- 1二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 22:00:19
- 2二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 22:04:02
お始物
- 3二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 22:07:18
お始物
- 4二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 23:15:59
そう言わずに・・・
- 5二次元好きの匿名さん22/07/11(月) 23:16:58
隊長とトレーナーでNTRプレイが二度美味しいな!
- 6二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:16:30
なんか書きたいが明日までこのスレは残っていないだろう
- 7二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:18:58
いかなる時でも揺らがなかった忠誠が、初めて少し揺らぐ名シーン
- 8二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:24:15
トレーナーがファインの気持ちを知ってるのかどうかでドロドロ具合が変わってくる
- 9二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:26:43
好きぃ……。
こんなの隊長にとっては甘く蕩けるような毒じゃん。 - 10二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:28:53
- 11二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:29:45
このレスは削除されています
- 12二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:30:38
諭す じゃねぇかな
- 13二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:33:14
- 14二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:34:21
流れもとに戻せ!!!
- 15二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:35:00
冷静な第三者が意見言うもの大事だからな
サノスが冷静かどうかは知らない - 16二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:35:00
ズブズブに爛れた関係になって欲しい
- 17二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:35:09
サノスって失恋してるからオススメしないけどなぁ
- 18二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:38:45
サノスもトレーナー狙いなのか…
- 19二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:41:08
- 20二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:42:11
待て、ファインのSP隊長がサノスなのかもしれない
- 21二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:42:27
唐突なサノスの出現で俺ちゃん喰ってたチミチャンガ吹いちゃった
- 22二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:42:30
隊長への信頼はそのままとする
- 23二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:42:45
- 24二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:44:27
隊長とトレーナーの2人は捧げる側の人間だから
泣きながら喜びそう - 25二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:46:54
- 26二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:47:30
やっぱサノスダメじゃねえか
- 27二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:48:29
これ以上は宇宙が危険だ
話をスレタイに戻すぞ
トレーナーは義理堅いから断ろうとするけどヤケになった隊長に押し倒されて欲しいね - 28二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:51:20
プラトニックな恋慕はしてたけど行為は...っていう愛し方のSP隊長と何としてでも繋ぎ止めろという命令
地獄が始まるぜーっ - 29二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:53:28
吐いた誤字は戻らないんだ
書く前にちゃんと確認しないからこうなるんだ - 30二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 00:53:39
どうぞどうぞされて「貴様〜」ってなる
- 31私の為に、貴女の愛を捧げなさい22/07/12(火) 02:46:51
式典会場から学園寮へ。主君を送る車内は、彼女の唐突な一言によって緊張感に包まれた。
「隊長は、トレーナーのことが好きなのでしょう?」
一度、心臓が大きく拍動した。反射的にルームミラーを確認した。それが間違いだった。対の琥珀はこちらを見据えている。深く鈍い輝きに両目を射抜かれる。
「……殿下、いったい何を――」
「とぼけなくても大丈夫よ。私はみんな知っているもの」
逃げるように意識をフロントガラスに戻す。赤信号を視認してブレーキをかける。足のコントロールが大味になって、停止する間際に少しつんのめった。
「私のために夜遅くまで働いて、そのままご飯に行ったり、二人きりで温泉の下見に行ったりしていたよね」
何故それを、という言葉は肺が上手く動かなくて音にならなかった。鏡越しに改めて後部座席を確認する。主君は背筋を伸ばし、膝に手を重ねて行儀よく座っている。その表情は、笑みさえ浮かんでいるように見えた。
「トレーナーも満更でもない反応しちゃってさ、妬けちゃうくらい」
信号が青に変わる。右足をアクセルに踏み変える。ゆっくりと車は発進する。
「それでね、私は二人はお似合いだと思っているの。だから――」
「殿下」
ようやく思い通りに動くようになった声帯を振り絞る。この先の言葉を言わせてはならないと、主に長年仕える身と意地が喉を奮い立たせた。
彼女が彼を想っていることは、観察眼に優れる者ならわかるだろう。他の人物と会話する時よりもわずかに上ずる声。時折持ち上がるしっぽ。所在なさげに動く指先。感情を表に出さない技術を身につけている彼女とはいえ、高ぶる気持ちは抑えきれなかったのだろう。
このような仕草を認めていながら、彼と関係を深めようとしたのは自分自身だ。己の浅慮さと軽薄さを恥じる。いつか知られてしまうとはわかっていたのに。
「殿下。私とトレーナー様はどのような関係でもありません」
主君が望む回答をしたはずだった。なかったことにすればよいと思っていた。身体の関係は持たなくてよかった。まだ申し開きが利くと思った。しかし、彼女は眉をひそめて、こちらを睨むかのように視線を送る。 - 32私の為に、貴女の愛を捧げなさい22/07/12(火) 02:47:33
「別に、隊長がトレーナーのことを好きなことが問題なのではなくてね」
「……?」
「――隊長とトレーナーは結ばれてほしいと思っているの」
この身を主君の傍に置いてきて初めて、彼女の言わんとすることが理解できなかった。私は想い人を奪う泥棒猫ではなかったのか。私を罰するつもりではないのか。
「殿下、それはどのような――」
彼女の瞳の色はもはやわからない。その眼差しからは、彼女の強い意思しか感じ取ることはできなかった。
「――そうすれば、二人をずっと私の許に置いておけるでしょう?」
脳が理解を拒む。ずっと手元に置いておける? いったい何を言っているのか。そんな思考をよそに、彼女は畳み掛ける。
「知っての通り、私はあと半年もしないうちに祖国へ帰る。そして、トレーナーは手放すにはあまりにも惜しい人材」
「……はい」
「手腕や能力もそうだし、私が彼のことを好ましく思っているのもあるけどね」
ウインカーを出す。車線を移動して交差点を右折する。寮まではもう遠くない。
「けれど、私がトレーナーと結ばれることはできない。だって、身分が違いすぎるもの」
彼女はわずかに耳を垂れさせる。しかし、それも一瞬のことで、すぐに元の様子に戻っている。
「でも、隊長。貴女ならどうかしら」
「……はい?」
「貴女なら元は平民の出自だから、彼との身分差は問題ないと思うのだけれど」 - 33私の為に、貴女の愛を捧げなさい22/07/12(火) 02:48:46
ここまできてようやく、企みの全貌を掴み始めた。主君は一人の男を手にするために私を利用しようとしているのか。ハンドルを握る手に力が籠る。エンジンの振動がやけに大きく感じられて、内臓が揺さぶられる不快感を覚えた。
「殿下。トレーナー様を傍に置きたいのなら他にも手段はあります。まずは何らかの名目で勲章や爵位を与えるのはどうでしょう」
「……それではいけないの」
「殿下。それはどうしてでしょうか」
「そうしたら、隊長は幸せになれないじゃない」
自分で目を見開いたのがわかった。私の幸せ?
