔する。
雲気を絶ち、青天を負い、そして後に南を図る。
南の海を目指して。
(……図南の翼……)
その鳥の名を、鵬という。 - 163二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 16:52:38
「わかりました」コンピュータは言い、また黙り込んだ。ふたりの男は居ても立っても居られない様子だった。緊張が耐えがたいほどに高まる。
「ですが、まったく気に入らないと思いますよ」ディープ・ソートが意見を述べた。
「いいから早く!」
「わかりました」ディープ・ソートは言った。「深淵なる疑問の答えは……」
「答えは……!」
「生命、宇宙、その他もろもろのの答えは……」とディープ・ソート。
「答えは……!」
「答えは……」ディープ・ソートは言い、また口をつぐんだ。
「答えは……!」
「答えは……」
「答えは……!!!……?」
「四十二です」ディープ・ソートは、はてしない威厳をこめ、あくまでも落ち着きはらって答えた。
ダグラス・アダムス 銀河ヒッチハイク・ガイド - 164二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 16:57:24
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- 165二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 17:08:30
「INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER(解答をするにはデータが足りません)」
「THERE IS AS YET INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER(解答をするにはまだデータが足りません)」
最後の質問の解答は、それを実演してみせれば十分だろう。
アイザック・アシモフの短編『最後の質問』より。
多分、1番印象的なのは最後の2文だろうけど、流石にそれを書くほど野暮じゃない。 - 166二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 22:37:27
「僕のために笑ってしね」
新本格魔法少女りすか 西尾維新 - 167二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 23:03:29
「――俺の名前は、ナツキ・スバル」
「――――」
「ユリウスに託されて、ベアトリスが信じて、エキドナが赦して、エミリア……君に、願われる、その男の名前が、ナツキ・スバルなら」
紫紺の瞳を黒瞳で見つめて、銀髪を煌めかせる少女に黒髪の少年が答える。
桜色の唇を震わせた問いかけに、血で赤黒く汚れた唇が答えを返した。
「――俺が、ナツキ・スバルだ」
今、弱々しく、力のない、絶望に蝕まれた体と心で、しかし宣言しよう。
エミリアを、エミリアたちを、君を、君たちを、その無事を、安寧を、望むと、願うと。
(Re:ゼロから始まる異世界生活) - 168二次元好きの匿名さん22/06/23(木) 23:27:28
「ぼくは「名探偵」です
みんなが幸せになれるように
事件を解決してみせますよ」
名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズ/はやみねかおる
色んな「名探偵」の定義はあるだろうけどコレが一番だと思う - 169二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 02:02:05
「他人を全部理解する事なんかできない。だけど、あんなの大した痛みじゃないって言える奴と、きっと俺は、友達になれない」
(カリギュラ小説版)
「あの子がね。泣いて、私を説得するんですよ。あの汚い部屋の床に無様に這い蹲って、恥も外聞もなく、私に言うんです。人を殺すのは、悪い事だってね」
(ダブルダウン勘操郎)
「まったく人間というのは狡賢い。どんな物語でも、割りを食わされるのはいつだって悪魔の方さ」
(忍の保存庫/悪魔の話)
最後だけ完全無欠にweb小説だけど、好きなんだからしょうがないよな - 170二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 02:03:10
胎児よ胎児よなぜ踊る
母親の心が分かって恐ろしいのか - 171二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 02:19:28
「――――そうだ。オレは」
その為に、あらゆる苦しみに耐えてきた。
見苦しく投手に固執し続けた。
プロの野球選手になろうと思った理由。好きだから。貧困から逃げたかったから。周りを見返したかったから――違う。そんな理由でボールを握った訳ではない。彼はただ、あの日にみたもののために。ただ辛いだけの人生だった、何一つ意義のなかったあの女に。生まれてきて良かったと、胸を張れる誇りを与えてやりたかった――――
……ようやく思い出した。この夢は鋳車和観の夢ではない。彼が救いたかった、母親への夢だった。
その母親はもういない。
