キングヘイロー「スカイさんと旅行？」【SS】

1二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:29:15

「はい！久しぶりにお休みが重なったので」
じゃ〇んを片手に上機嫌なフラワーさん。
ベッドの上にはほかにも旅行雑誌が散らばっている。
「それでどこに行く予定なの？」
「定番ですけど温泉にしようかと」
少し考えてから口を開く。
「初めての二人きりの旅行でしょう？温泉でゆったり、と言えば聞こえはいいけど結構会話が途切れがちになってしまうの」
「そうなんですか？」
「ええ。それに温泉に入るとどうしても眠気がね。前に行ったときもスカイさんぐっすりだったし」
「……へえ」
あれ？笑顔なのにフラワーさんが怖い……。
とりあえず話題を変えよう。

2二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:29:36

「そ、そうだ！山なんてどうかしら。スカイさんは海や川に釣りに行くことが多いから」
「なるほど、いいかもしれませんね」
心の中でほっと胸をなでおろす。
「こことかいいと思うわよ。登山道も整備されてるし、眺めも良かったわ」
「結構近場なんですね」
「そうなのよ。スカイさんもまた来たいって言ってたし、ちょうどいいんじゃないかしら」
「…………へえ」
なんか返事までの間が長くなってる！？
フラワーさんが笑顔を貼り付けたまま私の肩に手を伸ばす。
「なーんでスカイさんと二人で旅行に行ってるんですかあ？」
「はいぃ！？いや誤解よフラワーさん！」
「五回！？五回も浮気したんですかスカイさん！」
「そういうことじゃなくて！」
いつの間にか襟首を掴んでいたフラワーさんの手に力が籠められる。
「ふふ、ふふふ……敵は目の前にいたということですか……！」
「だから違うのよフラワーさん！温泉や山は同期のみんなで行ったのよ！スカイさんと二人きりで行ったんじゃないの！」
「……へ？」
きょとんとした顔がこちらを見つめている。
「だから言ったでしょ、スカイさんとフラワーさんの初めての二人きりの旅行だって……」
「そういうことだったんですか……すみません……」
襟首から手が放される。
次の瞬間その手が私の脇腹をくすぐってきた。
「ひゃっ！？くっ、あははは！なにするのフラワーさん！？あははははっ！」
「キングさんの言い方が悪いんですよ！お仕置きです！」
「フラワーさんが勝手に勘違いしたんでしょう！？うひっ！あはは！笑い死んじゃう！」
ベッドの上で暴れる二人の表情はレースの時とは違う、年相応の少女そのものだった。