「もし、私が無理矢理にでも彼と結ばれたら、貴女は失恋してしまうじゃない」
「私は殿下が幸せならそれで――」
「けれど、隊長がトレーナーと一緒になれば、貴女は好きな人と結ばれて幸せ。トレーナーも貴女と結ばれて幸せ。そうして二人を祖国へと連れ帰れば、私も幸せになれるもの」
「殿下!」
思わず声を荒らげた。歪んでいる。こんなことはおかしいに決まっている。幸せになれるとは言うが、そんな訳がない。破綻するに決まっている。
気づけば学生寮の前に辿り着いていた。車を路肩に寄せる。サイドブレーキを引いてシフトレバーをパーキングに動かす。
「私は皆を愛しているの。わかってくれるでしょう?」
「……殿下、戯言はおやめください」
「あら、私は本気よ」
車外に出ると湿度を孕んだ熱気が肌に張り付いた。後部座席のドアを開けて手を差し出す。彼女の手はまるで血が通っていないかのようで、凍ったように冷たかった。
「殿下、本日のお話は本部に報告はいたしませんので――」
ぎりり、と手のひらをつねられた。彼女の顔には明らかに失望の色が広がっていた。
「隊長。貴女はここまで愚鈍な人物だとは思っていなかったのだけれど」
「……申し訳ありません」
「いいわ。全部命じて差し上げましょう」 - 34私の為に、貴女の愛を捧げなさい22/07/12(火) 02:49:41
彼女の目の色が、王女のそれに変わる。一瞬にして威厳が纏われて、その空気に圧せられる。掴まれた手が離される。鬱血した痕が残っている。
主君は目を閉じて大きく息を吸うと、真っ白な手を腰の前で重ねて、目の前の使用人に命令を言い放った。
「どんな手段を用いても、トレーナーのことを落としなさい」
「私が大切な彼を貴女に下賜してあげるの。ありがたく受け取りなさい」
「祖国へ帰る時には必ず二人で私に着いてきて、生涯私に仕えなさい」
「彼のことは普段は貴女に貸してあげる。けれど、私が求めたら明け渡しなさい」
「私の為に、貴女の愛を捧げなさい」 - 35二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 02:59:28
ヘドロでも噛んだかと思うくらいの文章だ…………
- 36二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:02:20
サノス「私は絶対なのだ…」指スカッ
- 37二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:10:11
- 38二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:10:56
いいね、最高だ!
- 39二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:17:05
そそるぜ、これは!
- 40二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:42:50
これはいいヤンデレ
さすが王族だぜぇ - 41二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:52:02
こわいっピ……
- 42二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 03:56:59
でも確かにサムスの素顔はキリッとしててSP隊長っぽさはあるんよな
- 43二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 04:35:14
隊長はトレーナーが好き
殿下もトレーナーのことが好き
トレーナーはピル様が好き - 44二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 06:22:41
全然ロジカルじゃあねえな殿下殿?ってシャカールに言われて
最初は普段と変わらない態度を取るけど
考えてること思ってること指摘されて
自分のグチャグチャな感情を全部吐き出すファインが見たいな - 45122/07/12(火) 06:34:36
- 46二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:01:16
幸せそうに愚痴をこぼしながらたわけの家に出掛けていく同室の女帝を内心凄い表情で見送ってそうな殿下だあ……
- 47二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:08:01
ヨーロッパの王室だとわりとこんな感じになってそうなのがちょくちょくあって怖い
- 48二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:09:04
- 49二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:23:32
素晴らしい怪文書だぁ……
- 50二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:27:56
ピル様独り勝ち
- 51二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:38:05
久しぶりにがっつりした怪文書を読めて満足じゃ
- 52二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:39:44
- 53二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:40:38
- 54二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:42:45
仕える価値の無い主君に仕えるほど隊長が愚かだとでも?
- 55二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:51:20
これトレーナーが最終的に精神崩壊しそう
- 56二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:56:05
実際王族が恋愛結婚とかねぇ
国家の税で生きる者は国家の奴隷として生きる事が宿命だから… - 57二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 07:58:11
- 58二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 10:12:41
国家元首にさからえるかよ
- 59二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 11:05:40
とるぽめぐろオチだよね?そうだよね?
- 60二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 17:17:47
- 61二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 17:35:07
殿下の初めてはァ! 好きな人に捧げるって決まってるんですゥ!
- 62二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 17:50:41
- 63二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 18:03:49
ファインの子と隊長の子が惹かれ合う美しい光景は見れますか?
