- 1二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 02:20:02
- 2二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 02:22:05
ボリクリ以降の難易度高すぎて草
CBで - 3二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 02:22:17
シリウス
- 4二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 02:22:47
あえてリッキーだコパ
- 5二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 02:23:05
上から順番に行かせてもらう
- 6CB-122/07/10(日) 03:00:04
とある模擬レースの日。
学園はとある噂で持ちきりだった。
「ねえ聞いた!?あのミスターシービーさんが今日の模擬レースに出るって!」
「え、ほんと!?あの人もついにレースに登録したんだ…!」
「びっくりだよね〜。あの人今までなぜかずっと登録してなかったし…」
ミスターシービー。彼女の名前は自分も聞いたことがある。
確か…ものすごい才能を持っていて、後方から追い上げるレースが得意な娘。
何よりの特徴は、走ることを思いっきり楽しんでいると言うこと。
そんなすごい娘のレースが見られるなら、と、レース場に向かうことにした。
「…」
「あっ、見て、シービーさんが来た!」
「ほんとだ〜!いつ見てもかっこいいねぇ…」
…彼女は圧倒的な貫禄を放っていた。
「_ゲートイン完了。2000メートルのレースが幕を開けます」
その模擬レースは、静かに幕を開けた。 - 7CB-222/07/10(日) 03:00:20
「先頭は4番。注目のミスターシービーは最後方です…」
「ね、ねえ…シービーさん、勝てるんだよね…?」
「な、何言ってるの!普段あそこから追い上げてるじゃん!」
「まあでも…不安にもなるよね…」
彼女は既に前から1バ身ほど離されていた。
「残り400メートルを切りました…な、なんと!ミスターシービー、上がってきています!」
ぐんぐんと彼女は追い上げる。
そのまま他の全員を抜き去り、千切って…
「なんとミスターシービー、1着でゴールイン!!!」
そのまま勝ってしまった。
「…すごい!すごい!!!」
あまりに自由で、綺麗な走り。思わず目を奪われる。
「ねえシービーさん、今フリーなんでしょ?是非うちでトレーニングを…」
しまった、先を越された_!
「あれ、スカウト?ごめんね、今回のレーススカウトのためにでたんじゃないから」
「えっ…あ、そ、そう…」
そういえばこれは”模擬レース”だ。担当がいないウマ娘がよく出る”選抜レース”ではない。
「それじゃアタシ、いくところあるからまたね」
そう言って、彼女は1人歩き去ってしまった。 - 8CB-322/07/10(日) 03:00:37
そんなレースを見た後、自分は屋上に訪れていた。
『はぁ…』
なんてものを見てしまったのだろう。あんなものを見てしまっては、普通の走りではしばらく興奮できないだろう…
「あれ、先客?珍しいね」
不意に声がする。振り返ると、先ほどレースを走っていたミスターシービーがいた。
「今からお昼ご飯食べるんだ。キミは何も食べないの?そろそろお腹空いてるんじゃない?」
言われてみれば、そろそろ昼だ。
お腹が空いていないと言われれば嘘になる…
「アハハ、いかにも言われたらお腹が空いてきたって顔。はい、あげる」
そう言って手渡されたのはハンバーガー。
『ありがとう』
「どういたしまして」
2人でハンバーガーを齧る。
…初対面だし、どうも微妙な雰囲気な気がする…
『な、なぁ』
「ん?」
耐えかねて話題を振る。
『今日のレース、スカウトが目的じゃないなら何のために出たんだ?』
それは気になっていたことだったが、同時にいきなりデリケートなことを聞いてしまったかもしれないことに気が付く。
一人不安になっていると、彼女は普通に返してくれた。
「何のために…?レースに出るのに何かのため、とかあるの?」
『…あ』
そうか。彼女は走るのをただ楽しむために模擬レースに出たんだ。
『…素敵だな』
なんとなく、そう思った。
「そう言ってくれると嬉しいね。ありがとう」
少しだけ気まずさは和らぎ、一緒に昼飯を食べるのだった。 - 9CB-422/07/10(日) 03:00:52
それから、時々屋上で彼女と食事をするようになった。
『はい。パン、今日は俺が買ってきたよ」
「美味しそうなパンだね。どこで買ったの?」
そんな他愛のない会話をしながら、食事をする。
そんなことを何度か繰り返したある日。
『…シービーが来ない』
何かあったのだろうか。心配していると、グラウンドの方から声がすることに気がついた。
「ねえ、わかってるの!?あなたの才能は素晴らしいの!ずっとフリーでいるなんて…」
見てみれば、シービーが誰かに怒鳴られていた!