自分が投げ続けようと誓った一番の理由。
楽園を去ってまで守ろうとした幼い決意。
けれど。
「ああ――その夢は、もう終わっていたんだな」
八ヶ月前の十二月に幕を下ろした、報われることのなかった彼の人生。
『DDD』/奈須きのこ - 172二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 06:29:10
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- 173二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 15:29:50
そうしてまだその日のうちに、
うやうやしく心を打たれたひとつの世界が、
彼の訃報に接したのであった。 - 174二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 16:36:43
平島コウ氏の作品はこれを初めて読んだ時が衝撃だった。
『最初に人間を作った神様ってのも、さぞかし醜い顔と心の持ち主だったに違いない。』
『亜種王』より。この一文に至るまでの心理描写がマジで良いんだ、エロ小説だけど。
- 175二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 18:24:32
- 176二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 22:10:57
口先だけの綺麗事を言う奴は嫌いだ。
現実を見ずに闇雲に希望に縋る奴も嫌いだ。
世間知らずの裏返しで純粋な奴も嫌いだ。
こいつは口先だけの綺麗事を言ってるのか? それならば「自分を鍛えてくれ」などとは言うまい。
こいつは現実を見ずに闇雲に希望に縋ってるのか? いや、こいつの目は絶望的な現実を理解した上で希望を掴もうと足掻いてる人間の目だ。
こいつの純粋さは世間知らずの裏返しか? 多少はそれもあるだろうが、世間知らずだけで作られた純粋さは困難にぶち当たれば簡単に折れ曲がる。
(封仙娘娘追宝録) - 177二次元好きの匿名さん22/06/24(金) 22:56:14
「畜生!くだらねえ人生だった……オイ。俺を殺したからといって何も変わらんぜ」「否」
ニンジャスレイヤーは瞑想的に答えた。
「全ての行いは結果を生み出す。善きにせよ悪しきにせよ」
重金属酸性雨が降り続く。底抜けの雨だ。ニンジャスレイヤーは言った。「そしてその結果は私自身のものだ。オヌシらにそれを取り沙汰する権利はない」
ニンジャスレイヤー第3部
「リヴィング・ウェル・イズ・ザ・ベスト・リヴェンジ」より - 178二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 06:19:20
人々は、
許されており、
忘我のうちに衝突した車の盛り上がるボンネットを陶然と眺め、煙を上げるフライパンを、取り落とされたマッチの火が燃え上がるのを、ただ穏やかに見つめ続けた。
〜中略〜
食べ物を見つめたままでその美しさを、世界の貴さを讃えて微笑み続け、自分がその自然の一部を構成していることに心の底から感謝しながら、地球人類は至福の裡に、十二〇億の人口を餓死によって失った。
円城塔/エピローグ
マヴラヴ、虚無戦記みたいな絶望的なバトルもの+推理小説+「恋愛小説」の恋愛小説+文章の自動生成プログラムが混じったカオスな小説で、訳がわからんけどすごい面白い
このシーンは侵略者が現実解像度を二百倍にし、情報過多で人類の脳を破壊したところ - 179二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 17:36:51
「未来もこの暗い山の中と一緒。どうなるかは、カミのミソ汁。どっちに進むかは覚悟を
持って決めるんだよ。」
はやみねかおる 都会のトム&ソーヤ - 180二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 22:38:25
夢みながら彼は自分の血の音を聞いた。血は頭の中でどきんどきんと鳴り、乱れた苦しそうな大波を立てて心臓を出入りし、彼の呼吸を止めた。
ヘルマン・ヘッセ 『車輪の下』 - 181二次元好きの匿名さん22/06/25(土) 22:41:12
「恋は病気で、愛は狂気かもね」
みにくいあひるの恋 - 182二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 09:06:30
「すきな人へ
あなたはわたしの犬のようにきれいだ。だからわたしはあなたがすきだ」
エリナーファージョン レモン色の子犬 - 183二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 16:10:02
(それは世間が、ゆるさない)
(世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)
(そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)
(世間じゃない。あなたでしょう?)
(いまに世間から葬られる)
(世間じゃない。葬むるのは、あなたでしょう?)