- 64二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 18:15:39
お前が見たいというなら書くんだよぉ
- 65二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 18:21:08
殿方かわいそう
- 66二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 18:22:38
他国で光源氏とはたまげたなぁ
- 67二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 18:25:56
濃ゆい、重い、でもすき
- 68二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 21:37:12
ロイヤル…おおロイヤル…
- 69二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 22:17:54
「……あのなぁ。確かに彼女は女王様でも、その姫様でもないけど……王室の直系のお方であることは変わらないんだぞ」
「でも、父様はファイン殿下が俺や『あの子』くらいのときに普通のウマ娘として育てたんでしょう。『あの子』が普通の少女扱いされて、悪いわけがない」
「……その話」
「知らないわけないでしょう。父様母様はお話されませんけど、殿下ご本人が何度もお話してくださったんです」
「本当にもう、あの方は」
「……殿下、あの頃父様のこと好きだったって仰ってました」
「二十年前の冗談をまだ言ってるのか!?」
「仕方ありません、あなた。殿下にとっては日本語で言う……あぁ、『テッパン』です」
「……それこそ、二十年ぶりに聞いた」
「久々に日本の映画でも見ますか?」
「父様、母様、話を逸らさないでください」
「……逸らしたくも、なる」
「……意味を、よく考えてから、もう一度言ってみなさい」
「何度でも言います。……僕は、『あの子』と恋仲になりました。四葉のクローバーのブローチを、贈り合ったんです」 - 70二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 22:18:13
「……聞いた?」
「聞きましたよ、殿下」
「あの子たち、本当に大きくなったわね」
「あの頃の貴方そっくり……」
「それに、まるで『東洋人みたいな黒目』。我が子ながら綺麗だよね。そちらも『父親が東洋人らしい黒髪』が爽やかで実直で、お婿さんに是非お迎えしたい好青年……まだ、少年かな?」
「……少年ですね」
「うん、じゃあ好少年。『うちのひと』は反対してたけど、私はお付き合いには賛成だから、そのつもりで」
「……この際、王室ということは抜きにして訊きますよ」
「不敬」
「……訊きますよ」
「どうぞ」
「父親が同じこと、いつまで黙っているおつもりですか?」
「……」
「旦那様が子を為せない体質だからと、彼の種を欲した。そこまではよかった」
「本当に?」
「いいわけないだろう小娘」
「ふふ……」
「……それを姫様に黙っておくのも、いいでしょう。ですが……あの子たちは……子供なりに、本気で愛し合っている」
「美しいよね。身分違いの恋」
「……」
「私たちも、あぁなれたらよかったのにな」
「……だから、ですか?」
「ううん。娘は自由にさせたいだけ。あなたと彼の子なら、王室としても『格』が足りないとは言わないし、安心ですから」
「……話を、家の格の話にすり替えられたところ恐縮ですが。問題は彼らが異母兄妹ということですよ」
「バレた?……まぁ、そのあたりは追々。……でも、彼にだけは、話しておこうかしら」
「……そうですね。では、また予定の調整を致します」
「よろしくね」 - 71二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 22:21:18
アナタは公式でサノスの恋敵だよね?
- 72二次元好きの匿名さん22/07/12(火) 23:12:30
子どもどうしが血を分けているのにもかかわらず惹かれあってしまうのもいいんだ
ただね、ファインが子を成せない体質で、トレーナーと隊長には宿った時の彼女の心境を覗いてみたいんだ
皆幸せになれるって、傍に置いておきたいからと命令してまで二人をくっつけて連れ帰ったのに、そのせいで自分が苦しんでしまうんだ…… - 73二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 00:42:13
- 74二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 07:14:51
いやぁ邪悪邪悪…
- 75二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 08:46:24
エリザベス女王(初代)みたいに生涯独身を貫きつつ裏で隊長とトレを囲って濁った目で二人とその子供を寵愛するファインとか
- 76二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 12:33:39
別に夫を迎え入れる必要ないしな
もう「そういうもの」として当然のようにトレーナーと隊長の子を養子に入れればいい - 77二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 13:12:12
- 78二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 16:20:01
- 79二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 16:40:11
- 80二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 21:20:14
- 81二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 21:36:20
- 82二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 21:46:31
「いつ?」
「14年前の私の誕生日の夜」
「あなたをひと晩だけ殿下に『お返し』した夜」
「……俺はファインのものになった覚えはないって、言ってるよな」
「ううん、あなたは私の旦那様。王室の縛りさえなければ……あなたも、そう言ってくれたでしょう。何度も何度も」
「……精々俺が三十路になるまでだろ」
「私は今もそう思ってるけどね」
「旦那さんが泣くぞ」
「納得するかもね。あの人、自分の祖父…あの子本人からしたら曾祖父の黒目を継いだ、なんて無理やり納得してたけど、内心やっぱり、自分の子じゃないんじゃないかって思ってたみたいだし」
「すぐそばに、生粋の日本人の美丈夫がいらっしゃるんです。……旦那様の心労も、もはや測ることも出来ません」
「だましたのは悪いと思ってるけど、離縁って言い出さない彼も悪いと思うの。そう思わない、トレーナー?」
「…………君は知ってたんだな?」
「えぇ。もとより、そういう約束の元で『隊長』ではなく『私人』としてあなたとの交際の時間を持つことを赦されておりました」 - 83二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 21:49:05
「……ファイン」
「なぁに?」
「失望した」
「それは、私に?隊長に?この国に?それとも……」
「……なんだ」
「それとも、この期に及んで喜びを感じてる、自分に?」
「……全部」
「だよね。トレーナー、嬉しい時はそうやって」
「「中途半端に拳を握る」」
「……知ってたの?」
「彼は私の伴侶ですから」
「はいはい……ご馳走様」
「それで。どうするんだよ、あの子たちは」
「私は自由にさせたいな」
「私は、お二人の思う通りに」
「……俺は、息子と今すぐ日本に――」 - 84二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 21:54:11
「ところで、あなた。……ウマ娘って、すごく繫殖能力が強いの、知ってる?」
「……は?」
「強い生命力が、五感や膂力や食欲になるみたいに。メスとしても、強いんだよ」
「何言ってるんだ、お前」
「……一人、作っちゃったんだもん。もうひとりくらい、いいんじゃない?」
「私からもお願いします。あなたの妻なのですから、満たしていただきたいと思うのは……自然ですよね?」
「待て、待てお前ら……どうかしてる」
「どうかしてるのは……あなたの『オス』もだね」
「あの子を授かったときと遜色ないお姿ですね。やはり薬膳ラーメンは人を健康に保つ……」
「……ね、どうする?トレーナー」
「そんなの、決まってるだろ!こんなこと――」
「歓迎、ですよね。拳、緩くて可愛らしいですよ」
「こういうのは、ええっと……「「三つ子の魂百まで」……ふふ、また被ったね?」
「流石陛下、よくご存じで」
「当然。彼の教え子で……好きな人の国の言葉を知りたい、恋する乙女を20年以上やってるんだよ」
「……私も、です。それにしても、20年ですか」
「自分で言うのも変だけど、私もあなたも老けないよね」
「恋をしているからでしょう」
「……そっか、そうだよね」
「さぁ、恋を叶えましょう」
「うんっ!」
「恋、か」
「そうだよ、恋」
「叶えていただけますか、あなた」
「…………あぁ。代わりに、俺の20年越しの恋も叶えてくれ」
「それは、どっちにお願い?私、彼女?」
「どっちも。ファインも、きみも」
「まぁ!」
「えぇ、大歓迎です」 - 85二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 22:10:42
- 86二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 22:41:15
あぁ壊れちゃった…
でもみんな幸せならいいかな…いいかも…
うん… - 87二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 00:08:35
よし!ハッピーエンドだな!