『今すぐ向かわなくちゃ!』 - 10CB-522/07/10(日) 03:01:21
向かった先で怒鳴っていたのは、この間スカウトを断られたトレーナーだった。
「そんなこと言われても…アタシは自由に走れればそれで…」
「それがダメなの!自由に走るだけじゃなんにもなりゃしないわ!」
『ちょ、ちょっと!』
「何!?誰よ!!!」
割って入ると、シービーがこちらを向く。
「あっ、丁度よかった」
そうすると自分を指差して彼女は話し出す、
「アタシ、このトレーナーにスカウトされてるんだよね。検討中だから少なくともキミのスカウトに乗ることはないよ」
「なっ…!」
そんな覚えはないが、おそらく切り抜けるための嘘だろう。何も言わないことにした。
相手のトレーナーは何か言いたげな顔をしていたが、主張が”誰かのスカウトを受けろ”な以上、何も言えずに帰っていった。 - 11CB-622/07/10(日) 03:01:36
「はぁー…疲れたね…」
『なあ、シービー』
「なに?」
彼女はいきなり改まって声をかけたことに面食らったのか、こちらを不思議そうな顔で見てくる。
『嘘じゃなくて、本当にキミをスカウトしたい』
「…このタイミングで言うなんて、キミもなかなかクレイジーだね」
『タイミングなんて自由でいいだろ。それに』
「それに?」
『書類上誰かの担当になってた方が、今回みたいなトラブルも避けられるだろ?』
別にトレーニングなどを見られるのが好きじゃないならしないし、あくまで書類上のもの。
そう言うと、彼女はおかしそうな顔をする。
「…それって、アタシに自由な走りをさせてくれるって…そういう宣言でいいのかな?」
『ああ。あってるぞ』
「…はは!面白いこというね!いいよ、気に入った…だけど、せっかくスカウトするならもっと夢のあること言ってもいいんじゃない?」
…これは、自分を一緒に夢を追うトレーナーを認めてくれたと言うことだろうか。
それなら…
『キミの自由な走りを貫いて、三冠でも一緒に取ろうじゃないか!』
「いいね、楽しそうだよ。それじゃあよろしくね、ミスター・トレーナー?」 - 12二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 03:01:50
次シリウスか
- 13二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 03:03:36
バンブー見たい
- 14二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 03:03:43
あれ?思ったよりレベルが高いぞ?(画像略)
滅多にない供給は助かるけどこれ寝れるんですかね… - 15二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 03:04:10
そもそも自分の都合で今夜寝られないから丁度いいんだ
- 16シリウス-122/07/10(日) 03:47:44
「…ごめんなさい!私、本気で頂点目指してて…その、新人の方だと…」
…またスカウトを断られてしまった。
こんな調子では、解雇も近いのではないだろうか…
『…はぁ』
木の下に座り込み、思わずため息をつく。
「おいおいなんだよ、わざわざ来て溜息とか…新規臭えな…」
ふと声がする…上からだ。
見上げると、木の上で寝ていたであろうウマ娘がいた。
『わぁっ!?』
「叫ぶんじゃねえ、うるさいだろうが!ったく、人がくつろいでるところに…」
そんなことを言いつつ、彼女は木から降りてきた。
「はぁ…どこか別の場所を探すか…」
「あ、シリウスさん!いた!あの、もしよければ一緒にビリヤード、またしていただけませんか!?どうしても一度勝ちたくて…」
「…見つかったか…全く、休憩中だったのにどうしてくれるんだか…」
そうしてこちらを一瞥すると、彼女は去っていってしまった。 - 17シリウス-222/07/10(日) 03:48:03
また別の日。
「すみません…私、全く担当持ったことない人は、さすがに…」
…また断られた。
このままじゃ解雇…なんていうのが現実を帯びてきた。
『明らかにこのままじゃまずい…!』
少し焦りながら歩いていると、この間の木にまた寝ている彼女を見つけた。
『…彼女もフリーかな』
なんて一瞬考えてやめる。見境なしにスカウトするのは流石によくない。
…この間はシリウス、と呼ばれていたか。 - 18シリウス-322/07/10(日) 03:48:19
たづなさんに頼み込み、シリウス、という名前のウマ娘を調べてもらった。
彼女はシリウスシンボリ。落ちこぼれと呼ばれるウマ娘たちを束ねている立場のようだ、と説明された…
「あの、どうしていきなり聞いてきたんですか…?そこまで個人に拘るのは何か理由が…?」
自分でもわからなかった。見境なしにスカウトは良くない、としても…だから調べればいいのかと言われれば違うだろうし。
『いえ、その…とにかくありがとうございました』
そう言ってグラウンドまで行く。
「ねえ見て、シリウスさんたちだよ…」
「ほんとだ…ちょっと怖いよね…グレてる感じして…」
そんな噂話をされる方を見ると、確かに彼女…シリウスシンボリとその取り巻きであろう少女たちがいた。
『…走りを見ていこうかな』