人間失格 太宰治 - 184二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 16:26:12
過去に積み上げた小さな石が、知らぬ間に集まって大きな結果をもたらしてくれた。李斎はこのところ、そんなふうに感じることが多い。
──過去が現在を作る。
ならば、いまが未来を作るのだ──たとえ繋がりは見えなくても。
十二国記 「白銀の墟 玄の月」四巻 - 185二次元好き匿名さん22/06/26(日) 16:51:25
僕は今日、初めて冒険をする
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか3
ただ好きな人に恥ずかしいとこを見せたくないから意地張って、限界を踏み越える覚悟を決めるのすっごい好き。国のためとか仲間のためとか友のためとかじゃない、ただの少年がありきたりな思いを抱いて一歩踏み出すの最高 - 186二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 17:02:11
「私はね、信じています。生まれてきたからには、皆、幸せになるためにあがくのが否応のない義務だと。それを伝えるのが教養です。」
野梨原花南『マルタ・サギーは探偵ですか?』 - 187二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 17:13:21
「それはいいわね。あら?」女王はメアリーアンが女王のスカートの裾を引っ張っているのに気づいた。「何か言いたそうね」
「もういいから…早く殺して…」
「ああ、さっきからずっとそうしようと思ってるのよ。気づいてなかった?もうちょっと待っててね」
(アリス殺し 小林泰三)
最低の犯人だったし出来れば相応しい制裁が下ればいいと思ってたけ流石にここは同情しちゃった - 188二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 17:57:12
人類はつねにおのれの明日についての考慮を忘れてはならない。亡びに至る道は長く、そしてその道をたどる者にそれと気づかせない粉飾された平穏な行程を示すからだ。
たそがれに還る 光瀬龍 - 189二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 19:04:34
『最果てのパラディン』より
「そうか、つらぬいたのか……」
メネルは真顔でそう言った。
「そういう冗談やめようよっ!」
僕もチラッと思ったけどさ! 思ったけどさ!!
「高速の抜剣ですね」
「トニオさんまでっ!」
作中では珍しい、男共のアホな会話をするシーン。
それまでが真面目一辺倒ってほどじゃないけど、シリアス強かったから不意打ち過ぎて爆笑した - 190二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 19:12:35
このレスは削除されています
- 191二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 19:14:27
「――だって、スバルくんはレムの英雄なんです」
無条件で、全幅の信頼を寄せるその言葉に、スバルの心は静かに震えた。
どんな悪条件を重ねられても、どんな欠点をひけらかされても、そのたった一言にはそれら全ての悪意を跳ね返すだけの願いが込められていた。
そして、スバルは遅まきに失して、ようやく気付いた。
勘違いをしていた。思い違いをしていた。間違ってしかいなかった。
彼女は、レムだけは、スバルの堕落をどこまでも許容してくれるのだと思い込んでいた。どんなに弱くて情けない醜態をさらしても、許してくれると勘違いしていた。
それは誤りだ。間違いだ。致命的な愚かさだ。
――レムだけは、スバルの甘えを絶対に許さない。
なにもしなくていいと、大人しくしていろと、無駄なことをするなと、みんながスバルにそう言った。
誰もがスバルに期待なんかせず、その行いが無為であるのだと言い続けた。
――レムだけは、スバルの堕落を許さない。
立ち上がれと、諦めるなと、全てを救えと、彼女だけは言い続ける。
誰もスバルに期待しない。スバル自身すら見捨てたスバルを、彼女だけは絶対に見捨てないし、諦めない。
(Re:ゼロから始める異世界生活) - 192二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 21:19:13
「生物と無生物なんて区別はないのよ。機械をどんどん精密に複雑にしていけばやがては生物に行きつくの。その間になんの境界もないわ」
玩具修理者/小林泰三
結末に至るまでの内容もさることながらこのセリフに痺れた。 - 193二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 21:55:20