- 88二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 00:10:43
クズすぎる…
- 89二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 00:17:53
助けてくれー!エアグルーヴ!エアシャカール!
- 90二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 00:26:20
なんだ3ぴょいか
…エロ漫画展開はやめろって私言わなかった…? - 91二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 00:43:10
内政干渉はちょっと…
- 92二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 00:49:04
「ね、ねえシャカール、この赤ちゃんの顔立ちってもしかし「オイ」」
「トレーナー、迂闊にソレを口にするな、口にしたら最後だ、オレ達は確かめたくなる」
「う、うん…わかった…」 - 93二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 00:54:44
ここはエアエミネムさんに助けて貰おう
彼ならきっと何とかしてくれる - 94二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 01:01:03
シャカールもエアグルーヴも気付いてるけどファインの笑顔の前で何も言えなくなりそう
- 95二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 01:11:00
- 96二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 01:20:53
本人たちが納得してるならまぁいいか!よろしくなぁ!
やっぱ女の情念を感じさせる昼ドラ展開は最高だなぁ……
個人的に隊長の顔はいざという時影武者ができるようにファインにとてもよく似ていると私性合 - 97二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 01:28:03
ああ...トレーナーが帰れなくなりますね...
- 98二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 01:31:09
- 99二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 02:27:19
なんて退廃的で美しいんだ・・・
新たな命は恋が実った証か両足を縛り付ける2本の鎖か - 100二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 06:49:35
- 101二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 07:39:29
- 102二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 07:56:02
- 103二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 10:05:30
ピルサドスキー姉貴にもちょっと引かれてそうな感じで笑ってしまう
- 104二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 10:09:54
新しい家族の誕生という喜びから実は想い人と異母姉弟だったことを知らされて困惑する姫様がみたい
- 105二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 10:26:37
その程度だと子供作ってもセーフのラインだ
- 106二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 12:26:07
- 107二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 12:29:55
マルおねもトレンディに誤魔化せないレベル
- 108二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 15:16:23
色んな意味でファイトレは妊娠させるのがお上手
- 109二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 16:56:36
妻と同時期に娘と同じような特徴を持つ男を夫がいるSP隊長が妊娠して産まれた子供が黒髪だったら旦那さんのメンタルヤバそう
- 110二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 19:41:40
「そういえばさ、大事なこと聞いてなかったな」
「なんでしょう、父様」
「姫様とお付き合いし始めたのはこの際、いいよ。どっちとなんだ?」
「…………えーっと」
「なんだよ。別に付き合うことにはどうこう言わないから」
「…………父様。母様には絶対に内緒にしてくださいね」
「おう、男同士の秘密だ」
「……両方」
「は?」
「……この指輪。姫様特注だそうで……えい」
「……二つに、なった……」
「……緑色と、青色。姫様たちは片方を……」
「お前は、両方を……」
「はい。……不義理とでも、不埒とでも言ってください。ですが……本気で二人が好きで……」
「二人もお前が好き……かぁ」
「……はい」
「そうか……。ま、うまくやれよ」
「えっ!?」
「叱る資格は、俺には『もう』ないからさ」
「……え?」
「まぁ、続きはお前が酒飲めるようになってからな」 - 111二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 19:42:51
お互い抜け駆け無しで、基本的に3人揃ってぴょいするんだけど、どっちかが先にデキちゃうと嬉しくはあるんだけど、体のことを考えるとしばらくぴょいがお預けになっちゃって、もう一人にぴょい独占されちゃう悲しみもあるみたいな?
これだけ見たら、女の子二人を侍らせてるイチャラブモノなんだけどなぁ… - 112二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 22:46:00
手でも口でも胸でも尻尾でも使ってつなぎとめてくるからね…
- 113二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 22:49:13
異母兄弟って血統的には従兄弟と流れる血の量はぶっちゃけ変わらないからあまり気にしなくていいんじゃないかな
表沙汰になっていないのであれば - 114二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 23:39:22
なんで下の世代も三人になってるんですか…?
- 115二次元好きの匿名さん22/07/14(木) 23:51:33
奔放な姉姫様と真面目な妹姫様に左右からぎゅ~ってされる息子くんが視えたからしゃーない
- 116二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 00:47:07
こういう時ピル殿下に相談をだな...いやあの人ちゃんと対応できるかな...