特に彼女にこだわっているわけではない。少なくともこだわっている自覚はない。
ならなぜ、こんなにも彼女のことを知りたくなってしまうのか。 - 19シリウス-422/07/10(日) 03:49:06
「おりゃあああああ!!!」
彼女の走りは圧巻だった。
重賞をその手にできるだろうと、簡単に想像できた。
「ねえ、あなた…シリウスシンボリをスカウトしようとしているの?」
そう後ろから声をかけられる。振り返れば、見知らぬトレーナーがいた。
「あの娘は…やめておいた方がいいと思うわ。あなたまで背負うことになる」
『背負う…?』
「知らないわけじゃないでしょう?彼女は”落ちこぼれ”の娘たちの面倒を見ている立場なの。要は事情が特殊なのよ。あなたまで一緒に”落ちこぼれ”を背負うことになる」
そんな話をして、トレーナーは去っていった。 - 20シリウス-522/07/10(日) 03:49:30
自分は先ほどのトレーナーの言うことを無視して、シリウスが一人になるのを待ち、声をかけた。
「なんだ、アンタ…溜息ついてたやつか。なんだ?また暇してるのか?」
『シリウスシンボリ。君をスカウトさせてほしい』
「…へえ?それ、本気で言ってるのか?」
『本気だよ』
「私の背負ってるモン、知らないわけじゃないだろうな?」
『全て知ってるよ』
「その上でなんで、私なんだ?」
『君に惹きつけられたからと…』
もう一つ、理由があった。
『自分も”落ちこぼれ”だからかな』
「…中央のトレーナーやってて、落ちこぼれ、だって?」
『それは君たちもだよ』
トレセン学園に受かった以上、ある程度の実力はあるはずだ。
だけど、実力者であろうと、実力者の中では”落ちこぼれ”になることなどよくある話だ。 - 21シリウス-622/07/10(日) 03:49:47
『”落ちこぼれ”として…”落ちこぼれ”のリーダーを、少しでもフォローできる立場になりたいかな』
「…ふん、そうか…」
『返事、どうかな』
「そう焦らなくてもいいだろ…そうだな、今まで何度かスカウトはあったが、自らが”落ちこぼれ”で、しかもそれを自覚していてなんなら自分から名乗るのには初めて会ったよ」
褒められてるのかバカにされているのかいまいちわからない言い方だ…
「面白い。スカウトするからには、”落ちこぼれ”でも頂点を一緒にとってくれるんだろうな?」
それには即答できた。
『もちろん!』
「…ははは!本当に面白いヤツだ!…さっきも言ったが、目指すは頂点だけだ。ヌルいトレーニングはするなよ」
こうして、シリウスシンボリとの3年間が始まった…! - 22二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 03:50:07
リッキー…キャラ捏造することになるけど頑張ってくる
- 23リッキー-122/07/10(日) 04:19:37
ジリリリリリリ…!
『…朝、か…』
そう言ってベッドから降りる。
かなり部屋が散らかってきているため、気をつけないと何かを踏んでしまいそうだ。
『気をつけて歩かないとな…』
今日も学園で有望なウマ娘を眺め、スカウトをしに行く日々だ。
今日も気合を入れて頑張ろうと思っていたところ…
「もしもし!そこのトレーナーさん!」
不意に声をかけられた。
「失礼かもですが!悪い気が溢れまくってます!部屋、相当汚いんじゃないですか!?」
…悪い気?そもそもなんで部屋が汚いのを見抜いて…疑問で頭がこんがらがる。
「あ、疑ってますね〜!リッキー程のプロ風水士…の卵になれば、悪い気くらい感じ取れちゃうんですから!ちょっと、さすがに見過ごせません!部屋、見せてもらっていいですか!?」
…圧に負けて、部屋を見せることにした。
スカウトはまた後日になるだろう… - 24リッキー-222/07/10(日) 04:19:57
「ふむふむ…きったないですね!これはあんな悪い気が溢れるわけです!」
『そんなどストレートに言わなくても…』
「他にどんな言い方をすればいいんですか…?まあそれはそれとして、私にお任せください!風水的にいい物の置き方を教えて差し上げますから!」
半信半疑…より疑いが強い状態だったが、彼女と一緒に部屋のものを片付け、色によって方角にあわせた配置をしたりする。
仕上がった部屋は、前より相当綺麗になった!それと…
『なんだろう…風通しがいい…?』
「風通しではありません、気の流れがいいのです!」
気…がなんなのかはわからなかったが、実際に気分が良くなったのは確かだ。
『とにかくありがとう、えーと…』
「あ、自己紹介を忘れてましたね!私はコパノリッキーと言います!プロの風水士ですから!…お爺ちゃんが」
コパノリッキーに今日の感謝を改めて伝え、その日はそのまま部屋で過ごすことにした。 - 25リッキー-322/07/10(日) 04:20:24
ジリリリリリリリリリリリ…!
『…朝だ』
心なしかいつもより目覚めがいい。
足元も散らかっていないし、かなり快適だ…!
『リッキーに後で改めてお礼を言わないと…』
そう思い、今日も学園に向かうと…
「ていゃああああああああ!!!」
ダートのコースから、威勢の良い声が聞こえた。
「あと1本…いや、2本!頑張れるだけいっくぞー!!!」
そこでは、コパノリッキーがダートを爆走していた…!
