【あにまん】ダスカ【青空文庫】

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:55:41

    「愛情には1つの法則しかない。それは愛する人を幸福にすることだ」
                              ―スタンダール


    かなりのストレスを感じながら、これを書いている。今夜にはもう、"うまぴょい"されている事だろう。そろぴょい用の玩具も頼みの綱たる「鋼の意志」も尽きた。これ以上、苦しみには耐えられない。
    このトレーナー寮の下のうす汚い通りにある、風俗店に身を任せる事にしよう。愛バに対する欲情とそろぴょい中毒が原因で、身体が弱り、精神も堕落したのだと考えないでほしい。乱雑に走り書いたこの文章を読んでもらえば、完全に理解するのは無理にしても、一体全体なぜ私が快楽とそれに伴う忘却を望んでいるのか、見当はつくと思う。
     トレーナーとしてトレセン学園に就職することができたのは、全くの偶然にして人生史上最大の奇蹟であり、運命の女神──あるいはかの三女神──の悪戯にしか思えなかった。路頭に迷っていた私は、何故か偶然に遭遇したウマ娘にして今の愛バである"ダイワスカーレット"に魅入られ、瞬く間にトレーナーとして捕らえられたのは、広い繁華街のなかでも一段と広々として、人の往来がめったにない領域だった。
     私はある意味で合法的な戦利品にされたとはいえ、トレーナーはウマ娘の希少価値の高いパートナーとして、相応の公正さと配慮をもって扱われた。トレーナー業としての新たな人生は始まったばかりであったが、ふと風の噂によるとかつて私を苦しめた職場とその同僚達は、何故か落ちるとこまで落ちぶれきっており、最早見る影も無いとの事だった。以前の職場が実に最悪だったお蔭で、トレーナーとして就任してから五日後、愛バである"ダイワスカーレット"と共に着実なトレーニングを積み、彼女は初めての出場したレースにおいて一人逃げおおすことができた。

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:56:18

     だが、それからしばらくして私は、愛バであるダイワスカーレット──否、ダスカに対して言いようの違和感と根源的な恐怖に近い"ナニカ"を覚え、少しづつ距離を置き始めた。何しろ、ウマ娘たる彼女は、豊かな美しい髪と絶世の美貌、抗い難い魅力と魅惑的な肢体を有する人間の美少女に限りなく近い存在であったし、彼女は私に何ら警戒や忌避感を持たずに接し過ぎている。私とて所詮は"雄"であり、彼女という存在は、余りにも甘美で悪魔的な魅力を持つ劇薬そのものであった。このままでは私は、ソクラテスのように"ダスカ"という最高級の劇薬を入れた毒杯を仰ぐだろう──恐らくは嬉々として。トレーナー(または人間の雄)とウマ娘が"そのような関係"や"過ち"に到ってしまったという話は、古今東西の歴史や伝承において枚挙に暇がなく、かのイエス・キリストですら「あなたたちの中でウマ娘と"うまぴょい"したいと思ったことのない者がこの女に、石を投げなさい。」と戒めるほどだ。
     私はその様な致命的過ちを犯さぬよう、しばらくトレーナー職を離れ、長期間もつだけの資金と衣類を積み、一週間ほど当てもなく都会を彷徨う事にした。ようやく自由に、そして世間をただ流浪する身となったが、ふと気づけば自分がどこにいるのか、全く分からなくなっていた。土地勘が優れた方では無いとはいえ、スマホの電波すら不安定かつ届きづらくなっていた為、トレセン学園のトレーナー寮に最も近い駅から、数駅ほど先のさほど遠くない場所いるという事実だけは分かる──だが、不可解な事にそれ以外の記憶が存在せず、何故自分が此処にいて、この場所ありが一体何処なのかという単純明快な事実が全く分からない。だが、太陽の沈み具合からして、今が夕方であるという事だけはハッキリと分かった。だが、今いる場所は都市部であろうというのに、何故か人通りはおろか人の気配が全く見られず、今や私は、果てしない海の広大なうねりの中に孤立しているような錯覚を覚え、言いようのない絶望と恐怖を感じ始めた。

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:56:52

     状況が変わったのは日が完全に沈み、月と星々が夜空に昇る頃であった。一体何が起きたか、詳しくは分からない。というのも、私は覚醒しながらに夢を見ていたからであり、不可思議な事に私は今の状況が完全な夢であることを本能的に理解していた。夢の中の私は、何故か見渡す限りの大草原の中におり、かなり離れた丘の上には石で構築された遺跡のようなものが見えた。

