- 1二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 20:28:11百合カプ、キャラ崩壊、駄文注意 
 チームファースト忘年会の翌日のこと、アタシ──リトルココンはぼーっとする頭で今の自分の状態を確認する。
 ココン(昨日は確かトレーナーの部屋で忘年会をして、みんな帰省の準備やらなにやらで帰っていって、アタシが最後まで残った後トレーナーのグラスのお酒を間違えて飲んじゃって…飲んじゃって…ダメだそこからは記憶にない)
 自分は今はトレーナーのベッドに寝かされており、キッチンの方からは朝ごはんのいい匂いがする。
 理子「ココン、おはようございます。簡単なものですが朝食の準備ができました。」
 ちょうどトレーナー、樫本理子さんが朝食が出来たことを告げる。
 ココン「トレーナー、おはようございます。昨日は──」
 お酒を飲んじゃってから迷惑をかけてないか聞こうとするのを遮られる。
 理子「一晩経って照れているのですか?昨日と同じように、私のことは理子と呼んでください。」
 どうやら昨日のアタシは何かとんでもない事をしでかしたらしい。
- 2二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 20:28:44アタシは促されるままトレーナーの作った朝食を食べる。 
 理子「お口に合いますか?」
 ただのトーストを不味く作る方が難しいとは思ったが、とりあえず感想を言う。
 ココン「美味しいです。泊めて貰った上に朝食まで作って貰って申し訳ないです。」
 理子「そんな事を気にしなくていいですよ。料理の感想、要望は遠慮なく言ってくださいね。今後貴女の人生のパートナーとして相応しい働きをしてみせます。」
 ──人生のぱーとなー?
 思わず朝食のコーヒーを吹き出してしまった。
 理子「⁉︎大丈夫ですか、ココン!」
 ココン「大丈夫です…それより人生のパートナーって?」
 理子「?昨日貴女が私に誓ってくれたプロポーズの言葉ですよ?忘れた訳じゃないですよね?」
 トレーナー…理子が今にも泣きそうな不安そうな顔でこちらを見てくる。
 どうやら昨日のアタシは一晩で意中の人と生涯を共にする約束まで取り付けてしまったらしい。
 昨日の自分にちょっと、いやかなり嫉妬する。
 ココン「も、もちろん憶えてます、ちょっと恥ずかしくて誤魔化しただけで…」
 結局、記憶にございませんの一言が言えず、つい肯定してしまった…
- 3二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 20:31:14ふと理子の首筋に昨日にはなかった引っかき傷が見えた。これも昨日のアタシの仕業ではないかと恐る恐る聞く。 
 ココン「理子…その…首の傷は大丈夫ですか?」
 理子「ああ、この傷ですか?まだ少し痛みますが、貴女のものになった証だと思うと痛みすらも愛おしく感じるものなのですね。」
 やばい、やばい、やばい
 ちょっとお酒飲んだだけでとんでもない状況に陥っている気がする。
 アタシは20歳超えてもお酒は飲まないことを心に固く誓った。
 理子「今はトレーナーと生徒である以上、キスやその先のことはできませんが、この傷のおかげで貴女との繋がりを感じることができます。」
 流石に初キスや初体験はお酒に奪われなかった事だけが不幸中の幸いだったが、早急に昨夜の事はお酒に酔ってやってしまったと、記憶に全く残っていないと伝えなければならないと思った。
- 4二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 20:32:06朝食を食べ終え、アタシは取り敢えずトレセンの寮に帰ることにした。 
 理子「寮に戻るのですね。送りましょうか?」
 ココン「そんな、トレセン学園まで歩いても直ぐですし悪いですよ」
 理子「私もトレセン学園で仕事がありますし、貴女と少しでも一緒にいたいのですよ。」
 結局押し切られて理子と手を繋いでトレセン学園まで歩いて向かうことになった。
 手を繋いで他愛ない会話に花を咲かせ、学園までの道を歩いていると余りの幸福感に良くない考えが頭をもたげる。
 態々酔ってやった事なんて言わなくてよくない?
 結ばれた記憶がなくても結果があればいいんじゃない?
 夢にまで見た関係でしょ手放すのが惜しくないの?
 違う!自分の意思で想いを伝えないと意味がない!いきなり関係だけを残さされても納得できない!
 自分の想いと葛藤している内にトレセン学園の寮の前にたどり着いてしまった。
- 5二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 20:38:07理子「今日はここまでですね…ではまた後日。愛していますよココン」 
 アタシも愛しています。
 そう言うだけで簡単に理子と恋人のままでいられる。
 でもアタシは
 ココン「トレーナー、伝えないといけないことがあります。」
 その道を選ばなかった。
 ココン「アタシ、昨日間違えてトレーナーのお酒を飲んでしまって自分の言動を全く憶えていませんでした。」
 理子「一生一緒にいてくれると言ってくれたこともですか?」
 ココン「はい」
 理子「愛していると言ってくれたことも?」
 ココン「はい、傷つけるような真似をして申し訳ありませんでした。」
 理子「…貴女が謝る必要はありません。」
 トレーナーの顔は今にも泣き出しそうな状態だった。
- 6二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 20:38:47理子「自分にとって嬉しい出来事に舞い上がって貴女の様子がいつもと違うことに気付けなかった私の落ち度です。」 
 理子「朝からいきなり迫られて怖い思いをさせてしまいましたね、やはり私には貴女たちのトレーナーの資格なんて──」
 ココン「だから!」
 アタシはトレーナーの言葉を遮って自分の意思で想いを伝える。
 ココン「今度はしっかりと記憶に残る今!ここで貴女に想いを伝えます!」
 ココン「貴女が大好きです!幸せにします!だからアタシを貴女と一生一緒にいさせてください!」
 頭を下げて手を差し出す。
 理子「私に気を遣っているのなら気遣いは無用ですよ?」
 ココン「気遣いとかじゃありません!本心です!」
 理子「信じてもいいんですか?」
 ココン「信じてください!アタシも貴女を信じてます!」
 理子「そうですか…」
 そしてトレーナー、理子は
 理子「不束者ではございますが、末永くよろしくお願いいたします。」
 アタシの手を取ってくれた。
- 7二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 20:40:08後日、冬休み終了後のトレセン学園食堂にて 
 「シラオキ様もあそこの告白は吉だったと告げてます!」
 「流石にアメリカでもあそこまでオープンな告白は中々見れませーん」
 「でもあの時のココンさん物語の王子様みたいだったね…」
 「ね!ね!見てるウララもドキドキしちゃった〜」
 アタシは友人のビターグラッセに最近の悩みを相談する。
 ココン「ねぇグラッセ」
 グラッセ「何?」
 ココン「最近妙に視線を感じるんだけど」
 そう、やたらと視線は感じるしヒソヒソ話までされてる気がする。何か原因があるなら教えてもらいたい。
 グラッセ「そりゃそうさ!あんな情熱的な告白をしたんだから噂にもなるさ!」
 ココン「え、み、見られてたの?」
 グラッセ「年末といっても全員が全員帰省する訳じゃないし、朝の静かな時間帯にあんな大声だもん、みんな窓から身を乗り出して見てたよ」
 あれを見られていたと思うと今にも叫びたくなってしまうがグラッセは更に続ける。
 グラッセ「なんでも最近では寮の前で誠意を持って告白し、相手がそれを受け入れると永遠の愛が手に入るなんて伝説も生まれたみたいだよ」
 見られてた、噂になってた、伝説になった…
 昼のトレセン学園にアタシの羞恥の叫びが響き渡った。