『素晴らしい走りだ…!』
周りには注目されていないが、走りの基礎知識などを覚えなおせば一気に化ける走りだと、そう確信した。
「…ふぅ!良い汗かきました!」
『お疲れ』
「ありがとうございまー…あ!昨日のトレーナーさんじゃないですか!どうです?リッキー特製のお部屋はくつろげましたか?」
『そりゃもうとっても!』
「ふふん、当然ですね!リッキーはプロの風水士ですから!…卵ですけど」
そう言って彼女は頭を掻く。
『…なあ、リッキー』
「どうしましたか?」
『次の”選抜レース”…出る予定はないか?』
「何を言ってるんですか!もちろん出ますとも!スカウトしてもらえる、またとない機会ですから!…ところで、なんでそんなことを?」
『君の本気の走りを見てみたいからかな』
そう言うと、彼女の目が輝きだす。
「…!それってそれって、私が今の時点でスカウト候補に入ったってことですよね!?わーい!お爺ちゃんみてますかー!?リッキーは立派になりますよー!!!」
そう言って彼女は喜びで跳ね回る。
まだスカウトするとは言っていないのだが…喜んでるところに水をさすわけにもいかず、そっとしておくことにした。 - 26リッキー-422/07/10(日) 04:20:42
そしてその”選抜レース”本番。
コースはダート1800だ。
「おいっちに、さんしー…よし!今日に向けて走運の方角は綺麗に掃除しておいたし…それにしっかりしっかりトレーニングしたし!1着、取れると良いなぁ…!」
リッキーも気合が入っているようだ。
「ゲートイン完了、出走の準備、整いました!」
そして彼女たちは走りだす。
「りゃりゃりゃあああああああ!!!」
「コパノリッキー!最初から飛ばしております!」
彼女は先頭を走っている。
『体力切れしないといいけど…』
だが、どうやらそれは杞憂だったらしい。
「残り300メートルを切りましたが!依然としてコパノリッキー先頭です!」
「押し切…れえええええええええ!!!」
『いけーっ、コパノリッキー!』
彼女はそのまま1着でゴールした。 - 27リッキー-522/07/10(日) 04:20:56
「やたっ、やったー!1着…とった…!」
色んなトレーナーが彼女に駆け寄ろうとしている。
だが自分が全力を出して彼女のところに突っ込んでいった。
『リッキー!おめでとう!』
「あっ、こないだのトレーナーさん!どうでしたか、やりましたよ!リッキーは強いウマ娘ですから!…なんて…」
『いや、君は強いウマ娘だ!』
「…!ほ、本当ですか!?」
『ああ!』
それは自信を持って断言できた。
そして、彼女の呼吸が整うのを待ち、言葉を掛ける
『…コパノリッキー』
「はい…!」
『君を、スカウトしたい…!』
「…もちろん、喜んで!!!お爺ちゃん、見てますか!?リッキーについにトレーナーさんが付きましたよ!!!ああ、次の手紙に書きたいことが増えすぎて困るなぁ…!」
こうして、コパノリッキーとこれから夢を追う日々が始まる! - 28二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 04:21:29
バンブー書いてくる
- 29バンブー-122/07/10(日) 04:54:40
「おはようございます!」
『おはよう』
校門で気持ちのいい挨拶が響き渡っている。
あれは”学級委員長”のサクラバクシンオーと、”風紀委員”のバンブーメモリー…だったはずだ。
『二人とも頑張ってるなぁ』
自分だってスカウトを頑張ろうと、そう思えた。
そしてその2人が走っているのを見たのはまさにその日だった。
「バクシン、バクシィーン!!!」
バクシンオーの方は、スプリンターとしての資質を遺憾無く発揮し、スカウトも引く手数多のようだった。
そして、バンブーメモリーの方は…
「はっ、はっ、は…」
人気の少ないダートで1人走っていた。
「ふぅっ、はぁ…はぁ…もう一本いくっスよ!!!」
…正直に言うなら、彼女の走りはどこか鈍い。
何か、何かがずれているような…そんな走りをしていた。 - 30バンブー-222/07/10(日) 04:54:55
また別の日。
その日はトレーニング室を見ていた。
「ほっ…ほっ…」
エアロバイクに乗っている彼女は…オグリキャップだ。
そこに、この間見たウマ娘がやってきた。
「オグリさん!今日もトレーニングっスか?」
「ああ…ふぅっ…次のレースにも…勝ちたい、からな…」
「おお…!熱いっスね!アタシも頑張るっス!」
そう言って、隣のエアロバイクをものすごい勢いで回し出した。
「でえぇぇぇ…りゃああああ!!!」
その勢いは、彼女の熱いハートを感じさせるものだった。 - 31バンブー-322/07/10(日) 04:55:09
また、模擬レースの時期がやってきた。
今回のダートレースにはバンブーメモリーも出走するらしい。
「ふぅ…はぁ…よしっ!目指すは1着っス!!!」
そう、意気揚々とレースに挑んだ、
だが…
「…5着っ…!!!」
悔しそうな顔をしている彼女から、目を逸らせない…
『…ねえ、バンブーメモリー、だよね』
「え…はいっ!アタシがバンブーメモリーっス!」
『よければ、今日から3日…トレーニングを観察させてもらってもいいかな?』
「あ、もちろん大丈夫っスけど…」
負けがまだ響いてるのだろう。少し悔しさや悲しさが拭えない顔でやりとりする。
『それじゃあ、よろしくね』
「わかったっス!よろしくお願いするっス…!」 - 32バンブー-422/07/10(日) 04:55:24
そして次の日。
「だああああああああああぁぁぁ!!!」
今日も走る彼女を眺めている。
『何か…何かが…』
彼女の脚は悪くないように見える。
ただ、事実結果は出ていない…
「はぁっ、はぁっ…くっ!もう一本っス!!!」
次の日も眺める。
「でりゃああああああああ!!!」
何か…もしかして…
少しだけ頭によぎった可能性。だが、そんなことがあり得るのだろうか。
だが、可能性でも見過ごすわけにはいかない。
『なあ、バンブー』
「どうしたっスか?」
『…このままじゃ、厳しいかもしれない』
「っ…」
『だから…明日、ちょっと芝を走ってみないか?』
「…え?」 - 33バンブー-522/07/10(日) 04:55:38
そしてトレーニングを見る約束の、最後の日。
「芝、走るっス!けど…アタシの適性が芝かもしれないって話、本当なんスか?今まで散々ダート向きの脚だって言われてきたんスけど…」
『とりあえず、走ってみて』
「…そうっスね!ごちゃごちゃ言うより走った方がわかりやすいっス!」
そうして彼女は走りに行く。
「てええりゃああああああああ!!!…!?」
…彼女の脚のキレは明らかに増していた!
