【SS】ゲームセンターに誘われた

  • 1毎日アヤベさん21/09/29(水) 23:32:27

    「アヤベさん! 今度の日曜日、電子遊技場にて魔弾の射手としての腕を競わないか?」

    「待って何言ってるか分かんない」

    自主練習中の私に、いつもどおりの気取った口調で話しかけてくるのはテイエムオペラオー。いつも妙な比喩表現はしてるけれど、今回は何を言っているのか本当に分からない

    「おっと失礼。少し役に入り込みすぎたせいか、まだ演技が抜けきっていないんだ。今度の日曜日、駅前のゲームセンターにてシューティングゲーム対決をしないか?」

    今度は何を行っているかはわかるけど、その意図が分からない。オペラに出ろとか併走トレーニングに付き合えとかならまだ理解できるが、何故ゲームセンター? そしてシューティングゲーム?

    「……なんで私? 私、ゲームセンターなんか行ったことないし、そもそもいつも一緒に居るドトウじゃ駄目なの?」

    「ボクもそう思って誘ったんだが、どうやらドトウは午後から予定が入ったらしい。このボクを差し置くほどの事情なら致し方ない。世紀末覇王は寛容なのだからね、ハーッハッハッハッハ!」

  • 2毎日アヤベさん21/09/29(水) 23:33:02

    「そ。じゃ、私も断ることにするわ。じゃあね」

    「待て待て待てアヤベさん。どうしても二人でなきゃいけない理由があるんだ」

    ゲームセンターのことはよく分からないけど、シューティングゲームで二人でなきゃいけない理由とは? 一体どういう理由があるんだ

    「今度のボクが演じるのは魔弾の射手! それも二重人格の主人公という、実質的に二人一役の役なのさ」

    「……だから?」

    「演技にリアリティを出す為には、ボクではない人間にも魔弾の射手を演じてもらわないといけない。しかしボク程の演技力がある者など、二人と居ない。そこで聡明なボクは思い付いたんだ。遊技を通して魔弾の射手を演じてもらえば、ボクのインスピレーションに繋がると!」

    なるほど、この娘なりに色々考えた結果がシューティングゲームなのね。なんかトンデモ理論な気もするけど、オペラに対してのストイックな姿勢には敬意を払うことが出来る

  • 3毎日アヤベさん21/09/29(水) 23:33:38

    「もちろんタダで付き合えとは言わないさ。今度のオペラの、主人公の親友としての役を約束しよう!」

    「要らないわよ。少しだけで良いなら付き合ってあげる」

    「おお、感謝するよアヤベさん! やはり持つものは信頼できるライバルだ!」

    ライバルになった覚えはない。熱意に負けて誘いに乗った事を早速後悔してるかも
    シューティングゲームについてよく知らないし、軽く調べておこう

    そして日曜日、駅前でオペラオーと合流し、そのまま近くのゲームセンターへと向かった
    初めて来たが、かなりうるさい。やっぱやめておけば良かったかもしれない

    「さあさあアヤベさん! 心細いのだろう? ボクの手をとってついてくるがいい!」

    「いらない。早く済ませるわよ」

    さて、オペラオーの言っていたゲームは……これか。ええと、マジカル☆スイープシューター? あらすじは、ウマ娘の少女が魔法で侵略者を倒す……まぁ、こういうゲームのストーリーはあまり気にしないほうが良さそうね

    「ウマ娘が主人公であるほうが感情移入しやすいと思ったのさ。気に入ってくれたかい?」

  • 4毎日アヤベさん21/09/29(水) 23:34:27

    どちらかというと、その途中にあった宇宙戦争っぽいゲームのが興味あったかもしれない。いや、サクッと終わらせて帰るんだ。この娘と長く付き合うと疲れが翌日に残る
    筐体にはステッキ状のコントローラが2つ取り付けられている。握り手にいくつかのボタンが埋め込まれていた。画面にステッキを向け、射撃を行うらしい。私が調べたゲームセンターのシューティングゲームと大まかな仕様は一致していた

    「さぁアヤベさんもそのロッドを持ち、ターフに蔓延る魔物を征伐しに行こうではないか!」

    レース場で魔物を討伐するって、色々詰め込み過ぎな気もする。まぁ、所詮ゲームの設定と割り切ろう。私は私なりに真剣にゲームをすれば、オペラオーも満足するだろう

    さて、結論から述べると、私はどうやらこのゲームの才能があるようだった。オペラオーがとっくにゲームオーバーになっていても、私だけがノーミスで次のステージへと進めていた。もう少しでラスボスの場所まで到達する
    ……が、もう少しというところで不意打ちをくらい、ゲームオーバーになってしまった

    「ブラーヴォ、ブラーヴォだよアヤベさん! まさかボクよりも巧みな射手だったなんて……もう一人の自分こそが最強の魔弾の射手、ああ……これは素晴らしいオペラになりそうだ!」

    オペラオーも成果を得られたのか、満足気にうなずいている。ううん、悔しいな

    「……っと、もうすぐ予行演習の時間か。名残惜しいけれど、ここでお別れのようだ。短い間だったけど、ボクと共に遊戯を行えた事を誇るがいい! はーっはっはっはっはっは!」

    高笑いをあげながら店の外へと向かうオペラオー。私は、ゲームオーバー画面の前で一人とりのこされた

    「……あと一回だけ、一回だけやろう」

    先程のは不意打ちを受けたからゲームオーバーになってしまった。なら、不意打ちに注意すればいい。それなら最後までクリアできるはず
    持っていた硬貨を筐体へ入れ、コンティニューを行う。場面は少し巻き戻り、不意打ちを受ける直前のシーンまで戻された

    「そこ!」

    画面の切り替わりと同時に飛んでくる攻撃を撃ち落とし、そのまま画面内の敵を一掃する。再び不意打ちに備え、注意する。だが、いつまで経っても敵は現れない

    「……いや、まだステージクリアはしてないわね」

  • 5毎日アヤベさん21/09/29(水) 23:34:37

    どこからくる。どう対応する。頭をフル回転させて攻撃に備える
    そしてその時は来た。……凄まじい物量と共に

    「ちょ、これおかしいでしょ……!?」

    必死に撃ち落とすが、処理をしきれずに再びゲームオーバーとなってしまう。もう一度、と思ったが、ふと冷静になる。これは沼だ。コンティニューしてしまえば最後、クリアまでこのような事をし続けてしまうだろう

    「……っっ〜〜〜!! 今日はもう、終わりにする!!」

    やや語気を荒げてしまった。周りにいたお客さんもこちらを見ている。だが、こうでもしないと囚われてしまいそうだった
    ゲームオーバー画面から目を背けるようにして駆け足で店を出る。外はやや暗く、星が薄っすらと見えている

    「……気分転換に、星でも眺めましょ」

    ゲームセンターは危険だ。負けず嫌いの自覚がある自分が再び遊びに行けば、今度こそ散財するだろう。もし他の娘に遊びに誘われたりしても、ゲームセンターだけは絶対に断る。そう誓った

  • 6毎日アヤベさん21/09/29(水) 23:36:32
  • 7二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 23:37:16

    たすかる

  • 8毎日アヤベさん21/09/29(水) 23:37:21

    孤高なアヤベさんがしれっと他人と遊ぶ事を考えてる姿も私の性癖には合っていますね(自給自足)

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:04:03

    NTR「俺も混ぜてよ」

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:05:59

    >>9

    とっとと実装されてくれトプロくん

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 02:15:28

    結局押し切られて誓いを破ってしまうアヤベさんも見たい

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