鏡は己惚の醸造器である如く、同時に自慢の消毒器である。
吾輩がこの際武右衛門君と、主人戸、細君及雪江嬢を面白がるのは、単に外部の事件が鉢合せをして、その鉢合せが波動を乙なところに伝えるからではない。実はその鉢合せの反響が人間の心に個々別々の音色を起こすからである。
吾輩は猫である - 194二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 22:14:06
神さまというのはきっと完全無欠に立派で公平な人格者で、
強い者にも弱い者にも、お金持ちにも貧乏人にも、ただ平等に見守るだけで決してどちらか一方をえこひいきして手を差しのべるなんてことはしないのだ。
なんてありがたいんだろう。死んじゃえ。
ラノベのキーリ - 195二次元好きの匿名さん22/06/26(日) 23:59:47
「それだけ言いに来たんだ。じゃあね。元気で。」
江國香織/デューク - 196二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 00:16:17
「剥製になってしまった天才」を知っているか。
李箱(イ・サン)/つばさ
ジャック・クリスピン曰く、「死んでるように生きたくはない」。
グラスホッパー/岩西
死んでるように生きたくはないってのはホントに良い言葉だ - 197二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 09:17:35
『クビツリハイスクール 戯言使いの弟子/西尾維新』
「ちげーよ、ばーか。はん、要するに重ねちまったんだろ。誰にでも似てなく誰にでも似てる誰かさん。投影しちまったんだよーー」哀川さんは意地悪く笑う。
「お前があいつに玖渚友を投影したのと同じにさ。見事なまでのすれ違いっぷりだったけどな」
ぼくが姫ちゃんに玖渚を見たように。
姫ちゃんはぼくに、何を見たのか。
違う誰かを重ねて接していた相手が、実は自分を誰かを重ねて接していた、っていうシチュエーションが印象に残った。 - 198二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 10:38:14
死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色の細かい縞目が織り込められていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。
(太宰治 葉) - 199二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 15:23:03
「ふふふっ……あはははははは!」
アロヴィナスが子供のような無邪気な笑い声をあげながら、えげつない攻撃を間髪入れずに繰り返す。
同じ空間に存在するだけであらゆる耐性を貫いて絶対に殺す能力。
受けた攻撃を全て反射する能力。
時間を逆行させ存在そのものを無かったことにする能力。
どんな過程を経ても自分が勝つ能力。
敗北という結果だけを相手に与える能力。
視ただけで何もかもを抹消する能力。
ありとあらゆる能力を無効化する能力。
攻撃という概念を破壊して攻撃そのものを封じ、防御という概念を消し去って防御行動を取れなくする。
その他あらゆる神話の神々の能力。
どこかで見たようなフィクションの能力。
思いつく限りの全てを使い、それでも尚ルファスは消えない。止まらない。
それが楽しくて仕方がない。
「そうだ……思う存分楽しめアロヴィナス。私が全て受け止めてやる」
ルファスが微笑ましいものでも見るような微笑を浮かべながら、しかし繰り出す攻撃はその全てがオーバーキル。
どんな能力だろうと貫通して殺し尽くす腕力。
如何なる小細工も走破する脚力。
何をされても全て跳ね返す胆力。
相手の能力を全て奪い取り使役する支配力。
持てる限りの全てを使い、乗り越えて踏み越え、アロヴィナスを追い詰める。
衝突――一つの次元が内包していた宇宙や並行世界ごと消し飛ぶ。
衝突――無限に等しい数の次元が寄り集まる事で出来る上位次元がまるで耐えきれずに吹いて飛ぶ。
衝突――数多の上位次元を内包する超上位次元すらもがまるで話にならずに砕け散る。
だがまだだ。まだ足りない。こんなものではまだ届かない。
目の前の相手はピンピンしている。全くダメージすら受けていない。
だからもっと上へ、果ての先のその先へ!
それはもう、戦いではなかった。
同じ領域に住む怪物同士だからこそ可能な――遊戯。じゃれ合い。
女神と反逆者は心底可笑しそうに笑い合い、衝突の余波で数え切れぬ数の既存世界が消し飛んだ。 - 200二次元好きの匿名さん22/06/27(月) 15:52:50
私にはそれを使ったら怒ったくせに、それは、◯◯◯◯◯◯◯◯だった