「…あれ…え、マジっすか…!?」
『やっぱり、芝の方が走りやすかった?』
「すごい走りやすかったっス!あ、いや芝の方が走りやすいのは当然っスけど、そうじゃなくてその…!」
言いたいことはわかる、と彼女を宥める。
「…あの、トレーナーさん!」
『どうしたの?』
「もしよければ…今日で最後なんて言わずに、ずっとトレーニングを見てて欲しいっス!」
…それは、逆スカウトだった。
『スカウト、先越されちゃったな』
「え…それって!!!」
『もちろんOKだよ、バンブー!一緒に夢を掴もう!』
「…っス!これからよろしくお願いしゃっス!!!」
体育会系の爽やかな挨拶が朝の空気に響き渡る。
これから、バンブーメモリーとたくさんの”夢”を叶えていこう…! - 34二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 04:55:50
次誰行くか…
- 35二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 05:05:01
ダイスで決める
ちなみにリクエストあったらそっち優先
dice1d15=6 (6)
1ユキノ 2シャカ 3パール 4ウインディ
5ナカヤマ 6ビコー 7マベ 8ロブロイ
9ヘリオス 10ツル 11トプロ 12ゼファー
13ボリクリ 14ギム 15マーチャン
- 36ビコー-122/07/10(日) 05:46:10
「アタシは…キャロットマンみたいな、ヒーローになるんだ!」
不意に聞こえてきた叫び。
「ヒーローなんてくだらないのだ。ワルの方がかっこいいのだ!」
「そんなことない!悪は最後には滅びるんだぞ!」
「滅びないのだ!!!」
…ちょっとした子供っぽい口論らしい。
「むぅ…ウインディ先輩は相変わらず頑固だな…」
そんな独り言とともに、口論していた片割れは歩き去ってしまった。 - 37ビコー-222/07/10(日) 05:46:27
数日後、その娘が走っているところを見かけた。
どうやら並走らしい。
「てりゃああああああああ!!!」
「おおっ、ビコーちゃん速い!でもあたしも負けないよー!!!」
2人の並走からはやわらかい口調ながらもものすごい気迫が伝わってきた…!
結果は…
「くっそ、負けたああああ!!!」
「やったー!ビコーちゃんもお疲れ様!」
「ああ、ボノもお疲れ!次は負けないぞ!」
『(いい走りをするな…)』
そんな彼女が、少し気になった。 - 38ビコー-322/07/10(日) 05:46:41
そんな彼女が選抜レースに出るらしい。
『ビコーペガサス…っていうのか』
彼女の本気の走りが気になるので、見に行くことにした。
そして迎えた選抜レース本番。
既にレースは終盤を迎えている…!
「ここでビコーペガサス先頭に立った!ビコーペガサス速い!」
そのまま彼女は、1着でゴールした。
「やっ…たー!アタシ、1着とったぞ!!!」
『お疲れ様!』
「おう!ありが…ん?知らないトレーナー…?もしかして!?」
『君をスカウトさせてほしい!』
「スカウトだー!もちろん!これからよろしくな!」
そうして、彼女と契約を結んだ。 - 39ビコー-422/07/10(日) 05:47:04
彼女を見ていたある日。
「アタシ、絶対”ヒーロー”みたいになるんだ!」
…しきりに彼女が”ヒーロー”という言葉を使うことに気がついた。
何か、特別な思い入れがあるのだろうか…?
