- 1二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 00:57:01
- 2二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 00:58:23
- 3二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 00:58:58
JASRACから来ました
- 4二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 00:59:02
ポルノグラフィティのジョバイロ
- 5二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 00:59:48
おう、曲からインスピレーション得てるだけで曲自体を使ってないから見逃してくれな
- 6二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:00:16
- 7二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:00:54
- 8二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:01:27
これマジで毎回見かけるな
- 9二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:03:40
栄光の裏には誰かの涙があり、不死鳥などどこにもいない。競争って残酷だよねってそんな感じをお願いします
Do As Infinity / 夜鷹の夢 「Do As Infinity 15th Anniversary ~Dive At It Limited Live 2014~」
- 10二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:04:25
マルゼンさん…?
- 11二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:08:21
- 12二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:08:39
リトグリの足跡とかどう?
- 13二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:08:56
- 14二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:11:38
もしも東方アレンジとかもありなら、これを……
マイナーな曲だとは思うけどテイオーとネイチャ辺りのライバル関係って意味なら結構合うんじゃないかな?って思った
- 15二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:12:04
- 16二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:12:51
- 17二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:15:18
このレスは削除されています
- 18二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:15:39
1人、腐っていた。
「…はぁ」
…もう走れないかもしれない。
そう告げられた己の脚を恨めしい顔で眺める。
どうせもう三冠も無敗も叶わない。
だとしても…希望くらい持つことも許してくれないのだろうか。
「…そんなこと、ないよね」
いくら脚が壊れる寸前でも。
自分はまだ夢を見ていたい。希望を持っていたい。
まだ未来に期待していたい。
ふと、飛び去る鳥。
「…空飛ぶの気持ちよさそうだなぁ」
空を見上げた後、地面をしっかり見る。
「…ボクはこの地面で走るよ」
あの日知った気持ち。
誰かが勝つと言うことは、誰かが負けること。
誰かの夢を破って、自分の夢を見ていた。
けれどそれを悪いことだとは思いたくない。
「だってレースって…そういうものでしょ?」
そう、思うから。
今から、誰もが負けると予想するであろうレースに挑むんだ。
- 19二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:15:56
走れ。走れ走れ走れ。
(ボクはまだ終わりたくない。まだ走りたい)
走れるって証明するんだ。
誰もが負けると予想する…は間違いだった。
少なくとも…
(ボクは負けるって思ってない!)
脚が悲鳴を上げている。
それでも走る。自分の夢を貫くために。
…彼女がゴールした瞬間、ものすごい歓声が上がる。
それは…誰かの支えになる歓声。
それを見ていた1人の少女が、少し前を向けたこと。
それをまだ彼女は知らない。
- 20二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:17:25
- 21二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:18:04
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:19:27
- 23二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:26:49
前を1人で突っ切るこの感覚。
どんどんと自分の中の熱が高まってくる。
足元の砂を蹴り上げ、進む彼女。
彼女の名は、マルゼンスキー。
「もうっ…むりぃ…」
後続は次々とバテていく。
それでもなお、疲れを全く感じさせず前を進み続ける彼女。
それはこの世の果てまでも進めるんじゃないか。そう思わせる走りだった。
「さあ、何も見えなくなるまで…かっ飛ばすわよ!」
その赤い勝負服が、後続たちの目に焼き付くのだった。
「はぁっ、はひっ、はひぃ…」
「…お疲れさま。いいレースだったわね」
いいレース。彼女は本気で言っているのだろうか…いや、きっと本気で言っているのだろう。楽しそうな顔をしているから。
その顔を見ていたら、
「はひっ…次こそは、まけません…!」
そう、思えるのだった。
- 24二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:40:38
- 25二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:43:29
※アヤベさん未所持なので想像が多分に含まれてる
…自分の命は妹の犠牲の上にある。
その事実は生きてくる間、ずっと自分を縛り付けていた。
自分が死んでいれば妹は死ななかった。
…自分の手は汚れている。
(だから私は走る。彼女に償うために)
「…トレーナー?」
そんな自分にスカウトをしてきた物好きなトレーナー。
自分はただ償うために走ると言うのに。
(…私の汚れた手を引くというの?)
その物好きなトレーナーは、自分の手を確かに引いてくれた。
走る。自分は走っている。
…その時は、”自分”が走っていると思えた。
『おめでとう、アヤベ!1着じゃないか!』
「…あ」
恐怖も罪悪感もその時はなかった。
自分が自分のために走っていた気がした。
「…ありがとう、トレーナー」
『今夜は盛大に祝おうな!』
「…ええ。良かったら食べたいものがあるのだけど」
妹のために走らなくてもいい、なぜかそう思えるのは。
(…ここにいるよ)
なぜかそう内側から呼びかけられているように感じる、この感覚のおかげだろうか。
- 26二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:46:39
- 27二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 01:48:57
- 28二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:00:58
「ごめんなさいお母ちゃん…日本一になれなかった…!」
目の前で泣く大切な友人、スペシャルウィーク。
『日本一のウマ娘になる』…その夢を掲げ、今日まで頑張ってきていた。
だが彼女は敗れた。
「…1着は、キングヘイロー!!!」
スペシャルウィークだけではなかった。
その1着の裏で、幾つもの知らない夢を壊した。
きっと小さい頃から見ていた夢や、誰かの絶対に譲れない夢を。
…キングヘイローはそっと控え室に戻った。
「…これでよかったの?」
何も間違ってはいない。それは分かった上で出た言葉だった。
しかし自分は他の夢を捻じ曲げてしまった。
「…」
その心に引っかかった何かは、ずっと取れないままだった。
数ヶ月後の菊花賞。
彼女はボロボロに敗れた。
「…ぁあ」
声が掠れる。
自分の夢が壊れる瞬間。自分があの時味わったのと逆だった。
「…ようやく、わかったわ…私のバカ」
「キングヘイロー1着!高松宮記念を制しました!!!」
またキングは1着を取った。
そこに間違いも何もない。
ずっと見ていた夢を。長い間冷めない夢を。
彼女だって持っている。
(だから私は…それがどんなに辛い選択でも、1着を取りたいの)
- 29二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:03:46
- 30二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:04:46
- 31二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:14:45
- 32二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:15:50
ダービー勝った時のイベが印象に残っててな…
- 33二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:27:59
は間違ってた時が不安だからいったん飛ばさせてもらった、確認取れたら書こうと思う
- 34二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:28:22
『…菊花賞の時のライスへ。あの時はとっても辛かったよね。もう走りたくないって、そう思ったよね…』
過去の自分への手紙。
届くことはないと知っていても、今の自分から過去の自分へ励ましを送りたかった。
『今でも迷うことは多いよ。走ったことが少しだけ辛いことも、まだある』
そこで少しだけペンを止め、ゆっくりと確かめるように次の文章を書き込む。
『でもね、「無駄だった」と思うことは、今ひとつもないんだ』
そこから、すらすらと書き連ねていく。
『いろんな声に晒されて泣きたい夜もあったし、練習することも辛くなった時もあった。でもね、ライスだけじゃないんだ。夢を追うってことは辛いこともある。…あのブルボンさんですら、あったんだって』
しばらく文章を綴ったのち、不意に携帯のアラームが鳴る。
「あ…もう時間だね」
そう言って手紙を一回しまい、外のトレーニングコースへ駆けていく。
(…ここでの走りはきっと一生忘れない)
一歩一歩、踏みしめながら走る。
(あ…帰ったらこれも書こう)
太陽に照らされ、心地いい風が吹いていた。
(『ライスの走りは…誰かに勇気を上げられるんだよ』)
- 35二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:31:13
- 36二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:34:07
よかった、書き進めてくる
- 37二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:40:35
- 38二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:49:23
これは伝説となったウマ娘と、彼女と手を取り合ったトレーナーの話。
(しまった…完全に囲まれた…!)