- 117二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 01:54:01
- 118二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 03:21:09
- 119二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 03:36:49
従兄妹同士の子は2×2、異母兄妹同士の子も2×2なので法律はともかく配合的にはそこまで問題は無さそう
- 120二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 03:44:02
障害持って生まれてくる確率は上がるがまぁ…
- 121二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 04:25:01
- 122二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 04:31:47
- 123二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 05:55:14
ファインの相手が国家間の婚姻は恋はなくとも愛を育んでいくものだって考えだったら可哀想だな
それとも、この関係で幸せになれそうな人を選んだのだろうか - 124二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 06:58:49
原作でもその場のノリでやりそうなことやめろ
- 125二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 07:22:26
- 126二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 07:51:12
いつのまにか妹姫様が増えてた
- 127二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 12:21:23
孫が産まれたと喜ぶ旦那さんを見るトレーナーどんな気持ちなんだろ
- 128二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 12:28:29
まず二人の孫の父親はそれぞれ誰なのかから確認しましょう旦那様
- 129二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 16:36:10
トレーナーが知らん間に王族にされてるだろこれ
- 130二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 16:51:37
サノスとサノスに負けじと生み出された怪文書が面白かったのでヨシ!
- 131二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 17:01:34
グラスみたいに実馬の性格をトレーナーら関係者が代わりに受け継ぐことがあるけど、旦那はファインの生殖能力がないところだけ受け継いだのか…
- 132二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 17:20:22
ファインの旦那は生殖能力が無いことを告げられて
このままでは貴方の立場は悪くなるから偽装してあげる。ただしこれからの事は他言無用、口出ししない、出来た子は私達夫婦の子と育てる事を約束されちゃうんだ…
んで遺伝子提供者には薄々気付いてるんだよね - 133二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 17:36:18
これファインとSP隊長がほぼ同時に妊娠して旦那だけ脳破壊される奴やん…
これで娘たちがファイトレ息子と交際してると告げられたら反対するのもしょうがないけど本当の理由は言えないから家格がとか身分差で誤魔化そうとするんだよね…
でももっと身分が上のファインが娘たちの自由にさせる方針だから家族内でも立場が… - 134できることなら、私だって――22/07/15(金) 20:21:56
入り組んだ廊下を進む。地に足を着けるごとに絨毯が沈む。角を曲がった突き当たりの部屋。腕を伸ばす前に、自分の腹を撫でた。それから襟を正して前に向き直り、扉を叩いた。
「どうぞ」
「失礼します」
きい、と音を立てて扉が開く。部屋の主は奥にある執務机に向かっていた。彼女は手元の書類にペンを走らせ、判をついている。その背後にある窓から差し込む光が、鹿毛の輪郭を縁取っている。数歩、足を進めると、彼女はようやく顔を上げて来訪者を確認した。
「あら、隊長。ごきげんよう」
「殿下。おはようございます」
「今日は外での公務は無かったと思うのだけれど」
「……いえ、本日はご報告したいことがありまして」
本当は黙っておきたかったが、いずれ誰の目にも明らかになることだ。この身には代えられないし、配置シフトの調整も必要になる。あまり気は進まないが、彼女の耳には入れておかなければならなかった。
「報告、とは?」
「はい。……主人との間に子どもを授かりました」
「……まあ! おめでとう」
主君が手に持ったペンは、その場で机に寝かせられた。かけられた祝福の言葉とは対照的に、貫き通すような視線が向けられる。長く仕えてきたとはいえ、有無を言わさぬその目には慣れることがない。怯みそうになったが、報告はまだ終わっていないと身体に鞭を打った。
「つきましては勤務の調整をしたく思いますので、確認に参りました」
「……」
「……殿下」
「……ええ、負担にならないようになさい」
向けられた目線が下がる。腹の中を覗き見るかのような目付き。あまり快いものには思えなかった。
「変更後の配置は追って報告いたします」
返事はない。色のない眼差しが胴に直射している。心の内まで透かし見ているかのようで、早くこの場から離れたいとさえ思った。 - 135できることなら、私だって――22/07/15(金) 20:22:35
「……ところで隊長。いま、何か月目かしら」
「……三か月と半月です」
「お子さんは男の子? それとも女の子?」
「……まだわかりません」
主君は指先で机をつついたり、ペンをなぞったりしている。床を爪先で叩く音もする。やがて、彼女はぴたりと動作を止めると笑みを浮かべ、居住まいを正してゆっくりと口を開いた。
「その子、養子に頂こうかしら」
絶句した。耳を疑うとはこのことか。聞こえてきた音声を直ちには理解できなかった。脳が処理を始めて、ようやく意味が全身に伝わるにつれて、ふつふつと腸が煮えてくる。この女は他人をいいように扱うだけでなく、子どもまで取り上げようというのか。気づかぬうちに、両手で拳を握っていた。皮膚に爪が食い込んで痛んだ。
「……殿下、何を仰っておられるのですか」
「貴女と彼の子を、養子に迎えようと言っているのです」