そんなある日、並走の予定が入った。
相手は…サクラバクシンオーとヒシアケボノだ。
「ビコーさん、アケボノさんっ!よろしくお願いしますね!」
「こちらこそー!よろしくねー!」
「おう!よろしくな!」
3人の並走が幕を開ける。
…彼女は強かった。だが…相手は、もっと強かった。
「うっ、負けた…!」
「ふぅーっ…2人とも、お疲れ様でした!」
「お疲れー!次はバクシンオーさんにも勝ちたいな!」
ビコーペガサスは、3人のうち1番最後にゴールした。
『(さすがに傷ついてないだろうか…?)』
そう思い、フォローを入れようとすると…
「2人ともおつかれ!アタシも次は勝つからな!」
そう、彼女は明るく言った。 - 40ビコー-522/07/10(日) 05:47:20
2人が去った後、話題を切り出す。
『…悔しくなかったのか?』
「えっ、なんで!?悔しかったに決まってるよ!」
『あんまり動揺してないように見えたから…』
「あー、なるほど!アタシは負けても動じないぞ!だって…」
「”ヒーロー”は、最後に必ず勝つからな!」
『…”ヒーロー”』
「そう、”ヒーロー”だ!…アタシはスプリンターにしては体が小さくて不利でさ。諦めかけたこともあったんだよ。でもさ!」
彼女は目を輝かせて話す。
「テレビの中の”ヒーロー”は…どんな苦しい状況でも、最後に必ず勝つんだ!アタシも…辛いことは多いかもしれない。でもアタシは…最後に必ず勝てる、”ヒーロー”になるんだ!」
…彼女にとっての”ヒーロー”は、単なる憧れではないようだ。
彼女にとっての”ヒーロー”は…生き様そのもの。
彼女が負けてもへこたれない心の支え。
それなら…
『一緒に、”ヒーロー”になろうか!』
「…!よ、よかった…またバカにされるんじゃないかと、ちょっとだけ怖かったんだよな…」
『バカになんてしないさ。素敵だと思うよ』
「へへ…ありがとうな、トレーナー!」
最後に勝てる”ヒーロー”。
一緒に進む道は、きっと甘くない。
だが…そこで最後に勝つのが、ヒーロー”ビコーペガサス”なのだと、証明して見せよう…! - 41二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 05:49:14
もう一度一応ダイス振る
けどもし仮に優先して書いて欲しいのあったらそっち優先する
dice1d14=13 (13)
1ユキノ 2シャカ 3パール 4ウインディ
5ナカヤマ 6マベ 7ロブロイ
8ヘリオス 9ツル 10トプロ 11ゼファー
12ボリクリ 13ギム 14マーチャン
- 42ギム-122/07/10(日) 06:22:51
バキィッ!!!
そんな乱暴な音がして、思わず振り返る。
見れば…1人のウマ娘が、柵を蹴り壊したようだった。
『ちょっと君!?何してるの!?』
「あぁん?なんだ?俺を知らないのかぁ…?そう、ワタシこそが!破壊神と謳われる、タニノギムレットだぞ!」
名前は聞いたことがあった…悪い方向で。
確か…
『学校中の備品を蹴り壊していく迷惑生徒…だっけ』
「違う!誰だ俺のことをそんな風に伝えたやつは!」
誰、というよりわりと学校中に知られているのだが…それには触れないことにした。 - 43ギム-222/07/10(日) 06:23:07
この間柵を壊していたタニノギムレットだが、彼女が真面目に走るところを見かけた。
「速く、速く駆けて行くんだ!レースをぶっ壊す”速さを”…!」
どうやらマイルの距離を走っているらしい。”速さ”に新年があるのだろうか…?
そう思っていたが、その後には中距離のトレーニングも始めていた。
「誰も勝てない、圧倒的な”強さ”を…!」
…”速さ”ではなく”強さ”。
先ほどと信念が変わっているのだろうか、それとも…
「ふぅ…今日のメニューも終わりだな、1日の締めに何か蹴って…ん、お前は…この間ワタシを迷惑生徒呼ばわりしたトレーナーじゃねえか!」
『こんにちは。見せてもらってたよ』
「こんにちはじゃないんだよ、ったく…それで?なんで見てた?」
『…信念を持って走ってるんだなって』
「ほう…?お前、なかなか話が判りそうじゃないか」
彼女は一気に上機嫌になる。
「俺が求めるのはマイルを統べる”速さ”、そしてもう1つ、中距離を勝てる”強さ”。このどちらでも無くせばワタシの夢は叶わなくなるだろうな」
…どちらが信念なのかと思っていたが、どうやら彼女は2つの距離に信念を持っていたようだ。
「さぁ、話は終わりだな。それじゃあ俺、ストレス解消するからまた会おう!」
…それは必死に止めた。 - 44ギム-322/07/10(日) 06:24:01
なんだかんだ彼女の破壊行為を止めたりするうち、顔を合わせる回数も増えてきた。
そんなある日、トレーナーの性として気になってしまったことを言う。
『選抜レースには出ないの?』
「あ?選抜レース?」
選抜レース。トレーナーのいないウマ娘たちが、実力を示す場だ。
「そんなものに出たら…色眼鏡かけられるだろ」
『色眼鏡?』
「たとえば、俺がマイルの選抜レース出たらどうなる?他のトレーナーはみんなワタシをマイラーとして扱ってくるだろう。これは中距離だけ出た場合も同じだよ」
彼女は信念の宿る目で見つめてくる。
「マイルと中距離…俺は、絶対にどっちも諦めないって決めてるんだ」
…その信念はさすがだった。
だが、マイルと中距離を目指す、とはどう言う意味だか、ふと気になった。
『何か目標としてるレースはあるの?』
「ある!まずは当然、日本ダービーだ!」
ダービー。全てのウマ娘が一度は憧れるレース。
『やっぱりダービーは特別だよね』
「ああ。それと…NHKマイルカップかな」
『え!?』 - 45ギム-422/07/10(日) 06:24:15
NHKマイルカップは…日本ダービーとの間が短く、連続で走ると故障の元になるかもしれないレースだ。
日本ダービーを目指すウマ娘は基本このレースには出ない。
それを彼女の夢を否定しない程度に、やんわりと伝える。
「そんなのわかってるんだよ!そんな常識なんてどうでもいいんだ!常識が邪魔ならぶっ壊すまでだ!」
『でも、両方走らせてくれるトレーナーはなかなか…』
「なんだ、お前は走らせてくれないのか?」
『へっ?』
いきなり自分に話題を振られて、思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。
「なんだ…あの日から見にきてたのはスカウト目的じゃないとでも言うつもりか?流石に無理がある頻度だろ」
『いや…うーん、たしかにそうかも…』
「かもじゃねえよ、明らかに獲物を狙うをしてたぞ」
『してたの!?』
そんなからかいを受ける。彼女が備品を壊すから見ていた部分はあるのだが、それを抜きにしてもスカウトしたかったのは事実だ。 - 46ギム-522/07/10(日) 06:24:31
『タニノギムレット』
「なんだ?」
『君を、スカウトさせてくれないか?』
「おいおい、今更何言ってんだよ?俺の相棒はもう、お前しかいない…そうだろ?ワタシとお前で、頂点とってやろうぜ!」
そうして彼女とのトレーニングが始まる。
マイルの”速さ”と中距離の”強さ”を両立するのは並大抵のことではできないかもしれない。
それでも…トレーナーとなった以上、一緒に夢を追いかけていこうと、そう思った。 - 47二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 06:25:49
みごとにあさだね
あと13人だっけ… - 48二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 06:28:44
ダイス
一応もう一度付け加えるけどリクエストあったら優先する
dise1d13=
1ユキノ 2シャカ 3パール 4ウインディ
5ナカヤマ 6マベ 7ロブロイ
8ヘリオス 9ツル 10トプロ 11ゼファー
12ボリクリ 13マーチャン - 49二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 06:28:59
スペルミス!!!