観客席で、トレーナーは絶望しかけていた。
あんなに完璧に包囲されたのでは、もう勝つための道など残っていない。
そんな表情は、彼女に見えていたらしい。
(…トレーナー君、なんて表情をしてるんだい)
彼女は、その包囲網をじっくりと見る。
(キミはボクの手をとって、ここまで一緒に進んでくれた相方じゃないか)
細い一筋の道が見えた。
(まだ…絶望するには早いだろう!)
信じられなかった。
あの包囲網から彼女は抜け出した。
いや、今は信じる信じないの問題ではない。
「…いっけぇーーーーー!オペラオー!」
「!…ああ、任せてくれ!」
彼女は…1着で、ゴールした。
「…トレーナー君?どうしたんだ、そんなにぼうっとして」
「え、ああ…あの日のことを思い出しててね」
「また思い出していたんだね!そんなに強く印象を焼き付けてしまうなんて、ボクは罪作りだね…」
時計に目をやると、もうすぐ時間だった。
「じゃあ、俺は行くよ」
「ああ…”次の世代”に、よろしく頼むよ」
彼女にもらった成功体験は、もしかしたら彼女だけのもので、自分のものではないのかもしれない。そう言われることもあった。
それでも、彼女にもらったものを、次世代に受け継いでいければ…そう思って今日もトレーナーとして、次世代のトレーニングを見るのだった。
- 39二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 02:49:44
難しいな…
- 40二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 03:09:04
だんだん難産になってきたから一旦中断して少し間を開けるな
すまん
できる限り全部書きたいとは思っている - 41二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 13:04:55
あげ
- 42二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 15:24:47
- 43二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 15:28:40
- 44二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 15:32:25
- 45二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:09:02
もしレースをファンタジーに例えるなら。
絶対的強者は「魔王」だと言えるんじゃないのかな。
それなら、それに挑むアタシは…「勇者」、なんて思ってみたり。
…アハハ、本当に呆れた話ですよね。そんなわけないのに。
自分の中で少し、認め出している部分があった。
「トウカイテイオー!日本ダービー1着!」
アタシは…テイオーを超えられない…
…仮に越えられないとして、アタシは諦めたくはなかった。
一歩ずつでいい。歩みは遅くていい。
だから、少しずつ強くなっていきたい。
だって、いつかは。
「ネイチャ、聞いた?テイオー、『有マ記念』に出るらしいよ!いやぁ、すごいよねぇ。怪我しちゃったのに」
…希望に手を届かせたいから。
テイオーが「魔王」だとしたらアタシが「勇者」…なんていう幻想に、手を伸ばした。
テイオーは復活を望まれている。アタシが勝つことを祈ってくれる人なんてきっと一部でしかない。
けどその一部のために、走るしかない。
「…あ、ああああああ!!!」
アタシは、憧れていた『アタシ』になりたいんだ!
「_1着は、トウカイテイオー!奇跡の復活を果たしました!!!」
沸き起こる歓声。
ああそうだ、アタシには何も起こせやしないんだ。
- 46二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:17:32
- 47二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:25:24
洋楽でもいける?
- 48二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:41:15
- 49二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:41:54
「ねえ、聞いたよ?今度の『有マ記念』、出るんだって?…本当なの?」
「はい、本当です!」
「や、やめといた方がいいんじゃない…?足が壊れちゃうかもしれないし、それに…」
「いいえ、出るんです!」
「だって私は、学級委員長ですから!」
『有マ記念』の控え室で。
トレーナーとバクシンオーは、出走の準備をしていた。
「…トレーナーさん」
ふと、バクシンオーが声を掛ける。
「…この間、夢を見たんです。高松宮記念もまだない短距離路線が乏しい事態に、短距離だけをひたすら走って伝説となる夢を」
それだけ聞けば、幸せな夢だとも思える夢。
「その夢の正体が何かはわかりませんが…今の私にはただの夢でしかありません!だって私は、それすらを超える伝説を築くのですから!」
そう、力強く言う彼女。
『有マ記念』の出走は、すぐそこだった。
「さあゲートが開いた!まず飛び出したのは『2大スプリント戦覇者』、サクラバクシンオー!」
(私は…みなさんの模範たる『学級委員長』になりたいのです)
時代すら超えて彼女は駆ける。
「おいおい、マジでバクシンオー走ってるぞ…」
「距離適正、明らかに合ってないよな?」
(そのためには…得意じゃない距離だって走る必要があります!)
距離すら超えて彼女は駆ける。
- 50二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:42:05
「1800メートルを超えました…せ、先頭は依然、サクラバクシンオーです!」
「嘘だろおい、まだスタミナ持つのか!?」
「はぁっ、はぁっ…」
(前へ、前へ…)
「ば…バクシィーン!!!」
全ての模範を夢見て、彼女はまだ走る。
「バクシンオー!いけー!!!」
観客席で声を上げるトレーナー。
(トレーナーさんが)
「ば、バクシンオーさん!!!」「頑張ってください…!」
この日のために来てくれた友人たち。
(ライスさんやブルボンさん、そしてみなさんが)
いろんな人の思いを背負い、彼女は走っている。
(…なら!)
「負けるわけには…いきません!!!」
紡がれた思いが、希望が、彼女の力となる。
「残り100メートルを切りました!先頭はサクラバクシンオー…サクラバクシンオー!!!1着で…ゴールイン!!!」
その姿はきっと誰かの模範となり、それ以上に希望となる。
距離適性が合わずに諦める少女が、きっと少し減るだろう。
彼女は…最高の『学級委員長』だ。
- 51二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:48:16
- 52二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 18:50:53
- 53二次元好きの匿名さん22/06/29(水) 23:16:03
彼女はまた敗れた。
「…オペラオーちゃん!1着、おめでとうございます!」
笑顔で勝者を褒める。
「…損な性格してるわね」
「そうでしょうか?」
彼女は決して弱くない。
ただ前を走る輝きが眩しすぎるだけだ。
心が折れそうな道ををひたすらに駆けてゆく彼女。
「私だって…勝てます!」
それでも彼女はまた敗れる。
そんな、綱渡にすらならない走りで時代を駆けながら。
「…また1着ですね!おめでとうございます!いやぁ、すごい…!」
それでも笑顔を崩さない。
とある年の阪神大賞典。
「…世代交代」
ずっと追い続けてきたオペラオーが次世代に敗れた時の、実況の言葉。
「そんなもの…!」
彼女自身も、もう体は衰え始めていた。
そんなギリギリの体で彼女は走る。
走って走って、走った先で_
「1着はナリタトップロード!世代交代?なんだそれは関係ない!」
「…はい、そうです。関係ありません!私はまだ、走ります!」
彼女の進んできた道は険しいものだった。
きっとこれからも優しい道ではない。
それでも、彼女は頂点への道を走り続ける。
- 54二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 02:17:37
そのウマ娘は、「漆黒の刺客」と呼ばれた。
菊花賞でミホノブルボンの3冠を阻止し、ヒールとすら称された。
「…ライスのせいで」
その思いが変わるきっかけになったのは、他ならないブルボンからの声。
『貴方は私のヒーローです』
その言葉を胸に、彼女は天皇賞へ挑む。
そこで取った1着は、メジロマックイーンの3連覇を阻止したもの。
ヒール扱いが加速するのには十分だった。
そこから彼女の実力は眠り続けることとなる。
「…また、負けちゃった…」
次のレースを選ぼうとして、直近で開催されるレースを見る。
「…”宝塚記念”」
それはファンの思いを背負って走るレース。
「…ここで勝てたら…ライスもヒーローになれるかな」
自分の状態は十分ではない。走れば足を壊すかもしれない。
けれど、これが最初で最後のチャンスかもしれない。
「…出よう、”宝塚記念”…!」
その後の彼女については、その日「ヒーロー」と呼ばれるウマ娘が生まれたということだけ記しておく。
- 55二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 02:18:14
ってこれ次もライスなのか、だいぶ連続しちゃうな…
ちゃんと書くけどな - 56二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 13:15:39
保守
- 57二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 17:57:33
じゃあ和訳サイト乗っけるので洋楽頼みます!