     けたはずれの、予想もつかない風景の変化に、まずは驚いたのだろうと思われるかもしれない。しかし、本当のところ、私は理解不能な事態に襲われた困惑や驚きよりも恐怖の方が大きかった。周りの空気には不吉な気配が漂っており、体の芯まで凍るようだった。この大草原を覆い尽す完全な静寂の中、不毛な無限の空間に宿る言いようのない恐ろしさは、ひょっとすると言葉だけでは伝わらないかもしれない。何も聞こえず、一面に広がる草原と遺跡の他は何も見えない。それでも、あたりの静けさが完全なことと、風景が単調なこと、まさにそれらが心に重くのしかかり、吐き気を起こさせるような恐怖を覚えた。

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:57:16

     満月は無慈悲に草原を照らし、雲ひとつない無慈悲な空には星々が輝いており、その中で私は只独りで十数分ほど考え、思い悩んだ──あの遺跡に足を踏み入れるか否か。私は大いに悩み考えた末に、あの場所へ赴く決意を固め、草原の中を進み始めた。起伏する平原の途切れない単調さのせいで、言いようのない恐怖を感じることは以前に書いた。しかし、頂上に着いて遺跡のある丘の反対側を覗いて見ると、そこは限りなく深い峡谷であり、この峡谷を見下ろした時の恐怖は更に酷いものだった。そこには星々はおろか月の光すら届かず、暗い峡谷の奥まで照らすことが無い。まるで自分が世界の果てに立ち、その縁から永遠に終わらない夜と、底無しの混沌に満ちた領域を覗きこんでいるように感じられた。だが、奇妙なことに私は恐怖を感じながら、ジョン・ミルトンの『失楽園』と、形のない闇の国から登ってくる恐ろしい魔王の姿などが心に浮かんだ。だが、私はふと我に帰る──自分は峡谷を目的とした訳では無い。この丘の上にある例の遺跡を目指しにここを訪れたのだ。そう思いつつ、私は逃げる様に峡谷を後にして、本来の目的地であった謎の遺跡へと足を踏み入れた。

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:58:05

     当然の如く、遺跡の中にも人の気配が一切感じられなかった──にも拘らず、遺跡の壁には誰が付けたかも分からない無数の松明が煌々と照らされており、不思議な事にこの火は消える気配が一切感じられず、まるで、火自体が明確な意思を持っているかのようだった。私は不穏な気配を感じながらも、遺跡と同じ材質の石で造られた長い回廊をただ黙々と進み、やがて、祭壇と思わしき場所へと辿り着いた。
     この一室の壁には無数の壁画が描かれていたが、中央の祭壇と思わしき場所にある偶像を目にした時、私は心臓が停止しかねないほどの強い衝撃に襲われた──何故なら、この偶像はトレセン学園に置かれた"あの三女神の像"そのものであったのだから。しかも、その形や位置からして、過去に何らかの知的生物による細工を受け、そして恐らくは礼拝の対象だった事は疑いないように感じられた。

     恐怖で呆然とする一方、科学者や考古学者の喜びのような多少のスリルも感じながら、この部屋の周囲を更に詳細に調べてみた。この部屋の天井に配置された窓から覗く月は今や天頂近く、谷間を囲む高い断崖の上を妖しく鮮やかに輝いているのが分かる。壁画には象形文字で書かれていたが、私の知らないものであり、また、本で見たいかなるものとも違っていた。文字や壁画の中には、4本足で立つ奇妙な生物を様式化または彫刻化したものがあり、現代の世界では知られていない、陸の生物を表しているらしいものがあり、そのモチーフは、画家のギュスターヴ・ドレをも嫉妬させるようなものだった。

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:58:45

     だが、壁画を見ていくうちに私は段々と底知れぬ不安と恐怖を覚え始めた。この奇妙な4本足の生物が死に、そこから霊魂と思わしきものが飛び出たかと思えば、次の壁画にはその霊魂が、「悍ましい巨大な巨木のような節くれだった巨体と粘液に包まれた黒い触手、多くの巨大な口と山羊の様な蹄と足を有する名状しがたく忌まわしい怪物」に呑み込まれたかと思えば、次の場面にはその怪物から人間女性のような形で生まれ落ちるのが見え、その人間女性の絵を見た瞬間、私は声にならぬ悲鳴を上げた──も、もしや、これはう、ウマ娘なのか──!!?
     最も大胆な人類学者はおろかピカソなどの天才的な芸術家、果ては重度の麻薬中毒者や狂人でさえ考えつかないような世界観を記した壁画を思いもよらず垣間見て、圧倒的恐怖と同時に底知れぬ畏敬の念に打たれた。茫然と考えこんで立ち尽くしていると、部屋を照らす月が奇妙な影を落とした。その時、突然、私はそれを見た。

     ──ロープのような触手で形作られた、巨大な樹木のような姿、太い四本の脚、樹木の幹に当たる部分には巨大な口が生えており、何処からともなく濃厚な死臭を感じた。

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:59:17

    クトゥルフ神話かよ!