さも当然とばかりの口調。彼女は再び書類に目を落として判を押す。べたり、という粘ついた音が鼓膜にこびりついた。
「到底認められる訳がありません」
「どうして拒むのかしら。とても素晴らしいお話だと思うのだけれど」
「何を言って――」
「“世継ぎを作ることのできない王女に、長年傍で支えてきた二人の子が家族に入る”……なんて素敵な美談なのでしょう!」
主君は胸の前で両手を合わせると、満面の笑顔を見せた。勝手なことをほざいておいて何が楽しいのだろう。怒りが口から飛び出しかけたところを、すんでのところで堪える。彼女を睨みつけたが、全く動じる様子はなかった。
「隊長。私の王室内での立場があまりよくないことは知っているでしょう?」
「……存じてはおりますが、その話は関係ないでしょう」
いいえ、と彼女は続ける。
「親善大使の職を預かって、トレセン学園の卒業までは日本に居られたけれど、それはつまり王室の中核から遠ざけられたということ」 - 136できることなら、私だって――22/07/15(金) 20:23:40
彼女は壁に目を向けた。棚に飾られた盾や賞状はこれまでの栄誉を称えるもの。“普通の王室暮らし”をしていれば決して手に入らないものも――いわんやレースのトロフィーも――多く並べられている。
「帰国してからは文化振興という名目で閑職へ。血をつなぐことのできない王女なんて、それで十分ということですもの」
血統第一主義の王族とはそういうものだ。わずかに自嘲が混じったような口ぶり。彼女はどこか遠い目をしながら語る。
「幸か不幸か、私には民からの支持がある。だから交流の場に呼び出されている面もあるのだけれど」
「……ええ」
「私が果たせる務めといえば、民に親しみを持ってもらうことくらい。素晴らしい美談があれば役に立つ。わかるでしょう?」
無機質な声が響く。呼吸すら忘れてしまいそうなほど、この空気に飲み込まれかけている。しかし、子どもを取り上げるなんて受け入れられるはずがない。これは譲れない一線だ。母になる身としての意地から、言葉に怒気を滲ませる。
「しかし、だからといってあまりにも横暴ではないですか!」
「あら、貴女とお子さんを離れ離れにさせるつもりはないの」
「何を――」
「――彼と同じよ。“普段は貸してあげる”」
身体が硬直した。今でもこの身を縛り付けている数年前の命令。月に数度、当然の権利のごとく夫を“返却”させる彼女。彼は“所有者”の元から帰ってくると、決まってばつの悪い顔をしながらシャワーを浴びに行く。問いただしても返ってくるのは曖昧な答え。彼なりの配慮なのだろうが、体温が残る衣服を手に取れば、鼻につくのは“知っている女”の匂い。口にされずとも、何があったのかは想像に容易い。
「王家のためだの民の親しみだの言って、結局は彼との子を作れないから代わりを置きたいだけなのでしょう!」
「隊長。口を慎みなさい」
「いいえ。この際言わせて貰いますが、殿下は私を何だと思っているのですか!」
主君は首をひねると、またすぐに傾きを戻した。椅子から立ち上がると、こちらへと歩み寄ってくる。彼女の影が伸びて、足元にまで届いた。
「貴女のことは最も忠実で、最も信頼できる部下の一人だと思っているのよ」
「私は殿下への忠誠が揺らいでいますがね」
「あら、悲しいことを言わないで」 - 137できることなら、私だって――22/07/15(金) 20:24:22
握りしめた左手に、彼女の両指が添えられる。あの日と同じ冷たさ。指を一本ずつ開かれて、拳がほどかれていく。細い指が手の甲を這う。薬指の輪に、彼女の指先が触れる。背筋が粟立って、全身が震える。
「まだ生まれてもいないのに養子にだなんて、貴女も驚いたでしょう」
「当たり前です! 私たちの愛の結晶を奪うだなんて――」
「でもね、隊長。私は最初に命じたはずよ」
指が離れていく。支えを失った左手が重力に従って垂れ下がる。主君は白い手を腰の前で重ねる。面影が甦る。そして、彼女は目を瞑ると、諳じるかのように次の言葉を口にした。
「――“私の為に、貴女の愛を捧げなさい”、と」
息が詰まった。喉の奥がかき混ぜられる。まさか、当時からここまで見通していたとでもいうのか。底知れぬ遠謀が巡らされていたことに慄く。
「まだ生まれるまで半年以上あるのだから、ゆっくりお考えになって」
「……拒否したら」
「そうなってほしくはないのだけれど……貴女と彼が顔を合わせることは永遠になくなるでしょう」
「……“皆が幸せになれる”のではなかったのですか」
「貴女が受け入れてくれるのなら、貴女と彼は一緒に過ごせて幸せのまま。私も二人を傍に置き続けることができて幸せ。『皆を愛している』と、そう言ったでしょう?」
いったい何が彼女を突き動かしているのか。狂信的な博愛主義にでも取り憑かれているのだろうか。しかし、琥珀の輝きは鈍い一方で、奥には芯を保っている。それは、これまでの言動がすべて正気のうちになされたことだということを示している。
「……生まれてくる子は、幸せになれるのですか」
「もちろん。普段は貴女と彼の愛情をいっぱいに受けて育ち、私も持てる限りの愛を注ぐと誓いましょう。手の及ぶ範囲なら、英才教育も施せるよう手配しましょうか」
「……どうして養子にこだわるのですか。そのようなことをしなくても、お目にかかることはできるでしょう」
「うーん……私って欲張りみたいなの。貴女も彼も、その子もみんな、私のものにしたくて」
主君の手が伸びてくる。凍てつく指が顔に添えられる。頬を撫でられて、得体の知れない感覚に襲われる。慌ててその手を掴んで、自分の身体から引き剥がした。腕に触れた瞬間、彼女の瞳が揺れたような気がした。 - 138できることなら、私だって――22/07/15(金) 20:25:25
「……気分が優れないので失礼いたします」
一礼をして踵を返す。出口へと歩みを進めると、引き留めるような声をかけられた。
「隊長」
調子がよくないのは事実だ。早く肺の中身を入れ替えたかった。だから、背を向けたまま返事だけをした。
「……なんですか」
「……いえ、なんでもないわ。よく身体を労って」
扉に手をかけた。十数分ぶりの廊下の空気が新鮮に感じられた。決断の時まではまだ半年ある。身の振り方を考えるには十分だろう。手を離す。扉は元いた場所へ戻るように閉まっていく――
「……できることなら、私だって――」
蝶番の軋みに紛れて、消え入りそうな呟きがあった。いっぺんに胸を突き刺されるような思いがした。先刻までの態度とは正反対の声色で、驚きのあまり振り返った。彼女の姿はなかった。扉は既に閉じられていた。
ここには黒服が一人、ただ立ち尽くしているだけだった。 - 139二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 21:00:21
うーん、この傲慢さ、まさに王族。最高。
- 140二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 21:27:46
ファイン側が双子になったと思ったら今度は別ルートが生えてるー!