セイちゃんでお願いします
Mr.Blue Sky / ミスター・ブルー・スカイ(Electric Light Orchestra / エレクトリック・ライト・オーケストラ)1978 : 洋楽和訳 Neverending Musicくもりのち晴れ☀ ELO(Electric Light Orchestra)のアルバム「Out Of The Blue」は輸入盤で買いましたが、分厚いLPの中には、切って組み立てられるELOの紙製の宇宙船が付録付き。これ実際に作っちゃう人、当時どれくらいいたんだろ?CDでは味わえない、LPサイズの楽しさがneverendingmusic.blog.jp - 58二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 18:23:47
- 59二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 18:52:51
「いただきまーす…!」
彼女の目の前にあるのは、沢山のおかずと…真っ白なお米。
ライスシャワーは、これから昼食を食べるところだった。
「うーん、お肉もお魚も美味しい…!はむっ…」
肉や魚を口に入れるたびに、白米も一緒に口に運ばれる。
そんな様子を見ていた食堂の職員が、声をかけてきた。
「お米、美味しいかい?」
「ふぇ?はい、おいひいでふ…」
不意に声をかけられ、困惑するライスシャワー。
「よかった。これさ、アタシの親戚が作ってくれたんだよ。雨の日も風邪の日も必死に田んぼ見に行ってさ。トレセンの子に美味しい白米食べてもらうんだー!って」
そう職員は語る。
「ライスちゃんみたいな子が食べてくれるなら、親戚もお米も本望だろうよ」
「…!ありがとうございます!美味しく食べてます…!はむっ」
そうして彼女は沢山のおかずを食べ進める。
その手元には、愛が詰まった白米が必ずあった。
- 60二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 18:53:33
これでよかったの?ダメだった気はするけどこれ以上どうすればいいのかもわからなかった、許してくれ…
聞いてみたけど米食べたくなった以外わからなかったんだ… - 61二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 19:06:04
「さあ、上がってきたのは”グッドルッキングウマ娘”、ゴールドシチー!」
(…うるさい)
金色の美しい髪を振り乱し、彼女は走る。
(グッドルッキング?レースでは関係ないでしょ)
その髪が反射する光は、観客を魅了する。
「うおお、ゴールドシチー、やっぱ綺麗だなぁ…」
「シチーさん、綺麗ー!がんばってー!」
(…”綺麗”だから何?)
綺麗だからレースに勝てるわけではない。
綺麗だから”自分”を証明できるわけではない。
(”綺麗”なだけなら…アタシ以外にもいるでしょ?)
- 62二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 19:06:14
そんな思考をしていた中、聞こえてきた声。
「シチー!がんばれーっ!!!1着をとってこーい!!!」
(…!トレーナー…)
彼女が本当に欲しい言葉は、
「…ぁぁぁあああああ!!!」
自分が願うのと同じ、”勝利”を願ってくれる言葉。
「…っ、あ…」
ゴールが迫ってくる。
前にはまだウマ娘が数人いる。このままでは掲示板も怪しいだろう。
「いやぁ、本当に綺麗だなぁ…」
「だねー、あとちょっとしか見れないなんて悲しーい」
「頑張れ!頑張れシチー!お前なら追い抜ける!!!」
「うわっ、何この人…暑苦しすぎない?」
その暑苦しい言葉が、なにより彼女に届いた。
「…追い抜く」
その綺麗な足で地面を蹴って、
「追い抜いて…勝つんだあああああ!!!」
前のウマ娘が蹴り上げた土を被ることも厭わず。
彼女は…走る。
「…1着を取りました、ゴールドシチー!実力を証明した!」
その日のレースで、何かが確かに変わった。そんな気がした。
- 63二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 20:02:54
- 64二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 21:07:09
出来ればもう一回東方アレンジをお願いしたい
前のはしんどかったから、どんちゃん騒ぎなお祭りっぽいものを
イメージ的にはファン感謝祭の風景をダイジェストに流すみたいな感じでお願いします
歌詞はツイッターで見つけた物を
仙酌絶唱のファンタジア フルver.の歌詞と各パートのサークル及び原曲についてまとめてみました うた祭り当日の記憶と自分の耳を頼りに作ったので間違いを指摘していただける有難いです
<a href="https://twitter.com/hashtag/仙酌絶唱のファンタジア" target="_blank">#仙酌絶唱のファンタジア</a>
<a href="https://twitter.com/hashtag/博麗神社うた祭り" target="_blank">#博麗神社うた祭り</a> — ヘラクレス (ogikon) 2016年07月22日キャラ指定ってわけでもないけど出来れば途中でファル子出して欲しいです
- 65二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 22:15:14
先に謝罪しておく、今夜少し忙しいので更新が追いつかないかもしれない
まだ結構残ってるのにすまん… - 66二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 22:16:31
できる限りは書かせてもらう
楽しいしいい曲いっぱい出してくれてるしな - 67二次元好きの匿名さん22/06/30(木) 22:38:06
- 68見習いトレ◆vxbxTjyLro22/06/30(木) 22:39:18
- 69二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 09:03:33
保守
- 70見習いトレ◆vxbxTjyLro22/07/01(金) 17:54:49
※セイちゃん未所持につきズレてる可能性あり
「…スカイさん?こんなところで何をしているの?」
「ん〜?見ての通り雨宿りだよ」
とある雨の日、小さな屋根の下。
キングヘイローとセイウンスカイは雨宿りの場所がたまたま被ったようだ。
「ずっと雨止むのを待ってるのも暇ですし…ちょっと話そうか?」
「わざわざそんなこと言わなくてもいつも話してるじゃない?いいわよ」
「じゃあ話そっと」
そう言って語り出すセイウンスカイ。
「私ね…最近わからないんだ。私がなんなのか。はは、嘘とか冗談ばっかり言ってきたからかなぁ…クラシック三冠を目指してる夢だって、ほんとに私は目指してるか…」
そこでいきなりキングが身を乗り出してくる。
「ちょ、ちょっと…!?そんな悩みがあったならもっと早く…!」
「わっ、とと。ごめんごめん、これ自体が冗談だよ」
「え?…なによ、もう」
キングは不貞腐れ、乗り出した身を引っ込めた。
「私が三冠目指してるのは疑い様がないよ。目指してるって胸を張って言えるよ…だけど」
そこでふと遠くを見つめるような目をする。
「1人で夢見てるだけじゃ、寂しいよね…誰か一緒に夢見てくれないか、とは思うよ」
「…それも、嘘なの?」
「いや?これは本心だよ」
雨はまだ止まない。
だが遠くの雲が少し切れ、光がさしたのが見えたのだった。
- 71見習いトレ◆vxbxTjyLro22/07/01(金) 19:04:09
その時の彼女は決してスターではなかった。
特別にそのレースに思い入れがあったかと言われれば、違う。
ただ自分は、どんなレースでも負けたくないだけだ。
「ブルボンさんに…追いつく…追いつく…!!!」
菊花賞を取った時。彼女は、”ヒール”と称された。
「…はぁ」
彼女の中での走りたい気持ちは、どんどんと萎んでいた。
「ライスの走りで…誰かを幸せにしたいのに」
現実は真逆で。自分のせいでみんなが不幸になって。
「それなら…もう走りたくないよ…」
「…ライスさん」
不意に声をかけられる。
「あ…ブルボンさん?」
「お疲れ様です。…ステータス『落ち込み』を感知。大丈夫ですか?」
「あ…う、うん!大丈夫だよ!」
そう言って無理に笑って見せる。
…それはブルボンでも無理をしてるとわかるほどの、痛々しい笑顔だった。
「…無理しないで、話してください」
「あう…えっ、とね…」
- 72見習いトレ◆vxbxTjyLro22/07/01(金) 19:04:26
押し込めていた不安を一つ一つ言葉にしていく。
気がつけば目からは涙がこぼれ落ちていた。
「うあぁ…ああ…!ライスはヒールなんてしたくないのに…!」
「…ええ、そうです。あなたはヒールなどではありません」
「…!ブルボンさん…?」
少しだけブルボンの口元が優しく緩む。
「あなたは…私の”ヒーロー”ですから」
「…”ヒーロー”」
数ヶ月後、春の天皇賞。
その日は、メジロマックイーンの天皇賞3連覇がかかっていた。
「それでも…ライスは、負けられない…!!!」
レースの最中。彼女は前へと走る。
(ライスは、負けたくない。でも今日は、それだけじゃない)
その足で、マックイーンを抜き去っていく。
(ライスは…”ヒーロー”だ…!誰かの想いを背負って走るんだ…!)