dice1d13=6 (6)
- 50二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 06:49:28
そろそろ頭が回らなくなってきた…眠い…
寝ないけど… - 51二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 07:28:59
頭が逆マーベラスなのでマーベラスな文章が書きづらい…!!!
- 52二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 07:46:52
マベちん書いてて気づいたけどシンプルにローレル忘れてたね!
ごめんローレル - 53マベ-122/07/10(日) 08:45:47
「マーベラース☆」
元気のいい掛け声が聞こえてくる。
学園では有名な彼女…マーベラスサンデーの声だった。
彼女には元気がもらえると、一部ではもっぱらの評判だった。
「ねえねえ、あなたなんで元気ないの?何か辛いことでもあった?話聞くよ☆」
「あ、あの…それが…」
言動こそ独特だが、彼女は間違いなく深い優しさを備えている。
彼女を眺めて、そう思った。 - 54マベ-222/07/10(日) 08:45:58
その後、自分はスカウトに失敗してしまった。
『はぁ…どうにか元気を出して、明日に備えないと』
「あれ?そこのトレーナーさん、元気ないの?マーベラスな気分、お裾分けしよっか☆」
声をかけられた先には、マーベラスサンデーがいた。
『君は…そうだね、マーベラス、分けてほしいな』
「おっけー!マーベラスな気分、お裾分けだよっ☆」
その後はとても幸福な時間を過ごせた。
自分が悩みを吐露すると、彼女は超ポジティブな視点を提示してくれる。
その時の自分にとって、これ以上なくありがたいことだった。 - 55マベ-322/07/10(日) 08:46:14
「1、2…マーベラース!!!」
ある日のトレーニングコースで、マーベラスサンデーが走っているのを見かけた。
当たり前だが、彼女もポジティブなだけではない競争ウマ娘なのだと実感する。
「マーベラスなレース、いつかするだもん!頑張らなきゃ☆」
彼女の走りは、惚れ惚れするものだった。
ポジティブなだけではない。彼女はきっと”強い”…!
『マーベラス、君に話があるんだ』
「あれ?あ、この間のトレーナーさんだ☆元気になった?どうどう?」
『ああ、いっぱい元気をもらえたよ!』
「それならよかった☆で、お話ってなになに?」
『ああ。よければ…君をスカウトしたいんだ…!』
「おぉー、スカウト!?いいねいいね、ありがとー☆喜んで!」
…思ったよりあっさりと契約できてしまった。 - 56マベ-422/07/10(日) 08:46:32
…彼女とのトレーニングが始まった、のだが…
『…ここ、どこ?』
「あははははっ!遭難しちゃったみたいだね☆」
どうしてこうなったのだろう…
思い返してみる。
「トレーナー!山にマーベラス、探しにいこう☆」
『マーベラス、を…?』
「うん!そこには、そこにしかないマーベラスがあるはずだから☆」
よくわからなかったが、担当が行きたいというのだから連れていこう。
そう深く考えずに連れてきた結果…
『2人してそうなんとか笑えないな…どうやって帰れば…』
「あ、帰り道はあっちだよ☆」
『なんでわかるの!?』
「太陽見れば大体の方角はわかるよ☆だから落ち着いてマーベラス探そー! - 57マベ-522/07/10(日) 08:46:45
正直わけがわからなかったが、一緒にマーベラスを探す、というのは悪くない。
あの日彼女にもらった”マーベラス”は、今でも自分の中にあるから。
『なあ、マーベラスはどのあたりにありそうだ?』
「マーベラスはマーベラスなもの全てだから、どことかじゃないよ☆たとえばトレーナーがマーベラスだと思ったらそれはマーベラス☆」
『なるほど…?』
なんとなく、わかるようなわからないような…
「それにね、もうすでに1つのマーベラスは見つかってるよ☆」
『え?』
「今日こうして2人で山を歩いてる!自然をいっぱい感じてる!それってそれだけでマーベラス☆だよね!」
…彼女の思考にはたまに度肝を抜かれる。
だが、意外と突拍子もないことは言ってないことも多い。
『そうだな…マーベラスだよ、今』
「よかったー!トレーナーもマーベラス、感じてるんだね☆」
『ああ、マーベラス!』
これからも”マーベラス”な日々を目指して、一緒に進んでいこう。 - 58二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 08:46:58
マーベラスなかなか掴みづらい
- 59二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 11:01:32
見事に寝たので代わりといってはなんですが何か追加で書こうと思います
何を追加するかは未定
そして次に書くキャラのダイス振っておきます
dice1d13=8 (8)
1ユキノ 2シャカ 3パール 4ウインディ
5ナカヤマ 6ローレル 7ロブロイ
8ヘリオス 9ツル 10トプロ 11ゼファー
12ボリクリ 13マーチャン
- 60二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 12:22:12
ダイス降ったはいいけどシャカール実装が発表されたので捏造と言えるうちに優先して書いておこうと思う
- 61シャカール-122/07/10(日) 13:22:50
…朝のトレーニングコース。
その隅で、ノートPCをいじるウマ娘が、1人。
「…ああクソ、ダメだ。この式じゃどうにもならねえ…」
…数学の課題でもやっているのだろうか…?