子供を巡ってドロドロの愛憎劇も見たいしファインがようやく射止めて喜んでいいのか悲しんでいいのか分からないまま祝福する隊長も見たい
どっちに進んでも隊長悲しむことになるやん! - 141二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 22:02:24
一番平穏なルートは「卒業とアイルランド帰国に際してSP隊長がプロポーズするところに、やっぱり我慢できなくなったファインが一人の少女として割って入ってプロポーズする」かな…
- 142二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 22:09:57
吐きそうな位にドロドロで笑顔が止まらん
- 143二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 22:46:27
ありがてえ…濃厚ドロドロスープ並みにドロドロな展開で胃が重くなるの気持ちがいい…
- 144二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 23:07:50
こんなスレ開きながらウマ娘アプリ起動するんじゃなかった(ホームが花嫁ファイン)
- 145二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 23:28:25
ファイン不妊ルートに比べると息子娘or双子娘2×2ルートがマシに見える
助けてピルサド姉さま - 146二次元好きの匿名さん22/07/15(金) 23:43:28
このレスは削除されています
- 14731,72,13422/07/16(土) 00:30:58
- 148二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 01:05:50
愛情の矛先が狂っててこれは王族ですわ...
- 149二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 01:08:59
「ファイン母牝系のピルサドスキー娘×ファイトレ息子の配合ですか。この配合は全妹娘との間に成功例がいますのでなかなかいい配合だと思います。期待できそうですね」(牧場長感)
- 150二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 02:49:55
それでもピル姉様なら何とかしてくれる……
あっはい 一般的な避妊の必要性のご教示までが限界ですか - 151二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 02:50:45
いやぁ王族らしく価値観が狂ってらっしゃる
でも王族ってそういうもんだからな - 152二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 02:57:11
立場から好きな人に告白することもかなわず、さらに不妊判明で王女としての価値も無くなったとかファインに取ったら地獄でしかないから色々ぶっ壊れても仕方ない気もする
隊長は…ドンマイ - 153二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 02:58:12
不妊ファインの方が托卵ファインよりはまだ理解はできる
- 154二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 03:13:09
そして生まれた子はいつの間にかトレーナーを返却しているときにたまたまできちゃった子供ということになってて、隊長は乳母みたいな扱いになってるんだよね
トレーナーは王女と姦通してたなんて周りに言えるわけないし、他人の子を養子にするなんてのが外部にバレたらスキャンダルになりかねないから王家が動いて、いつの間にか正式にファインの子扱いになってそう
そして普通にファインをお母様と呼ぶように育てられるのだ
妾?の子だなんてのがバレたら子供にも良くないしな
で、社会通念に反する関係にすでに同意してしまっている隊長は、今さら大っぴらに反対するなんてできないという
さすがは聡明なファイン殿下ですわ - 155二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 03:16:22
- 156二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 03:29:55
ファインが不妊ってなると跡継ぎが傍系辺りから探されてるだろうし、ファインの力が弱くなって傍系の力が増すのを快く思わない人間もたくさん居るだろう
その辺のファイン派閥の貴族辺りが全力で色々とでっち上げてくれるだろう - 157二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 06:26:33
うーんこの王族特有のドロドロ感よ……実に最高だ……
- 158二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 06:36:34
養子にまでして隊長から子供を取り上げたのに数年後奇跡的に(トレーナーとの)子供ができてしまったファインルートはアリですか?
まぁでもそうなったとしてファインは変わらずどちらにも愛情を注いでくれるとは思うけど、隊長の心情がね……(返して) - 159二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 08:25:39
- 160二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 08:52:25
- 161二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 08:59:25
全然スレチじゃないので続きはよ
重いのも大好きだがそろそろ口直しがあってもいい - 162二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 09:35:25
- 163二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 10:14:19
「最後に一晩だけ、思い出をください」
トレセン学園を卒業して数年、ファインからとある式典への招待を受けた。そういえば、アイルランドに行くのは初めてだ。
「色々語っても無粋だから」「そんなことより再会を楽しみましょう?」とファインは濁したが、SP隊長さんの言うことには、ファインがただの「王女」から「特別な地位」になる式典だそうだ。王族の特別な成人式とか任命式とか、そういうものと捉えればいい、とか言ってたな。
そんな式典も無事に終わり、お祝いのパーティも終わり、静かな夜に呼び出された。
「一晩って……明日は一日オフで、俺に国内の名所見せてくれるんだろ?」
「だけど、明後日にはあなたは帰ってしまう。飛行機の時間もあるし、明日の晩はあまり夜更かしは出来ない。だから……チャンスは今だけ」
「何のだよ」
「私の恋を、成就させるチャンス。……実は、私ね。子供が出来ない体質みたい」
「え……」
「哀しくて、辛くて……でも、この運命は……きっと、きみと気兼ねなく結ばれるための運命なんだよ。愛し合うための運命」
「……そう、かもな」
「王族じゃない。異邦人じゃない。もうトレーナーと生徒でも、未成年と成年でもない。もし子供が出来たら、なんてこと考えなくていいし……きみ以外に体を赦す気もない。一生独身のつもりだし……えっとね、つまり。今夜だけは、ただ、私という女を愛してるかだけで考えてほしいの。……抱いてくださるかしら」
「そんなの……決まってる」
==
そんなロマンチックな夜から、3ヵ月。テレビ電話が入った。なんだなんだ、と通話を開くと、満面の笑みのファインが映る。
『というわけで、授かっちゃいました!愛が起こした奇跡、ってやつかな?』
「はぁ!?」
『私の方が説明に伺うのが筋なんだけど、ごめんね、こっちでの話し合いも紛糾しちゃって……しばらくはリモートで打ち合わせでいいかな?』
「待て、待て待て待て!」
『ひとつだけ、言っておくと……本当に、奇跡だからね。こんなの、計算もしてないし、願ってもない、奇跡なんだ……っ』
「……それだけは、わかってるよ。嘘吐いてるやつの涙じゃない……綺麗だよ、ファイン」
~~
書いたはいいけどやっぱり健全青春ラブストーリーだよコレ!このスレとは違うって!放流だけするけど! - 164二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 13:10:24
- 165二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 13:19:42
その代理母を実はトレーナーと密かに付き合っていた隊長にすればスレに合うな!