彼女はその日、春の盾を手にした。
- 73二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 19:17:04
- 74二次元好きの匿名さん22/07/01(金) 19:20:34
- 75◆vxbxTjyLro22/07/01(金) 23:18:35
今夜は少なくともあと数時間音楽が流せないため更新が止まる、ごめんなさい
- 76見習いトレ◆vxbxTjyLro22/07/01(金) 23:19:06
- 77二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 08:25:05
みんな幸せなので、オッケーです!
- 78二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 15:58:23
あげ
- 79二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 22:35:30
- 80二次元好きの匿名さん22/07/02(土) 23:31:05
「…え?なんで先頭を走るのか?」
不意に後輩に質問を受けるサイレンススズカ。
「うーん…先頭の景色が見たいから、なのだけど…その答えでいいの?」
後輩は必死に説明をする。
「…先頭の景色をずっと見続けなくてもいいじゃないか、って?最後に見られれば…そう、そう考える子もいるのね…でも私はね」
そう一呼吸置いて、彼女は話し出す。
「私は先頭の景色が好きなの。視界に誰もいなくて、どこまでも続いていって。その先に何があるのか考えるのが自由なの…ねえ、あなたもついてこない?」
問い返される後輩。
「考えるより、走る方がきっと楽よ。走りに決まりはないし、自由に走っていいと思うわ。その先に何があるかを考えるのは、走った後でいいの」
そう一人で結論づけ、走っていくスズカ。
それを見つめる後輩の目には…スズカが焼き付いていた。
気がつけば足が動き、彼女を追い始める。
余りにスピードが違うし、追いつけやしないだろう。
それでも、彼女の言う”景色”に少しでも近づきたい。だから走る。
- 81二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 00:11:26
ありがとう。指定はしてなかったけどやっぱりこの曲はスズカさんが主役になるよね「この先を確かめるために走り続けないとダメなんだ!」っていう辺りとかそれっぽいし。
取りあえず感想としては自分の語彙では表せられないエモさを感じた。スズカさんに影響を受ける後輩ちゃんが素晴らしい
- 82二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 10:16:33
保守
- 83二次元好きの匿名さん22/07/03(日) 19:16:59
あと何曲くらい?さすがにリクエストは飛ばせないか
- 84見習いトレ◆vxbxTjyLro22/07/03(日) 21:25:11
保留中を抜くと4曲だな
全部描き終わったら追加リク受け付けるから、少し待ってくれると嬉しい - 85見習いトレ◆vxbxTjyLro22/07/03(日) 21:33:38
「…君には、笑顔の方が似合うよ」
目の前のトレーナーがそう声をかけてくる。
すっかり涙も枯れていて、気がつけば視界が輝いて見えていた。
「あら、スカイさん!」
「あ!よかったぁ、元気になったんだね!」
同期達がよってきて、よかったと声をかけてくれる。
ああ、どうやら相当に心配をかけていたらしい。
「こんなに長い間塞ぎ込むなんて、一体何があったんデスか?」
「あー…それはね」
ふと、言葉を止める。
「教えてあげなーい」
「なんでデスか!?」
「あら〜…教えてあげても良いんじゃないですか?」
「だめー」
だって説明したら、またその景色が見える気がするから。
視界が曇ってしまう気がするから。
「はぁ…今日はいい日だったなぁ」
自分の部屋に戻り、腰を下ろす。
「…ほんと、本当…いい日だった」
きっとまた、何か不幸なことはこれからも起こるだろう。
生きている限り、そういうものなのだろう。
だけれど、少しだけ安心できた気がした。
「私…結構、必要とされてるんだねぇ」
- 86二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 09:16:50
保守
- 87二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 09:18:38
- 88二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 17:24:33
あげ
- 89二次元好きの匿名さん22/07/04(月) 21:50:33
「あ…雨、上がってるじゃない!」
マルゼンスキーは駆け出していく。
空が青い。これで走らないなど失礼だ。
(この上がったばっかりの湿った空気の中走るのも…なかなか楽しいじゃない?)
「あ、ちょっとマルゼンスキー!雨上がりはぬかるんでて危ないぞ!」
そんなトレーナーの声も、今だけは無視する。
だって今走ったら最高に楽しいって、直感がつげているから。
…そんな彼女のレース。
「先頭はマルゼンスキー!…この差はちょっと縮まらないかもしれません!」
普通だったら踏み込みすぎてアクセルが壊れるような速度で、彼女は駆けていく。
先頭をひたすらに進んでいく。
追い越されるのなんてつまらないと、そう言いたげに。
今まで何度か、足が止まりそうになることはあった。
それでも支えてくれたのは、トレーナーだった。
「トレーナーくんに感謝を込めて…かっ飛ばして、いくわよ!」
- 90二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 00:31:41
あげ
- 91二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 09:15:44
保守
- 92二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 16:40:10
保守
- 93二次元好きの匿名さん22/07/05(火) 23:28:59
森崎ウィンの俺こそオンリーワンを、レースにかけるウマ娘たちに似合うなと思います
- 94二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 00:57:30
このレスは削除されています
- 95二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 10:36:36
保守
- 96二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 14:54:32
最初はわからなかった。今もわからないかもしれない。
(…お前の背負うものの大きさなんて)
「シャカール、どうしたの?何か考え事?」
「…なんでもねェよ」
でもきっとそんなことはわからなくても問題ないと、最近はそう思う。
(結局、オレもお前も…1人のウマ娘でしかねェ)
「オイ」
「なぁに?」
「…SP隊長?が呼んでたぞ」
「あれ、そうなの?じゃあ行ってくるね!」
駆け出していくファインモーション。
「…」
国も違えば身分も違う。それでも同じ1人のウマ娘。
…願わくば。
「これからも…」
「シャカール、ただいま!遅くなっちゃったかな?」
「…むしろ早ェよ」
「急いできたよ!待たせちゃってたからね♪」
「待ってねェよ」
「ねえ、さっきなんて言おうと…」
「ほら、行くぞ」
「あぁ、待って!」
これからも、国に縛られず交流ができることを願って。
- 97二次元好きの匿名さん22/07/06(水) 17:48:21
このレスは削除されています
- 98二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 00:48:24
保守
- 99二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 09:54:25
新作!
- 100二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 16:56:25
保守
- 101二次元好きの匿名さん22/07/07(木) 16:59:49
- 102二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 00:49:04
保守
- 103二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 10:19:14
あげ
- 104二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 11:05:27
- 105二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 13:37:29
- 106二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 16:30:14
あげ
- 107二次元好きの匿名さん22/07/08(金) 22:37:16
ファン感謝祭。
その日は、軽くお祭り騒ぎである。
「はぁっ、はぁ…走りきって…やりますわぁ〜!!!」
「カワカミさん!いっけええええええええ!!!」
「…何、熱なんて出してるんだろう。先輩みたいになりたいのに…」
「ドーベル、元気出してくだサイ!連れてきましたから!」
「連れてきたって誰を…え!?」
「”木魚ライブ”もとうとう後半戦だ!お前ら、楽しんでるかーっ!?」
ワアアアアアアアア!!!
