- 1二次元好きの匿名さん22/07/09(土) 03:18:13
静かな夜にごきげんよう。
クククッ、相手はシュレディンガーの猫のように開けてみないと分からない正体不明であるにも関わらず、いきなり暴こうとしてくるなんて随分と度胸が身についているねぇ。これも普段の実験とやらの賜物か…君が思っていること自分の担当に雰囲気が似ている?まあ雰囲気くらい似ている人の一人や二人いるものだろう、偶然にしては比較的起こりやすいものさ。
それよりどうして私が訪れたか分かるかい?
…実験?誰と勘違いしているのか知らないが…私は怪盗、君からあるものを盗みにやってきたんだ。
ただ奪うだけなら君の気づかない内に何もかも奪えてしまうだろうが、それではフェアとは言えない。したがって私は君に猶予を与えることにしたわけで…おい、話を聞きたまえ!慣れすぎだぞ!
いいだろう、少し私の怪盗としての技術力を見せてやれば大人しくなるかな。トレーナー、この帽子に注目したまえ。裏返して手をかざすと…このように煙が上がり、私の手に向かってボイスレコーダーが飛び出す仕組みになっている。実はとある偉大な魔法使いとヒーローを補助する小道具を流用しているんだが…何?もう一回?仕方ないな…刮目したまえ!
む…こんな小道具如きにそこまで関心を向けるとは想定していなかったよ。これは後日何らかの形で実験するとして…早く本題に入るぞ!時間がないから単刀直入に聞くが、君は今不満を抱えているかい?
なるほど、睡眠不足か。トレーナー業には付き物だが、まあたまには改善してやった方がいいものではある。
ではその悩みを盗んでやるとするか…ほら、私の目をじっと見たまえ。そのまま動かずにじーっと…ぷすり。ハハッ、ようやく引っかかったようだね。君に打ち込んだのは新しい睡眠導入剤さ。具体的に言えば効果は明日の10時頃まで続く──おっと。
ハッハッハッハ!どうやら外部要因の多数存在による思考誘導は、実験や私の嘘によく慣れたモルモットにもやはりよく効くようだね。注射器は将来的に人体に使えるようになるが…フフ、我ながら気合を入れただけあってなかなか良いデータが盗めたよ。
さて、布団に運んで電気ぐらい消してやるかな…。