- 166二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 13:29:30
ちくしょう 絶対に純愛ゆえの奇跡だって言いたいけどこのスレに限ってはそっちの解釈の方が正しい
- 167二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:01:15
SP隊長ごと、このファインは取り込むからな...王族って怖い
- 168二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:31:21
隊長は素直に祝福できるかそれとも散々振り回されたことに少なからず思う所があるのか見たいな流れになるかと思ったらもっとエグイ事言い出した
隊長が代わりに妊娠してる間どうやってトレーナー誤魔化すんだろう
ファインに付きっ切りで警護するとか言うんかな
けど全く会ってくれなかったらそれはそれで察せられるものが・・・ - 169二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 18:47:18
- 170二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 19:03:36
そもそも不妊なんてのが回りにバレたらファイン派閥の力が落ちるので絶対に漏らさないはず
ファインとごく近い人間しか知らないはずだ
だから周囲に対しては普通にご懐妊として発表、相手はかつての恩師で、その頃からすでに愛を育んでいた、順番が前後してしまったが急遽結婚させる
身体に差し支えるので公務は休んで対面不可、隊長は急な体調不良で休業ということにする
そうすれば跡取り問題は解決して万々歳ということだ - 171二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 19:18:25
「生涯独身を貫くなどと仰られた時はどうなることかと思ったが、これで何とかなりそうだな」
「殿下の頑固さには参ったものだ」
「全くだ。しかし非常に順調に進んだな。後は男を呼び寄せて結婚させれば全て丸く収まる」
「ああ、全く殿下の聡明さには驚かされるよ」 - 172二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 19:30:42
奇跡の妊娠ルートは脳に優しく
不妊ドロドロルートも脳に良い刺激があって
交互に摂取する事でととのいが発生する
良いものだ - 173二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 19:35:25
「ファイン殿下は不妊だったはずでは?」と調査した反王室派が姫様の毛髪、ファインの毛髪、トレーナーのハンカチからDNAを採取し100%一致の実子であることを確認して解散する回
- 174二次元好きの匿名さん22/07/16(土) 19:36:12
「フフ、頼もしい事ではないか。王は賢くないとな。」
「それはそうと、婚儀より前にご懐妊したことに対する批判が来そうだが大丈夫なのか?」
「抜かりない、殿下は子が生まれた後に不妊であることを公表なさるおつもりだ」
「公表するのか?大丈夫なのか?」
「ああ、ちゃんとカバーストーリーは用意してある。皆愛による奇蹟というものに弱いからな。もとより、それらは最初から織り込み済みだ。それによって婚前交渉だけではなく、相手の身分差や国籍などの問題を一気に解決なさるおつもりなのだ」
「なるほど、さすがは殿下。頼もしい限りだな」 - 175二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 00:42:05
どのルートでも隊長が不憫だな
- 176二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 00:43:56
ファインと隊長が同時期に妊娠したら隊長が乳母になるんじゃないだろうか
父親隠蔽ルートで幼い頃からファインとトレーナーの話を聞かされながら兄弟同然に育てられたらそりゃ同じ関係性にあこがれてそうなるわな
公開ルートでも男性観はぐちゃぐちゃになってそうだけど - 177二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 00:55:29
2×2ルートは心労が絶えないけど隊長にとって一番ましかもしれない
- 178二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 01:04:53
なんと言うか前提が幸せになれなさそうな感じだからなぁ
どのルートでも誰かしら曇りそう - 179二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 01:51:03
隊長がトレーナーと純粋に愛し合えるルートってもう残ってない?
- 180二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 01:52:18
このスレにはない
別のスレを立てて開拓しよう - 181二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 07:22:00
まぁ2×2の双子姫ルートならかなり隊長とトレーナーも愛し合ってるぞ!
- 182二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 10:52:13
強欲なファインやっぱりやばくない?
- 183二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 13:18:54
- 184二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 18:49:19
- 18531,72,13422/07/17(日) 20:05:50
(自分で投げた文章、やや改稿して渋に上げてもいいですか)
(元は1が挙げた概念アイデアなのでやめてと言われればやめます) - 186二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 20:06:40
ファインの旦那が可哀想だろうがよ!
- 187二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 20:12:21
このファインは不妊でも遺伝子工学や隊長を代理母にして
トレーナーとの子供作りそう - 188122/07/17(日) 20:50:04
- 18931,72,13422/07/17(日) 22:33:01
- 190二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 22:34:58
このレスは削除されています
- 191二次元好きの匿名さん22/07/17(日) 22:42:12
ドロドロの愛憎劇なんて誰が好き好んで読むか!って思ってたはずなのに、目が離せなかった…一気読みしちゃったぜ、このスレ
それぞれの立場がわかってると、こういう見え方になることもあるんだな…今はただ、感謝を - 192二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 01:36:28
養子という形で息子作るだろうしある程度SP隊長には譲ってるのほんま...
- 193二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 03:38:15
破滅しない程度にドロドロして欲しい
- 194二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 09:51:06
元から破滅してるのではないか?
トレーナーは訝しんだ - 195二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:29:54
なんて健康に悪そうなスレなんだ…
そりゃあファインから走る喜びと、王族としての責務を果たす誇り、ただのファインモーションを視界に納めてもらう愛を取り上げたら狂うよ - 196二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:48:20
なんかそのうちトレーナーの体がひっかき傷とか噛み跡だらけになってそうだなぁ。
歯型の違う2つの噛み跡に、背中には大量のひっかき傷が…。 - 197二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:51:56
梅
- 198二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:52:09
うめ
- 199二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:52:19
ume
- 200二次元好きの匿名さん22/07/18(月) 11:52:35
はい