「へへっ、いいノリじゃねえか。オラァッ!冥王星まで響く音で演奏すっぞ!!!」
「ファンのみんなが集まってくれたから!ファル子の緊急ライブ、いっくよー!」
『フ・ァ・ル・子!フ・ァ・ル・子!』
「それじゃあ、みんなが知ってるあの曲から_!」
それぞれの感謝祭が盛り上がってゆく。
ここで紡いだファンとの”想い”が、いずれまた物語を紡ぐのだろう。
- 108二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 00:45:42
あげ
- 109二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 01:52:43
ありがとう……。やっぱりお祭り騒ぎはいいね、そこまで重くならないのが
- 110二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 09:41:37
保守
- 111二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 18:01:08
保守
- 112二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 20:11:28
【FELT】02.Ribbon(FELT-028 Illstarred Dive)[Audio Archives]
リクエストまだ大丈夫そうなら東方アレンジで被っちゃうけどこれを紹介したい。ライスあたりが似合うと思ってる
- 113二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 23:30:01
リクエスト自体は大丈夫だけど、遅れててすまん…!
色々あって遅れてたけど今日一気に取り戻したい
今から書いてくる - 114二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 23:37:59
「…ホント、バカなんだから」
そう、思わず口をついて出る。
ダイワスカーレットは布団に入り直し、目を瞑る。
…今日は、”君”に会えるだろうか。
_アンタはよく頑張ったわよ。
いつの間にか、手の届かないところまで行っちゃって_
_だから、休んでいいわよ。
アタシは、アンタのあの頃…忘れないからね_
「はぁ…部屋、広すぎなのよ」
もうかなり長いこと部屋は変わっていないが、思わずそう言葉に出る。
「アンタとの喧嘩が、懐かしくなる日がくるなんてね…」
そう言って部屋を出て、廊下を歩く。
「なぁ_」
「!」
思わずそちらを振り返るが、全く関係ない人物の声だった。
_…ねぇ。アンタは今どうしてるの?
今のアンタは…アタシの知ってる頃とはだいぶ変わっていたわよね。
でもね。アタシは…
あの頃のバカだった頃のアンタ、忘れないから。
本当のアンタを、忘れないから。
…ウオッカ。部屋にアンタのスペース、残してあるのよ。
- 115二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 23:48:03
未だに。
あの日の部屋に行けば自分の趣味じゃない紅茶が出る気がしてしまう。
もう…そんなことはないのに。
雨が屋根を打つ音。
黒板にチョークが擦れる音。
少女たちが会話をする声。
色んな音がしても、自分が聞きたい音はそこにない。
「…タキオンさん。あんなに迷惑でも、いなくなると…案外寂しいものなんですね…」
ここは、アグネスタキオンが故障でいなくなった学園。
自分の存在がわからなくなった時も。
なんだかんだ言って、そこそこ寄り添ってくれていた、気がする。
「…今から手紙出したら、届きます…かね…」
そう言って彼女は部屋に戻り、手紙を書き出す。
内容は当たり障りもなく、誰が誰に当てていても違和感のないような、そんな面白みもない文章。
彼女の趣味と思われる黒猫が描かれた便箋と封筒が、わずかな個性だろうか。
なぜかじっとしていられず、雨の中ポストに投函しに行った。
「…離れていても、気になります…そちらは気になっていますか?」
そう、空に向かって話してみる。当然返事はない。
そもそもそれを手紙に書けばよかった、と言えばそれまでだが、彼女は書かなかった。
…どこかで彼女たちは、離れていても通じ合っているのかもしれない。
そしてそれが、お互いには…わかっているのかもしれない。
- 116二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 23:52:20
これ気づかなかった、飛ばした感じになってすまん…
- 117二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 23:57:44
「トレーナー!今日は一緒に遊ぶんだよね!どこ行くの?」
ハルウララは、そう言ってトレーナーに駆け寄ってきた。
「そうだな…ウララはどこに行きたい?」
「うーん、色々行きたいところはあるけど…あ、雲の上で昼寝できたら楽しそうだよね!」
「それはちょっと難しいかもなー」
「でもねでもね!」
そう言って、ウララはトレーナーをじっと見つめる。
「わたし、トレーナーと一緒なら何してても楽しいんだ!だからね、いろんなところでいっぱい楽しいことしたい!」
「そうか…じゃあいっぱい楽しいことしよう!」
「わーい!」
そう言って2人は並んで街を歩いていく。
その手はつながっていない。
けれど、それより強い何かが、2人の間には繋がっている…周りからはなんとなく、そう感じられるのだった。
- 118二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 23:58:39
「…トレーナーさん。コーヒーが入りました」
「お、ありがとうな」
…それだけか、と少しだけ思ってしまう。
これ以上の感謝を求めているわけではないが、もう少し特別な笑顔が欲しいと…最近そう思うようになってきた。
マンハッタンカフェは、トレーナーに…少し特別な感情を向け出したようだ。
(…もっと、素直に…笑ったり、泣いたりした顔を…見せられればいいのですが…)
元々表情はそこまで豊かな方でもないし、何より少し気恥ずかしい。
こんなに距離が近いのだから、もっと素直になりたい。
また別の時。
「…トレーナーさん。今日もコーヒーが入りましたよ」
「おう。いつもありがとうな」
「…美味しい、ですか?」
「…?どうしたんだ?美味しいに決まってるじゃないか。カフェが入れてくれたんだから」
「…ありがとう…ございます」
その時溢れたのは、少しだけ素直な、柔らかい笑みだった。
- 119二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 00:12:56
ある日の、もう夜も遅い時間。
ライスシャワーは、絵本を描こうとしていた。
「…どんな絵本がいいだろう…?」
そうしてふと夜空を見上げる。
そうすると、連鎖して浮かび上がってくる、素敵な思い出の数々。
「…そうだ!」
ライスシャワーは次の日、ここ数年のアルバムを眺めていた。
「そうだ、この時のピクニックをベースにして…あ、あの時の謎解きツアー、面白かったんよね…ふふっ」
考えれば考えるほど、楽しい絵本の姿が浮かび上がってくる。
物語としてプロットを書き連ねて、ふと気がついた。
「…お話としては楽しい。だけど、なんだろう…」
「お話の終わりが…描けない…」
結末がない物語は物語ではない。
仕方なしにボツにしようかとも考えたが、終わりさえ思いつけば素晴らしいものになりそうなストーリーなのだ。少し勿体無い。
「…もうちょっと、考えてみよう!」
- 120二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 00:13:13
数日経った、またある日のこと。
「ねえ、ブルボンさん…今どこに向かってるの…?」
「内緒にして欲しいとの伝言を受けていますので、お教えできません」
「そんなぁ…」
ブルボンがある教室のドアを開ける。そうするといきなり何かが破裂するような音がした。
「ひやぁっ!?」
『ライスさん!G1勝利おめでとー!』
「…わぁあ…!」
「いやぁ、すごいよねー!私はまだ勝ててないもん。だけどすぐ追いつきますぞ!むんっ」
その日は、ライスがとあるG1を勝ったお祝いだったらしい。
(嬉しい…あ、そうだ…!)
その時、ライスの頭にひらめきがあった。
楽しいパーティも終わり、部屋に戻ってから。
ライスは物語の続きを描く。
彼女がもらったものを形にするように。
”_主人公は、みんなにたくさん祝福されて、たくさん大好きをもらって…幸せに過ごしました”
- 121二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 00:14:36
歌詞がわからなかったやつ以外は今まででた分は全部かけたはずだ…!