「チッ…一旦やめにするか…」
そう言って、彼女はどこかへと歩き去ってしまった。
『(パソコン使っててクールでかっこいいなぁ)』
その日はそれくらいしか考えず、特にスカウトをすることもないまま帰った。 - 62シャカール-222/07/10(日) 13:23:03
次の日も、同じ場所で彼女を見かけた。
「…これも微妙…でも試してみないことにはわからねェか…」
そう言って、彼女はPCを閉じて立ち上がる。
『(お、走るのかな?)』
その期待通り、彼女は走ってくれた。
「………」
タッタッタッと、正確にリズムを刻む足音。
その整ったフォーム。安定した速度、呼吸。
『(すごい…!)』
その完璧とも言える走り方に、思わず興奮してしまう…!
「ハァ…」
『ねえ君!すごい走りだね!』
「…あァ?」
『俺、君の走りが…!』
「やめてくれ」
不意に言葉を切られてしまう。
「今の走りなんかを…褒めるんじゃねェ」
そう言って、彼女は自分を残して立ち去ってしまった。 - 63シャカール-322/07/10(日) 13:23:19
その後知ったことだが、あの娘はエアシャカールというらしい。
トレーニングコースでノートPCを使っているため、そこそこ有名だとか…
『…彼女の走りが忘れられない』
どうしても忘れられなかった。あの日見た走りが。
全て計算し尽くされた、完璧な走りが。
『彼女に会おう!』
そうして、いつも彼女がいるトレーニングコースの隅に向かった。 - 64シャカール-422/07/10(日) 13:23:38
「…クソッ…!ダメだ、こんなんじゃ足りねェ…!」
『エアシャカール!』
「あ?…ってこの間の…オレの名前わざわざ調べたのか?ストーカー気質なんじゃないのか…?」
『君をスカウトしたいんだ、どうしても!』
「…嫌だ。今の走りでスカウトなんて受けたくねェ」
『今の君の走りは、整ってて美しいよ?』
「それだけじゃァだめなんだよ…届かねェんだ」
彼女は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「オレは…ウマ娘として、”クラシック三冠”を取りてェ」
クラシック三冠。誰もが憧れる頂点。
『君ならきっと…』
「取れねェんだよ!」
彼女が少し語気を強くしていった。 - 65シャカール-522/07/10(日) 13:24:03
「…7センチだ」
『7センチ?』
「何度計算しても、どれだけ計算を積み重ねても…縮まらないどころかはっきりしてきやがる…オレは、ダービー制覇に7センチ届かねえ」
それが、あのフォームを導き出すほど計算に長けている彼女の出した結論。
「だから、その7センチが埋まるまで、スカウトは受けねェ…」
『俺がその7センチになる!』
「…は?」
自分がその7センチになって一緒に手を組めば、ダービーにも手が届くだろう。
「…ロジカルじゃねえな。ロジカルさのカケラもねェ」
『…そうかも?』
「そうかも、じゃねェんだよ、ったく…」
そう少し呆れた顔をした後、彼女はこちらを真剣な目で見てくる。
「…それはそれとして、本気なんだよな?オレの7センチを埋めるってのは」
それには即答できた。
『もちろん!一緒に三冠を掴もう!』
「…ハハッ。とんでもないトレーナーと出会っちまったみてェだな」
そうして、彼女はわずかに笑う。
彼女といつか、一緒に夢を叶えられることを願って。 - 66二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 13:29:09
次書く予定のキャラ ヘリオス
残り
1ユキノ 2パール 3ウインディ
4ナカヤマ 5ローレル 6ロブロイ
7ツル 8トプロ 9ゼファー
10ボリクリ 11マーチャン - 67二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 18:11:10
このレスは削除されています
- 68二次元好きの匿名さん22/07/10(日) 18:12:03
結局3時くらいから寝ていたらしい
ヘリオス節を頑張って理解してくる