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21:59:30

     この怪物を見た瞬間、不思議な事に私は、その冒涜的な形象にも拘らず恐怖を一切感じなかった。何故なら、"コイツ"から敵意や悪意を一切感じられず、ただ私をじっと見ているような錯覚を覚えたから。すると、あろうことか"コイツ"はその外見からは想像をもつかないような、"美しい女性の声"で私の本名を呼ぶばかりか、驚愕すべき内容を話し始めた。

    『○○よ。貴方が私の子供達の一人出会い、かの地に足を踏み入れたのは決して偶然にあらず。その身の定めを受け入れ、あの子と契りを交わして"うまぴょい"せよ。そして、その子らで地を満たし、"大いなる母"の帰還に備えよ。』

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 22:00:14

     その声を聴いた瞬間、私の意識を突如として闇に包まれ、気が付くと何故かトレセン学園が用意したトレーナー寮のベッドで眠っており、驚いて目を覚ますとどうやらここは私の自室であった。部屋の窓を開けるとすでに夜であったが、私は急ぎ学園側に電話を入れ、錯乱しながら多くのことを話したが、殆ど相手にされなかった。それどころか、私がトレーナー職を離れ、一週間ほど休むといった話すら、何故か無かったことになっており、愛バと別れてから僅か数時間しかたっていないと知らされ、私は最早、何が"現実"で何が"夢"なのか一切分からなくなっていた。

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 22:00:53

     その声を聴いた瞬間、私の意識を突如として闇に包まれ、気が付くと何故かトレセン学園が用意したトレーナー寮のベッドで眠っており、驚いて目を覚ますとどうやらここは私の自室であった。部屋の窓を開けるとすでに夜であったが、私は急ぎ学園側に電話を入れ、錯乱しながら多くのことを話したが、殆ど相手にされなかった。それどころか、私がトレーナー職を離れ、一週間ほど休むといった話すら、何故か無かったことになっており、愛バと別れてから僅か数時間しかたっていないと知らされ、私は最早、何が"現実"で何が"夢"なのか一切分からなくなっていた。
     電話を終え、ポツンと自室に残された私は、ひたすら自問自答をしていた──あそこで見たのは、全てではないにしろ、単なる幻だったのではないか? いや、トレーナー職を離れると言事すら、私のストレスから来る妄言であり、最初から全て白昼夢のようなものだったのではないか? あの出来事を考えようとすると、あの名前も知らぬ4本足の生き物と突如として現れた黒い怪物を思い出し、身震いする。
    だが、それと同時にあの怪物の発言を思い出した途端、私はパートナーにして愛バたるダスカに対して、言いようのないドス黒い欲情に突如として駆られ、気が付けば幾度となく"そろぴょい"を致していた。私がダスカで幾度となく果てると、それに答えるように、恐ろしいイメージがいつも鮮明に浮かび上がる。星辰が並び、太陽が黒く、月が赤く染まり、全世界が地獄絵と化すなか、私を筆頭としたトレーナーとウマ娘、そしてその血族たる子供達が異形の神々に抱かれて新たな宇宙を創世するのが見える・・・・!!!
     終わりは近い。ドアのところで音が聞こえる。扉が勢いよく開いて、私の愛バが情欲に満ちた狩人の瞳で私を見下ろす。ああ神よ、ダスカが! 膣内に! 膣内に!

                                                        ──END

  • 11>>121/10/01(金) 22:04:06

    あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
    「おれは ウマ娘のssを書こうと思ったら いつのまにかクトゥルフ系の内容になっていた」
    な… 何を言っているのか わからねーと思うが(以下略

    お目汚し失礼しました。
    一体何でこんな文書書いたのやら(・・・白目)

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 22:04:42


    ホラーと見るか官能と見るか決めかねている…

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 22:11:55

    それまでの文学的な表現に対し、腟内に!は少々直截的に過ぎる感が有る

    だからといって、別の表現も思い浮かばないのでやはり最適なのだろうか?

  • 14>>121/10/01(金) 22:17:17

    >>13

    気分を害したのならば申し訳ない。


    原作「ダゴン」の文章を真似て、頭からっぽして読めるバカなSSを書くつもりだったんだけど、こんな有様になった。反省はしていないが、後悔はしつつある

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 22:35:19

    ダスカのエロさは魔性でも似合うから仕方ないね

  • 16二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 02:10:56

    その世界はきっと
    ウマ娘という、得意な人種がありながら
    奇跡的な巡り合わせによって現実と似た文明を持てた訳ではなく

    得体の知れない上位者が、ある時いきなり
    ソレらを作り、人間たちの周りで生きている事を常識へとすり替えてしまったんだろうな……

  • 17二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 11:10:42

    ウマ娘ってこわいんだなあとおもいました

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