途中投稿頻度が落ちてすまなかった…
言い訳にしかならないけど、ちょっと一時期歌詞から連想するのがうまくいかなくなっててな… - 122二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 00:35:08
- 123二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 00:37:48
そう言ってもらえるとありがたい
ただ遅いというよりは、他で並行して色々書いてるからこっちを置いてる時間が後ろめたいのもあって言い訳してしまった…
そしてSSの感想ありがとう、ものすごく励みになる!
カフェは普段どちらかというと表情の起伏がない方だからちょっと笑顔になると絶対破壊力すごいと思うんだよな…
- 124二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 01:46:04
あげ
- 125二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 04:51:33
- 126二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 04:56:17
期待に応えられたならよかった…!
- 127二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 07:05:31
- 128二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 07:06:43
- 129二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 07:08:43
- 130二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 07:09:46
- 131二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 10:49:45
あげ
- 132二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 17:35:22
あげ
- 133二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 20:24:15
- 134二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 20:46:04
- 135二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 23:55:59
あげ
- 136二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 03:07:51
おかあさんといっしょその2で
「みらいくんとゆめみちゃん」
理事長とたづなさんが生徒たちを見守っている感じでお願いする - 137二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 08:56:43
保守
- 138二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 16:56:38
保守
- 139二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 18:17:27
- 140二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 18:17:59
「おめでとう、スペシャルウィークさん」
キングヘイローも祝福の言葉をかける。
それも本心。
彼女を恨む道理はない。
恨むとするならば、頭が真っ白になって、自分の走りすら忘れて。
結局は勝てなかった自分の不甲斐なさだ。
「ありがとう、2人とも!」
屈託のない笑顔を見せるスペシャルウィークが、遠く見えた。
その後の控室。
「私は…諦めないわ」
結局ダービーも勝てず、掲げた”一流”に対する目は厳しくなる一方だ。
…母からも、もう帰ってこいという電話があった。
「…私はっ…”一流”のウマ娘なのよ!」
決してぶれない信念。
(つまらない陰口なんて…興味もないわ)
- 141二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 18:18:44
ライブも終わり、その日の夜のこと。
「…」
「あら、スカイさん。…こんなところでなにをしているの?」
「んにゃー、ちょっと夜風にねー」
…ただ夜風にあたっていただけには見えなかった。
「本当のこと、話しなさいよ」
「…あちゃー。やっぱりキングには敵わないねー」
あくまで冗談めかしながら、スカイは語った。
「…それで、自分に自信がなくなっていた、と?」
「そうなんだよねー。にゃはは…『菊花賞』、とれるかな…」
急にしおらしくなる。
「…おバカ」
「ありゃ、おバカって言われちゃった」
「だってこんなにバカな話はないわよ。…ねえ、スカイさん」
「…んー?なに?」
「あなたは『皐月賞』を勝っているでしょう?…既に夢を掴んでいるし、これからも掴む権利があるのよ」
…まだG1を勝っていない彼女が言うその言葉には、重みがあった。
「…そう、だよね。キングの前でこんなこと言ってる場合じゃないよね…」
「前じゃなくても言わないの。…『菊花賞』、ベストレースをしないと許さないわよ」
「そうだね〜…ま、ぼちぼち頑張るよ」
- 142二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 18:18:55
そしてその菊花賞で。
(私は…私は!)
前へ、進んでいく。
(…いつか衰える前に…何かをもっともっと、もっと掴みたい…!)
ゴール板が近づく。
あの日、1つの夢を落としてしまっても。まだ、叶えたい夢はある。
「1つでも多くっ…夢を掴みたいんだああああ!!!」
「それでいいのよ…スカイさん」
彼女が1番にゴールする後方で、キングは言った。
…悔しさの涙を噛み殺して。
彼女が”一流”となるのは、もう少しだけ先。
- 143二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 18:19:11
改行が増えると辛いなこれ…
- 144二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 20:29:01
- 145二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 22:55:19
- 146二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 22:59:19
- 147二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 23:20:57
いまだにちょくちょくリクエストもらえてて嬉しいよ!
それはそれとして今からいくつか書いてくるんだが、もし仮に180レスを超えるようなことがあったらリクエストストップしてほしい
返しきれない可能性があるからな…
まあそこまで伸びるかはわからないけどな! - 148二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 23:46:24
- 149二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 23:48:46
- 150二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:40:14
「うっ…ぐす…ぐすん…」
「…おやおやフラワー。どうしたの?」
「あっ…スカイ、さん…」
…セイウンスカイは知っていた。
ニシノフラワーはこの間のレースで負けてしまったこと。それで深くショックを受けていること。
「いやぁ、今暇なんだよね〜。ちょっと雑談しない?」
「え、雑談…ですか?」
「そうそう、たとえば最近食べて美味しかったものーとか、この間あった面白いことーとかさ」
「…面白かったことなら、この間_」
会話は静かに、けれど盛り上がる。
気がつけばフラワーの涙は引っ込んでいた。
「…ありがとうございます、スカイさん」
「ん?何がー?私は暇つぶしに付き合ってもらっただけだよ」
「え…でもだって…」
…彼女の笑顔は、スカイにとっての大切なものなのだろう。
この道化をやめて、いつか本当に語り合える日は…
「…もうちょっと、大人になったら…ね?」
- 151二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:51:14
『SPY×FAMILY』オープニング主題歌アニメ映像/“SPY×FAMILY” Opening theme song animation
設定:ナイスネイチャには弟がいる。しかし、『母親がスナック経営者のため帰りが遅い』『年の離れた姉がよく世話をしている』といったことが重なった結果、彼はネイチャを母親だと思い込んでしまい、またネイチャ自身も自分が本当はママではなく姉であることを言い出せずにいた。ある時、弟はネイチャに自分に父親はいないのかと質問する。慌てたネイチャはトレーナーにこのことを相談。結果、父親役のトレーナー、母親役のネイチャ、子供役の弟という偽装家族が出来上がり、毎晩ネイチャ姉弟がトレーナー宅に通うようになって数日が過ぎた。
- 152二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:52:41
- 153二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 01:28:36
「上々っ!今日も皆、トレーニングに勉強に!励んでいるな!」
「はい、喜ばしいことですね♪」
トレセン学園の理事長室。
今日も将来有望なウマ娘たちが夢に向かっている。
それを、窓からやさしげな眼差しで眺めるたづな。
「たづな、何を見てるんだ?」
「はい、ここからトレーニングコースが見えるんですよ」
「なんとっ!窓が高く見えなかったせいで知らなかった…!不覚っ!」
そんなやりとりをしながら、今日もウマ娘たちを見守る2人。
「マチカネタンホイザっ!今日も励んでいるな!」
「あっ、理事長さん!えへへ、そこそこ頑張ってるんですよ〜」
「期待っ!これからも精進してほしい!」
「はいっ!頑張りますよ!むんっ!」
「あら、練習を見に来てくれたの?」
「こんにちは。見て回る途中にたまたま通っただけですけどね」
「んもう、照れなくていいのに♪」
「照れてるわけではないんですが…」
今日、明日も、2人は見守っている。
いつまでもいつまでも、ウマ娘たちが健やかに成長することを願っている。
- 154二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 01:37:37
- 155二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 01:39:02
- 156二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 01:41:02
- 157二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:32:53
『君が一番だ』
その言葉が耳から離れない。
「〜〜〜〜っ…ああもう!!!」
何度も何度も頭の中で言われた時の光景が再生される。
「なんなの?これじゃあなにも手につかないじゃない!」
…素直にお礼が言えれば、また違うのだろうが。
素直に言えない。
このツンケンとした態度をやめられない。
本当はもっと素直になりたいのに。言いたいのに、ありがとうって。言いたいのに、アタシも_
「…あああああ!!!」
何も言えないのはきっとあの人の魅力のせいだ。
(もっと優しくしたいのに…)
けれどそれも恥ずかしさでできなくて。
『どうしたの?すごい顔してるけど…』
「〜っ!あんたのせいよ!このおたんこにんじん!」
『ええっ!?』
ほらまた、勢いで誤魔化してしまう。
普段はあんなに”優等生”でいられるのに。
「恋愛でも”優等生”になれたらいいのにな…」
もっともっと勇敢になれる、魔法がほしい。
- 158二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:48:06
(これで希望にあってるかわからない…ちょっと歌詞の解釈が難しかった)
_ある日、『お友達』が見えなくなった。
それ以外の様々なものは見えるのに…『お友達』だけが見えない。
…きっとこれは、いなくなってしまったと言うことなのだろう。
「…はぁ」
ずっと追いつこうとしてきた目標がいなくなると、喪失感があった。
けれど今は、『お友達』以外にも追いかける相手はいる。
…独り立ちしろ、ということだろうか?
