- 1二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 00:05:18
羨ましいよね
※モブ注意
自分がまだ幼い頃の話。
「もうやだ!絶対家になんて帰らないもん!」
そう言ってもう夜も遅い時間に家を飛び出したことがあった。
涙を必死に堪えながら、夜の街をひたすらに走る。
そのうちに辿り着いたのがそこだった。
「…トレセン学園だー!」
その学園は…自分が小さいのもあり、とても広く雄大に見えた。
そういえば、寮もあるらしい。あと数年で中学生になれるし、入学すれば家出にならないだろうか…などと考えてみる。
「…こんな深夜に誰っスか!?不審者っスか!?」
そんな声で驚き振り返ると、学園の制服を着たお姉さんが立っていた。
「わぁっ!ち、違います!違うんですっ!」
「あれ…まだ子供じゃないっスか!こんな時間にどうしたんスか?危ないっスよ?」
…気遣ってくれているのがわかり、正直に話す。 - 2二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 00:05:44
「…親御さんとケンカしちゃったんスか」
「ケンカじゃないもん。だって私悪くないもん…」
ブツブツと文句を垂れる自分。
その人は話をただ聞いてくれていた。
「…だって、私だって…走れるもん。トゥインクルシリーズ走れるもん!重賞だって獲って見せるもん…!」
「…なるほど!その熱意、サイコーっスね!」
「…え?」
本当は自分はそんなに足の速い方ではなかった。
だからずっと、夢をバカにされ続けてきた。
けれどその人は、夢を肯定してくれた。
「…その」
「あれ…もしかして嫌な言い方だったっスか?」
「ううん…ありがとう!…いつか、この学校でお姉さんと走ってみたいな」
「おう!待ってるっスよ!」
気持ちも心なしか晴れやかになり、自分は帰路についた。 - 3二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 00:05:57
それから数年後。
必死に独学で、トレセンに入学できるくらいの走りは身につけた。
ここから実績を作れるかは別問題だが…これから頑張っていきたい。
そして、レースとは別にもう一つやりたいことがあった。
…志願書を手に、部屋のドアを叩く。
「すみません!風紀委員志望で来たんですけど!」
「お?了解っス!伝えて…あ」
「…これからよろしくお願いします、先輩!」
「へへっ…よろしくっス!…これからが楽しみっスね!」 - 4二次元好きの匿名さん22/07/13(水) 00:06:58
きっと近所の子供はトレセン生徒と交流できるんだよね…羨ましい
過去作はこちら
【自作SSまとめ】とあるトレーナーのSS|あにまん掲示板SS読んでる?様にピックアップされたのをきっかけに作ってみたhttps://bbs.animanch.com/board/794102/?スレ画はバンブーだけどそれ以外も書くぞ!下10レスくらいは初S…bbs.animanch.com関係ないですがSS活動がリアル知り合いにバレてたのが日付変わる前のハイライト