そんな正確には見えなかったが…
「…フェ?おーい、カフェー?」
声をかけられていることに気がつく。
「あ…タキオンさん」
「ああやっと気がついたか!しばらくぼうっとしていたから何かと思ったよ」
「いえ…なんでも」
そう。彼女も…今となっては追いかける相手。
しかも彼女だけじゃない、他にもたくさんの…相手がいる。
「…寂しくないですよ」
1人になった時にそう呟く。それは嘘も混じった言葉だった。
けれど、そう言える理由はあった。
「どんなに離れていたって、心はそばにあります。今どこにいるのか…もういなくなってしまったのか、わかりませんが…あなたと私の心は、いつでもそばに…私は、きっとずっと、忘れません…あなたがたとえ私を忘れても」
忘れないで欲しいし、いきなりいなくなってしまったのは寂しい。
けれど…それでも、心はそばにある。そう信じて、自分は自分の道を往く。
- 159二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 05:15:18
今回のはこれの26、27の続き…みたいな感じになると思う
一応読まなくても大丈夫なようにするけどリンク貼っておくな
(レス番設定済み)
https://bbs.animanch.com/board/747334/?res=26
今回の分はまだ書き上がってないのでもう少し待っててほしい…
- 160二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 05:26:23
(設定はリクエスト参照)
「ママ、今日もパパのおうちいくの?」
「そうだよー、いやぁ離れて住んでて大変だよね…寂しい?」
「うーん…ふだんはママも家にいないしさびしいけど…でもだいじょうぶ!」
「そっか…えらいね」
後ろめたい。自分はママでもないし、トレーナーはパパでもないのに。
(…トレーナーさんにまで迷惑かけて、何やってるんだろ…アタシ)
「パパ!パパー!」
家に入るなり、弟は駆け出していく。
「おー、来たのか!いらっしゃい」
「パパ!おれ今日もいい子にしてた!」
「そうかそうか、えらいなぁ…」
トレーナーはあくまで息子というテイで接する。
その光景だけ見れば幸せな父子。
…隠された事情がなければ。
- 161二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 05:26:40
…弟はいつの間にか、遊び疲れて眠っていた。
「ありゃ、寝ちゃった…ごめん、すぐ起こすね」
「いや、その前に少しだけ話がしたい」
「ん?」
「…俺はそんなに老けて見えるか?」
「…ぷっ」
…どうやら弟に父として扱われるのは若干のショックがあったらしい。
「そんなことないって。うちの弟はトレーナーさん以外の父親を知らないだけだよ」
「そっか…まあ俺は実際父親じゃないんだが」
「…まあねー」
母子でもなければ夫婦でもない、設定上だけの家庭。
(…トレーナーさんと夫婦で子供がいる、かぁ)
それは…少しだけ憧れた光景ではあった。
「パパ、おひるねしてごめんなさい。またねー!」
「ああ、またな」
「明日も来るからねー…っと」
幼い弟の手を繋ぎ歩く。
いつかは事実を教えなければいけないし、教えなくても知る日は来るだろう。
ならそれまでの日々を、3人全員が幸せに過ごせるように…
(そう、したいな…)
「ママ?むずかしいかおしてるよ?」
「ああごめんごめん。さ、帰りましょうねー」
2人は夜道を歩いて帰っていった。
- 162二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 05:27:51
また一旦全消化完了!
いい曲のリクエストほんとありがとうな - 163二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 06:30:09
- 164二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 06:48:41
(捏造設定注意、見た時書きたくなってしまったんだ…)
「ゴールドシップさん!一体何をしてますの!?」
「あん?見てわかんねえのか?じょうろの水で虹作ってるんだよ」
「道端でやらないでください!あたりがびちゃびちゃになってるじゃありませんの!」
「大丈夫大丈夫!日光ってのは強いからな、自然がこの濡れた大地を乾かして…」
「言い訳はいいですから!!!」
ゴールドシップ。
白い髪をたなびかせた、背の高くスタイルの良いウマ娘。
そんな美貌を持っているが、彼女はよくわからないウマ娘だった。
奇行しかしないし、話してる内容の9割はわからないし。
それでも。
「マックイーン、降着だって?…よっしゃ、ついてこい!!!」
「きゃぁっ!?」
無理やり連れられてきた海で、採れたて捌きたての刺身をいただく。
「お、おいしい…」
「今日はいっぱい食べろよ!ゴルシちゃんの奢りだぜ!」
それでも彼女は、意外としっかり自分を慰めてくれるのだった。
いつの日も彼女は奇行を繰り返している。
「おい、ゴールドシップ!お前か、会長のファイルに『マル秘写真集』なんてシールを貼ったのは!」
「やべッバレた、逃げろー!!!」
「こら、待て!」
…彼女はいつでも変わらなかった。
- 165二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 06:48:58
それも昔の話だ。
自分はすっかり大人になり、彼女との連絡もいつからか取らなくなっていた。
「久しぶりに電話でも…」
そう思い、彼女の携帯にかける。
『…この電話番号は、現在使われておりません…』
「…え?」
電話だけではなかった。メールアドレスも消えていたし、彼女の実家と教えられていた場所には何もなかった。
まるで彼女は最初から居なかったかのように。
「…」
なぜかあの日を思い出し、じょうろで水滴をばら撒き、虹を作る。
「…私のために、あんなに気遣ってくれたのに。何も、返せませんでしたわね…」
もう、何もかもが遠い昔。
1人、窓辺で空を見ていた。
「ただいまー」
…そういえば帰省の時期だった。ドアを開け、客人を迎え入れる。
「おかえりなさい。…その、娘は?」
「ふふ、私の子供で…あなたの初孫ですよ、っと♪」
すやすやと眠る、白い毛をした赤ん坊。
「名前はね、もう決めてあるの。…ゴールドシップって言うんだ」
「…え…あ…素敵な名前…ふふ」
…最後の最後まで訳のわからないウマ娘。
だけどここに…小さな希望が帰ってきた。
- 166二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:19:05
- 167二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:21:16
- 168二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:22:39
- 169二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:26:26
- 170二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:28:17
仮面ライダー詳しくないから少しずれたらすまん、でも頑張ってみる
- 171二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:28:56
あげ
- 172二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:40:52
このレスは削除されています
- 173二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:44:02
- 174二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:45:57
特に曲に制限はかけてないから大丈夫だぞ…多分
- 175二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 08:49:50
「ねえねえネイチャ、どうしたの?元気ないよ!?」
「あー、あはは…ちょっと模擬レースで負けただけ…だからさ!気にしないで!」
「気にするよ!だって今のネイチャ、キラキラ☆って感じの顔じゃないもん!もっとわらおー!笑えばもっとマーベラス☆」
「…そうだねぇ。笑えればマーベラス…なんだろうけどね…」
…ネイチャはまだ落ち込んでいた。
「…ねえねえネイチャ、折り紙しよー☆」
「へっ?折り紙?」
「うん!キラキラだったり、ホワホワだったり☆マーベラスな折り紙、いっぱい買ってきたんだ!」
「…あ、千代紙のことか。へぇー…確かにキレイだね」
「これでいっぱい折り紙しよー!」
そうして2人は折り紙を始めた。
「うーん、難しいねー…」
「教えよっか。何作ってるの?」
「折り紙のトロフィー作ってるんだ☆」
「…え」
「ネイチャのトレーナーがつくるマーベラスなトロフィーを見習って、これもあげるの☆」
「ちょ、ちょっとまって!なんで折り紙トロフィー知って…まあ同室なら知ってるか…」
「ネイチャネイチャ、勝つ以外にもマーベラスはたっくさんあるよ!」
マーベラスは語り出す。
「今折り紙してて楽しいのもマーベラス☆ネイチャのトレーナーがくれるトロフィーもマーベラス☆今ここにいるだけでマーベラス☆」
「…ぅ」
「1つの幸せばっかり追いかけてると、他が逃げていっちゃうかもしれないから…全身でマーベラスを感じよー☆」
「…どこまでもポジティブだねえ、あはは…」
でもその明るさに、少し救われた気がしたネイチャだった。
- 176二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 09:28:53
(ライダーっぽくなったかはわからない…)
「無敗のウマ娘になる…!」
「メジロ家に春の盾を…!」
夢という名の欲望が渦巻くレース場。
レースを走る限り、望みは尽きないものだ。1つでも多くを手に入れれば幸せになれる。
だが、勝者は…1人だけだ。
「今、ゲートが開いた!」
夢と夢のぶつかり合いが始まる。
(なんでボクらは、レースに出るんだろうね。夢は破れる娘の方が多いのにさ。…でも)
それでも彼女たちが走るのは。
全員、自分の『敗北』なんて視野にないからだろう。
そんなことを考えているうちに、すでにレースは終盤。
「…おりゃああああああああ!!!」
必死に追い上げる。マックイーンを見据えて。
(絶対、ボクが1着に…!)
途端、前がふっと遠くなった気がした。
「…え?」
マックイーンのスパート。
「うそ、まだあんな足が…」
諦めるわけにはいかない。必死に必死に足を動かす。
…それでも、届かなかった。
- 177二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 09:29:10
「1着は…メジロマックイーン!」
「やった…やりましたわ!」
「…あぁぁ…!」
悔しかった。悔しくて悔しくて仕方なかった。
…けれど。
(…後悔はしてない)
だって、彼女に勝てない『無敗』なんて、きっと満足できなかった。
これでよかったのだ。
「…マックイーン」
「テイオー…その」
「おめでとう」
その一言は本心からの言葉。
ライバルだからこそ、一番に言いたかった言葉だった。
- 178二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:09:15
- 179二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:10:03
- 180二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:17:30
- 181二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:18:55
- 182二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:28:29
_『天皇賞・秋』
彼女はそこにいた。
己の火も水も、今日への糧とするため。
今日、誰も破れなかった扉を、己の拳で破るため。
「今日のレースに…消えない名前を刻んでみせる!」
己の…”ヤエノムテキ”の名を。
そしてゲートは開く。
空へだって行けそうなほどの勢いで地面を蹴り、前へ進み出した。
…周りを走るのは絶対に越えなければいけない壁。
(オグリさんを…絶対に超える…!今日、このレースで…!!!)
「超える…超える…越えてやるんだあァァアあああああっ!!!」
その身に宿る”魂”を燃やし尽くすかのような気迫を纏い、彼女は駆けてゆく。
自らを時代に証明するために。
新たな伝説を、その手で生み出すために。
自分がここにいるかぎり、自分は”無敵”だ。
「…ヤエノムテキ1着!皐月賞を制したこの府中2000メートルで、再び舞い踊りました!」
その名前は、未来永劫語り継がれて行く。
- 183二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:34:12
書いてくださってありがとうございました!
- 184二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:47:13
「なぁ、ウオッカ。今この世界で一番必要なものはなんだと思う?」
「え、いきなりカッケー事いってどうしたんすか先輩!?」
「俺はな、こう思ってる…自分にとって一番信頼できる相棒を見つける事、だってな…」
「か、カッケー…!」
「だから…」
カッコつけたかったのか、バキィッと音を立てて柵を蹴り壊しつつ語るギムレット。
「来いよ、ウオッカ。ワタシの相棒にしてやる。闇が際限なく増えるこの世界で、燦然と輝く月になろう!」
「す、すげえ…すげえカッケー…言ってる意味は相棒しかわからないけど…!」
目を輝かせてギムレットを見つめるウオッカ。
「俺はあるがままに生きて行く。何にも縛られずに…なぁッ!」
もう一本、柵が蹴り壊された。
「どうだ、ウオッカ。お前を自由にできるのはお前自身だけだぞ?ワタシのように、周りにとらわれず生きて行くといい」
「せ、先輩…」
「とはいえ簡単じゃない。時々後悔もするかもしれないし、あとギリギリを見極めなけりゃいけない。…それでもお前は俺の相棒になるか?」
もはや話が二転三転していてお互いによくわかっていないが、ギムレットはウオッカに問いかける。
「な、なります!先輩みたいに、俺もカッコよく…!」
「よく言ったっ!!!」
その興奮の勢いで、また策を蹴り壊してポーズを取り、ギムレットは語る。
「さぁ…魂の叫びを、ワタシと共に紡ごう!」
「はいっ、先輩!」
壊れた柵は放置された。
- 185二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:48:40
- 186二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:53:29
「…ああ、もうっ」
「クソっ、なんも手につかねえ!」
その喧嘩は、原因もまともにわからないほど些細な事だった。
けれどなんとなく意地を張ってしまって、お互いにお互いを無視していた。
ルームメイトなため部屋でも顔を合わせるのだが、そこでも意地でも話さない。
「…グスッ」
それが少し辛くて、ほんの少しバレないように泣いたりもした。
何日か経ったあと、お互いにお互いの考えていることがなんとなくわかってきた。
お互い寂しいなら、先に謝ってしまおう。
「ねえ…」「なぁ…」
「あっ、ごめん先に言って!」
「はぁっ!?なんでだよ!俺が悪かったからお前が先に言えよ!」
謝罪の言葉のタイミングが被って、また些細な言い争いがある。
…けれどその言い争いが終わった後、妙にスッキリした気分になれたのだった。
- 187二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:55:40
これにてこのスレはおしまいだ!!!
3週間くらい付き合ってくれてありがとう!
次スレって話出てたけど、実際悩んでるんだよな…
どうしようか
ここから下は感想もらえると嬉しいのと次スレいるかどうかを教えてくれるとありがたい
それはそれとして、ここまで来る間に自作SSまとめができてしまったので名刺代わりに貼り付けておく
【自作SSまとめ】とあるトレーナーのSS|あにまん掲示板SS読んでる?様にピックアップされたのをきっかけに作ってみたhttps://bbs.animanch.com/board/794102/?スレ画はバンブーだけどそれ以外も書くぞ!下10レスくらいは初S…bbs.animanch.com - 188二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:56:51
- 189二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 11:02:01
完走お疲れ
良ければ次も立ててくれるとありがたい - 190二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 11:11:54
- 191二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 11:14:11
残り10レスは好きに埋めちゃってくれ!
- 192二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 11:50:40
>>166だけど今時間ないから時間出来たら次スレで感想書きますね
- 193二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 12:22:38
- 194二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 13:10:59
- 195二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 13:57:12
ネイチャ姉弟注文した者だが、ありがとうと伝えたい!!
前回と違ったテイスティングにしただけで、ここまで摂取できる栄養素が違うとは!! - 196二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 23:00:56
みんな感想くれてありがとう!
やっぱり感想をもらう瞬間は嬉しいな…!